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『人イヌにあう』 『二重人格探偵エリザ』 『「魔」の世界』

今年も始まりました。夏休み子供科学電話相談
しょっぱなが植物の田中先生2連チャンだったので気合い入れて聞いて、
その後ついったのまとめも見てたんですが、
田中先生の回答への数々のコメントの中にふたばさんを見つけて目を丸くしました。
同志…!(や、あの回答にだけ独立してコメントなさったのかもしれませんが)
ともあれ、リアルに田中先生の「じゃ、これ覚えとこか」「言うてみて」
矢島神の昆虫ゼリーdisを聞けて満足です。
宇宙の質問もすごーく楽しかった!!
どうして宇宙は暗いのか。深い質問やで!!


コズミック・フロントNEXT

荒ぶる木星回
「荒ぶる」ってネーミングにちょっと笑いました。
それにしても、最近分かってきた太陽系の成り立ちはなかなかすごい。
木星の暴れん坊っぷりはけた外れですよ。
ゼウスの名を付けた古代の人は先見の明があった!

宇宙ステーション回
当時のソ連の突貫工事っぷりにガクブルしました。
某お隣の赤い国と似ている…!
でも、それでも現場の科学者や技術者はものすごい頑張ってたんだよなあ。



ここから本

人イヌにあう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

コンラート ローレンツ / 早川書房

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コンラート・ローレンツ著『人イヌにあう』
人面犬の話じゃないですよ。黎明期に偉業を達成し、ノーベル賞まで受賞した
動物行動学界の重鎮が、自分ちで飼ってた犬や猫についてつれづれなるままに書いた心温まる本。
いや、もう、ほんと、行間から著者の愛がダダ漏れていて、
読み終わったら速攻なんか動物を一匹お家に迎え入れたくなること請け合い!
最近猫も良いなあと思ってたけど、本を読むとやっぱり犬も良いなあ…。
(どっちもすてきなんだもん!)
著者はその道の権威なので、飼ってる人がすぐ言いがちな
「この子、わたしの言葉が分かってる」とか
「悲しいのね~」とか
妙な擬人化は一切せず、ちゃんと動物の習性と本能とその行動を考慮に入れて
諸々の反応を判断していらっしゃるんですが、その上で、やっぱり自分の犬猫達を
深く愛してるんですよ。
時々「わたしのティトー」「わたしの雌犬スタシ」とか、名前に一人称所有詞付けるのが
きゅんときます。
「わたしの~」って何気ないけど使いどころを間違えなければ殺し文句だよなあ。
ヘクトールに「わたしのトロイア」発言されたらキュン死する(黙れ)。
もしも将来犬を飼うなら、飼う前に再度熟読しよう、と思った本でした。


二重人格探偵エリザ 嗤う双面神(双面神:ヤヌス) (ハーパーBOOKS)

ヴィオラ カー / ハーパーコリンズ・ ジャパン

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ヴィオラ カー 著『二重人格探偵エリザ』
お借りした本。
「ジキル博士とハイド氏」に娘がいたら、という設定のミステリー。
という見出しだけ見て読み始めたので、ヴィクトリア朝が舞台のゴシックミステリーなのかな、
くらいに思ってたのですが、ゴシックミステリーだけじゃなく、スチームパンクという
SF要素あり、オオカミ人間、錬金術といったオカルト要素あり、いろいろごたまぜで、
ミステリー要素もサスペンス調で、とにかく盛りだくさんじゃった。
もう、はらぁ一杯だ…
(※こんなとこで使う台詞じゃありませんすみません)
いや、でも、楽しく読みましたよ。
知的で地味なジキル博士の娘エリザは、
内っ側にリジーという大胆で奔放で気の強い山猫みたいな人格を抱え持ってて、
普段はスコットランドヤードの監察医として働いてるんだけど、
いけすかんおっさん刑事からは女だって理由で嫌がらせされるし、
ちょっと前に捕まえた切り裂きジャックは監獄の中から思わせぶりなメッセージ送ってくるし、
体の部位がぶつ切りになったホラーテイストな殺人が次々起こるし、
現代の魔女狩りともいえる、異端科学審問の最先端、王立科学院から派遣された男に目を付けられるし、
リジーはその男が大好きだし、
謎の後見人は気にかかるし、
なんかもういろいろ大変です。
大体こういうスプラッタっぽい殺人事件を扱うミステリーって、最後は探偵役が
最後の犠牲者になりかけて、間一髪助かるって筋が多いんですが、
…まあ、大体そんな感じ。
続編もあるそうなんですが、
困った男からもってもての主人公がいったい誰に惚れるのかが一番気になるところです。


化け芭蕉 縁切り塚の怪 (角川文庫)

瀬川 貴次 / KADOKAWA/角川書店

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瀬川貴次著『化け芭蕉』
これもお借りした本。
上のエリザが翻訳物の常として、一ページにぎっしり文字がつまってたなかなか読み進まなかったのに対し、
あっという間に読み終わりました!
「化け物好む中将」とは違って今回は推理ものじゃなかったけど、結構面白かったですよ。
若き芭蕉と、若い日の弟子たちが和気藹々としてて微笑ましかった。
作中ナチュラルに主人公がホモ疑惑掛けられてて笑いましたが(笑)


目白台サイドキック 五色の事件簿 (角川文庫)

太田 忠司 / KADOKAWA/角川書店

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太田忠著『目白台サイドキック 五色の事件簿』
更にお借りした本。
『北野坂』の方と設定やらなにやらけっこうかぶるのですが、
こっちの方が堅実な感じがするのはなぜなのでしょう。
いや、北野坂の方はかっこつけのにおいがしてうんざりするからかな。
語り役の若手刑事さんがものすごいいい子で可愛いし。
今回は幽霊関連の短編を連ねつつ、根底にじわじわ大きな謎が浮かび上がって
来る趣向で、けっこう次が楽しみな終わり方でした。


世界を、こんなふうに見てごらん (集英社文庫)

日高 敏隆 / 集英社

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日高敏隆著『世界を、こんなふうにみてごらん』
コンラート・ローレンツ関連で読みました。
「ソロモンの指輪」の訳の人じゃないかな。
青少年に向けたメッセージを基底にしたエッセイ、なので大変読みやすいのですが、
その簡単な文章の中に日本に新しい学問を打ち立てることの困難や
作者のだいぶ変わった人柄や
いろいろがかいま見えてなかなか面白かったです。
作者は独自に、
「もっともらしく唱えられてる科学なんてのも
暫定的に今こんな感じで考えられてるってだけの途中経過であって
絶対的な答えではない、まあ世の中大体そんなもん、
お前等、寄って立って安心してんなよ!」
というような境地に達しているのですが、
割と最近同じ事言ってる人見た、と思ったらサルトルだった。

けど「イリュージョン」という字面は、真面目に使ってあっても
ちょっと笑ってしまいますね。手品師が思い浮かんじゃって。


「魔」の世界 (講談社学術文庫)

那谷 敏郎 / 講談社

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那谷敏郎著『「魔」の世界』
古今東西の世界の妖怪、怪物、お化けについて広く、結構つっこんで書いてある本。
面白いよ!
インドとかアジアとか、普段あんまり注目しないあたりが書かれてて
読みながらにやにやしました。
特にアラビア圏の魔についてけっこう詳しく書いてあったのは嬉しかった!
あんまりないんですよね。そういう本。
ギリシャ神話の魔については、通り一遍でしたが。
「世界の妖怪辞典」とか、そういう本よりは、
項目は少ないけどもう少し系統だてて深く掘り下げてある印象。
古本屋で衝動買いしたのですが、割といい買い物だったと自画自賛しました。


ジョーカー・ゲーム (角川文庫)

柳 広司 / KADOKAWA/角川書店

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『ジョーカー・ゲーム』
お茶友に勧められてアニメを見て、割と面白かったと感想をいうと、原作本を貸してくれました。
アニメで一度見た話なので、構えずにさらっと読めましたよ。
スパイの話はもともと好きなので楽しかったですが、
D機関の人間は鼻持ちならん。
軍人もいろいろアレですが。
by mi-narai | 2016-08-01 00:40 | 2016年下半期の読書
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