<< 雑記 『大阪不案内』 『トロイア戦争物語』 >>

『京都の平熱』

岩波新書の『現代ヨーロッパの言語』かなんかいう本を図書館で立ち読みしてたんですが、その中のスペイン語の項目に

『「女を口説くにふさわしいのはイタリア語、男と話すにはフランス語、神と語らうにはスペイン語」というくらい、ヨーロッパ人の耳にはスペイン語はおごそかに響くらしい』

と書いてありました。ふーん、そうなんや…


京都の平熱 哲学者の都市案内

鷲田 清一 / 講談社

スコア:


鷲田清一先生著『京都の平熱』読了。
いや、大阪本を読んだからには京都本も読まねばならん、と思って。
大阪本のほうは、他地方の人の目を通した大阪だったんですが、
こちらの『京都の平熱』は、京都で生まれて京都で育った鷲田先生(お勤めは大阪)による
住んでる者の目線で見た京都(=つまり平熱の京都)です。
ガイド本では全くなく、京都の人の気質から、都市論までを淡々と語っておられます。
しかし、3代前から京都に移り住んだ鷲田先生一家はご本人曰くまだまだ京都人じゃないとか、
いったい京都は真の京都人と名乗るに値するまでにどれだけの代替わりを住人に求めるのか…!!

京都駅から東回りにぐるっとバス路線に沿って回りながら、
観光とは関係なく、住人目線で京都を見ていくコンセプトの都市案内なんですが、

些事は忘れた!(おいこら)

印象に残ってる事を挙げると

①大阪本と違って、さすがに哲学者が書いただけあって思想が掘り下げてある気がする。
(その分大阪本の方が読みやすかったけども。読み応えはこちらの方がありましたよ)

②京都市民、プライド高ぇ!(ブルブル)

③意外と奇人率高いのか、な…?

の3点でしょうか。
②に関して申しますならば、なんといいますか、
なんでも面と向かって宣言したりしないのです。
言うなれば、真綿で首をしめるように、じわじわ殺す…!
やんわり拒絶されてる感が行間から感じられ、読みながら非常に胆の冷える思いが致しました。
京都は本当に素敵なところですが、小さい頃から住んでるならまだしも、

大人になってから引っ越したくはない…!!

…と強く思いました(全面降伏)。
いや、多分ね、実際住んでみたらきっと皆さん優しくしてくださるだろうとは思うんですけどね。

③に関しては、首都を譲ったことに付随する特典かもなあ、と。
さすがに首都ともなれば、そうそう変人奇人を受け入れられないよなあ。
しかし、鷲田先生の言に乗せられて
ついつい『奇人の多い町は住みやすいそうでいいんじゃないの?』などと
考えている自分にふと気付いて自分で驚く清一マジック。
山という定点があるから、碁盤の目が通ってる町並みでも不安にならない、
奇矯な振る舞いをどこまでしてもいいかという意味での臨界点・奇人、
派手な服装の限界点という意味での芸子、質素を突き詰めた僧侶、
という枠が示されているから、
却ってその範囲内で自由に振舞える、
という指摘にはなんだか納得させられてしまいました。


後、鷲田先生は京大を、その学問への姿勢を、京都市民の学生への暖かい眼差しを、
とても誇りに思ってらっしゃるのだなあとも感じられ、それにはほのぼの致しました。
さすが大学の町…!

ああ、あと、羊羹で有名な虎屋、アレ、本店京都らしいよ!
ずっと東京の店なのかと思ってました。
それと、京都府民も京都タワーはどうかと思ってるらしい。
(にも関らず、最近は地方から帰ってきてタワーをみると『京都に帰ってきた…』と
思ってしまうらしい)

続きは派生したアホもうそうなので、折りたたみます。



京都…シシュポスさん 大阪…アウトリュコス 神戸…イスメネウス
で表現してみました。




鷲田先生の言葉の端々から、VS大阪の臭いが漂ってくるんですが
(お仕事で大阪に通ってらっしゃるから、なのかしら)
これまで、大阪人の方は京都人を
「なんやねん、すかしよってからに」と思ってるけど、京都人はどこ吹く風なのかと
思ってたんです。
でも、今回読んでて、意外と京都人も大阪人を意識してるんだな、と。
(まあ、関西といっても地方の田舎に住まっておるわしらのような者らには
大都市同士の軋轢など関係ないんじゃが。
……関係ないからこそ、人事で面白い(正直)!)

京都は確かに古都ですが、ただ古い都があった場所で終わる気はサラサラないみたいで
(奈良にはなるな!が合言葉らしい。奈良県民に失礼な話ですが…)
おまけに生来の新らしもの好きも相まって、
古い町並みと、新しい建築物が色んなとこでせめぎ合ってるそうな。
しかし、そんな京都にきて、大阪人

c0155585_2330179.jpg



鷲田先生曰く『大阪の人は京都人の痛いところを突くのがうまい。』
なるほど。

対して、一応JR『三都物語』キャンペーンの、一角も担ってた神戸に関しては、
さほどなんとも思ってないみたい。
京都市民は、市内からは海が見えないので、老後芦屋の山手とかに住みたいなあ、と
思ってたりするのだそうで…

c0155585_23302754.jpg


でも、結局神戸は、京都と大阪の関係からは外されてる感じですよね。大阪さんに対して

c0155585_23305470.jpg


とか思ってると個人的に萌えるな…!(ところかまわず萌えるのやめなさいっての)
[PR]
by mi-narai | 2010-11-02 23:24 | 2010年10月の読書
<< 雑記 『大阪不案内』 『トロイア戦争物語』 >>