テレビ
「ちかえもん」 いわずと知れた木曜時代劇。 ドラ○もんではありません。 名前だけはめちゃくちゃ聞いたことあるけど著作は一作も読んだことのない 近松門左衛門(漢字合ってるかしら)の話だと聞いて興味を引かれて見始めました。 1話目あたりは「なんか、思ってたよりパンチ利いてへんな」と思いながら見てたのですが、 3話目あたり、お初と徳兵衛の事情がじわじわ明らかになってきたところくらいから 加速度的に面白くなってきて、今では続きが楽しみで楽しみで仕方ありません。 後一回で終わっちゃうってつらい。 …などという陳腐な言い回しはわしのプライドがゆるさへんので(決まり文句) 大人しく次回を待とうと思います。 1回目の感触で録画を消しちゃってもったいないことしたな~! それにしても、まさか青木さんを可愛いと思う日がくるとはなあ。 万吉に対しては、小学生の男の子を見守るような微笑ましい気持ちになりますよ。 アップしない内に最終回も見終わりました。 脚本家に一回騙された。 でも、万吉のくだりではちかえもんと一緒に大泣きしましたよー! まさかあんなオチに持ってくるとは思わへんかったけどなー!! ああ、でも終わっちゃって寂しいな。 曽根崎心中を読んでみたくなりました。 ここから本 ネイサン・ローウェル著『大航宙時代』 買ってから積んで置かれてた本。 『リヴァイアサン』でSFづいたので、勢いで読んでみました。 …面白かった!! いや、この話、何が起こる訳じゃないんです。主人公の日常がひたすら書いてあるだけ なんだけど、それがすごい楽しい。 冒険活劇じゃなく、日常系というか、青春小説っぽい。 でもって、 わくわく商船ライフ本 であります! 時は未来、舞台はとある星。どうやら財閥とか企業とかが力を持ってる社会らしく、 最初、主人公は、丸ごと一個の企業が所有して運営してる企業星で教師をしてる母と 二人で住んでるんですが、ある日母親が不慮の事故死を遂げるんです。 いわゆる社宅みたいなところに住んでいたものだから、社員の母が亡くなって、 主人公はそこを出て行くよう言われるわけです。 星ごと企業だから、星から退去せよと。 でも、星を出て行くための路線の運賃は馬鹿高いし、通行手段と金とを稼ぐ一石二鳥の方法として、 主人公は星々を巡る貿易船に、下っ端水夫として乗り込むわけ。 こっから商船生活が始まるんだけど、物語は一貫して主人公目線で進むもんだから、 何もかも目新しくて、面白くて、へー、商船てこうなってるんだとか、 こうやって運営されてるんだとか、船内はこうなんだな、とか、船員は暇なときこうしてるんだとか、 自分の積載枠での個人貿易始めてみようとか、 1年先輩の同僚が実は商人一族の出身でものすごい商才に長けてたとか、 個人貿易も仲間とやってみたらどうかしらとか、 ほんま、戦争が起こるわけでも企業間の汚いあれこれがあるわけでもないのに楽しいのです。 ただ、主人公がいい子すぎるのと、出てくる人がみんな理性的なのはちょっと 都合良すぎるかな、と思うけど、そのおかげで読むのは大変にストレスフリーでございました。 原作は後5作くらいあるみたいだから、早く訳してくれないかなあ。 三島由紀夫著『命売ります』 またもお茶友に貸された三島本。 なんでそれほど三島好きじゃないくせに買うのかね、君は。 でも、これは「一大エンタメ小説」の帯に違わず、大変読みやすい小説でした。 なんか、ぼんやりと世界に絶望した主人公が自殺を図って失敗するとこから始まるんだけど もう命いらんと思ってるわけだから、「じゃあ、売っちゃえ」てなもんで それを商売にするわけ。 で、次々と命を買いたいという人々が現れて、主人公はそのたびに巻き込まれ、 からくも生き残っちゃうんだけど、 うん、話の筋は飽きさせないつくりで比喩もすばらしくさすが文豪なんですが、 娯楽で読むにはちょっとよくわからん後味です。 連載されてたのが「プレイボーイ」らしく、女性に対して突き放した言い方が多かったり、 サービスシーンが毎回あったりもします。 でも、これまで数冊三島に挫折してきたお茶友が「初めて読み通せた!」と 言うくらいなので、取っつきやすいことは確かだと思います。 船山信次著『民間薬の科学』 いや、なんか、気が向いて買っちゃった本。 民間薬、と呼ばれている日本で昔から使われていた薬草たちを 薬剤師の著者が列挙していく淡々とした一冊。 でも、ちゃんと化学式も載ってて、なかなか面白いです。 けっこう道ばたに危険な草って生えてるもんだな、と思いました。 青野 由利著『ニュートリノって何?: 続・宇宙はこう考えられている』 すごい面白かった一昨目の記憶があったので買ってみた2作目。 これも違わず面白かったです。 科学記者が、一般人にわかりやすいよう大層かみ砕いて書いてくれているので、 専門に物理を学んでいる人よりもまさにわたしのような浅薄無学な輩にこそぴったりの本でございます。 タイトルの通り、まるまる一冊ニュートリノについて貸いたもので、 そもそも、ニュートリノ、という概念がなにをきっかけに想定されたのかとか、 名前が付いた理由に、その観測方法の歴史、方法の変遷、 派生した理論のその後などを詳細に追っています。 まあ、ぶっちゃけ、今回ニュートリノ振動がノーベル賞とらんかったら出版されなかったと思うんだけど、 逆に言えばそれだけニュートリノが振動する、てのがどれだけすごい発見かが分かろうというものです。 それにしても、理論物理学者がたてた予想が、実験屋によって観測されるまで 大体数十年かかるのね。大変だなあ。 この本、一般読者が飽きないようにか、科学者たちの横顔もさらっと入れてくるので 小難しい物理話に頭が飽和し掛けたわたしなどは、何度もそれに救われました。 科学者同士の厚い友情話にそっと涙したよ! 後、小柴先生が超イカす! フェリクス・パルマ著『時の地図』(上)(下) 著者はスペイン人ですが、舞台はイギリスです。 3章仕立てになってて、1章2章はぶっちゃけ読むのがたるいし、 出てくる登場人物(特に男性)がシモいか陰気か尊大かであまり好きになれず、 著者がたびたび読者に語りかける地の文が鼻につき(講談聞いてるようで面白くもあったけど) よっぽど途中で放り投げようかと思いましたが、 がんばって読み進めたら第3章でのめり込みました。 読後感は良かった。 でも、手放しで進められるかというと、ううむ、どうなんだろう。 面白いことは面白いけど人によってはとことんダメかもしれん。 といった感触。 物語のテーマである時間旅行に関しても、1、2章でああ持ってきたから そのまま最後までそれで通すのかと思ったら、3章で手のひら返したしな。 いや、1、2章で出てきた諸々が3章でちゃんとつながるのは、 シャドウ・オブ・メモリーズみたいで面白かったですが。 ゲーム 現在、今更ながら「ファイアーエムブレム覚醒」と「信長の野望201X」にはまっています。 「覚醒」はそろそろ7周目が終わりそうだよ~。自分の心を正直に見つめると、 わたし、ヴィオールさんが好きかも。面白いもん。後、女性なら断然ベルベットさん。 「信長」の方は、コーエ○さん発の基本無料のネットゲームなんですが、 とうらぶ、進撃タイピングくらいしかネットゲームの経験がないわたしが言うのもなんですが、 システム的には進撃の方に似てるかな。と思います。 いや、でも、髭&おっさん、おじいたん率が高いのは好感度高いです。 パーティ全員おっさんで、とうとう『漢は漢の花が咲く』とか報道されちゃったよ、おい。 さすが老舗ゲームメーカーだけあって、ただなのに、すごい快適に遊べてます。 最初のゲーム画面に「一部課金箇所があるから気をつけてね」的な但し書きを ちゃんと書いてくれてるのも好感触。 使ってると、これまで聞いたこともなかったモミーとか、榊原さんとか、 知らん武将に愛着もわいてくるし、三好の乱とかにも詳しくなってくるし、 楽しいです。楽しいです! #
by mi-narai
| 2016-03-14 10:05
| 2016年上半期の読書
年末にネットでお買い物をしたんだけど、年が明けて届いたものの消印が
片っぽが広島、片っぽが帯広になってて、超テンション上がった! (遠くから何かが来るとすごい嬉しいな~! これ、それぞれの地域の郵便局を経由してきたんだなぁ、と思うと感慨深い) 送って下さってありがとうございます! 初夢 なんかよう分からん夢をみました。 わたしは文学部にいるんだけど、理工学部がどうなってるのかしりたくてしりたくてたまらないの。 特に、コンピュータを扱ったり機械を作ったりする学部、情報工学部が。 で、ある日思いあまって突撃するわけ。 入り口入ったところで早くも職員らしき女の人に誰何されるんだけど、もうここは正直になろうと思って 「文学部のものですが、どうしてもこの学部が気になって、今日は見学にきました。 見て回ってもよろしいでしょうかッ!」 と頼み込んだら、割とあっさり許可が出ました。 中に入ったら、学生の7割が何故かケンタウロスだった。 で、わたしは驚きもせずに「ああ、昨今少子化で大学も生き残りをかけていろいろ変わった取り組みしてるもんな。確か、この大学、ケンタウロスの入学を受け入れる、ていうユニーク策打ち出してたわ」とか思い出すわけ。 しかし、何故情報工学科にケンタウロスが集まる結果に??? 根っからの文系人間であるわたしには理系の学部が何をやっているのか想像がつかなかったようで、 研究室等は夢に出てこず、何故かそこでレクリエーション中のケンタウロスの一人に、 手作りパンを振る舞われたりしました。 それが、めっちゃ!うまかってん!!!外はぱりっとしてて、中はふわっふわやねん! もちもち、じゃないねん。ふわふわやねん。ぱさぱさでもないねん。 あの感動をどうお伝えすれば… で、「おおお!!オラ、こんなうめぇもん食ったことねぇだ!」などと たず役演じてるマヤちゃんみたいに感動してたら目が覚めた。 いったいなんだったのか… 大阪古墳ハイキング 半年ほど前の奈良古墳ハイキングに引き続き、大阪での古墳ハイキングも催されたので 素知らぬ顔で参加してきました。 たぶん、主催者にはまた妙なのが混ざってると思われてたに違いない…(ごめんなさい) 前回の奈良と違って、今回の大阪は、大きな古墳が多かったです。 ニントク天皇陵とか。ミサンザイ・ニサンザイ古墳とか。 前は人んちの畑とか人んちの庭とかに踏み込んで墳墓に上り、 中にまで入れる古墳の未発掘・放置ぶりが目立ちましたが、 さすがに今回ほどの大きな古墳になるとちゃんと観光地として囲われてて、 堀にも水が入ってて THE古墳 という感じでした。 しかし「墓」扱いの古墳が多く、入り口に宮内庁の立て札が立ってて墳丘の中には入れなかった…。 後、堀の水、あれ、江戸時代にはため池として使われてたと聞いて、ずっこけそうになりました。 ま、まあ、水がためられそうな堀が目の前にあったら、使うよな。合理的ですよ。 第九 久々に生第九が聞きたくなって、行って参りました! 貧乏なわたしにしては大枚張り込んだんですが、その甲斐あってか これまで聞いた第九の中で最も演奏が素敵でした。 そう!第九の最後の部分は庶民としてはがーっと盛り上がったまま 突き進んで高らかにファンファーレを響かせるように終わってほしいの! 小難しい曲の解釈はいいから、変にゆっくりひっぱったりしないで欲しいのよ! 値段は伊達じゃなかった…!!! その前に見た佐渡ゆたかの第九番組で、 「ベートーベンは人の声でしか表現できないものがある、と考えて 第九の第4楽章に合唱を入れた」と聞きましたが、 歌詞や、和音からもたらされる重厚感、クライマックスへの盛り上がりを併せて、 全くその通りだ、とベートーベンの正しさを痛感しました。 あの合唱が入ったところで、感動で泣きそうになるもん、毎回。 一つ一つの音ってのは波長じゃないですか。 人間がそれをとらえる気管は鼓膜しかないとしても、物理的な影響を体を構成する 素粒子に及ぼしてないとは言い切れないじゃない。 あの、すごい数の楽器の、しかも全部が違う動きをしてる音と、 更にその上に、4部構成の人の声60人分くらいが加わって、 本当に、音を浴びている、という感じになるのですよ。 気持ち良かったー!! やっぱり拡声器を使わないたぐいの楽器の演奏は生と録音じゃ全然違うよ! 劇場に直接行くのと録画を見るのじゃ全然違うみたいに、違うんですよ!! また何か演奏会に行きたくなりました。 でも ・あまり金がかかるとつらい ・演奏会のプログラム曲をそれほど知らず、行く気にあんまりならない。 という二つの阻害要因が。曲の方は、わたしの不勉強が悪いのよね。 ストラヴィンスキーとか聞いてみるべき…?? 映画 『SW エピソード7』 スターウォーズも行ってきたよ! 楽しかったです。 いろいろ前作をふまえての小技が利いてて、前作も好きな私は にやにやしながら見てしまいました。 前作と言えば、正月辺りにやってた古い方のスターウォーズ見てると 毎回トンネルミッションがあるんですよね。 戦闘機で狭い通路くぐり抜けてターゲットに命中させ、 更にヒットエンドランで一目散に逃げないといけないアレ。 エスコンのすべてのトンネルに泣かされてきたへっぽこプレイヤーの身としては 「ああああ、いやだ、トンネルはもういやだ、あんなトンネル絶対無理」 と人事でなくガクブルしながら見ていたのですが、 エピソード7でもありましたよ、トンネルが!!! 今回は主人公サイドは、腕利きのパイロットがその難ミッションを軽々こなす様を 見ほれる側だったんですが、そちらの視点に立って初めて、 真のエースがどういうものかが分かりました…!!! すっごいよ!!すっごいパイロットですよ、ダメロン!! 正確に敵だけをねらい打つ対地スキル、ミサイルの命中精度、なのに落ちないスピード、 追撃をスレスレ交わす飛行技術の絶技、どれをとっても神業ですよ!!! レジスタンス一のパイロットと自称してもこれなら納得。 呼び捨てなど恐れ多い。これからは尊敬を込めてダメロン先輩と呼ばせていただきます。 今回一番感動したのは、なのでダメロン先輩の腕前に対して、なのでした。 いや、大筋の方も、楽しく見終わりましたよ。 結構謎が残ったままなので(主人公の出自とか)、 次のエピソードが待ち遠しいです。 テレビ 「プロファイラー」という番組の「ミケランジェロ」回、 ゲストが荒木先生だった…!!! ミケランジェロもすごかったけど、荒木先生にすべてのインパクトを 持って行かれました。 先生は、紳士的な素敵な方でしたよ。 ここから本 高田崇著『カンナ 戸隠の殺皆』 お借りした本。第二段。 相変わらずのウザい歴史観なのです。 本気で言ってる風なのがいたたまれませんが、 この本はとんでも歴史ミステリーとしてかっとびっぷりを楽しむものだと思えば、まだ笑えるかな、と 最近達観してきました。 うん、あの発想は無かった(笑 『中国の神話』 読み始めて随分立ちますが、まだ半分くらいまでしか進んでません。 タイトルの通り、中国の神話について書かれた本。 著者が漢字の研究や辞書で有名なあの白川先生です。 中国の神話を系列とか無視してズラズラ並べる子供向けのアレではなく、 亀甲占いの象形文字まで持ち出して、 中国の文字資料に現れる神や古王の伝承が、 どの系統の民族のいつ頃のどういった分野の神話なのかまでを 細かく検証して述べてある風の、大変読み応えのある一冊です。 面白い! でも、進まない… ええ、毎回言うように、漢字がネックなのです。 そんなに漢字苦手なら中国モノは読まなきゃいいのにと自分でも思うんですが、 世界中の神話を網羅したいという野望を持つ身としては やはり中国神話も避けて通るわけにはいかんと言いますか…・ 今回、特に理解の妨げになっているなと思う点は ・白川先生の使用する漢字の熟語に馴染みがなさ過ぎて、人物の名前なのか一般名詞なのか はたまた古代中国の役職なのかがさっぱり分からない ・引用部分がまるまる漢文の書き下し文で、素養のない私には読みづらい ・日常使う漢字ではないまるで見覚えのない複雑な漢字が固有名詞などに当てられていて、 読み方が分からず、まるで絵を丸ごと覚えるような仕様になってて記憶力を試される この3点です。 特に、最後の、漢字の読みが分からない、というのは、今回しみじみ思ったのですが、 意外に覚えにくさを助長させているものだなあと。 言葉はやはり発音と連動して記憶するものなのだな。 現代日本語の常用漢字ならだいたい読み方は調べたら分かるし、 読みの候補もそう多くないのですが、 ものが古代の中国語ですよ。現代中国語での読みなら見当はついても 当時はどう読まれてたかなんてまるきり分かんないですよ。 古代エジプトの王名をとりあえず母音にEを当てはめて借り読みしてるみたいに、 とりあえず日本語の音読みで覚えるしかないのか… 絶対そう発音していたわけないのになあ… 漢字の話はおいておいて、 感じたことを箇条書きに ・中国には神話がないと言われるけど、そうでもないらしい。 最初は、「状況はローマと似てるのかな。 歴史の方に神話的要素をぶっ込んじゃったというか」ほどに感じていましたが、 もちろんそういう要素はあるのですが、それだけでもなく、 流石に中国の方が初期ローマの何倍も広いだけあって、事情は更に複雑でした。 ・当たり前だけど、中国大陸をいくつもの民族が席巻してたんだなあ。 で、それぞれが独自の神話体系を持ってて、移動や勢力争いで接触する度に 少しずつ影響を与えあってきた、と。 ・それぞれ民族の洪水神話を考える段で、大体が龍タイプの水神を設定する中、 どっかの民族だけ、 魚人 だったのには吹きました。 シュール過ぎる…!!その発想は無かった! ・イ系の民族の、ゲイ(どちらも漢字が出てこない!!)の神話、 これもシュールで好きです、ほれ、太陽を射落とす男の話。 これに絡めて、かつてインでは、10個の太陽を設定し この10個はすべて個々の性質と祭祀を持っていたんじゃないか、みたいな 説が語られてて、これまた想像もしてなかった説にときめきました。 10個の太陽が、かわるがわる順番に毎日上がってくるのって、 ちょっと面白いですね。 マジでその発想は無かった! スコット・ウェスターフェルド著『リヴァイアサン』 『ベヒモス』 『ゴリアテ』 三部作。 面白かったです!!! 『白金の王冠』を読み終わった後は、これから何を楽しみに生きていけばいいんだろう と本気で悩みましたが、 この本を読み始めてその悩みはあっという間に解消されました!! 1巻の最初の導入からワクワクしたよ!! ジャンル的にはスチームパンクで、物語の始まりは1914年から。 そう、第一次世界大戦です。 あの発端になった、セルビア人青年に暗殺されたオーストリア大公夫妻に 実は息子がいたって設定で、 このオーストリア公子が主人公の一人、アレキサンダー(アレック)。 で、世界は産業革命に始まる工学技術を発展させていった人々の陣営(クランカー)と ダーウィンに端を発する遺伝子工学を発展させていった人々の陣営(ダーウィニスト)に分かれて 縄張り争いをしているわけ。 ちなみに、オーストリアを含むドイツ側がクランカーサイド、 イギリスを中心に連合側がダーウィニスト陣営です。 クランカー側は、8本足の陸上戦艦はじめ、モビルスーツ的なモノを開発するところまで 技術開発が進んでいるし、 ダーウィニスト側は遺伝子操作した動物を機械の代わりに日常に取り入れ、 主に海洋生物を操作して航空機を創造してるの。 第一部のタイトルになった「リヴァイアサン」は クジラをベースに何百という生物の遺伝子を複雑に組み合わせて作った 生きた飛行戦艦の名前で、 英国海軍はその空飛ぶクジラでクランカー側の機械と戦うのよ。 ちなみに、女の子であることを隠して英国空軍に入隊したディラン・シャープ、こと デリンがもう一人の主人公なんですが、このデリンが本当にかっこよくって!!! とにかく! ・追われる貴族の坊ちゃん ・意地悪な剣術師範 ・空飛ぶクジラ ・男装の女の子(ただし、中身はヘルメス。すっごい頭の切れる士官候補生) ・英国海軍モノ(実際には空軍だけど、戦艦なので序列は海軍) ・美人女科学者 ・2本足のレイバーを操縦 ・激動する世界情勢 ・若い二人の陣営を越えた友情 ・クランカー側でいう機関長が、ダーウィニスト側では主任生物博士なんだぜ! ・ロシアの戦闘熊超こえぇ!! ・日本も出るぞ! と、もう出てくるキーワードがすべからくすべてツボで(冒険活劇大好き!!)、 しかもジュブナイルなのでえげつないやりきれない描写はなく、全体的に清々しく、 淡いラブなんかもあったりして、 読んでる間もうほんと、楽しくて楽しくて!! 第1巻は、ほぼリヴァイアサンに乗船してる状態で話が進むんですが、 この生きた戦艦がまた、ね!!素敵でね!! 甲板作業してるとき、足の下でクジラの繊毛がわさわさ揺れんのよ!! バラストはクジラの排泄する汚物だし(笑)。 攻撃手段としてのコウモリとか鷹とかがクジラの一画で飼われてたりするのよ。 最初は、クランカー側のメカメカしさが素敵だなと思ってたのに、 読み終わる頃には、クジラに首っ丈になってました。リヴァイアサン万歳! あー、楽しかった! ジブリの「ラピュタ」がお好きな方には問題なく楽しめると思います。 あんな感じの、ワクワクするテンポのいいスチームパンクですよ。 シータみたいな、女の子っぽい女の子はあんまり出てこないけどね。 (ディランが男前過ぎて、途中、男の子同士の友情的に燃えた。 2巻の途中で、二人は喧嘩するんだけど、ちょうど仲直りの部分読んでるときに、 出先だったので1ダイレクションの曲がかかってて、それがまさに 場面にマッチしてて、すごい盛り上がった!!!) 米澤 穂信著『折れた竜骨』 お借りした本。 歴史ミステリーファンタジー風味。意外にちゃんと推理ものです。 最終的な犯人の処理とか、ちょっとご都合主義かなと思う箇所は無いこともないけど、 ジョン欠地王時代のイングランドの僻地の島という舞台設定や 魔法が存在するパラレルワールドというファンタジックな世界観が結構楽しく、 気軽にさくさく読みすすみました。 上巻の最初の辺りは4回ほど寝落ちしましたが、殺人が起こってから犯人捜すくだりは 普通に推理小説っぽく、面白かったです。 でも、一番盛り上がったのは、バイキングが攻めてきた辺りです。 (それ、推理関係ない。) あんまり日本人作家の本は得意ではないけど、最後の犯人当ての辺りなど ワクワクしながら読んでしまいました。 いや、後書きに、修道士カドフェルの名前が出てきたのをみつけた時が一番ワクワクしましたけどね! 作中の地の文で「モード女帝のすぐ後の時代」、って記述読んで、カドフェルを思い出してたけど、 意識して書いてたんか。そうかそうか。 #
by mi-narai
| 2016-01-24 22:30
| 2016年上半期の読書
テレビ
「数学白熱教室」 2回目、3回目と4回目。 2回目…今日は数論の話でしたよ! 整数、分数、有理数、無理数の話から始まって、方程式の解のハナシまで。 ガロアさんの生涯に吃驚しました。 20才で重大な数学的証明を書き残した翌日に決闘で命を落とすとか、 衝撃的すぎるでしょ!! で、一応理系だった父に「ガロアって知ってる?」と尋ねると さも当たり前のように「うん、知ってる」と言われたのでこれにも吃驚しました。 そうか、そんなに有名人か。 3回目…調和解析と数論のつながりの話。 残念ながらチャイコフスキーは出てきませんでしたが、 先生の興奮につられてこっちまで 「えっ、すっげ、なんでそこでつながんの!?」とときめいてしまいました。 数論における解の個数が、調和解析においては美しい図形で表せるなんて! これも、もっと研究が進むとどうしてなのかが分かってくるのかな。 再三言うように数学的素養のないわたしには、うすらぼんやりした輪郭追うだけで精一杯ですよ。 最後のあたり、ちょっと場を和ませるためか、先生は毎回数学的偉人の生き様とかを説明なさるんですが、 そこで一人の日本人研究者に言及なさってて、その最後に切なくなってしまった。 まさか自殺してたとは… で、その自殺を言及した研究仲間の悔恨の言葉にやられた。 4回目…物理学と数学とのつながりの件。 最新物理学における素粒子の数と数学の群のつながりの話。 そもそもSU(3)とかSO(3)とか、もうそっから分からん。 (群の名前らしい) でも、その群と素粒子の数に関係があると聞いて、やっぱり「マジかー!」と吃驚してしまいました。 なんやろう、数学って、概論の最たるものやねんから、こうイデア的なのかしら。 それがそれぞれの分野に投射されて色んな形で立ち現れるのかな。 なんにせよ、クォークの種類とか(アップとかダウンとか)、 聞く回数が増えるにつけだんだん耳に馴染んできたぞう! わたしには難しい授業でしたが、最後まで聞き終えられたのは、やはり先生の顔が ものすごい好みだったからかもしれません。眼福でした♪ (いや、もちろん講義内容も面白かったよ!!) 次回は行動経済学っぽいのでまた見てみようかと思います。 「アメリカン・プリンセス」 ダウントン・アビー枠でやってたので、単発ドラマかと思って見てみたら、ドキュメンタリーでした。 ダウントン・アビーの伯爵家のお母様、コーラさんのモデルにもなった、 破産し掛けたイギリス貴族たちの救いの女神、持参金付きのアメリカ娘たちの話。 いや、このネタ、ロマンス小説でよくあるので、ロマンスファンには今更なのですが 改めて、チャーチルの母ちゃんもそんなアメリカ娘だったらしいとか、 目新しい情報が面白かったですよ。 しかし、イギリスが作ってるドキュメンタリーだからだろうけど、 ちょっとイギリス貴族側に甘すぎないか? ニューヨークのオランダ系上流階級の皆さん方も人でなしですが、 イギリスの世襲貴族どもときたら クソ ですよ!!とくに跡継ぎのバカぼんの醜態は耐え難い。 ほんま、後ろ頭ハリセンで思いっきりどつき回したい誘惑に狩られて止みませんでした。 アメリカ娘のお父さんは、割と叩き上げの商人が多いんだけど、 そのお父さんたちの娘婿に対するいらだちに一番共感しました。 ここから本 鶴間 和幸著『人間・始皇帝』 読み終わりマシたー! ちょっと前にアジア巨大遺跡で始皇帝陵を見たから読みたくなって。 中国史が苦手なわたしが興味を持つなんて滅多にないことなので この機会を逃すまじ!と頑張りました。 で、読み始めて案の定、4ページ毎に訪れる睡魔のことですよ。 歴史は面白いんです。そのおもしろさを上回って 中国語の名前がつらい… 漢字がどれも同じに見えるねん…。 いや、それでいうならわたしは日本史も苦手ですけどね!!! 国名はすべからく漢字一文字、人の名前も二、三文字なので 余計に覚えづらい上に、読み方に馴染みがないからさ。 以下、思ったことを箇条書きに。 ・とりあえず、戦国時代秦は一番西の端っこ、楚は南っかわ、 斉は東の海沿い、趙は真ん中辺、という大体の位置関係と、 呂不違、とか李斯とか、宰相の名前と、 趙正が13歳で即位したってことと、その政策なんかは分かった! ・でもって、つくづく、中国は広いなあ、と感心しました。 この時期、戦国7国くらいに分かれてるけど、地図で見たら小さいけど、 日本地図と比較すると吃驚するよね。 ・で、国が分かれてた割に、結構他の国の優秀な人材を登用してたりするんだなとも。 ・作中ちらっと中国の星座の話も出てきたけど、これまた興味深かったです。 始皇帝の崩御あたりの天変地異に絡めてなんですけどね。 28宿を4で割って、それぞれ方位を司る四神になるとか、ちょっと面白いですよね! 青竜の頭の星、目の星、胸の星、腰の星、とかあんの。 方角に神々が配されてるあたり、ちょっとエトルリアを思い出します。 ・神といえば、斉の行ってた祭事も面白かった。 天神に始まる各種神を、国の方々で祭ってたんだって。 シユウは軍神ポジションですよ。 ジョフクが東方の蓬莱を探して旅立ったのもこの時期ですよ。 ・妹に、このすぐ後に項羽と劉邦の時代がくるで、と聞いて、 いつもバラバラに考えてたこの二つの時代がこんな近かったんか、という自明の理にも 改めてびっくりしました。 やりだしたら、面白いんだろうな~中国史も!(やらんがな!) とりあえず、読み終わる頃には始皇帝にほんのちょっぴり親近感が芽生えてますYo。 意外に楽しめた♪ 『こなもん屋うま子 大阪グルメ総選挙』 大阪市長であるあの人っぽい登場人物が出てきます。 この人だけは、毎回うま子の店を捜し当てることができる特別枠。 ちょっとあからさま過ぎるかな。 でも、あの人の印象としてはそんな感じよな。とも思いました。 高田崇著『カンナ 奥州の覇者』 お借りした本。 いい加減、作者の恨み節がウザい。 主人公もそんなに悪くないし、仲間の一人が裏切り者というサスペンスも悪くないのに 著者の押しつけがましい歴史観がすべてを台無しに。 ほんと、これさえなけりゃなぁ…(※それがこの作者のウリです) メアリ・ロビネット・コワル著『ミス・エルズワースと不機嫌な隣人』 一応ファンタジーに分類される本で、魔法が出てきますが、 別に魔法で人を殺すわけでも戦うわけでもありません。 舞台は19世紀イギリス、出てくるのは地方の中産階級の人々、魔法はそんなのどかな背景の中、 絵画やピアノといった女性のたしなみのひとつといった位置づけです。 主人公は、そこそこ良いお家の長女で、あんまり容姿に恵まれてないけど、 魔法の技に長けてて良識があって落ち着いたオールドミス、 下に美人だけど衝動的な妹がいて、最近性格の不一致から姉妹関係がぎくしゃくしてます。 で、お隣の常識人の領主にほのかな思いを寄せてたり、妹とはからずもライバルになっちゃったり、 妹とお互いに羨ましがってたのが判明したり、 細やかな情感の描写とともに、物語は展開していくわけですが、 うん、オースティンみたいでした。 上品なロマンス小説っていうか。 魔法は、ロマンスの割と大きなキーポイントなんだけど、やっぱり一貫して手業の一つでしかないというか、 すごい変化球な魔法の使い方でした。 主人公と相手役の人のくっつくくだりがちょっと唐突でしたが、 わたし、すごく楽しんで読みました! その人とくっついて欲しかったんだ~!! 面白かったです。 メラニー・カード著『落ちこぼれネクロマンサーと死せる美女』 ちょっとした気の迷いで買っちゃった本。 普段、オカルトもグロいのも苦手で読まないのに(恐がりなので) なんか、多分その時疲れてたんでしょうね、ふらふら買っちゃったの。 まあ、買ったので読んでみた。 異世界ファンタジー。19世紀の西洋程度の科学は発達してそうだけど、 魔法があるせいで、医学における外科手術が法律違反になっちゃってる世界。 主人公は高名なネクロマンサーの家系に生まれたけど、医者になりたくって、 医学の道を志すも、手術が公にできないから墓場を掘って死体を解剖しようとして 軽犯罪で捕まったことがあるという若干情けないたぐいの前科持ちです。 この気弱で善人の主人公が、金に困って 15分だけ死者を蘇らせるネクロマンサーの術を、死んだばかりの金持ちの娘に 掛けたところから話は始まります。 このお嬢様が実は裏社会のボスの娘で腕利きの殺し屋で、その裏社会の軋轢やら、 ブラックなネクロマンサーの呪術やら、町を牛耳る為の陰謀に、 お人好しの主人公が巻き込まれてえらい大変な目に遭う、という筋です。 まぁまぁ。 サスペンス度合いがハード過ぎてちょっとしんどいのと、 (血と死体と裏切りがいっぱい出てくるよー) 最初は主人公が美女にバカにされっぱなしでストレスがたまるのですが、 読後感は意外に悪くありません。主人公は一貫して良い奴だし。 なので、面白いか面白くないかと言われたら、割と面白かったです。 でも、先に読んだ炎と茨の王女とか、ミス・エルズワースとどっちが好きかと言われたら 王女とミス・エルズワースかなあ。この辺は個人の好みだと思います。 ちなみに2巻目の『落ちこぼれネクロマンサーと黒魔術の館』も読んだんだぜ! (だって、買ってあったんだもの) #
by mi-narai
| 2015-12-31 15:37
| 2015年下半期の読書
仕事帰りに立ち寄った店で見つけた酒をご紹介したいと思います。
まごうことなきみかん。 九州か四国、和歌山あたりの酒蔵発かなと思ったんですが、 なんと、埼玉の酒蔵で作ってるようです、関東圏の人は要チェックですよ! (麻原酒造って書いてあるよ。) それにしても、 おうどん屋の店先に何故ハシビロコウ先輩(大)を置いてしまったのか。 トラップなのか。 店主が無類のハシビロコウ好きなのか。 (機会があれば是非行ってみたい!) #
by mi-narai
| 2015-12-01 21:27
| その他
文化の日、出勤しておったんですが、
一人で部屋に居るときテンポの遅いノックの音がしたもんで、 誰や、思ってドアを開けたら、京都弁の例のチャーミングすぎる上司が向かいの印刷室に 入りかけてたんです。他に人影がなかったので(あと独特のスローノック) 「あれ、なんかご用でしたか」 と声をかけたら、振り向いて、びっくりした顔をして 「ほんまにおった」 と一言。 別に用はないねんけど、今日来たはんのやったら ほな、顔みよか、おもて。用はないねん。 とにこにこ笑いながら印刷室の方へ去って行かれました。 部屋に戻って一人で悶えた。 (おおおおおちくしょおおおお可愛いなオイ!!!!) 70過ぎてこれだけ可愛いのって反則でしょうがッ!!!!! 大阪のプラネタリウムで「古代ギリシャの星座たち」みたいなプログラムをやってたので ちょっくら見に行ってみました。 今回は気持ちよすぎる椅子の誘惑にも屈せず、最後まで起きてましたよ…! (そこ、自慢するところか) 星空解説とともに、今現在使われている星座、星のまとめ方のうち、ギリシャ神話由来のものは、 実はメソポタミア文明の時代には大体ざっくりあのくくりができあがってて、 (とはいえ数は半分くらいだったらしいけど) それを引き継いだギリシャ文明が自分とこの神話をそのくくりにかぶせました、 という説明を聞いて、長年の疑問がちょっと解けました。 一番の収穫は、クジラ座(ペルセウスに退治される海の怪物)が、メソポタミアの 文献ではどうやら「ティアマト」と呼ばれていたらしいということです。 マジか。確かに海水の怪物に近い女神ではあるけど。 アサヒビールの工場見学に行って、ビール苦手なのに3杯も飲んで来ました。 ちょっとアサヒに対する好感度アップしました。単純です。 酒関係の見学は楽しいな! テレビ コズミック・フロントNEXT 宇宙を大航海、の回 いかにして打ち上げた探査衛星が目的の星まで行くか、という話。 いつもの宇宙のしくみといった理論物理的なはなしでなく、純粋に技術系の話だったので 超燃えた!!! 技術屋の話はかっこいいよね!日本人技術者頑張ってる!!! 何か問題があっても投げ出さずにひたすら地道にねばり強く解決の糸口を探る姿に わたくし大変に感動致しました! 後、スイングバイもよく分かった。 SFで出てくる宇宙船もスイングバイすればいいのに。 長距離の場合はその程度の加速じゃ間に合わんかもしらんけど… ていうか、やっぱり航海長は大変なんだな、と思いました。 ヤマト2199で航海長だった島君、 惑星やらなんやらの重力の影響とか全部計算に入れて航路割り出してたんだよな。 すっげーな! 機関長も叩き上げで素敵ですけどね! 後、今更真田さんが副長だったんだと知りました。そうやったんか!! 「アジア巨大遺跡」 どこもすごかったけど、 その遺跡ごと、違う観点で撮ってて面白いな、と思いました。 各々、思ったこと パガン…富の再分配について。なるほどな、と。 しかし、これ、サークルが小さい方が回りやすそう。 兵馬踊…キングダム読みたい…!!! 始皇帝て、13歳で即位したのですね! 古代中国における諸々のハイスペックっぷりはいつも通りなので、 ちょっと麻痺しちゃってますが、 よく考えれば紀元前にあれだけしっかりした官僚組織作って 全国も統一して、って、すごいことですね。 そこんとこは、中国はもっと誇っていいと思う! 三内丸山遺跡…定住狩猟採集民。字面がなんか不思議な感じ。 狩猟採集民なのに定住しちゃってますよ、みなさん。 それを可能としてたのは、日本の温暖で湿潤な気候なんだろうなあ。 弥生時代に入って、なんで稲作文化になっちゃったんでしょう。 ちょっと残念に感じました。 稲作るより、栗拾う方が楽やで奥さん。 でも、そこらへんでそろそろ統一国家作っとかないと 西からの圧力とか、もっと時代が下って開国の時とか困ったろうから 長い目で見ると良かった、のかな…? ともかく。縄文文化について新たな見方を教えられた回でした。 「数学白熱教室」 また始まった白熱教室。またも理系だったので見てみました。 全4回の1回目。 なんか、のっけからすごいよ! 数学には、幾何学とか、代数とか、数論とか、色々分野があるじゃない、 この先生、その分野を一つにまとめよう、という壮大な研究「ラングランズ・プロジェクト」に 挑んでらっしゃいますよ! 物理学で言うところの統一理論ですよね!!おおおお!!! これまた燃える!!! いや、数学の難しいアレこれにはとんと無知なんですが。 勿論学生時代に数学はやりましたけども、そんなの覚えてないよ! 幾何学が図形のやつだって知ったのもこの番組見てだよ!! (この程度の随分残念な数学能力しか有しておりません) そんな無知蒙昧な一般市民にも分かるよう、先生は大層かみ砕いて説明してくださいます。 まずは数を数えると言うことと、「対称」についてじゃった。 確かに、数学の世界はプラトンのいうところのイデアの世界に近いのかもしれません。 図形の概念なんて、実世界には完全な円も四角形も球も存在しないもんな。 それを、球というのはこう言うものだ、と決めて、それがどういうものか理解出来るって、 すごいことかもしれん。宇宙人と会ったとして、同じ数学なのか、という疑問も気になるところです。 なので先生の、物理学の世界は新しい発見で次々とセオリーが塗り替えられていくけれど 数学の世界は一度発見されたものは永遠だ、という言葉もちょっと頷ける。 ピタゴラスの定理もピタゴラスがたまたま発見者として有名なだけであって 他にも自分で見つけた人いたろうしな。 …いや、それは物理法則も同じなんじゃ………まあ、いいか。 数学嫌いなわたしでも楽しく見れてるんで、たぶん、わたしよりは理数に強い 他の大多数のみなさんならもっと楽しく視聴できること請け合いです。 後、先生が好みの男前なんだ!(あくまで個人的に) (ちなみに先生はロシア出身でいらっしゃるので、やたらロシア推し。 調和解析という音の波長を数学的に見る分野の話の時には、 きっとチャイコフスキーが引き合いに出されるに違いない。楽しみです) そういえば、番組中背景にちらっと 「スーパーストリングスセオリー」ってカタカナが見えたけど、これって 超弦理論のことかーーー!!!! (直訳かよ!) 「100分DE名著 サルトル」 別に実存主義にもサルトルにも興味はなかったんだけど、 鷲田清一先生の「哲学個人授業」でサルトルの実存主義を 「つまり、彼女が女であることとか彼女とはとかそういうことやない、 僕には彼女自身が問題なんや、てことでしょう」 という解説が印象的だったので、ためしにいきなり2回目を見てみた。 「個人授業」で読んだ時はサルトルの文章からの引用はさっぱり分からなかったんですが、 仏文学者の解説する「嘔吐」は、 どうしよう、めっちゃ分かる… 理屈として理解出来るのはいいとして、それ以上に、サルトルさんの言いたいことが 実感として心に迫りました。せやんなぁ…としみじみしてしまった。 そうやねん、ほんまはよって立つとこなんかなんもないねん。 せやからほんまは他人がどうこう言うても所詮他人の言葉やねん。 (それが正しいかどうかなんか誰に分かるねん) でも、そう思うとよけいに足下が不安定になるもんやんなあ。 それを自由と言い切っちゃうサルトルさんが好きだ! せめて他人の構築したとっかかりじゃなくて、自分が作ったものを支えにしよう、 という考えも好きだ! 流れで3回目も見た。 これも、うんうん、そうやねんよなぁ、と思いながらしみじみ見てしまいました。 結局、社会で暮らしてる以上、他人にこう思われているであろう自分に 引っ張られるよなあ。 そこを、相手を見つめかえす!という覚悟を決めたサルトルさんがやっぱり好きだ! 仏文学の先生にならって、わたしも「さらば、下種どもよ」を最終呪文として 覚えておこうと思いました。 ここから本 佐藤勝彦先生著『宇宙137億年の歴史』読了。 最後の5ページは、もう駅に着きそうだったので若干流し読みましたが、 それでも最後まで読み切りました!えっらい時間掛かった! でも面白かったです。 最後の辺りは、この宇宙の外側の話で、 いろんな説が載っててこれが楽しかった。 ダークエネルギーが、その外っ側の他の宇宙からの重力じゃないかって説、 話が大きすぎてなかなか想像しづらいけど、面白いな! 後、アインシュタインが一度没にした宇宙項のアイディアが、 近年もう一度見直されたって話を聞くにつれ、 アインシュタインどんだけほど天才やねん、と驚きを新たにします。 すごいよな~!! 阿刀田高著『シェイクスピアを楽しむために』 有名な話がざっくり説明してあって、一冊読むとシェイクスピアを大体知った気になれます。 オセローって勝手にローマ時代の話だと思いこんでましたよ。 ルネサンス期のイタリアか! 後、劇のシナリオは文字で読むより実際に演じられているところを見る方が 10倍は面白い、というのは、わたしもつくづく思いました。 面白くなく舞台化しちゃうパターンもあるだろうけど (劇団四季の「トロイア戦争」はイマイチだった…) やりようによってはものすごく魅力的に膨らませることが出来るんだなあと。 シェイクスピアの「史劇」がイギリス中世を扱ったものだけを指すのも初めて知った。 ヘンリー4世、5世、6世、リチャード3世あたり あの辺り、ランカスターだのヨークだのテューダーだのややこしいんだよな~。 ジョセフィン・テイの「時の娘」の影響でわたしはリチャード3世推しです。 マクベスもウィンザーの陽気な女房たちもジュリアス・シーザーも 初めてあらすじ知ったわ! 著者の阿刀田先生とはいまいち趣味が合わない気がしてきましたが、 解説は大変わかりやすかったです。 『北野坂』タイトルうろ覚え。 お借りした本。 貸してくれたお茶友が「今回全く推理ないっスよ!」と言ってましたが、 ほんとになかった…!! 北野もほとんど出てこないしな。登場人物も標準語だしもう舞台東京でいいんじゃね。 木曜8時の京都シリーズかっちゅうの(あれも全く舞台が京都である必然性がない)。 ただ、『137億年』の後に読んだから、ものっすごいすいすい読めました。 山口瞳、開高健著『やってみなはれ みとくんなはれ』読了。 二つ前のあさどら「マッサン」の鴨井の大将の大ファンだったので そのモデルとなったサントリーの創業者鳥井信治郎について読みたくなって。 それでまず何か伝記みたいのがないかをググって、結局、この本にたどり着いたと言うわけです。 ところで、この本、文庫なんですけど、まず驚いたことが二つ。 ①そもそもサントリーの社史として書かれたものが余りに面白いので 紆余曲折を経て文庫化したものであるということ。 ②山口瞳、開高健の両名は、直木賞、芥川賞作家なのであるが、 もともとサントリーの社員で、賞を取ってからも社員で居続けたということ。 どっちにもびっくりしたよ! ビックリ気分のまま読み始めて、内容の社史からぬ小説っぽさ、熱気、 語り口の面白さにグイグイ読み進めてしまい、 最終的に泣き笑いのような顔でサントリーの熱気に当てられて読み終わりました。 面白かった!! 社史として書かれた以上、サントリー推しは当然としても、 両著者が会社を、その構成員たちを、創業者の鳥井さんを愛してるのが伝わってきてじんわりし、 その上かつてのサントリーのチャレンジ精神あふれる社風にワクワクしました。 鳥井信治郎さんは、良くも悪くもアクが強くて印象に残る人だったみたい。 冷静で大胆な商人だけど、神頼みが頗る激しいところも、情にもろいところもあって 清濁すべてを併せた上でたいそう魅力的な人だったようです。 著者がかつての鳥井さんの思い出を社の重役たちに聞いて回る場面があるんだけど 語り手の口調が一様に懐かしそうで、愛情に満ちててさ。 著者の力量もあるんでしょうけど、うっかり一緒に「大将はすごい人やったで…」 みたいな気分になっちゃいましたよ。胸熱。 「やってみなはれ」、という大将の口癖もすごい好き。 そもそもかつて『プロジェクトX』で見て個人的に壺った 南極観測隊副隊長西堀栄三郎さんの口癖も「やってみなはれ」やったらしいしな。 作中の、「つまり、やってみなはれ、というのは、起こり得る事態は全て想像し、 準備も万端に整えた上で、その時が来たら踏み切れ。やるとなったら迷わず賭けろ。 ということだ。」 という解説にもすごいうなずいた。 そうやな。 単に行き当たりばったりで手を着けるのはだれでも出来る。 準備は整えて、やるとなったら一心に打ち込まんとな。 ロスチャイルドの本を読んだときに痛感した、早くて正確な情報は商売に欠かせない、 という教訓とともに、商人の心得として心に刻みました。 別に商売人になるつもりはありませんが。 後、長男で若くで急死した吉太郎さんは、小林一三の娘さん春子さんと結婚してた というプチ情報にも吃驚しました。 ちょうど某N○Kで小林一三の回を見たところなので! 世間は狭いな!! さらに、サントリーが二代目佐治社長の時にビール方面に打って出ようとしたとき、 アサヒだけが味方になってくれたと聞いて、アサヒを見直しました。 こないだビール工場見学に行ってただ酒飲ましてもらったとこだしね! (美味しかった!) レイ・カーソン著『炎と茨の王女』『白金の冠』『魔法使いの王国』三部作読了。 面白かった~! よう出来たエンタメです!! この本のおかげで、帰りの電車が待ち遠しくて待ち遠しくて。 行きには「やってみなはれ、みとくんなはれ」を読んでてやっぱり楽しかったし、 読書中は通勤路が全く苦ではありませんでした。 読了して、「これから何を楽しみに生きて行けば…」と 面白い本を読み終わったときには必ず思う寂しさをまたぞろ感じてしまいました。 まず全体的に。 ジャンルとしてはロマンス要素ありのファンタジー(どちらかというと女性向け)。です。 ファンタジーには珍しく、スペイン語っぽい人名や地名です。太陽熱そう。 で、個人的に大層楽しんで読んだことは上で述べましたが、その面白さを考えるに、 大河ドラマ的な、名作少女マンガを読んでるのと同種のものかな、という感じを受けました。 読みやすかった。読んでる間中ワクワクして、また、次々危機が起こるので肝を冷やしたり、 主人公の恋の行方にハラハラしたり、全く飽きなかったよ! でも、人生哲学とか、緻密な推理とか、そういうのは薄いので、 そちらをお求めの向きにはご期待に添わないと思います。 後、難を言えば、歴史好きとしては、歴史の構築がちょっと弱かったかなと。 まあ、それが主眼の物語ではないんで、いいんですけど。 主人公は、小国の二番目の姫エリサ。ゴッドストーンを帯びた娘。 美人で有能な姉にコンプレックスがあっておまけに太ってて(ちょっとやそっとのぽっちゃりじゃありません。 完全にアウトな太り方です)、周囲からは全く軽んじられている体で登場します。 でもこの子、ものすごい頭はいい子なんです。戦術書「ベレサ・ゲッラ」や聖書 「スプリクトゥラ・サンクタ」を丸暗記するほど読み込み、その知識は学者並。 なので見た目や周囲の評価に反して、割と最初から出来る子です。 オマケに、意外にきかん気で頑固です。相手の侮りに負けてなんていません。 (なので、読者はそんなにいらいらしません。ストレスフリー) そんな主人公が何の手違いか、隣の大国の王様に嫁ぐことになって、 姉を差し置いて結婚式挙げるんだけど、隣国への道筋で既にハプニングが。 いきなり山賊におそわれて乗ってた馬車が炎上、死にそうな目に遭うし、 旦那を助けるために山賊殺しちゃうし、 旦那の国に着いたら着いたで夫は難癖つけて結婚した事実を公にしようとしないし、 もう、どないやねんな!という目にこれでもかと会います。 が、もちろん、それで終わりではありません。 序の口です。 1巻に引き続き、2巻、3巻でも色んな目に遭いまくります。 そのたびに知恵を絞って対策を考え、心を鬼にして決断し、なんとか乗り越えて、 最終的に見違えるような成長を遂げます。 その主人公も好感がもてて良かったですが、愁眉はヘクトールです。 ヘクトールっていう名前の王の近衛隊長が出てくるんですが、 名前に負けぬいい男だったんですよ!終始! もうわたしはそれだけでもこの本をお勧めする価値があると思っています。 スペインっぽい世界観のファンタジーにヘクトールの名前を見るのはなんだか 不思議な感じがしますが、南米のスペイン語圏の国々って今でも ヘクトールとかネストールとかオレステスって名前多いですもんね。 著者がヘクトールという名前の登場人物を、素敵な役に配置してくれて嬉しい! キャラクターの素敵さと、名前の響きから連想する素敵さが相乗効果で 出てくる度にときめきました!ごちそうさまでした! 後、ぜんぜん関係ないけど、ヘクトールの名前調べてて初めて知ったけど、 イタリア人男性の名前、「エットーレ」ってあれ、「ヘクトール」か! クレシダがクリュセイスだったと分かった時以来の衝撃 #
by mi-narai
| 2015-11-20 22:47
| 2015年下半期の読書
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