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『新編・普通を誰も教えてくれない』

新編 普通をだれも教えてくれない (ちくま学芸文庫)

鷲田 清一 / 筑摩書房

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鷲田清一著『新編・普通をだれも教えてくれない』読了。
わしだせんせいによる哲学的エッセイ集。
なんか、最近鷲田先生お気に入り。

先生、のっけから飛ばしてくれます。
どうやら先生は携帯電話(メール)がお嫌いらしいのですが、
その理由が

「返事が来なかったら寂しいから」

なんだもん!
可愛すぎます!!
(いや、実際はもうちょっと深くて、人とつながろうとする意図で作られたはずの
そういった電子機器が却って人の孤独を深めているのではないだろうか、というご意見なのですが)

身体論などを物しておられる先生、女性のファッションやファッション誌についても
詳しくてらして、アンアンやノンノをひも解く先生を想像して内心「ぷぷ」と
噴出してしまいました。


後、個人的な今回の先生の名言は

「あほになれないひとがほんとのあほである」

常々感じていたワタクシの中のかっこつけに対する忌避感を見事に集約した一言です。
ていうか、関西て、かっこつけに対して厳しくない…ですか?
どちらかというと、夢見る乙女だったワタクシ、ほんとうは色々かっこつけてみたかったのですが
そういう試みは小さい頃から何度も何度も周囲に踏みつけられ冷たい目でスルーされ、
今ではすっかりわたしもアンチかっこつけ派に。
…こうして鍛えられていくのよね…。
今から考えると昔のわしは本当にバカオロカじゃった…。(今は多少ましになったと信じたい)
周囲の皆様には多大な迷惑をおかけしてホント申し訳なく…

それと若干かぶっているのですが、
本当に卓越した技術というのはその社会がその技術において一定レベル水準に達しているという
豊穣な土台があってこそ育まれるものだ、という趣旨のお言葉が、
大阪の芸人さんや噺家さんに関連して書いてあって
それにも感覚的に大きく頷きました。
数少ない知人を通してのイメージなんで個人的な雑感でしかないのですが、
おおさかのひとってほんとおもしろいですよね…。
普段の会話から、常に言葉やタイミング、抑揚などをチョイスして、
いかに上手に話すかを無意識に心掛けているような。
(なので、おもろない芸人と無神経な人間にはものすごい厳しい気が)
…わたしの周囲の人だけなのか??
自分がどこをどう転んでも口下手話下手でつくづく面白くない人間なので
ワタシは心底上手に喋れる人が羨ましいですよ!!

閑話休題。
鷲田先生は、メルロ・ポンティに代表される身体論と臨床哲学を専門としておられる方らしいのですが、
最初臨床哲学と聞いて「???医療現場の哲学??」などと頓珍漢な勘違いをしていた私
今回の本でようやく先生の目指しておられるところが
「現場に出て、人との会話の中で考える哲学」だと分かり、目から鱗が落ちました。

…ていうか、ソクラテス大先生といい、つくづくワタシはこのタイプの哲学者が好きだよなあ…。
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by mi-narai | 2010-03-16 02:31 | 2010年3月の読書
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