人気ブログランキング | 話題のタグを見る
<< 『辺境のオオカミ』 『ペネロピ』 『ギリシア文化の創造者たち』 ... >>

『日本語とアイヌ語』

昨日帰り道、久しぶりに歩道でアレを見たー!
いつもは川べりなのですが、今回は同じ平面上だったので、突進されたらいやだなと思って
(某イタケ人みたいに足の傷が本人証明になるわけでもないし)
写メるのは我慢しました。
アレは暗闇の中でなにやら家庭ごみのゴミ袋漁ってました。



最近の●日新聞はときめく記事が多いのです。
数日前のコラムにはアテナとアレスのギリシアでの役割みたいなものが書いてあって
その二日後くらいにはトルコのことが褒めてありました。
曰く、今トルコはイスラム政党が政権をとってんだけど、緩やかなイスラムであることを
生かして、いろんなところで橋渡し役を務めてるんですって!
(イスラエルとパレスチナの仲介をしてるのは知ってたけど、他にもやってたらしい)
エルドアン政権がやり手なのは知ってましたが、…頑張ってるなあ、トルコ。
珍しく新聞でトルコが取り上げられてしかも賞賛されてたのは嬉しかったのですが
他国が頑張ってると、自らを振り返って腹が立ってしまう…。


日本語とアイヌ語

片山 龍峯 / すずさわ書店

スコア:


片山龍峯著『日本語とアイヌ語』を読み始めました。
タイトルどおり、日本語とアイヌ語について比較してある本。
比較言語学好きなので楽しいです。(というか単なる歴史好き)
それに語学なんてのはかじりかけくらいが気楽で一番楽し(げっふごふ)。

ドキュメンタリー製作会社に勤めていたいわば門外漢の著者が書いた本なので
比較言語学の本としてだけでなく、
著者がアイヌ語に興味を持ち始め、いかに勉強し、学会発表を経て問題点を自覚し、
研究を邁進させたかのまさにドキュメンタリーとしても読めます。
とはいえ、全くの素人というわけでもなく、
もともと大学では外国語(ポルトガル語)を専門に勉強されていたとあるので、
言語に対する興味が最初からあった方のようですよ。

その片山さんが言うには、アイヌ語と日本語ってものすごく近い言語なんだって!(まあそらな)
言語にしろ、文化にしろ、変化は中央から広がるので、
辺境には古い形が残りやすい、というのは定説なんですが、
本当にアイヌ語と琉球方言は、音韻に似たところがあるらしい。へえ。
無理だろうけど祖語が構築されたりしたらすごく楽しいのになあ!

しかし、膠着語、屈折語、孤立語のほかに抱合語なんてあるのね。
初めて聞きました。アイヌ語がソレらしい。
まだまだ序盤なので、楽しみに続きを読みます。



翌日もうちょっと読み進む。
日本語とアイヌ語の対比音韻表などを眺めていて、
なんかデジャヴを感じると思ったら、ラテン語とエトルリア語の対比表と似てたのでした。
アイヌ語も、日本語の母音のoにuが対応しがちなの。
とはいえ、アイヌ語の場合はo→uへの変化が激しいだけで母音にoがないわけではないのですが。
子音の方は母音よりさらに複雑で、今筆者による音韻対応表の説明部分を読んでるのですが、

無学なあたしにはどこまでが本当でどのあたりがこじつけなのか見分けらんない!

学生時代もうちょっと真面目に音韻学の授業も受けておくべきだったなあと後悔してます。

後、ほう、そうなんだ、と思ったことには
①古い日本語には格助詞が無かったらしい。(これは現在でも、「お水飲む?」みたいに抜けても意味が通じることが多々ある)
②古い日本語には子音のみを発音する部分が語の中に含まれる単語がたくさんあったらしい。
(今の日本語だと、全ての音に母音が含まれる。これはオーストロネシア語と似た特徴らしいですよ)

それでも、方言の中には厳密には母音を発音しない語もあるみたいだけど、
反対に関西弁のように母音を強調しがちな方言もあるわけです。
これまでなんとなく、関西弁は自然発生的なもので、
発生したのは中央集権が進んでから(=歴史時代に入ってから)かと思ってたけど、実はもっと以前、南や北から入った他言語の影響下にこうなってたのかしらん?
どうなんでしょう。
by mi-narai | 2008-12-10 23:49 | 2008年12月の読書
<< 『辺境のオオカミ』 『ペネロピ』 『ギリシア文化の創造者たち』 ... >>