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『大航宙時代』 『ニュートリノって何?』 『時の地図』

テレビ

「ちかえもん」

いわずと知れた木曜時代劇。
ドラ○もんではありません。
名前だけはめちゃくちゃ聞いたことあるけど著作は一作も読んだことのない
近松門左衛門(漢字合ってるかしら)の話だと聞いて興味を引かれて見始めました。
1話目あたりは「なんか、思ってたよりパンチ利いてへんな」と思いながら見てたのですが、
3話目あたり、お初と徳兵衛の事情がじわじわ明らかになってきたところくらいから
加速度的に面白くなってきて、今では続きが楽しみで楽しみで仕方ありません。
後一回で終わっちゃうってつらい。
…などという陳腐な言い回しはわしのプライドがゆるさへんので(決まり文句)
大人しく次回を待とうと思います。
1回目の感触で録画を消しちゃってもったいないことしたな~!

それにしても、まさか青木さんを可愛いと思う日がくるとはなあ。
万吉に対しては、小学生の男の子を見守るような微笑ましい気持ちになりますよ。


アップしない内に最終回も見終わりました。
脚本家に一回騙された。
でも、万吉のくだりではちかえもんと一緒に大泣きしましたよー!
まさかあんなオチに持ってくるとは思わへんかったけどなー!!
ああ、でも終わっちゃって寂しいな。
曽根崎心中を読んでみたくなりました。



ここから本

大航宙時代: 星海への旅立ち (ハヤカワ文庫 SF ロ 9-1)

ネイサン・ローウェル / 早川書房

スコア:


ネイサン・ローウェル著『大航宙時代』
買ってから積んで置かれてた本。
『リヴァイアサン』でSFづいたので、勢いで読んでみました。

…面白かった!!

いや、この話、何が起こる訳じゃないんです。主人公の日常がひたすら書いてあるだけ
なんだけど、それがすごい楽しい。
冒険活劇じゃなく、日常系というか、青春小説っぽい。
でもって、

わくわく商船ライフ本

であります!
時は未来、舞台はとある星。どうやら財閥とか企業とかが力を持ってる社会らしく、
最初、主人公は、丸ごと一個の企業が所有して運営してる企業星で教師をしてる母と
二人で住んでるんですが、ある日母親が不慮の事故死を遂げるんです。
いわゆる社宅みたいなところに住んでいたものだから、社員の母が亡くなって、
主人公はそこを出て行くよう言われるわけです。
星ごと企業だから、星から退去せよと。
でも、星を出て行くための路線の運賃は馬鹿高いし、通行手段と金とを稼ぐ一石二鳥の方法として、
主人公は星々を巡る貿易船に、下っ端水夫として乗り込むわけ。
こっから商船生活が始まるんだけど、物語は一貫して主人公目線で進むもんだから、
何もかも目新しくて、面白くて、へー、商船てこうなってるんだとか、
こうやって運営されてるんだとか、船内はこうなんだな、とか、船員は暇なときこうしてるんだとか、
自分の積載枠での個人貿易始めてみようとか、
1年先輩の同僚が実は商人一族の出身でものすごい商才に長けてたとか、
個人貿易も仲間とやってみたらどうかしらとか、
ほんま、戦争が起こるわけでも企業間の汚いあれこれがあるわけでもないのに楽しいのです。
ただ、主人公がいい子すぎるのと、出てくる人がみんな理性的なのはちょっと
都合良すぎるかな、と思うけど、そのおかげで読むのは大変にストレスフリーでございました。
原作は後5作くらいあるみたいだから、早く訳してくれないかなあ。


命売ります (ちくま文庫)

三島 由紀夫 / 筑摩書房

スコア:


三島由紀夫著『命売ります』
またもお茶友に貸された三島本。
なんでそれほど三島好きじゃないくせに買うのかね、君は。
でも、これは「一大エンタメ小説」の帯に違わず、大変読みやすい小説でした。
なんか、ぼんやりと世界に絶望した主人公が自殺を図って失敗するとこから始まるんだけど
もう命いらんと思ってるわけだから、「じゃあ、売っちゃえ」てなもんで
それを商売にするわけ。
で、次々と命を買いたいという人々が現れて、主人公はそのたびに巻き込まれ、
からくも生き残っちゃうんだけど、
うん、話の筋は飽きさせないつくりで比喩もすばらしくさすが文豪なんですが、
娯楽で読むにはちょっとよくわからん後味です。
連載されてたのが「プレイボーイ」らしく、女性に対して突き放した言い方が多かったり、
サービスシーンが毎回あったりもします。
でも、これまで数冊三島に挫折してきたお茶友が「初めて読み通せた!」と
言うくらいなので、取っつきやすいことは確かだと思います。


民間薬の科学 病気やケガに効く……民間の言い伝えはどこまで科学的か!? (サイエンス・アイ新書)

船山 信次 / SBクリエイティブ

スコア:


船山信次著『民間薬の科学』
いや、なんか、気が向いて買っちゃった本。
民間薬、と呼ばれている日本で昔から使われていた薬草たちを
薬剤師の著者が列挙していく淡々とした一冊。
でも、ちゃんと化学式も載ってて、なかなか面白いです。
けっこう道ばたに危険な草って生えてるもんだな、と思いました。


ニュートリノって何?: 続・宇宙はこう考えられている (ちくまプリマー新書)

青野 由利 / 筑摩書房

スコア:


青野 由利著『ニュートリノって何?: 続・宇宙はこう考えられている』
すごい面白かった一昨目の記憶があったので買ってみた2作目。
これも違わず面白かったです。
科学記者が、一般人にわかりやすいよう大層かみ砕いて書いてくれているので、
専門に物理を学んでいる人よりもまさにわたしのような浅薄無学な輩にこそぴったりの本でございます。
タイトルの通り、まるまる一冊ニュートリノについて貸いたもので、
そもそも、ニュートリノ、という概念がなにをきっかけに想定されたのかとか、
名前が付いた理由に、その観測方法の歴史、方法の変遷、
派生した理論のその後などを詳細に追っています。
まあ、ぶっちゃけ、今回ニュートリノ振動がノーベル賞とらんかったら出版されなかったと思うんだけど、
逆に言えばそれだけニュートリノが振動する、てのがどれだけすごい発見かが分かろうというものです。

それにしても、理論物理学者がたてた予想が、実験屋によって観測されるまで
大体数十年かかるのね。大変だなあ。

この本、一般読者が飽きないようにか、科学者たちの横顔もさらっと入れてくるので
小難しい物理話に頭が飽和し掛けたわたしなどは、何度もそれに救われました。
科学者同士の厚い友情話にそっと涙したよ!
後、小柴先生が超イカす!


時の地図 上 (ハヤカワ文庫 NV ハ 30-1)

フェリクス J.パルマ / 早川書房

スコア:


時の地図 下 (ハヤカワ文庫 NV ハ 30-2)

フェリクス J.パルマ / 早川書房

スコア:


フェリクス・パルマ著『時の地図』(上)(下)
著者はスペイン人ですが、舞台はイギリスです。
3章仕立てになってて、1章2章はぶっちゃけ読むのがたるいし、
出てくる登場人物(特に男性)がシモいか陰気か尊大かであまり好きになれず、
著者がたびたび読者に語りかける地の文が鼻につき(講談聞いてるようで面白くもあったけど)
よっぽど途中で放り投げようかと思いましたが、
がんばって読み進めたら第3章でのめり込みました。
読後感は良かった。
でも、手放しで進められるかというと、ううむ、どうなんだろう。

面白いことは面白いけど人によってはとことんダメかもしれん。

といった感触。
物語のテーマである時間旅行に関しても、1、2章でああ持ってきたから
そのまま最後までそれで通すのかと思ったら、3章で手のひら返したしな。
いや、1、2章で出てきた諸々が3章でちゃんとつながるのは、
シャドウ・オブ・メモリーズみたいで面白かったですが。


ゲーム
現在、今更ながら「ファイアーエムブレム覚醒」と「信長の野望201X」にはまっています。
「覚醒」はそろそろ7周目が終わりそうだよ~。自分の心を正直に見つめると、
わたし、ヴィオールさんが好きかも。面白いもん。後、女性なら断然ベルベットさん。
「信長」の方は、コーエ○さん発の基本無料のネットゲームなんですが、
とうらぶ、進撃タイピングくらいしかネットゲームの経験がないわたしが言うのもなんですが、
システム的には進撃の方に似てるかな。と思います。
いや、でも、髭&おっさん、おじいたん率が高いのは好感度高いです。
パーティ全員おっさんで、とうとう『漢は漢の花が咲く』とか報道されちゃったよ、おい。
さすが老舗ゲームメーカーだけあって、ただなのに、すごい快適に遊べてます。
最初のゲーム画面に「一部課金箇所があるから気をつけてね」的な但し書きを
ちゃんと書いてくれてるのも好感触。
使ってると、これまで聞いたこともなかったモミーとか、榊原さんとか、
知らん武将に愛着もわいてくるし、三好の乱とかにも詳しくなってくるし、
楽しいです。楽しいです!
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by mi-narai | 2016-03-14 10:05 | 2016年上半期の読書

『中国の神話』 『リヴァイアサン』 『折れた竜骨』

年末にネットでお買い物をしたんだけど、年が明けて届いたものの消印が
片っぽが広島、片っぽが帯広になってて、超テンション上がった!
(遠くから何かが来るとすごい嬉しいな~!
これ、それぞれの地域の郵便局を経由してきたんだなぁ、と思うと感慨深い)
送って下さってありがとうございます!


初夢
なんかよう分からん夢をみました。
わたしは文学部にいるんだけど、理工学部がどうなってるのかしりたくてしりたくてたまらないの。
特に、コンピュータを扱ったり機械を作ったりする学部、情報工学部が。
で、ある日思いあまって突撃するわけ。
入り口入ったところで早くも職員らしき女の人に誰何されるんだけど、もうここは正直になろうと思って
「文学部のものですが、どうしてもこの学部が気になって、今日は見学にきました。
見て回ってもよろしいでしょうかッ!」
と頼み込んだら、割とあっさり許可が出ました。

中に入ったら、学生の7割が何故かケンタウロスだった。

で、わたしは驚きもせずに「ああ、昨今少子化で大学も生き残りをかけていろいろ変わった取り組みしてるもんな。確か、この大学、ケンタウロスの入学を受け入れる、ていうユニーク策打ち出してたわ」とか思い出すわけ。

しかし、何故情報工学科にケンタウロスが集まる結果に???

根っからの文系人間であるわたしには理系の学部が何をやっているのか想像がつかなかったようで、
研究室等は夢に出てこず、何故かそこでレクリエーション中のケンタウロスの一人に、
手作りパンを振る舞われたりしました。
それが、めっちゃ!うまかってん!!!外はぱりっとしてて、中はふわっふわやねん!
もちもち、じゃないねん。ふわふわやねん。ぱさぱさでもないねん。
あの感動をどうお伝えすれば…
、「おおお!!オラ、こんなうめぇもん食ったことねぇだ!」などと
たず役演じてるマヤちゃんみたいに感動してたら目が覚めた。
いったいなんだったのか…


大阪古墳ハイキング
半年ほど前の奈良古墳ハイキングに引き続き、大阪での古墳ハイキングも催されたので
素知らぬ顔で参加してきました。
たぶん、主催者にはまた妙なのが混ざってると思われてたに違いない…(ごめんなさい)
前回の奈良と違って、今回の大阪は、大きな古墳が多かったです。
ニントク天皇陵とか。ミサンザイ・ニサンザイ古墳とか。
前は人んちの畑とか人んちの庭とかに踏み込んで墳墓に上り、
中にまで入れる古墳の未発掘・放置ぶりが目立ちましたが、
さすがに今回ほどの大きな古墳になるとちゃんと観光地として囲われてて、
堀にも水が入ってて

THE古墳

という感じでした。
しかし「墓」扱いの古墳が多く、入り口に宮内庁の立て札が立ってて墳丘の中には入れなかった…。
後、堀の水、あれ、江戸時代にはため池として使われてたと聞いて、ずっこけそうになりました。
ま、まあ、水がためられそうな堀が目の前にあったら、使うよな。合理的ですよ。


第九
久々に生第九が聞きたくなって、行って参りました!
貧乏なわたしにしては大枚張り込んだんですが、その甲斐あってか
これまで聞いた第九の中で最も演奏が素敵でした。
そう!第九の最後の部分は庶民としてはがーっと盛り上がったまま
突き進んで高らかにファンファーレを響かせるように終わってほしいの!
小難しい曲の解釈はいいから、変にゆっくりひっぱったりしないで欲しいのよ!

値段は伊達じゃなかった…!!!

その前に見た佐渡ゆたかの第九番組で、
「ベートーベンは人の声でしか表現できないものがある、と考えて
第九の第4楽章に合唱を入れた」と聞きましたが、
歌詞や、和音からもたらされる重厚感、クライマックスへの盛り上がりを併せて、
全くその通りだ、とベートーベンの正しさを痛感しました。
あの合唱が入ったところで、感動で泣きそうになるもん、毎回。
一つ一つの音ってのは波長じゃないですか。
人間がそれをとらえる気管は鼓膜しかないとしても、物理的な影響を体を構成する
素粒子に及ぼしてないとは言い切れないじゃない。
あの、すごい数の楽器の、しかも全部が違う動きをしてる音と、
更にその上に、4部構成の人の声60人分くらいが加わって、
本当に、音を浴びている、という感じになるのですよ。
気持ち良かったー!!
やっぱり拡声器を使わないたぐいの楽器の演奏は生と録音じゃ全然違うよ!
劇場に直接行くのと録画を見るのじゃ全然違うみたいに、違うんですよ!!

また何か演奏会に行きたくなりました。
でも
・あまり金がかかるとつらい
・演奏会のプログラム曲をそれほど知らず、行く気にあんまりならない。
という二つの阻害要因が。曲の方は、わたしの不勉強が悪いのよね。
ストラヴィンスキーとか聞いてみるべき…??


映画
『SW エピソード7』
スターウォーズも行ってきたよ!
楽しかったです。
いろいろ前作をふまえての小技が利いてて、前作も好きな私は
にやにやしながら見てしまいました。
前作と言えば、正月辺りにやってた古い方のスターウォーズ見てると
毎回トンネルミッションがあるんですよね。
戦闘機で狭い通路くぐり抜けてターゲットに命中させ、
更にヒットエンドランで一目散に逃げないといけないアレ。
エスコンのすべてのトンネルに泣かされてきたへっぽこプレイヤーの身としては
「ああああ、いやだ、トンネルはもういやだ、あんなトンネル絶対無理」
と人事でなくガクブルしながら見ていたのですが、

エピソード7でもありましたよ、トンネルが!!!

今回は主人公サイドは、腕利きのパイロットがその難ミッションを軽々こなす様を
見ほれる側だったんですが、そちらの視点に立って初めて、

真のエースがどういうものかが分かりました…!!!

すっごいよ!!すっごいパイロットですよ、ダメロン!!
正確に敵だけをねらい打つ対地スキル、ミサイルの命中精度、なのに落ちないスピード、
追撃をスレスレ交わす飛行技術の絶技、どれをとっても神業ですよ!!!
レジスタンス一のパイロットと自称してもこれなら納得。
呼び捨てなど恐れ多い。これからは尊敬を込めてダメロン先輩と呼ばせていただきます。
今回一番感動したのは、なのでダメロン先輩の腕前に対して、なのでした。

いや、大筋の方も、楽しく見終わりましたよ。
結構謎が残ったままなので(主人公の出自とか)、
次のエピソードが待ち遠しいです。


テレビ
「プロファイラー」という番組の「ミケランジェロ」回、

ゲストが荒木先生だった…!!!

ミケランジェロもすごかったけど、荒木先生にすべてのインパクトを
持って行かれました。
先生は、紳士的な素敵な方でしたよ。



ここから本

カンナ 戸隠の殺皆 (講談社文庫)

高田 崇史 / 講談社

スコア:


高田崇著『カンナ 戸隠の殺皆』
お借りした本。第二段。
相変わらずのウザい歴史観なのです。
本気で言ってる風なのがいたたまれませんが、
この本はとんでも歴史ミステリーとしてかっとびっぷりを楽しむものだと思えば、まだ笑えるかな、と
最近達観してきました。
うん、あの発想は無かった(笑


中国の神話 (1980年) (中公文庫)

白川 静 / 中央公論社

スコア:


『中国の神話』
読み始めて随分立ちますが、まだ半分くらいまでしか進んでません。
タイトルの通り、中国の神話について書かれた本。
著者が漢字の研究や辞書で有名なあの白川先生です。
中国の神話を系列とか無視してズラズラ並べる子供向けのアレではなく、
亀甲占いの象形文字まで持ち出して、
中国の文字資料に現れる神や古王の伝承が、
どの系統の民族のいつ頃のどういった分野の神話なのかまでを
細かく検証して述べてある風の、大変読み応えのある一冊です。
面白い!
でも、進まない…
ええ、毎回言うように、漢字がネックなのです。
そんなに漢字苦手なら中国モノは読まなきゃいいのにと自分でも思うんですが、
世界中の神話を網羅したいという野望を持つ身としては
やはり中国神話も避けて通るわけにはいかんと言いますか…・

今回、特に理解の妨げになっているなと思う点は

・白川先生の使用する漢字の熟語に馴染みがなさ過ぎて、人物の名前なのか一般名詞なのか
はたまた古代中国の役職なのかがさっぱり分からない
・引用部分がまるまる漢文の書き下し文で、素養のない私には読みづらい
・日常使う漢字ではないまるで見覚えのない複雑な漢字が固有名詞などに当てられていて、
読み方が分からず、まるで絵を丸ごと覚えるような仕様になってて記憶力を試される

この3点です。

特に、最後の、漢字の読みが分からない、というのは、今回しみじみ思ったのですが、
意外に覚えにくさを助長させているものだなあと。
言葉はやはり発音と連動して記憶するものなのだな。
現代日本語の常用漢字ならだいたい読み方は調べたら分かるし、
読みの候補もそう多くないのですが、
ものが古代の中国語ですよ。現代中国語での読みなら見当はついても
当時はどう読まれてたかなんてまるきり分かんないですよ。
古代エジプトの王名をとりあえず母音にEを当てはめて借り読みしてるみたいに、
とりあえず日本語の音読みで覚えるしかないのか…
絶対そう発音していたわけないのになあ…

漢字の話はおいておいて、
感じたことを箇条書きに

・中国には神話がないと言われるけど、そうでもないらしい。
最初は、「状況はローマと似てるのかな。
歴史の方に神話的要素をぶっ込んじゃったというか」ほどに感じていましたが、
もちろんそういう要素はあるのですが、それだけでもなく、
流石に中国の方が初期ローマの何倍も広いだけあって、事情は更に複雑でした。

・当たり前だけど、中国大陸をいくつもの民族が席巻してたんだなあ。
で、それぞれが独自の神話体系を持ってて、移動や勢力争いで接触する度に
少しずつ影響を与えあってきた、と。

・それぞれ民族の洪水神話を考える段で、大体が龍タイプの水神を設定する中、
どっかの民族だけ、

魚人

だったのには吹きました。
シュール過ぎる…!!その発想は無かった!

・イ系の民族の、ゲイ(どちらも漢字が出てこない!!)の神話、
これもシュールで好きです、ほれ、太陽を射落とす男の話。
これに絡めて、かつてインでは、10個の太陽を設定し
この10個はすべて個々の性質と祭祀を持っていたんじゃないか、みたいな
説が語られてて、これまた想像もしてなかった説にときめきました。
10個の太陽が、かわるがわる順番に毎日上がってくるのって、
ちょっと面白いですね。
マジでその発想は無かった!


リヴァイアサン: クジラと蒸気機関 (ハヤカワ文庫SF)

スコット ウェスターフェルド / 早川書房

スコア:


ベヒモス―クラーケンと潜水艦― (ハヤカワ文庫SF)

スコット ウエスターフェルド / 早川書房

スコア:


ゴリアテ-ロリスと電磁兵器- (ハヤカワ文庫SF)

スコット ウエスターフェルド / 早川書房

スコア:


スコット・ウェスターフェルド著『リヴァイアサン』
『ベヒモス』
『ゴリアテ』
三部作。
面白かったです!!!
『白金の王冠』を読み終わった後は、これから何を楽しみに生きていけばいいんだろう
と本気で悩みましたが、
この本を読み始めてその悩みはあっという間に解消されました!!
1巻の最初の導入からワクワクしたよ!!

ジャンル的にはスチームパンクで、物語の始まりは1914年から。
そう、第一次世界大戦です。
あの発端になった、セルビア人青年に暗殺されたオーストリア大公夫妻に
実は息子がいたって設定で、
このオーストリア公子が主人公の一人、アレキサンダー(アレック)。
で、世界は産業革命に始まる工学技術を発展させていった人々の陣営(クランカー)と
ダーウィンに端を発する遺伝子工学を発展させていった人々の陣営(ダーウィニスト)に分かれて
縄張り争いをしているわけ。
ちなみに、オーストリアを含むドイツ側がクランカーサイド、
イギリスを中心に連合側がダーウィニスト陣営です。
クランカー側は、8本足の陸上戦艦はじめ、モビルスーツ的なモノを開発するところまで
技術開発が進んでいるし、
ダーウィニスト側は遺伝子操作した動物を機械の代わりに日常に取り入れ、
主に海洋生物を操作して航空機を創造してるの。
第一部のタイトルになった「リヴァイアサン」は
クジラをベースに何百という生物の遺伝子を複雑に組み合わせて作った
生きた飛行戦艦の名前で、
英国海軍はその空飛ぶクジラでクランカー側の機械と戦うのよ。
ちなみに、女の子であることを隠して英国空軍に入隊したディラン・シャープ、こと
デリンがもう一人の主人公なんですが、このデリンが本当にかっこよくって!!!

とにかく!
・追われる貴族の坊ちゃん
・意地悪な剣術師範
・空飛ぶクジラ
・男装の女の子(ただし、中身はヘルメス。すっごい頭の切れる士官候補生)
・英国海軍モノ(実際には空軍だけど、戦艦なので序列は海軍)
・美人女科学者
・2本足のレイバーを操縦
・激動する世界情勢
・若い二人の陣営を越えた友情
・クランカー側でいう機関長が、ダーウィニスト側では主任生物博士なんだぜ!
・ロシアの戦闘熊超こえぇ!!
・日本も出るぞ!
と、もう出てくるキーワードがすべからくすべてツボで(冒険活劇大好き!!)、
しかもジュブナイルなのでえげつないやりきれない描写はなく、全体的に清々しく、
淡いラブなんかもあったりして、
読んでる間もうほんと、楽しくて楽しくて!!
第1巻は、ほぼリヴァイアサンに乗船してる状態で話が進むんですが、
この生きた戦艦がまた、ね!!素敵でね!!
甲板作業してるとき、足の下でクジラの繊毛がわさわさ揺れんのよ!!
バラストはクジラの排泄する汚物だし(笑)。
攻撃手段としてのコウモリとか鷹とかがクジラの一画で飼われてたりするのよ。
最初は、クランカー側のメカメカしさが素敵だなと思ってたのに、
読み終わる頃には、クジラに首っ丈になってました。リヴァイアサン万歳!

あー、楽しかった!

ジブリの「ラピュタ」がお好きな方には問題なく楽しめると思います。
あんな感じの、ワクワクするテンポのいいスチームパンクですよ。
シータみたいな、女の子っぽい女の子はあんまり出てこないけどね。
(ディランが男前過ぎて、途中、男の子同士の友情的に燃えた。
2巻の途中で、二人は喧嘩するんだけど、ちょうど仲直りの部分読んでるときに、
出先だったので1ダイレクションの曲がかかってて、それがまさに
場面にマッチしてて、すごい盛り上がった!!!)


折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)

米澤 穂信 / 東京創元社

スコア:


米澤 穂信著『折れた竜骨』
お借りした本。
歴史ミステリーファンタジー風味。意外にちゃんと推理ものです。
最終的な犯人の処理とか、ちょっとご都合主義かなと思う箇所は無いこともないけど、
ジョン欠地王時代のイングランドの僻地の島という舞台設定や
魔法が存在するパラレルワールドというファンタジックな世界観が結構楽しく、
気軽にさくさく読みすすみました。
上巻の最初の辺りは4回ほど寝落ちしましたが、殺人が起こってから犯人捜すくだりは
普通に推理小説っぽく、面白かったです。
でも、一番盛り上がったのは、バイキングが攻めてきた辺りです。
(それ、推理関係ない。)
あんまり日本人作家の本は得意ではないけど、最後の犯人当ての辺りなど
ワクワクしながら読んでしまいました。

いや、後書きに、修道士カドフェルの名前が出てきたのをみつけた時が一番ワクワクしましたけどね!
作中の地の文で「モード女帝のすぐ後の時代」、って記述読んで、カドフェルを思い出してたけど、
意識して書いてたんか。そうかそうか。
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by mi-narai | 2016-01-24 22:30 | 2016年上半期の読書

ダウントン・アビー 『ジョナサンと宇宙クジラ』 『もっとにぎやかな外国語の世界』

TV
『ホワイトカラー』
録りだめてたのを5話くらいまで見た。
主人公が頭脳派詐欺師で、自由と引き換えに警察に捜査の手伝いを強いられる話。
主人公の詐欺師の男の子、アウトリュコスみたいで(大胆かつお茶目)カワイイよ。
捜査官との間にじわじわ育まれる友情も良いです。


ダウントン・アビー [DVD]

NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン

スコア:


『ダウントン・アビー』
父が、「『トンイ』が終わっちゃって悲しい」と嘆くので、
次は何かと思ったらなんと英国ドラマ。
珍しい、と思って見てみました。


おおおお!
ロマンス小説の世界ですよ…!

舞台は当に、貴族の領地にあるお屋敷。
貴族の結婚制度とか、跡継ぎ問題とか、培った無駄知識をここでフル活用です。
その上、このドラマでは小説では見過ごされがちな使用人たちの日々の仕事と生活が
割と細かく描かれてて、使用人側の言い分とか、感情も拾われてて
それがなかなか面白いのです…!

今回、冒頭でタイタニックが沈んだニュースが館を駆け巡るんだけど、
なんと、その船に、館の主人の相続人が乗り合わせてて、爵位継承が宙に浮いちゃうんですよね。
同時進行で、旦那様が昔戦地で部下だった旧知の男を従者として雇い入れたところから
召使たちの間での順位争いとか、いじめとかが発生して、新人従者が窮地に陥れられる筋が進みます。
おりおりでご主人方の事情と、壁一枚隔てたみたいに別世界の召使たちの事情が語られ
(旦那は爵位持ちだけどどうも貧乏貴族だったようで、持参金つきの金持ち女を娶ったけど、
今は二人ともお互いを気に入って意外と幸せに暮らしている。娘は三人。
使用人は、執事と家政頭が気心の知れたしっかり者同士で(『日の名残り』か)
第1フットマンは野心家で、奥さま付き侍女としょっちゅう悪だくみしてて、
第2フットマンはいい子。女中頭は新人従者に同情的)
淡々と日常を描いているだけなのに、抑えた感情表現の中に喜怒哀楽がしっかり読み取れ、
池井戸原作のドラマ的な起伏はないけど、その代わりじわじわくる…!
英国で人気なのも分かる気がします。
いや、わたしは池井戸的なラストスパートでどんでん返し、大盛り上がり!も好きですけども。
こてこてだけど、低俗かもしらんけど、そういうのが見たい時だってあるじゃない!
とりあえず、残りの数話は録画して保存することにした。


日記をアップせずにいるうちに第3話まで見ましたよ。
ベイツさんはいいやつだなあ。
相変わらず淡々と日々が過ぎますが、
新しくやってきた遠縁の後継者親子と伯爵の母親のバトルとか、
色々あって結構乗ってきた。
3話目ではまさかのミステリー展開だし。
しかし、なんでデイジーはトーマスに憧れんの?
どう考えてもウィリアムの方がいい子なのに。
後、別段メアリーが美人に見えない問題。
とりあえず、次回が楽しみです。



ジョナサンと宇宙クジラ (ハヤカワ文庫SF)

ロバート・フランクリン ヤング / 早川書房

スコア:


ロバート・F・ヤング著『ジョナサンと宇宙クジラ』
普段あんまり短編集は読まないのですが(基本長編が好き)、
『時が新しかったころ』が面白かったので買ってみました。
なんか、O・ヘンリーの短編集と感じが似てるかなあ。
いや、短編を読み慣れてないだけで、読書家の方から見ればまったくの別物なのかもしれんが。
短編って、悲劇で終わるにしろ大団円で終わるにしろ、結末を匂わせた辺りで
大体話は終わっちゃうじゃない。その余韻の漂わせ方が似てるかなと。

本作については、
最初のあたりはなんだか悲しくなっちゃうような結末のものがあったりしましたが、
表題の『ジョナサンと宇宙クジラ』の他、『リトル・ドッグ・ゴーン』、
『いかなる海のほこらに』、『ペネロピへの贈り物』『ジャングル・ドクター』
『空飛ぶフライパン』が良かった。…おっと、ほとんど6割やん…。
突っ込みどころはたくさんあるけど、
大体主人公が悪意のあんまりないお人好しなのがいいです、読んでて安心します。
その善意が作中でちゃんと評価されるから安心する。
あとがきに「ヤングの作品は好きだと公言するには少々気恥かしい」と書いてあって、
まあ、確かにな、と思いましたが。もう公言しちゃったけども。
あんまりストレートにいい話過ぎてこっばずかしい感じはするかな。
甘く切ない、もしくはちょっぴり救いのある、おとぎ話みたいな話なんです。
実際の世の中はもっと世知辛いかもしらんが、でもこんな小話があっても
良いよな、などと、読んだ後はちょっとほのぼのしました。
『たんぽぽ娘』も探してみようかな。
ところでこの『たんぽぽ娘』、聞き覚えあるなと思ったら、わたしの好きなマンガ
『わたしを月へ連れてって』でちらっと出てきてたのでした。
『わたしを月へ』も読み返したくなっちゃうなあ…。


白戸修の事件簿 (双葉文庫)

大倉 崇裕 / 双葉社

スコア:


著『白戸修の事件簿』読了。
貸してもらったので読みました。
貸してくれた友達が「そのままあげても良い位っす」とか言うから
どんだけおもんないんかと思ってたけど、意外と面白かったですよ。
主人公はもう、どこをどうみても完全なる巻き込まれがたの主人公で、その上
小心なくせに人が困ってると放っておけない超のつくお人好し。
毎回毎回本人が意図したのでも望んだのでもない軽犯罪に巻き込まれ
(殺人とか、本格的な犯罪でないのがまた)
周囲の思惑に振り回されて右往左往するのが涙を誘います。
結構、主人公の困惑と狼狽にこっちまで巻き込まれたハラハラしながら読み終えました。
トリックとか、静謐な筆致とか、推理物っぽい雰囲気とはかけ離れてたけど、
これはこれで面白かったけどなあ…。
白戸君は毎回かわいそうだったけど。でも、彼、愛されてるよね。


もっとにぎやかな外国語の世界 (白水Uブックス)

黒田 龍之助 / 白水社

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黒田龍之助著『もっとにぎやかな外国語の世界』読了。
語学エッセイ集。
また買っちゃった…。
いや、この方の書く語学の素敵ポインツがいちいち分かるというか、
そう、そこ!!そこ素敵ですよね!!!とつい手に汗握って共感してしまうので
読んでて楽しいんですよ…。
今回は、ロシア語の名前の話とか、文字の形の話とか、ちょう面白かった。
アイスランド語とかアラブのあたりとか、名字がなくて父称じゃない。
ロシア語ではどっちも使うんだってさ。
プーチンさんなんて、ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン、
なんとお父さんの名前もウラジーミルらしい。
で、父称付きで呼ぶのって、ものすごい堅い、真面目な場面で使う印象なんだって。
イーリアスの10歌あたりでアガメムノンがメネラオスに「失礼がないように父親の名前付きで
呼ぶのだぞ」といい含めていたのを思い出します。

歴史言語学とか比較言語学的なところに興味がある点もものすごい共感率高いです。
グリムの法則とか、懐かしいなあ…。
日本語はクレオールなのかなあ…。東のどんづまりだから、
いろんな人がちょぼちょぼ入って来て、あんまり上下なく混ざりあうと、
こんなよう分からん言語になるんじゃないかという気がします。
この辺りは比較神話学と並べて考えると更に真相の解明に近付くんじゃないかと。
いや、神話の残り具合と言語の混ざり具合は完全に一致するわけじゃないから過信は出来んけども
参考程度にはなるんじゃないの。
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by mi-narai | 2014-06-01 17:44 | 2014年上半期の読書

『こんにちは、昔話です』『ルポ 貧困大国アメリカ』『時が新しかったころ』

こんにちは、昔話です (小澤俊夫の昔話講座―入門編)

小澤 俊夫 / 小澤昔ばなし研究所

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小澤俊夫著『こんにちは、昔話です』読了。
久々に地域の図書館に行ったのでつい借りちゃいました。
昔話入門編です。
この著者、1930年生まれなので、もうおじいちゃんで、
グリム童話あたりから民間伝承の研究世界に踏み入り、
アアルネ・トンプソンの分類とか、日本昔話の収集とか
長年この道で研究を重ねてきた重鎮なんだけど、
その方が敢えて一般の方向けに、昔話の魅力の普及のために、
子供に読んで聞かせる時にきちんと分かっていてほしいことなどを
分かりやすく説いて回っていらっしゃるんです。
そういった講演内容を書面に起こした感じの本作です。

えーっと。
先生、昨今のなんでもかんでも「残酷だから」、とおとぎ話を改編する風潮に
たいへん怒っていらっしゃいますよ。
ポコポコしてるおじいちゃんを想像すると大変にかわいらしい。
しかし、本読んでると、先生のご意見はもっともだなと。
流石に、きちんと昔話を研究対象として熟知しておられる先生です。
その理由を読んで、変に改変したらあかんなという気になりました。
残酷なシーンは残酷なままでいいんです。
(どうせ子供はそこは気にとめない)
しかし、「昔話は残酷なシーンも淡々と描くのであまりそう感じない」って、
わたし、イーリアスでも同じように思ったなあ…。
やはり語り物の特徴なのかな。
あんまり詳細に語りすぎると聞き手の想像の余地を奪うというか。
書かれた書物(それも娯楽もの)の場合詳細な方が良いと思うんだけど
耳から入る物語の場合は、相手が想像しやすいように、また聞き取れる程度の長さに
そこそこざっくり語る、というのも重要なのだなあ、と。
大変示唆に富んだご指摘でございました。

ちなみに、昔話と伝説の差異は、
登場人物の素性、場所、時間が特定してあるかどうからしいのですが
(ほら話であることを語り手も聞き手も知っているのが昔話、
一応本当にあった話ですよ、歴史ですよ、という体で語られるのが伝説)
この何も特定しない昔話の世界に、オデュッセウスという個性を放り込んだのが
『オデュッセイア』における航海譚だとわたくしだいたい思ってるので
その辺に絡めても、楽しく読めました。


「伝説」はなぜ生まれたか

小松 和彦 / 角川学芸出版

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小松和彦著『「伝説」はなぜ生まれたか』
これまた図書館本。
小松先生はいろいろ書いていらっしゃるなあ。
各所で書いた論文を寄せ集めた一冊です。

どの論文も楽しく読みましたが、
一番心に残ったのは

レヴィ=ストロース先生がいかに偉大か

だったという…。
各地に残る雑多な伝承の全てを渉猟し、分類するのってそらまあ気が遠くなる作業だよなあ。


ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

堤 未果 / 岩波書店

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『ルポ 貧困大国アメリカ』
妹が、どうしても読め、恐怖で涼しくなるから、と強く推すので
図書館で借りてみました。

アメリカ、怖すぎる…!!(ガクブル)

市場の自由を優先し、企業優遇策をまい進しすぎたせいで、
医療や福祉の現場まで効率主義に陥り、格差が広がり、
貧乏人はどう頑張っても一生貧乏で這い上がる手段さえなく、
一握りの金持ちだけがその他大勢の食うや食わずで必死で生きている人々の上に君臨し
甘い汁を吸ってる、しかもその枠組みがどうやっても壊せない、という
悪夢のような世界が広がっとります。
ブッシュ政権が財政悪化を理由にかじを切り過ぎたせいらしい。
その時のブッシュの政策が、いまのABっちの政策に瓜二つで
心底わたしを震撼たらしめた。
怖い…!!こんな理不尽な世の中に日本までなっちゃったらどうしよう!!!
一握りの金持ちしか幸せになれない国なんて、国としてどうなのよ!!
革命前のフランスか!?そんな国に国としての意味なんかあるのか!??
そもそもその方が人として暮らしやすいから国を形作るんじゃないの!?
一晩盲腸の手術で入院しただけで120万請求され、
大学に行ったら奨学金の返済をこれまた1000万ほど要求され、
貧困から逃れようと思ったら唯一の手段が軍への入隊で、
かといって入隊前に約束した金は支払われず、
すぐに前線に送られて、怪我して帰って来ても見捨てられ挙句ホームレスとか…

ひどすぎる。

なんやろう。行政範囲が広すぎると色々目が行きとどかんとか、そういうのもあるんやろうか。
(国土が広い国って、なんか、そんなんが多そうじゃない。)
これを打開するにはどうしたらいいの??
民主主義国の場合、名目上貧乏人だって参政権を持っているはずだから、
そこで見極めてマシなとこに投票するしかないのか?
しかし、どれも期待できなさそうな候補しかいなかったらどうすれば。
候補者を立てて選挙運動をするところからスタートなの?
気が遠くなりそう…(結局その局面でも金がものを言うんだろうし)
とりあえず、仕組みを知るということが大事だと思うので、
適当にうわべだけ見とったらいかんのだなあと、しみじみ思いました。


まず、ママが幸せに―産んで育てて、ニッポン・イギリス・フランス

薗部 容子 / 日本機関紙出版センター

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薗部 容子著『まず、ママが幸せに』
妹が強硬に読めと進めてくるので読みました。
日本、イギリス、フランスでそれぞれ一人ずつ出産したお母さんの
体験記、みたいな本。世の頑張り過ぎなお母さんに
「そんなに気真面目に思いつめなくても大丈夫だよ」と
諭すのが目的で書かれたものだと思うんだけど、
出産における各国の文化比較、みたいな感じになってて面白い。
並べると、日本人は真面目だよなあ。
とりあえず、少しでも赤ちゃんにとって危険ならやめておこう、とか、
こうあるべき、という規範が強いんですよね。
わたしはそういう細かいところに目が届くきっちりした日本人が大好きですが、
まあ、確かに、そうするように毎日強制されたら母親はノイローゼ気味にもなるわな。
西洋文化の大雑把さを見て、妹も、適当でも大丈夫、と勇気をもらったらしい
何が幸いするか分かりません。
なにより著者はどこが悪いとか良いとかは言わずに、単に違いを楽しんでる感じなので
そういった部分は大変好感が持てます。
後、パリでの色々がおかしくって、電車の中でニヤニヤしてしまいました。
パリの出産事情、オモロすぎる…。
後、みんながバカンスに情熱をかけ過ぎる(笑)。


獅子真鍮の虫 (永見緋太郎の事件簿) (創元クライム・クラブ)

田中 啓文 / 東京創元社

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田中啓文著『真鍮の虫』読了。
ミステリー、ジャズサックス奏者永見緋太朗シリーズ。
この作者にしては、ダジャレもエロもグロも出てこない、非常に爽やかなシリーズです。
でもって、ミステリーなのに、ジャズ話の方が熱いというこれまたいつもの仕様です。
いや、でも、日常でそうそう人生を揺るがすような謎なんてないしな、
このシリーズの、日常のちょっとしたひっかかりを
「ああ、あれ、ああいうこととちゃうの」ってさらっと説明して
「あー、なるほどなー」って納得して、生活を続ける感じが好き。
今回は、唐島さん(語り手)と永見がアメリカにジャズ旅行に行ったり
なかなか楽しいシチュエーションがあり、
途中永見のサックスが認められたり、唐島さんがトランペットのことで悩んだり、
盛りだくさんでした。
ミステリーでなく、ジャズの話にどんどん詳しくなっていくという…
いや、普通に面白かったですよ。


植物は人類最強の相棒である (PHP新書)

田中 修 / PHP研究所

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田中修著『植物は人類最強の相棒である』
またも職場の上司にただでもらったので。
ありがとうございますありがとうございます!!
本を下さる時、わたしともう一人同室の同僚の分2冊渡されたのですが、
にこにこしながら
「Mさん(同僚の名前)に、この本な、買うてでも欲しいか、て聞いてみて。
でな、欲しい、て言わはったら、ほな買うて、て伝えといて」
などというお茶目をかまされました。

あああああもおおおおおうう!!!
かわゆらし過ぎるじゃろ!!!


口から何か出るか思たわ畜生め。
毎回普段通りのおだやか~な口調で冗談を仰るので
一瞬キョトンとしてしまうのですよね、
最近徐々に慣れてきたぞ!

で、本の内容ですが、田中先生の御本もこれで何冊目でしょうか、
本によっては花、雑草、果物に特化して、その紹介をしてあるようなのも
あるんですが、これは割と研究寄りで(もちろんものすごく噛み砕いてありますよ)
面白いです。難しい箇所に差し掛かると寝そうになりますが。
毎回、葉っぱが緑に見える理由を聞かされて狐につままれたような気に…。
海の底の方にある海藻が赤いのは、緑色の光を吸収するためなんですよ!!
海の上の方の緑色の回想は赤色や青色の光を吸収してんですって。
ていうか、光をエネルギーに変換できる、というのが、よくよく考えるとすごいよね。
後、植物の生態意外に、最古の栽培植物は何かとか、
現在の農業の色々な工夫とか
そんな色々が分かりやすく書いてあって楽しいですよ。
分かりやすいのは、田中先生は農学博士なので、生化学的なミクロの話はあまりなさらないから
てのもあるかも知らんなあ。
ところで、作中に、江戸時代から伝えられる花や果物の名所で
「梅は岡本、桜は吉野、蜜柑紀の国、栗丹波」
ってのが出てくるんです。
岡本以外は今も健在ですね!
これからも名所の伝統を引き継いで後世に残していきたいものだと思いました。


時が新しかったころ (創元SF文庫)

ロバート・F・ヤング / 東京創元社

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ロバート・F・ヤング著『時が新しかったころ』読了。
本屋で売ってるの見て、恐竜、タイムトラベル、ロマンティックSFの3つのキーワードだけを頼りに
レジへ持ってった一冊。
早速読んでみました。
これが、思いの外、面白かったのよ…!!
真ん中辺はちょっとだれて、数回寝そうになりましたが、半分過ぎたあたりで
また面白くなってきて、その後はあっという間に読み切りました。
いや、なんか複雑な筋も、残酷なシーンも、どんでん返しも、目を引くような展開は一つもないのに、
それでも読んでてすごく楽しかったです。
ものすごい健全な話というか。
古き良きアメリカの良心、みたいな感じの話というか(分かりにくい)。
お人好しな大人が、困ってる二人の賢い子供を何の打算もなく助ける話なんですよね。
強くなければ生きていけないけど、優しくなければそもそも生きていく資格がないって、至極名言だわ。
レイモンド・チャンドラー、ええこと言うた!
最後は、展開読めた瞬間、またしたも、頼むから読んだとおりに展開してくれと、
ものすごい祈りましたもの。
ああ、幸せな読書時間じゃった。
読み終わってほのぼのしました。


神話の系譜―日本神話の源流をさぐる (講談社学術文庫)

大林 太良 / 講談社

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大林太良著『神話の系譜』
読了。
古本屋で「あれ?これって買ったっけ?」と訝りつつ、
「いや、読んだのは吉田本だったはず」と心に唱えながら購入した一冊。
既読本だったらどうしようとドキドキしながら読み始めました。

大丈夫!読んでない本でした(良かったー!)

当にタイトル通りの本。
短い論文がたくさん載ってる感じの一冊で、あらゆる方向・部分から
日本神話と周辺の神話を比較し、機能を分析しようと試みられています。
面白かった!
だいぶ昔の本ですし、王権神話は北方系、その下の国生み神話とかベース部分は南方系ってのも、
大体他の本で読んでましたが、分かって読むと二度美味しいので文句は全くありません。
大林先生は晩年のスケールのでかい試みの方が印象深いけど、この頃は日本神話にものすごい
興味がおありだったのだなあ、と感慨深いです。
あまりに沢山の項目があり過ぎていちいちについて書くと長くなるので割愛しますが、
東南アジアの神話の神々の名前とかがいっぱい出てくるのがすごい楽しかった。
印欧語族とも日本語とも違う音の感じがいいよね!
後、デュメジルの三機能構造について。
デュメジルさんは「とりあえず印欧語族の神話に置いて神々の機能が三つのタイプに分かれるよなあ」、と
仰ってるわけですが、
吉田先生は、「日本神話もその三タイプに適応できるっスよ!」と手を上げてて、
この大林本では、「イラン辺りのその三機能に分化した神々の神話が北方騎馬民族を通じて
日本にも入って来たんじゃね?」みたいに書いてあったんだけど、
それもあるかもしれんが、
ちょっと思ったんですよ。
もともと人のいたところに後から好戦的な一派が侵入してきた時って、
ちょうどこの三機能分類みたいな状態に落ち着きやすいんじゃないかって。
権力と武力はもちろん侵入者の神々が担うとして、残りの富をつかさどる神とかは、
被支配民のものを残しといてもいいかな、みたいな。
被支配民にも勢力範囲の大きい神々はいたはずだし、それを消しさることは出来んが
権力(とか神界での主の座)・武力関係は担わせられんから、第三の富の部分しか残ってないっちゅうか。
日本神話じゃ、まさに北方系のアマテラス、タケミカズチ、なんかが第一第二の支配者側の機能保持神で
出雲系オオクニヌシとかが第三の豊穣・富を司る神じゃない。
ギリシャ・ローマ神話や日本神話にはそれが顕著だけど、
侵略を受けてない土地とか(そんなところあるのか?)受けたけど昔過ぎてもう曖昧になっちゃってるとか、
そういうところはさほど三機能の分化が明確じゃなかったりしそう。
知らんけど。

とりあえず、最後まで読み終えて、解説がこれまた好きな田中克己先生で、
もう最初から最後まで美味しい一冊でした。ごち。
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by mi-narai | 2014-05-06 21:30 | 2014年上半期の読書

『古代ホメロス論集』 『シリーズ日本古代史①②』 『コーラン』

今、ようし、パパ通販しちゃうぞー!とサイトに行ったらば
既に同人誌売り切れてた…orz
わたしのバカ!バカ!!



ニュースで英国艦隊(の内の一部)が来日したてやってたけど、
関係者氏名のとこが「氏名 HMS艦名」てなってて、
このHMSにときめいた!
これ、「"His/Her Majesty's Ship"」の略で、英国海軍艦名の前につけるんですよね、
ナポレオン戦争時を舞台にした英国海軍小説でしょっちゅう見かける称号なんだけど、
実際に現在もついてるの見てなんかやたら興奮しました。
(そこまでディープな帆船フェチでないのでちょっとしたことではしゃいじゃってはしたないですね、
すみません。)


農耕社会の成立〈シリーズ 日本古代史 1〉 (岩波新書)

石川 日出志 / 岩波書店

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石川日出志著『シリーズ日本古代史①農耕社会の成立』
最初のうちは縄文時代の区分分けの変遷など、楽しく読んでいたのですが、
だんだん疲れてきたよママン…
いや、文章が下手なわけでも内容に興味がないわけでもないのですが、
各地の発掘状況などを踏まえながら、大真面目に当時の生活様式などを類推する叙述が
淡々と続くので
…ほら、報告書の類って、ずーっと読み続けると、なんかどれがどれだか
よくわかんなくなってくるじゃない。
あんな感じなの。
とりあえず、7割ほど読み進んだところで、ちょっと休憩。


コーラン―構造・教義・伝承 (文庫クセジュ)

フランソワ デロッシュ / 白水社

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フランソワ・デロッシュ著『コーラン』読み終わりました。
すみません、本の内容がどうこう言う以前に

訳がまずい!!

多分、忠実に訳そうと心掛けるあまりだと思うのですが、
もう、どこをどう見ても直訳です。
あのな。
もうちょっと、噛み砕くとか、せめて単語のチョイスを考えるとか、
頑張ってみようよ!分かりにくいよ!
一般読者に理解してもらおうという心遣いが感じられません…。
研究仲間宛てに訳したんかもしらんが。
いや、研究仲間なら自分で原書読むよな。
そもそも私は理解の遅いおばかさんなのですよ、
いちいち直訳の文章を頭の中で分かりやすい日本語に変換して
意味を理解するのが、手間なんです。馬鹿で済みません。
なのでこの訳者には、自分が読解力のないバカであることに関しては
申し訳ないとは思いつつも一言申し上げたい。この

へたくそ。

まあ、それはさておき、著者のフランス人のコーランに関する文献学的な考察は
面白かったですよ。
井筒先生のおかげで前知識があったので、大体話についていけましたし。
コーランの時代ごとのメディア展開とか、信者の間での位置づけとか、面白かったです。
読み終わって思い返すとあんまり覚えてないんですが。

…やっぱり、なにもかもわたしの頭が悪いのが最大の要因か。


ヤマト王権〈シリーズ 日本古代史 2〉 (岩波新書)

吉村 武彦 / 岩波書店

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吉村武彦著『シリーズ日本古代史②ヤマト王権』読了。
①の最後の方、しんどくなって適当に流しちゃったので、
その反省を踏まえ、今度は最初からきちんと読みこむことにしました。
前回が考古学の発掘成果から見た古代史だったのに対し、今回は、
主に文献学から見た古代史です。
一日1ミリくらいしか進まなくて、1週間余り本を持ち歩いちゃったけど、
総じて言えば面白かったですよ。
参考文献として、古事記とか日本書紀がよく出てくるんですが、
当然ながら神話ではなく
都の位置とか天皇の政治姿勢とかそんなものの参考のためでした。
人制度とか、氏姓制とか、臣連制とか、前よりちょっと分かった気がする。
後、物部氏や蘇我氏の動向が一緒に載ってたのも面白かったです。
当たり前ですが、朝鮮半島とは本当に昔から行き来があったのだなあ。


古代ホメロス論集 (西洋古典叢書)

プルタルコス / 京都大学学術出版会

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プルタルコス、ヘラクレイトス著『古代ホメロス論集』読了。
妹に誕生日プレゼントに何がいいか尋ねられて指定した一品。
ダメもとでこの本を申し出たところ、
本当に買ってくれたので、張り切って読み始めました。
(ちなみに、妹の誕生日には、ジャスミン系の香水を所望されたので、
おばあたまと連名でブルガリの香水を買ってやった。思ったより安くついたし
おばあたまが結構出して下さったので、ついでに他メーカーの
石鹸系のとグリーンティー系の人気作もおまけで付けてやりました。
メイドインアメリカの香水はいまいちわしら姉妹の好みには
合わんということがよく分かった。)


それはさておき、読み始めての一番の感想をあえて申してもよろしいでしょうか。
プルタルコスさんは

ヲタなかーま!

であると。
この論集、プルタルコスとヘラクレイトス(だったっけ。ウロ)の
ホメロス論が載せてあるんだけど、プルタルコスさんのやつが熱くってさ。
プルタルコスはホメロス論1の方は忘れたけど、2の方では、
文法や哲学や政治学など様々な分野の萌芽をホメロスに見つけたいみたいで。
諸分野を端から検証して、
「ほらな、ホメロスにすでにあるだろ?」
と言いまくってます。
以下、例によって心に残った無駄知識を箇条書きに。


・まずは、文法の話。
語の運用や、比喩表現、テクニカルな運用法などについて
ホメロスでの使用例を(だいぶ強引に)引用するという論文の流れなんですが、
そもそも、当時のギリシャ人(ていうかプルタルコス)が、
どういうところに語・文の運用の妙を見ていたのか、という方が面白かった。
比喩表現などは、日本語に当てはめて考えたら、
普段の文章で当たり前のように出てくるような、なんてことはないものなんですが、
結構それをめったに使用例のないサンプルとして不思議そうに書いてたりします。
まあ、動詞に態や時制が、名詞に性があるから、
それがずれてると違和感を感じやすいというのはあるかもしれんな。
(例文が当たり前だけどことごとく『イーリアス』&『オデュッセイア―』なので
もうそれだけで楽しいです。本当に、普段どれだけ自分がホメロスに飢えているかがよく分かりました。
ホメロスがどういった技法を駆使していたのかも分かって面白い。)
後、現代の言語学上は認められてても当時の語学的感覚だとイレギュラーな使い方だと思われた部分などは
あったかもしれん、とも思いました。

ていうか、プルタルコスの時代にすでに文法が出来上がってたってことに、地味に感動した。
そら、修辞学とかあるくらいだもんな!それにしても、すごいな!!

最初の4分の1くらいはそういった文法の話なので、
普通の読者にはまったく面白くないと思います。
それにしても、日本語訳の人は、たいへんだったろうなあ。語の用法とか、ギリシャ語の話なんだから、
元の単語まで日本語に訳したら何が何だか分かんなくなりそうなもんなのに。
(訳注が多いのは仕方ない)


しかし、古代の人(ていうか、プルタルコス)は、
ホメロスがそういった各種の語法を作り出したという視点でこの文法部分の論文を書いたわけだけど、
ホメロス以前に先人たちの色々な蓄積があったことは認知されてなかったのかな。
それに、ホメロスが純粋に文学上の効果を狙ってそういう語法を使ったってより、
詠唱中、ヘキサメトロンに当てはめるために同じ語句をリズムのいい語句に言い換えた結果、
そういった文法上のトリッキーな使用法になっちゃった
という結果論的なアレかもしらんぞ。


・次、物語の要素について。
歴史叙述的な要素がホメロスの作品の中に既に入ってることを確認する部分はいい。
ふつうに、ふーん、そう。と思って読みました。
けど、哲学的要素が含まれてることを見ていく部分はだいぶこじつけっぽかった。
ほれ、当時の、万物は水である、というタレスの意見を踏まえて
ホメロスはオケアノスを神々の祖としたんだとかさ。
ヘラは空気で、天空たるゼウスと交わったことがどうこうとか
(つまり、物理学的な事象を暗喩的にホメロスが描いているという主張)

いや、そんなつもりではなかったと思うぞ!

しかし、いろんな解釈を施せるものだな、とか、
当時の知識人としては、それが最先端の科学なんだろうし、
ホメロス擁護派のプルタルコスさんとしては、
ホメロスがそういった知識を踏まえていた、と思いたいのだな、とか
そういう感覚が垣間見えるのは面白い。


・理系・神学系の上述の学派の他に、
エピクロス派とかピタゴラス派とか、もうちょっと生き方考察っぽい哲学の学派にも
言及してあって、
この学派の説がホメロスのこの場面にすでに表れている、などとも
こじつけられています。
いや、こじつけだとは思うけど、プルタルコスさんのホメロス愛はよく伝わった!


・ことわざ、格言もしかり。


・某イタケ人は、途中ちょっと持ち上げられてた!!
そりゃホメロスではいい感じに描かれてますものね!GJプルタルコス!!
あなたとは良いお友達になれそうです。


・政治的な弁論術の観点からホメロスを見る段
叙事詩の作中でいろんな人の長ゼリフが入るけど、それの弁論法などを細かく見た段。
ディオメデスの部分が楽しかった。
彼って、最初にアガメムノンに罵られた時は黙ってて、数歌経ってから言い返すんだけど、
あれは、手柄を立てて実績を作ってから発言を通しているのだ、という指摘に納得した。
男らしい!
でもって、当時のカテゴリーわけとしては、
オデュッセウスは言葉豊かに力強い口調で、
ネストールはやわらかく、
メネラオスは短く分かりやすい技術が駆使されてんだって。へー。


プルタルコスの次の論文↓
・ヘラクレイオスのホメロス論
ホメロスに登場する神々の行動を全て(当時の)科学で説明しちゃうという力技。
プルタルコスさんの一部分のアレを、推し進めた感じです。

無粋やなあ…。

まあ、詩人に批判的なプラトンさんなどの哲学者の向こうを張って
一生懸命当時としては最先端の理論を使ってホメロスを擁護しようという心意気は買いました。
君の情熱は受け取った!


ボーンシェイカー ぜんまい仕掛けの都市 (ハヤカワ文庫SF)

シェリー・プリースト / 早川書房

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シェリー・プリース著『ボーンシェイカー』読了。
なんか、本屋で衝動買いしちゃった。
もともとハヤカワのポケミスシリーズで出てたSFで、
気になってたのが今回文庫で出直してたので。
なんか、ポケミスからの文庫化ものに弱いのですよ…。

時は19世紀、所はカリフォルニアはシアトル、
ゴールドラッシュに沸く当地で金脈を掘り当てるための掘削機械をとある科学者が発明し、
その機械が暴走してシアトルの地下に穴をあけまくってしまい、地盤が沈下し、
街は壊滅、その上地中から毒素が染み出て吸った人間は死に至ってしまう、
おまけにその中にはゾンビとなって蘇って生きた人間の生肉を貪るものまで出てくる、
という悲劇が前提にあり、
作品は、毒素が拡散しないようシアトルに高い壁がめぐらされ、
生き残った住民がその壁の外で細々と生きているところからスタートです。
主人公は子持ちの母親で、かつてハタ迷惑な機械を作り上げた科学者の妻だった女、
仕事はつらいし、今は亡き旦那のせいで村八分だし、息子は反抗期だし、
タフな主人公ですが、最近若干息切れ気味。
そんな時、息子が父の名誉を回復しようと、壁の中のかつての自宅へと潜り込んでしまうのです。
それを追いかける母親。壁の中には無数のゾンビたちの他、したたかに生きる犯罪者すれすれの
住民たち、飛行船乗り達などがいて、強烈な個性で母親に関わってきます。
果たして、母親は無事に息子を助け出すことが出来るのかー!

てな感じの話。
お分かりのように、SF文庫から出てますが、スチームパンク冒険ものです
あんまSF要素はないですが、わたしスチームパンク好きなんで全然OK。
設定とか謎とかより、主人公の冒険や出会った人間とのやり取りの方に力点が置かれてる感じ。
面白かったですよ。
でも、毒ガス避けのために常時マスクをつけてる描写と言い、
ゾンビを回避するために地下のトンネルを移動する描写と言い、
閉塞感は半端なかった…。
とりあえず、主人公は一人でも大丈夫な感じのパワフルかつ忍耐強い女性なので、
安心の安定感です。
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by mi-narai | 2013-12-04 00:49 | 2013年下半期の読書

『ケルトの白馬』 『異星人の郷』 『ケルト神話ファンタジー』

ケルト歴史ファンタジー ケルトの白馬/ケルトとローマの息子 (ちくま文庫)

ローズマリー サトクリフ / 筑摩書房

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ローズマリ・サトクリフ著『ケルトの白馬/ケルトとローマの息子』読了。
最近、ちくま文庫さんがサトクリフを出版する気になったようで、
しかもどうやらケルトくくりらしい。
とりあえず当該文庫と、もう一冊『クーフーリン/フィン・マックール』を買い求めてみた。
とはいえ、『ケルトの白馬』だけはハードカバーで読んだことがあるんですが。
(面白かった記憶がある)
わたくし、サトクリフのオリジナルの小説は好きですが、再話の方にはあんまり期待してないので
(『イーリアス』『オデュッセイア』がいまいちだったから。まあ、これは原作が面白すぎるから仕方ない)
とりあえず面白さが分かってる『ケルトの白馬/ケルトとローマの息子』の方から読むことにしました。

新幹線の中で一気に読破してしまいました。

骨太で、ぐいぐい引き込まれ、年甲斐もなく夢中になってしまった…
「ケルトの白馬」など、以前読んだ時も電車の中で、友情の熱さにうっかり涙ぐんで
しまったのですが、今回も鼻をすすりあげてしまいました。
この作者は友達同士の固い誓いとか、そういうの書かせたら絶品です。
でもって、わたくし、そもそもが友情モノに極端に弱いのです。
以下、ざっくりあらすじと雑感。

ケルトの白馬
・時は紀元前だか紀元後ちょっと過ぎだか、ローマ全盛期。
そんな時代にイギリスの左下(今で言うウェールズ)のあたりに住んでた、イケニ族の若者の話です。
イケニ族は、馬を扱うのがうまく、お話にも馬がたくさん出てきます。
主人公は、幼い頃から絵画への独特の感性を持っていて、動いているものを曲線で
表すことに無限の情熱を感じる芸術家気質の少年です。だけど、族長の息子なんで
立場上の責任感も、イケニ族の若者としての誇りも持ってるちょっと変わった立ち位置の子。
その彼を中心に、
彼と無二の親友との遠くの地に新たな故郷を探しに旅立とうという約束や、
南からの襲撃と彼に課せられた犠牲、
敵の首領との立場は違うけど深い部分で理解し合える微妙な関係など、
いろいろな要素が絡み合って怒涛のクライマックスへ。
流石サトクリフ、そんなに長い話じゃないのに、読み終わるとずっしりきます。

しかし、この頃は先住のブリトン人をけちらしてこんな全盛なケルト族だけど、
すぐ後にローマ人に大体征服され、さらにその後はアングロ・サクソンに蹂躙され、
さらにその後にはノルマン・コンクエストで北欧人(ていうかフランス人)の
支配下に置かれてしまうのだと思うと諸行無常を感じます。
イギリスの歴史はダイナミックで面白いよな~
(エリザベスの時代も大英帝国時代もいいけど、この頃の辺境っぽい時代も面白いですよね)


ケルトとローマの息子
今度はもうちょっと後、たぶん2世紀ごろのあの辺りの話。
なんちゅうか、同じようにケルトの一部族の男の子の話なのに、

超ジェットコースター展開です…!

なんかもう、ものすごい勢いで主人公が運命に翻弄されまくるので、
息つく暇もなく次のページをめくらされますよ。いやー、すごかった。
奴隷がいっぱい出てくるので、あの時代の奴隷の気分が知りたい方も必見。

しかし、主人公の性格設定がものすごくリアルで、唸ってしまった。
どん底に落ちて、普通の話なら"それでも良心や正義の心を失わない"的な展開になるところですが、
この主人公、あっさりやさぐれちゃいます。
でも、悪くなりきったわけではなく良心の残骸はまだ生きてて、
それはかろうじて「友達を思いやる」という細い一本の糸で支えられてんの。
それが断ち切られて、誇りも何も砕かれ、卑屈になり果てるところもとても納得させられた。
きれいごとじゃねえよな。その辺りは。
(その後、葛藤しつつもちゃんと人間としての尊厳を取り戻す、というか思い出すので安心して下さい)
この人の本を読むと、お恥かしながら毎回感動してしまうのですが(きゃっ)
今回もやっぱり感動しました。
ふーって腹の底から息吐いて、満足感に浸りつつ読み終えましたとも。
サトクリフはもっと全人類に広く読まれるべきだ!


異星人の郷 上 (創元SF文庫)

マイクル・フリン / 東京創元社

スコア:




異星人の郷 下 (創元SF文庫)

マイクル・フリン / 東京創元社

スコア:



『異星人の郷』(上)(下)読了。
現代編の、歴史学と物理学の理論をからめつつ、
大筋は中世のヨーロッパ・ドイツの片田舎、上ホッホヴァルトの荘園に、
不時着(というのかな。どうも従来のような方法で宇宙を渡ってきたのではないらしいけど)した
異星人たちと、中世ドイツ人たちとのファースト・コンタクトの話。
最初、異星人たちと出合うまでの中世ドイツの荘園の描写がかったるいのと、
出会ってからの両者のやりとりの描写がやっぱりじれったいので
じりじりするかもしれませんが、
下巻に入ると怒涛の展開が。
大体、SFで中世とくれば、ペストですもんね。うん、わたし、分かってた。
(コニー・ウィリスの『ドゥームズデイ・ブック』もそうだったもん)
ペスト描写にもすっかり慣れきったわい。腋の下にでっかいできものが出来て、
中から黒い汁が出てくるんやろ…
いやまあ、最終的にはペスト落ちというのは分かってたけど、
白眉は、異星人と神父の間にじっくりじっくり育まれる友情だと思うのです。
ファーストコンタクトものにありがちな、異星人に対する、もしくは異星人からの
迫害とか、対立とか、そういうのはなんとほとんど出てこないので
それが心配な方は安心して読み進んでください。
領主さまは最後まで世俗主義的な男前だったし。
SFなのにSF設定と関係ない部分で感動させられるという、ね…

ところで、ここに想定されてる異星人、地球で言うならアリとかハチといった組織を構成する
昆虫が進化したという設定なのですね。
哺乳類である人類と似て非なる倫理観とかが面白かったです。
で、ここまで進化する生物には良心の部分で共通するものがあるはずだという
ポジティヴな作者の主張なのかしら、両者の交流には救いがある気がします。

それにしても、わたくし、自分がまさか、バッタの死にこんなに悲しむことになるとは
思いませなんだ。ハンス~~!!!
(この本は通勤時間が待ちきれなくて最後は家で読み終えたので、
誰はばかることなくティッシュで鼻かみました。ずびばー)
エピローグで語られる現代人のジュディという女性の慨嘆にはめちゃめちゃ共感しました。


王権 (岩波文庫)

A.M.ホカート / 岩波書店

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ホカート著『王権』
王権はすべからく太陽信仰から発展したんじゃー!
と、どうして著者が主張したくなったのかは知りませんが、まあ、そういう内容の本です。
著者が強硬に掲げる根幹がそもそもわたし、疑わしいなと思っちゃうので
(百歩譲って、天空神に代表される男神を主神として信仰しはじめたことと
王権とはつながりがなくはないなとは思う)
その部分に関してはなんともよう言いませんが、
引き合いに出される数々の諸例がけっこう面白いので、なかなか楽しんで読んでます。
途中、やはし古代において王位継承権は男性ではなく女性が持っていた、ということが書かれてて、
なんとその文脈で「オデュッセイア」におけるぺネロぺイアの立場が引き合いに出されてたので
おばちゃんちょっぴり驚いてしまいました。
継承権持ってるのはその地生まれの、土地付き娘だけだと思ってたけど、
よそから嫁いできた女性も結婚した時点でその家の継承権を獲得するのか!?
それともオデュッセウス伝説において実はぺネロぺイアの方がイタケと縁が深いのか。
どっちだ。(知らんがな)
けどまあ、求婚者たちがこぞってぺネロぺイアと結婚しようとした理由づけとしては
秀逸かしらん。


後日
大体最後のあたりまで読んで、だんだんめんどくさくなってきた…。
もういいことにしようかな。


ケルト神話ファンタジー 炎の戦士クーフリン/黄金の騎士フィン・マックール (ちくま文庫)

ローズマリー サトクリフ / 筑摩書房

スコア:


ローズマリ・サトクリフ著『ケルト神話ファンタジー炎の戦士クーフリン/黄金の騎士フィン・マックール』
えーと。
やっぱり再話よりもオリジナルの小説の方がより好きだなとしみじみ思った一冊。
いや、でも面白くないわけではなく、ケルトの伝承を知ることができ、
さらに小説風なので読みやすいという二度おいしい仕様ではあります。
で、1話目の主人公クーフリンさんですが、言っちゃっていいですか。

髪の黒いアキレウスです。

うん、君たち、よく似てるよ。クーフリンは別にマザコンじゃないけどね。
なので、アキレウスがお好きな方々にはきっとケルトのクーフリンも気に入っていただけるはず…!
名誉を至上とするところも潔さも、武力に関しての他との開きも、若さや美しさも、
アキレウスの長所を全てかねそろえているケルトの英雄ですよ。
あ、でも、パトロクロスはいませんが。
しかし、読んでて意外とケルトの伝承とギリシア神話とはかかわりが深いのかしらなどと感じました。
ギリシア叙事詩の余波が来てんのか、それとも同じ語族なので、伝承の根源が同じなのか。
これまた不勉強でどっちなのかは知りませんが。
アラビアンナイトのシンドバッドの冒険(の一部)なんかは、
明らかに『オデュッセイア』の影響だと思うんですけどね~。
いや、でも、そういうモチーフが似てる部分よりも、ケルト特有の魔法に満ちた筋がとても魅力的で、
特に、3勇者(クーフリン含む)のうち、誰がアイルランド一かを選べと言われた各地の王たちの、
選考過程がほんと、色鮮やかで読んでて面白かった。
で、選から外れた二人がクーフリンを恨むのかと思ったら、
最後に笑い合ってあっさり和解したのも、なんだか新鮮でした。

ただ、難を言えば、この一連の物語

ツッコミ不在

なのです。ものすごい悲劇とか、どシリアスな調子で起こったりしてるけど
「それ、自業自得ですからーー!!!」と誰も突っ込んでくれません。
助けて、誰か!!
脳内ツッコミし過ぎて読みながら割と息も絶え絶えになる話でもあります。
読むときは心構えして読むべし!



フィン・マックール
こっちはもうちょっと読みやすいです。たぶん、別にフィンがアキレウスに似てないからだと思う(笑)。
普通にいい男ですよ。
一連のフィン・マックールと彼の騎士団に関する伝承を、サトクリフさんが整理して、
まとめて書いてくれてる感じの作品。分かりやすいです。
オシアンとか、ディアミドとか、名前だけこれまで聞いたことあったけど
伝承はよく知らなかった人も出てきて、これまでの疑問が色々解けました。
そうか、吟遊詩人のオシアンはフィンの息子だったのか…。
(昔、学生時代に美学の授業で「オシアンの夢」という絵を見たなあ)
ところで、思ったのですが、
ケルトの名前では男性の名前もア行で終わったりするので、なんか、可愛いですね。
後、最初の奥さんサーバとフィンのエピソードがなんか好きです。

たくさんあるフィン・マックールとフィアンナ騎士団に関する伝承を、
ひとつひとつ積み重ねるように読んで、最後のあたりになるあたりには
すっかり騎士団に馴染んでるので、
フィンの最後とか、騎士団の終焉を読むのがさびしくなってしまいました。
オシアンのその後とか、そう言えば他のケルト神話の本読んだ時に読んだな。
これまた浦島オチで超切ねぇ…!!


映画
『レ・ミゼラブル』
休みの日に、せっかくだから映画でも行こうよと母を誘ったところ
上記のミュージカル以外は嫌だとぬかすので、つきあってやりました。
いや、面白かったですよ。
話のすじは、そういえば以前、ミュージカルじゃない『レミゼラブル』の映画を見たことが合って
大体知ってたけど、
今回のミュージカルの方がなんか面白かった…!
思ったより歌成分が多かったのも、個人的にはヒットでした。
下を向いて歩け!的な歌と、パリの虐げられた庶民が、こんちくしょうめわしら虐げられっぱなしジャー
みたいに歌う歌が、とても好き。
後、主演のヒュー・ジャックマンと警部役のラッセル・クロウが好きなので、画面見るのが楽しかった。
悲しい話、ものすごい泣く、みたいに聞いてましたがそうでもなく、
普通に名作に感動して見終わった映画でした。
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by mi-narai | 2013-03-20 19:57 | 2013年上半期の読書

晴れ

ドーラ・ジェーン・ハンブリン著『エトルリアの興亡』読了。
4章が宗教についての章だったので、メンルウァについて書いてあるかと期待したのですが、あんまり書いてなかった。
それは残念でしたが、エトルリアの占い師の仕事や、方位を司る神を示した宗教学校の教材なんかが載ってて面白かったです。
なんか、エトルリアの占い師って、平安時代の陰陽師みたいなもんだったんですね~。確か、陰陽師の仕事も、なにか変事があるたびに呼び出されてそれがどんな意味を持ってるかを判じ、他は星を観察して一年の禍福を測ったりしてたと、なんかで読んだ気がするんですが、まさにそんな感じ。
雷が鳴ったといっては、ソレがどの神からのどういう意図を持ったメッセージなのかを方位盤にしたがって読み解き、鳥の腹を掻っ捌いては肝臓の具合で未来を占い、何か行事をするのに吉日を選ぶ、てなお仕事をしてたみたいです。
ギリシアにも鳥占いとか腸占いとかあったような気がするんですが、エトルリアの方がもっと、判じ方についてのマニュアルがあったような印象です。

エトルリア人は信心深かったようですが、確かに、ローマ人の信仰心とはこう、なんか違う気がしますョ。

次の章で、エトルリアの没落が話され、その次の章で執筆当時の最新の発掘技術などが語られてシメでした。

これまで漠然と5世紀以降はエトルリアVSローマの構図かと思っていましたが、
それには違いないんですが、厳密に言うと
エトルリアの都市AVSローマ
エトルリアの都市BVSローマ
エトルリアの都市CVSローマ

って感じです。
ウェイイやウォルシニーの話も出てきましたよ。
都市毎に自治があって特色も随分違うあたりはギリシアとよく似ているのですが
ギリシアのように骨肉合い争う都市間の争いがなかった代わりに、外来の勢力に対して一致団結することもなかったのは痛かったよなあ…。
エトルリアの勢力が弱まるにつれて、ネクロポリスの壁画から生気がなくなっていくのがどうにも痛々しかったです。
ローマの時にも言いましたが、栄えていた文明が衰退するのは寂しい…


続いて、

ヴェルナー・ケラー著『エトルリア ローマ帝国に栄光を奪われた民族』
平田隆一著『エトルスキ国制の研究』を平行して読み始めました。
どちらもまだまだ序盤ですが、どちらも面白そうなので、じっくり読み進み
たいと思います!

…と思っていた矢先に、返却期限が来てしまったので泣く泣く返却。
(県立図書館は遅延するとペナルティがつくからな…)
ひとまず今ターンは他の本を借り、次のターンで改めて借り直そうと思ってます。



『JANE』1巻~8巻 
『NULLALIVE』1巻~2巻 看完了!

昔読んだときは、ほんのりホモっちいなと思いつつ読んでましたが
今回未読部分を楽しく読むために既読の1巻から再読して、
ワタクシの認識が甘かったことを痛感いたしました。
えーと、コレ、ハードSFです☆
宙航理論が難しすぎますョ…
副長が説明するワープ理論など、ワタクシさっぱり理解できません…。
こういう時はあの名言、某シーフォート艦長の

「わたしはN波がまったく理解できない」

という艦長にあるまじき漢気を見習って、先へ進みたいと思います!
いや、でも、一番最初に読んだ数年前よりは、SFにも宇宙軍にも理解が及んでる自覚があります!
ワタシ、ちょっとは分かるようになってる…!!

一番最初の『天の光はすべて星』は、とっつきやすいようにという配慮か、
そこそこコメディタッチに描いてあって、読みやすいです。
でも、平行して、もっと根源的な、深い話題が語られていて、
…ああ、初読時のわたしは何を読んでいたのか
と自らを反省しました。
最初は完璧すぎて鼻持ちならない人に見えていた艦長も副長も、読み進むにつれて印象が変わってきました。
艦長は、見た目は美人だけど、ものすごい気さくないい人ですよ!
副長は、…ええと、女性だったら確実にツンデレだったのでは…(どんな印象だ)


次の『ケイロンの足跡』は8巻まで続く長い話です。
こっちはもっと展開の速いサスペンスタッチの話。
縦軸は、軍の新技術のテストを行っていたスターシップJANEが次々と起こる事故やハプニングにいかに対応するか、で、
その話だけでもはらはらするんですが、
その上、新技術と倫理の問題、人間関係や軍内部の陰謀なども絡めて描いてあって非常に読み応えのあるものになっています。
(とはいえ、SF初心者だからなあ。一般的なSFってひょっとしてみんなこんな感じなのかしら…??)
コレも面白かった。早く寝なければと思うのに、特に後半止まらなくて寝不足になってしまいました。

さらに続編の『NULLALIVE』。
これ、まだ途中なんですが、掲載誌がどうかなったらしくって
続きが一行に出ません。
こんな、こんなところでーーー!!!!

復刊ドットコムにでも頼み込みに行こうと思います!!


ところで、こないだ某方から「SFにギリシア神話は良く似合う」という大変含蓄のあるお言葉をいただいたのですが、
『JANE』シリーズを読んで実感いたしました。
SF、というか、科学が進むって、神話が実現するってことだもんなあ…。
ちなみに、『JANE』におけるギリシア神話要素は、物語のキーパーソンにおけるギリシア名でしょうか。
最初の『天の光はすべて星』は、
一世一代のプロポーズで、間違ってあろうことか艦長に申し込んでしまったうっかりさんの名前がゼウス・フォーマン、
ゼウス氏がほんとに申し込みたかった相手の名前がレーダ・ヴェルラでした。
(初読時は気づかなかったけど、これって…)
2話目の『ケイロンの足跡』はタイトルがそのものずばり、だし、
さりげに雇われ技師の女性にミス・アキルスが出てくるし。

それはそうと、ゼウス、かわいいよ、ゼウス!
大本のあいつとは全然違いますよ!
見た目も性格もどっちかというとヘパイストスですよ!
是非本屋(…かHP)で確認してニマニマしてください。
(公式サイトはこちら→http://www.sticca.net/comic_jane02.html
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by mi-narai | 2008-01-16 13:36 | 2008年1月の読書