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晴れ(大寒波)

進水式を見に行った帰りに古本屋に寄ったのです。
2軒目で、別に目的のものもなかったので軽い気持ちで「エトルリア関連の図録なんてないかな~」と探していると、

ほんとにあった!!!

しかもなんと300円で!!!

神よ!

そういうわけで、ホクホクしながら購入して帰ってきました。

『エトルリア文明展 最新の発掘と研究による全体像』
1990年に日本で催されたエトルリア文明展の図録です。
…おお、今まで読んだエトルリア本の中では出版年が比較的新しい!
しかも、監修が青柳先生です(ローマ関連を漁るようになってよく目にする方です)
大判なので持ち歩けず、毎日少しずつ家で読むため、まだ半分ほどしか読んでませんが
とりあえず、判明した衝撃の事実を叫びたいと思います。


●衝撃の事実その1
ちょっと前に、ファレリイはエトルリアの都市だと書きましたが、大嘘でした。
ファレリイはエトルリア文化の影響を多大に受けた都市ではありましたが
(だから、エトルリア都市分布図などには稀にファレリイも載ってたりしますが)(←それで騙された)、
エトルリア人ではなくファルスキ人の都市だったらしい!

●衝撃の事実その2
エトルリアのウニ、メンルウァ、ネトゥンスあたりって
ローマのユーノー、ミネルウァ、ネプトゥヌスと音が似てるじゃないですか。
どっちが先なんかなと思ってたんです。
文明の発達具合から考えるとエトルリアからローマに伝わったとする方が
自然なんだけど、でも、ミネルウァのミの字はマインドとかメモリーとかの
Mの音と語源は一緒と聞いた気がするし…。
そしたら、やっぱり、上記の神々のような、ラテン語ととエトルリア語において
似たような音を持つ神々って古イタリアの強力な神格なんだって!!
でもローマ起源、というより、例のコイネー説にのっとって
その昔語族の垣根を越えて共通の文化を共有していたイタリアで、
全土で広く信じられていた神々、と解釈した方が自然な気がします。
それが、たとえばラテン語ではユーノー、エトルリア語ではウニと呼ばれていたと。

エトルリアの神々のうちギリシア神名とかぶってる
アプル(アポロン)、アルトゥメ(アルテミス)、カルン(カローン)、
アイタ(アイデース→ハデス)、ヘルクル(ヘラクレス)、あたりはギリシア起源、
残りの、どこの神名ともかぶってない
ティニア、トゥルムス、セトランス、フフルンス、トゥラン、ラランあたりが
純エトルリア産のローカルな神格と考えて良さそうです。
ギリシア神話のローマ神話への影響については、
まずエトルリアがギリシアの影響を受けて神々の同一視がおこり、
次にローマがエトルリアから若干影響を受け、
さらに南のギリシア殖民都市から影響を受け、
ローマが拡大してギリシアを征服するに当たってどどっと影響をこうむった、
くらいの順でしょうか。

あと、小ネタ。
・エトルリアでアレスに当たる神様の名前って「ララン」らしいよ。
なんだかカワユらしいですね。

・こないだの本での疑問が少し解けました。
レウコテア神殿の隣にアポロン神殿がどう、という記述があるのは
ハリカルナッソスのディオニュシオスの著書らしい。
またこいつです。こやつとリーウィウスはエトルリア関連の本を読んでるとよく目にするなあ…。

・件の『レウコテア神殿』(実際はウニの神殿)があったのはピルジらしいです。
例の、フェニキア語とエトルリア語の銘文が見つかったとこ。


この図録、見てるだけでも楽しいです。
蛭型フィブラなんて、デザインが繊細で、一つ欲しいくらい。
残りのページも大事に読もうと思います。


ローマの神話 (丸善ブックス)
ジェイン・F. ガードナー / / 丸善
スコア選択: ★★★



J・F・ガードナー著『ローマの神話』を読み始めました。
以前アンナ・ペレンナを調べるときにざっと目は通したのですが、もう一度最初から熟読。
薄い本で、分かりやすくざざっと全体を書いてあります。
(最近こんな分かり易いのばっか読んでるな…)
でも、ローマ神話の紹介だけでなく、どういった経緯で信仰されるにいたったかといった、
ちょっとだけ踏み込んだ部分が書いてあるのが嬉しいところ。
…しかし、ほんと、色々読み進むにつれ、この質実剛健なローマ人が
今のイタリアーンの先祖とは到底思えん…
帝政以降は知らんけど、王政期、共和政期ローマの倫理観て、
日本の武家社会みたいですよ。忠誠の対象は主君じゃなくて国家だけど。

翌日読了。後ろの部分はアンナ・ペレンナやルペルカリアのおさらい。
最初読んだときには何のことかさっぱり分からなかったアレコレが
ちゃんと分かるようになってました!
ヘルクレスとカクスの神話に関する各種の解釈など、面白かった。

ローマと地中海世界の展開
浅香 正 / / 晃洋書房
スコア選択: ★★★



浅香正監修『ローマと地中海世界の展開』を読み始めました。
どうも、関西一園の大学のローマ関連の論文を集めた本らしい。
いっちばん最初の、ローマ帝国とシルクロードの論文まで読んだ。
…光栄ゲーム『大航海時代』のローマ版、あったら面白いのになあ、と思いました。
ヒッパロスの風に乗って、セリカ(中国)まで貿易して
がんがん稼ぐローマ商人のゲームですよ。
(メルクリウスやネプテュヌスにお布施したら、運があがるシステム。
会計士としてギリシャ人でも積んどくといい。
現地人との交渉で上手に値切ってくれるけど時々嫌味も言われる。
んで、3月に一回ほど、給料アップの交渉を持ちかけられる)
冒険シナリオなら、北欧のゲルマン人になって、暖かい土地を探してアメリカへ、
(バイキング船にはあんまり荷をつめないから、補給港をいちいち開発しないといけない)
海賊シナリオなら、エトルリア人になって地中海の商船をがっつり襲うの。
(シラクサに投資したら、アルキメデスが砲門を開発してくれたりするわけです)
楽しそうなのになあ…。

翌日、もうちょっと読み進みました。
幾つ目かの論文、『ガイウス=カエサルとルキウス=カエサル』に
「ローマで全裸は神の証」みたいに書いてあって、字面に笑いました。
まあ、確かに、すっぱだかのアポロンやアレスと違って
人間の像って衣服着てますよね。
とはいえ、ローマでは死後、神格化することもあったそうなので
(カエサルとか、アウグストゥスとか。徳川家康のようだと思いました)
探せば真っ裸のカエサル像なんかもあるのかしらん。
(わあ、見てみた~い)
そういえば、ボルゲーゼのアレスなど、
素っ裸に兜だけかぶってたような気が…(フェティッシュ!)
by mi-narai | 2008-01-25 19:58 | 2008年1月の読書
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