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『悪の引用句辞典』 『言霊とは何か』 『悪女入門』 「神の数式」

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M○Sの等身大超大型巨人の首を見にわざわざ大阪まで行ってまいりました。
あほです。見習いです。
毎度のことですが、大阪が無駄に都会でビビる…。
駅周辺がものすごいスマートでスタイリッシュなんですよ…。
田舎者のわたしなどビビりまくりです。
でもって

阪神百貨店のデパ地下は天国…!!

でした。楽園はここにあったんや…


伊勢神宮―東アジアのアマテラス (中公新書)

千田 稔 / 中央公論新社

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千田 稔著『伊勢神宮』
ざっくり読んだけどなんか、どうしよう、あんまり記憶に残ってません…。
一番残ってるのは、前書きにあった生姜板の下り…
(いや、著者が子供のころ、お伊勢参りに行った大人に土産によく貰ってたと。)
あ、海路東国への重要拠点が伊勢だというのは覚えてます。
最初の辺りの古代の伊勢神宮の変遷は割と面白く読んだのですが、
途中からの、伊勢神宮が国家神道につながるまでのみちすじは
ほんとうにさっくり読みとばしてしましまいた。
江戸中期の人の、中国とインドの神話を迷妄と片付けて、やたら
日本神話を持ち上げる姿勢には辟易といたしましたが。
江戸期の日本人は、いったい自分を何さまだと思っていたのか…。 
いやいや、日本神話もほかと変わらんからね。


悪の引用句辞典 - マキアヴェリ、シェイクスピア、吉本隆明かく語りき (中公新書)

鹿島 茂 / 中央公論新社

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鹿島茂著『悪の引用句辞典』読了。

著者はどうやら仏文学が専門の人みたい。
とりあえず、序文で、文学作品の上手な引用は教養人には欠かせないステータスだぜ!
みたいな前振りがあって、その後おもむろに
有名人の名言→それに対する著者の解説
という順序で60人ほどの偉人のお言葉を紹介するという流れになっています。
浅く広く知識をさらえた、あっさり目の本なのかな、と割と軽い気持ちで読み始めたのですが、
これまた、予想外に

面白かった。

最近、面白い本によく当たります。日ごろの行いでしょうか(ぬけぬけ)。
それにしても、なんでしょう、仏文学者って仏文学やってるうちに辛辣にでもなるんでしょうか。
他の仏文学者の本でもツケツケ物を言ってるイメージがあったのですが、
この本もご多分に漏れず、著者の語調がきっつい!
でもそのツッコんだ物言いが大層面白いのです。
普段一般人が思ってても言えないことをズバッと言ってくれちゃってる感じ。
以下、雑感

・とはいえ、著者は、若者に対してはちょっと厳しすぎると思いますよ。
確かに現代の若者の劣化は(主にお年を召した方から)叫ばれてて、その根底には
ネットなどの生活環境・教育環境の変化のせいで共感力が減じてしまったのではないか
という懸念があると思うんだけど、
お年寄りたちは忘れてるんです。

どの時代でも若者はアホだと言うことを…!

今若者を批判しているお年寄りもかつては馬鹿者だったはず。
思い出補正で美化されてんですよ。当時のお年寄りも当時の若者の事を
「ほんまあいつら…」と思ってたと思いますよ。
経験値が圧倒的に低いんやから、生きた年数の少ない人が物知らんのはしゃあないやん。
まあ、若いからな、の一言で愚かな振る舞いが許されるのは
ほんの一時期だけですけどね。
そらわたしも、若者の世間が狭いことからくる無礼さや浅薄さを見ると
イラっとしますが、自分のアホ時代を割合鮮明に覚えているので
強くは言えないという、ね…。
ていうか、年とってなお未だにあほなわしのようなもんこそ
非難を受けねばならんのでh…(Oh…。自滅ネタ)

・ユウェナリスの「お前の鼻が気にくわん」という一文に吹いた。
ゴロが良いわ~!


・教育された女性の割合が高いと社会が安定する、という意見。
なんか、妙に納得しました。
共感力の問題でしょうか。脳の構造上男性より女性の方が共感力が高いらしいし。
(子育てするのが長年女性の役割だったのならならそうなのかもしれんな。
男性は逆に多少はテストテトロンがないと困るだろうし)
そういう共感力の高い人間が社会に多いと安定するという事でしょうか。
他者への共感値が高いと確かにあんまりひどいことがしづらいですもんね。
日本は同調圧力が半端ないという弊害はありますが、
共感しやすい社会だなとは思うので、
災害時の冷静さはその辺りから来るのかしらと想像したりしました。
日本は男尊女卑社会だといわれるけど、プライベートな部分では割合ゆるいと思います。
日本人男性優しい人も多いですよね。
(いや、家庭における役割分担的な部分は別ですよ。
そこについては言いたいことは山ほどありますとも!)
でも公的な部分があからさまに男尊女卑かなとは思う。
女性の力を有効活用とか今の政権が言ってるけど、
よう知りもせんおっさんが女性が働くにはどうするのがいいんだろうって想像しながら
政策立てるよりも、実際働いてる女性がこうした方が自分はやりやすいって
スタンスで決めちゃった方が手っ取り早いんじゃねえの、と思ったり。
それができないのは政治家に女性が少なかったり企業の上の方に女性が少なかったり
するからなのかな、と短絡的に考えると、やっぱもうちょっと女性の社会進出が
しやすい方が、いいのよねえ…、などとしみじみ思った次第であります。
知らんけど。


言霊とは何か - 古代日本人の信仰を読み解く (中公新書)

佐佐木 隆 / 中央公論新社

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佐々木隆著『言霊とは何か』読了。
そのものズバリ好きなテーマだったので買ってみた。
読んでみた。
なんとなく、言葉自体に力が宿って、話したことが実現するのが言霊かと思っていたら
(書いたことによって確定する中国式と対照的)
著者の主張は、

言葉を発したことによってその言葉を実現させる力を持っているのは神のみで、
(神が発した言葉は実現する)人間が実現させようと思って言葉を発した場合(=言上げ)は、
言葉自体の力でなく、その言葉を聞いた神がそれ実現させているのである。
昔の日本人の言霊意識はそんな感じだったっぽい。
でも、江戸後期だか明治だかに右寄りの人が、
言霊信仰を新たに打ち立てちゃって、今みたいな
言葉が独立して力を持ってる、みたいなイメージが出来上がっちゃった。

というもの。
この辺りの学説にはそんなに詳しくないので、
著者の主張が正しいのかとんでもなのか良く分かりません。
でも、これまでぼんやり日本の言霊信仰って独特だなあと思っていたけど、
根底にあるのが人間の祈りを神が聞届けるスタイルなんだったら、
別に他の地域の神話とあんまり変わんないな(なーんだ)と思いました。
ギリシャ神話でも、神が一度口に出した言葉は変更不可能だったもんな。
とはいえ、古代の日本人にとって言葉にして話すことは今以上に重大で、
ちょっとした失言が神を怒らせてえらい目にあったりする話が残ってたりするのは
興味深かったです。
ていうか、昔のギリシャも日本も文字使用以前は考えを具体的に表明するには
声に出して言うしかなかったんだから、涜紳も祈りも話し言葉と結びつくよな。
そらそうだ。


悪女入門 ファム・ファタル恋愛論 (講談社現代新書)

鹿島 茂 / 講談社

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鹿島茂著『悪女入門』読了。
新幹線の中で読み終わった1冊。
先に読んだ『悪の引用句辞典』が面白かったので同じ著者の者を買い求めてみました。
話題が多岐に及んでいた先の作品に比べ、流石に本作はタイトル通り、
フランス文学、及び男女の色恋に限定されていますが、それでも面白く読めました!
そもそも紹介されているフランス文学って男性の著作じゃないですか、なので
悪女の形成もあからさまに男性目線で
「ほんまお前ら毎回こんな感じやな。女性を侮るのもええ加減にせえよ」と
その点に関しては半ば腹立ち、半ば呆れながら眺めていたのですが、…しゃあないか。
それはお互い様ですよね。男性諸兄も女性視点の男性像について色々文句もあろうから
その辺りは大人になって互いに生暖かく見守ることとしましょう。
各文学作品の作中のファム・ファタル(命取りになり得る魅力を備えた運命の女)
について吟味し、男性登場人物との相性を語り、こういった悪女になるための指南という
形をとりながら、読んでいる内にその作品のあらすじを知り、自分も
読んだ気になるという鹿島マジック。
かる~い読み口でありながら文学世界に浸れ、なかなか面白かったです!


NHK「神の数式」1部、2部見ました。以下雑感

Theory of Everything

・物理の世界は美しいですね…。
アインシュタインも真実は単純で美しいはず、と思ってたみたいだし、
物理学はそういう所をめざす傾向があるのかしらん。
全く理数には疎いけど、ぼんやり、その美の片鱗を感じると心が震えますね胸熱!

・朝永さん、かっけー…!!!

・対象性の崩れの概念が理解しづらいよ…。
理論では完璧でも、実際の実像はそうはならない、って
なんだか、現実とイデアの関係みたいですね。
それにしてもカンペキな美しさは破れる定めにあるのですね。

・で、重さは、みっしりその辺を埋め尽くしたヒッグス粒子に
邪魔されて電子やなんやが通りにくくなってる状態か!!
前回物理本読んで書いてあったことが、
やっともうちょっと理解できた気がする!!!
あ、でもまだ重力は標準理論に含まれてないのか。
含まれてると思い込んでました。失敗失敗。
(理解の程が狭いということがバレバレですね☆)

・物理学者はこんなことを考え続けて良く発狂しないなと思ってましたが、
発狂する人もいるらしい。
やっぱりそうか!

・映像で見ると、重力が周囲に及ぼす影響についてもものすごい分かりやすかった。
特にブラックホール!
そうか!めちゃめちゃ重たいとああなるのだな!
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by mi-narai | 2013-10-26 14:10 | 2013年下半期の読書

『マホメット』 『フルーツひとつばなし』 『福家警部補の挨拶』

今週も更新がままならず大変遺憾に…すいません、各種締め切りにガクブルする毎日です。
(別にサイトを維持する熱が冷めたとか、そういうのじゃないので安心してください。別に誰も心配しとらんか。そうかそうか)
10月いっぱいくらいは追いまくられておぶおぶしてると思いますが、隙を見て更新も頑張る所存です!(ハデスさんのアレ、早くきっちり描いてしまいたいよ~。でも、G様の企画の方、もう描くのが楽しゅうて楽しゅうて。スミマセン、オノレの欲望に負けまくってます。掛けた時間と仕事量がまったく比例してませんが。描いちゃ消し描いちゃ消しして1日丸まる描いても下書き2ページほどしか出来上がらんてどういうことだーーー!!!!ああああああ間に合うのか自分~~~同じ時間くらいちまちま色も塗って、HPの更新はその合間なんじゃよ~~~!!!!)

雑談ついでに


B州弁

河内弁と並んでガラが悪い、下品などと評される方言です。
(念のため、それでもやっぱり愛着がありますし、好きですよ)
とはいえ、中途半端な田舎に住んでいるのでわたし自身は方言の浸透具合も微妙ですが。
喋っても全く迫力ありません。ふつうです。
もっとガチガチのB州弁話者だったら口げんか強かったかもしれないのに残念…。
由緒正しいB州弁を使用する人も少なくなる中、わたくし、とうとうリアルで

めんだ(基本形:めぐ 意味:壊す ちなみに自動形は「めげる」になると思われる)

を聞きましたよ、皆さん!!おおおおお、まだこれを使用する話者が残ってたのですね!
見習い、感激!!

や、なんのことはない、隣の祖母なんですけどね。
こないだ、母と畑の作物と動物の話してて、イノシシやシカは悪いことするよな、みたいな流れで

ばあさま「クマやったら南瓜めんで食べるんとちゃうの」
おかん「いや、流石に熊は出えへんて。見たことないし」
※最近居住県でツキノワグマの目撃情報が増えたという新聞記事を受けて。

という会話が。

そういやばあちゃん、しょっちゅう「~やさかい」とか、「つんだかつんだか」とか、
大層な言葉使うよなあ。貴重や…
亡くなったハニー(享年93歳)は同じ県内とはいえ全く違う方言だったのですが
(AIの母音がEに変化したり。ちょっと江戸っ子言葉みたいだった。
音調は明らかに関東風なんだけど関西弁的な語尾もあり…。
関西弁だったら、あんたもうやったんか?になるところを
おめぇ、もうしたけぇ?的な変化をする感じ。
おそらく、日本海側の鳥取の言葉に近いんじゃないかなあれはと勝手に想像する)
なんで録音しておかなかったのかな、わたしは…。



マホメット (講談社学術文庫)

井筒 俊彦 / 講談社

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井筒俊彦著『マホメット』
最初は和辻哲郎の『風土』を読もうとしてたんですよ。
でも、語り口が哲学書っぽい感じの分かりづらさでですね…。
寒さを感じる、ということについて、「寒さ」を感じるとはいえ
「寒さ」というのは概念で本当は寒気がそこだけまとまってあったりするわけではなく、
人間が寒い場所に出て「さむっ」と能動的に感じてこそ寒いと認識するわけで、
要するに、人の有りようには周囲の環境が切っても切り離せないわけ。
人間というのは個人的な面も社会的な面も含めて人間なのであって、
同じように時間的なものだけでなく空間的なものも含めてこそ
こうなんていうかな人間社会の特徴っぽいもんは捉えられないんじゃないか

とか、そう言ったような事を10ページくらいかけてもって回った言い回しで
(まあ、正確に言い表そうとするとどうしてもそうなるんだろうけど)
くどくどと説明するもんだから、
読解力のあんまりない私は、著者の意図が正確に掴めてるかどうか
自信がないうえ、噛み砕いて理解するのがつらく、……

哲郎…ごめんなさい、わたしにはあなたは高嶺の花…

なんか、そんな気持ちになって、読むのはもっと先に延期しました。
もうちょっと気力が充実してる時にな~!
ごめん、今寝不足やねん。

そんなわけで、口直しに井筒先生の薄っぺらいこの本を手に取ったわけです。
書かれたのは昭和初期(「マホメット」という呼び名からも察せられますでしょ)
前書きで、ご自身も「いや~。若い頃の本だから読み返すと懐かしいわ~」などと
仰っておられるほど昔の作品です。
これも哲郎本みたいに読みにくいんじゃねえかと一抹の不安がないでもなかったんですが、
読み始めてそんな不安は吹っ飛びました。
面白い!小説みたいですよ!
確かに荒削りで、だいぶ主観的かもしれませんが、
却って若かりし先生のアラブ世界に対する情熱の迸りが感じられて、心地よいです。
井筒先生の御本とは相性いいんかなあ。これまでまだはずれがないです。
半分ほど読んだので、続きも楽しみに読みます!


数日後、読了。
最後まで面白かった!
マホメットの伝記ではあるけれども、まず、マホメットの生きた時代背景から説明し、
その後、彼の業績の意義とか、そういったことに踏み込んでいくので、
大変読み応え有りました。
ギリシア神話にしろこういった半伝説化した有名人の伝記にしろ、
真実も伝聞もすべて同列にひとくくりにまとめて全てを網羅するような書き方が
いまいち好きでないので、伝聞をなるべく排し、客観的に見つつも
ご自身の情熱を傾けて書いておられる井筒先生の筆致が大変好ましく思われました。
いや、神話の場合は神話事態がすでに長い年月の間の伝説の集大成な感もあるから
厳密に時代背景考えるの、難しいだろうけどさ。でもなるべく考えたいのさー。
閑話休題、本書の内容は、以前に読んだ『「コーラン」を読む』&「イスラーム文化」と
若干かぶってる面はあったんだけども、なら読まなくていいかというと逆で
補完し合っていて理解が深まる感じです。
今回目新しかったのは、最初はムハンマドさんが、
けっこうユダヤ教徒やキリスト教徒に親近感かんじてらっしゃったみたいだということと(いがーい)、
イスラム以前、ジャーヒリーヤ(無道時代)のアラブは多神教の世界だったんだけど、
カーバ神殿にはアラーの他多数の神々が祭られてて、
なかでも人気の女神はマナートと、アッラートと、アル・ウッザーだったらしいということでしょうか。
一神教以前の中東の神話体系はめちゃめちゃ気になるところなのでつい神々の名前が出てきたら反応してしまう…

わたしのアホ感想はさしおいても、ぺらいし、その割に奥深いし、何より読みやすいので
おすすめです。



フルーツひとつばなし おいしい果実たちの「秘密」 (講談社現代新書)

田中 修 / 講談社

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田中修著『フルーツひとつばなし』読了。

おお、面白かったよ!
これまた職場の京都弁の超絶かわゆらしい上司にいただいた一冊。
いつももらってばかりで済みません。
まず、なんといっても美味しそうな写真につられます。
写真を侮ってはいかんよ。
わたしは、自分が作りもしないくせに写真があまりに美味しそうだったという理由で
洋菓子の本を2冊も買った前科者ですよ。
一つのフルーツにつき4ページくらいにわたって説明してあって、
ざっくりした来歴も面白いし、栄養分とか、
生物学的な掛け合わせや遺伝の小話もまた面白く、
わくわくしつつさくさく次へ次へと読み進んでしまいました。
いちご、りんご、みかん等の超メジャーどころの他
チェリモアとか、ドリアンといったマイナーなフルーツも載ってますよ。
(日本で手に入るフルーツに限定されてはいますけど)
なんか、やたらと果物を食べたくなる一冊。
それにしても、バラ科の果物って多いんですね…。
後、みかんの種類の多さにびっくりした。
原産地とか、学名もちゃんと載ってて、
学名見てけっこう笑っちゃいました。
アケビのラテン語名「アケビア」って!


福家警部補の挨拶 (創元推理文庫)

大倉 崇裕 / 東京創元社

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大倉崇裕著『福家警部補の挨拶』読了。

なんとなく、本屋で見つけて買ったもの。
短編数編が入ってるものですが、意外と面白かったですよ!
刑事コロンボ方式で最初に犯人が分かっていて、探偵(この場合福家警部補)が
証拠を地道に集めて犯人の犯行を証明していく流れで一貫して書かれてます。
しかし、今時の子にはふるはたにんざぶろうって言った方が通じるのか…?
(あれだって、コロンボを踏襲したんだろうに)
探偵役の福家警部補は、小柄でメガネの女性で、落ち着いた人当たりのいい人だけど
犯罪捜査に関してはものすごいタフ。
アクはないけど、好感度は割と高いですよ。
なかなか面白かったので続きも買ってみる予定。



高田崇史著『QED諏訪の神霊』『QED出雲神伝説』読了。
貸してもらったので急いで読みました。
いつもどおりかな~。
タタルさんと奈々ちゃんが早くくっつけばいいのにとじりじりしてます。
今回は日本神話がメインでそのあたりは面白かったけども
作者の神話のとらえ方はいまいち好きではありません浅いわ!(←えらそう)
しかし長く続いたこのシリーズもあと一冊かあ…。

以下、アホなアニメ話なので畳みます。
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by mi-narai | 2013-09-01 23:11 | 2013年下半期の読書

『植物のあっぱれな生き方』『緑の瞳のアマリリス』『王のしるし』『宇宙はこう考えられている』

植物のあっぱれな生き方 生を全うする驚異のしくみ

田中修 / 幻冬舎

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田中修著『植物のあっぱれな生き方』
読了。
またもや職場の京都弁の上司にただでもらったので。
ああんもう、癒されるわぁ!ほんまかいらしなああああ!!

それはともかく本の内容。
なんだかんだいって結構田中先生の本、読んでますよね、わたし。
先生は一般の方にも分かるようそもそもものすごーく噛み砕いて分かりやすく
書いていらっしゃるのですが、それでも若干詳細に踏み込んだ本と、
一般向けに徹底していらっしゃる本があり、
これは一般向けの方の本でした。
他の御本で既に読んだことのおさらいといった感じで、ときたま新情報が入る感じ。
植物全般のふしぎとか、小ネタが満載なので、先生の本を未読の方にこそ読んでいただきたい。
(わたしはもうちょっと踏み込んだ内容の方が好きだ…)
でも踏み込んだ内容もさらっと当たり前みたいにおっしゃるから、ひょっとして
語り口に騙されてるだけかも…


緑の瞳のアマリリス (ハヤカワ文庫SF ク 12-1)

ジェイン・アン・クレンツ / 早川書房

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ジェイン・アン・クレンツ著『緑の瞳のアマリリス』読了。

どうしちゃったのハヤカワさん!?第2段。
本書は、ハヤカワSF文庫から出ているフィクションです。
『グリムスペース』は毛色の変わったロマンス小説でしたが、
これは普通にロマンス小説です。舞台がちょっと地球じゃないだけ!
でも地球に酷似した植民星だし、ものすごい日常が描かれてるし、
ロマンスSFというよりは、パラノーマルロマンスだろ、分類は。
このジェイン・アン・クレンツという方、ロマンス小説のシリーズではしょっちゅうお名前を
拝見する大御所さんで、いやもう、この名前をハヤカワでみつけてわたしゃびっくりしたよ!!
(この小説の中でも3か所ほどはベッドシーンがあるからね!これから読む人は心するように。)


あらすじとしては、頭はいいけどお固くて道を踏み外したりなんか絶対しそうにない主人公
アマリリスが、アウトローな新鋭実業家と仕事することになり、その際発見した不正と、
先日亡くなった恩師の死が関わっているのではないかという疑問が浮かび上がり、
殺人事件に巻き込まれる、というもの。
SFとミステリーとロマンス小説が2:2:6くらいの割合で混ざってるという、
考えたらお得な一冊。
一見ただのコンテンポラリー(現代が舞台のロマンス小説)みたいなので、
SF部分の説明をすると、
舞台が地球の植民星だということと、
植民星の過酷な自然環境に適応するよう人類の超能力が具現化している世界だということ。
ヒーロー役の新鋭実業家は、相手の能力を察知する能力と、幻影投射能力があって、
主人公には第三者の超能力を強化する能力があります。
こんな中二設定なくても良かったんとちゃうかなあと思わんでもないですが、
ロマンスのスパイスにはなっているので、割り切って読みましょう。ツッコんだら負けです。
途中、ヒーローの昔の知り合いでいわくありげな男性が二人出てくるのでもしやと思っていたら、
案の定本国ではその二人をヒーローに据えたスピンオフが出ているらしい。
ハヤカワさん…。グリムスペースといい、1巻目だけ訳して放り出さないで、
続きも訳して下さいよ…。
(でも、SF文庫から出すと本来のSFファンが間違って買っちゃうから、
イソラ文庫くらいにしといてください。)
イソラ文庫といえば、アシュリンとドラゴンシリーズの1巻も読みました。
あれはあからさまにロマンス小説のくくりなので、感想は省きます。
ヒーロー役のワイバーンが悪者っぽくて良かったですよ。


王のしるし(上) (岩波少年文庫)

ローズマリ・サトクリフ / 岩波書店

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ローズマリ・サトクリフ著『王のしるし』(上)
高校生の時分に一度読んだ本。
面白かったことと、傭兵稼業っぽいことをやってる主人公が
王様の代役に立つ話だっていうぼんやりしたあらすじは覚えてたけど、
さすがに細部はきれいさっぱり忘れていた一冊。
とりあえず、上巻読んでみました。
読んだ当初は自分が若かったこともあって、主人公が大人なイメージ(悪く言えばおじさん)が
あったのですが、年を経て改めて読むと、

…若いな、主人公…!!


で、この主人公、父親はローマに征服されたギリシャの商人で、
母親はその奴隷のケルト人。
父親はいずれ認知する予定だったけど、その前に急死してしまい、
主人公は数回売られ、最終的にサーカスの剣闘士に。
で、立派に務めあげて木剣もらった(つまり、自由になった)はいいけど、
羽目はずして飲み過ぎて捕まって、助けてくれたケルト人から、
自分たちの王の替え玉になってくれんかと持ちかけられるという…

いや、面白いです。
正体を偽っているというスリルと、良く分からんケルト氏族の生活に放り込まれた
主人公の目を通してみた異文化生活が、目新しくてワクワクします。

主人公が連れて行かれたのは、アイルランドからスコットランドに戻ってきたケルトの部族
(本の中ではダルリアッド族と呼ばれてます)で、太陽神ルーフを信仰してます。
要するに主神は天空神で男神です。
一方それといざこざを起こしてるスコットランドのカレドニア族は大地母神を信仰してて、
新旧の信仰形態のせめぎ合いという意味でも面白い。
更に、この地にはケルト族に被支配民の地位に追いやられた黒い人々(先住民ブリトン人)
も住んでて、話を更にややこしくさせてます。彼らも大地母神信仰者。
きっとこんなことがギリシャでもあったんだろうけど、
最終的にあそこはうまいことハイブリッドさせたよなあ!

主人公の(厳密には主人公が演じているマイダー王の)従弟である
コノリーという青年がまたいい味出してます。
これぞ脇役のあるべき姿!
主人公はどうしても無色になりがちだから、勢い、
よりクセのある脇役の方が魅力的に見えちゃうんだよなあ!
今回のワタシの一押し。
いや、でも主人公のフィドルスもいいやつですよ!

上巻の時点で、
ダルリアッドの王マイダーになり変わった主人公が
ばれそうな局面を間一髪かわしつつ、
徐々に馬族(ダルリアッド族)に馴染んでいく過程を楽しんでおります。
敵の女王リアサンの娘、マーナも出てきて、面白くなってきました!

次ィ!!


王のしるし(下) (岩波少年文庫)

ローズマリ・サトクリフ / 岩波書店

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(下)

読了。


ああ、読み終わってしまった…。

多分そうなるだろうとあらかじめ予測はしていたけれど、
やっぱり読み終わってずっしりくるこのただ事でない読後感…。
安心の良クオリティです。
やっぱりサトクリフは再話ものよりオリジナルの方がよほど良いです!
しかし、一度読んだはずなのに、わたくし、最後の場面も、間違って覚えてました。
傭兵主人公が戦いに赴くところで終わるような、戦車関連のような、
なんかそんな記憶があったのに、全く違う場面だったわたしの記憶力あてにならん!!
主人公は誇り高く生き抜き、
最後のあたりなど、惹きこまれてぐいぐい読んでしまった。
以下、この本で気に入ったところ。

・コノリーが最後までナイスガイだった。

・サトクリフの話には珍しく主人公が女の子と相思相愛になった。
(いや、大体の話でも報われるけど、これだけはたから見て分かるくらいなアレなのは
珍しいなと)

・辺境のオオカミ(地方軍団)がちらちら出てきた。
最終的に砦の司令官にまで上り詰めた
隊長の名前がヒラリオンだったりして、『辺境のオオカミ』の方の副官の血縁者かなと
想像させ、ちょっと楽しかった。

・ブリガンテス氏族の女王の反乱についても少し言及があって、
(これも有名な事件のはずだけど、不勉強でまだ詳細を知らない)
確か、『第九軍団のワシ』の主人公の相棒エスカの氏族がブリガンテスだったなとか
過去作とのつながりがほの見えて嬉しかった。


幸せなことに、未読のサトクリフ本がまだ数冊のこっているので、
楽しみに読もうと思います。
未読本に入る前に、これまた高校生の時に読んだきりの『運命の騎士』を再読する予定ですが。
岩波さん、少年文庫にしてくれて、ありがとう!


宇宙はこう考えられている: ビッグバンからヒッグス粒子まで (ちくまプリマー新書)

青野 由利 / 筑摩書房

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青野由利著『宇宙はこう考えられている』読了。

新聞の書評読んで面白そうだったので。


マジで面白かったよ!!!!


散々言いましたが、わたし、ほんとに文系人間で理系の素養が全くないのですが、
その私でもわかるくらい噛み砕いて物理の話が書いてありました流石科学記者!
今流行りのヒッグス粒子のことから、物理学の中の宇宙論の歴史とか、
興味深い辺りが数珠つなぎに書いてあった。もう、読んでる間わくわくしっぱなしで
全てのページがきらきらしてるみたいに感じてましたよ!
宇宙の話って、なんだかファンタジーだよねえ!
今この一瞬も自分がまだまだ分かってない不確定な世界で生きてると思うと、
なんだか不思議な気持ちですよ。
なんたって、世界の7割はよく分かってない暗黒エネルギーで占められてて、3割は暗黒物質(ダークマター)で、解明されてるのは3~4%にすぎなくって、生き物や地球やその他もろもろ日常生活で目にしている全てはこの数%でしかないなんて、あらかじめそのくらいの知識はあったけど、改めて言われると
なんか、すごいなあ。
素粒子も、よく分かってなかったけど、この本のおかげで輪郭だけぼんやり分かったような気になりました。
原子を形作るもっと小さな何かなんですね!物質のもととなる素粒子があるのは当然として、
力のもととなる素粒子や、質量のもととなる素粒子があると考えられていることにはビックリした。
確かに、理科の時間に地球には重力があって、とか習ったけど、
その重力ってそもそもどこから来てんのとか、
いろいろ謎なままだったので。まさか素粒子がくっついてそんなことになってたとは!
一番初めビッグバン前後のあたりは、まだ質量を付加する素粒子がくっついてなかったから
すべては光速で飛び回ってたんだってね!なんか、これもすごい。イメージだけで幻惑されます。
当時は物質と反物質が同量あって、これはぶつかるとプラマイゼロになって
そのままじゃ結局何もなくなるところを、なんかしらんが対称性が崩れて反物質の方が少なくなって、
今みたいないろんな物質が出来たとか、神話聞いてるみたいですよねえ。
その時代の説明出来る限りの方法で世界の成り立ちを語るのが神話なら、
物理学は立派に創生神話だよねえ。
そうすると、理論物理学者は現代の予言者ですよね!!


後、このワクワクする感じが、本来の哲学だと思うんですよねえ…。
(わたしの哲学定義はソクラテスで止まってるんで、おかしなこと言ってる自覚はあります。
でも、要するに、世界に対する知的好奇心みたいなもんじゃないの、ピロソピアって。)
他にも、アインシュタインの相対性理論とか、ひも理論とか、多重宇宙とか、面白そうな話が
いっぱい詰まってて、もう、語りだすと長くなって仕方がないので(理数音痴のわたしではうまく語れないし)
気になる人は本読んでください。
似たようなの、いっぱい出てますし。めっちゃ面白いから!
しかし、こういう話、身近な悩みがちっぽけに思えて割と吹っ切れるのは助かりますが、
考え込みすぎると、自分の存在のおぼつかなさに発狂しそうになりますね。ほどほどにしましょう。
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by mi-narai | 2013-08-03 17:22 | 2013年下半期の読書

『卵をめぐる祖父の戦争』 『人間の性はなぜ奇妙に進化したのか』 『世界史の叡智』

卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ文庫NV)

デイヴィッド ベニオフ / 早川書房

スコア:



デイヴィッド・ベニオフ著『卵をめぐる祖父の戦争』読了。
とりあえず、『TROY』の脚本の人の小説なので、それだけの理由で購入し、今になって読み始めました。
一気に読み終えました。
面白かった。読み終わったときも、まだその世界から抜けてこれず、ぼんやりしてしまった。
だから、友情モノはやめてほしいんだってば!!むやみと涙もろくなるからね!!!


とりあえず、あらすじの説明をば。
時は、第二次世界大戦時、舞台は包囲されているレニングラード市内とその周辺です。
ドイツ軍に包囲されて飢餓状態で市民全員飢えまくってる時に、
主人公の17歳の男の子は敵の死骸からナイフ一本取ったという理由で
味方の兵隊に銃殺されそうになり、
それを免れるかわりに、脱走兵の若者と一緒に、
偉い人の娘さんの結婚式に花を添えるウェディングケーキの材料の
卵を1ダース探してくるよう命じられる、という


なんでやねん!!!


というはなし。なんでやねん、というツッコミは、設定がおかしいとかじゃなく、
なんでこんなばかばかしい事に命をかけさせられて、いろんな人が殺されて、
もっと多くの人がひどい目に遭わないといけないんだ!という憤りの叫びであります。
でも、実際こんなもんだろうな。世の中いい人ばっかりじゃないだろうし。
なんで、なんでこんないい人がこんなアホな死に方せんといかんのだろう、というような局面が
きっと戦時中数え切れないほどあったに違いない。いや、今でもたぶん、山のようにある。
そのあたりが、リアルでもあり、一見その設定が荒唐無稽でおとぎ話のように見えるという理由で、
お話の中の残虐性をそんなに生々しく感じなくて済む安全弁にもなっていうという…

以下、雑感・

・レニングラードって、ぼんやり東独のどっかだと勘違いしてました。アホです。
どう考えても、ロシアです。以前のサンクトペテルスブルグですよ!!!
(地元民の愛称はピーテルらしい)

・語り手は著者で、著者が祖父から聞いた話をもとに書いたものが本作である、という、
枠物語の中の物語として、レニングラード包囲戦時の祖父の若い頃の冒険が語られていきます。
なんか、爺ちゃんから戦争の話を聞くというシチュエーションが、自分の祖父を思い出させて、
懐かしいやら切ないやら。
おじいたん…。
父方も母方もどっちのじいさんも、聞いたら戦時中の話をしてくれたもんですよ…。
特に父方のじいさんはねだれば快く話してくれたもんじゃった…
(もともと気のいい話好きなじいさんだった)
(でもって、ど田舎の貧乏農家の何番目かの息子に生まれたじいさんは、
三食と寝る場所が提供されるから、というだけの理由で一兵卒として軍隊に入った)
まだ激化する前に負傷して退役したからかもしれないけど、
(流石に女の孫にそこまで残虐な話はそもそもしないだろうし、)
祖父が話してくれるのは悲惨な負け戦になる前の戦線の話で、
船の上からイルカを見たとか、イギリス人に車に乗せてもらったとか、
一日中行軍でしんどかったとか、
結構、本作と同じように、若い男の子の青春物語の態を醸していて、
その記憶があったもんだから、より一層、この小説をリアルに読んでしまいました。
もちろんじいさんの思い出話よりもこの物語の状況はもっと切羽詰まってて
危機的な時期が長いんだけども、
そんなときでも、友達同士ならアホ話するし、性的なことに興味はあるし、
美味しいもの食べたら嬉しいし。こんなもんだよなあ、と。
ずーっと深刻なわけでも、ずーっとお気楽なわけでもなく、一時的に危機に陥るけど他の大部分の時間は
くだらない日常業務に費やされてたり、大したこと考えてなかったりするもんだよな。

・とはいえ、戦争中の物語ですから、通常の秩序は当たり前のように崩壊しています。
凄惨なエピソードがこれでもかというくらいおてんこもり!
でもそれがそれほど血なまぐさい印象を与えないのは、
先にも書いた、おとぎ話っぽい話の枠組みのせいか、はたまた極寒の地だからなのか。
死体も何もかもすぐに凍っちゃって、あんまり液体が流れてる印象がない。
(後、事件の凄惨さより、主人公の空腹の方がつらそう)
でも、一か所だけ、流石のわたしも「ぎゃーーーー!!!!やめてーーーー!!!!!!」
リアルムンクの叫びを実演しそうになった箇所がありました。思わず3行とばしに飛ばし読んだ。
暇な人はどこか当ててみてください。

・あらすじを読んで、主人公とコンビを組む、コーリャという青年、
頭はいいけどもっとこすからい皮肉っぽい人物を想像してましたが、
蓋を開けてみると金髪のイケメンで、
天真爛漫で伸びやかであけっぴろげな兄ちゃんだった。
アポロン:ヘルメス=7:3くらい。
いい人ですよ。
大胆で明るいだけじゃなく、意外と繊細なところもあったりするので、
その辺りのバランスがたまらん!

・で、主人公のレフにはものすごい共感率高かった。
自分のことを臆病者だと自覚してるあたりが特に。
だから、年上のコーリャに対しては、憧れや友情もあるけど、その大胆さに対しては
妬みの感情があり(自分にはけっしてあんな風になれないという確信と諦めがある)、
そのあたりの入り混じり方が、ああ、めっちゃ分かる…と。
なので、コーリャに対しては、ものすごいレフ視点で見てました。
いつもならいい男だなあと素直に思うところを、
今回は、ダメなところもあるし、馬鹿だと思う部分もあるけど、最終的に
根本的なところで信頼していて、あいつは友達!と思って見てた。
でもって、祖母になる女の子には、一緒に恋に落ちました。

・そもそも、著者が祖父の話を書きとめる、という体裁なので
(もちろん、これもフィクションですよ。実際には著者の祖父母はアメリカ出身らしい)
主人公のレフは生き残ることが確定しており、その辺りは安心して読めました。
なので余計に、祖母になる人は誰だろう、コーリャの運命はどうなるんだろう、
というところがハラハラした。


早川ミステリ文庫の棚に置かれてますが、ミステリじゃないからね!
純文学でも悲惨なだけの戦争ものでもなく、青春もので主人公の成長物語の
一大エンタテイメント作品だと思う。

(※大体アホのわたしがそんな難しい本を読むはずがない。)

あまり大層に考えずに素直に楽しんでください。
数えればきりがないくらいグリム童話みたいな残酷シーンが目白押しなのに、
最後まで読むとほんわか幸せな気持になるというか、しみじみするというか、
読後感は悪くないですよ!


文庫 人間の性はなぜ奇妙に進化したのか (草思社文庫)

ジャレド ダイアモンド / 草思社

スコア:


ジャレド・ダイヤモンド著
『人間の性はなぜ奇妙に進化したのか』読了。
このダイヤモンドさん、『銃・病原菌・鉄』とか『文明崩壊』とかが有名な方なので
勝手に歴史学者かと思いこんでましたが、
本業は進化生物学者だったのですね…。そうか、理系の人だったのか。
俄然買ったまま読んでいない上記の2作品を読む気が湧いてきました!

それはさておきこの本。
セックスとか性交渉とか乱婚とか破廉恥な単語が頻出するので、
電車で読むには肝を据えて読まねばならん一冊です。
ちょっと気にしちゃうピュアなお嬢さんは気を付けて!
でも、書いてある内容はものすごい真面目に性について考察してあるだけなので
別にエロくないですよ、そっちを期待しちゃった方も間違って買わないように気を付けて!
その証拠に、目次は
1、人間の奇妙な性生活
2、男と女の利害対立
3、なぜ男は授乳しないのか
4、セックスはなぜ楽しいか
5、男はなんの役に立つか?
6、少なく産めば、たくさん育つ
7、セックスアピールの真実
となってて、一見目を引く見出しですが、内容は動物の最大の目的である遺伝子を後世に残すという
課題について、各々の特徴がどう働いているのか、うまく適合するためにどう進化したのか、
的な考察になっています。で、結局どうなのかといわれると、今のところこういう説が出てて
作者はこうじゃないかなと思ってるんだけど、実際に真実がどうなのかは研究途中だったりして、
「まだまだ世界は分からんことだらけだな!」という感慨に落ち着きます。
いや、面白かったよ!
以下、特に思ったこと。

・男性は狩に行って、女性は子育てして家の周辺で小動物や植物を採集して
これは双方の利益が合致するからこの形なんだとずっと思ってたけど、
実はもっと複雑なのかもしれんな、と今回しみじみ思いました。
男性側の利益と女性側の利益と、社会的な枠組みと、色々な要素が複雑に
絡み合って、その上でバランスがとれたところに夫婦間の互いの仕事の割り振りが
行われてんじゃないかと。
しかも一本道じゃないかもしれないんですよ。
ある生物の特徴について、一旦別の目的でそう進化した後、さらに良い方法が見つかって、
本来の目的と違う方向に進化の結果を転用する、という2段進化の過程が説明されてて
人間の男女間の社会的関係もそう言った複雑な変遷を経ているのではないかと
類推されてて、ものすごい面白かった。
やっぱ、単純には説明しきれないもんなんだな。

・子育てにおける男女の役割には、男女が子作りにおいて支払った投資の大きさ、
子供が自分の子であると実感できる割合がこれまた関わってて、割と納得しちゃいました。
排卵が隠されている理由についての考察も面白かった。

・後、男性が授乳するのって医学の助けを借りれば無理ってこともないらしい。
育メンが流行ってんねんから、親父も子供にちちやればええねん。

・じじばばの役割についても納得した。自分ちの家族に当てはめてみると、
じじばばがいなけりゃそもそも立ちいかなかっただろうしな。
もっと日本人は(わたし含め)人生の大先輩に対する敬意を新たにせねばらなんな、と思いました。
体力がないのは確実なので、流石に政界の第一線からは退いた方がいいとは思いますが。
誰とは言わんがあいつとかあいつとか。



野心のすすめ (講談社現代新書)

林 真理子 / 講談社

スコア:


林真理子著『野心のすすめ』読了。
職場の同僚にお借りしたので、読みました。

びみょう……。

すまん、わたしは読むのがしんどかったので飛ばし読んだよ…。
(アマゾ○レビューの星の少ない意見に一番共感した)
遠くで眺める分には極端で面白い人だよなあと思うし、たぶん、
真理子さんは頑張り屋さんなんだなとも思います。
でも、視野が狭い感じがどうしてもぬぐえず…。

…いや、年上の女性に対してこのような無礼なことを言ってはいかんよな…。
むむむ…。



世界史の叡智 - 勇気、寛容、先見性の51人に学ぶ (中公新書)

本村 凌二 / 中央公論新社

スコア:


本村凌二著『世界史の叡智』読了。
世界史の有名人51人について4ページづつさらっと書いたエッセイ風の読み物。
ものすごいさくさくすすんであっという間に読み終えました。
どっかの雑誌か新聞のコラムに連載したものをまとめたのかな?と思わせる軽い読み物です。
一人に4ページしか割いてないので物足りないですが、その分広く古代から現代まで
有名人をさらってあるので、普段考えもしない人のことも読めてその点は楽しかった。
後、人物のチョイスがマニアックだったので(笑
流石に西洋古典文学分野の方なので、古代ローマ辺りまでの
ペイシストラトスとか、デモステネスとか、ハンニバル、大カトー、カエサル、クラウディウス、
セネカ、ハドリアヌスなんかは、妥当だと思う、でも
三国志からは曹操(孔明や関羽じゃないんだ)、ビザンツ帝国はテオドラ、
インドのハルシャ・ヴァルダナ(おい、懐かしすぎで詳細を思い出せねぇ名前だぜ)、
11世紀イスラムからはヌール・アッディーン(サラディンじゃなく)、
十字軍からはフリードリヒ二世(フィリップでもリチャードでもなく)、
こんな感じで有名とはいえ一番有名なところをちょっと外した感じが面白かった。
後、エッセイ風なので最後に著者の感想ちゅうか説教みたいなのが加えられてるのも面白かった。
この本村先生、勝手に論文発表し始めたばかりの若手だと思い込んでましたが、
もうすぐ定年の結構なお年の方らしく、
そう思うと苦言もなんだかほほえましく、楽しく読めました。
チュラロンコーン(ラーマ五世)に言及してあるのは嬉しかったけど、イスラム系の人があまりにも
少ないのはちょっと残念でした。
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by mi-narai | 2013-07-15 21:05 | 2013年下半期の読書

雑記 『古事記誕生』 『タネのふしぎ』

先週末相互のKさまのグループ展へお邪魔してきました。

ふ…。生絵を拝んできたぜ…!(皆の者、羨むがいい)

長い間お会いしていなかった方々にも久しぶりに会えて本当にうれしかったです。
会う予定だった方に会えたのも嬉しかったし、会えないと思ってた方にお会いできたのも超嬉しかった!
年甲斐もなくはしゃぎ過ぎて後で振り返って自分の浮かれっぷりにドン引きしたほどです。
(お会いした皆様にはご迷惑でしたでしょうが、私自身はとても楽しかった―
余韻でしばらくウキウキしたままでしたもの)
翌日はT様に付き合ってもらってU野動物園にハシビロコウさんを見に行きましたよ!
これがその証拠写真だ!↓

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なに?このぼやけた写真ではどこにいるか分からない…?
バカ者!愛が足りぬ!!

ハシビロコウさんは言われるほど全く動かないわけでもなかったけど、
さすがに3羽目は置物かと思った。

遊んでくださってありがとうございましたー!
まだまだ喋り足りませぬ、あの時申しましたわたくしの好むところのBL漫画家様が若干偏り過ぎておるように感じ、どうしてもうちょっと一般受けするあたりを口にしなかったのかとあの後深く後悔した次第でございます。て、一番の後悔がソレかい!



納豆の衝撃
こないだ、3週間ほどほったらかしにしておいた納豆を食べようとしたのです。
賞味期限はとっくに過ぎてたわけですが、
封の開いた豆腐の匂いが変わってたり牛乳がコーヒーに混ぜた時モロモロしたりするならまだしも
パックジュースやヨーグルトとかなら大幅に古くなっても平気で食べるわたくしのこと(自慢出来ん…)
納豆も大丈夫だろうと思ってたんですよ。
しかし、冷蔵庫の温度調節が若干甘かったのが悪かった、
納豆を混ぜているあたりからほのかな異臭が。
まあ、納豆なんてもともと匂うものですが、普通の納豆臭とは違う、なにやら刺激臭めいたものが
鼻を刺したわけ、この時は。
でも、深く考えずに一口食べた。

ん?

味は変わらんが、とにかく匂いが凄い。なんだろう、この嗅ぎ覚えのある匂い、キッチンハイター…?
…とか悩んでるうちに惰性で飲み込んでしまいました。
途端に感じる喉の異変。
ハッカ舐めた時みたいにヒリヒリするんですよ。
さすがに、こりゃやべぇと思った。
なんなのこれ、毒物混入…?

後でネットで調べたところによると、納豆を室温で放置すると発酵が進んで
アンモニアなどの成分が生成されるらしい。
アンモニアと聞いて、納得しました。
どこかで嗅いだ事があると思ってたのは、

サルミアッキ

の匂いだったのですよ。
言われてみれば、塩辛いし、アンモニア臭いし、うん、あれによく似てます。
サルミアッキってどんな味、と聞かれたら今度から発酵させすぎた納豆を食えと言うことにします。

本日の結論:
納豆は常温で放置しない。
(※当たり前です)



お歳暮
諸事情あって今年はお歳暮をお送りするのを見送ることにしました。
義理を欠いて相済みません。
いや、何軒か、お礼のつもりで送ってたけど、最近は却って返させるのが申し訳なくなってしまって…。
なんか、わたしが勝手に送ってただけなのに、これまで気を遣わせてごめんなさいーーーー!

相手はこんなとこ読まないのは分かってますがちょっと自分の心の安定のために叫んでみた。 



古事記誕生 (中公新書)

工藤 隆 / 中央公論新社

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工藤隆著『古事記誕生 「日本像」の源流をさぐる』読了。
先に読んだ古事記本より、さらに背景をえぐった本。
前の本は主に描かれた当時の事情なんかを考えて読み解いていた感じでしたが、
今度の本は、もっと、民族学寄りというか。
伝承をひもといて、部分部分の古さの深度を真面目に検証し、
・時代の流れ
・社会形態
・伝承の形式
・他地域とのつながり
など、さまざまなフェイズから光を当てて立体的に古事記を見直してみよう、という意欲作。
面白かった!!
これこれ、常にこういうのを求めているのよ、わたしは!

もともとの形がこんな風でこれがこういう感じで伝わってこう変化してこうなった、みたいな
途中経過・過程がすんごく気になって仕方がないのですよ!!
紙面の関係で、主に取り上げているのはアメノイワヤト伝承部分だけだったのですが、
他の伝承も全部やってほしいです超希望。
できればギリシア神話もやってほしい…。

本の最後のあたりに、日本のアイデンティティーについて考察する章がもうけてあったのですが、
それも興味深く読みました。
確かに、ギリシアの場合は神殿はすでに遺跡だけど、日本の神社は今でも信仰の対象で
古事記の時代からの伝統を脈々と受け継いでいるのだものなあ、
これはなかなか無いことですよ。
海外のもう今は信仰が途絶えた多神教の神話とか伝承とか勉強する日本人は、
実はかなり有利なのかもしれませんよ!頑張れ!


タネのふしぎ タネは光の色を見分けるか? 「不老長寿の秘薬」と呼ばれるタネは? (サイエンス・アイ新書)

田中 修 / ソフトバンククリエイティブ

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田中修著『タネのふしぎ』読了。
職場の上司にただでもらったので読みました。
その上司、前に一度だけ日記に書いたことがあるかもしれませんが、
京都生まれの京都育ちのシルバー紳士で、ものすごいゆっくりした京都弁で
お話しされるんです。
萌を吐露していいですか。

かわいいのよーーーー!!!

わたくし、筋金入りのじじいスキーでしてよ!
特にかわゆい系のおじいたまには目がなくってよ!!
その方、不意打ちでものすごい普通の顔で冗談とか言ってくるのでとっさの対応に困りますが
でもかわいいからいい。なにもかもかわいさの前には吹き飛ぶ。
お目にかかれた日はウキウキしますよ!
(でも、フロアが遠いのでなかなか見かけないの、だ…)

で、問題の本ですが、
タネの発芽状況から何から科学的なアレコレを大変わかりやすく書いた本です。
全く理系の素養のないわたしでも分かるので、
全国の文系の皆さんは自信を持って読み進んでください。
途中お米のうまみの正体とか、穀類の栄養分とか、雑学ネタも織り交ざってるので
一般人でも読みやすい。
しかし、生き物でもなんでもこの世に存在する全ての物は、うまいこと出来てると常々思ってたけど、
こうして細かく説明されると、本当に、あらためてしみじみそう思います。
些細なところまできれいに、上手に、歯車がかみ合ってるような快感というか。
遠赤外線を当てると種から芽が出ない理由とか、根が地中に向かって伸びるしくみとか、
知ると本当に驚嘆しますよ!


太田忠司著『月読』『落下する花』も読み終えて、今は『古事記の起源』読み進んでます。
けど,長くなったので次回。
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by mi-narai | 2012-12-02 22:23 | 2012年11月・12月の読書

『アンティキテラ』 『世界史の中のアラビアンナイト』 『落下する緑』他

トゥルグット・オザクマン著『トルコ狂乱』
2センチくらいまで読み進んだ(センチ換算すな)。
感想は読み終わってから纏めて書きます。


アンティキテラ 古代ギリシアのコンピュータ (文春文庫)

ジョー マーチャント / 文藝春秋

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ジョー・マーチャント著『アンティキテラ 古代ギリシアのコンピュータ』読み終わりました。
確か数年前に相互さんのshocacoさんも読んだと仰ってたようなないような…(ウロ)。

めっちゃ面白かった…!!

アンティキテラの謎が解明されていく過程に、それに関った人間たちのドラマが
重なって、二重に面白い出来に…!

第1次世界大戦前後、ギリシャのアンティキテラ島の近くで、
海底の海綿採集を生業とする漁師さんが沈没船を発見したところから物語りは語り始められます。
当時、トルコから独立したばかりで国民の民族意識を高めたかったギリシャ政府は
この発見に飛びつき、大掛かりな引き上げ調査を断行。
知らんかったけど、それまで沈没船が学術調査用に引き上げられた事とかなかったんだってね。
その過程で、当時の技術が未発達だったせいで引き上げに関った漁師さんが何人も潜水病に
掛かった件などを交えつつ、
話は引き上げられた一つの小さな箱に集約されていきます。

この箱、なんだか、なにかの機械に見えます。
内部には、当時の技術では考えられない歯車の組み合わせが。
一般向けにはさほど注目されず、最初は博物館の収蔵庫に超適当に放置されていたんだけど、
ごく一部の学者や技術者などの間では議論が巻き起こったみたい。
わたしなどは全くの文系で見ても良く分かりませんが、
多分、技術者が見たら、その機械の仕組みがもうちょっとで分かりそうに見えるんだろうなあ。
そのあたりの逆転裁判の仕様にも似た、丁度いい難易度が、
解明してやろうという意欲を掻き立てたんだろうなあ。
色んな人が『よっしゃ!ワシこそがこのからくりの仕組みを解き明かしてみせよう!』と
この謎にのめりこんで、それぞれ説を立てていくけど、正解には到達しえず、一生を終えます。
そうこうするうち、科学技術の発達によってもう少し内部構造なんかが分かるようになって

近年ようやく全貌が見えてきた…!

という、実はけっこうホットな話題なのでした。

アンティキテラ島の機械の謎に夢中になった人々の中には、高名な学者の他に
一介の学芸員さんもいて、わたしはすっかりその人びいきになってしまいました。
学者の人が特権としていろいろ優遇される中、その人は自分の出来る範囲の事を頑張ってこつこつやり、
時にはライバルの学者に研究成果を盗まれたりしつつもひとつひとつ機械の仕組みを解明していくの。
友人面して近づいてきてそ知らぬ顔でその学芸員の研究を盗んだ学者たちに憤り、
大学教授との待遇の差にも憤り、
アメリカのプロジェクトチームに負けるな!と心の中で応援しつつ読んだもんね!
最後、ほぼ全ての謎が解き明かされた暁には、なんだか読者にまで
「やったったで!」という達成感が。


世界史の中のアラビアンナイト (NHKブックス No.1186)

西尾 哲夫 / NHK出版

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西尾 哲夫著『世界史の中のアラビアンナイト』読了。
アラビアンナイトそれ自体の学術的な解説というよりは、
歴史の中でアラビアンナイトが現在のような形にどのようにしてなったのか、を丹念に追った本でした。
そもそも、この千夜一夜物語(原題はアルフ・ライラ・ワ・ライラ)、
ご存知のシェヘラザードが命をかけて王に物語を語る、という枠物語があるので、
その形式に則ってれば内容はどんなものも入り得るというアバウトな作り。
おそらく、アラブで、公式の場じゃなくて(内容がエロと魔法に溢れておるからな)
家の中とかで語られて楽しまれてたんじゃないかと推測されてます。
そんな物語が記された本を見つけたヨーロッパ人がヨーロッパで出版し、
タイトルが千夜一夜なもんだから、やはり物語り1000夜分ないといかん!などと
1000夜分のお話を内包する正典(そんなもんそもそも存在するのか?)をさがし、
欧米が産業革命を経た辺りからはそのアラビアンナイトに描かれる官能的な中東のイメージが
征服の対象としてのアラブという帝国主義の政策に利用されていく過程が説明されていました。
ちなみに、日本には西欧から伝わったので、アラビアンナイトイメージは
モロ西欧視点のものらしい。なんだか反省。

それにしても、最初のさわりの辺りで、日本のアラビアンナイトマンガとして
『月光条例』と『マギ』が取り上げられていてちょっとビックリしました。
どうせなら『遙か遠き国の物語』も付け加えといたらよかったのに。


現代政治学入門 (講談社学術文庫)

バーナード・クリック / 講談社

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クリック著『現代政治学入門』
お気に入りの

「政治と愛とは自由人の間で可能となる束縛の唯一の形式である」

というフレーズの載っている本。
結構ところどころで使ってるので、使っている以上原本も読んどくか、と。
薄くて字も大きいのになかなか進みません。これは訳が悪いからだ!(責任転嫁)
でも、おバカなりに、これ、という信念に固執せず、状況に応じたフレキシブルな
対応を心掛けるべきだという著者の意見には大きく頷いたりも。
この本、書かれたのが若干昔なため、作中にソ連とかゴルバチョフという単語が
何度か出てきて、時代を感じさせます。
ようやく半分過ぎた辺りまで読み進みました。
とりあえず、上のフレーズ目ざして頑張ります!


落下する緑―永見緋太郎の事件簿 (創元推理文庫)

田中 啓文 / 東京創元社

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辛い飴 (永見緋太郎の事件簿) (創元推理文庫)

田中 啓文 / 東京創元社

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田中啓文著『落下する緑』
『辛い飴』
娯楽本その1その2。
宣言どおり、田中本ミステリーを読んでみました。
とりあえず、ジャズミステリーです。
他の出版社から出ている落語本に引き続き、ミステリー要素はごくごくあっさり。
それより、ジャズに関する記述が大変に秀逸でございました。
ジャズなどほっとんど聞いたこともないこのわたしが
「聞いてみても良いかな」などと思ってしまう恐るべし田中マジック!
ミステリー要素はなくてもいい、という気持ちになる本です。
(ミステリー本としてそれはどうなのか)。

語りはワトスン君的な、穏やかな中年トランペット奏者。
探偵役は年若いサックス奏者。
この探偵キャラ、音楽と演奏にしか興味がない変人、という記述があったから
さぞかし気難しい眉間に皺寄ったタイプかと思ってたら
期待を裏切る天真爛漫な明るい子でした(でも音楽知識以外は大分欠けてる)。
この辺りが大分好感触。
だって、いい演奏聞いたら、素直に感動して滂沱するんよ、この子!
対人スキルに関しても、人見知りでもなく、常識ある反応を返せる子ですヨ!
ええ子やん(探偵役なのに!いいの、こんなに善人で!?)!!

さらっと読めました。


茶坊主漫遊記 (集英社文庫)

田中 啓文 / 集英社

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田中啓文著『茶坊主漫遊記』読了
新しく本屋で出てたのでなんとなく買ってみた、時代物。
ちっこいしわくちゃの坊さんと、御付のガタイのいいお侍と、口達者な商人のチン道中。
水戸黄門的なものを目ざしたようで、行く先で事件が起こり、
一行が解決する、という筋立てです。
これまたミステリー仕立てで、それに老僧の正体とか、商人の正体とか、
一行を追う(老僧の命を狙っている)柳生十兵衛の事情とか絡められてて
これまた、さらっと読めてそこそこ楽しめるエンタメでした。続きを望む。



多読
『The Wind in the Willows』レベル3くらいのやつ。
要するに、楽しい川辺。
ねずみくんともぐらくんはいい人です。
カエル君は、ほんっま、こいつ人の言う事聞かんどうしようもないやつやけど、
最後にいいカエルになっちゃうと、なんか、物足りなかった…。


ケイ・ヘザリの『Humberger』(レベル4かな)
日本に14年間住んで、今はテキサスに帰国したアメリカ人のエッセイ集。
分からない単語を読み飛ばしつつざっくりしか内容がわからないという
オノレの相変わらずの英語能力の低さを自覚しつつ
でも面白いです。
テキサスってロマンス小説で、マッチョな男の典型が良く出てくる舞台なんですよね。
THE西部、というか。南の方で、アメフトとかスポーツが人気で、兄ちゃんは
すべからくカウボーイハット被って、分厚いステーキ貪り食ってるイメージ。
(※超個人的な印象なのでみなさんは鵜呑みにしないように)
ロマンス小説のおかげで自分の中にたいへんに偏ったアメリカ地域イメージが定着しつつある
今日この頃です。
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by mi-narai | 2012-03-03 12:06 | 2012年2月の読書

『ハナシがうごく!』『蓬莱洞の研究』『日本ひとめぼれ』ほか

12月が終わる前に読書メモをば!


毒草師

高田 崇史 / 幻冬舎

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『QED』河童の話と毒草師の話
貸してもらったので読んだ本。
河童の話の方、犯人の人が可哀想過ぎるやろ…!
作者のこだわりとか、その犯人を歴史上の人物になぞらえたとか

そんなんはどうでもええんじゃ!

『毒草師』
これまでと語り手がかわり、探偵役も代わるのでちょっと目新しくて面白かったです。
(とはいえ、探偵役は相変わらずのパターンなんだけど。
こういう人物造詣が好きなのかな、この作者?)
語り手の青年が、探偵役の人に2回も「幸の薄そうな若者」とか言われてて笑った。



ハナシにならん! 笑酔亭梅寿謎解噺 2 (笑酔亭梅寿謎解噺) (集英社文庫)

田中 啓文 / 集英社

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ハナシがはずむ! 笑酔亭梅寿謎解噺 3 (笑酔亭梅寿謎解噺) (集英社文庫)

田中 啓文 / 集英社

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ハナシがうごく! 笑酔亭梅寿謎解噺 4 (笑酔亭梅寿謎解噺)

田中 啓文 / 集英社

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田中啓文著『ハナシにならん!』
『ハナシがはずむ!』
『ハナシがうごく!』読了。

うっかり一気読みしてしまいました。
相変わらずの竜二と師匠のバイオレンスなやり取り(笑)をはさみつつ
竜二が新作落語に手を出したり、東西対決に巻き込まれたり、
地方に巡業に出てみたり、M1に出場してみたり。
1巻目よりも巻を追うにつれ面白くなってます!!
(1巻で挫折した人も、頑張って2巻目を読んでみてくれ)
でもってところどころ師弟愛なんかも垣間見え、笑いだけでない読みどころも充実。
(がっつり正面切って愛を謳うんでなく、ちらっと仄見える程度なのが
恥らいっちゅうか、奥ゆかしくって余計心に来るんじゃよ!!)
(しかし、3巻ラストの師匠の台詞には腹を抱えて笑った)
でもって、やはり読み終わると落語が聞いてみたくなる罠。
はやく5巻目が文庫化してくれないかと、首を長くして待つ次第であります!

江戸落語の若手ホープ、あぶ虎兄さんが超かっこイイよ!



蓬莱洞の研究 (講談社文庫)

田中 啓文 / 講談社

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邪馬台洞の研究 (講談社文庫)

田中 啓文 / 講談社

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田中啓文著『蓬莱洞の研究』
『邪馬台洞の研究』読了。
『ハナシ』シリーズが気に入ったので、別シリーズも古本屋で買い求めてみた。
こちらは、子供向けに書かれたシリーズです。
民族学研究会の高校生たちがとんでもない学園で色々荒唐無稽な事件に遭い、
漫画みたいな技を繰り出しつつ、底なしの胃袋に色んなものを詰め込みつつ、
最後の落ちもありえない方向で〆。
…みたいな、ぶっ飛んだ話なんだけども、作者も読者も、
冗談だとわかっててほら話を語ってるみたいな明るい雰囲気があって、
なんか、読み進むうちに楽しくなってきました。
登場人物たちも、あまり男子にもギャルに訴えない方向に個性的で、
(まず主人公がさばさばした色気より食い気の女の子で好感度大)
最初は、なんちゅう布陣で来るんやこの作者、やりすぎやろ、と思ってたんですが
ページが進むにつれ馴染んでしまいました。おそろしい。
とりあえず、次の1冊で終わる予定らしいので、続きも読みたいと思います。


進化しすぎた脳 (ブルーバックス)

池谷 裕二 / 講談社

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池谷祐二『進化しすぎた脳』大体読了。
妹がめっちゃおもしろかったと薦めるので読んでみました。
確かに!面白い!
脳に関してとりあえず判明しているような研究内容が簡単に説明してあって
(これも、著者が高校生に説明する形でかかれている)
分かりやすかったです。
…とはいえ、文系の私、途中で間が空くと、一体何のハナシをしていたのか
さっぱり理系の話題についていけなくなり(脳の神経系に作用する物質の話題とか、
物質名とそれがどう作用するかを次読んだときには綺麗サッパリ忘れている)
後ちょっとというところで辛くなって辞めました。
大体読んだから良しとしとく。


日本ひとめぼれ―ユダヤ系作家の生活と意見 (同時代ライブラリー (292))

ロジャー・パルバース / 岩波書店

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ロジャー・パルバース著『日本ひとめぼれ』
今読み中。
本当は、同じ著者の最近の『もし、日本という国がなかったら』という本が
気になってたんですが、まだ出始めすぎて図書館に入っていないので、
以前の本である本書の方を借りてみました。
(ていうか、母の貸し出し分で借りてもらった。ペナルティ中の私)
もう15年上前に出された本。ひとめぼれと書かれている割には苦言が多いぞロジャー。
けどまあ、欧米人に言われたら
「なにえらそうに上から目線で語っとんじゃ、ああ?お前に日本の何が分かるねん」などと
腹を立てていたかもしれないことも、作者がユダヤ系ということでさほど気にならないあたり
わたしも現金ですね。(だってヘブライ語はセム語族だし。や、まあ今は色々混ざってるんでしょうけど)
作者は、徹底的に弱者が虐げられるべきではない、という平等の精神によって立っていて、
日本人として耳がいたい部分もたくさんあるけど、男女間の不均等に関しては
作者の意見は全くそのとおりだと思います!!(握り拳)
後、ユーモアに関しては、
常々思うんだけどさ。アメリカのジョークに笑わないのは、日本人にユーモア精神が
ないからじゃなくて、単純に

お も ろ な い か ら

やでな、あれ。大雑把過ぎるやろ、ネタが。
後、権力者を批判してジョークのネタにする事が日本では少ないというのは、まあそらそうなんだけど、
一般に相手をこきおろす種類の笑いは悪口とか悪意と紙一重で
悪意が勝つと笑いより不快感の方が先に来ちゃって微妙なんですよね。
(だから芸人のネタには自虐とか、不快感を帳消しにする相方のツッコミがあるのだと)
その辺は、どの程度まで面の皮が厚いか、批判に耐え得るか、みたいなところとも連動してて
国民性もあるのかなあ…(ユダヤ人て、タフそう)。
とりあえず続きを読みます。

これってバブル崩壊直後の本なので、最近出た『もし』の方とも読み比べてみたい。
早く図書館に入る事を願ってます。


多読
貸し出し禁止がまだ解けないので手持ちの『アボンリーへの道』のノベライズを読み中。
大好きな『アレックに乾杯』の回。
今回も分からない単語頻出で、妄想力が鍛えられます…!
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by mi-narai | 2011-12-30 16:34 | 2011年12月の読書

『生物と無生物のあいだ』 『街場のアメリカ論』 『ユダヤ人を救え!』他

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

福岡 伸一 / 講談社

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福岡伸二著『生物と無生物のあいだ』読了。
さすが賞を取った本です、面白かった!
最初は、分子遺伝学の歴史、DNAがどうやって発見されるに至ったか、を書いてるだけかと思ったけど、
(それだけでも面白かったけど)
最後の、生命の不可逆性にどきっとさせられました。
生命のモデルを考える時、ロボットみたいに考えがちだけど、途中で止めたり、取り替えたりできる
ロボットと違って、生命は一度プログラムが組み込まれてしまうともう取り替えが効かず、
途中で止めるとやり直しも効かず、本当に一発勝負なのですヨ。
もし必要な遺伝子を最初から全部抜いたら、他のものでなんとか代用しようとするので
生まれてくる子供は通常どおりなのだけれども、
部分的に欠如した場合、ある程度は存在するのでうまく代用がすすまず、異常が現れてしまう、とか、
目から鱗でした。
命は大切だ、とは良く見る字面ですが、誰がそれを実感できているのでしょうか、
わたしも普段はそうだなあとは思いつつも本当に実感は出来ていなかったように思うのですが、
今回この本を読んで、実感のほんの端っこをかじるくらいは出来た気がします。


街場のアメリカ論 (文春文庫)

内田 樹 / 文藝春秋

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内田樹著『街場のアメリカ論』読了。
仏文学者の著者が門外漢の立場から、アメリカについて書いた本。
ていうか、アメリカに対する日本人の意識に着いて書いた本。
毎回この人の話を読むと、胡散臭いなあとは思うんですが、面白いんですよね~。
今回も、「そうかなあ」と思う部分もたくさんあったけど、概ねはにやにやしながら楽しく読めました。
日記を書かない間に読んだのが大分前になってしまったので記憶が朧なのですが、
その中でかろうじて印象に残っている事と言えば

・親幕府フランス人
 幕末、維新側にはイギリスが、幕府側にはフランスが、主に援助していたのですが
(ざっくりした説明だなオイ)
フランス人には結構親身に幕府の人と仲良くなった人も居たみたいで
最後幕府が敗れてからも、幕府の残党と共に戦ったりしたんだって(へー、知らなかった)。
なんか、ちょっとキュンと来た。

・アメリカ人の自己イメージ
 結構「どうせ嫌われてるし」と思ってるみたいで、これにも若干キュンと来た。

・アメリカの政治の仕組み
 人間は権力につくと腐敗するものだ、ということをよく分かっていて
その上で、一般国民にトップが無能な事で引き起こされるダメージがなるべく行かないように
設計してあるらしい。
クールです(C/内田)。
そもそもイギリスから独立した経緯があるから、自国民のトップに対する不信と言うよりも、
英国に対する不信から、そんなことになってるような一面はあるようなんだけど、
それでもやっぱ政治の仕組みはそうして作るべきだよなあ、とわたしも常々思ってたので
思わぬところで同意してしまいました。
政治家の皆さんが皆が皆腐ってるとは思いませんが、皆人間なんだから誘惑は少ない方がイイですよね!

なんだか、読み終わると前よりアメリカがちょっぴり愛しくなりました。


飢えたピラニアと泳いでみた へんであぶない生きもの紀行

リチャード・コニフ / 青土社

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リチャード・コニフ著『飢えたピラニアと泳いでみた』途中まで。
自然専門のジャーナリストが、取材中などにぶち当たった出来事や感じた物事を書いたエッセイ、的なもの。
もっと生物的な内容を踏み込んで書いてあるのかと思ってたんですが、
どちらかというと、もっと叙情的な感じだった。
なんというか、動物や自然を取材して、筆者が感じた事もあますところなく書いてある感じ。
カブトガニの項目では、環境政策に絡めて書いてあってなんか考えさせられました。
思ってたのと違ったけど、面白かったです。
でも、次の本が溜まってたので3分の1ほどで返してしまいました。


ユダヤ人を救え!―デンマークからスウェーデンへ

エミー・E. ワーナー / 水声社

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エミー・E. ワーナー著『ユダヤ人を救え!』読了。
第二次世界大戦中、デンマークに在住していたユダヤ人の9割は助かったらしい。
それは、デンマークが国中で、全国民が一緒になってドイツをだまくらかして
ユダヤ人を対岸のスウェーデンに逃がしたから。
そんな史実について、関係者の証言を中心に書かれた本。

予め大体のユダヤ人が助かると分かっているので安心して読みました。
それでも、デンマークの港町から逃れる部分にはハラハラしたし、
スウェーデン側の受け入れには涙しました(ズビバー)。
結構、分かってて見ない振りをしてくれたドイツの軍人さんもいたようですよ。



現在黒田龍之介著『ロシア語の余白』読み進み中。
ロシア語の発音はなんか綺麗だなあ。



映画『ナルニア』3見に行きました。
3Dに意外に違和感が無かった。
なんか、原作を読んだのが昔過ぎてどういう話がベースだったのか全く思い出せない…
(エンディングはあんな感じだった気がしますが。あとユースチスの不幸と)
とりあえず、ペベンシー家の下の二人はいい感じに育ったなと思いました。
カスピアンは優しい顔立ちなのであまり髭が似合わないけど(もうちょっと年をとったら
いい感じに似合ってくると思う)。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::

ご連絡くださった皆様、ありがとうございます(ご無事でよかったっス!安心しました)!!
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by mi-narai | 2011-03-21 22:23 | 2011年3月の読書

『近代大阪経済史』 『オスは生きてるムダなのか』 『街場のマンガ論』

某N●Kの番組で、銀閣寺の本来の姿を予想してCGで再現してるのをたまたま見たんですが、

これがえっらい美しかったの!(白亜の寺ですぜ…)

しかも月見の館だと…!!
月を愛でて酒を飲むためにわざわざ作ったとか…(なんと風流な)

どっちかというと、月見で一杯いきたい派であるワタクシ、つくづく、
日本が月を見て気が狂うとか色々不吉なものを連想する西洋式の伝承を持つ国でなくて良かった!
と心から思った次第であります!

同じ事を虹に対しても最近思ったけども(笑)。
(綺麗なものを見てあんまり不吉な事を連想したくないよな~)

蛇足ですが、番組内で、銀閣寺の一階の4畳半の説明をするときにバックに流れてた都留さんの曲、
好きなんですよ~。(タイトルがこれまた『月をつくった男』)


近代大阪経済史 (大阪大学新世紀レクチャー)

阿部 武司 / 大阪大学出版会

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阿部武司著『近代大阪経済史』、半分くらい読んだ辺りで返却期限がきて泣く泣く返却。
いきなりなんで経済史かと思われるでしょうが、別に政治経済に興味があったわけじゃなくて、
某『●馬伝』に出てくる長崎商人があまりにカッコいいので、
もっと商人に浸りたくなっただけという(そんな他愛無い理由で借りました)。
しかし、この作者の方、大阪大学の教授だけど、東京出身の方なのね。
その分余計な感傷を交えずに事実だけ著しておられそうな気がするので期待大です。

最初は大阪商人の変遷(江戸時代あたりから戦前まで)から始まって、徐々に詳細に移るのですが、
幕末、大名が借金踏み倒したり、
維新後、政府に金を毟り取られたりしてダメージを受けたくだりを読んだ時には、
人事ながら腹が立ちました。権力の側ってのはなんで毎回こういうことを…!!!

しかしそれでもめげない大阪は素晴らしいです。
商都として発展して自分たちの事は自分たちでする気風の強かった大阪、
横浜・神戸の港が官費で整えられたのに対して、大阪港は地元が金出したらしい(スゲエ)!
これからも大阪さんには頑張っていただきたい!と思いました。
褒めすぎですか。褒めすぎですね。
どうもワタクシ2府には夢を見ていたいという願望がございまして…。

後、明治の大阪の発展に関った鹿児島の人、五代友厚(才助)はやっぱりかっこいいなあ☆


オスは生きてるムダなのか (角川選書)

池田 清彦 / 角川学芸出版

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池田清彦著『オスは生きてるムダなのか』 後もうちょっと。

この本、めっちゃおもろい!!

いきなり失礼しました。


以前読んで面白かった『生きる力、死ぬ能力』と同じ作者の新刊です。
しかもタイトルがコレ。
これはもう買うしかッ!

と、本屋で見つけて即レジに持っていった一冊。
期待を裏切らない面白さです。
具体例をあげつつ、性というしくみは、一体いつ誕生したのか。死の起源との関りは。
オスメスに分かれて生殖するとどういうメリットがあるのか。
メリットだけでなくデメリットは。
性の進化。人間の性決定。
などという根本的な疑問をひとつひとつ解き明かしていくんですが、
その過程が分かりやすく、かつエキサイティング!
「性」というものを生物学的に説明してあります。
例によって、理系に弱いわたしでも理解できるよう噛み砕いた易しい言葉で。(ありがたや)

以下、特に心に残った箇所を箇条書きで(毎回の事ですが、わたしの心に残るのは
大体本筋とはなれたどうでもいいことです)

・性があるのは生物としての多様性を増やして環境の変化に対応するため、
という説はこれまでいろんなところで聞いて知ってたんですが、
それに加えて減数分裂時に遺伝子の損傷を修復するためでもある、という意見には
目から鱗が落ちました。なるほどー!無駄のないように出来てんな~

・ネオテニー(幼形成熟)のはなし。
難しい話はようわからんが(各自本を読んで確認してくれい)
ざっくり言えば幼い外見で出産可能年齢になれるほどネオテニーが進んでいる。
そして、ネオテニーが進んでいる方が長生きであるらしい。
そう言われてもしっくり来なかったんですが、「東洋人はよりネオテニーが進んでいるので
そのことは東洋人の長寿の秘訣にも関ってるんじゃないか」という言葉には納得した。
「勝った…!」(笑)。

・死の起源の辺りの話は、『生きる力、死ぬ能力』で読んだような感じだった。

・オスが提供するのは情報だけで、基本生殖における主役はメスである、
というあたりも前に読んだ本を補強してる感じ。

・性的に激しい(※オス同士の争いが激しかったり)生物の方が
ペニスが大きいという叙述には笑ってしまった。
人間は他の生物(多分霊長類とか)と比較した場合、割合的には大きい方なんだそうですが、
これって国別平均も当てはまるのかしら(笑)

・途中で先生、
「オスは生きている無駄であるとわたしは思う」
と言い切っちゃっておられます(いいのか!?)。
…この箇所読んだ時にやにやしてものすごい気持ち悪い人になってしまった…


まだ5分の1ほど残ってる状態ですが、ここまで読み進んで

「ああああああ、オスじゃなくて良かったー!!!!」

と深く思いました。いやまあ人間の場合は男性より筋力が弱いせいで色々不便も有るんですけども。
でも、基本、生物として強いのはメスなんだなあ…(しみじみ)



数日後、読了。
残りの少しのページは、人における性の決定に付いてでした。
体の性の決定と脳の性の決定とか、ホルモンのどの成分がどう作用してるかとか。
面白かったよー!


街場のマンガ論

内田 樹 / 小学館クリエイティブ

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内田樹著『街場のマンガ論』読了。
さらさらーっと読めました。
この人の本、ていうか、この人、沢山本出し過ぎです。
言う事もイマイチ胡散臭い気がするし、面白いんだけど買ってたらキリがないので
よっぽど面白そうなもの以外は買わないことにしてるのですが

これはマンガ論だったので!

読み終えてこの本の趣旨を一言で言えと言われれば、

マンガ万歳!

でしょうか(略しすぎ)。

いやあ、マンガっていいですね!日本の文化ですね!
でも文化と祭りあげてしまうと自由さが失われるから、
ちょっと文学には足りないサブカルチャーと思われてるくらいが良いよね!

と読後しみじみ思うこと請け合い。
くっそー、今回もまたしてやられた感満載でした。
漢字とカナのハイブリッド文字である日本語を駆使する日本人だからこそ
ストーリー性を持ったマンガという一大コンテンツをここまで創りあげる事が出来た、
という論とか、
少女漫画を読解するには少女漫画リテラシーが必要、とかいう意見とか
面白かった!!
もちろん、「いや、お前の言っている事には同意できない」という部分も
半分ほどはあったのですが(BLについてとか)

でも、著者もガラスの仮面を全巻持ってるようだから
全てそれで許しちゃう!



多読
『King Arthur and the knight of the round table』(レベル2)
アーサー王について書いた本。
返却期限超過しちゃったので、アーサー王がグウィネヴィアと結婚して、
円卓の騎士たちがそれぞれ冒険して、
モルガン・ル=フェがアーサー王の邪魔をしたりする辺りで
返却してしまいました。


『Julius Caesar』(レベル2)
前回の侍本に引き続き、不親切なアメリカの出版社の本。
文章は簡単だけど副詞とか形容詞とか変に分かりづらくて

読みづれえよ!!!

ちくしょう、アメリカ人め…(涙目)。

もう途中で(三頭政治→各地を転戦して勝利→娘・ユリアの死に伴うポンペイウスとの蜜月の終焉辺り)
「カエサルさんの人生なんてどうでもいい!!!」という気分になり、
一番最後の
「こうして共和政ローマは終わり、ローマ帝国が始まりましたとさ」
という一文だけ読んで終わった事にして返却してやりました。
すまん、カエサルさん。恨むならアメリカ人を恨んでくれ。


『Long-ago stories of Japan』(レベル2)
こちらは日本の出版社が出した多読本。
うって代わって読みやすいです。

ありがとう、日本の出版社…。

桃太郎とかちかち山読み終えたところ。次は花さかじいさんです。
犬の名前がちゃんと ぽち じゃなくて しろ になってる
(※時代考証的にしろの方が正しいらしい)
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by mi-narai | 2010-10-17 22:43 | 2010年10月の読書

雑記

さっき、某N◎Kのくろーずあっぷ現代で「ダークマターの謎へ迫れ」ちゃらなんちゃらいう番組を見たんですヨ。


面白かった…!!!!


おおお、このワクワク感をどこに表明したら…!!
と思って単純にここにメモってみました。あほだろ、わたし(ええあほです)。
いやね、以前から、ちょくちょく耳にするダークマターて単語、気にはなってたんですヨ。
で、今日満を持してテレビ見たわけですが、その番組で好奇心が全部満足したかというと、

アホい頭ではよう理解できんかった(ダメダメです)

それでも、まだ解明されてない宇宙の話とか聞くと、
子供みたいにハラハラドキドキしますよね~(誰に同意を求めているのか)。

なんか、わたしの中ではこのワクワク感、
神話を聞いてるときとさほど変わらないんですが、どうなんだろう。
だって、わたしたちの知ってる物質はこの宇宙の2割ほどに過ぎないんですヨ!
残りはいまだ感知できない謎の物質なんですよ!
だいたい、ビッグバンだって、この世界が今の形でこうある事だって不思議だよなあああ!!!!

結局、科学も神話も、世界をどう説明するかの問題なんじゃないかと思うんだけども
(しかしこんなざっくり書いたら真面目に科学をやってる人に申し訳ないなあ、スミマセン)
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by mi-narai | 2010-09-13 21:10 | その他