タグ:言語学 ( 28 ) タグの人気記事

『植物学「超」入門』『世界の名前』『カラスの教科書』

今年も最寄りの博物館で古代ギリシャ展があると聞いて、うはうはしております。
K市の博物館、パイプがあるのはエジプト関連だけかと思ってたら
意外とその他の古代文明も網羅してるのね。
有難いことですよ。



逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)

渡辺 京二 / 平凡社

スコア:


『逝きし日の面影』

正直に言います。アマゾンレビューが良かったから買いました。

著者の著作目的を簡単に言うと、
今の日本は江戸時代からつながっているように見えるが
文明としての江戸とは断絶してしまっているのだ、
その滅びた江戸文明を、当時の外国人の残した記述からたどってみよう、というもの。
自文化というのは、中にいる成員にはどこが特異でどこが普遍か分かりにくいようで、
こういう時外からの視点は文化人類学的アプローチとして有効なのだそうですよ。
著作の中で、若干他の日本人学者の記述に反発するような言及が多いのですが、
…一昔前は、日本なんてダメだ、という見方が大勢を占めてたもんな、
それでなくても、あんまり自国文化を「俺スゲェ」すると下品な感じがするし。
たぶん、この方がこの本を書かれた当時は日本を見直すような言動は受け入れられなかったのだろうな。
(今は日本アゲ情報に溢れてますが)
そんな風潮の中、あえて「もっとフラットに自国文化を見て見ようよ!」
と頑張ってみたのがこの本です。
著者も再三しつこいくらい「いや、自国文化を自慢したり、やっすい愛国心に
まみれたいわけじゃないねん」と書いてて、そこは誤解してほしくないようです。
確かに褒める記述は幾分多目ですが、
大抵その頃の外国人て鼻持ちならん西洋史上主義に毒されてるから
貶す記述は今見たら鼻で笑っちゃいそうな理由だろうし、
そちらを必要以上に取り上げる必要もない気がしますもの。良いのではないでしょうか。

構成は、テーマ毎に外国人の著述が集められ、それを元に当時の文化を考察するという
形になっています。割合真面目な内容です。
面白かったよ。
繰り返しが冗長でしたが、へー、昔はそんなんだったんだな、という驚きと
昔からこんな感じだったのか、という安心感のどちらをも感じました。
特に江戸から明治に掛けての記述に「日本人は子供にメロメロだった」、という
のがあって、心があたたまりました。


植物学「超」入門 キーワードから学ぶ不思議なパワーと魅力 (サイエンス・アイ新書)

田中 修 / SBクリエイティブ

スコア:


田中修著『植物学「超」入門』
またも職場の超絶かわゆらしい上司にただでもらったので!
いつもありがとうございます!
今回は、植物についての基礎知識、そこそこ踏み込んだ内容を、
大変にわかりやすく簡単な言葉で丁寧に説明してある本でした。
ひとつのトピックに付き大体2ページほどなので、途中でなんのはなしか分からなくなる心配も皆無。
読者に優しく、植物学知識も増え、少し難しい内容やこぼれ話ににやりとし、
ひいては人々の植物に対するさらなる興味をかき立てることにも成功したいい感じの本だと思います。
流石に田中先生のご本はこれまで何冊も読んだので、これ、知ってるで、という
箇所もあるのですが、そうして少しずつパターンを変えながら繰り返して読ませ
植物の情報を人々の長期記憶に刷り込もうという、遠大なる計画な訳ですね、
分かります。理系の学生増えろ!
先生は教育者の鑑でございますよ。
知ってる知識ばかりだと思ってたらちらちら知らないネタもあったりして、
これは、好きな方の本だった!


世界の名前 (岩波新書)

岩波書店

スコア:


『世界の名前』
岩波書店辞典編集部が編纂してます。
その言語の専門家が専門言語の人名に特化して2ページほどにまとめて書いた物を
集めた新書。これが面白くないはずがない!!
世界中の地域が網羅してあって、アジアも東、東北、東南、南、西、
ヨーロッパもスラブから北ゲルマンにロマンス諸語、
南北アメリカ、洋上の島々、オーストラリア、
いろんな場所の、思いがけない名前の付け方とか知れて、
すんごい楽しかった!!
もともと名前の付け方とかにものすごく興味があるので!
例によって、ちらちら思ったことを箇条書きに。

・文字を持たない民族ほど名前が赤ん坊が生まれたときの状況説明っぽくなるのは面白い。

・カメハメハって、亀はめ波では勿論無く、カ+メハ(×2)だったよ!衝撃!!
しかも、長い王名の真ん中変の一部だった!(これは良くあること)
カが名詞に付く定冠詞っぽいなにかで、メハが一単語で、繰り返して「寂しい」って意味なんだって!

・現在の名前の混交具合から、過去の歴史をひもとけるのは面白いなあ。
系統の違う名前が一定の割合で混じってたりするの。

・宗教力も半端ねぇ。特に一神教。聖書の名前が世界には溢れすぎ!

・スラブの辺りの、名字の語尾で国が分かるってやつ、面白い。
~ヴィリだとグルジアとか。スケート選手でゲデバニシヴィリっていたなあ。

・父称を使うのは、スラブとアラブとアイスランドくらい?

・時々文学上の名付けの話も載ってて、これまた興味深く読みました。

・最後の辺り、母校の先生の寄稿があって吃驚した。おおっと。

・日本でも昔は7歳くらいまでは神の子、みたいに考えてたっぽいけど、世界各地で
この風習はあったのね。乳幼児の死亡率の高さの問題でしょうか。

・スーザンって名前がエジプト起源て、マジか!

とりあえず、いろんな先生のネタ話をつまみ食い出来るおもしろさがあって。
お勧めです。


外国語を学ぶための 言語学の考え方 (中公新書)

黒田 龍之助 / 中央公論新社

スコア:


黒田龍之介著『外国語を学ぶための 言語学の考え方』
「世界の名前」が2ページにぎゅっとエッセンスを詰め込んだ本だったので、
それに比べたら内容が薄いと感じてしまいましたが、
著者に失礼ですよね。わかりやすく、読みやすく、とっつきやすい語学本です。
これまではもっと具体的な言語について書かれてた印象なのですが、
今回は一瞬それとは分からないものの最後まで読み終わると、言語学の大枠や
重要な用語についてざっと分かるようになってるんだなあ、と思いました。
読まされてる感はないのに読み終わるとちゃんと言語学の用語やその用法が
ざっくり頭に入ってるのはすごい。


カラスの教科書 (講談社文庫)

松原 始 / 講談社

スコア:


『カラスの教科書』
動物行動学カラス専門の著者による、
まるまる一冊カラスについて書かれた本。
あー。楽しかった!!
狼好きであると共に、カラス好きでもある私、
大変に楽しんで読んだことを告白します。
全てのページをドキドキしながら目で追いましたよ。
ワタリガラスの神話を知って以来カラスファンなので!
朝道で見かけたら、今日一日良いことありそうだな~と思うくらい好きです。
で、この本、カラスの種類から一生、習性、縄張り、対処法など
項目別に書いてあるのですが、例によって思ったことを箇条書きに。

・ハシブトガラスとハシボソガラスが日本に多い種類なのは知ってましたが、
ようやくきちんとした違いが分かりました。
鳴き声がクリアなのはハシブトらしいから、家の近所、職場の近所にいるのはハシブトだな。

・都市にこれだけカラスがいるのは日本くらいで、海外ではもっと小さいカラスがいる程度らしいよ。
特にハシブトはもともと熱帯の森に住んでたらしく、東南アジアの人にとっては
今でも森にいる鳥なんだとか。

・生ゴミを漁るカラスですが、中南米ではその役割をコンドルが負ってると聞いてふるえました。
パネェ…

・カラスの名前の根拠が「カー(鳴き声)」+「ス(鳥につける語尾)」というのも書いてあったよ。

・ワタリガラスって、全体が大きいのもあるけど、羽も細長くって、他のカラスと違って
滑空するように飛ぶんですってね。カッケェ…!!!!!

・カラスと猛禽の関係の項では、猛禽の能力値の高さに震撼しました。

・カラスの子供愛に頭が下がります。攻撃してくるのは大体子供を守るときだけで
それも足で蹴るくらいらしい。

・昔、友達から「小さい頃カラスに口にくちばし突っ込まれてから怖い」という話を聞きましたが、
今思えば、子ガラスに餌やる感覚だったんじゃないかなあ。
赤い色とか見ると、鳥的には餌をやりたくて溜まらん気持ちになるらしいので。

・鳥には紫外線が見えてるらしい。鳥の目には世界はどんな風に見えているのかなあ。

・反対に嗅覚はほとんど効かないらしいですよ。

他にも、ページをめくる度にいちいち「へー」と思いにやにやしたものですが、
にやにや回数が多すぎて全てを書き切れません。
自分の子供間違えた話とか、著者がカラスの親にめっかって肝冷やした話とか
面白かったです。カラス万歳!


もう年はとれない (創元推理文庫)

ダニエル・フリードマン / 東京創元社

スコア:


『もう年はとれない』
異色の後期高齢者ハードボイルド
主人公はなんと87歳です。
でもハードボイルド。
人物設定としては、ユダヤ系のアメリカ人で、第二次世界大戦にも従軍し、
その際捕虜収容所ではドイツ人看守のせいで酷い目に遭い、
その後は殺人課で刑事一筋うん十年勤め上げた叩き上げのマッチョなんですが、
寄る年波には勝てず、今ではただのよいよいのおじいちゃんです。
たいてい、年寄りが主役の場合、二流の物語だと、年寄りのくせに強いとか、
スーパーじいちゃんになってて、加齢によるデメリットをファンタジーで打ち消すのですが、
この物語では、じじいはじじいです。
銃に撃たれることと、転倒して骨折って死ぬことが同列だからね!
めちゃめちゃ無力だからね!!
武器は刑事次代のノウハウと修羅場をくぐり抜けて培われた胆力のみ。
そんなじいちゃんが、知り合いの臨終の際、
捕虜収容所で自分をいたぶってくれた憎いドイツ人が実は生きてて
しかも金塊を隠し持ってるという隠し情報を聞いちゃったところから物語はスタート。
今時の若者である孫と二人、ドイツ人の追跡に乗り出します。

あんまりハードボイルドは得意じゃないけど、意外に面白かった。
次々と起こる殺人とそれに関する推理がテンポよく進み、飽きずに最後まで読みました。
アメリカにおけるユダヤ教徒の視点も興味深かった。
[PR]
by mi-narai | 2016-05-14 17:09 | 2016年上半期の読書

ミステリー、『外国語をはじめる前に』 『開国の使者 ペリー遠征記』 『日本の統治構造』

本を隠すなら本の中に (創元推理文庫)

ローナ・バレット / 東京創元社

スコア:


ローナ・バレット著『本を隠すなら本の中へ』
本屋コージーミステリー第3弾。
今度は部屋に泊りに来てた旧友を「ちょっと、いつまでいる気よ、いい加減帰ってくれない?」
って追い出したその日にその旧友が死体で発見されて、またもや犯罪に巻き込まれるという筋。
前回仲が深まってた事件記者と今回はぎくしゃくし、相手が原因で一度は別れます。
それと同時進行で、今回天敵保安官の代わりに事件の捜査についたイケメン副保安官と
お互いに意識し始めました。
この辺りは少女マンガのノリに近い。
(いかにもコージーミステリーですよ。大体イケメンとくっつく主人公)
後、フリーガンについての叙述が興味深かった。
動物保護の時も思ったけど、アメリカ人、極端だよな…。



田中啓文著『ウィンディガール』
日本人の娯楽本はあっという間に読み終えますね。この本もしかり。
主人公は高1で吹奏楽部でサックスを吹いてる女の子。
でも、吹奏楽部の描写があまりにも中学生っぽいよな~と思ってたら、
案の定あとがきで著者の中学生の娘の部活動の話を参考にした、と書いてありました。
せやんなあ。高校生にもなったらもっと大人やんなあ。
おまけに、あまりにもジャズ>>吹奏楽的に書いてあるので若干腹が立ちます。
大編成の欠点ばかり書いてあるけど、大人数ゆえの喜びや感動だってあるんだぞー!
まあ、作者はこれまで数多く書かれた青春小説としての吹奏楽ものではなく
音楽を通して主人公が成長する話を書きたかったようなのでいいんだけどさ。
でも2巻は買わない。


呪いの時代 (新潮文庫)

内田 樹 / 新潮社

スコア:


内田樹著『呪いの時代』読了。
古本屋で100円の本がさらに半額になるというので50円で買いたたいた本。
これもさっくさく読み終えました。
なんか、毎回そうやねんよな~て思う個所と、いや、それはどうかと思うぞ内田さん、と思う個所
半々くらいなのですが、今回は若干それはどうやねんと思うことの方が多かったかな。
草食男子については厳しいと思ったけど、近年の若年層全体に対する目線は優しいな、この人。


ポアロとグリーンショアの阿房宮 名探偵ポアロ

アガサ クリスティー / 早川書房

スコア:


アガサ・クリスティー著『グリーンショアの阿房宮』
これまで未出版だった中編の初翻訳という触れ込みだったので買ってみました。
もともと、教会のチャリティーの為にポアロものの舞台設定とトリックを考えてたところ、
話の長さが中途半端すぎてお蔵入りになった一作。
でもこのタイトルで書くって雑誌に予告入れちゃってたもんだから
タイトルだけ同じのミス・マープル物のまったく違う筋の短編を書きなおしたらしい。
ちなみにトリックと話の筋は、ポアロ物の『死者のあやまち』という長編に描きなおされたらしいです。
こっちは舞台は違えど話の筋はくりそつだそうで。

そんな紆余曲折を経た今作。
最後まで犯人はわからんかったけど、
トリックがトリッキー過ぎる気がしました。それに手がかりが薄すぎる気がする。
なんか、途中で4回くらい寝落ちしてしまいましたよ。
後、ポアロが敬語じゃなくてそこが不満!


外国語をはじめる前に (ちくまプリマー新書)

黒田 龍之助 / 筑摩書房

スコア:


黒田龍之介『外国語をはじめる前に』読了。
また買ってしまいました…この方の語学エッセイ。
そしてまたおおむね楽しく読み終えてしまった……。
タイトルの通り、外国語を始める前にしておいた方がいい心構えの本。
著者は外国語習得には忍耐も努力も時間も必要だとご自身の経験から実感していらっしゃるので、
昨今の“すぐ身につく英語”、みたいなキャッチフレーズに違和感を覚えているわけですよ。
なので、生半可な気持ちで初めても続かんよ、という警告も込めて書いてるはずなのに
読み終えるとやっぱり語学がしたくて仕方なくなっちゃう罠。
知らない言語を学ぶのって楽しいよね~
(楽しいのはかじりかけの頃だけなんだけどね。じわじわ難しく、辛くなってきます)
各章、「基本」「発音」「単語」「文法」「意味」「系統」「歴史」「方言」など、語学をやってると
まあ、毎日のように目にする項目に分けられてて、
大変読みやすく、外国語学習の実際の風景が想像しやすいつくりになっています。
各章末に、著者が講師として働いてた頃に講義で出した質問と、
それに対する学生の回答が書いてあるんですが、これが面白いんですよ!
外国語学習中の悩みとか、自分の学んでる言語の難しい所とか、
感じたことが生き生きと書いてあって、時々声に出して笑ってしまいました。
ただ、「方言」の項目では著者の物言いにはところどころカチンと来ましたが。
(ちっ、共通語話者め)
それ以外は面白かった。


その女アレックス (文春文庫)

ピエール・ルメートル / 文藝春秋

スコア:


ピエール・ルメートル著『その女、アレックス』
話題の本です。買っちゃった。
読んだ感想としては

なんか、いろいろ、すごかった…

最初から謎とサスペンスの連続でぐいぐい引き込まれ、また叙述も詳細だけどくど過ぎない
ちょうど良い塩梅で(当社比)、最後までだれずに読み切れました。
最初は、アレックスという女性が誘拐されて大変な目に合ってるところからスタートで、
その誘拐の目撃情報をもとに、カミーユという警部を中心としたチームが捜査を開始するんですが、
これが誘拐事件のまま全然終わらん。
ちゅうか予想外のところに着地するんですよ。
あんまり言っちゃうとこれから読む人の邪魔だから事件についてはこれ以上はやめときます。

ところでこの探偵役のカミーユさん、推理小説史上最も背の低いキャラクターなんじゃないかと。
145センチくらいしかないの。なのに、性格は、2時間推理サスペンスで出てくるような
たたき上げのベテラン刑事なのよ。ギャップが面白い。
この小さい警部さんと、彼の部下
①ハンサムでセレブで洗練されてて優しいルイ
②めちゃめちゃケチで癖のあるアルマン
の掛け合いがまたいい感じです。
なにより白眉がタイトルロールのアレックス。
読むうちにこれほど印象の変わった女性も初めてです。
最後の最後、カミーユのセリフにはにやっとしました!
面白かった。

でも、手放しに称賛ばかりしづらい、矛盾点なんかもあります。
定期的に繰り返される残虐描写もダメな人にはだめだろうなあ…。
(わたしも「ひー」と思いながら読みましたもの)
最近の推理小説の流行りなんですかねぇ。ショッキングな場面を挿入してそれのショックで読者をひっぱるの。
オチもありきたりだし。(すまん、「またソレか!」とは正直思った。あと「なんでやねん!」)
でもまあ、フランス人作家だから、こんなもんかな、とも思いました。
けっこうえぐい&感情的に振れ幅の大きい&こってこて、の作品が多いよな、という印象があるので。
理性に感情が克つ感じが、イギリスとかドイツとかのアングロ・サクソン系の小説にはない印象で
面白いなと思うんですけど、理性的かつトリック重視のミステリーが好きな人がいきなり読むと
拒絶反応起こすかもしれないなあ…


大阪商人 (講談社学術文庫)

宮本 又次 / 講談社

スコア:


宮本 又次著『大阪商人』
もともと経済畑の著者らしいんですが、経済は人間が動かしているものであるから
人間に焦点を据えて経済史を書きたくなったそうで。
なので、著名な商人個人を描きつつ当時の経済活動を説明する流れになっております。
大阪の地理には疎いので、地名が出てもさっぱりわからないのですが、
商人好きゆえ、商人の話は楽しいな~!
まずは江戸時代の貿易商人について説明してあります。
江戸に幕府が移ってしばらくした頃、なんか2年ほど生糸が売れなくて困ってた外国人に頼まれて
幕府が大商人数人に打診して買い取らせたんだけど、
なんとそれが外国貿易の独占契約の始まりだったらしい。
最初は長崎、堺、京都の商人が外国商品を専売してたんだけど、そのうち大阪と江戸が加わり
この5か所の選ばれた商人たちにのみ外国品の取り扱いが許されてたんだって。
で、鎖国中なんで外国との貿易って長崎が中心に行われたのかと思ってたら、
輸出品も輸入品も一度大阪に集積されてたそうですよ。(堺港が土砂で寄港が困難になってからは特に)

大阪が中心だったのか…!!(天下の台所ー!)

なんかそれがすごいびっくりした。
後、外国人と直接取引する大店に(現地駐在員に地元の取締役とか役がちゃんとついてる)、
仲買商、小売商と綺麗に役割分担が出来てて見事なもんだなあとも思いました。

まだ途中なんですが、ちょっと休憩して他の本を読み始める。


開国の使者 ペリー遠征記 (角川文庫)

佐藤 賢一 / KADOKAWA/角川書店

スコア:


佐藤賢一著『開国の使者 ペリー遠征記』読了。
作者買いしてみた一冊。上記の『大阪商人』からの江戸繋がりで、同時に読み始めてみました。
徹頭徹尾ペリーさんの目から見た、日本遠征記。
ペリーさんは、海軍の軍人さんなので、海軍好きのわたしはウハウハです。
超楽しい!いや、流石に海戦シーンはありませんが。
何度もペリーさんのフルネームが出てくるから、彼の名前は
マシュー・カルブレイス・ペリー
って覚えちゃいましたよ。夭折したお兄さんはオリバー・ハザード・ペリー。
途中で、アメリカが中国の利権を手に入れようと思ったら日本の位置が重要になって来る、
(それまではイギリスやオランダと同じく、まずは大西洋を渡って、アフリカ西岸を南下、
喜望峰を回ってインド洋へ、マレー半島をぐるっと北上してマカオ、香港、上海へ、と
こういう航路を取ってたらしいんだけど、日本に寄港地が出来たら
インド洋航路じゃなくて、太平洋を渡って直接中国に行ける)
という著述があったのですが、
それにものすごい納得しました!
そりゃそうやで。なんでアメリカから中国に行くのにわざわざぐるっとアフリカ方面から回らなあかんねん。
後、日本人作者なのに(だからか?)、ものすごいアメリカ人目線なのが面白い。
毎回アメリカ人である主人公がヨーロッパ人(特にイギリス)に馬鹿にされて
イライラする感じがよくわかります。
日本人に対しては、割と好意的なのですが、日本人に好意的な外国人を日本人が書くという
遠まわしな自画自賛になっとります、わはは!
最後、ペリーさんが任務完了後、自分で日本遠征記を執筆しよう!と心決めたところで話は終わるのですが、
調べてみたらホントにこの人、遠征記著してるのね。
ちょっと読んでみたくなりました!


日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ (中公新書)

飯尾 潤 / 中央公論新社

スコア:


『日本の統治構造』読了。
定期的に、商人本及び政治関連の話は買いたい気分になって買うものの
なかなか読む気にならず積んで置かれているのですが、
今回某●HKの白熱教室で今話題のぴけてぃさんの回見たし、
(こっちはこっちでものすごい面白かった!やっぱり講義方式で話してるの聞くのは分かりやすいしね!)

「今ならイケんじゃね?」

などという根拠のない自信に押されてひも解いてみました。
読み終えた。

面白かった…!!!!

いや、わたし、理数もそうだけど、政治・経済・法律に関する知識もザルなんですよ。
ほっとんど知らないの。
そんな一般人以下の知識しか持たぬ私が読んでもちゃんと理解でき、
なおかつ「なるほどー!」と膝を打つ感じの分かり易さ!
大変に親切な作りでございます。
内容は、もう本当にタイトル通り、いったい現在(この本の出版が2007年なのでその当時の現在ですが)
日本がどのような形態で統治されてて、どんなシステムで国家が運営されているかを
説明・検証し、問題点を洗い出したもの。
色々目から鱗でした!
アホ故に上手に説明出来ないので目から鱗ポイントを箇条書きで行きますよ!

・大統領制の方が分権的だった!
 いや、わたし、首相(総理大臣)より大統領の方が権限が大きいと思ってたけど
 本来は、大統領は立法府と行政府両方の長を兼ねる首相のように
 権力が集中しないよう分権を重ねた役職らしい!
 アメリカはイギリスから独立した経緯があるし、やはり権力が一人に集中する事に抵抗があったのだな。
 日本はなぜかあまり首相が権限を持ってるように見えないんだけど、
 イギリスはその力の集中がうまく働いてる例で、立法府と行政府が半一体化していることが
 スムーズな国家運営に生かされているらしい。
 フランスは議会が割れすぎて国家運営がままならんところを
 半大統領制にしたことでまとまりができてうまく行った例らしい。
 この辺りは国によってカラーが大分違う…

・官僚内閣制。
 日本の首相があんまり権力なさげに見えるのは、議院内閣制じゃなくて官僚内閣制になっとるせいじゃないか。
 というのが著者の指摘。最近は徐々に変わりつつあるらしいけど、著者の指摘がいちいちもっともで
 なるほどなあ、と思いました。
 もちろん官僚の権限が大きい(日本の場合は立法計画の立案までやっちゃうとかそういうあたり)ことには
 利点もあるらしいけども。

・族議員がなにかようやく分かったー!
 うむ。癒着はいかんよ。

・あと、小選挙区制と大選挙区制、比例代表制の違い、効果の違いもようやく分かったー!
 小選挙区制だと小さな政党に入れた票が生きなくていまいち有権者の意向が反映されにくい面はあるけど
 与党の次に強い党の勢力を伸ばす効果はあるわけなのだな。2大政党制を目指す向きには最適。
 比例代表制は逆に有権者の意見はきっちり吸い上げられるけど、第一党が議会で過半数を占めるのは
 まあ無理なので、連立内閣になりがち。

・各国の制度も載ってて、これも面白かったです。やっぱ国が違えば大分違ってくるんですね。
 規模が小さいとはいえ、「金の無駄やし」と1院制+比例代表制を選択したスウェーデン(ノルウェーだっけ)は
 ある意味清々しいな…!

・官僚の出世コースについての説明もあったけど、過酷だなあ。
 国家公務員も大変ですね…。

・一党優位の功罪について。
 確かに、ずーっと同じ党が優位に立つと、有権者の希望が通りにくいよな、と思いました。
 もう高度成長期も終わったし、国の予算も限りがあるから、無制限に政策立てられんし、
 要るもの要らないもの取捨選択して、その選択は国民の大意を勿論見つつ、
 なるべく大多数が(金持ちや国会議員だけじゃなくな)納得できる政策を
 きちんと実行するとこまでやらんといかんのに、一党優位で縦割り行政だとなかなか
 迅速に行かなくって、それってどうなのよ、という指摘も分かる。

・選挙公約ちゅうか、マニフェストちゅうか、やっとそれの存在意義も分かりましたよ!
 どうせそんなん立てても、選挙の前に口で言うだけやろ何のために毎回出来もせん約束してんねんと
 これまで話半分に聞いてましたが、
 本来は、有権者は議員個人じゃなくて、政党のそういった選挙公約を見て、
 それを元に選挙先を選んで、もしその党が政権を取ったらちゃんと公約が果たされるか見て、
 果たされなかったら次に選挙で落とすものなのだな。と分かりました。
 そんなシンプルなことだったんだなあ…。
 なんで口先公約がまかり通ってるんだろう。次回有権者が落とさないからかな。
 やっぱりちゃんと選挙に行かないとだめですよね。
 いや、投票に行くの、個人的には面白いと思うんですけどね~。
 
・しかし、この本読んでつくづく思ったんですが、こう言った国の仕組みとか、選挙の意義とか、
 義務教育でもっとしっかりやっとくべきなんじゃないだろうか…
 実はみんなちゃんと知ってんのか?
 わたしが無知過ぎただけっスか?
 いやしかし、学校の政経の授業の時に通りいっぺん説明されただけじゃ
 いまいち実感湧きにくいというか、もうちょっと踏み込んで教えておいて欲しかったという願望も含め…
 
で、読み終わって、今投票率低いけど、残りが全員投票したらすごい力になるんじゃないかな、
たとえば、女性候補に入れて、女性議員が3分の1ほどに増えたら、
国会でアホなヤジ飛ばすおじさまとか、もっと居づらくなるんちゃうかな、
とか、おバカな妄想を繰り広げました。
いや~、ほんとにすごい面白かった!この本おススメです!


浪花の太公望 (集英社文庫)

田中 啓文 / 集英社

スコア:


『浪花の太公望 鍋奉行犯科帳』
大阪西町奉行所シリーズ第3段。
なんか、がっちがちの東町との対比で西町奉行所がゆるーい感じで好きです。
毎回食にからめて事件が起こるので、お腹が空きます…。
今回はやたら鱧料理が食べたくなりました。
主人公をめぐる二人の娘さんも微笑ましくて良かったです。
[PR]
by mi-narai | 2015-03-22 23:37 | 2015年上半期の読書

『寝ながら学べる構造主義』 『トロイアの歌』

トロイアついでにもういっちょ。
こないだ『無双ORICHI』に無双繋がりで『TROY無双』アキレウスがゲスト出演している、
という情報をいただいたわたくし、
とりあえず、どの無双オロチなのかを探すことにしました。
(光○さんはいい加減同じソフトをちょっとずつ付け足して新たに出す戦略を
改めていただきたい…)
でまあ、『無双OROCHI2』であるというのは割とすぐに付きとめられたのですが、
次に、他のキャラは出てないのかなってのが気になって。
結果、『TROY』からはアキレウスだけだったんだけど、
アキレウスと仲のいいキャラクターの欄に
だっき、ネメア、毛利元就、呂布ってあってさ。
すっかりギリシャ脳になっていたわたくし、このネメアってのも
ギリシャ神話のヘラクレス関連の人かな、くらいに考えてた。
で、今度はネメアが誰かちゃんと突きとめようと思って、
何のゲームからのゲスト出演か確認したらZill O'llて…

ネメア様ーーーー!!!???

あのネメア様だった!!(だいこうふん)
や、ジルオールやったことない人には分かんなくって申し訳ないんだけど、
だって、だってあのネメア様ですよ!?(しつこい)
仕えてる王様に12個も無理難題押しつけられたりとか、来歴はヘラクレスを下敷きにしてるけど、
モデルとは似ても似つかない、ストイックでいぶし銀の男前ですよ!
(苦労しすぎて、実は20代なのに40歳くらいにしか見えないんだけどな。ロッベンさん現象…)
ハァハァ…ネメア様とアキレウスの共闘…だと…(ごくり)
そんなん買うしかないやんけ…(○栄さんへのお布施決定)

どうせだったらパリス(弓攻撃が秀逸)とツェラシェル(単なるわたしの趣味)も
参戦させてくれたらよかったのにさ。
ゼネテスはいらん。



某●HKの100分DE名著、今のファーブル回が意外と面白くて見てるんですが、
こないだファーブルさん、女子生徒におしべとめしべと授粉の仕組みを説明して、

教職を失ってた…!!!

ええええええ!???

(や、まあ、そういう時代だったんでしょうが)
ていうか、いちいちおしべとめしべにまで色々妄想しちゃう当時のおフランス人の
ムッツリエロ度がすげぇなと思ったのでした。




やさしい死神 (創元推理文庫)

大倉 崇裕 / 東京創元社

スコア:


大倉崇裕著『やさしい死神』読了。
これも読み終わるまでに数回寝落ちしましたが、
慣れて来たのか、寝落ち回数は若干少なめでした。
再び落語にまつわる推理短編集。
人情話のいくつかにはほろりとした。
後、主人公の緑さんの労働条件がきつそうで、
人ごとながら心配。


つれづれ、北野坂探偵舎 心理描写が足りてない (角川文庫)

河野 裕 / 角川書店

スコア:


河野裕著『つれづれ、北野坂探偵舎 1』読了。
お借りしたので読みました。
ラノベっぽく、若干感傷的な、推理イロもの。
でもそこまで嫌らしくもなくそこそこ読みやすく、
なんというか、角川っぽいよなあ。この手の小説。みたいな。
舞台が北野である必然性が全くないように思うのですがどうなのでしょう。
北野っぽい感じもないし、神戸弁でもないしな。
幽霊が見えること前提で話が進んだり、
かっこつけようつけようとしてる言い回しが鼻につきますが
漫画原作的な軽い読み物だと思って読めば我慢もできます。
いっそ、表紙絵の秀先生が漫画化してくれればいいのに。


寝ながら学べる構造主義 (文春新書)

内田 樹 / 文藝春秋

スコア:


内田樹著『寝ながら学べる構造主義』読了。
妹が読んでたからその後借りました。
毎度のことながらこの人の本はさらっさら読めるな!!
二日で読み終わってしまいました。
でも、普通に面白かったですよ。
いつもの、専門外の著者が専門外の読者向けに書いた
分かりやすい入門書、みたいな。
説明は、構造主義の萌芽から、ソシュール、
四人の大家(フーコー、バルト、レヴィ=ストロース先生、ラカン)と進み、
どのように言説が展開していったか、それぞれの持論、などが
大変内田流に噛み砕いて説明してあります。
清ちゃん(鷲田清一先生)の著書を読んだ時も
自分が盤石の価値観だと思ってた真面目な事は良いことだという常識は
実はそれほど確固としたものではないかもしれん、とい気付かされ、
軽いスリルとときめきを感じましたが、構造主義の言いたいことも大体そんな感じで、
特にレヴィ=ストロース先生のおっしゃりたいことには大変感銘を受けました、
非西欧人にだって言い分はあるんよ!と。
そうなんですよ、価値観なんてどれが優れてるとか優劣の問題じゃないよね!
(…と相対化しようとする時点ですでに構造主義に冒されてるわけですが)
さらに遡って、ソシュールの、そもそもの発想の逆転、
ものがあるからそれに名前を付けるんじゃなく、名前を付けて初めて
その物がどこまでの範囲をカバーするかを規定するという考え方も、
深く納得しました。
同じものを指す言葉でも言語によって範囲が違う=翻訳の難しさ
というのは前々から言われていたことですが
(作中では、日本語で言うところの『羊』が引き合いに出されてました。
フランス語では「ムートン」で生きてる羊も食用羊も同じ語で指すけど
英語では食用は「マトン」、生きてるやつは「シープ」と分けられてる、
同じ語だと思って油断してたら意外と意味範囲がずれていて、
実は話者は全く違うものを想定しているかもしれないよ、という話)
それより抽象物の名づけがな。名付けた途端、本当は付随しているのに
看過されてしまう部分ってあるじゃない。
今の自分の気分を問われて「楽しい」といい切っちゃった時点で
そうでない部分を切り捨てているというか。
本当はちょっとだるい部分もあって、覚めた部分もあって、全く別のことに気を取られてる部分も
悲しく思ってる部分もあったりするのに。
自分をどんな人間か言い表すのも、同じく難しいと思う、のでわたしはそもそも言い表さない主義ですよ。
いや、対外的にこうですよ、とはいうけど(そう思っといて欲しいので。
あんまり期待されても困るので大抵赤裸々にダメな部分を告白します)、
自分の中で規定はしないよ。
名前を付けるって難しい。無理やり便宜上付けられた名前(名詞)と、
どうしたって勢い正確には表現できない未完成な言語というツールで
人間はコミュニケーションしてるわけですけども
(まあ、言葉がないと不便でしゃーないしな。)
どうあがいても真に正しくは物事を言い表すことはできないんだけれど、
だからこそ、より一層面白いのではないかなどと
まったく構造主義とは関係のない感想を持ったりしたのでした。
意味範囲の切り取り方で民族の特徴とか出てて、それがまた!
このへんもっと掘り下げて知りたいわあ。

とりあえず、構造主義の専門書はおろか、この本さえ読む暇のないお忙しい方は、
巻末あとがきの、内田先生の
「レヴィ=ストロースは要するに「みんな仲良くしようね」と言っており、
バルトは「ことばづかいで人は決まる」と言っており、ラカンは「大人になれよ」と
言っており、フーコーは「私はバカが嫌いだ」と言っているのでした。」(P200 )

という超絶簡略化されたまとめだけ心に刻んでおけばいいと思います。
フーコーさんが素敵すぎる…!!


トロイアの歌―ギリシア神話物語

コリーン マクロウ / 日本放送出版協会

スコア:


コリーン・マクロウ著『トロイアの歌』
読了。
随分前に古本屋で見つけて、積んでおかれた一冊。
今回折角某G様とトロイアトークが出来るチャンスとあって、
急遽読破することにしました。
ハードカバーな上、一ページが上下2段に組んであって、
文章量はすごかったですが、最後まで飽きずにぐいぐい読めちゃいました。
個人的には、すごい楽しんだんだけども、
これを何も知らないまっさらな状態のトロイア初心者に
入門編として差し出せるかというと、ちょっと難しい。
作者は理系の人らしく、事実の核に創作で肉付けした叙事詩という形式を
更に歴史的背景の中に置き換えようとし過ぎて、若干やりすぎてるというか。
現代人の視点が入りすぎちゃってるというか。
良く出来た二次創作・現パロみたいな感じになっちゃってて、
やはり、「これを読む前に原作の方を一読した方がもっと面白く読めますよ」、と
ホメロスをまず薦めたくなっちゃうというか。
というわけで、わたしの中の位置づけとしては「トロイア戦争風ファンタジー」です。
でも、物語としては、面白かったんです。
ツッコミどころは多々あれど、
戦争に至る経緯に両陣営の思惑、その後の展開などが割と無理なく組み立てられてて
読んでる間コリーンワールドに浸りました。


…ていうか、ぶっちゃけちゃっていいでしょうか。

腐女子的に大変美味しゅうございました!!!

これは、是非ともヘスティア様に捧げるべき…!!!


以下、登場人物に対する雑感

・アキレウスとヘクトール
珍しく、そんなに心に残らないなんということのないアキレウス象だったなあ。あら意外。
いや、彼って良くも悪くも印象深く描かれてる事が多いからさ。普通だった。
ヘクトールも、
最初出てきた時はいいかな、と思ったんですが

途中でアンドロマケーにひどいこと言ったからだいぶ点数下がった。


・パリス
三十路!
長男!

という驚愕の設定を引っさげて登場。
でも、中身は通常のパリスたんだったので読者はひと安心。
個人的にはもっとダメダメでもいい。

・アガメムノン
安定のアガメムノン。カワユらしかったですよ。
イタケ人との関係性だけでわたしはもう満足です。
頭が上がらん感じが大変に美味しゅうございました。

・メネラオス
なんで毎回毎回この人だけこんなに…!!!
と思ってしまう酷い描かれっぷりNO,1のメネラオス。
今回も酷かった。

・パトロクロス
たいへんに良いホモでしたが、最後ノンケの恋人が女に走っちゃって
ものすごい気の毒なことに。
メネラオスと双璧でわたしの同情をかっさらっていきました。
成仏してくれい。

・ヘレネー
すんごい女くさいヘレネーでした。
でも、ヘレネーさんだけはホメロスよりこの人間臭さが好きかも。

・オデュッセウス
ファンとしては、頭脳派に描かれてたのでそれだけでもう満足です。
若干の違和感はもちろんあるのですが、あるのが普通というか、
こんなもんこんなもん、と違和感に安心するというか
登場回数が多いだけでも御の字だよ!
おまけにディオメデスと仲良くって、奥さんのことを愛してるなら
何を文句を言う必要がありましょう。十分です。

・ディオメデス
可愛かった。
いや、ディオメデスが可愛いのはデフォルトなので今更特記すべきことではないですが。
ちょ、自分のことを熱い男とか言っちゃうって!!どういうこと!?
おばちゃん色々妄想するよ!?
途中、トロイア側に密偵に行く時、いろいろ宝ぶんどっときながら、アガメムノンには
それを伏せて「オデュッセウスを手伝えるだけで満足です」とかさらっと嘘つくとこが
めちゃめちゃ可愛かった。
もう可愛いところしか思い浮かばない。

・ネストール
ネストールは可愛くなかった。
でも、頭のまわるじいさんだったのでこれはこれで美味しくいただいた。

・アイアース
パリスと逆に若い!でもこの若いアイアースは良かったですよ。

・ポリュダマス
伝聞でしか出てこないが、頭がいいらしい描写があったのでいいことにする。

・パラメデス
いつの間にか名前を見なくなりました。なんやったの…

・アイネイアス
この本における徳川家康的存在。でも最後はなぜか捕虜になって終わってしまうという。残念。

・プリアモス
じじい、正気に戻れ。

・ヘラクレス先輩
いつでもどこでもハイクオリティな突き抜けっぷり。ご立派です。

・ブリセイス
パトロクロスからアキレウスを奪った恋敵。
という印象しかない自分を小一時間問い詰めたいと思います。

・ネオプトレモス
これまた印象薄い。

・ピロクテーテース
世にも珍しいオデュッセウスを罵らないピロクテーテース。
彼のシーンは割と明るめなので、なというか座敷わらしのような存在じゃった…。

コリーンさんとは、作品とか人物の好みの傾向は違うんだけど、
たぶんこの人イタケ人とアルゴス王子のこと好きだよな、
というのはひしひし伝わってきました。
あ、多分、作者はアキレウスのことも好きだと思う。
トロイア側は全員微妙な味付けだったなぁ。



河野裕著『つれづれ、北野坂探偵舎 2』
これまたお借りしたので読みました。
相変わらずさらっさら読めます。
ラノベ調。いちいちかっこつけててイライラしますが
割と読み進んじゃうのは、それなりに面白いんだろうか(何故疑問形。知らんがな)。
いや、今回、シナリオの謎のあたりは面白かったけど、
最後のその謎を解決するくだりは、 なんやそれ、 と思ってしまった。
いや、そういう結末だろうとは思ってたけど、最初に煽り過ぎやろ。
大山鳴動してネズミ一匹、感が半端ない。


多読
「アボンリーへの道」の「アレックに乾杯」の回
(現代は、Family Rivalyだっけな。そんなん)読み終えました。
ぼんやり、好きな回のノベライズを買ったってことは覚えてたけど、
ドラマの内容まで詳しく覚えてなかったんです。
でも、読んでるうちに思い出した。そうそう、こんな話だった!!
アボンリーへの道は毎回ハートフルな方向で決着してて
なんともカナダっぽいというか、こういう地味だけど堅実で誠実なの、大好きです。
職場で昼休みに読んでたんですが、英語だからよう分からん分勝手に妄想しちゃって
あまりのいい話に滂沱してしまいましたよ年取ると涙腺が緩んで仕方ない。
(幸い、誰にも見られずに済みました)
DVDちゃんとシーズン7まで出てるんですよね。
お気に入りのガス・パイクが登場するシーズン2まで勢いで注文してしまいました。
[PR]
by mi-narai | 2014-07-27 17:01 | 2014年下半期の読書

ダウントン・アビー 『ジョナサンと宇宙クジラ』 『もっとにぎやかな外国語の世界』

TV
『ホワイトカラー』
録りだめてたのを5話くらいまで見た。
主人公が頭脳派詐欺師で、自由と引き換えに警察に捜査の手伝いを強いられる話。
主人公の詐欺師の男の子、アウトリュコスみたいで(大胆かつお茶目)カワイイよ。
捜査官との間にじわじわ育まれる友情も良いです。


ダウントン・アビー [DVD]

NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン

スコア:


『ダウントン・アビー』
父が、「『トンイ』が終わっちゃって悲しい」と嘆くので、
次は何かと思ったらなんと英国ドラマ。
珍しい、と思って見てみました。


おおおお!
ロマンス小説の世界ですよ…!

舞台は当に、貴族の領地にあるお屋敷。
貴族の結婚制度とか、跡継ぎ問題とか、培った無駄知識をここでフル活用です。
その上、このドラマでは小説では見過ごされがちな使用人たちの日々の仕事と生活が
割と細かく描かれてて、使用人側の言い分とか、感情も拾われてて
それがなかなか面白いのです…!

今回、冒頭でタイタニックが沈んだニュースが館を駆け巡るんだけど、
なんと、その船に、館の主人の相続人が乗り合わせてて、爵位継承が宙に浮いちゃうんですよね。
同時進行で、旦那様が昔戦地で部下だった旧知の男を従者として雇い入れたところから
召使たちの間での順位争いとか、いじめとかが発生して、新人従者が窮地に陥れられる筋が進みます。
おりおりでご主人方の事情と、壁一枚隔てたみたいに別世界の召使たちの事情が語られ
(旦那は爵位持ちだけどどうも貧乏貴族だったようで、持参金つきの金持ち女を娶ったけど、
今は二人ともお互いを気に入って意外と幸せに暮らしている。娘は三人。
使用人は、執事と家政頭が気心の知れたしっかり者同士で(『日の名残り』か)
第1フットマンは野心家で、奥さま付き侍女としょっちゅう悪だくみしてて、
第2フットマンはいい子。女中頭は新人従者に同情的)
淡々と日常を描いているだけなのに、抑えた感情表現の中に喜怒哀楽がしっかり読み取れ、
池井戸原作のドラマ的な起伏はないけど、その代わりじわじわくる…!
英国で人気なのも分かる気がします。
いや、わたしは池井戸的なラストスパートでどんでん返し、大盛り上がり!も好きですけども。
こてこてだけど、低俗かもしらんけど、そういうのが見たい時だってあるじゃない!
とりあえず、残りの数話は録画して保存することにした。


日記をアップせずにいるうちに第3話まで見ましたよ。
ベイツさんはいいやつだなあ。
相変わらず淡々と日々が過ぎますが、
新しくやってきた遠縁の後継者親子と伯爵の母親のバトルとか、
色々あって結構乗ってきた。
3話目ではまさかのミステリー展開だし。
しかし、なんでデイジーはトーマスに憧れんの?
どう考えてもウィリアムの方がいい子なのに。
後、別段メアリーが美人に見えない問題。
とりあえず、次回が楽しみです。



ジョナサンと宇宙クジラ (ハヤカワ文庫SF)

ロバート・フランクリン ヤング / 早川書房

スコア:


ロバート・F・ヤング著『ジョナサンと宇宙クジラ』
普段あんまり短編集は読まないのですが(基本長編が好き)、
『時が新しかったころ』が面白かったので買ってみました。
なんか、O・ヘンリーの短編集と感じが似てるかなあ。
いや、短編を読み慣れてないだけで、読書家の方から見ればまったくの別物なのかもしれんが。
短編って、悲劇で終わるにしろ大団円で終わるにしろ、結末を匂わせた辺りで
大体話は終わっちゃうじゃない。その余韻の漂わせ方が似てるかなと。

本作については、
最初のあたりはなんだか悲しくなっちゃうような結末のものがあったりしましたが、
表題の『ジョナサンと宇宙クジラ』の他、『リトル・ドッグ・ゴーン』、
『いかなる海のほこらに』、『ペネロピへの贈り物』『ジャングル・ドクター』
『空飛ぶフライパン』が良かった。…おっと、ほとんど6割やん…。
突っ込みどころはたくさんあるけど、
大体主人公が悪意のあんまりないお人好しなのがいいです、読んでて安心します。
その善意が作中でちゃんと評価されるから安心する。
あとがきに「ヤングの作品は好きだと公言するには少々気恥かしい」と書いてあって、
まあ、確かにな、と思いましたが。もう公言しちゃったけども。
あんまりストレートにいい話過ぎてこっばずかしい感じはするかな。
甘く切ない、もしくはちょっぴり救いのある、おとぎ話みたいな話なんです。
実際の世の中はもっと世知辛いかもしらんが、でもこんな小話があっても
良いよな、などと、読んだ後はちょっとほのぼのしました。
『たんぽぽ娘』も探してみようかな。
ところでこの『たんぽぽ娘』、聞き覚えあるなと思ったら、わたしの好きなマンガ
『わたしを月へ連れてって』でちらっと出てきてたのでした。
『わたしを月へ』も読み返したくなっちゃうなあ…。


白戸修の事件簿 (双葉文庫)

大倉 崇裕 / 双葉社

スコア:


著『白戸修の事件簿』読了。
貸してもらったので読みました。
貸してくれた友達が「そのままあげても良い位っす」とか言うから
どんだけおもんないんかと思ってたけど、意外と面白かったですよ。
主人公はもう、どこをどうみても完全なる巻き込まれがたの主人公で、その上
小心なくせに人が困ってると放っておけない超のつくお人好し。
毎回毎回本人が意図したのでも望んだのでもない軽犯罪に巻き込まれ
(殺人とか、本格的な犯罪でないのがまた)
周囲の思惑に振り回されて右往左往するのが涙を誘います。
結構、主人公の困惑と狼狽にこっちまで巻き込まれたハラハラしながら読み終えました。
トリックとか、静謐な筆致とか、推理物っぽい雰囲気とはかけ離れてたけど、
これはこれで面白かったけどなあ…。
白戸君は毎回かわいそうだったけど。でも、彼、愛されてるよね。


もっとにぎやかな外国語の世界 (白水Uブックス)

黒田 龍之助 / 白水社

スコア:


黒田龍之助著『もっとにぎやかな外国語の世界』読了。
語学エッセイ集。
また買っちゃった…。
いや、この方の書く語学の素敵ポインツがいちいち分かるというか、
そう、そこ!!そこ素敵ですよね!!!とつい手に汗握って共感してしまうので
読んでて楽しいんですよ…。
今回は、ロシア語の名前の話とか、文字の形の話とか、ちょう面白かった。
アイスランド語とかアラブのあたりとか、名字がなくて父称じゃない。
ロシア語ではどっちも使うんだってさ。
プーチンさんなんて、ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン、
なんとお父さんの名前もウラジーミルらしい。
で、父称付きで呼ぶのって、ものすごい堅い、真面目な場面で使う印象なんだって。
イーリアスの10歌あたりでアガメムノンがメネラオスに「失礼がないように父親の名前付きで
呼ぶのだぞ」といい含めていたのを思い出します。

歴史言語学とか比較言語学的なところに興味がある点もものすごい共感率高いです。
グリムの法則とか、懐かしいなあ…。
日本語はクレオールなのかなあ…。東のどんづまりだから、
いろんな人がちょぼちょぼ入って来て、あんまり上下なく混ざりあうと、
こんなよう分からん言語になるんじゃないかという気がします。
この辺りは比較神話学と並べて考えると更に真相の解明に近付くんじゃないかと。
いや、神話の残り具合と言語の混ざり具合は完全に一致するわけじゃないから過信は出来んけども
参考程度にはなるんじゃないの。
[PR]
by mi-narai | 2014-06-01 17:44 | 2014年上半期の読書

『ポケットに外国語を』 『運命の騎士』 『人は何故集団になると怠けるのか』

目白台サイドキック 女神の手は白い (角川文庫)

太田 忠司 / KADOKAWA / 角川書店

スコア:


太田忠司著『目白台サイドキック』さらっと読了。
THE日本のミステリーって感じの、あんまりアクの強くないあっさり風味です。
コテコテの洋ものに疲れた時にはこのくらいのフラットさがちょうどいい。
変人と噂される主人公の先輩も意外といいやつだったし。
最後の、事件の趨勢とは全く関係ないオチには

なんやそれ!!

と盛大にツッコみましたが。
この人、オカルト色入れんと気がすまん人なんかしら…


ポケットに外国語を (ちくま文庫)

黒田 龍之助 / 筑摩書房

スコア:


黒田龍之介著『ポケットに外国語を』
読了。

面白い!!

若干内田本と共通する軽さというか、鵜呑みに出来んなと思う感じは
ありますけども(当たり前です、エッセイ本ですもの)、
ものすごく読みやすく、かつ、なんかもう、やたらと語学がやりたくなる本です。
勿論、語学を生業としている著者なので、むやみと語学を勧めたり、
習得を気軽に考えるような学習過程を舐めたところなどはひとつもなくて
反対に、世間では「すぐ身につく英語」みたいなテキストばかりもてはやされてるけど、
そんなもんやない、語学の習得というのは時間もつぎ込む労力もかかるものであると
再三口を酸っぱくして仰っておられるのですが、
でも、なんだか、読んでると、かつて自分が知らない言葉に対して感じていたときめきとか
好奇心なんかを思い出して、ワクワクしてしまうのですよ。
テレビのテロップを見て「アラビア語って現在も使われているんだ!!」と改めてびっくりする感じや、
(アラビア語との初対面が物語の中だったので、実際の使用例を見て感動する)
タイ語やヒンディー語など自分の知らない文字が模様に見えるのに、
知っている文字(まったく不得手な英語でさえ)はちゃんと意味をもって読める、という不思議に
ある日ふと気づいた時の驚き、
また、このただの模様だったものが言語を習得するにつけある時点から「文字」に変わった瞬間の感動、
そんなものに共感できる人ならきっと面白いと思うと思う。
それにわたし、著者の語学に対する姿勢にも共感します。
就職に得だからとか、役に立つからとか、
それも大事な理由だけど、語学の魅力はそれだけじゃないのよ!ってことよね?
勉強するなら、楽しいからという理由でやりたい。

以下、特に心に残ったことをメモ書きしておきます。

・リトアニア語。
語学を勉強するものは、古い時代の印欧語族の人々が
どういった言葉を話していたか体感したければリトアニアの田舎に行けと
言われるくらい古い形を残した言語らしい。
有名なのか。

・英語は孤立後に近付いている。
ずっと、そうじゃないかとは思ってたけど(屈折が簡素化してるもん)、
やはり専門家に言われると、そうなんか~と納得する。

・遡りたくなる、という気持ちや、歴史に興味がある辺りも、不肖わたくしなどがどうこう言うのも
おこがましいとは知りつつも、分かる!分かるよ!面白いよね知りたいよねその辺!と握りこぶしで
同意してしまった。


運命の騎士 (岩波少年文庫)

ローズマリ サトクリフ / 岩波書店

スコア:


ローズマリ・サトクリフ『運命の騎士』読了。
高校時代に一度読んだきりだった本書。
ローマン・ブリテン三部作が有名な著者ですが、これは
中世(ノルマン・コンクエスト辺り)イギリスが舞台の物語です。
ローマン・ブリテンの方では侵略者だったサクソン人たちは、
今度はノルマン人たちに侵略される側に回ってて、
なんちゅうか、因果は巡るよなあなどとしみじみ。
舞台は目新しいけど、主人公が少年で、
歴史の動きと連動して本人自身にも大事件が起こり、成長する、という
いつもの骨子は健在です。
今回の主人公はみなしごの犬飼い、ランダル。
彼が楽師に拾われ、騎士に預けられ、自分の居場所を獲得するまでの物語です。

最初のあたりは「あれ?こんな本読んだっけ??」と首をかしげそうになるほど
覚えていなかったのですが、読み進むにつれ、思い出してきた。
そうそう、無二の親友べービスとか、
先住民のふしぎな女性アンクレットとか、出てきてた!
これまた安定の面白さです。
この作者は、本当に、自分が見もしていないことを
そこに実際に人がいて実際に暮らしていると
読者が錯覚してしまうようなリアリティをもって描くのだよなあ。
オルハン・パムクの時も思ったけど、すごいなあ。
だから読んだ後、本当に自分がその場にいて体感してたみたいに
余韻が重くて、ちょっと戻ってこれなかったりするんですよね。
後、この作者はちょっとした感情の動きを描くのもうまい。
主人公と、二つ年上の城主の跡取り息子べービスが友達になる段での
主人公のうっ屈した心理や、
青年になった主人公とヒロインが初めて心通じ…そうになって、
直前でそこまでいかなかった時の、なんか物足りない感じなんかが
手に取るように分かります。
初読時の今よりもっと未熟だったわたしはちゃんと分かって読んでいたのかしら…。

しかし、今回も友情が熱かった。
通勤途中だったから鼻すするくらいに抑えましたが、
家で読んでたらおいおい泣いてましたよ、くそう、今回もやられたぜサトクリフ!
これで文庫化した岩波本は全部読み終わっちゃったので、
他の出版社から出てる本に手を出そうと思います。
アルキビアデースの話とかもあったはずだから、楽しみだな~。
でもハードカバー持ち歩くの大変だから、
「ケルトとローマの息子」みたいに、ちくまさん文庫化してくれないかな…(他力本願)。


人はなぜ集団になると怠けるのか - 「社会的手抜き」の心理学 (中公新書)

釘原 直樹 / 中央公論新社

スコア:


『人は何故集団になると怠けるのか』読了。
とりあえず、自分への戒めとして買ってみた。読んでみた。

いや~、なかなか面白い。
一見軽いハウツー本みたいなタイトルですが、
一応社会学の見地から、色々な原因と結果を検証してる本だからね!
新書なのでさらっとさらえてある感じですが。

さぼる原因も手を抜く要因も各種存在して、
勿論もともとの主体の特質なんかも関係してて、
ある状況下で要因が一つないし複数組み合わさって、
手抜きとかタダ乗りなんかが発生してるんだけども、
いちいち、あー、そうだよな~、などと納得することしきりでした。
この世は人を怠惰な手抜きへと導くファクターが多すぎるな!
誘惑に満ちておる…!!
まあ、別に管理職でも経営者でもないから、いまんところ
そこまで危機感はないんだけども、
手抜きの蔓延した社会はちょっと嫌だなあと思うので
(特に政府や行政機関を信頼できないのはつらい。
なんやろう、規模の大きさと情報の透明さなんかしら)
本当は真面目に考えた方がいい問題なんかもしれん。

とりあえず、罰は手抜き対策にはあんまり効果がない事はよく分かった。
してはいけないことをした時に叱るのはいいけど、
たとえば子供の伸ばしてやりたい性質に対して、
それができていないからと言って叱るのは逆効果であるのだなあ…。


小鳥を愛した容疑者 (講談社文庫)

大倉 崇裕 / 講談社

スコア:


大倉崇裕著『小鳥を愛した容疑者』読了。

これまたさらっと読み終わりました。
洋もののしつこいくらいの状況描写とかに毎日漬かってると、
たまに読む日本人推理作家の本は

さらっさら読めるな!!

いやー、清涼剤みたいで読むのが楽しいです。
お話は、怪我で閑職にまわされてリハビリ中の元刑事と、
動植物対策のために外部から雇われた専門家の若い女性が
2人三脚で動物(ペット)がらみの事件を解決する、という短編集。
出てくるペットは、十姉妹、蛇(種類忘れた)、ケヅメリクガメ、ワニガメ、シマフクロウ。
主人公の一人、薄さん(若い女の子の方)が本当に動物愛に溢れまくってて
ブレがなくって良かったですよ。
該当ペットの飼い方なんかも事細かに説明されてて、
それもまた楽しかった。しかし、肉食動物を飼うということは、
餌の小動物の処理もしなければならんということなのだな…。過酷。


アルフハイムのゲーム (ハヤカワ文庫SF)

ジャスティナ ロブソン / 早川書房

スコア:


ジャスティナ・ロブソン著『アルフハイムのゲーム』読了。
古本屋で100円くらいで売ってたので。
もうないだろうと思っていたのにみつけてしまいました

どうしちゃったのハヤカワさん第3弾!

SF文庫から出てるんだけど、これ、日本の出版だったら確実に
ファンタジーの本棚ですよ。
おまけに、おおまかにロマンス寄り。
SF部分は若干舞台が近未来なのと、5年前に物理学の研究所が事故を起こしたせいで
並行世界がごっちゃになったって設定だけ。

だからこういうの、SF文庫で出しちゃだめだってば!

硬派なSFファンが間違って買うでしょうが!
主人公が事故で半身を失ってめちゃめちゃサイボーグ手術を施されてて馬鹿強いので
ある種爽快感はあるし、出てくるエルフが男前なのは良いポイントなのですが、
作者のせいか訳のせいか、設定が分かりづらく、事故後5年しか経ってないのに
事故前の世界を知る者はいないとかアホなこと言い出すし、
アメリカで起こった事故なのに全世界規模だし(おいおい、アジアを巻き込むな)、
おまけに肝心の「ゲーム」がなんのことだか分からない。
ごめん、あたし、最後までなんのことか分からなかったよママン…。
主人公も、なんや次々と出てくるエルフと関係を持つし
ジェームズ・ボンドの女性版とでも思えばいいんかもしらんが、
わたしはもうちょっと一途な方が好きです。
おまけにエロシーンは2回くらいあるしな。

まあ、思えば、英米では日本よりも「小説」ジャンル内の幅が広いのかもしれませんね。
SF小説だと思うと、なんじゃこらと思うけど、漫画に置き換えたら、
こんなネタ山のようにありそう。誰かがすでに描いてそう。
このボーダーレス、ジャンルも重さも自由な辺りはまさにマンガ的。
…日本ならマンガで描くところを欧米ではSF小説ジャンルで書いてるのかもしれん。
日本密林レビューと米密林レビューの星の差はそういうことなんだろう。
欧米読者は日本SF読者より遥かに軽めで女性向けの読み物だと分かって買ってるんだろう。
ちなみに、わたしの見たところ、
ロマンス小説:ファンタジー:SFの割合は4:5:1くらいです。ご参考までに。
[PR]
by mi-narai | 2013-12-29 13:50 | 2013年下半期の読書

最近の事 『妖怪文化入門』 『100年前の日本語』

クシュラル (Feelコミックス オンブルー)

えすとえむ / 祥伝社

スコア:


えすとえむさんの『クシュラル』読みました。
『働け!ケンタウロス』以来好きなので、作者買いしたのですが、
買って吃驚。全部

トルコの話だった

のですよ……!!
日本でトルコが舞台の漫画(しかもBL)を読める日が来るなんてねぇ…。
最初の2編はしかもオスマン時代のトルコで、衣服とか小物とか、
涎ダラダラ垂れそうな気持ちで舐めまわすように見ましたとも!
最近ちょっとあの時代のイスラム世界、マイブームなもので。
この方、スペインもお好きだし、なんか、正道からちょっと離れたところを選ぶ
チョイスセンスが好きです。ノーモア金髪!
(話の内容は、時々重すぎてついてけないこともありますけども。
ああ、どうせアタシはシリアスになりきれない女さ…!)
話は戻ってタイトルのクシュラル。
トルコの話だと知る前は、語頭にアクセントを置いて、シュラルと読んでました。
でも、「クシュ(鳥)」というトルコ語名詞に、複数を表す接尾語「ラル」が付いてるんだから、
語の最後の母音にアクセントをつけるというトルコ語の法則に則って
クシュ
だよな。と思い至りました。「いちびり」と同じ抑揚で「クシュラル」…でファイナルアンサー?




三つほど前の日曜、隣の祖母がどうしても行きたいと言ってせがむので
二つ隣の駅前でやってた吹奏楽の演奏を一緒に聞きに行ってやりました。
楽しかった!
やっぱりいいよね、楽器の生の音は!
散々何度も書いてますが、あの沢山の種類の音が重なって一気に聞こえるのが気持ちいい!!
音が天井や床に反射して跳ね返って、全身に降り注ぐのが、
マッサージ受けてるみたいで!超癒されました。
場所も、ホールじゃなくて、商店街のアーケードの下というロケーション。
ちょっと風が冷たかったけど、格式張らなくてわくわくする雰囲気で却って良かった。
その演奏会は、
『かつて吹奏楽部にいたり、楽器を触ってたりした人、久々に楽器吹いてみたくないかい?
一般公募するからみんな集まれ!』

みたいな趣旨で催されたので、演奏者は中年の方が多かった。
さすが皆さん大人ですね。中学生などの演奏に比べ、音を揃えようという意思が見えるというか、
音楽の解釈が深いというか。指揮者の意図をちゃんと汲んでるというか。
とにかく安定感がありました。
皆さん社会人で練習時間があまりない、という理由からか、
今回のラインナップはマーチ10曲で(金管と打楽器はお疲れ様)、
吹きやすかったというのもあるかもしれないけど。
(司会の人が、アメリカのマーチとイギリス、ドイツ、日本のマーチの特徴とか
説明してくれたのも良かった。定番の海兵隊、士官候補生、カピタン、星条旗、双頭の鷲の他、
ナイルの守りや祝典行進曲があったのも嬉しかった。祝典、かっこいいよね~!)
聞いてる方も楽しかったけど、あれは絶対吹いている人が一番楽しんでたと思います。
いいじゃない。楽しそうに吹いてるのを見るのも良いものですよ。
わたしの住んでる地方は、大概田舎ですが、吹奏楽が盛んなのは素晴らしいです。
ああ、久々に気持ちの良い休日だった!
次はコンクールの課題曲特集とかやってほしいわ~!
「風紋」「カタロニアの栄光」「架空の伝説への」「ナジム・アラビー」とか。いい曲揃ってますよ!
今流行りの海男とかヴァンデルローストとかアッペルモンドとかも一押し。
でも、難しいと練習時間が取れないか・



こないだの土曜日日曜日、なんか屋外で太鼓の音がすると思ったら、正体は町を練り歩く神輿だった。
今年も秋祭りの季節でした。土曜日は宵宮で、日が落ちてから家の前まで神輿が来てましたよ。
しかし、こういう風習には慣れてるけど、いったいどういう意味があって何の神が
あの神輿に乗ってるかは知らないんだぜ…。
「あれ、なんの神さんなん?」
「住吉さんとちゃうの?」
くらいのアバウトさ。
正月の意味とかも大人になってから知ったし、
その辺もうちょっと布教した方がいいんじゃないのかね、神道は。
と思った次第であります。



先日の日曜、隣の祖母を誘って酒蔵巡り試飲ツアーに繰り出しました。
そしたらば、祖母の妹、わたしにとっての大叔母も加わり、
80過ぎのシルバー二人を引き連れての旅路になってしまった…。
お年寄りなんで歩くのを嫌がるのを、無理やり引っ張りまわしてしまった鬼か私はおばあたまとおおおばたまにはほんとすまんかった。
しかしいい天気だったし、とりあえず菊正宗と白鶴の二大酒蔵は抑えたし、
なかなか楽しかったですよ。秋を満喫致しました。



北森鴻著『深淵のガランス』読了。
なんか、あんまり覚えてない。


虚栄の肖像 (文春文庫)

北森 鴻 / 文藝春秋

スコア:


北森鴻著『虚栄の肖像』
幡師?というのが、他のシリーズの人なのかな?というのがぼんやり分かる。
相変わらず息のつまりそうなアレですが、だいぶ慣れてきて
読み進めるようになりました。
でも、一番心を動かされたのは、解説の友人による作者の訃報のくだりかも。
(この作者、若くしてお亡くなりになったんですってね。
その友人(解説の著者)、職場で号泣したらしい。もらい泣きしそうになったぜ…)


妖怪文化入門 (角川ソフィア文庫)

小松 和彦 / 角川学芸出版

スコア:


小松和彦著『妖怪文化入門』
日本の学問の世界における妖怪というものの定義の方法とも連動させつつ、
妖怪について、妖怪を作り出し今のような形にした人間のこころについて書いてある本。
妖怪って最近サブカルチャーの方ではもてはやされてる感じだけど、
研究の方は意外と歴史が浅いのね、と。
妖怪なんて「その時の科学では説明できない現象に一応の説明を与えたもの」かと思ってたけど、
確かになんでそうなったか分からない(とっかかりと過程の部分が失われた)妖怪は
最終形態をそれだけ取り出して見るとなんとも意味不明で不思議だよなあ。
まだ半分ほどなので、続きも読みます。

読了
ページ数が少なくても、ぎっしり字が書いてあったり、内容をじっくり読んでたらなかなか進まない。
結構読み終わるのに時間がかかってしまいました。
最後のあたりの、異人論とか境界論が面白かった!!
ネタがひとつ浮かびましたよ~(わー、不純な理由)


百年前の日本語――書きことばが揺れた時代 (岩波新書)

今野 真二 / 岩波書店

スコア:


『100年前の日本語』読了。
昔の文豪の書いた本て、まあ、滅多に読まないのですが、
読むとその日本語表現の美しさに目を見張るじゃないですか。
日本語を操るというスキルにおいて、感性においても、
なんか、どう考えても昔の人には勝てる気がしないな、と、
常々思っていたので、この本を気まぐれに手に取ってしまいました。
大筋をざっくり言うと、
100年ほど前、明治期を境に、日本語は表記において、なるべく分かりやすく、
漢字も一つの意味に一つの字を当てるように、収束の方向へ向かっている、
その理由は、メディアの拡大に伴う読書人口の増加による一般への浸透によって、
書かれる言葉を目にする人の数が爆発的に増えたことによる。

みたいな。
(要するに、書き言葉を読む人が増えたから、表記もより分かりやすい方向へ向かったと。)
明治期までの日本語って、例え音が違っても同じ意味なら、
どの漢字を当てても良かったみたいですね。
たとえば「はたらき」という和語ひとつ例に出してみると、
現代なら「働き」一択なのですが、明治期までなら意味が同じなら何を使うのも自由で
「才幹」「才能」「才覚」「労働」「動作」とか、漢字をあてた上に、
「はたらき」とルビをうってりゃ良かったみたい。
なんか、今の若い親の名づけ方にも通じます。
けったいな当て字名前つけた親に対してはこれまでは「お前は思春期の子供か!!」という
こっぱずかしさを覚えていたものですが(大きな世話です)、
意外とこれは伝統的な日本語の使い方だったのかもしれん。
他の本で、
日本人が日本語の書き文字を読むとき、仮名は表音文字として読み、
その中に散らばる漢字は絵のように理解していて、
漢字を見た瞬間意味と直結している、
漢字を混ぜて理解の手助けとして使ってる、
というような意見を読んだ気がしますが、
なんとなくそれを思い出しました。
途中、事例を出して細かく説明する記述続くので数度眠りかけましたが、
日本人の言葉の扱い方に関して興味深い一冊だったと思います。
[PR]
by mi-narai | 2012-10-28 22:36 | 2012年10月の読書

雑記

お下品でスミマセン。

いや、スペイン語の「かんぱーい!」の掛け声が、ね…

(イタリア語やフランス語でも同じらしいけど、文字表記がもうまさかのCHINCHINだとは)

はるかな以前学生時代に張老師の研究室(いわゆる張ルーム)に宿題出しに行って
「請進(どうぞ。お入りなさい。の意)」と中から声をかけられたときも
噴出しそうになって困りましたが…

いやほんと、張先生は良い方でした。
いつもニコニコしてて怒ったことなんてなくてね~。(ちょっとはにー(享年93歳)と似てました)
隣のでっかい国には最近不安感を煽られる出来事も多いのですが、
あの国の方に対するわたしの中の好印象のほぼ9割は、張先生に負ってます。
国に帰られてもう10年ほどたちますが、お元気でいらっしゃるかしら…

…などと下ネタをごまかしてみましたが、シモいまま終わるのもなんなので、以下、
アップし損ねてた写真などさらしてみます。

c0155585_10532354.jpg

以前T子さんと行ったお店。
…高かったよね…。紅茶だけであの値段っておっさんふざけとんのかワレと取り乱しそうになるほど。
(ごめんなさいあんなとこ行きたいなんて言って…)
お店の雰囲気とか、給仕の兄ちゃんが男前だったりしたのは良かったんですけどね!


c0155585_10553197.jpg

一瞬日本じゃないみたいな建物。
なんと、日本にあるモスクです。
ムスリムでないので金曜日には入れません。多分。


c0155585_10564528.jpg

夏に行った灘五郷が出展してる試飲会のわたしのプレート。
妹が帰省してる時に付き合ってもらいました。
ポン酒ばんざーい!


c0155585_1058182.jpg

店で見つけたなにか。
食べた当時は、豆腐の味が強いな、と思ったのですが、
サルミアッキを知った今となっては、全然。美味しかったです。ええ。
[PR]
by mi-narai | 2011-10-08 10:59 | その他

『繁栄』 『「お笑い」日本語革命』 『アンデスの考古学』他

西洋古典学事典

松原 國師 / 京都大学学術出版会

スコア:


松原國師先生著『西洋古典学事典』

買っちゃった…☆

古典学全般なので、古典に書いてあることは全部
それこそギリシア神話から、
クセノポンやトゥキディデス、ヘロドトス(以下略)の著作にある歴史的記述から、
ローマ時代の服装についてまで、
事細かに書いてあるとってもいい感じの事典です。
(大嫌いな人の頭をどつくのにも良い重さです)
記述が広範囲に及んでるので、ギリシア神話だけに興味があるなら別にこの辞書は
必要ないと思うんだけど(それ以外の記述が多すぎる)
わたしはローマ時代も歴史も大好きなので、なんかもうページめくるだけでウハウハですよ!
ちゃんとテミ公についても、アイスキュロスについても書いてあるんだぜー!
(さすがにエトルリアの神については書いてませんが)
アイスキュロスの項目に、アキレウス×パトロクロスについて言及してあるのは
悲劇の断片「ミュルミドン人」である、ってあって、笑った。
まだまだアイ-の辺りまでしか読めてません。ぼちぼちページめくって楽しみます。


繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(上)

マット・リドレー / 早川書房

スコア:


マット・リドレー著『繁栄』(上)
本屋の新刊の棚に並んでるのが気になってたんですが、
それが図書館に入ってたので借りてみた。
この人の主張はものすごく前向きで明るくて、未来に希望が持てそうな感じで
(大まかに要約すると、人類は悪くなんてなってない、きちんと頑張れば未来は明るい。
なぜならば人類の今は過去の知識や経験の集積の上に成り立っているからだ。
そういうものを積み立てて分業を細分化できるのは人類だけだ。
そのおかげで余暇が出来、人類の生活は昔に比べて格段に良くなってる筈だ
…的な?)
個人的にはあまりに楽観視しすぎるのもどうかと思うけど大まかには共感しました。
でも、理系の人らしく、冒頭に主張を持ってきて、その後はその主張の妥当性を
証明するために延々データの羅列になってしまったので、
「あー、大体この後こんな感じだな」と当たりをつけて3分の1ほど読んで返しました。



リービ英雄の『我的日本語』
これまた3分の1ほど読んで返しました。
上の『繁栄』の場合は、面白かったけど時間も無いし大体分かったから返したんだけども、
こっちの本は、なんか思ってたのと違って面白くなかったので。
英雄の半生など割とどうでもいいのよ!

大体、どうして初来日時に関西に来なかった!?(そこ!?)

もっと語学的なアレコレを期待していた分なんか肩透かしだったのです。

しかし、なんかずっと東アジア人だと思ってたけど、この人ユダヤ系アメリカ人だったのね…


世界文学を読めば何が変わる?――古典の豊かな森へ

ヘンリー・ヒッチングズ / みすず書房

スコア:


ヘンリー・ヒッチングズ著『世界文学を読めば何が変わる?』
これまった、3分の1ほど読んで返しました。
これは、ちょうどホメロスの2つの叙事詩について書かれてる部分がが終わるのが
3分の1くらいのところだったので。
書き口調が皮肉っぽくて、その皮肉っぽさにつられて読んでると
なんだか文学が分かったような気になって、なかなか面白かったです。
でも、内容よりも、著者のイギリス人がフランスに敵意剥き出しな事の方がもっと面白かったです。
(どうもフランス人の書いた某『読んでいない本について堂々と語る方法』に
対抗して書いたようなのです)


「お笑い」日本語革命

松本 修 / 新潮社

スコア:



松本修著『「お笑い」日本語革命』読了。
これはまるまるちゃんと読みました。
「お笑い」から発進したかずかずの単語についてどう広まったのかを調べて書いてある本です。
そこそこ面白かったかな。
前回読んだ「全国アホ、バカ分布考」よりは劣りますが。
確かに、言われてみれば小さい頃は「おかん」なんて使わなかったのが
高校過ぎたあたりから意識され出して、時々使うようになったけど
母親の前で使うと怒られたり、
そんなことあったよなあ…
(あれって、ダウンタウンのまっちゃんが使ってたのが大きいらしいヨ!)


アンデスの考古学 (世界の考古学)

関 雄二 / 同成社

スコア:


関雄二著『アンデスの考古学』読み始めました。
形成期が終わるまで(紀元前あたり)は結構眠かったのですが、
紀元後に入ってモチェ文化なんかの記述が出てきだしたあたりで面白くなってきました。
いや、アンデスって、インカは有名だけど、その前にもいっぱい文明が起こってたっぽいし
展覧会とか行くと、却ってインカ文明の物品は少なくて、それ以前のものばかりだったりして
なんか自分の知識の偏りが気になってたんですヨ!

しかし、休み時間にこの本読んでるの見た職場の同僚が
「見習いさんが西洋古代以外の本読んでるの珍しいね」と言い置いて通り過ぎていきましたが

何を仰る。わたしはアメリカ古代文明も好きですとも…!
(世界史は中国史以外は全般的に好きだと言うに…)



多読
『The Prisoner of Zenda』(レベル3)読了。
アンソニー・ホープの勧善懲悪冒険活劇inルリタニア(あれ?ルシタニアだっけ?)
ほのかなラブもあるぞ!

いや~、面白かった!
数代前の東欧の王様がイギリス旅行の際に某貴族夫人と恋に落ち、
出来た子供が今回の主人公の遠いご先祖、
主人公は兄嫁に「もっと真面目に生きなさいよ」と小言を喰らって
自分の出自を確かめるためにルリタニア(ルシタニア?)へ。
新国王の即位の式を観光がてら眺めて帰るつもりが
王位簒奪の陰謀に巻き込まれ、
王様の身代わりを引き受けて悪者たちとチャンバラしたり
姫と恋に落ちたり。
深くは無いかもしれないけど、スカッと読めて楽しかったですヨ!
[PR]
by mi-narai | 2010-12-13 22:50 | 2010年12月の読書

『古代ローマ人の24時間』 『おせっかい教育論』 『QED』シリーズ 『大阪ことば学』 『クラバート』

アルベルト・アンジェラ著『古代ローマ人の24時間』読了。
最後まで面白かったです、押忍。
全体的な面白さは、前回の日記でも申しましたが、
時代をハドリアヌス帝あたりのローマに絞って、
きちんと考証された現時点で正しいと思われてるその当時のローマの生活について
(貴族から一般ローマ人まで幅広い層を対象に)
現代のローマ人の視点から、ローマ一日ガイド風に紹介している、という
とっつきやすさと臨場感、これに尽きると思います。

以下、例によってところどころ心に残ったポイントをば。

・禿について
 当時のローマ人もやはり気にしていたようで、カエサルさんなどは後ろの髪の毛を
頭頂の薄くなった部分に向けて撫で付けて誤魔化していたとか。
もっと薄くなった人は頭全体をなにかで黒く塗っていたらしい。
遠目にはとりあえず禿げて無いように見えていたらしい(でも近づいたらバレバレだからなー!)

・ちょうどトラヤヌスの時代のローマ紹介なので、浴場を作ったアポロドロス(だっけ?)も出てきてました!
おお、テルマエ・ロマエー。
しかし漫画では頑固だけどいいおじいちゃんとして出てきてたあの方、次の皇帝とは馬が合わずに
なんか不遇な死に方をなさったらしい…。

・庶民の住宅事情には深く同情した…でも現代日本の一般庶民の住宅事情も似たようなものっスよ…

・彫刻に彩色してあったってのはちょっと目から鱗でした。あれか?プラモデルと同じ感覚か?色を塗って完成なのね…。


他にも色々と思うところはあった気がするのですが、以下略。
いやほんと読みやすかったし面白かったから一般の人にも自信を持ってオススメできる一冊!
暇な時にでも読んでみてください。


おせっかい教育論

鷲田清一 / 140B

スコア:


鷲田清一他、共著『おせっかい教育論』読了。
キヨちゃん(妹と私の間ではこれで通じる)が対談の数に入ってたのでそれだけが理由で買ってみた。
けして内田目当てじゃありませんよ!
阪大総長と神戸の私立大学の教授、坊さん、大阪市長の対談なんで、
若干大阪礼賛的な面は無きにしも非ずなんですが、そのあたりはご愛嬌。
教育については、確かにそうだなあと思わせられるところもあってタイヘンためになりました。
(理想はそうですよね~。)
それを具体的にどうするかとか、予算の面とかになると、行政との折衝とかいろいろ
難しい話になってくるんだろうなあ。

しかし、これ、平松市長も対談に加わってる関係上(?)
話が府VS市になると、どうも、きな臭い方向に話が行っちゃって
関西地域に住まうものとしてはもにょってしまう…
(他地域の方に取っちゃどうでもいいことでしょうが)
なんか、知事に対する批難に政治的なものがあるんじゃないのかと勘ぐってしまうのですヨ。
まあ、知事は若干極端な面はあるんですけどもね。でも頑張ってると思うよ~。
(関西広域連合うまくいって欲しいな!)

とりあえず、本はそのまま妹に貸してみました。


QED 百人一首の呪 (講談社文庫)

高田 崇史 / 講談社

スコア:


高田 崇史著『QED 百人一首の呪』読了。
前からちょっと気になってたミステリーなんですが、
貸してもらえることになったので読んでみた。
探偵役が薬剤師なら、ワトスン役も薬剤師という、
薬剤師まみれの推理小説(国家試験お疲れさん!)。
このシリーズ、これまで何作か出てるんですが、
一作目は、大富豪の死、家族の因縁、錯綜するアリバイ、など様式美のサスペンスです。
でも、その殺人そっちのけで、百人一首をどう並べるかが延々つづくという…

主人公の言うことは、ちょっとこじつけっぽいかなと思うし、
理系っぽいのは面白いけど若干かっこつけすぎカナと思うし、
ワトスン役の女の子は、男性作家が書いてるから仕方ないけど
「普通の女の子はそんな反応しねえよ!」という反応が少々目立つけど、
割と面白かったです!
いやあ、ミステリーは良いねえ…!

QED 六歌仙の暗号 (講談社文庫)

高田 崇史 / 講談社

スコア:


高田 崇史著『QED 六歌仙の暗号』読了・
2冊一緒に貸してもらったので、2冊一気に読みました。
こっちは、探偵役、ワトスン役に続けて、被害者まで薬剤師、というまさに薬剤師まみれの一作。
舞台が前半は大学、後半は京都で、前作に引き続き、和歌もバンバン出てきて、
でもって、六歌仙なのに、何故か七福神の話なので、
民俗学っぽいぶん、面白かったですよ~
相変わらず最後のまとめはこじつけっぽいのですが、
この作者の描き出す平安時代の貴族社会の陰謀と呪術にまみれた雰囲気がものすごく楽しかった!
当時の日本人のことばに対する感性を再認識させられました。いいよねえ、言霊信仰!


大阪ことば学 (岩波現代文庫)

尾上 圭介 / 岩波書店

スコア:


尾上 圭介著『大阪ことば学』読了。
かるーく読める一冊。
大阪出身で、東京で10年ほど過ごし、後に神戸大学に教授として赴任していた著者が
「これ以上、他地方の人間が大阪弁に妙ちきりんな解釈をつけるのは我慢ならん!
大阪のことばについてわたしが書かずになんとする!」

と一念発起して書いた本です(まあ大体は)。
これまで、大阪弁の文法の本とか、単語の辞書とかは読んだ事あったのですが、
これは、よく使われる大阪弁を説明しながら、その背後にその言葉を使う大阪人の
気風や性質がどう関っているかを論じた、まれに見る一冊でした。
面白かった。
(でも、著者もあとがきで述べておられるように、これは日本人論なんかと一緒で、
人が居ればその人の分だけ解釈があるわけであって、この本に書いてある事は著者の個人的な
解釈であることを承知しておかねばならないのだなあ)
これの各方言バージョンが欲しいと本気で思いました。

しかし、わたしんちは代々大体農民だし、大阪に先祖なんてひとりもいないのに、
概ね書いてあることには共感を持って頷いてしまうんですよね。
当たり前の事を当たり前に言うのは芸が無いと思うし、
くっさい事を大真面目に言うのは、ものすごい恥ずかしい事だと思うし。
(良い悪いではなく、これはもう本当に好みの問題なの…!)

恐るべし、大阪の影響力…!!

いやでもあそこまでワタシは言葉を駆使できません。
大体、口下手だから字や絵で表現する方向に傾いちゃったんじゃない…!
(話し上手だったら書いてないやい!)
話し上手な人には心底憧れます…。
(人間な、努力してもどうしようもないことってのはあるもんやねん…)


クラバート (上) (偕成社文庫 (4059))

プロイスラー / 偕成社

スコア:


オトフリート・プロスラー著『クラバート』(上)(下)ともに読了。
また読んでしまいました…。
アタシ、この本何回読んでるの…!!!

でも、何回読んでも面白いものは面白いのです。

一応、魔法学校もの、に分類されるであろう本作ですが、
「魔法学校」という字面をみると、みんなハリポタみたいなカッコいいのを想像するのでよろしくない、
あえて「魔法寺子屋」ものと括らせてもらいましょう!
親方の下で粉屋の職人として働く主人公の3年間を追ったもの。
重くて暗くて怖い話なのに、青春あり、友情あり、恋ありで、
なんか、毎回ぐいぐい引き込まれて結局最後まで一気読みしてしまうんですよね…。
もうどう説明しても言葉が足りなくなるので、

皆さんも是非読んでください(解説放棄)!



多読
『crown of the Violet』(レベル3)読了。
レベル3になって、レベル2の1,5倍から2倍近く語数が増えたのでなかなか進みません。
でもこの話は面白かったんだ!
紀元前5世紀、全盛期のアテナイが舞台、
主人公は15歳くらいの男の子、
この男の子が、シュラクサイから来た女の子と知り合ったことを皮切りに、
喜劇作家を目指しつつ、アテナイの民主制に対して考察し、ソクラテスに共感し、
裏でスパルタが糸をひくアテナイ民主制転覆の陰謀を
フェスティバルの自分の喜劇の演目を利用して未然に防ぐ、という
短い中に盛り沢山の、ジェットコースター多読でした。
いやいや、楽しんで読めてしまいました。
ソクラテスの名前を作中に見るだけでもテンション上がるしね~♪
作者はイギリス人。

読みやすかった…!!(ありがとう、イギリス人!!)
[PR]
by mi-narai | 2010-11-29 23:05 | 2010年11月の読書

ちら見

図書館で、今月の新着図書の棚をあさってたら、なんか、日本語和名語源辞典、的なものがあって、その中に


ひよこ→ぴよぴよ、という鳴き声から

と書いてあったんです。
図書館で爆笑しそうになりました。
日本人、サイコーっス!

ちなみにからすは

鳴き声(KAR)+鳥をあらわす語尾「ス」らしい。

語源なんてそんなもんなのね~。
[PR]
by mi-narai | 2010-11-18 22:18 | 2010年11月の読書