鷲田清一著『「待つ」ということ 』読了。
中島 成久著『ロロ・キドゥルの箱―ジャワの性・神話・政治』 第1章はいかに近現代ジャワで神話がまだ色濃く信じられていて 政治に利用されてきたか、というような筋立てでした。 1960年代の共産党がらみの騒動があまりに血腥くてどうしようかと思いました。 でも、カリスマ性のあるスルタンの行動を追うのはすごく楽しかった。 第2章の、厄落とし劇の段に入りました。 日本でも折に触れてそれなりに民俗行事があるので、厄落としのために儀式があったりすることには 違和感がないのですが、厄落としの縁起がこれまた血腥いのがジャワクオリティ…。 インドと中国の間に挟まれ、イスラムの影響も受けてる地域なので、 インド文化のジャワ化の様相なんかはとても面白いです。 2章に入ってより民俗チックになってきたので、読むのが楽しい。 シャンナ・スウェンドソン著『㈱魔法製作所 おせっかいなゴッドマザー』読了。 当たり前なんだけど、主人公視点過ぎて個人的に物足りない… ロッドの恋愛模様をもうちょっと詳しく教えてくれーー!(心の叫び) 主人公がばたばたしてるうちに、脇キャラはいつの間にかくっついてるんですもん。 脇キャラが目当てのわたしのような少数派読者は痒いところに手が届かなくて じりじりするんですよ! ……スピンオフで書いてくれないかなあ。書いてくれないよネ… 今井 佐緒里著『ニッポンの評判―世界17カ国最新レポート』読了。 さらっと読み終えました。とりとめもなく思ったことメモ。 ・トルコ人はやっぱり素敵です。(欲目) ・意外と倹約家のオランダ人。思えば長い付き合いですよね!(江戸時代からだもん) ・あと、フィンランド人、思ってたより態度がでかくてビックリです。 (いやまあ、著者の主観だからコレばかりを信用は出来ませんが) ・フィンランド人で「おいおい」と思ったわたしですが、イギリス人の段で 「おい待たんかい!」とさらにツッコむ声を大にしてしまいました。 イギリスの場合レポートを書かれた方が他のレポート著者に比べて年配であることも その一因であるかもしれないのですが、 イギリスの地で日本人であることがいかにつらく苦しいかという例がたくさん載っていて うっかりイギリス人に殺意を覚えかけました。いかんいかん。 ・その後に続くフランスレポートがうってかわって日本人に好意的なフランス人について 多く書かれた物だったので、これまたうっかり惚れそうになりました。いかんいかん。 人の体験話として面白く聞くのはいいけど、全体的なことをこの程度の数の話から判断しては いけませんよね! 反面、自分が日本人以外の人と接するときは数を頼みに強く出たりしないで、 謙虚で誠実であらねばならぬなあ、などと珍しく真面目に思いましたですはい気をつけます。 恋愛指南―アルス・アマトリア (岩波文庫 赤 120-3) オウィディウス / / 岩波書店 スコア選択: ★★★★ オウィディウス著『恋愛指南』読み始めました。 まずは後書きから。 この著書は、オウィ先生によって書かれた恋愛に関する教科書なのですが、 一種のハウツー本であり、パロディ本でもあり、本自体がオウィ先生による 冗談みたいなものであるらしいです。 本の各所で、先行する真面目な先輩方の真面目な文学作品をパロってあるようで、 当時のローマ人は当然それを全て承知の上で「オウィディウスめ、やるな」と にやにやしながら読んでいたようです。 大体、恋の技法を手ほどきしてやろう、という本の設定自体が当時の文学の世界では 目新しいじゃないですか。真面目な教訓詩の体裁で、このふざけた主題! オウィ先生のこういう人をくったところ、大好きです! 本文は3部に分かれていて、 ・いかに目当ての女を見つけるか ・口説く手練手管 ・長続きさせる方法 という構成らしい。 今、女を漁るにはこういう場所がいいんじゃないか?というオウィ先生の提案を 拝聴しているところです。 「やっぱ男はあんまり手入れしすぎるもんじゃないよな。自然にしてる方が男らしくて 好感度高いもんだぜ。でも!清潔さは別!これだけは気をつけるように! 女の子にとっちゃここははずしちゃならないポイントだからな」 「暗い場所、酒の席じゃ、大体どんな子も可愛く見えるからな。品定めは昼にしとけ」 などなど、今の日本人が読んでも「ははあ、まあ、そうかもなあ」と笑ってしまうような 提言が並んでて、読んでて面白い。 ところどころ挟まれてるギリシア神話ネタも、その場面を生き生きと描く筆致がすばらしくて つい引き込まれてしまいます。 アマゾンレビュー読むと、さらにきわどいシーンとかもあるみたいだし、 続きが楽しみです!
by mi-narai
| 2008-08-28 22:04
| 2008年8月の読書
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