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ラジオ、TV、『イオニアの風』

今更ではございますが

響也の声=浦島 マジでー!?(驚愕)

コルダ4 マジでーー!?(大喜び)

マジで2連発でした。
二つ目の驚きは嬉しい驚きですよ!嘘予告とかじゃないよね、コー○ーさん!?


それはさておき、最近のわたくしの娯楽、それは

夏休み子ども科学電話相談

でございます。
先日ようやく「パソコンでラジオを聴く」という技を会得したわたくし、
二ヶ月間、田中先生のラジオ講座を視聴したその流れで、
調子に乗って上記のN○Kラジオ第一も聞いてみることにしたのでございます。
(田中先生が植物担当の回答者として出演してらっしゃるから)
あ、でもやってる時間が時間やから、仕事始まるまでのわずかな間だけやけどね。

いやー、これが思いの外楽しくって!
小学生のイノセントな質問、
難しい単語が使えなくって四苦八苦する先生方
(なんとか分かるように簡単に答えようと頑張る姿に全視聴者感涙)、

説明に付いていけなくってだんだん声が小さくなっていく質問者…、
やりとり全てに癒されます。
それだけでも十分お釣りがくるほど楽しいのですが、
先日Togetterの「まとめ」見つけちゃったの!
こちら
子ども電話相談聞いてた諸先輩方のつぶやきを親切な人がまとめてくれてるんだけど、
それ読んで、腹が捩れるくらい大笑いしてしまいました
皆、うまいことツッコんでるなあ!!
(わたしも、田中先生は「言うてみて」と「覚えてね」が多すぎると思ってた!)
それに、わたしが聞けない時間の質問と回答もチェックできて二度おいしい仕様。
ちょっと!みなさん!カラスって黒くないんだよ!
鳥って人間より見える色が多い、って話は、なんかの雑誌で読んだけど、
カラスの目を通すとあの黒い羽、鮮やかな青に見えてるらしいよ!(マジかー!)

8/6から8/23までは高校野球中継でお休みなんだけど、
8/24、8/25は確かまた田中先生が植物の回答回なんで、
聞ける時間だけでも聞くぞー!
と決意を新たにした今週のわたしなのでした。


見たテレビの話

コズミック・フロント・NEXT
『月の発光現象』の回
月って、近いのに意外と知られていない天体なんだなとしみじみ実感する回でした。
そりゃ、地球のことさえまだちゃんと分かってないくらいだもんな。
とりあえず、コレ、と思ったポイントを手短に箇条書きに。

・月が発光してるって報告があることさえ知らんかったよ!
いや、月は毎晩光っちゃいるんだけど、それとは別に、月の一部がちかっと瞬くことがあるんだそうですよ。

・しかも何種類も発光の原因があるのにもびっくりした。

・そのうちのひとつ、レゴリスが原因の発光現象が幻想的で好き!
月の表面を覆っている細かい砂をレゴリスというらしんだけど、
その砂は光を浴びるとプラスの電荷を帯びるんだって。
月には大気がないから、直接光が当たるし、オマケに重力も弱いし、
日の出の時には、光の当たった部分のプラスになったレゴリス同士が反発しあって
空中にふわーっと浮かんで、それが光を反射して、遠くから見ると
その部分だけ帯のように光っているように見えると。
その映像がまたね!細かい光が宙を待っているのがとても煌きらしくて、
すごく美しかったのですよ!

・もひとつの、ラドン原因の方も、面白かった。
地下にウラン鉱脈がある場所が光る、って話なんですが、
ウランが分解するとラドンになるの?そのへん詳しくは知らんけど。
そのラドンが地面の割れ目を通って地表に出てきて、発光するんですよ!
割れ目が出来た経緯もすごかったけど(ちょうど反対側にえっらい勢いで隕石がぶつかったから)、
ウランが分解した経緯もスリリングでした。
潮汐力で月や地球は完全な円じゃなく、時々楕円になってるらしいんですが、
月はそのゆがみと引っ張られる力によって内部にマグマ層があるんじゃないかと、
考えられているらしい。意外に冷え切ってなかったんですよ!

・むかーし、月は地球に10倍近かった。てのも、ロマンだなあと。
夜空の月はものすごい大きかったのだな…。
(干満の差が大変そうですが)


『キトラ古墳』
この回も、すごく!すごーく面白かった回でした!
キトラ古墳の天井部分に天体図が描かれてるんですが、
それを解析するために、初めて天文学者と歴史学者が手を組むの!
ちょっと前に、この解析結果がニュースにもなってたと思うんですが、
結論としては、この天文図は古代中国の夜空なのではないかという事でした。
でも、それを解明するまでの紆余曲折が、このドラマの鍵なのですよ。
観測年代と天体図が作られた年代がずれてて、そのずれをまた微妙に修正とか
してるみたいで、なんかすごい複雑なことになってんの。
また、天体図が、当たり前ですが、みんながよく知るギリシャの天体図とは
全然違うんです。いや、もちろん、星の配置は一緒ですよ。
その星から作られる星座が全く違うの!
そう知って始めて、ちょっと天文学はギリシャ神話に毒されすぎだな、と
思いました。ギリシャ以外の星座も知ってみたいよな。
中国の星座は、以前大阪のプラネタリウムがやってた
「安倍晴明」のプログラムで見てざっとは知ってましたが、
北極星の天帝を中心に、天界の宮殿、町の様子、などが地図みたいに配置されてんの。
星座の名前が、あたりまえだけど、漢字名で、聞いたことあるなと思ったら
ちょっとだけ読んだことがあった「ふしぎ遊戯」でした。
28宿が特に重要な星座なのだそう。
カノープスの呼び名「老人星」も好きだなあ。

『コスモス』の回
アメリカの宇宙科学番組とのコラボ番組です。
さすがアメリカ!CGに金かけてますよ!
映像が詳細かつ美しい…。このCGだけでも見る価値はあります!

次回、クレオパトラの天体図の再放送ですよ!


「心と脳の白熱教室」
今回は、前半2回は楽観脳と悲観脳の話、後半2回はサイコパスの話っぽい。

前半2回まで見終わった時点で、
「自分は楽観的だな」、と思っちゃうあたりわたしは十分おめでたい人間です。
でも、根気と粘り強さには自信あるよ!
好奇心を持ち続けられるってのにも自信あるよ!
いや、楽観主義って、ポジティブ思考よりも、前述の根気・粘りと、行動力の方が大切らしいので。
それに、悲観脳、とか言われるとなんか暗いイメージですが、要するに慎重だってことですものね。
アフリカ人と日本人比べたら圧倒的に日本人悲観脳だって聞くし。
すんごい昔、人類が極東まで旅してくる間にいろいろな苦難を経たせいで、
ピンチにもあわてず対応し、先を読んで行動できるよう脳の慎重に行動する回路が発達した、
的な説明を聞いたことがあるので、慎重さは持ち合わせていないとむしろいかんと思います。
あれ?なんの話だ?
とりあえず、残り2回はまたがらっと講義の趣旨が変わりそうですが、
楽しみに視聴したいと思います。

アップしないうちに3回目も見た。
サイコパスの話だった。
いや、サイコパス性言うてもいろんな項目があって、
あった方が社会に貢献するような資質があることも分かってんですけどね、
それに、誰しも寛大な部分も無慈悲な部分も、他のどんな部分も持ってて、
要するに分布の問題っちゅうか、程度問題なんだろうけど、
でも、相手に対する同情心がないって項目は、
…それは、全くない人はちょっとやだなあ…。と思いました。



ここから本

殺人喜劇の13人 (創元推理文庫)

芦辺 拓 / 東京創元社

スコア:


芦辺拓著『殺人喜劇の13人』読了。
ばけもの好む中将と一緒に貸してもらったもの。
えっらい前に出た本らしく、まだ携帯電話もパソコンもなく、
同人誌は手書きが主だった時代の同志社大学の話です。
文章がやや読みづらく(いらん記述が多い気がする。特に前半は
学生の一人の手記の体裁をとっているのでよけいに)、
登場人物も多くて人物把握がしにくいのですが、それでもそれなりに面白く読めたかな。
一昔前の大学生っぽいノスタルジーがなかなか。
おんぼろの寮にみんなで住んでたりする、あの貧乏臭さが。

それにしても、のっけからハイスピードで人が死にますよ。
もちろん、わたしは推理ものを推理しながら読まないので、最後まで犯人は分かりませんでした。
(いや、途中で、この3人の中の誰かだったりして、とは思った)
最後の謎解きのあたりも、男子学生同士のやりとりが、いちいちよう分からんけど、
(なんで怒るのか分からん所でいきなり怒り出したりする。
なんか、外国のギャグ聞いてるみたいな感じ。どこがツボか分からん)
これがデビュー作だったらしいので、いろいろ未熟だったり詰め込み杉だったりするのは、ご愛敬かしら。


イオニアの風 (中公文庫)

光原 百合 / 中央公論新社

スコア:


『イオニアの風』
常々、自分はCPや物語における登場人物の好みが、一般よりもちょっとだけ
マニアックなのやもしれんなとは思っていましたが、
それでも、この広い世の中、まれに、ときめきポイントが極めて近しい人が存在するものなのです。
普段、孤独を感じている分、時々そういう同志をみつけると、本当に嬉しい…!
『アキレウスの歌』の時もおそらく作者が感じたのと同じであろう箇所でときめきましたが、
この『イオニアの風』にも同じ場所で同じようにときめいている確信(一方的に)があります。
何がいいたいのかというと、

楽しかったー!

いや、どっちかというと、児童文学とかラノベに近い、読みやすい話(文体も筋も)で、
あんまり深刻すぎるシーンとか、救いのなさすぎる展開などもなく、
あー、まあ、こんなもんかな、みたいな予定調和がないこともないし、
神話そのものというよりは、神話風ファンタジー、というのが一番近いとは思うんですが
でも!ですよ。わたしは最初から最後までワクワクしながらすごい楽しく読み終えたのよ。
すみません、わたしは利己的で自分勝手なエゴイスト(いずれもほぼ同じ意味)なので
原作との乖離具合がどうであろうと、改変があろうと
オデュッセウスとヘクトールとペネロペイアが良く描かれていれば
割とそれで満足です

(正直さだけは自らの長所リストに入れたいと思っています見習いです。)

あらすじとしては、神々と人間の決別、それに先立つ神々の賭、の話。
前半はプロローグ部分(長いな)で、
1回目と2回目の賭(パリスとヘレネーと、メネラオスとヘレネー)の話、
後半が物語の中心、3回目の賭とその中心人物であるテレマコスとナウシカアの話です。
(この後半部分が作者の創作で、この辺りが特にファンタジーっぽかったけど、
迫る危機に、勇気を持って立ち上がる若い男女とくれば、手に汗握らないはずが!)

以下、恒例の登場人物雑感

テレマコス 本編の主人公。
いいんじゃない!?このテレマコス。
年相応に不器用でぶっきらぼうですが、そこがまた青い感じで良い!
模範的なツンデレです。
(コルダ3の響也と下天の蘭丸を足して2で割った感じ、と申せばわかりやすいでしょうか)
でも、大事なところでは選択を間違えないの!
すごいいい子だった!良い若者だったよ!
成長を見守る大人目線で観ちゃったよ。

ナウシカア 本編の主人公その2。テレマコスの相棒です。テレマコスよりちょっと
大人びてるかと思いきや、妙なところで意地とか張っちゃって、
テレマコスとうまく行きそうで行かない、という、高橋留美子的恋愛模様が
全編に渡りお楽しみいただけます。
もう、あんたたち、最初からお互いのこと大事に思ってんのに、
さっさと素直になりなさいよー!
などと、お節介おばちゃん全開で読み進んじゃったよ。
ああ、あのモダモダ感、たまらんかった!楽しかったー!
まさかギリシャ神話ベースの小説できゅん死しそうになるとは思いませんでした。

テレゴノス 当て馬。いや、テレゴノスが出てくる話自体が珍しいよね。
学者肌のキルケーさんと並んで、意表を突く設定で、
いや、これはこれで良かった。意外に気に入っちゃいました。
テレゴノス本人に話を戻せば、体だけ成長しちゃった子ども、ですよね。
人格形成と育成環境の相関性について考えさせられます。

パラメデス うふふ。最初から正体が分かってたことが今回の見習いの自慢です。

アガメムノン アガメムノンは気の毒だった…。
いや、作中の彼はマジでひっどい男なんだけどね。
どうしても悪役が必要な場合、アガメムノンが振られがちなんだけどさ。
今回メネラオスが良い役配置だからよけいに、なのかな。

メネラオス よし!わたしはこういうメネラオスを待っていた!

ヘレネー 今回珍しくヘレネーに同情しました。
慈善事業に持って行くのはあざといとは思うけど、なんもせんよりマシ。

オデュッセウス 超男前!きれいなオデュッセウスですよ、これ。
いや、基本的にわたしもだいたいいい奴だとは思ってますが、
普段は、オデュッセウスに対しては、
「オデュッセウス先輩ならなんか面白いことやらかしてくれる」
「どんなピンチもどうにかして切り抜けてくれるに違いない」

というワクワク感が強いのです。
しかし、この本のオデュッセウスにはときめきました。

うわー、オデュッセウスにときめくなんてずいぶん久しぶり!(暴言)

(×十年ぶりくらいですよ。悪い人ではないんだけども、あかん部分が多すぎて、
他人に悪し様に言われても流石の私も肩を持ってあげられない、てかさ…。
まあ、いいか…)
高校生の時分、最初に「イーリアス」を読んだときの純粋な気持ちを思い出したよ。
だって、いちいち言動がパーフェクトなんですもの!
まあ、テレマコスのコンプレックスの原因だから、このくらい完璧に仕上げてきてるんだろうけども。
でも、素敵なイタケ王をありがとう、ありがとう!

ペネロペイア 安定のペネロペイアです。こうでなくてはな…!

ヘクトール これまた安定のヘクトール オデュッセウスとヘクトールの関係性、
アステュアナクスの措置については、ほとんど同じ事を妄想したと告白します。
自分で手を下した方が修正を加えやすいよね~という話。


贔屓の人々が皆素敵に描かれているのはいいのですが(唯一、アガメムノンはひどいけど)、
アキレウスは叙述3行くらいが出てくるだけだし、
他の英雄に関しては出てきもしないので、それをご期待のむきにはここで警告しときますよ。
しかし、アキレウスが出てこないトロイア戦争も珍しいよな。
(無双OROCHI2のせいで、今アキレウスさんが結構なお気に入り)


神々編
ゼウス、ポセイドン、ヘラ様あたりは、名前が出る程度。

アテナ いつものお姉さま。

アプロディーテ 全く悪意のない自然体な女性。このアプロディーテは好きかも。

ヘルメス 安定のヘルメスです。あまりにいつも通りなので毛ほどの違和感もなかったほどです。

いつもなら、このヘルメスにときめきを持ってかれるところですが、今回は更にわたしのハートを鷲掴みにしやがった神が在した。その名は↓

アレス! 

ちょう萌えた。
みそっ子のアレスに超萌えた!
(大事なことなので二度言いました)
うおおお、アレスーー!!!
最後の、自分の神殿の神官さんとのやりとりなんて、わたしを悶え苦しませるためのトラップかと思ったわこん畜生め!
いやー、いいね、いいですね、いつものダメっぷりに時々男臭さがまじると
破壊的に魅力度が増しますね!


あー、もう、ほんと、楽しませてもらいました!
しかし、毎回言ってるからまたか、と思うかもしれないけど、
この本こそ!まさにわたしが楽しいと言ってるのはマジでものすごい個人的に気に入ったせい、なので、
やはり一般向けには広く喧伝しづらいのです。
わたしの個人的な好みのツボとの合致度が高すぎて、もはや
これが一般的に見て面白いのかどうか、判断がまったくつかぬ!
なので、この本は、似たような萌えポインツをお持ちの方のみに
そっとお勧めさせていただきたいと思います。




ポール・アダムズ『ヴァイオリン職人』シリーズや森遙子『望郷』、田中修先生の『植物はすごい』、田中啓文の『こなもん屋うま子』も読んだけど、また次回。
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by mi-narai | 2015-08-09 17:03 | 2015年下半期の読書

テレビ、下天の華夢灯り感想

古墳ハイキング

5月下旬の土曜日、奈良県某地方の古墳ハイキングに参加してみました。
お茶友達のお誘いで。一日で10個ほど古墳回ったよ!
藤ノ木古墳で締め。(ほんのちょっとだけ法隆寺も寄りました)。
解説してくださる先生が大変すてきなお爺さまで説明も楽しく、
すごくすごく聞く気はあったのですが、後半バテちゃって魂抜けててごめんなさい…。

ともあれ、道なき道を行き、他人の畑を上り、木々鬱蒼と生い茂る山あい、
精神病院の敷地内など、普段入らないようなところに踏み入って古墳を見るのも、
当時の首長墳が、地元民の首領から中央政府の送り込んできた偉い人に
移り変わる様子を説明してもらうのももの凄く楽しかったです。
でもって、終わる頃にはふらふらに疲れていたのですが、
それでも古本屋と本屋には寄って帰るわしらのど根性よ…(誰か誉めて)。


最近見ている番組より

カルチャーラジオ 科学と人間『植物の不思議なパワー』
割と一般向けの雑学っぽいことをお話しなさってますが

もう、可愛いなあ…。



生命大躍進2回目

おもしろかった!
間あいだに挟まれる小娘二人の小芝居は要らんが。
前回の目の獲得の時もそうでしたが、
今回の胎盤の獲得も、他の生物の遺伝子がDNAに紛れ込んで
その偶然によって躍進が起こったというネタだった。
そんな事って起こり得るんだなあ!
遺伝子って意外と変異しやすいのですね。ちょっと怖い。
後、天変地異について。
恐竜絶滅の原因なんじゃないかと言われている隕石衝突は知ってましたが、
ペルム紀の地殻変動、大噴火は知りませんでした。
しかも100万年続いたって!!!!
そりゃ9割以上の生命が死滅するわ!!


次回は知性の獲得で、時代も数万年前まで近づくので、
これまた楽しみです。


「山賊の娘ローニャ」
BSが見れるようになったので、再放送をちみちみと。
見てますよ~!
古き良き子供向けアニメよろしくゆっくりのんびり話が進んでいきます。
いや、ここはもうちょっと巻いていこうよ?と思う箇所もないこともないですが、
(後、主人公の笑い声が若干わざとらしい)
個人的には、ちょっとこののんびりした感じ、ハイジとか思い出して楽しい。
今、ようやく隣んちの男の子に主人公が心を開き掛けたところです。
主人公のローニャがガキ大将っぽくて、可愛いんだよなぁ^^。
続きものんびり見ていこうと思います!


コズミック・フロント・NEXT
このシリーズ、意外におもしろくて!

「クレオパトラの天体図」の回
コズミック・フロントを見るようになったきっかけの回です。
タイトルから宇宙物理学的な分野ばかりやるのかと思ってたので
まさかの古代エジプトチョイスにびっくりしてさ。
マジで、クレオパトラの天体図から古代エジプトにおける星座とか
暦がどうやって出来るに至ったか、ヒエログリフにおける表出方など
古代エジプトの天文学主体の、物理ってより歴史の範疇の話題に終始してました。
面白そうなエピソードが目白押しで、飽きずに最後まで見ちゃいましたよ。
天体図に使用されてるのがエジプト絵なだけで、
当時の星座は現在のものとたいして変わらないのが
まずびっくり!
エジプトが先か、それともギリシャが先か、知らんけど
たぶんエジプトの方が先なんだろうなあ。
後、エジプト文明初期の頃はまだ北極星が北の中心になかったって言われて
これまたびっくり。
よく考えたら2万年周期で地軸が動いてるんだからそりゃ北極星が真北に
ない時期だってあるはずなんだけど、
それにしてもエジプト文明って長いんだなあとしみじみ思った一件。
10日ごとの星座を神としてカウントして36人に分担させて、残りの5日は
祭日にする、みたいな一年の起源もすごい面白かった。
中国でも古代エジプトでも一番偉い神様は最初は真北に
住んでいたのかもなあ。

小惑星群の回
惑星の数には入れられてないから、水金地火木て太陽系を考えるときには
見過ごしがちだけど、小惑星群が惑星列の真ん中辺に
しっかりあることに気づかされる回でした。
そらそうだ、はやぶさ2が向かってるのってここだもんな。
なぜ小惑星を調べることが太陽系誕生の時代の宇宙を知ることになるかも
たいへんわかりやすく説明してあって、勉強になりました。だいぶ忘れたけど。

土星の回
土星の衛星に生命がいるかもしらん!という回。
エンケドラスて最近ニュースで聞いたよ!!そういえば!!!
これまたまんまSFの世界みたいで映像だけでもうわくわくしました!
とはいえ、土星に生物がいるとして、その生物が知性を持つまでまだまだ
時間がかかりそうです。


「宇宙白熱教室」
すっかり白熱教室にはまってます。
今回またも宇宙物だったので視聴を開始しました。
第1回は宇宙のサイズの考え方の回。
前に姫路の科学博物館に行ったときに、もののサイズの切り取り方が
10の何乗かで表してあったけど、あれがどういうことが
ようやく分かった気がしますアホでごめん。
後、ミクロの世界の決まり事が宇宙全体のルールを決めてる、
ミクロとマクロはつながっている、というのも、前回なんか他の番組見たときに
すごく実感したことだったので、今回も大きくうなずいてしまいました。
木星が地球に落ちる隕石の大部分を引き受けてくれている、というのも
初めて知ってびっくりしたよ、ありがとう木星!
さすが全知全能の神の名を持つ星!
次回も楽しみです!


「戦後70年 日本の肖像」
タイトルから、人間の生活がどうとか、戦時中の苦しみがどうとか、
なんか重くて暗いドキュメンタリーなのかと思ってたら
意外にガッツリ経済寄りの話で思いの外面白く、
別に見るつもりなかったのに最後まで見てしまいました。

1日目:高度経済成長
欧米の蔑みがこれまたものっすごい腹立つ。
が、日本には欧米並みの科学技術の達成は無理だとか馬鹿にされながら
それを誠実さと勤勉さで成し遂げちゃうんですよ。超キモチー。
ご先祖たちは偉かった。
タイミングと運も良かったんですよね。


2日目:バブルと失われた20年
なんか色々アメリカのせいやないか、
腹立つな~~!!
でも、日本側にも非はあって、やはり色々な要素が混じって、
あんなことになっちゃったと…。
経済って難しいなあ…。

100分DE名著「オイディプス王」
楽しく見ています。
解説の先生が思いの外お上手に説明なさるので、
ついついオイディプス王のスリルに満ちた筋書きに引き込まれて
あっという間に25分が過ぎてしまいます。
アニメ画像の登場人物が着てる服の袖がひらひらで気になるけどな…。

以下、下天のファンディスク感想

下天の華 萌え語りと無双OROCHI2続き
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by mi-narai | 2015-06-12 20:48 | その他

『政治家の条件』 コルダ3感想

来月6月の100分●名著(あんまり伏せてない)て
ソポクレスの『オイディプス』じゃないですか!!
見ます!


政治家の条件―イギリス、EC、日本 (岩波新書)

森嶋 通夫 / 岩波書店

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森嶋通夫著『政治家の条件』
大学生の時に一度読んだ本です。政治つながりで再読することにしました。
古い本なので、ヨーロッパは、EUじゃなくてECの時代ですよ。OH…

と日記メモに書いて
から数日後に読み終わったのですが、
読み終わってから気づきました。


わたし、この本未読だった…!!


どうして一度読んだ本だと思い込んだのでしょう。
タイトルかな。大学生の時、まったく政治には興味なかったけど、こう、
悪徳商人ぽい雰囲気に浸りたいがため(まさにそれだけのため!)に
政治関連の本読みあさった時期があったんですよね。
そん時に政治家について論じてある本も確かに読んだのですよ。新書で。
でも、今思い返せばその本、グラッドストンとか、イギリスの歴代首相についてもっとページ割いてあったし、
しょっちゅう引用しちゃうクリックさんのあの文句についても書いてあった筈なんですよ。
この本は、前半はサッチャー批判で、後半は日本の政治についてだった。違う本や!!

どうりで、新鮮な気持ちで読めると思った。(もっと早く気づけ)

ということで改めまして、『政治家の条件』読みました。
先に書いたけど、だいぶ昔の本なので、以下のような時代を感じさせる記述が散見されます。
・この本が書かれたのは湾岸戦争直後らしい
・しかもサッチャーが失脚したてである
・ゴルバチョフのペレストロイカ→反対派によるクーデターが失敗(今ここ)。もうすぐソ連崩壊ですよ。
・日本は高度成長期直後辺り。総理は海部さん。バブルはまだ弾けてません。
・当時EUはまだECだった。仏大統領はミッテラン。ドイツはまだ東西に分かれている。
・日本は世界中から嫌われている、といった形容が多数。
確かに、当時は日本って「新参の成金」って立ち位置だったよな。
記述を読むにつけ、隔世の感がありますがそれはさておき。
面白かったです。
著者は経済畑の方らしいのですが、意外と確信をついてます。
いや、状況が変わったから、もうその意見は通用しないよ、て部分もあるのですが
(日本の外交姿勢についてとか)。

時間が経って初めて正しいかどうか分かる事ってあるじゃない。
当時はサッチャリズムってけっこうもてはやされてたと思うんですが、この方、
ちゃんと批判するとこはしてますよ。

政治家には理想と、現実主義のバランスをとる能力が必要、ってのをサッチャーを例に出して説明して、
(職業としての政治家が何故必要かも論じつつ)
次に日本に目を向けて、政治家の資質がどうか(当時から与党議員にはどういった施策を打ち出すかの
大きなビジョンがなく、個々人が勉強不足だったらしい)、
日本の選挙制度、統治機構の問題点などを論じてます。
おおお、『日本の統治機構』で論じられてるのと同じ問題点がここでも!
先にあの本で読んだおかげで、言いたいことがよく分かりますよ!!
この本でも官僚内閣制の不都合と、一党独裁が癒着を生み、無気力な政治家を作り出し、国を腐らせる、
っちゅう指摘がなされてます。
昔も今も、同じことが問題視されている…!!
この頃は中選挙区制だったので、よけいに自民党独裁体制が助長されてたんですが、
著者は小選挙区制推しですね。
長年イギリスの大学で経済学を教えてて、イギリス政治に慣れ親しんでいらっしゃったので、
若干イギリスびいきも入ってんじゃないかと思うんですが。
「日本の統治機構」と併せて読んで理解が深まりました。
国民は(勿論わたし含め)政治についてもっと考えないといけないとはいえ、
普段仕事とかあって、深く勉強してる暇なんてないじゃない。
そんな忙しい社会人のために、公約があるんですよ。
あれは政党の主義主張、したい政策、ビジョンを有権者に分かってもらうためのものですよ。
だから個人で公約(地元に利権を!とか、この市に保育園を!とか)言わんと、党全体で言わなあかん。
党員はそれに絶対したがわなあかん。
有権者もどうせ選挙に行っても無駄とか、入れたい人がおらんとか、
横着言いたくなる気持ちはものすごい共感するけど
やっぱり一票はどっかに投じないと、それこそ組織票とか金持ってる社会的強者に
良いように操られちゃうんじゃないかと心配です。

とりあえず、週末の選挙に向けて、候補者の言い分を見てみるか…

(この日記書いた時点では地方選挙前だったの。ちゃんと投票してきましたよ)


タイムマシンのつくりかた (草思社文庫)

ポール・デイヴィス / 草思社

スコア:


ポール・デイヴィス著『タイムマシンのつくり方』
古本屋で安く売ってたから、買ってみました。
白熱教室と同じような話題でタイムリーだな~と思って。
SF小説っぽいフィクションじゃなくて、まじめに物理的見地から、時間というものについて、
ひいては空間や宇宙やブラックホールについて、タイムマシンというキャッチ―なテーマを中心に
考えています。あんまりお固くなり過ぎず、専門的な公式とかにも踏み込まず、
大真面目に時間を遡ったりジャンプしたりする方法について論じてあります。
確かに、一昔前は『タイムマシン』って機械で過去へいくイメージだったけど、
最近のSFじゃワームホールを通って過去にってネタが増えてます。
これって一応量子力学とか物理学の学説に沿ってんのね。
面白かった!
空間の2点をつなぐとワープ航法の話へ、時間の2点をつなぐとタイムトラベルの話へ
行くわけだな、SF的には。
タイムラインがもう一度見たくなりました。
DVDあったっけな、家に。


数えずの井戸 (角川文庫)

京極 夏彦 / KADOKAWA/角川書店

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京極夏彦著『数えずの井戸』
お借りしたので読みました。
有名な、播州皿屋敷を元ネタにした京極風怪談話。
ずっと姫路城の井戸の伝説かと思ってたけど
お菊ネタってけっこう全国にあるんですね。

物語は、何人かいる登場人物の一人一人にスポットをあてて、順繰りに内面をたどっていくうちに
どんどん歯車が狂う様子があらわになってゆき、最終的には

そして、誰もいなくなった

というアガサ・クリスティーばりの怒涛の結末へ。
登場人物の誰もが、その辺に居そうで、でも少しずつずれ方が極端なんですよ。
で、その上、気持ち悪い感じに誰もが他人を誤解しているという。
これも、言われてみればその通りで、そりゃ当人が自分をこうだと考えているように
他人を見ることのできる人なんて居ないわな。
相手に対してこうだ、と分かってることなんて微々たるもので、
しかもそれさえ自分フィルターを通した歪んだ像なんでしょうし。
(いや、別に支障がないならそれでいいじゃないでしょうか。
必ずしも知り過ぎることが良いとも思わない)
結局、真相の一部は分からないままになってたりするので、
読んだ後も後味の悪い思いが尾を引くのですが、
本を読むうちに各々のずれっぷりと誤解っぷりをいやというほど味わった後故
「どうせ本人にしか分からん理由やねん、考えてもしゃーないわ」
という気分になっているという京極マジック!

貸してくれた友人は読みづらかったと言ってたけど、
めっちゃすいすい読めました、よ…!?
例によって京極さんの本は分厚いけど、下半分白紙だし、胸糞悪い内面を持つ人もいて
しかも同じ思考がぐるぐるしてたりするので(ホラーなんで、たぶん、効果)
精神的には読みづらいかもしれませんが、文章は読みやすいです。
理解しやすい平明な文章と内容って素晴らしい!


都庁―もうひとつの政府 (岩波新書)

佐々木 信夫 / 岩波書店


佐々木信夫著『都庁―もうひとつの政府』読了。
東京都の各時代の政治について。
特殊なんであんまりなんの参考にもなりませんでしたが、
とりあえず、知事って忙しいんだな、というのは分かった。
作中で、途上国ほど威信を示す為に首都に権限が集中しがちとあったけど、
日本は先進国(自称)なんだからいい加減さぁ…。


以下、コルダ3AS天音篇感想です。ネタバレ予防のため折っときます。

函館篇もあるよ
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by mi-narai | 2015-05-29 20:45 | 2015年上半期の読書

雑記

某NH/Kの生命大躍進面白かったです。
以前読んだ『恐竜は何故鳥に進化したのか』(タイトルうろ)でカンブリア紀大爆発が
気になってたので、再現映像が見れて嬉しかったです。
しかし、キモかった…(節足動物苦手なんですよ)

それはさておき、我が家で唯一のスマホ持ちの父がコラボで配布されてるアプリ
コダモンをやってたんで、どこまでいったのか尋ねたら
「もうすぐ脊椎動物が生まれそう」とのこと。すげえな。ナメクジウオまで後一歩!


後、新聞に、白/鶴さんが蜂蜜酒を発売したって記事があったので
自分のためにメモっておきます。
ケルト・北欧辺りのの神話とか古代史とかの本を読んでるとしょっちゅう出てくるミードが
現代でも飲めるんだぞう!しかも日本酒メーカーが作った奴が。
でも限定販売らしいので、手に入るかどうか微妙なところ。
白/鶴ミードって商品名らしいので、気になる方はググって見てください。
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by mi-narai | 2015-05-10 22:08 | その他

白熱教室、『占領と改革―シリーズ日本近現代史〈7〉』『大阪―大都市は国家を超えるか』

某NH/Kの白熱教室の今月からのやつ、見始めました。4回シリーズの1回目。
あまり期待せずに見始めたのですが、見終わった後ときめきが止まりませんでした。

面白かった…!!!!


ピケティさんの講義は楽しく見たんですが、次のリーダーシップ論は1回見て
まあ、そこまで一生懸命追わなくても良いかな、と思ってパス、
今回のは「最新物理学者が未来を語る」みたいな煽り文句だったので、
同じ局でやってた、「NextWorld」未来の生活はこうなる!みたいな全6回くらいの
割合真面目な番組と似たようなものかな、と思ってとりあえず録画して見たんです。



まず、お、と思ったのは、講師がミチオ・カクという名前の日系の方だっということ。
あれ?この人、見たことあるな、と思ってたら、
「カク博士は超弦理論を提唱しています」みたいなテロップがあって、思い出しました。

数年前にやってた『神の数式』という3回番組で出てた人だ!!


あの番組も、前後して読んだ『世界はこう考えられている』っていう本も
ものすごい面白かったんですよ!!!
相変わらずわたしは数字に弱くて、あんまり難しい数式とか理論に踏み込むと途端に
チンプンカンプンになってしまうのですが、
今回はそこまで実践的に自分で数式組み立てて、という抗議でもなさそうだったのが幸いしました、
なんとかついていけそうです。

まず、初回は現在物理で考えられている4つの力と、それがどんな経緯で誰に発見されたかの
「科学史」といった回。
前回の『神の数学』と『世界は』で得たおぼろげな知識が訳だってますよ!
4つの力て、あったな、ソレ!
ものすごいぼんやりとしか覚えてないけど、初聞きじゃないってだけで
ちょっと心強いですね。理解がしやすかった。
後、超弦理論って、あれよな。『神の数式』で得たものすごい大ざっぱな理解では、
物質を形作ってるものを小さな点(何か、砂粒のようなざっくり球形のもの)と仮定すると、
どうしても数値が狂って計算式が「無」に行きついてしまう。んなわけないやん。という矛盾を、
そうだ、点だと考えるからダメなんだ、ゴムのような輪っか状のものがぷるぷる震えていると仮定してみたら
どうだろう、という考えのもと提唱された説。

標準理論(量子論)と相対性理論を一つにすることが出来れば、それはまさに
万物の理論(THEORY OF EVERYTHING)
つまり、神の数式ですよね、ワクワクします!
いや、エピジェネティクスの例みたいに、遺伝子が分かれば全部遺伝が解明できると思ったら
ことはそう簡単じゃなかった(更なる迷路に迷い込んだ)、ということもありうるから、
万物の理論が考え出されても、そうそう簡単には世界の謎すべてが明らかにはならん気がするけども。
ないかもしれんものをあると信じて探すのって浪漫だよね!

以下、心に思ったこと。

・ハレーすい星のあの人(かどうかわかりませんが、ともかく)ハレーさん。
この人が、ニュートンのプリンキピアだっけ、ともかく彼の名著を世に出した立役者だったらしい!
この人、金持ちの商人で、趣味で天文学やってたそうなんですけど、
彗星が夜空に姿を現して一世を風靡した時、有名なニュートンに会いに行って、彗星について尋ねたらしい。
ニュートンは既に重力を発見した後で、彗星の軌道も重力の法則にのっとって計算済みで
そのことをさらっとハレーに説明したらしい。
「え。すごいやん!本出せばいいのに」
「でも金がなくて」
「わたしが出しましょう!」
こういう感じだったようです。ハレーさん、かっこいい…!

・ニュートンが考えた月がどうして地球の周りをぐるぐる回っているかの説明が
ものすごい分かりやすかったです。

・おまけにニュートンさん、自分の理論計算に必要だからって微分積分を考え出したらしい。
理系の天才、すごいな!

・光とは電場と磁場が次々に入れ替わるものらしい。(あほゆえにそれがどういうことなんかようわからん)

・重力が弱いと時間が早く進むらしいよ!実際に人工衛星とか月とかだと地球の上と時間の進み方が
違うらしいよ…!!
マジか!!!!

・相対性理論にはブラックホールの中心とビッグバンの説明が抜けており、標準理論では重力の説明が抜けているらしい。

・超弦理論は量子論の矛盾になんとか答えを用意するための解決策の一つにすぎないんだけど、
この説によれば、原子を構成する要素たちはそれぞれに固有の周波で振動する輪っかなのです。
全ての素粒子は音、なのですよ。
なんか、美しいな。
世界は音でできているって言ったの、ピタゴラスだっけ、忘れたけど、
あながちウソでもないな、と思いました。もちろん想定している音とか音楽の定義は
大分違うんでしょうが。


アップしないうちに第2回も見てしまいました。
今回も面白かったよ!!
誰か!誰か見ている人はいないの!?

今回も心に残ったことをメモ書きで・

・ビッグバンの証拠②として、宇宙背景放射だっけ、それが発見された時の逸話を
講義で披露してらっしゃったのですが、
バックステージノイズ、なぜそれがビッグバンの証拠なのか、という点についての
根本的な説明はなかったんです。
物理学科学生にとっては自明の理なのかしら…。
凄いな…。

・最初は無限だと思われていた宇宙。
静的なもので、無限で、不変だと。わたしなど今でもそう思っちゃいそうになりますが、
言われてみれば、今尚膨張中…ってことは、風船みたいなもんで宇宙の境界線はあるし、
ビッグバンが起こったのは137億だか138億だか前だから不変でもないな。
 
・夜空はなぜ黒いのか。
黒い、ていうか、暗い、ということが、宇宙が無限ではないことを示しているのだそうで。
そんなこと考えたこともなかったけど、もしも宇宙が無限に広かったら、どの方角にも星が存在して
たとえ遠くてもそのうち光は届くから、空全体がもっと明るいはずなんだって。
なんか、分かったようなわからんような…

・文明の進み具合についてのタイプ分け。
もし、地球外生命体がいるとして、という話も大真面目になされてました。
居住惑星のエネルギーを完全に掌握しているタイプ1
居住恒星系のエネルギーを完全に掌握しているタイプ2
居住銀河系のエネルギーを完全に小学しているタイプ3
と分けたとして、地球人類はまだタイプ0だな!ちゅう話。

・11次元の世界
ビッグバンの前はなんやってん、と思っていましたが、
なんか、この宇宙の外側に、泡みたいにたくさん宇宙があって(並行宇宙)それが
ぶつかり合ったら新しい宇宙が出来るんじゃないかと考えられているらしい。
しかも隣の世界では物理法則が全然違う可能性が高い。
なんか、もう、ここまで来るとマジでSFの世界です。
科学を突き詰めると神話に戻ってくるという話。

・ダークマターとダークエネルギー。
暗黒エネルギーには重力があるらしい。
でも、太陽系にはほとんど存在しない、って聞いてちょっとがっかり。なーんだ。
まだ実在を確認できてない上に太陽系にはあんまりないなんて、
いかにも眉唾っぽいなと思わんでもないけど
あった方が面白いなあ。

・ブラックホールにつっこむと高速回転して光より速く移動→となりの世界へ行けるかも?
『無限航路』を思い出したよ。

・タイムトラベルについて
必要なエネルギーと反エネルギーを溜めたら可能かもしらんのだそうな。
早く作ってソクラテス先生を直見させてくれ…!!

・タイムパラドックスについて。
よくSF小説である過去に行って出来事を変えたら未来が変わるか、ってネタを
真面目に語っていらっしゃった。
超弦理論では、枝分かれ宇宙説推しらしい。
ちょっとまえに読んだ『バルバラ異界』のラストはこれなのだな…。と思い当りました。


占領と改革―シリーズ日本近現代史〈7〉 (岩波新書)

雨宮 昭一 / 岩波書店

スコア:


雨宮昭一著『占領と改革―シリーズ日本近現代史〈7〉』
日本の統治機構、から遡って、その統治機構がどのようにして確立したか、的な興味から…。
朝ドラなんかでよく戦前・戦中・戦後の描写は見るものの、
GHQとか、占領統治とか、いまいちピンときてなかったのですが、
これまたようやく、今さら、ちょっと分かりかけた気がします。
ていうか、アメリカに占領されてた時代があるって、もちろん知識としては知ってたけど
あらためて歴史的事実だと実感すると、なんかはっとなりますね。
日本の政府はその頃もあったけど、その上に占領軍がいて、政府決定も何もかも
アメリカの意思に直接支配されてた、て
日本史上初、というか。おおお!??と。
今だって政府はアメリカに配慮してますけど、それとは別次元で直で首根っこ押さえられているというか。

著者は、占領によってがらりと日本が変わった、という論調にいまいち抵抗があるらしく、
変化の兆しはそれ以前からあったのではないか、
ようするに、極端に全部アメリカの力、とせずに、日本側にも戦前すでに変化の萌芽があり、
それがGHQの圧力と、いろんな割合で作用して、戦後の日本が形作られたのではないか、
ということを、事例別に細かに検証していっています。

以下、メモ。
・なんか、戦後すぐくらいの政党名ってちょっと面白いですね。
「○○倶楽部」とかあるよ。

・今よりもっと一般人が政治に首つっこめるような混沌とした熱さ、みたいなのが目新しい。
天皇制をめぐるやり取りとか、

・GHQ側だってボランティアでやってるわけじゃないので、
アメリカの利益を第一に考えて占領政策を立ててるんですが(そらそうだよな)、
一枚岩じゃないので、時々、戦勝国側のうっぷん晴らしみたいな政策を
押し付けようとしたりしてますよ。
大体日本側の視点しか知らないので、相手側の事情が分かると面白いな。
ちなみに、理想論の実験を日本でしやがったな、みたいに見える制度なんかが
単純にアメリカ本国でそうしているから日本にも勧めただけだったりすることもあります。

・当初は徹底的に日本の牙を抜いて武装解除をしようとしたのが、
周辺諸国の共産勢力の台頭で方針が変更したり、その辺の政治的なあれこれが面白かったです。


大阪―大都市は国家を超えるか (中公新書)

砂原 庸介 / 中央公論新社

スコア:


砂原庸介著『大阪―大都市は国家を超えるか』
都市計画の本。
大都市と都道府県の関係や、制度の移り変わりなどが説明されています。
最初のあたりは、政令指定都市制度が出来るまで、でした。
その後県と市の権限の所在とか、プロジェクトの立て方とか、具体的な政策の数々、
矛盾など。
大阪都構想の話もちらっと出てきました。
一括行政を行おう、って話、実はこれまでも何度か案が挙がってて、
今回が初めてってわけでもないみたいですね。
そらそうか。
大阪は他の政令指定都市のある府県と違って、大阪府における大阪市の割合が大きいから
府と市のどちらにもそれなりの権限があるとお互いにやりにくくて仕方ないだろうなあ。
国もそうだけど、今は財源がさほどあるわけじゃないから、どこにどう使うかを明確にして
計画的に自治体運営すべきなんだよな。
なんか、ここでも自民党一党独裁の悪影響を蒙っててイライラしました。
極端な東京一極集中っぷりも垣間見えてモヤモヤもします。
いや、かりにも国の首都なので、ある程度は立派な方がいいなとは、国民としては思いますが、
それで地方が疲弊するのは勘弁してほしいのですよ地方住民としては。
うむむ、いろいろ考えさせられた。
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by mi-narai | 2015-04-13 22:29 | 2015年上半期の読書

雑記とゲームメモ(またか)

いきなりですが宣伝&おすすめ情報です。
きのことお花が専門の植物博士、田中修先生が
4月からNHKラジオでお話ししてくれますよ!
(上司がせっせとただで本をくれるのですっかり詳しくなってしまいました)
これまでも子供でんわ相談などで植物についての質問に答えてくれたりしてましたが、
今度は講義ですよ!
NHKラジオ第2、金曜日夜8:30から30分(再放送は金曜朝10:00から)
カルチャーラジオ 科学と人間」のコーナーで
タイトルは『植物の不思議なパワー』ですよ。
らじる★らじるでパソコンやスマホからでも聞けるから!

植物に興味なくても大丈夫、大体、なによりご本人がカワユらしいおじいちゃまで

喋りが、超絶!可愛いねん!!

何を隠そうフフルンスの語り口の参考にさせてもらった方のうちの一人です。
一人称「ぼく」でおっとりした関西弁(たぶん京都弁)で話されるの!
わたし一人で楽しむのももったいないので、じじいスキーの方は是非とも!



ブルーインパルス
見に行ってきました。
平日だし、3月は有給消化のために結構休んじゃったし、
仕事あるし休むの無理かなと思ってたんですがどうしても諦められず
上司の人に午前だけ休ませてくれと頼み込んで半休とって行ってまいりました姫路まで!


すっごい人だった…


ブルーインパルスなんて、一般の善男善女は興味ないだろ、
ミリオタとフライトシューティングファンのコアな集いになるかと思いきや、
そこいらが人で埋め尽くされて地面が見えないほどの人だかりでしたよ。
姫路のくせに!!

そもそも、電車からしてすごい混み具合でした。
満員電車に乗りなれないわたくし、1本目はあまりの混雑の酷さに気後れして乗れなくて
「いかん、これでは間に合わん!!」と反省の上、
2本目の新快速に隙間ないのを無理やり身体を押しこんで乗ったは良いけど
大体が普段はそれほど混まない路線、あまりの乗客の多さに対応できず、遅れに遅れ、
50分は早めに着くように家を出たはずが姫時着が開始20分前になり、
駅構内も人で埋め尽くされてて、改札機は切符を上に置いて通り過ぎるための台と貸し
姫路城へ向かう道も見たことないほど人だらけで、
もともとの開催場所だった三の丸広場は満員で入れず、大手前公園か屋敷跡に誘導され、
そこも人だらけという…

やはり、春休みというのもあって、小さいお子さんを連れた御家族が多かったように思います。
ものすごい健全でほのぼのとした雰囲気でした。
ごめんマニアなファンで。
普段そんな人ごみに自分からねじ込むことがないから、たまに行くと吃驚して必要以上に緊張しましたが
でも、なんか、お祭りみたいで楽しかったです。
天気もいいし、暑くも寒くもない良い陽気だし、みんな同じ方向に楽しそうな顔で暢気に歩いてて
パレードみたいでした!
でもって、肝心要の


ブルーインパルス、かっこよかった…!!!


単純に、写真でしか見たことなかったものが目の前に実際にある、ってのがそれだけでテンションあがりますね!

後、オタクな話で恐縮ですが、ゲーム内でさんざん見た飛行の速さ、まっすぐな機動、
青空をバックにした機体の美しさが、まさにそのままに眼前に展開されてて、
えも言われず素晴らしく、一人にやにやしてしまいました。
大変な目をして来た甲斐があったと思わせてくれました。


以下、ゲームメモです。
たいしてネタバレしてませんが、やっぱり畳んどきます。

ゲーム感想
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by mi-narai | 2015-04-01 00:53 | その他

『エピジェネティクス』 『民話の世界』 『昔話のフォークロア』

好きだった某NH・Kの『妄想日本料理』って番組がまた始まったので先週から
楽しく見てるんですが、

…ちくしょう、こんな時間に放送するなよ、腹減った…


エピジェネティクス――新しい生命像をえがく (岩波新書)

仲野 徹 / 岩波書店

スコア:


仲野徹著『エピジェネティクス』読了。
大した理由もなく、なんとなく本屋で表紙買いしましたが、
その後各所(新聞の日曜の書評とか)で薦められてて、
ちょっと自分の先見の明を褒めたくなった一冊。

結論から言えば、大変面白かった!

物語的な面白さではなく、。
去年重力の話を理解できたときみたいな

そうやったんか!!!

という驚きが、大変に心地よかったです。

えー、しかし、もう5回くらい言ってるような気がしますが、本当にわたくし文系脳でして
しかも高校の時生物取ってなかったし、第2章の「エビジェネティクスの分子基礎」の部分は
進みが超絶のろかった…。毎日それこそ30ページずつ位しか読めませんでした。
(著者は一般の読者向けにきわめて簡略化して書いてくださってるというのに!)
でも、ここを読みとばすと後々分からんようになるし、絶対理解せねば!!と決意して
頑張って読んだよ!久しぶりに理科の教科書開いてテスト前に詰め込んでる気になりました。
…ちょっと面白かった…(マゾか)。

おかげ様で、これまで聞いても何のことかさっぱり分からず、
ちんぷんかんぷんだった単語、
ヒストンテールとかコアクチベータとか
クロマチン繊維とか、リボゾームとか、メッセンジャーRNAとか、
プロモーター領域とか、メチル化がなんでそんなに頻繁に出てくるかとか、
そんなことが

やっと、やっと分かりました(ハレルヤ―)!!!

まさに「そうやったんか」。これで次からはもうちょっと理解しながら発生学分野のアレコレが
聞けます(その時までに忘れてなければな)。

とりあえず、ざっくり言えば、遺伝情報として受け継がれるのはDNAに書かれてるもののみで、
その遺伝子情報についての学問が、ジェネティクス(遺伝学)。
遺伝子情報そのものじゃなくて、その発現の仕方(どの部分をプッシュして、どの部分をスルーするか)に
関わる研究がエピジェネティクスの領域みたい。
著者の説明によると、とりあえず紙媒体の本があるとするじゃない、内容は今更書き変わらないんだけど
付箋を貼ったり、下線引いたり、上から塗りつぶしたりして読み手の印象を操作することは出来る。
本の内容が遺伝子だとすると、付箋を貼ったり塗りつぶしたりするのがエピジェネティクスなんだって。
付箋を取ったり、塗りつぶしを消したりできるのと一緒で、
変更不可能な遺伝子と違ってエピジェネティックな状態は変更可能なのだそう。
(具体的には、遺伝子が転写される時にヒストンや塩基の中のシトシンがアセチルやメチルで修飾されて
転写を抑制したり逆に活性化したりするのよ)
たとえば、妊娠中に母親が飢餓状態に陥ると、胎児は飢餓状態に備えて燃費のいい身体になるよう
プログラムされるらしいんだけど、このしくみもエピジェネティクスで説明できるらしい。
面白いなあ。
遺伝子が分かれば生命活動はほぼ全部分かると思われてたのに、
さらにその情報の発現の仕方、濃淡によって実際の状態は随分変わってくると分かって来て
(エピジェネティクスの発展は1990年代に大幅に伸びたそうなんで分かりだしたんつい最近です)
ますます複雑な迷路に迷い込んだ心地です。
けど、遺伝子の突然変異で発症した病気は直すのが困難だけど、
エピジェネティクス状態を改善すれば治る病気は、それより希望がもてそうじゃない?
更なる発展を望む!ていうか、今ものすごい熱い分野らしいから、わたしが望まなくても
勝手に発展するでしょうけども!

以下、雑感。

・実験で遺伝子の不活性化とか、ちょっとした変化を調べる時に使ってる方法が
今までもうさっぱりわかんなかったんだけど、
今回説明してもらってこれまたほんのちょっとだけ理解に近付きましたよ…!
シーケンサーが何かも分かった…!!

…ということを嬉しそうにお茶友達に言ったら、
「ああ、シーケンスって塩基配列のことですもんね(それを読むからシーケンサー)」
とあっさり言われ、
そうか、やっぱ理系の人には(お茶友達は生物化学畑出身の人)常識なんか、と
目から鱗が落ちる思いがしました。

・「ゲノム」という単語について。
本の最後のあたり、179ページにさらっと
「オーム(ome)とは、「すべて」とか「完全」を表すギリシャ語の接尾辞である。女王バチの発生に
関して、DNAメチル化の総体であるメチロームを例にとって紹介したように(以下略)」とあったんですが
ようやくここで鈍いわたしも気づきました。
ちょっとまって、メチル化の総体がメチロームってことは、じゃあ、ゲノムは……
遺伝子(gene)と上述のギリシャ語接尾辞omeで「genome」か!!!
鈍くて済みません。

・ラットの実験で、生まれてすぐ適切な世話をされた赤ん坊は、ストレス受容体のエピジェネティックな状態が
色々変化して(中略)、成体になってもストレスに強いままなんだそうな。
これって人間にも適応可なのかしら。
まあ、こんなのなくても赤ちゃんは可愛がられるべきですけども。


民話の世界 (講談社学術文庫)

松谷 みよ子 / 講談社

スコア:


松谷みよ子著『民話の世界』
半自叙伝的な、著者による民話についての話。
子供時代の思い出から民話との出会いなどを、各地の民話など織り交ぜながら書いていらっさいます。

すごいよー!!
すいすい読めるよーーー!!!


あー、楽。
それに、わたし、龍の子太郎もまえがみ太郎も大好きだったんですよ、
その二つの童話が出来た当時の話など読んでて燃えたぎりました。
著者は東京の生まれで(御両親は石川の方だったようですが)、小さい頃昔話を
してもらったことがなかったそう。ハイカラなお家の子だったようです。
それを読んで、「わたし、ハニーに昔話してもろたで!!」とちょっと得意になりました。いえー。
その後、戦時中に疎開した話とかあって、その時滞在した信州の風景が根っこにあって、
長じて民話収集の道へ進むことになったらしいのですが、
また松谷みよ子さんの語り口が巧みなものだから、
著者が感じた民話への興味とか興奮とかがこちらにも伝わってきて、
あの、『日常のすぐ隣りに異界があったことに今やっと気づいた!うっわ、すっごい!』みたいな
ときめきに感染し、思わず民話全集とか借りて読みそうになりました。読みませんが。
こういった民話って、日本だともちろん日本特有の諸々の素材で成り立ってるんだけど、これがギリシャだと
ギリシャ神話関連の逸話がきっといっぱいあるんだろうなあ(今は正教会関連の方が多いか?)。
きちんと系統だって考えるには、あまりにも玉石混交すぎて
どれをどうより分けるとか、比較研究とか鬼のようにしまくらないといけないだろうけどな。
萌えに到達するまでが長すぎて到底自らチャレンジしようとは思えませんが、
きっとバイタリティあふれる全国の同志たちが頑張ってくれるだろうから
わたしはその成果を待ちます(他力本願)
しかし、大変さを少しでも想像すると、
それをマジでやってたレヴィ=ストロース先生の偉大さを痛感するなあ。

閑話休題。みよ子先生はまず信州の民話を収集なさったわけですが、信州の辺りって
洪水の記憶が物語に散見されるんですってね。昔から川の氾濫や山崩れの多い土地だったようで、
そうすると竜とか蛇とか、水と関係する登場人物がたくさん出てくるハナシが多くなるみたい。
自分の住まっておる地域はむしろ雨が降らなくて鬼のようにため池がある土地なので
そうするとどんな民話が多いのかな、と、郷土に対する興味も湧いてきました。


空襲警報 (ザ・ベスト・オブ・コニー・ウィリス)

コニー・ウィリス / 早川書房

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コニー・ウィリス著『空襲警報』
この人の前回読んだ、史学科の学生が過去に実習としてタイムスリップする話
(『ドゥームズデイ・ブック』)が好きで買ったんだけど、
この一冊にはところどころあんまり好みじゃない話が交じってました。
後、ちょっと読みづらい。訳か?訳があかんのか??
本人がホラーのつもりで書いた短編が後味悪いだけでまったく怖くなかったりね。
日本人の描写があんまりなげやりだったりね(まぁ、これはしゃーないけど。
ていうか、あんなどうでもいいような小道具として出すくらいなら日本人を出さんといてくれ。
後東京の地下鉄をdisるのはやめろ。)

あとがきを読むと、初期のシリアスな短編を集めたものらしく、
長編でコメディSFもあるらしいので、そっちに期待することにしました。


昔話のコスモロジー―ひとと動物との婚姻譚 (講談社学術文庫)

小沢 俊夫 / 講談社

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小澤俊夫著『昔話のコスモロジー』
これまた、「あれ?読んだっけ?読んでなかったっけ?」と訝りながら読み始めましたが、
大丈夫!読んだことないやつでした。良かったー!
グリム兄弟とか、マックス・リュティとか、アールネ・トムソンとか聞くと落ち着く。

この本では主に、昔話の中でも、異類婚姻譚について比較考察されており、
それがなかなか面白かった。
常々日本の昔話の場合動物の正体は動物だよなと思ってましたが
(西欧の場合は、魔法を掛けられて人間が動物になってるのであって、
正体はあくまで人間だったりするじゃない)
そんなようなことがもっと踏み込んで書いてありました。
広くアジア(それも中国のような高文明社会でなく、もっと辺境地)やオセアニアでは、
人間と動物の垣根が低いというか、動物VS人間というより、人間も動物の中の一種と見ているというか。
日本は、動物は動物主体であるのは他のアジア諸国と変わらないけど、
人間との婚姻となると拒否反応が激しいのだそうで。
確かに、正体がばれたら、去るんだよな。動物の嫁さんは。
信仰形態の変化もあろうけど(もともと信仰の対象であった動物が、仏教の伝来やら他の要素もあって
時代が下ってそうでもなくなった。
結婚は自分と同等もしくは格上のもの(たとえば神)とかとだと出来るけど、格下とは出来んってことよね。世知辛い)
人口密度の問題とか、日本人の大多数が牧畜や狩猟民ではなく、農耕民族だったというところも理由の一つじゃないかなあ。
周りが人間ばっかりで、人間社会にどっぷりつかっとったら、
いくら昔話でも「動物と結婚?いやいや待て待てないやろそりゃ」と土壇場で我に返るかもしらん。
これが荒野の一軒家にぽつんと住んでたりしたらまた変わるかも知れないじゃない。
ワタリガラスファンの私としては、北東アジアの、動物と人間の行き来が可能というか、
ほぼ等価値の世界観が好きだなあ。
西欧はキリスト教の影響が激しすぎますが、結婚してハッピーエンドとか、素朴な勧善懲悪系が多くて
あれはあれで好きです。
(後、キリスト教の影響を被る前は、他の地域と似たような、もっと動物と人間の位置が近い世界観を
持ってたんかもしれんな、とも思った)
日本のは、別れの余韻を味わうような、奥さんが去って行っちゃって終わり、みたいな話が多くて
そんなん寂しいやん…。
いやまあ、どこにドラマの主題を置くかの問題なんだけどさ。
著者の、日本の昔話における異類婚姻譚は、自然界と人間との関わり方に主眼を置いてて、
西洋のそれは人間同士のドラマに主眼を置いてる、西欧において自然界と人間との関わりを語るのは
昔話でなく伝説の役目、という考察も興味深かったです。
日本の場合島国だし、その昔は村社会だったし、
他所からの侵入に、昔話の担い手たちは大変に敏感だったのだそうで。
来訪神とかまれびととかその辺りとも関わってきそうな話ですね。


アンドレ・ヨレス著
『メールヒェンの起源』
聖人伝のあたり(まだ1章です)で挫折しかけ。
だいぶ昔の人だし構造主義蔓延より前の話だし仕方ないっちゃ仕方ないけど
著者がキリスト教が好き過ぎて読んでてつらい…・
ちょっと、他に読みたい本が出てきたので一時棚上げを決意。また後でな~。


修道院にみるヨーロッパの心 (世界史リブレット)

朝倉 文市 / 山川出版社

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朝倉文市著『修道院に見るヨーロッパの心』
山川世界史リブレットのぺらいやつ。
具体的な修道士の生活が知りたかったんだけども、
修道院の成り立ちの方に主眼が置かれてて肩すかし…。
でもまあ、シトー派の日課と修道院平面図なんかが載ってたのは嬉しかったです。
後、やっぱどこも組織になると上の方は腐るもんやなと。
そういう腐敗に対抗して内部から清貧に立ち戻ろうとする動きが出てくるのは面白い。
せやけど、櫛も持ち込み厳禁て、髪くらい梳かそうよ…(不潔に見えるやん…)。





映画
『るろうに剣心 京都大火篇』
第1作を見に行ったので、同じ人とネタとして見にいきました。
相変わらず、アクションはすばらしい…!
後、伊勢谷ゆうすけがかっこいい。
かみきりゅうのすけくんがそれっぽい。
しかし、話をいろいろ端折ったりしたせいで、しのもりあおしがただのおかしな人になってるな。
前回、全視聴者を脱力させた江口斉藤の牙突が今回はでてなくて、そこに一番ほっとしました。
斉藤さんは美しいイメージのままそっとして置いて欲しい…
(なんでえぐち…)

『るろうに剣心 伝説の最後編』
だいたい楽しみましたが、ところどころツッコミ所が。
伊勢谷はかっこ良かったです…けど、…。
アクションは相変わらず素晴らしかったです。
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by mi-narai | 2014-10-19 00:06 | 2014年下半期の読書

『こんにちは、昔話です』『ルポ 貧困大国アメリカ』『時が新しかったころ』

こんにちは、昔話です (小澤俊夫の昔話講座―入門編)

小澤 俊夫 / 小澤昔ばなし研究所

スコア:


小澤俊夫著『こんにちは、昔話です』読了。
久々に地域の図書館に行ったのでつい借りちゃいました。
昔話入門編です。
この著者、1930年生まれなので、もうおじいちゃんで、
グリム童話あたりから民間伝承の研究世界に踏み入り、
アアルネ・トンプソンの分類とか、日本昔話の収集とか
長年この道で研究を重ねてきた重鎮なんだけど、
その方が敢えて一般の方向けに、昔話の魅力の普及のために、
子供に読んで聞かせる時にきちんと分かっていてほしいことなどを
分かりやすく説いて回っていらっしゃるんです。
そういった講演内容を書面に起こした感じの本作です。

えーっと。
先生、昨今のなんでもかんでも「残酷だから」、とおとぎ話を改編する風潮に
たいへん怒っていらっしゃいますよ。
ポコポコしてるおじいちゃんを想像すると大変にかわいらしい。
しかし、本読んでると、先生のご意見はもっともだなと。
流石に、きちんと昔話を研究対象として熟知しておられる先生です。
その理由を読んで、変に改変したらあかんなという気になりました。
残酷なシーンは残酷なままでいいんです。
(どうせ子供はそこは気にとめない)
しかし、「昔話は残酷なシーンも淡々と描くのであまりそう感じない」って、
わたし、イーリアスでも同じように思ったなあ…。
やはり語り物の特徴なのかな。
あんまり詳細に語りすぎると聞き手の想像の余地を奪うというか。
書かれた書物(それも娯楽もの)の場合詳細な方が良いと思うんだけど
耳から入る物語の場合は、相手が想像しやすいように、また聞き取れる程度の長さに
そこそこざっくり語る、というのも重要なのだなあ、と。
大変示唆に富んだご指摘でございました。

ちなみに、昔話と伝説の差異は、
登場人物の素性、場所、時間が特定してあるかどうからしいのですが
(ほら話であることを語り手も聞き手も知っているのが昔話、
一応本当にあった話ですよ、歴史ですよ、という体で語られるのが伝説)
この何も特定しない昔話の世界に、オデュッセウスという個性を放り込んだのが
『オデュッセイア』における航海譚だとわたくしだいたい思ってるので
その辺に絡めても、楽しく読めました。


「伝説」はなぜ生まれたか

小松 和彦 / 角川学芸出版

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小松和彦著『「伝説」はなぜ生まれたか』
これまた図書館本。
小松先生はいろいろ書いていらっしゃるなあ。
各所で書いた論文を寄せ集めた一冊です。

どの論文も楽しく読みましたが、
一番心に残ったのは

レヴィ=ストロース先生がいかに偉大か

だったという…。
各地に残る雑多な伝承の全てを渉猟し、分類するのってそらまあ気が遠くなる作業だよなあ。


ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

堤 未果 / 岩波書店

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『ルポ 貧困大国アメリカ』
妹が、どうしても読め、恐怖で涼しくなるから、と強く推すので
図書館で借りてみました。

アメリカ、怖すぎる…!!(ガクブル)

市場の自由を優先し、企業優遇策をまい進しすぎたせいで、
医療や福祉の現場まで効率主義に陥り、格差が広がり、
貧乏人はどう頑張っても一生貧乏で這い上がる手段さえなく、
一握りの金持ちだけがその他大勢の食うや食わずで必死で生きている人々の上に君臨し
甘い汁を吸ってる、しかもその枠組みがどうやっても壊せない、という
悪夢のような世界が広がっとります。
ブッシュ政権が財政悪化を理由にかじを切り過ぎたせいらしい。
その時のブッシュの政策が、いまのABっちの政策に瓜二つで
心底わたしを震撼たらしめた。
怖い…!!こんな理不尽な世の中に日本までなっちゃったらどうしよう!!!
一握りの金持ちしか幸せになれない国なんて、国としてどうなのよ!!
革命前のフランスか!?そんな国に国としての意味なんかあるのか!??
そもそもその方が人として暮らしやすいから国を形作るんじゃないの!?
一晩盲腸の手術で入院しただけで120万請求され、
大学に行ったら奨学金の返済をこれまた1000万ほど要求され、
貧困から逃れようと思ったら唯一の手段が軍への入隊で、
かといって入隊前に約束した金は支払われず、
すぐに前線に送られて、怪我して帰って来ても見捨てられ挙句ホームレスとか…

ひどすぎる。

なんやろう。行政範囲が広すぎると色々目が行きとどかんとか、そういうのもあるんやろうか。
(国土が広い国って、なんか、そんなんが多そうじゃない。)
これを打開するにはどうしたらいいの??
民主主義国の場合、名目上貧乏人だって参政権を持っているはずだから、
そこで見極めてマシなとこに投票するしかないのか?
しかし、どれも期待できなさそうな候補しかいなかったらどうすれば。
候補者を立てて選挙運動をするところからスタートなの?
気が遠くなりそう…(結局その局面でも金がものを言うんだろうし)
とりあえず、仕組みを知るということが大事だと思うので、
適当にうわべだけ見とったらいかんのだなあと、しみじみ思いました。


まず、ママが幸せに―産んで育てて、ニッポン・イギリス・フランス

薗部 容子 / 日本機関紙出版センター

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薗部 容子著『まず、ママが幸せに』
妹が強硬に読めと進めてくるので読みました。
日本、イギリス、フランスでそれぞれ一人ずつ出産したお母さんの
体験記、みたいな本。世の頑張り過ぎなお母さんに
「そんなに気真面目に思いつめなくても大丈夫だよ」と
諭すのが目的で書かれたものだと思うんだけど、
出産における各国の文化比較、みたいな感じになってて面白い。
並べると、日本人は真面目だよなあ。
とりあえず、少しでも赤ちゃんにとって危険ならやめておこう、とか、
こうあるべき、という規範が強いんですよね。
わたしはそういう細かいところに目が届くきっちりした日本人が大好きですが、
まあ、確かに、そうするように毎日強制されたら母親はノイローゼ気味にもなるわな。
西洋文化の大雑把さを見て、妹も、適当でも大丈夫、と勇気をもらったらしい
何が幸いするか分かりません。
なにより著者はどこが悪いとか良いとかは言わずに、単に違いを楽しんでる感じなので
そういった部分は大変好感が持てます。
後、パリでの色々がおかしくって、電車の中でニヤニヤしてしまいました。
パリの出産事情、オモロすぎる…。
後、みんながバカンスに情熱をかけ過ぎる(笑)。


獅子真鍮の虫 (永見緋太郎の事件簿) (創元クライム・クラブ)

田中 啓文 / 東京創元社

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田中啓文著『真鍮の虫』読了。
ミステリー、ジャズサックス奏者永見緋太朗シリーズ。
この作者にしては、ダジャレもエロもグロも出てこない、非常に爽やかなシリーズです。
でもって、ミステリーなのに、ジャズ話の方が熱いというこれまたいつもの仕様です。
いや、でも、日常でそうそう人生を揺るがすような謎なんてないしな、
このシリーズの、日常のちょっとしたひっかかりを
「ああ、あれ、ああいうこととちゃうの」ってさらっと説明して
「あー、なるほどなー」って納得して、生活を続ける感じが好き。
今回は、唐島さん(語り手)と永見がアメリカにジャズ旅行に行ったり
なかなか楽しいシチュエーションがあり、
途中永見のサックスが認められたり、唐島さんがトランペットのことで悩んだり、
盛りだくさんでした。
ミステリーでなく、ジャズの話にどんどん詳しくなっていくという…
いや、普通に面白かったですよ。


植物は人類最強の相棒である (PHP新書)

田中 修 / PHP研究所

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田中修著『植物は人類最強の相棒である』
またも職場の上司にただでもらったので。
ありがとうございますありがとうございます!!
本を下さる時、わたしともう一人同室の同僚の分2冊渡されたのですが、
にこにこしながら
「Mさん(同僚の名前)に、この本な、買うてでも欲しいか、て聞いてみて。
でな、欲しい、て言わはったら、ほな買うて、て伝えといて」
などというお茶目をかまされました。

あああああもおおおおおうう!!!
かわゆらし過ぎるじゃろ!!!


口から何か出るか思たわ畜生め。
毎回普段通りのおだやか~な口調で冗談を仰るので
一瞬キョトンとしてしまうのですよね、
最近徐々に慣れてきたぞ!

で、本の内容ですが、田中先生の御本もこれで何冊目でしょうか、
本によっては花、雑草、果物に特化して、その紹介をしてあるようなのも
あるんですが、これは割と研究寄りで(もちろんものすごく噛み砕いてありますよ)
面白いです。難しい箇所に差し掛かると寝そうになりますが。
毎回、葉っぱが緑に見える理由を聞かされて狐につままれたような気に…。
海の底の方にある海藻が赤いのは、緑色の光を吸収するためなんですよ!!
海の上の方の緑色の回想は赤色や青色の光を吸収してんですって。
ていうか、光をエネルギーに変換できる、というのが、よくよく考えるとすごいよね。
後、植物の生態意外に、最古の栽培植物は何かとか、
現在の農業の色々な工夫とか
そんな色々が分かりやすく書いてあって楽しいですよ。
分かりやすいのは、田中先生は農学博士なので、生化学的なミクロの話はあまりなさらないから
てのもあるかも知らんなあ。
ところで、作中に、江戸時代から伝えられる花や果物の名所で
「梅は岡本、桜は吉野、蜜柑紀の国、栗丹波」
ってのが出てくるんです。
岡本以外は今も健在ですね!
これからも名所の伝統を引き継いで後世に残していきたいものだと思いました。


時が新しかったころ (創元SF文庫)

ロバート・F・ヤング / 東京創元社

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ロバート・F・ヤング著『時が新しかったころ』読了。
本屋で売ってるの見て、恐竜、タイムトラベル、ロマンティックSFの3つのキーワードだけを頼りに
レジへ持ってった一冊。
早速読んでみました。
これが、思いの外、面白かったのよ…!!
真ん中辺はちょっとだれて、数回寝そうになりましたが、半分過ぎたあたりで
また面白くなってきて、その後はあっという間に読み切りました。
いや、なんか複雑な筋も、残酷なシーンも、どんでん返しも、目を引くような展開は一つもないのに、
それでも読んでてすごく楽しかったです。
ものすごい健全な話というか。
古き良きアメリカの良心、みたいな感じの話というか(分かりにくい)。
お人好しな大人が、困ってる二人の賢い子供を何の打算もなく助ける話なんですよね。
強くなければ生きていけないけど、優しくなければそもそも生きていく資格がないって、至極名言だわ。
レイモンド・チャンドラー、ええこと言うた!
最後は、展開読めた瞬間、またしたも、頼むから読んだとおりに展開してくれと、
ものすごい祈りましたもの。
ああ、幸せな読書時間じゃった。
読み終わってほのぼのしました。


神話の系譜―日本神話の源流をさぐる (講談社学術文庫)

大林 太良 / 講談社

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大林太良著『神話の系譜』
読了。
古本屋で「あれ?これって買ったっけ?」と訝りつつ、
「いや、読んだのは吉田本だったはず」と心に唱えながら購入した一冊。
既読本だったらどうしようとドキドキしながら読み始めました。

大丈夫!読んでない本でした(良かったー!)

当にタイトル通りの本。
短い論文がたくさん載ってる感じの一冊で、あらゆる方向・部分から
日本神話と周辺の神話を比較し、機能を分析しようと試みられています。
面白かった!
だいぶ昔の本ですし、王権神話は北方系、その下の国生み神話とかベース部分は南方系ってのも、
大体他の本で読んでましたが、分かって読むと二度美味しいので文句は全くありません。
大林先生は晩年のスケールのでかい試みの方が印象深いけど、この頃は日本神話にものすごい
興味がおありだったのだなあ、と感慨深いです。
あまりに沢山の項目があり過ぎていちいちについて書くと長くなるので割愛しますが、
東南アジアの神話の神々の名前とかがいっぱい出てくるのがすごい楽しかった。
印欧語族とも日本語とも違う音の感じがいいよね!
後、デュメジルの三機能構造について。
デュメジルさんは「とりあえず印欧語族の神話に置いて神々の機能が三つのタイプに分かれるよなあ」、と
仰ってるわけですが、
吉田先生は、「日本神話もその三タイプに適応できるっスよ!」と手を上げてて、
この大林本では、「イラン辺りのその三機能に分化した神々の神話が北方騎馬民族を通じて
日本にも入って来たんじゃね?」みたいに書いてあったんだけど、
それもあるかもしれんが、
ちょっと思ったんですよ。
もともと人のいたところに後から好戦的な一派が侵入してきた時って、
ちょうどこの三機能分類みたいな状態に落ち着きやすいんじゃないかって。
権力と武力はもちろん侵入者の神々が担うとして、残りの富をつかさどる神とかは、
被支配民のものを残しといてもいいかな、みたいな。
被支配民にも勢力範囲の大きい神々はいたはずだし、それを消しさることは出来んが
権力(とか神界での主の座)・武力関係は担わせられんから、第三の富の部分しか残ってないっちゅうか。
日本神話じゃ、まさに北方系のアマテラス、タケミカズチ、なんかが第一第二の支配者側の機能保持神で
出雲系オオクニヌシとかが第三の豊穣・富を司る神じゃない。
ギリシャ・ローマ神話や日本神話にはそれが顕著だけど、
侵略を受けてない土地とか(そんなところあるのか?)受けたけど昔過ぎてもう曖昧になっちゃってるとか、
そういうところはさほど三機能の分化が明確じゃなかったりしそう。
知らんけど。

とりあえず、最後まで読み終えて、解説がこれまた好きな田中克己先生で、
もう最初から最後まで美味しい一冊でした。ごち。
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by mi-narai | 2014-05-06 21:30 | 2014年上半期の読書

『アキレウスの歌』 『福の神と貧乏神』 『人類拡散の歴史』


マデリン・ミラー著『アキレウスの歌』
読了。
最後は駆け足で。
大体がこの本、『イーリアス』に忠実に書いてあるのでその通りの出来事が順を追って起こります。
(あくまでもパトロクロス視点で)
これまた、よく読んで知ってる場面ばかりなので、そうなんだよなあといちいち納得しながら読む感じ。
結局ヘクトール兄さんは最後まで遠い人でちょっと寂しかったですが、
アカイア方の人間から見たらそりゃそんなもんか。
パトロクロス亡き後のアキレウスのアレっぷりも原作どおりでしたよ。
原作読んだ時に感じたようなことを再び感じました。
おそらく、ここで吐かれるブリセイスの言葉は大半の読者の心の声w
でも、『イーリアス』のアキレウスの嘆きのセリフ
「君は、君だけは生き残って父上や息子に俺の活躍を伝えてくれると思っていたのに」
とか
「もう二人だけで、少し離れた場所に座って、額を寄せて話をすることもないんだな」
を思いだして、じんわりはしました。上記の二つのセリフ、好きなんだよなあ…。

いやしかし。
それよりなにより、終盤もっとも何度も心に思ったことといえば

ネオプトレモス腹たつわー

です。
身の程知らずな若造ですよ。
テティスに育てられて人間らしさが少ないというかね。教育は大切ですよね。
現代社会なら確実に「この人、サイコパスです」と診断されちゃいそうな酷薄さです。
別にわたくし、もともとオレステス派だし、ネオプトレモスが悪しざまに描かれている点には
全く不満はないのですが、終盤になるともうすっかりパトロクロスに共感しまくっちゃってて
パトロクロスがネオプトレモスに感じている反感とか怒りがそのまま移っちゃってさ。
ほんまあいつ、教育的往復ビンタでも食らわさんと気がすまんで!くらいに腹を立てていたので
奴の末路には溜飲が下がりました。
あいつの死にざまバラエティ豊富だからな!どれでも好きなのをお選びなさーい☆
後、最後のオデュッセウスの台詞には、不意をつかれたよ畜生めが!最後の最後にありがとう!

しかし、結局最後までこの作者の書きっぷりには割と共感するなあと思ってたのですが、
考えたら、きちんと原作に対するリスペクトが感じられるのが、好印象だったのかもしれません。
ものすごい読みやすかったです。
ホメロス信者ですみません。信者ゆえ、ホメロスの比重が高い方がわたしは読みやすいんじゃよ。
おまけに、あとがき読んだら作品に対する姿勢にもわたし共感出来ちゃいました。
つねづね、(他の人がどのエピソードをチョイスしてもそれは全然かまわないんですよ、
これは自分に関して、だけなんだけども)現存する文書資料のうち一番古いのがホメロスなんだから、
他のは全部大体後世の付け足しとかやん。同じ場面で違うエピソードが使用されてる場合
ホメロスの方が信憑性が高いというか、オリジナル性が高いよなと。
(まあ、わたし、ホメロスファンでもあるし、そもそもサイトがホメロス中心サイトなんで
そりゃ他の伝承とかぶった場合相当の萌がない限りホメロスの方に従いますけども。)
この著者もそんなようなことを書いていて、他の伝承でこう伝わってるけど
ホメロスではこうなんで、そっちを採用したよ、とかあって、

分かるわー!!


と強烈に思ってしまったのでありました。

あー、ディオメデスの話とか書いてくれんかな。
(この方のディオメデスが超かっこよかったので♪)


福の神と貧乏神 (ちくま文庫)

小松 和彦 / 筑摩書房

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小松和彦著『福の神と貧乏神』読了。
日本の福神についてまとめた小著ですが、なかなか面白いです。
そもそもの、一番初めの、「福」という言葉の説明が面白かった!
ので、メモっときます。
日本語の幸せ(しあわせ)って、もともと「仕合わせ」とも表記されていたように、
物事が一致すること、巡り合わせ、そのものを示す言葉で、その巡り合わせが
良いか悪いかは関係なかったと。
おみくじの仕合わせよし、仕合わせわろし、なんかはその古い使用例だそうで。
それが、いつのまにか、「しあわせ」が、良い方の巡り合わせの事飲みを指すようになったんですって。
しかも、その結果としての幸福は個人の努力の結果ではなく、
巡り合わせが良かった=運が良かった、という風に
外部の力でそうなった、という意味合いが強かったらしい。
仕合わせが、幸せと表記されるようになったのは、幸い(さいわい)、と同義の言葉と考えられたから。
幸い、は古くは「さきわい」、と言って、花が咲くの、「さく」とか、
栄える、とか、盛り、とかの「さか」という語幹と、
にぎわい、とか、わざわい、とか、辺りに這うように広がることを示す「わい」という言葉がくっついたもので、
栄えが広がるの意。なんだって、へー。
そういえば、わたしの好きな小説、チャールズ・デ・リンドの『ジャッキー、巨人を退治する』で、
妖精たちのことを「さきわいの民」と表現してあったけど、
幸せな人々ってことだったのかー、と、今更納得しました。

幸いの説明はともかく、貧乏神のビジュアルとか性質の変遷とか、
福の神がどうやって人々に福をもたらすかとか、
民間伝承における発現の仕方とか
(以外と福の神は薄情というか、貧乏人を富ませてはくれない。すでに金持ってる家にやってきて騒ぐだけ)
そんなのが面白かったです。


レストア: オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿 (光文社文庫)

太田 忠司 / 光文社

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太田忠司著『レストア』読了。
オルゴール修復師が探偵役の珍しい推理物。
借りたので読みました。
今回はオカルトは無しだった。(まずそこかい!)
この主人公、仮性じゃなく、本気で深刻な鬱をわずらってて、
あんまり人とはかかわり合いたくないんですが、謎が気になって結局関わってしまうんですよね。
ミステリー部分は主人公のなんとか社会でやっていこうというあがきの中の一環みたいな位置づけて、
なかなか面白かったです。
主人公がすぐにくじけそうになるので、読者はいらんとこでハラハラさせられ、
その分あんまりスカッとはしませんが。


人類の進化: 拡散と絶滅の歴史を探る (サイエンス・パレット)

Bernard Wood / 丸善出版

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『人類の進化: 拡散と絶滅の歴史を探る 』読了。
面白いよ。まずは学問としての成り立ちから説明してあります。
人類についての学問にはこういう歴史があって、
人間の進化と拡散というのはこういう流れで研究されてきて、
この分野とこの分野とそのほかにもこの分野の学問から成果を
抽出して総合的に判断するんだよとか、割と丁寧に書いてありました。
やっぱ。近年の分子遺伝学の発達でだいぶ解明が進んだらしいね。
欧米と日本の自然人類学における系統分類の呼び名が違うので、
訳者の方が苦心されていましたが、分かりやすかったですよ。
学者の中にも、なるべく細かく分類したい人と大まかにまとめてしまいたい人と二種類居るのだな、とか、
ヨーロッパ中心主義がまかりとおっていたのだなとか。
本筋以外のところにもふーん、と思ったり。
しかし、それよりなにより印象に残ったことが二つ。
一つ目は、別系統の直接の祖先ではないと思っていたネアンデルタール人とかその他の人類と、
今生きている系統の人類に僅かだけど遺伝子的な交流があったらしいこと。
もう一つは、東南アジアのとある島に1万8千年前までホモ・フロレンシウスという
現世人類とは別種の人が生息していたという事実です。
孤立した島だから外の世界とは交流はなかったかもしれないけど、
現世人類と平行してそんな最近まで別系統の人間が生きて暮らしてたんだ!!
と思うと感激しました。
ネアンデルタール人とヨーロッパあたりにすんでたホモ・サピエンスもしばらくは共存してたみたいだけど、
それも4万年くらい前の話だし。
で、妹に意気込んで言うと、「一万八千年前は[最近]と違う」とばっさり断言されて
しまいました。いや、そうなんだけどさ…。



この後5冊くらい読んだけど大概もう長いので次に回します。
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by mi-narai | 2014-04-20 23:25 | 2014年上半期の読書

『恐竜はなぜ鳥に進化したのか』 『英国人一家、日本を食べる』

恐竜はなぜ鳥に進化したのか―絶滅も進化も酸素濃度が決めた (文春文庫)

ピーター・D. ウォード / 文藝春秋

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ピーター・D・ウォード著『恐竜はなぜ鳥に進化したのか』
最近の研究で、生物が誕生してから6億年、各時代の酸素濃度は思いのほかばらつきがあった
ということが分かってきたようなのですが、
この作者は、その酸素濃度こそが進化の方向に大いに影響を与えたのではないか、
という仮説を立て、それに則して進化を説明しようとしています。
なかなか面白そうだったので買いました。

今、呼吸のしくみについて読んでいるところです。
文系脳のわたしは既にしてくじけそう…。
けど、なんで酸素を使って呼吸するのか、という根本的なところはよく分かった気がする。
取り出せるエネルギーが大きいからですよ…!
でも、酸素って、基本生物にとっては毒なんじゃなかったかなあ…。


数日後。引き続き読み続けてます。
ものすごい面白いし内容に興味もあるのですが、内容が理系のため理解するのが難しく
こないだ数えたら行きの電車の中で14ページしか進んでなかった…。
でも、そのおかげで、リアルタイムにじりっじり時代を体感してる気になるというか、
タイムスリップしてのんびり各時代を眺めてるような気分になります。
タイトルは『恐竜はなぜ鳥に進化したのか』ですが、
恐竜のことだけ書いているのではなく、発生した生命が変化し、環境に適応していく様子を
酸素濃度をからめて順に追っている感じなので。
(低酸素時代=低酸素に対応できない動物が軒並み滅びる。で、一部の動物が体制を変化させ、
逞しく適応、のちの高酸素時代に多様化する。次の低酸素時代に対応できない種は滅びる)
各時代の一番最初に、その時代の風景をのびのびと描き出してくれるんだけど、
それがほんと、ワクワクするんですよ!
今の地球と全然違う風景がわーっと広がってるんですよ!
最初の頃なんて、植物がほとんどなかったから、地面はうすーく藻っぽいものが水辺にあるくらいで、
地上には生命はなく、木の根がないから川も蛇行せずに網状に流れ、
海の中は節足動物(ムシっぽいアレ)天国だったりするんですよ。
海底を埋め尽くすごとくムシっぽいアレがカサカサ動いてるんよ。いやあああああ!!!
下手なSFやファンタジーなんかよりよっぽど異色だよ。事実は小説より奇なりなのですよ。


更に数日後。
ちびちびながら、カンブリア紀大爆発のくだりを読んで、
ペルム紀絶滅を読んで、今やっと三畳紀に入った。

・これまでに、すでにものすごい数の生物が絶滅してるんだなあ、ということに改めて驚いた。
大体、数多の生物が発生し、枝分かれした上で、生き残った者たちのさらに一握りが
今生きてんだよなあ。絶滅危惧種は守らなもったいないとは思うけど、
滅びるもんは滅びるんや、などとちょっと思ってしまいました。

・スパンが長い。1000万年の間、とか、そんな言葉が文中に何度も出てきて、
読者の方もまるで1000日みたいな感覚で読んじゃってますが、
よくよく考えたらいっせんまんねんて!!

・あたりまえだけど、哺乳類は爬虫類から派生したんですよねえ。
作中で「哺乳類型爬虫類」とか書かれててちょっと不思議な感じ。

・三畳紀に入ってようやく恐竜っぽいものが出始めた。
もともとワニみたいに足が横に向けてついてたのが、胚が圧迫されて呼吸がしづらいので
そうならないよう下向きに足を伸ばし始め、さらに2足歩行型になった、という
説明が面白いです。

・三畳紀の初期は低酸素、高温だった。

・現生の鳥類の胚機能(気嚢)の調査と、恐竜の化石の骨の調査から、
恐竜も気嚢を持ってて、鳥と同じような、効率のいい呼吸をしてたんじゃないかと
現在大方思われているそうですよ。
(低酸素時代を乗り切るため)
すごいですね!やっぱ恐竜は鳥の祖先なんや!

・で、高温だったから、恒温動物じゃなくて、変温動物だったんじゃないかって。
これはまあ、そうだろうなあ。変温動物は低気温だと不利だけど、
二酸化炭素の温室効果で年中暑かった当時だとなんの心配もないし、
恒温動物って、変温動物の何倍かの酸素が必要なんだってね。
こっちは高温だと不利。


・恐竜の種類が多くて混乱しそう。
竜盤類と鳥盤類といて、海には魚竜と海生爬虫類がいるのね。
で、鳥盤類は気嚢式胚を持ってなかったっぽいと…。
恐竜のあたりは、夢があっていいよなあ。ちょっと楽しい。
恐竜の時代って1億年以上続いたわけですが、
人類の歴史が、紀源後はまだ2000年、トルコの遺跡が紀元前9000年くらい、
大地の子エイラの時代が4万年くらい前としても、
1万年が1000こ集まって1千万年、さらにそれが10こ集まって1億年、だもんなあ…。
あかん、気が遠くなってきた…

更に数日後…


ようやく読み終えましたーーー!!!

長かった…。

昨年末からずーっとこの本に掛りっきりだったもんな。
でも、おかげで長い間進化にどっぷり浸れて、
恐竜のこととかしつこく妄想出来て、ワクワクしましたよ。
繁殖方法のこととか(卵の形状と酸素濃度の関係とか)
鳥の飛翔はいつからかとか、
はっきりした答えはまだ見つかってないものの、いろんな人の推論がまた面白い。

ちなみに哺乳類についての記述なんて、全体の10分の1くらいしかない!
(歴史、浅ッ)

最後の方には、これからのプレートの変動と予測される酸素濃度とか書いてあったけど、
(5億年周期で超大陸が出来るらしい。大陸がくっつくと酸素濃度が上がり、
離れると下がるそうな。鉱石の二酸化炭素含有率とか、
なんか色々関わってるらしいよう分からん)
そんな2億年も先に人類が生存してるかしてへんか分からんしな。
してたとしたら凄いよなあ…。

著者は最初に宣言している通り酸素濃度に着目して仮説を展開しているので
偏り過ぎっちゃ偏り過ぎなんですが、意外と説得力あって、
ちょっと洗脳されそうになりました。
進化にはもっといろんな要素が混ざり合ってんだろうけど、
確かに、呼吸は大事だもんね。

それにしても、あー、楽しかった!
十分堪能致しました♪



英国一家、日本を食べる

マイケル・ブース / 亜紀書房

スコア:


マイケル・ブース著『英国人一家、日本を食べる』読了。
正月、妹夫婦が帰省してたんですが、
妹の旦那に定番の「最近何か面白い本読んだ?」という質問をぶつけたときに
帰ってきたのが「なんか、イギリス人家族がひと月くらい日本食べ歩きの旅する本読みました。
それが結構面白かったです。本屋で立ち読んだ程度ですけど」という答えでした。
「どうよ、イギリス人の反応は」
「大体褒めてましたよ」
「そりゃな~(イギリス人に褒められても、当たり前、という気がする)。でも、気持ち良くなるよね、それ系の本」
「ですよね~。いい気持ちになりますね~」
「時々読みたくなるよね~。それで変に誤解して傲慢になるんは良くないけど」
などと婿と会話し、その後忘れてたんですが、正月明けにふと思い出して
読みたくなったのです。
買うのはもったいなかったので図書館で借りました。
一気読み!
フードジャーナリストで、ご自身もものすごい食いしん坊のマークさんが、
パリで日本料理のことを知人にに焚きつけられたのがきっかけで
奥さんと小さい息子さんたち連れて食べ歩きの旅をするという。
本人は英国人ですが、奥さんとか息子さんの名前はどうもフランス語っぽい。
活動の拠点も巴里っぽいし、飯マズ出身なのに舌は確かなようです。
旅程は、東京→北海道→京都→大阪→博多→東京で、
どこの食べ物も割と絶賛してあります。ありがたいこっちゃ。
しかも、和食の細かい味とかまでちゃんと分かって味わってらっしゃる…!
(日本人でも馬鹿舌のわたしには、分からんかも)
面白かったですよ。
後、珍しく大阪が褒められてたのがちょっと嬉しかった。
崇拝するほどではないけど、そんな悪印象もない他県民としては、
一部の人のひどい叩きようには胸を痛めていたので…
(多分、府民のみなさんはそんな叩きなど気にもせずに流してらっしゃると思うけど)
いや、大阪だけじゃなく、どこの土地のことも楽しそうに書いてらっしゃいましたけどね。
一部端折られてるそうなので、これは原書を読むしかないのか…?
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by mi-narai | 2014-01-25 01:11 | 2014年上半期の読書