タグ:自然科学 ( 34 ) タグの人気記事

コズミック・フロントNEXT,『毒味師イレーナ』『世襲格差社会』『とりかえばや物語』

100分de名著

今月はレヴィ=ストロース大先生やないけ!!
おまけに、解説が中沢新一…だと…!?

これはもう、見るしか!!

ということで、毎週視聴してます。
難しいです、先生。
でも、構造主義のハナシは面白い。


コズミック・フロントNEXT

銀河鉄道の夜の回
「日本文学ふいんき語り」を読んで以来、宮澤先輩はちゅうにびょうの人というイメージが
勝手に付いちゃってるんですが、
銀河鉄道の夜は嫌いじゃないです。
初読の小学生の時は、よう分からんイメージがいっぱいあったけどな。
今回、天の川を白鳥座から順に下って行ってるんだよとか、
石炭袋はこれだよとか、宮澤先輩の生きてた頃に発表された物理学の発見とか、
いろいろ背景を知って、面白かったです。
昔読んだ話の内容もぼんやり思い出して、ついでに見た映画(猫のやつ)も
思い出して、あの映画、音楽が好きだったんだよな~とか、懐かしくなりました。
未だにちょっと切ない思い出なのは、あれ、男の子同士の友情の話だからなのね。
ジョバンニとカンパネルラの会話が可愛かったなあ、という薄ぼんやりした記憶がある。


ツングースカ大爆発の回
隕石衝突で決まりだと思ってたので、諸説あることにびっくりしました。
結構最近の事件なのに、分からないものなんだなあ…
いつもの物理っぽい説明よりかは、ミステリー寄りで
ちょっと面白かった!


生命のいそうな惑星を探す回
以前は太陽と同程度の恒星を重点的に調べてたんだけど、
最近は、赤色矮性を回る惑星も探索の範囲に入れているらしい。
この、赤色矮性のハビタブルゾーンにある惑星の説明がすごいおもしろかったの!!
赤色矮性というのは太陽よりもっと小さい熱量の少ない恒星なので、寿命も長いし
そんなに熱くないから、液体が液体のままでいられる範囲も、太陽系よりもっと恒星に近いの。
で、近すぎるあまり、主星による潮汐ロックがかかって、
同じ面しか恒星に向けない惑星ができあがるのよ!!
(この潮汐ロックに関しては、月もかかってて、月の同じ面しか地球に向いてない)
一日中昼の表面と、黄昏ゾーンと、裏っかわのずっと夜のエリアとがあるの!!
季節どころか朝昼晩の概念もない世界ですよ。
植物層も固定されるんじゃないかしら。
こんなの、ファンタジーの世界の話だと思ってたのに、おもしろい!!!
そんな環境で生まれた生命って、どういう進化をたどるのかなあ!
考え始めるとわくわくが止まりません。


獄門島
金田一がぶっとんでた。
ディオ様降臨やったで…
でもまあ、戦場でこれでもかという理不尽な目にあって、本心から
なんで人は人を殺すねん!と思ってた青年に、あんな理由突きつけられたら
そらまあ、切れるよな、と妙に納得させられてしまいました。


そして誰もいなくなった
さすがに放送規定にひっかかるのか、インディアンが、兵隊さんになってました。
獄門島と同じカテゴリーや。
わたし、これの原作が大好きなんですけども、
もう、ミステリー好きなら知らぬものはないっちゅうくらいの有名な古典で、
もちろんオチも衆人が知ってる有名なアレなんですが、
(オリエント急行、アクロイド、ABCと並んで)
それでもあの一連のスピード感とサスペンスはさすがです。
こわいこわい。まだミステリー黎明期なので、ミステリーという箱の中で
こねくり回された、推理のための推理、みたいな局面が少なくて、
ほんとにありそうな話っぽくかかれてるので、よけいにハラハラします。
ふつう、ああいう場面で、いきなり事件の推理に乗り出したりしないよな、一般人は。
全3話らしいので、クローズドサークルのミステリーの死亡フラグがいくつ出てくるか
数えながら楽しみにみようと思います。部屋に一人でこもった奴は死ぬとかさ。




ここから本

ばけもの好む中将 四 踊る大菩薩寺院 (集英社文庫)

瀬川 貴次 / 集英社

スコア:


瀬川貴次著『ばけもの好む中将4』
お借りしたもの。
さらっと読めて意外と楽しくて、結構好きなシリーズなので貸してもらうのが待ち遠しい。
今回は、とうとう一番下の12の姉上が出てきました。
その下の姉上へのわがまま東宮の淡い片思いの行方が気になって仕方ありません!
今回は絡繰り仕掛けとどたばた喜劇が盛りだくさんで、
んなあほな!
と突っ込みつつ、楽しく読み終わりました。


毒見師イレーナ (ハーパーBOOKS)

マリア・V スナイダー / ハーパーコリンズ・ ジャパン

スコア:


マリア・V スナイダー著『毒味師イレーナ』
各所で話題だったので中古で買い求めてみた。
法律の厳格な軍事政権下、極悪人相手とはいえ人を殺してしまった主人公が、
死刑の代わりに最高指導者の毒味役に任命されるところからスタートです。
のっけから、逃げられないように猛毒盛られてるし(毎朝解毒剤を飲む必要がある)、
なんというか、すんごいジェットコースタードラマでした。
割合おもしろかったですよ。未だに欧米系の魔法の表現に慣れませんが。
欧米の人の魔法の概念て、超能力とあんまり変わらないよね。
どうしてもわたしは陰陽道的な学問体系、みたいなのを想像しがちなので、翻訳物で
魔法が出てくると、使い方がアバウトだよなあ、と思ってしまいます。
それはさておき、じわじわ人間関係の輪を広げ、信頼も勝ち得、なんとか最初のどん底からは
這い上がった主人公が次に魔法の修行をしに故郷に赴くところで1巻は終わり。
原価で買うのはもったいないけど、中古で続きがでてたら買おうかなあ。


世襲格差社会 - 機会は不平等なのか (中公新書)

橘木 俊詔 / 中央公論新社

スコア:


橘木俊詔著『世襲格差社会』
いや、最近の格差の開きについてはいろいろ思うところがあるので!
新書で出ていたこの本を買い求めてみました。
格差というものを、世襲というポイントに絞って論じたまじめな一冊。
著者の言うには世襲も二分化してて、
まったく金にはならないけど伝統技術を守るために世襲をするパターン(無形文化財とかそういうの)と、
単純に親の地盤を引き継いだら儲かることがわかっているので跡を継ぐパターン(政治家とか医者とかな)
があるそうです。
賃金よりも、資産の方が増える率は高くて、しかも世襲で有利な人間のところには
どんどん富が蓄積されるんだから

まったく世の中不公平だぜ!!!

と激しく憤った次第。相続税で全部ぶんどってまえばええねん
後、政治家と医者は親の開業してた地域とは別地域から出馬とか開業せなあかんて
法律で定めたらええねん。
教育格差もそうですが、格差が世代間で固定されるのは許し難い!ふんとにもう!!


裏切りの月に抱かれて (ハヤカワ文庫FT)

パトリシア ブリッグズ / 早川書房

スコア:


パトリシア・ブリッグズ著『裏切りの月に抱かれて』
ずーっと前に100円くらいで買った早川ファンタジー。
なんとなく気が向いて読んでみました。
以外とおもしろかった。
ちょっと前、アメリカで狼男とか吸血鬼とか、そういう人外の妖怪と人間とのロマンスが
はやった時期があったそうなんだけど、まさにその時期にかかれた一冊で、
主人公は動物に変化する能力を持った女の人。
噛まれて感染して変化してしまう狼男や吸血鬼とは一線を画してて、
ネイティブ・アメリカン系の生まれつきそういう家系の人なの。
そんな彼女が、人狼社会のあれこれに巻きこまれ、故郷の初恋の人と、今すんでる地域の
アルファ狼の間で揺れちゃったりなんかして、ロマンス要素もちゃんとあり、
なんか、パラノーマル・ロマンスとしては、割合おもしろかったのです。
アメリカでは続きも結構出てるみたいなんだけど、日本では翻訳はされてません。
3巻で3角関係にも決着がつくみたいなのに、昨今の出版事情のシビアさよ。
(原書を読むしかないのか?)
ちなみにわたしは初恋の人サミュエルより、今の隣人のアルファ狼アダム推しです。


とりかえばや物語 (文春文庫 た 3-51)

田辺 聖子 / 文藝春秋

スコア:


田辺聖子著『とりかえばや物語』
前に『おちくぼ物語』の方を貸してもらったのですが、その流れでこの本も貸してもらいました。
これの知識といえば山内直子の『ざ・ちぇんじ』くらいですよ。
原作を読んで、さすがに「ちぇんじ」のほうは、少女マンガだけにだいぶマイルドに
してあったんだなあと改めて実感。
原作の方は、たぶん大幅に田辺聖子の手が入ってやはり抑えめにはなってると思うけど
もうちょっとえげつないというか。
宰相の息子もそうだけど(この物語では夏雲という名前を与えられていました)、
男に戻った主人公の兄も、ほんま、

どないしょうもないな!!

と男性陣にいらいらいたしました。その中でさすがに不敬に当たると思ったんか
御門に関しては、理想の男性として描かれていて、この理想の男性像が今でいうところの少女マンガの王子様的で
今も昔も女子の萌えポインツは一緒ね、とほのぼのいたしました。
主人公の、男として身を立てた女の子(春風という仮名が与えられてました)は、終始
男前で、理性的で潔く、気持ちよかったよ。
後、『おちくぼ』の方の解説は美内すずえ先生でしたが、この『とりかえばや』は
里中満智子先生だった。

まちこーー!!!!


昔ばなしの謎 あの世とこの世の神話学 (角川ソフィア文庫)

古川 のり子 / KADOKAWA

スコア:


古川 のり子著『昔ばなしの謎 あの世とこの世の神話』
角川らしく、さらっと読みやすい本でした。
昔話に出てくる登場人物を、さらに昔の文献に探し、掘り下げ、そういった登場人物が
かつての日本人にとってどういった印象と意味を持つものなのか、などを
桃太郎や浦島太郎、かちかち山といった有名昔話ひとつひとつについて考えていく感じ。
おもしろかったですよ。
桃太郎の連れてる犬、サル、キジ、がすべて境界をまたいだり、越えたりする動物だったりとか。
(鳥がそうであるのはギリシャ神話もなんだけど)
それから脱線して、日本における鳥の印象の捉えられ方とか。
ふつうは猛禽類が最強なんだけど、日本では小さいスズメ目の鳥がそれより強いことになってて、
このあたり、干支の最初になぜネズミがくるかというエピソードとも重なってて
ちょっとおもしろかった。
後、底辺に流れる世界観は一緒で、登場人物の性別、年齢、などによって結末が分かれる、という指摘とか。
異類婚のあたりは、前にも別の本で読んだことがあったのでさほど目新しさはなかったですが、
全体的に読みやすかったです(この一文に戻ってくる)。


ヒトはいかにして生まれたか 遺伝と進化の人類学 (講談社学術文庫)

尾本 恵市 / 講談社

スコア:


尾本恵市著『ヒトはいかにして生まれたか 遺伝と進化の人類学』
最近、ヒトの進化に関する本を読みあさっていたので、まだ知識を覚えているうちに、
と思ってこれも読んでおいた。
少し古くて、1995年の講演内容を文字化したもの。
今回は、日本の人類学に関する流れとかが、著者の体験にかぶせて説明してあって、
当時の雰囲気が嗅げたのは目新しかったです。
やはり、分子遺伝学の発展は、この分野を大きく変えたのだなあ!!
人類学の大まかな流れは、だいたいの本で一致してるんですが、
諸々のまだ解明されていない問題に対するその解釈はまちまちで、
この著者についていえば、人類に毛のない理由とか、独特でおもしろかったです。
後、ネオテニーについて、わたし、いまいちわかってなかったんですが、
ようやくすっきり理解できた気がします。


雑誌『EPTA』
超絶かわゆらしい上司にまたもやただでもらったので。
今回は種特集でした。
いいよね、植物は。いやされるよね。
種だけじゃなくて、和綿の記事なんかもあったんですが、
日本産のコットンって生産量ほとんど0%に近いんですって!!
マジか!
最近コットン100%の衣類の手触りの良さに目覚めたところなのでそれは残念だと思った次第。
日本産の綿の方がしっとりしてると聞いてはよけいに、ますます。
地域に根ざした野菜なんかも、育てやすい商業用苗に押されてどんどん失われて
いってるみたいだし、なんか、知らんとこで日本の植物層が消えてる、と思うと
なんか、悲しくなりました。自家農園すべきか!?
[PR]
by mi-narai | 2016-12-08 10:45 | 2016年下半期の読書

『父という余分なもの』『ヒト 異端のサルの一億年』『精霊の守り人』『アーサー王と聖杯の物語』

父という余分なもの: サルに探る文明の起源 (新潮文庫)

山極 寿一 / 新潮社

スコア:


山極寿一著『父という余分なもの』
あの有名な京大の霊長類研究所の先生で、つい数年前に京大の学長に就任した著者が書いた
霊長類の研究から家族構成における父親というのもの役割ひいては
動物学的な比較、社会性の発達段階の観察等を書いた本。
その本が古本屋で200円で売られてて、しかも解説がかの鷲田清一先生と来れば
もうこれは買うしか!
そういえば、この先生、京大学長に推挙されちゃったとき
学生たちがこぞって反対したそうですね。曰く
「先生が研究できなくなる!」
愛されてんなぁ…。

それはさておき内容です。
長年ゴリラ研究にいそしんできた著者がその集大成として社会制度の萌芽としての
父について考察した、大真面目な一冊でした。
古い神話とか見てると、大体古代人は女系なのかなと思ってたんですが、
ところがどっこい、類人猿は父系社会なんですって。
ほ乳類はそもそも雌が集団で暮らして、雄がその集団を離れてよそへ行くパターンが
多いのだけれど、類人猿とその他一部だけは、雌が生まれたグループを離れて余所へ移っていくらしい。
なので、まずゴリラから種として分かれ、次にチンパンジーとボノボに枝分かれした
人類も、初期は父系のグループを作ってたんじゃないかという類推なんだけど

意外!

でした、これが。
もっと社会的な要因で女性の移動が始まったのかと思ってたけど
そんな昔からの風習だったんかいな。
いや、まだ推測の域を出ないので分かりませんが。
後、主食と群の構成比率とか、社会性などを比較する項目も面白かったです。
雌が発情を隠すか隠さないかとか。
以前読んだジャレド・ダイヤモンドの本を思い出しました。


鍋奉行犯科帳 お奉行様のフカ退治 鍋奉行犯科帳シリーズ (集英社文庫)

田中啓文 / 集英社

スコア:


田中啓文著『お奉行様のフカ退治』
言わずとしれた鍋奉行シリーズの一冊。
これまたさらっと1冊読んでしまいました。
相変わらず、安定していて、お約束が利いていて読みやすい。
一番へーと思ったのは、江戸時代くらいには、
きゅうりって黄色く熟してから食べていたらしいと言うことです。
あれ、食えるんや!!
昔はもっと苦かったみたいだけど、品種改良して苦くないのを作り出したんだって!
へー!


ダブル・ジョーカー (角川文庫)

柳 広司 / 角川書店(角川グループパブリッシング)

スコア:


柳広司著『ダブルジョーカー』
お借りした本。
これまたさらっと読める薄い本です。
でも薄くて正解かも。
あんまりスパイの、油断できない張りつめた世界の話ばかり読んでいると息が詰まってしまいそう。
でも、表題作の、陸軍主導の新たな諜報機関と我らがD機関の対決は
D機関が相手をさらりとかわすのが気持ちよかった。


おちくぼ物語 (文春文庫)

田辺 聖子 / 文藝春秋

スコア:


田辺聖子著『おちくぼ物語』
これまたお借りした本。
古典『落窪物語』の現代語翻案で、物語の雰囲気や登場人物、大筋はそのままに、
現代人向けにアレンジして欠かれています。
有名な物語だけど、一応ざっと説明しておくと、書き手は不明で、
落窪の君というひどいあだ名を付けられている女主人公が、継母にいじめ倒されるけど
機転の利く侍女のおかげもあって男前の若君に見初められ成り上がって継母を見返すという話。
面白かった!
もともと『落窪物語』って大衆小説で、当時から文学界の偉い人には蔑まれていたらしいけど
確かに文学的高尚さはないけど大衆受けしそうなこれでもかという展開があって
ぐいぐい読めてしまいました。いや、これは田辺聖子さんの力量なのかな。
今で言うところの少女マンガみたいなあらすじですよ!
いいじゃないですか、サブカルチャーっぽくて。
解説が美内すずえ先生だったのがまたびっくり。


パラダイス・ロスト (角川文庫)

柳 広司 / 角川書店

スコア:


柳広司著『パラダイス・ロスト』
これまたお借りした本。
いや、借りたやつから読まないといけないなと思ってさ。
ダブル・ジョーカーの次の巻ですが、特には続いてないです。
相変わらずのスパイ戦。
今回はアニメで見たやつが多かったので、さらさらっと読みました。
もうそろそろおなかいっぱいです。


精霊の守り人 (偕成社ワンダーランド)

上橋 菜穂子 / 偕成社

スコア:


上橋菜穂子著『精霊の守り人』
こいつ、また時流に乗りやがって、と思うでしょう。
まあ、そうなんですけど、本を買ったのはもう20年も前なんですよ。
もともと児童文学が好きで、この本も出てすぐくらいに買って、
でも当時は海外の面白い児童文学を山ほど読んでたし、自分も若かったし、
「面白いけど、ふつうくらいかな」と思ってたのですよ。
4冊目の『虚空の旅人』まで買って、次巻が上下巻だったので躊躇してるうちに
月日は流れ、なんか知らんけどブームになって、文庫化(!)して
ドラマ化までされちゃって、
ドラマ見た父母が「原作貸してくれ」と私の蔵書を持って行き、続きを文庫で揃えるに
至って、これは、最初に買った私だけが読んでないなんてことがあってはならん、と
遅ればせながら読み始めた所存。
どうせ読むなら1巻目から再読してみた。
この1巻目は、読んでから随分経ったので薄ぼんやりどろっとした異世界のイメージと
女性と少年の逃避行、みたいなイメージしかなかったんですが、
ドラマを見てあらすじをおさらいしていたので、たいへん分かりやすく読めました。
うん、面白かったよ。
自分も年をとったので、ちびっこと別れるときのつらさとか身につまされちゃいました。
オーストラリアの民俗などを研究しておられた著者のことなので、言われてみれば神話感はそんな感じ。
昔、オーストラリアが舞台の現地神話に根ざしたファンタジーを読んだことがあったけど、
話の筋はともかくその豊かな世界観には刮目しましたもの。それを思い出しました。

闇の守り人 (偕成社ワンダーランド)

上橋 菜穂子 / 偕成社

スコア:


上橋菜穂子著『闇の守り人』
続けて読破。
主人公バルサが故郷カンバル王国へ帰る話。
1巻目の温暖湿潤地帯かつミクロネシアっぽい世界と打って変わって
からっと乾いた草原と山岳地帯の話だったので、毛色が変わってて
なんかすごい楽しく読み進みました。
部族間の陰謀に巻き込まれたり、やはりちびっこに肩入れしたり、今回も主人公のバルサは
大車輪の活躍ですよ。
人間に使われてる小さい牧童たちが、じつは大地の民であるという設定は、
サトクリフの『太陽の戦士』に出てくる先住民たちを連想しました。
2巻目なので主人公やその他の登場人物たちにも愛着がわいてきて、読みやすい。
それにしても、バルサさんが味方に付いたときの安定感がハンパないですよ。
彼女がいれば安心だ!って思っちゃうもんな。

夢の守り人 (偕成社ワンダーランド)

上橋 菜穂子 / 偕成社

スコア:


上橋菜穂子著『夢の守り人』さらに読破。
バルサの幼なじみのタンダが夢に捕まっちゃう話。
あー、わかるわー、29歳って微妙なお年頃やんなぁ(そこかー!)
若干トロガイ師の言い回しが大仰すぎるなとは思いましたが、
今回は諸国放浪譚ってよりは、純粋にTHEファンタジーって感じの筋書きで
これはこれで面白かったです。
『花冠の竜の国』で出てきそうなネタだった(笑
でもネタで終わらせずに人生のほろ苦さを混ぜてくるあたり、さすがだと思いました。

虚空の旅人 (偕成社ワンダーランド)

上橋 菜穂子 / 偕成社

スコア:


上橋菜穂子著『虚空の旅人』
わたしが自分で買ったのはここまで。
今度は南の島国サンガル王国にチャグム皇子が特使として出向く話。
諸国漫遊譚再び。いや、この世界を旅する系の話は大好物なので超楽しいです。
言葉が東南アジアっぽいのもまた楽しい。
物語の進み方がなんか見えてきましたよ。諸国漫遊譚にその国の陰謀を絡めて
主人公が巻き込まれる系ですね。それにもう一つの世界がらみのサイドストーリーがさらに絡んでくると。
今回は商売っけの強い国の話でしたが、以外に直情バカのタルサン王子が好感触。
可愛かったです。
チャグムはお着きのシュガが霞むほどご立派でいらしてまあ。成長したわね。
誰かチャグムを左側に据えて右側シュガとかタルサンで薄い本書いたらええねん。
是非買うのに。(やめなさいよ)

神の守り人〈上〉来訪編 (新潮文庫)

上橋 菜穂子 / 新潮社

スコア:


神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫)

上橋 菜穂子 / 新潮社

スコア:


上橋菜穂子著『神の守り人(上)(下)』読了。
ここまで来たら、一気に読みますよ!
またもバルサがちびっ子の護衛をして大変な目に遭う話。
今回はロタ王国のごたごたに巻き込まれてます。
バルサもタンダも毎回必ず重傷を負うので慣れたとはいえいつも痛そう…。
今回は、他の巻にもまして血なまぐさく、あいたたたと思うシーンも多かったけど、
やはり面白かったですよ。
ちょっと状況と設定説明が多かったですが。
しかしまあ、どこの国も大変だな。そんなもんか。

蒼路の旅人 (新潮文庫)

上橋 菜穂子 / 新潮社

スコア:


上橋菜穂子著『蒼路の旅人』
わたし、わりとチャグムの話が好きみたい。
なので、これも期待して読んだのですが、諸国漫遊譚っぽい趣はあるけど
ずーっと捕まったままで、敵の強大さを思い知らされただけで雰囲気は重苦しかった…。
作者はタルシュ帝国の勢いばかり書いてるけど侵略で大きくなりすぎた国は続かんぞ。
中国も、ローマもオスマン帝国もな…。

天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編 (新潮文庫)

上橋 菜穂子 / 新潮社

スコア:


上橋菜穂子著『天と地の守り人(上)』
えっらいとこで終わった前巻の続きです。
貸してくれた母がこの天と地が一番好きといっていたので。
母の性格から類推するにたぶんチャグムが活躍してすっきり大団円で終わるのだろうと勝手に予想してます。
それなら私も楽しみ♪
しかし、まだ上中下とあるうちの上巻なので追い込まれて崖っぷちな状況が続いてます。
後、守り人シリーズが好きな人は、絶対ジル・オールが好きだと思うな。
後(2)、著者がサトクリフ好きって書いてあるじゃん!
そうだろう!!
世の中の人はもっとサトクリフを読むべき。

天と地の守り人〈第2部〉カンバル王国編 (新潮文庫)

上橋 菜穂子 / 新潮社

スコア:


天と地の守り人〈第3部〉新ヨゴ皇国編 (新潮文庫)

上橋 菜穂子 / 新潮社

スコア:


上橋菜穂子著『天と地の守り人(中)(下)』
中と下はほぼ一気読みしたので。
中でようやくバルサがチャグムに追いついて、またもチャグムを守って用心棒なのでちょっと楽しかった。
下巻は、まあ、想定内というか。
チャグムがちゃんと間に合って、良かったです。
タンダは気の毒だったなぁ…。最前線の下っ端なんてあんなもんだよなあ。


アーサー王と聖杯の物語―サトクリフ・オリジナル〈2〉 (サトクリフ・オリジナル (2))

ローズマリ サトクリフ / 原書房

スコア:


ローズマリ・サトクリフ著『アーサー王と聖杯の物語』
買いだめておいたものをここで。
サトクリフは再話よりオリジナルの方が断然おもしろいのですが、残念なことにこれは再話の方でした。
でも、さすが作家だけあって、無味乾燥な中世の騎士物語がすっきりとした筋で大変よみやすくまとめられています。
聖杯の話が知りたい人にはお勧めの一冊。
アーサー王物語関連の話はむかーしざらっと読んだのですが、
まあ大体忘れていたので新鮮な気持ちで読めました。
聖杯は結局ランスロットの息子ガラハドが手に入れるというのは覚えていましたが、
ガラハドがあんな鼻につく若造だというのは忘れてました。
後、ランスロットが可哀想だった。
中世の話なのでキリスト教色が濃くてかなわん。


アーサー王最後の戦い―サトクリフ・オリジナル〈3〉 (サトクリフ・オリジナル (3))

ローズマリ サトクリフ / 原書房

スコア:


続けてローズマリ・サトクリフ『アーサー王最後の戦い』
アーサー王の物語は、最初の魔術師マーリンの助けでアーサーが王になって
彼の周りに円卓の騎士が集まるところがピークな気がする。
聖杯探求で騎士たちはバラバラになり、ある者は二度と戻らず、
この最後の戦いでは、宮廷が崩壊してしまいます。
この話も、むかーしざらっと他の本であらすじだけ読んだ気がするのですが
その時は敵方のモルドレッドのせいで争いが勃発した、位にしか思ってなかったのですが、
このサトクリフの再話を読んですっきりどういう流れかが分かりました。
やっぱり悪者はモルドレッドだった。
そして、やっぱりランスロットとアーサーは可哀想だった。
モルガン・ル・フェイはほとんど出てきませんでした。
マーリンもサンザシの下で眠りについた後なのでぜんぜん出番がなく、それは残念。
ケルトのフィンと黄金の騎士団の話の最後を読んだときも思ったけど、崩壊する話は悲しいなあ。
色合いがにているのは、アーサー王伝説の方もケルトの伝承を下に敷いているからでしょうか。


ヒト―異端のサルの1億年 (中公新書)

島 泰三 / 中央公論新社

スコア:


島 泰三著『ヒト 異端のサルの一億年』
半世紀ほどサル研究に携わった著者が、人間もサルの一種として客観的に見ながら
霊長類の進化をたどった一冊。
それぞれオランウータンの観察時に東南アジアにいったときのこととか、
ゴリラやチンパンジーを追ってアフリカに赴いたときのこととか、
若干エッセイ風に書いてあって、それがまた作者の驚きや感動が伝わってきて
思いの外心揺さぶられました。
意外におもしろいんだ、この本!
まだ途中で、オランウータン、ゴリラ、チンパンジーと類人猿を見てきて、
次にアウストラロピテクスなので、続きを楽しみに読もうと思います。

読了。
アウストラロピテクス類がハイエナみたいに骨食ってたという説にはびっくりした。
そうなんや!
ホモ・エレクトゥスやネアンデルタールが筋肉ムキムキだったのは前から知ってましたが。
この人たち、肉食獣とて食っちゃう、スーパー肉食だったみたいですよ!
それに比べて人類は華奢で、雑食で、ネアンデルタールとかがいたら、
そこを迂回して進むような、肉体的には弱い種だったみたい。
肉食だったネアンデルタールたちの数が少なかったおかげで最終的に勝ったようなものですよ。
そういえば、アフリカのホモ・サピエンスはともかく、ネアンデルタールの居住地だったヨーロッパ南部から中東にかかるあたりを通過したホモ・サピエンスには、
もれなくネアンデルタールの遺伝子が入ってるみたいですよ。
しかもネアンデルタール×ホモ・サピエンスですよ。
欧米人の顔かたちはそのせいでは、とか邪推しちゃったよすまん。

最後の章で、最近の遺伝子研究からわかる日本人の近縁についても書かれてましたが、
中国南部の少数民族とか、北東アジアの少数民族とか、南米の少数民族とかみたい。
お隣さんの中国人とか韓国人とは割と遺伝的には遠いみたいですよ。
あれやんね、辺境故に古い血が残った系の。方言周辺論と似たような現象よね。
ちょっとおもしろいなと思いました。
[PR]
by mi-narai | 2016-09-25 22:42 | 2016年下半期の読書

『人イヌにあう』 『二重人格探偵エリザ』 『「魔」の世界』

今年も始まりました。夏休み子供科学電話相談
しょっぱなが植物の田中先生2連チャンだったので気合い入れて聞いて、
その後ついったのまとめも見てたんですが、
田中先生の回答への数々のコメントの中にふたばさんを見つけて目を丸くしました。
同志…!(や、あの回答にだけ独立してコメントなさったのかもしれませんが)
ともあれ、リアルに田中先生の「じゃ、これ覚えとこか」「言うてみて」
矢島神の昆虫ゼリーdisを聞けて満足です。
宇宙の質問もすごーく楽しかった!!
どうして宇宙は暗いのか。深い質問やで!!


コズミック・フロントNEXT

荒ぶる木星回
「荒ぶる」ってネーミングにちょっと笑いました。
それにしても、最近分かってきた太陽系の成り立ちはなかなかすごい。
木星の暴れん坊っぷりはけた外れですよ。
ゼウスの名を付けた古代の人は先見の明があった!

宇宙ステーション回
当時のソ連の突貫工事っぷりにガクブルしました。
某お隣の赤い国と似ている…!
でも、それでも現場の科学者や技術者はものすごい頑張ってたんだよなあ。



ここから本

人イヌにあう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

コンラート ローレンツ / 早川書房

スコア:


コンラート・ローレンツ著『人イヌにあう』
人面犬の話じゃないですよ。黎明期に偉業を達成し、ノーベル賞まで受賞した
動物行動学界の重鎮が、自分ちで飼ってた犬や猫についてつれづれなるままに書いた心温まる本。
いや、もう、ほんと、行間から著者の愛がダダ漏れていて、
読み終わったら速攻なんか動物を一匹お家に迎え入れたくなること請け合い!
最近猫も良いなあと思ってたけど、本を読むとやっぱり犬も良いなあ…。
(どっちもすてきなんだもん!)
著者はその道の権威なので、飼ってる人がすぐ言いがちな
「この子、わたしの言葉が分かってる」とか
「悲しいのね~」とか
妙な擬人化は一切せず、ちゃんと動物の習性と本能とその行動を考慮に入れて
諸々の反応を判断していらっしゃるんですが、その上で、やっぱり自分の犬猫達を
深く愛してるんですよ。
時々「わたしのティトー」「わたしの雌犬スタシ」とか、名前に一人称所有詞付けるのが
きゅんときます。
「わたしの~」って何気ないけど使いどころを間違えなければ殺し文句だよなあ。
ヘクトールに「わたしのトロイア」発言されたらキュン死する(黙れ)。
もしも将来犬を飼うなら、飼う前に再度熟読しよう、と思った本でした。


二重人格探偵エリザ 嗤う双面神(双面神:ヤヌス) (ハーパーBOOKS)

ヴィオラ カー / ハーパーコリンズ・ ジャパン

スコア:


ヴィオラ カー 著『二重人格探偵エリザ』
お借りした本。
「ジキル博士とハイド氏」に娘がいたら、という設定のミステリー。
という見出しだけ見て読み始めたので、ヴィクトリア朝が舞台のゴシックミステリーなのかな、
くらいに思ってたのですが、ゴシックミステリーだけじゃなく、スチームパンクという
SF要素あり、オオカミ人間、錬金術といったオカルト要素あり、いろいろごたまぜで、
ミステリー要素もサスペンス調で、とにかく盛りだくさんじゃった。
もう、はらぁ一杯だ…
(※こんなとこで使う台詞じゃありませんすみません)
いや、でも、楽しく読みましたよ。
知的で地味なジキル博士の娘エリザは、
内っ側にリジーという大胆で奔放で気の強い山猫みたいな人格を抱え持ってて、
普段はスコットランドヤードの監察医として働いてるんだけど、
いけすかんおっさん刑事からは女だって理由で嫌がらせされるし、
ちょっと前に捕まえた切り裂きジャックは監獄の中から思わせぶりなメッセージ送ってくるし、
体の部位がぶつ切りになったホラーテイストな殺人が次々起こるし、
現代の魔女狩りともいえる、異端科学審問の最先端、王立科学院から派遣された男に目を付けられるし、
リジーはその男が大好きだし、
謎の後見人は気にかかるし、
なんかもういろいろ大変です。
大体こういうスプラッタっぽい殺人事件を扱うミステリーって、最後は探偵役が
最後の犠牲者になりかけて、間一髪助かるって筋が多いんですが、
…まあ、大体そんな感じ。
続編もあるそうなんですが、
困った男からもってもての主人公がいったい誰に惚れるのかが一番気になるところです。


化け芭蕉 縁切り塚の怪 (角川文庫)

瀬川 貴次 / KADOKAWA/角川書店

スコア:


瀬川貴次著『化け芭蕉』
これもお借りした本。
上のエリザが翻訳物の常として、一ページにぎっしり文字がつまってたなかなか読み進まなかったのに対し、
あっという間に読み終わりました!
「化け物好む中将」とは違って今回は推理ものじゃなかったけど、結構面白かったですよ。
若き芭蕉と、若い日の弟子たちが和気藹々としてて微笑ましかった。
作中ナチュラルに主人公がホモ疑惑掛けられてて笑いましたが(笑)


目白台サイドキック 五色の事件簿 (角川文庫)

太田 忠司 / KADOKAWA/角川書店

スコア:


太田忠著『目白台サイドキック 五色の事件簿』
更にお借りした本。
『北野坂』の方と設定やらなにやらけっこうかぶるのですが、
こっちの方が堅実な感じがするのはなぜなのでしょう。
いや、北野坂の方はかっこつけのにおいがしてうんざりするからかな。
語り役の若手刑事さんがものすごいいい子で可愛いし。
今回は幽霊関連の短編を連ねつつ、根底にじわじわ大きな謎が浮かび上がって
来る趣向で、けっこう次が楽しみな終わり方でした。


世界を、こんなふうに見てごらん (集英社文庫)

日高 敏隆 / 集英社

スコア:


日高敏隆著『世界を、こんなふうにみてごらん』
コンラート・ローレンツ関連で読みました。
「ソロモンの指輪」の訳の人じゃないかな。
青少年に向けたメッセージを基底にしたエッセイ、なので大変読みやすいのですが、
その簡単な文章の中に日本に新しい学問を打ち立てることの困難や
作者のだいぶ変わった人柄や
いろいろがかいま見えてなかなか面白かったです。
作者は独自に、
「もっともらしく唱えられてる科学なんてのも
暫定的に今こんな感じで考えられてるってだけの途中経過であって
絶対的な答えではない、まあ世の中大体そんなもん、
お前等、寄って立って安心してんなよ!」
というような境地に達しているのですが、
割と最近同じ事言ってる人見た、と思ったらサルトルだった。

けど「イリュージョン」という字面は、真面目に使ってあっても
ちょっと笑ってしまいますね。手品師が思い浮かんじゃって。


「魔」の世界 (講談社学術文庫)

那谷 敏郎 / 講談社

スコア:


那谷敏郎著『「魔」の世界』
古今東西の世界の妖怪、怪物、お化けについて広く、結構つっこんで書いてある本。
面白いよ!
インドとかアジアとか、普段あんまり注目しないあたりが書かれてて
読みながらにやにやしました。
特にアラビア圏の魔についてけっこう詳しく書いてあったのは嬉しかった!
あんまりないんですよね。そういう本。
ギリシャ神話の魔については、通り一遍でしたが。
「世界の妖怪辞典」とか、そういう本よりは、
項目は少ないけどもう少し系統だてて深く掘り下げてある印象。
古本屋で衝動買いしたのですが、割といい買い物だったと自画自賛しました。


ジョーカー・ゲーム (角川文庫)

柳 広司 / KADOKAWA/角川書店

スコア:


『ジョーカー・ゲーム』
お茶友に勧められてアニメを見て、割と面白かったと感想をいうと、原作本を貸してくれました。
アニメで一度見た話なので、構えずにさらっと読めましたよ。
スパイの話はもともと好きなので楽しかったですが、
D機関の人間は鼻持ちならん。
軍人もいろいろアレですが。
[PR]
by mi-narai | 2016-08-01 00:40 | 2016年下半期の読書

『人形遣い』 『政令指定都市』 『ソロモンの指輪』

人形遣い (事件分析官アーベル&クリスト) (創元推理文庫)

ライナー・レフラー / 東京創元社

スコア:


ライナー・レフラー著『人形遣い』
ドイツ発ミステリー。
ケルンで起こる血なまぐさい連続殺人を解決するため、
事件分析官(アメリカで言うところのプロファイラー)の主人公アーベルが呼ばれ、
その助手として若くて気の強い美人刑事ハンナが付けられたところから
物語はスタート。
最初はいがみ合ってた二人が事件を追うにつれ、徐々に互いに信頼を育てていくのが
王道とはいえ読み応えがありました。
殺人事件の方は、いかにもドイツらしく、臓物が派手に飛び散る系のアレでソレ
なので、グロいのが苦手な人は気をつけて。
なんで大陸の最近のミステリーはスプラッタっぽいのが多いのか…。
シリアルキラーで、幼少時の性的虐待ネタはもうええねん!!
と叫びたくなるような、どっかで見たような道具立てではあったのですが、
話のテンポがいいのと、主人公たちがなかなか魅力的だったのとで
最後まで飽きずにハラハラしながら読みすすめることが出来ました。
アイディアはふつうだけど、小説の構成とかバランスとか
人物設計はすごい堅実なイメージ。
後、登場人物同士の軽口が、イギリス小説ほどひねってはいず、
アメリカ小説ほど軽くも明るくもなく、
微妙にすべってるというか、妙に真面目っぽいのが
日本人と相通ずるな、などと変なところで感心してしまいました。


政令指定都市 - 100万都市から都構想へ (中公新書)

北村 亘 / 中央公論新社

スコア:


北村亘著『政令指定都市』
そのタイトル通り、地方都市行政の内、政令指定都市に絞って書いてある著書。
その成り立ちから、行政形態、市長の一日、この制度は今後どういう変化を考え得るか、
などをひと通りさらえてある感触です。
まずは大まかに都市政策というものの意義について。
そもそも、牽引役を期待して、国は大都市に権限を付与するらしいですね。
その地域の経済の活性化の起爆剤的な。
けど薄く広くやりすぎると、財政が続かんし効果も薄い。
なので、これ、という大都市にのみ、集中投資するのが良いとされているようです。
もともと、もっと権限を付与した「特別市」、というものに、
首都として東京都に組み込まれた東京市を抜いた、5大都市を当てはめようとしてたのが
周辺自治体の反発とか政治的駆け引きとか与党の都合とかあって、
玉虫色の「政令指定都市」制度というのに落ち着いたそう。
それが制定されたのが戦後まもなくだったから、
ひどい爆撃を受けた神戸市の人口が激減してて、
それで本来なら100万以上にするところだった人口要件が
50万以上になっちゃったらしい。
これが後々、尾を引くんです。
その後、経済成長と共に、政令指定都市になることが大きな都市のステータスみたいに思われて
なんだかんだで他の市が目指すようになって、現在その数20市。
もともとの狙いからだいぶはずれてます。
これだけ増えると、それぞれの都市間の特徴や実力の差がバラバラで、
全部を同じ政令指定都市という制度に当てはめちゃうのがいいのか悪いのか。
ちなみに、各都市の状況などをいろいろな視点から眺めて考えると、
今のところもっとも大きな政令指定都市、第一人者を自認してる横浜市って、
実のところ単なる大きな衛星都市にすぎないらしいですよ。
大都市制度を適用して効果が期待される市としては、
福岡、名古屋、大阪がその要件に当てはまるらしく、
特に大阪は大都市の中の大都市なのだそう。まだまだ自信持ってください大阪さん。
なので、横浜には、大都市としての制度ではなく、
大きな衛星都市としての別の補助を掛けた方がいいみたい。

いきなり市長の話になりますが、市長ってお忙しいんですね。
作中に、比較的情報が公開されてる広島市と大阪市の市長の一月の仕事回数、
みたいな円グラフがあったんだけど、どっちもひたすら大変そう。
でも当時の大阪市長(あの人でした)は鬼のように仕事こなしてちゃんと休暇も確保してて
すごいな、と思いました。

都市の財源の話。
一般平均としては政令指定市は固定資産税がもっとも大きい割合を占めてるんだけど、
特に京都と大阪は特殊らしい。
京都は神社仏閣と教育機関(大学)が多すぎて、固定資産税がそんなにとれない。気の毒です。
大阪も、昼間人口と夜間人口の差が、東京23区を抜いて日本一らしく、これまた固定資産税がとれない。
要するに、周辺と市から大阪に通勤とか通学してる人の割合がものすごい多いって事ですよ。
確かに。実感としてそれは分かる。
それで潤ってんだからいいだろ、と一概にも言えず、昼間の人々のニーズに合わせて
莫大な金掛けてインフラ整備しても、その人たちは大阪市に税金は納めてくれない、という悲劇。
結構気の毒な立ち位置です。
他にもいろいろ他の都市に比べて、大阪市は大都市故の不都合を
一手にひっかぶっちゃってる部分があって、
考える以上に大阪市は窮地に立ってますよ。
今思えば橋○さんはようガンバっとった。
それもこれも、そもそも政令指定都市制度が中途半端な妥協の産物だから、という
遠因があって、
前に「大阪都構想」を読んだときにも書いてあったけど、
大阪市では、大分前から(もう70年くらいも)市の構造を変えるべきじゃないか、
という案は何度も出てきてるようです。
府県側を主体にしてまとめちゃう方向に振り切ったのが都構想で
逆方向に振り切ると、大阪市独立、大阪特別市成立へ進みます。

個人的には、現代に自治都市があっても良いと思うんだけどなあ。
(自分が住んでないからって無責任なことを言ってみました)

いや、なかなか。日本の地方行政について、特に大都市の行政について勉強になる本でした。
もっと眠くなるかと思ってたけど、思いの外面白かった。


鍋奉行犯科帳 お奉行様の土俵入り 鍋奉行犯科帳シリーズ (集英社文庫)

田中啓文 / 集英社

スコア:


田中啓文著『お奉行様の土俵入り』
いつもの鍋奉行シリーズの第5弾。
今回も、面白かった。
肩肘張らず、ほどほどに時代劇で、最後は大団円なので安心しながら読めます。
お奉行様が出てきたときの安定感といったら!
しかしまあ、食べ物ネタでよくここまで続くなあ。


カラスの補習授業

松原始 / 雷鳥社

スコア:


松原始『カラスの補習授業』
こないだ読んだ『カラスの教科書』があまりに面白かったのでつい買ってしまった第二弾。
今回は、前回以上にジョジョネタ満載です。
時々挿入されるラノベネタは、詳しくないので分かりませんが、ジョジョなら分かる。よし。
内容としては、前回入らなかったネタの他、更に専門的な内容なども盛り込んであり、
より一層ディープにカラスフェチになれること必至!
今回も、大変、大変!楽しかったです!!
最近は道でカラスを見かけたら立ち止まって見とれてしまうくらい好きになりました。
こないだ、初めて威嚇されたよ!(嬉しげ)


ソロモンの指環―動物行動学入門 (ハヤカワ文庫NF)

コンラート ローレンツ / 早川書房

スコア:


コンラート・ローレンツ著『ソロモンの指輪』
「カラスの補習授業」で何回か言及してあったので読んでみた。
ご本人曰く、当時、周囲には、どう考えても納得できないエセ動物本が溢れてて、
それに我慢できずに書き上げたのが本書らしい。
どうも、動物行動学の草分け的な大御所らしいですね、この方。
まだ方法も確立されていないような頃に、動物を飼うというよりほとんど共同生活しながら
人間が陥りがちな擬人化じゃなく、その動物の行動を客観的に真摯に観察しています。
おまけに、ご本人の動物たちへの愛が随所にあふれてて、読んでてじんわり胸が温まりました。
犬、ネズミはもちろん、コクマルガラスをはじめ各種鳥、魚に至るまで、色んなものを
家の中に放し飼いにしたり庭の小屋で飼ったり。
いくら偉い教授やいうても、よう奥さん我慢したな。と一読者にまで同情せしめる変わり者っぷりですよ。
でも、逆に言えば、本当に動物のことを考えて飼うってそこまでの覚悟がいるものなのかもなあ。
もともとカラス目当てでこの本を買ったので、ワタリガラスやコクマルガラスの章は
もちろん面白かったのですが、他にもハイイロガンの章とか、アクアリウムの章、
飼いやすい動物についての章とか、バラエティに富んでて、どれも楽しく読めました。
犬についての章は、ジャッカル由来の犬とオオカミ由来の犬の違いについて書かれてて、
へー、なるほどなあ。と思ってしまった。
ジャッカル由来の犬の方が人なつっこいんですって。
オオカミの血が濃いほど、主に忠実に。日本犬はこのタイプですよね。
確かこの人、犬についての本も書いてたはずだから、
そっちも読みたくなってしまいました。
[PR]
by mi-narai | 2016-06-26 10:31 | 2016年上半期の読書

『植物学「超」入門』『世界の名前』『カラスの教科書』

今年も最寄りの博物館で古代ギリシャ展があると聞いて、うはうはしております。
K市の博物館、パイプがあるのはエジプト関連だけかと思ってたら
意外とその他の古代文明も網羅してるのね。
有難いことですよ。



逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)

渡辺 京二 / 平凡社

スコア:


『逝きし日の面影』

正直に言います。アマゾンレビューが良かったから買いました。

著者の著作目的を簡単に言うと、
今の日本は江戸時代からつながっているように見えるが
文明としての江戸とは断絶してしまっているのだ、
その滅びた江戸文明を、当時の外国人の残した記述からたどってみよう、というもの。
自文化というのは、中にいる成員にはどこが特異でどこが普遍か分かりにくいようで、
こういう時外からの視点は文化人類学的アプローチとして有効なのだそうですよ。
著作の中で、若干他の日本人学者の記述に反発するような言及が多いのですが、
…一昔前は、日本なんてダメだ、という見方が大勢を占めてたもんな、
それでなくても、あんまり自国文化を「俺スゲェ」すると下品な感じがするし。
たぶん、この方がこの本を書かれた当時は日本を見直すような言動は受け入れられなかったのだろうな。
(今は日本アゲ情報に溢れてますが)
そんな風潮の中、あえて「もっとフラットに自国文化を見て見ようよ!」
と頑張ってみたのがこの本です。
著者も再三しつこいくらい「いや、自国文化を自慢したり、やっすい愛国心に
まみれたいわけじゃないねん」と書いてて、そこは誤解してほしくないようです。
確かに褒める記述は幾分多目ですが、
大抵その頃の外国人て鼻持ちならん西洋史上主義に毒されてるから
貶す記述は今見たら鼻で笑っちゃいそうな理由だろうし、
そちらを必要以上に取り上げる必要もない気がしますもの。良いのではないでしょうか。

構成は、テーマ毎に外国人の著述が集められ、それを元に当時の文化を考察するという
形になっています。割合真面目な内容です。
面白かったよ。
繰り返しが冗長でしたが、へー、昔はそんなんだったんだな、という驚きと
昔からこんな感じだったのか、という安心感のどちらをも感じました。
特に江戸から明治に掛けての記述に「日本人は子供にメロメロだった」、という
のがあって、心があたたまりました。


植物学「超」入門 キーワードから学ぶ不思議なパワーと魅力 (サイエンス・アイ新書)

田中 修 / SBクリエイティブ

スコア:


田中修著『植物学「超」入門』
またも職場の超絶かわゆらしい上司にただでもらったので!
いつもありがとうございます!
今回は、植物についての基礎知識、そこそこ踏み込んだ内容を、
大変にわかりやすく簡単な言葉で丁寧に説明してある本でした。
ひとつのトピックに付き大体2ページほどなので、途中でなんのはなしか分からなくなる心配も皆無。
読者に優しく、植物学知識も増え、少し難しい内容やこぼれ話ににやりとし、
ひいては人々の植物に対するさらなる興味をかき立てることにも成功したいい感じの本だと思います。
流石に田中先生のご本はこれまで何冊も読んだので、これ、知ってるで、という
箇所もあるのですが、そうして少しずつパターンを変えながら繰り返して読ませ
植物の情報を人々の長期記憶に刷り込もうという、遠大なる計画な訳ですね、
分かります。理系の学生増えろ!
先生は教育者の鑑でございますよ。
知ってる知識ばかりだと思ってたらちらちら知らないネタもあったりして、
これは、好きな方の本だった!


世界の名前 (岩波新書)

岩波書店

スコア:


『世界の名前』
岩波書店辞典編集部が編纂してます。
その言語の専門家が専門言語の人名に特化して2ページほどにまとめて書いた物を
集めた新書。これが面白くないはずがない!!
世界中の地域が網羅してあって、アジアも東、東北、東南、南、西、
ヨーロッパもスラブから北ゲルマンにロマンス諸語、
南北アメリカ、洋上の島々、オーストラリア、
いろんな場所の、思いがけない名前の付け方とか知れて、
すんごい楽しかった!!
もともと名前の付け方とかにものすごく興味があるので!
例によって、ちらちら思ったことを箇条書きに。

・文字を持たない民族ほど名前が赤ん坊が生まれたときの状況説明っぽくなるのは面白い。

・カメハメハって、亀はめ波では勿論無く、カ+メハ(×2)だったよ!衝撃!!
しかも、長い王名の真ん中変の一部だった!(これは良くあること)
カが名詞に付く定冠詞っぽいなにかで、メハが一単語で、繰り返して「寂しい」って意味なんだって!

・現在の名前の混交具合から、過去の歴史をひもとけるのは面白いなあ。
系統の違う名前が一定の割合で混じってたりするの。

・宗教力も半端ねぇ。特に一神教。聖書の名前が世界には溢れすぎ!

・スラブの辺りの、名字の語尾で国が分かるってやつ、面白い。
~ヴィリだとグルジアとか。スケート選手でゲデバニシヴィリっていたなあ。

・父称を使うのは、スラブとアラブとアイスランドくらい?

・時々文学上の名付けの話も載ってて、これまた興味深く読みました。

・最後の辺り、母校の先生の寄稿があって吃驚した。おおっと。

・日本でも昔は7歳くらいまでは神の子、みたいに考えてたっぽいけど、世界各地で
この風習はあったのね。乳幼児の死亡率の高さの問題でしょうか。

・スーザンって名前がエジプト起源て、マジか!

とりあえず、いろんな先生のネタ話をつまみ食い出来るおもしろさがあって。
お勧めです。


外国語を学ぶための 言語学の考え方 (中公新書)

黒田 龍之助 / 中央公論新社

スコア:


黒田龍之介著『外国語を学ぶための 言語学の考え方』
「世界の名前」が2ページにぎゅっとエッセンスを詰め込んだ本だったので、
それに比べたら内容が薄いと感じてしまいましたが、
著者に失礼ですよね。わかりやすく、読みやすく、とっつきやすい語学本です。
これまではもっと具体的な言語について書かれてた印象なのですが、
今回は一瞬それとは分からないものの最後まで読み終わると、言語学の大枠や
重要な用語についてざっと分かるようになってるんだなあ、と思いました。
読まされてる感はないのに読み終わるとちゃんと言語学の用語やその用法が
ざっくり頭に入ってるのはすごい。


カラスの教科書 (講談社文庫)

松原 始 / 講談社

スコア:


『カラスの教科書』
動物行動学カラス専門の著者による、
まるまる一冊カラスについて書かれた本。
あー。楽しかった!!
狼好きであると共に、カラス好きでもある私、
大変に楽しんで読んだことを告白します。
全てのページをドキドキしながら目で追いましたよ。
ワタリガラスの神話を知って以来カラスファンなので!
朝道で見かけたら、今日一日良いことありそうだな~と思うくらい好きです。
で、この本、カラスの種類から一生、習性、縄張り、対処法など
項目別に書いてあるのですが、例によって思ったことを箇条書きに。

・ハシブトガラスとハシボソガラスが日本に多い種類なのは知ってましたが、
ようやくきちんとした違いが分かりました。
鳴き声がクリアなのはハシブトらしいから、家の近所、職場の近所にいるのはハシブトだな。

・都市にこれだけカラスがいるのは日本くらいで、海外ではもっと小さいカラスがいる程度らしいよ。
特にハシブトはもともと熱帯の森に住んでたらしく、東南アジアの人にとっては
今でも森にいる鳥なんだとか。

・生ゴミを漁るカラスですが、中南米ではその役割をコンドルが負ってると聞いてふるえました。
パネェ…

・カラスの名前の根拠が「カー(鳴き声)」+「ス(鳥につける語尾)」というのも書いてあったよ。

・ワタリガラスって、全体が大きいのもあるけど、羽も細長くって、他のカラスと違って
滑空するように飛ぶんですってね。カッケェ…!!!!!

・カラスと猛禽の関係の項では、猛禽の能力値の高さに震撼しました。

・カラスの子供愛に頭が下がります。攻撃してくるのは大体子供を守るときだけで
それも足で蹴るくらいらしい。

・昔、友達から「小さい頃カラスに口にくちばし突っ込まれてから怖い」という話を聞きましたが、
今思えば、子ガラスに餌やる感覚だったんじゃないかなあ。
赤い色とか見ると、鳥的には餌をやりたくて溜まらん気持ちになるらしいので。

・鳥には紫外線が見えてるらしい。鳥の目には世界はどんな風に見えているのかなあ。

・反対に嗅覚はほとんど効かないらしいですよ。

他にも、ページをめくる度にいちいち「へー」と思いにやにやしたものですが、
にやにや回数が多すぎて全てを書き切れません。
自分の子供間違えた話とか、著者がカラスの親にめっかって肝冷やした話とか
面白かったです。カラス万歳!


もう年はとれない (創元推理文庫)

ダニエル・フリードマン / 東京創元社

スコア:


『もう年はとれない』
異色の後期高齢者ハードボイルド
主人公はなんと87歳です。
でもハードボイルド。
人物設定としては、ユダヤ系のアメリカ人で、第二次世界大戦にも従軍し、
その際捕虜収容所ではドイツ人看守のせいで酷い目に遭い、
その後は殺人課で刑事一筋うん十年勤め上げた叩き上げのマッチョなんですが、
寄る年波には勝てず、今ではただのよいよいのおじいちゃんです。
たいてい、年寄りが主役の場合、二流の物語だと、年寄りのくせに強いとか、
スーパーじいちゃんになってて、加齢によるデメリットをファンタジーで打ち消すのですが、
この物語では、じじいはじじいです。
銃に撃たれることと、転倒して骨折って死ぬことが同列だからね!
めちゃめちゃ無力だからね!!
武器は刑事次代のノウハウと修羅場をくぐり抜けて培われた胆力のみ。
そんなじいちゃんが、知り合いの臨終の際、
捕虜収容所で自分をいたぶってくれた憎いドイツ人が実は生きてて
しかも金塊を隠し持ってるという隠し情報を聞いちゃったところから物語はスタート。
今時の若者である孫と二人、ドイツ人の追跡に乗り出します。

あんまりハードボイルドは得意じゃないけど、意外に面白かった。
次々と起こる殺人とそれに関する推理がテンポよく進み、飽きずに最後まで読みました。
アメリカにおけるユダヤ教徒の視点も興味深かった。
[PR]
by mi-narai | 2016-05-14 17:09 | 2016年上半期の読書

『大航宙時代』 『ニュートリノって何?』 『時の地図』

テレビ

「ちかえもん」

いわずと知れた木曜時代劇。
ドラ○もんではありません。
名前だけはめちゃくちゃ聞いたことあるけど著作は一作も読んだことのない
近松門左衛門(漢字合ってるかしら)の話だと聞いて興味を引かれて見始めました。
1話目あたりは「なんか、思ってたよりパンチ利いてへんな」と思いながら見てたのですが、
3話目あたり、お初と徳兵衛の事情がじわじわ明らかになってきたところくらいから
加速度的に面白くなってきて、今では続きが楽しみで楽しみで仕方ありません。
後一回で終わっちゃうってつらい。
…などという陳腐な言い回しはわしのプライドがゆるさへんので(決まり文句)
大人しく次回を待とうと思います。
1回目の感触で録画を消しちゃってもったいないことしたな~!

それにしても、まさか青木さんを可愛いと思う日がくるとはなあ。
万吉に対しては、小学生の男の子を見守るような微笑ましい気持ちになりますよ。


アップしない内に最終回も見終わりました。
脚本家に一回騙された。
でも、万吉のくだりではちかえもんと一緒に大泣きしましたよー!
まさかあんなオチに持ってくるとは思わへんかったけどなー!!
ああ、でも終わっちゃって寂しいな。
曽根崎心中を読んでみたくなりました。



ここから本

大航宙時代: 星海への旅立ち (ハヤカワ文庫 SF ロ 9-1)

ネイサン・ローウェル / 早川書房

スコア:


ネイサン・ローウェル著『大航宙時代』
買ってから積んで置かれてた本。
『リヴァイアサン』でSFづいたので、勢いで読んでみました。

…面白かった!!

いや、この話、何が起こる訳じゃないんです。主人公の日常がひたすら書いてあるだけ
なんだけど、それがすごい楽しい。
冒険活劇じゃなく、日常系というか、青春小説っぽい。
でもって、

わくわく商船ライフ本

であります!
時は未来、舞台はとある星。どうやら財閥とか企業とかが力を持ってる社会らしく、
最初、主人公は、丸ごと一個の企業が所有して運営してる企業星で教師をしてる母と
二人で住んでるんですが、ある日母親が不慮の事故死を遂げるんです。
いわゆる社宅みたいなところに住んでいたものだから、社員の母が亡くなって、
主人公はそこを出て行くよう言われるわけです。
星ごと企業だから、星から退去せよと。
でも、星を出て行くための路線の運賃は馬鹿高いし、通行手段と金とを稼ぐ一石二鳥の方法として、
主人公は星々を巡る貿易船に、下っ端水夫として乗り込むわけ。
こっから商船生活が始まるんだけど、物語は一貫して主人公目線で進むもんだから、
何もかも目新しくて、面白くて、へー、商船てこうなってるんだとか、
こうやって運営されてるんだとか、船内はこうなんだな、とか、船員は暇なときこうしてるんだとか、
自分の積載枠での個人貿易始めてみようとか、
1年先輩の同僚が実は商人一族の出身でものすごい商才に長けてたとか、
個人貿易も仲間とやってみたらどうかしらとか、
ほんま、戦争が起こるわけでも企業間の汚いあれこれがあるわけでもないのに楽しいのです。
ただ、主人公がいい子すぎるのと、出てくる人がみんな理性的なのはちょっと
都合良すぎるかな、と思うけど、そのおかげで読むのは大変にストレスフリーでございました。
原作は後5作くらいあるみたいだから、早く訳してくれないかなあ。


命売ります (ちくま文庫)

三島 由紀夫 / 筑摩書房

スコア:


三島由紀夫著『命売ります』
またもお茶友に貸された三島本。
なんでそれほど三島好きじゃないくせに買うのかね、君は。
でも、これは「一大エンタメ小説」の帯に違わず、大変読みやすい小説でした。
なんか、ぼんやりと世界に絶望した主人公が自殺を図って失敗するとこから始まるんだけど
もう命いらんと思ってるわけだから、「じゃあ、売っちゃえ」てなもんで
それを商売にするわけ。
で、次々と命を買いたいという人々が現れて、主人公はそのたびに巻き込まれ、
からくも生き残っちゃうんだけど、
うん、話の筋は飽きさせないつくりで比喩もすばらしくさすが文豪なんですが、
娯楽で読むにはちょっとよくわからん後味です。
連載されてたのが「プレイボーイ」らしく、女性に対して突き放した言い方が多かったり、
サービスシーンが毎回あったりもします。
でも、これまで数冊三島に挫折してきたお茶友が「初めて読み通せた!」と
言うくらいなので、取っつきやすいことは確かだと思います。


民間薬の科学 病気やケガに効く……民間の言い伝えはどこまで科学的か!? (サイエンス・アイ新書)

船山 信次 / SBクリエイティブ

スコア:


船山信次著『民間薬の科学』
いや、なんか、気が向いて買っちゃった本。
民間薬、と呼ばれている日本で昔から使われていた薬草たちを
薬剤師の著者が列挙していく淡々とした一冊。
でも、ちゃんと化学式も載ってて、なかなか面白いです。
けっこう道ばたに危険な草って生えてるもんだな、と思いました。


ニュートリノって何?: 続・宇宙はこう考えられている (ちくまプリマー新書)

青野 由利 / 筑摩書房

スコア:


青野 由利著『ニュートリノって何?: 続・宇宙はこう考えられている』
すごい面白かった一昨目の記憶があったので買ってみた2作目。
これも違わず面白かったです。
科学記者が、一般人にわかりやすいよう大層かみ砕いて書いてくれているので、
専門に物理を学んでいる人よりもまさにわたしのような浅薄無学な輩にこそぴったりの本でございます。
タイトルの通り、まるまる一冊ニュートリノについて貸いたもので、
そもそも、ニュートリノ、という概念がなにをきっかけに想定されたのかとか、
名前が付いた理由に、その観測方法の歴史、方法の変遷、
派生した理論のその後などを詳細に追っています。
まあ、ぶっちゃけ、今回ニュートリノ振動がノーベル賞とらんかったら出版されなかったと思うんだけど、
逆に言えばそれだけニュートリノが振動する、てのがどれだけすごい発見かが分かろうというものです。

それにしても、理論物理学者がたてた予想が、実験屋によって観測されるまで
大体数十年かかるのね。大変だなあ。

この本、一般読者が飽きないようにか、科学者たちの横顔もさらっと入れてくるので
小難しい物理話に頭が飽和し掛けたわたしなどは、何度もそれに救われました。
科学者同士の厚い友情話にそっと涙したよ!
後、小柴先生が超イカす!


時の地図 上 (ハヤカワ文庫 NV ハ 30-1)

フェリクス J.パルマ / 早川書房

スコア:


時の地図 下 (ハヤカワ文庫 NV ハ 30-2)

フェリクス J.パルマ / 早川書房

スコア:


フェリクス・パルマ著『時の地図』(上)(下)
著者はスペイン人ですが、舞台はイギリスです。
3章仕立てになってて、1章2章はぶっちゃけ読むのがたるいし、
出てくる登場人物(特に男性)がシモいか陰気か尊大かであまり好きになれず、
著者がたびたび読者に語りかける地の文が鼻につき(講談聞いてるようで面白くもあったけど)
よっぽど途中で放り投げようかと思いましたが、
がんばって読み進めたら第3章でのめり込みました。
読後感は良かった。
でも、手放しで進められるかというと、ううむ、どうなんだろう。

面白いことは面白いけど人によってはとことんダメかもしれん。

といった感触。
物語のテーマである時間旅行に関しても、1、2章でああ持ってきたから
そのまま最後までそれで通すのかと思ったら、3章で手のひら返したしな。
いや、1、2章で出てきた諸々が3章でちゃんとつながるのは、
シャドウ・オブ・メモリーズみたいで面白かったですが。


ゲーム
現在、今更ながら「ファイアーエムブレム覚醒」と「信長の野望201X」にはまっています。
「覚醒」はそろそろ7周目が終わりそうだよ~。自分の心を正直に見つめると、
わたし、ヴィオールさんが好きかも。面白いもん。後、女性なら断然ベルベットさん。
「信長」の方は、コーエ○さん発の基本無料のネットゲームなんですが、
とうらぶ、進撃タイピングくらいしかネットゲームの経験がないわたしが言うのもなんですが、
システム的には進撃の方に似てるかな。と思います。
いや、でも、髭&おっさん、おじいたん率が高いのは好感度高いです。
パーティ全員おっさんで、とうとう『漢は漢の花が咲く』とか報道されちゃったよ、おい。
さすが老舗ゲームメーカーだけあって、ただなのに、すごい快適に遊べてます。
最初のゲーム画面に「一部課金箇所があるから気をつけてね」的な但し書きを
ちゃんと書いてくれてるのも好感触。
使ってると、これまで聞いたこともなかったモミーとか、榊原さんとか、
知らん武将に愛着もわいてくるし、三好の乱とかにも詳しくなってくるし、
楽しいです。楽しいです!
[PR]
by mi-narai | 2016-03-14 10:05 | 2016年上半期の読書

『人間・始皇帝』『ミス・エルズワースと不機嫌な隣人』

テレビ

「数学白熱教室」
2回目、3回目と4回目。
2回目…今日は数論の話でしたよ!
整数、分数、有理数、無理数の話から始まって、方程式の解のハナシまで。
ガロアさんの生涯に吃驚しました。
20才で重大な数学的証明を書き残した翌日に決闘で命を落とすとか、
衝撃的すぎるでしょ!!
で、一応理系だった父に「ガロアって知ってる?」と尋ねると
さも当たり前のように「うん、知ってる」と言われたのでこれにも吃驚しました。
そうか、そんなに有名人か。

3回目…調和解析と数論のつながりの話。
残念ながらチャイコフスキーは出てきませんでしたが、
先生の興奮につられてこっちまで
「えっ、すっげ、なんでそこでつながんの!?」とときめいてしまいました。
数論における解の個数が、調和解析においては美しい図形で表せるなんて!
これも、もっと研究が進むとどうしてなのかが分かってくるのかな。
再三言うように数学的素養のないわたしには、うすらぼんやりした輪郭追うだけで精一杯ですよ。
最後のあたり、ちょっと場を和ませるためか、先生は毎回数学的偉人の生き様とかを説明なさるんですが、
そこで一人の日本人研究者に言及なさってて、その最後に切なくなってしまった。
まさか自殺してたとは…
で、その自殺を言及した研究仲間の悔恨の言葉にやられた。

4回目…物理学と数学とのつながりの件。
最新物理学における素粒子の数と数学の群のつながりの話。
そもそもSU(3)とかSO(3)とか、もうそっから分からん。
(群の名前らしい)
でも、その群と素粒子の数に関係があると聞いて、やっぱり「マジかー!」と吃驚してしまいました。
なんやろう、数学って、概論の最たるものやねんから、こうイデア的なのかしら。
それがそれぞれの分野に投射されて色んな形で立ち現れるのかな。
なんにせよ、クォークの種類とか(アップとかダウンとか)、
聞く回数が増えるにつけだんだん耳に馴染んできたぞう!

わたしには難しい授業でしたが、最後まで聞き終えられたのは、やはり先生の顔が
ものすごい好みだったからかもしれません。眼福でした♪
(いや、もちろん講義内容も面白かったよ!!)

次回は行動経済学っぽいのでまた見てみようかと思います。


「アメリカン・プリンセス」
ダウントン・アビー枠でやってたので、単発ドラマかと思って見てみたら、ドキュメンタリーでした。
ダウントン・アビーの伯爵家のお母様、コーラさんのモデルにもなった、
破産し掛けたイギリス貴族たちの救いの女神、持参金付きのアメリカ娘たちの話。
いや、このネタ、ロマンス小説でよくあるので、ロマンスファンには今更なのですが
改めて、チャーチルの母ちゃんもそんなアメリカ娘だったらしいとか、
目新しい情報が面白かったですよ。
しかし、イギリスが作ってるドキュメンタリーだからだろうけど、
ちょっとイギリス貴族側に甘すぎないか?
ニューヨークのオランダ系上流階級の皆さん方も人でなしですが、
イギリスの世襲貴族どもときたら

クソ

ですよ!!とくに跡継ぎのバカぼんの醜態は耐え難い。
ほんま、後ろ頭ハリセンで思いっきりどつき回したい誘惑に狩られて止みませんでした。
アメリカ娘のお父さんは、割と叩き上げの商人が多いんだけど、
そのお父さんたちの娘婿に対するいらだちに一番共感しました。



ここから本

人間・始皇帝 (岩波新書)

鶴間 和幸 / 岩波書店

スコア:


鶴間 和幸著『人間・始皇帝』
読み終わりマシたー!
ちょっと前にアジア巨大遺跡で始皇帝陵を見たから読みたくなって。
中国史が苦手なわたしが興味を持つなんて滅多にないことなので
この機会を逃すまじ!と頑張りました。
で、読み始めて案の定、4ページ毎に訪れる睡魔のことですよ。
歴史は面白いんです。そのおもしろさを上回って

中国語の名前がつらい…

漢字がどれも同じに見えるねん…。
いや、それでいうならわたしは日本史も苦手ですけどね!!!
国名はすべからく漢字一文字、人の名前も二、三文字なので
余計に覚えづらい上に、読み方に馴染みがないからさ。
以下、思ったことを箇条書きに。

・とりあえず、戦国時代秦は一番西の端っこ、楚は南っかわ、
斉は東の海沿い、趙は真ん中辺、という大体の位置関係と、
呂不違、とか李斯とか、宰相の名前と、
趙正が13歳で即位したってことと、その政策なんかは分かった!

・でもって、つくづく、中国は広いなあ、と感心しました。
この時期、戦国7国くらいに分かれてるけど、地図で見たら小さいけど、
日本地図と比較すると吃驚するよね。

・で、国が分かれてた割に、結構他の国の優秀な人材を登用してたりするんだなとも。

・作中ちらっと中国の星座の話も出てきたけど、これまた興味深かったです。
始皇帝の崩御あたりの天変地異に絡めてなんですけどね。
28宿を4で割って、それぞれ方位を司る四神になるとか、ちょっと面白いですよね!
青竜の頭の星、目の星、胸の星、腰の星、とかあんの。
方角に神々が配されてるあたり、ちょっとエトルリアを思い出します。

・神といえば、斉の行ってた祭事も面白かった。
天神に始まる各種神を、国の方々で祭ってたんだって。
シユウは軍神ポジションですよ。
ジョフクが東方の蓬莱を探して旅立ったのもこの時期ですよ。

・妹に、このすぐ後に項羽と劉邦の時代がくるで、と聞いて、
いつもバラバラに考えてたこの二つの時代がこんな近かったんか、という自明の理にも
改めてびっくりしました。
やりだしたら、面白いんだろうな~中国史も!(やらんがな!)

とりあえず、読み終わる頃には始皇帝にほんのちょっぴり親近感が芽生えてますYo。
意外に楽しめた♪


こなもん屋うま子 大阪グルメ総選挙 (実業之日本社文庫)

田中 啓文 / 実業之日本社

スコア:


『こなもん屋うま子 大阪グルメ総選挙』
大阪市長であるあの人っぽい登場人物が出てきます。
この人だけは、毎回うま子の店を捜し当てることができる特別枠。
ちょっとあからさま過ぎるかな。
でも、あの人の印象としてはそんな感じよな。とも思いました。


カンナ 奥州の覇者 (講談社文庫)

高田崇史 / 講談社

スコア:


高田崇著『カンナ 奥州の覇者』
お借りした本。
いい加減、作者の恨み節がウザい。
主人公もそんなに悪くないし、仲間の一人が裏切り者というサスペンスも悪くないのに
著者の押しつけがましい歴史観がすべてを台無しに。
ほんと、これさえなけりゃなぁ…(※それがこの作者のウリです)


ミス・エルズワースと不機嫌な隣人 (ハヤカワ文庫 FT コ 4-1)

メアリ・ロビネット・コワル / 早川書房

スコア:


メアリ・ロビネット・コワル著『ミス・エルズワースと不機嫌な隣人』
一応ファンタジーに分類される本で、魔法が出てきますが、
別に魔法で人を殺すわけでも戦うわけでもありません。
舞台は19世紀イギリス、出てくるのは地方の中産階級の人々、魔法はそんなのどかな背景の中、
絵画やピアノといった女性のたしなみのひとつといった位置づけです。
主人公は、そこそこ良いお家の長女で、あんまり容姿に恵まれてないけど、
魔法の技に長けてて良識があって落ち着いたオールドミス、
下に美人だけど衝動的な妹がいて、最近性格の不一致から姉妹関係がぎくしゃくしてます。
で、お隣の常識人の領主にほのかな思いを寄せてたり、妹とはからずもライバルになっちゃったり、
妹とお互いに羨ましがってたのが判明したり、
細やかな情感の描写とともに、物語は展開していくわけですが、

うん、オースティンみたいでした。

上品なロマンス小説っていうか。
魔法は、ロマンスの割と大きなキーポイントなんだけど、やっぱり一貫して手業の一つでしかないというか、
すごい変化球な魔法の使い方でした。
主人公と相手役の人のくっつくくだりがちょっと唐突でしたが、
わたし、すごく楽しんで読みました!
その人とくっついて欲しかったんだ~!!
面白かったです。


落ちこぼれネクロマンサーと死せる美女 落ちこぼれネクロマンサー・シリーズ (創元推理文庫)

メラニー・カード / 東京創元社

スコア:


落ちこぼれネクロマンサーと黒魔術の館 落ちこぼれネクロマンサー・シリーズ (創元推理文庫)

メラニー・カード / 東京創元社

スコア:


メラニー・カード著『落ちこぼれネクロマンサーと死せる美女』
ちょっとした気の迷いで買っちゃった本。
普段、オカルトもグロいのも苦手で読まないのに(恐がりなので)
なんか、多分その時疲れてたんでしょうね、ふらふら買っちゃったの。
まあ、買ったので読んでみた。
異世界ファンタジー。19世紀の西洋程度の科学は発達してそうだけど、
魔法があるせいで、医学における外科手術が法律違反になっちゃってる世界。
主人公は高名なネクロマンサーの家系に生まれたけど、医者になりたくって、
医学の道を志すも、手術が公にできないから墓場を掘って死体を解剖しようとして
軽犯罪で捕まったことがあるという若干情けないたぐいの前科持ちです。
この気弱で善人の主人公が、金に困って
15分だけ死者を蘇らせるネクロマンサーの術を、死んだばかりの金持ちの娘に
掛けたところから話は始まります。
このお嬢様が実は裏社会のボスの娘で腕利きの殺し屋で、その裏社会の軋轢やら、
ブラックなネクロマンサーの呪術やら、町を牛耳る為の陰謀に、
お人好しの主人公が巻き込まれてえらい大変な目に遭う、という筋です。
まぁまぁ。
サスペンス度合いがハード過ぎてちょっとしんどいのと、
(血と死体と裏切りがいっぱい出てくるよー)
最初は主人公が美女にバカにされっぱなしでストレスがたまるのですが、
読後感は意外に悪くありません。主人公は一貫して良い奴だし。
なので、面白いか面白くないかと言われたら、割と面白かったです。
でも、先に読んだ炎と茨の王女とか、ミス・エルズワースとどっちが好きかと言われたら
王女とミス・エルズワースかなあ。この辺は個人の好みだと思います。
ちなみに2巻目の『落ちこぼれネクロマンサーと黒魔術の館』も読んだんだぜ!
(だって、買ってあったんだもの)
[PR]
by mi-narai | 2015-12-31 15:37 | 2015年下半期の読書

『やってみなはれ みとくんなはれ』『炎と茨の王女』『白金の王冠』『魔法使いの王国』

文化の日、出勤しておったんですが、
一人で部屋に居るときテンポの遅いノックの音がしたもんで、
誰や、思ってドアを開けたら、京都弁の例のチャーミングすぎる上司が向かいの印刷室に
入りかけてたんです。他に人影がなかったので(あと独特のスローノック)
「あれ、なんかご用でしたか」
と声をかけたら、振り向いて、びっくりした顔をして

「ほんまにおった」

と一言。
別に用はないねんけど、今日来たはんのやったら
ほな、顔みよか、おもて。用はないねん。
とにこにこ笑いながら印刷室の方へ去って行かれました。

部屋に戻って一人で悶えた。
(おおおおおちくしょおおおお可愛いなオイ!!!!)
70過ぎてこれだけ可愛いのって反則でしょうがッ!!!!!


大阪のプラネタリウムで「古代ギリシャの星座たち」みたいなプログラムをやってたので
ちょっくら見に行ってみました。
今回は気持ちよすぎる椅子の誘惑にも屈せず、最後まで起きてましたよ…!
(そこ、自慢するところか)
星空解説とともに、今現在使われている星座、星のまとめ方のうち、ギリシャ神話由来のものは、
実はメソポタミア文明の時代には大体ざっくりあのくくりができあがってて、
(とはいえ数は半分くらいだったらしいけど)
それを引き継いだギリシャ文明が自分とこの神話をそのくくりにかぶせました、
という説明を聞いて、長年の疑問がちょっと解けました。
一番の収穫は、クジラ座(ペルセウスに退治される海の怪物)が、メソポタミアの
文献ではどうやら「ティアマト」と呼ばれていたらしいということです。
マジか。確かに海水の怪物に近い女神ではあるけど。


アサヒビールの工場見学に行って、ビール苦手なのに3杯も飲んで来ました。
ちょっとアサヒに対する好感度アップしました。単純です。
酒関係の見学は楽しいな!


テレビ

コズミック・フロントNEXT 宇宙を大航海、の回
いかにして打ち上げた探査衛星が目的の星まで行くか、という話。
いつもの宇宙のしくみといった理論物理的なはなしでなく、純粋に技術系の話だったので

超燃えた!!!

技術屋の話はかっこいいよね!日本人技術者頑張ってる!!!
何か問題があっても投げ出さずにひたすら地道にねばり強く解決の糸口を探る姿に
わたくし大変に感動致しました!
後、スイングバイもよく分かった。
SFで出てくる宇宙船もスイングバイすればいいのに。
長距離の場合はその程度の加速じゃ間に合わんかもしらんけど…
ていうか、やっぱり航海長は大変なんだな、と思いました。
ヤマト2199で航海長だった島君、
惑星やらなんやらの重力の影響とか全部計算に入れて航路割り出してたんだよな。
すっげーな!
機関長も叩き上げで素敵ですけどね!
後、今更真田さんが副長だったんだと知りました。そうやったんか!!


「アジア巨大遺跡」
どこもすごかったけど、
その遺跡ごと、違う観点で撮ってて面白いな、と思いました。
各々、思ったこと
パガン…富の再分配について。なるほどな、と。
しかし、これ、サークルが小さい方が回りやすそう。

兵馬踊…キングダム読みたい…!!!
始皇帝て、13歳で即位したのですね!
古代中国における諸々のハイスペックっぷりはいつも通りなので、
ちょっと麻痺しちゃってますが、
よく考えれば紀元前にあれだけしっかりした官僚組織作って
全国も統一して、って、すごいことですね。
そこんとこは、中国はもっと誇っていいと思う!

三内丸山遺跡…定住狩猟採集民。字面がなんか不思議な感じ。
狩猟採集民なのに定住しちゃってますよ、みなさん。
それを可能としてたのは、日本の温暖で湿潤な気候なんだろうなあ。
弥生時代に入って、なんで稲作文化になっちゃったんでしょう。
ちょっと残念に感じました。
稲作るより、栗拾う方が楽やで奥さん。
でも、そこらへんでそろそろ統一国家作っとかないと
西からの圧力とか、もっと時代が下って開国の時とか困ったろうから
長い目で見ると良かった、のかな…?
ともかく。縄文文化について新たな見方を教えられた回でした。


「数学白熱教室」
また始まった白熱教室。またも理系だったので見てみました。
全4回の1回目。
なんか、のっけからすごいよ!
数学には、幾何学とか、代数とか、数論とか、色々分野があるじゃない、
この先生、その分野を一つにまとめよう、という壮大な研究「ラングランズ・プロジェクト」に
挑んでらっしゃいますよ!
物理学で言うところの統一理論ですよね!!おおおお!!!
これまた燃える!!!

いや、数学の難しいアレこれにはとんと無知なんですが。

勿論学生時代に数学はやりましたけども、そんなの覚えてないよ!
幾何学が図形のやつだって知ったのもこの番組見てだよ!!
(この程度の随分残念な数学能力しか有しておりません)
そんな無知蒙昧な一般市民にも分かるよう、先生は大層かみ砕いて説明してくださいます。
まずは数を数えると言うことと、「対称」についてじゃった。
確かに、数学の世界はプラトンのいうところのイデアの世界に近いのかもしれません。
図形の概念なんて、実世界には完全な円も四角形も球も存在しないもんな。
それを、球というのはこう言うものだ、と決めて、それがどういうものか理解出来るって、
すごいことかもしれん。宇宙人と会ったとして、同じ数学なのか、という疑問も気になるところです。
なので先生の、物理学の世界は新しい発見で次々とセオリーが塗り替えられていくけれど
数学の世界は一度発見されたものは永遠だ、という言葉もちょっと頷ける。
ピタゴラスの定理もピタゴラスがたまたま発見者として有名なだけであって
他にも自分で見つけた人いたろうしな。
…いや、それは物理法則も同じなんじゃ………まあ、いいか。
数学嫌いなわたしでも楽しく見れてるんで、たぶん、わたしよりは理数に強い
他の大多数のみなさんならもっと楽しく視聴できること請け合いです。
後、先生が好みの男前なんだ!(あくまで個人的に)
(ちなみに先生はロシア出身でいらっしゃるので、やたらロシア推し。
調和解析という音の波長を数学的に見る分野の話の時には、
きっとチャイコフスキーが引き合いに出されるに違いない。楽しみです)

そういえば、番組中背景にちらっと
「スーパーストリングスセオリー」ってカタカナが見えたけど、これって

超弦理論のことかーーー!!!!

(直訳かよ!)


「100分DE名著 サルトル」
別に実存主義にもサルトルにも興味はなかったんだけど、
鷲田清一先生の「哲学個人授業」でサルトルの実存主義を
「つまり、彼女が女であることとか彼女とはとかそういうことやない、
僕には彼女自身が問題なんや、てことでしょう」
という解説が印象的だったので、ためしにいきなり2回目を見てみた。
「個人授業」で読んだ時はサルトルの文章からの引用はさっぱり分からなかったんですが、
仏文学者の解説する「嘔吐」は、

どうしよう、めっちゃ分かる…

理屈として理解出来るのはいいとして、それ以上に、サルトルさんの言いたいことが
実感として心に迫りました。せやんなぁ…としみじみしてしまった。
そうやねん、ほんまはよって立つとこなんかなんもないねん。
せやからほんまは他人がどうこう言うても所詮他人の言葉やねん。
(それが正しいかどうかなんか誰に分かるねん)
でも、そう思うとよけいに足下が不安定になるもんやんなあ。
それを自由と言い切っちゃうサルトルさんが好きだ!
せめて他人の構築したとっかかりじゃなくて、自分が作ったものを支えにしよう、
という考えも好きだ!

流れで3回目も見た。
これも、うんうん、そうやねんよなぁ、と思いながらしみじみ見てしまいました。
結局、社会で暮らしてる以上、他人にこう思われているであろう自分に
引っ張られるよなあ。
そこを、相手を見つめかえす!という覚悟を決めたサルトルさんがやっぱり好きだ!
仏文学の先生にならって、わたしも「さらば、下種どもよ」を最終呪文として
覚えておこうと思いました。



ここから本

宇宙137億年の歴史 佐藤勝彦 最終講義 (角川選書)

佐藤 勝彦 / KADOKAWA / 角川学芸出版

スコア:


佐藤勝彦先生著『宇宙137億年の歴史』読了。
最後の5ページは、もう駅に着きそうだったので若干流し読みましたが、
それでも最後まで読み切りました!えっらい時間掛かった!
でも面白かったです。
最後の辺りは、この宇宙の外側の話で、
いろんな説が載っててこれが楽しかった。
ダークエネルギーが、その外っ側の他の宇宙からの重力じゃないかって説、
話が大きすぎてなかなか想像しづらいけど、面白いな!
後、アインシュタインが一度没にした宇宙項のアイディアが、
近年もう一度見直されたって話を聞くにつれ、
アインシュタインどんだけほど天才やねん、と驚きを新たにします。
すごいよな~!!


シェイクスピアを楽しむために (新潮文庫)

阿刀田 高 / 新潮社

スコア:


阿刀田高著『シェイクスピアを楽しむために』
有名な話がざっくり説明してあって、一冊読むとシェイクスピアを大体知った気になれます。
オセローって勝手にローマ時代の話だと思いこんでましたよ。
ルネサンス期のイタリアか!
後、劇のシナリオは文字で読むより実際に演じられているところを見る方が
10倍は面白い、というのは、わたしもつくづく思いました。
面白くなく舞台化しちゃうパターンもあるだろうけど
(劇団四季の「トロイア戦争」はイマイチだった…)
やりようによってはものすごく魅力的に膨らませることが出来るんだなあと。

シェイクスピアの「史劇」がイギリス中世を扱ったものだけを指すのも初めて知った。
ヘンリー4世、5世、6世、リチャード3世あたり
あの辺り、ランカスターだのヨークだのテューダーだのややこしいんだよな~。
ジョセフィン・テイの「時の娘」の影響でわたしはリチャード3世推しです。

マクベスもウィンザーの陽気な女房たちもジュリアス・シーザーも
初めてあらすじ知ったわ!

著者の阿刀田先生とはいまいち趣味が合わない気がしてきましたが、
解説は大変わかりやすかったです。


つれづれ、北野坂探偵舎 トロンプルイユの指先 (角川文庫)

河野 裕 / KADOKAWA/角川書店

スコア:


『北野坂』タイトルうろ覚え。
お借りした本。
貸してくれたお茶友が「今回全く推理ないっスよ!」と言ってましたが、

ほんとになかった…!!

北野もほとんど出てこないしな。登場人物も標準語だしもう舞台東京でいいんじゃね。
木曜8時の京都シリーズかっちゅうの(あれも全く舞台が京都である必然性がない)。
ただ、『137億年』の後に読んだから、ものっすごいすいすい読めました


やってみなはれみとくんなはれ (新潮文庫)

山口 瞳 / 新潮社

スコア:


山口瞳、開高健著『やってみなはれ みとくんなはれ』読了。
二つ前のあさどら「マッサン」の鴨井の大将の大ファンだったので
そのモデルとなったサントリーの創業者鳥井信治郎について読みたくなって。
それでまず何か伝記みたいのがないかをググって、結局、この本にたどり着いたと言うわけです。
ところで、この本、文庫なんですけど、まず驚いたことが二つ。

①そもそもサントリーの社史として書かれたものが余りに面白いので
紆余曲折を経て文庫化したものであるということ。
②山口瞳、開高健の両名は、直木賞、芥川賞作家なのであるが、
もともとサントリーの社員で、賞を取ってからも社員で居続けたということ。

どっちにもびっくりしたよ!
ビックリ気分のまま読み始めて、内容の社史からぬ小説っぽさ、熱気、
語り口の面白さにグイグイ読み進めてしまい、
最終的に泣き笑いのような顔でサントリーの熱気に当てられて読み終わりました。

面白かった!!

社史として書かれた以上、サントリー推しは当然としても、
両著者が会社を、その構成員たちを、創業者の鳥井さんを愛してるのが伝わってきてじんわりし、
その上かつてのサントリーのチャレンジ精神あふれる社風にワクワクしました。
鳥井信治郎さんは、良くも悪くもアクが強くて印象に残る人だったみたい。
冷静で大胆な商人だけど、神頼みが頗る激しいところも、情にもろいところもあって
清濁すべてを併せた上でたいそう魅力的な人だったようです。
著者がかつての鳥井さんの思い出を社の重役たちに聞いて回る場面があるんだけど
語り手の口調が一様に懐かしそうで、愛情に満ちててさ。
著者の力量もあるんでしょうけど、うっかり一緒に「大将はすごい人やったで…」
みたいな気分になっちゃいましたよ。胸熱。
「やってみなはれ」、という大将の口癖もすごい好き。
そもそもかつて『プロジェクトX』で見て個人的に壺った
南極観測隊副隊長西堀栄三郎さんの口癖も「やってみなはれ」やったらしいしな。
作中の、「つまり、やってみなはれ、というのは、起こり得る事態は全て想像し、
準備も万端に整えた上で、その時が来たら踏み切れ。やるとなったら迷わず賭けろ。
ということだ。」
という解説にもすごいうなずいた。
そうやな。
単に行き当たりばったりで手を着けるのはだれでも出来る。
準備は整えて、やるとなったら一心に打ち込まんとな。
ロスチャイルドの本を読んだときに痛感した、早くて正確な情報は商売に欠かせない、
という教訓とともに、商人の心得として心に刻みました。
別に商売人になるつもりはありませんが。

後、長男で若くで急死した吉太郎さんは、小林一三の娘さん春子さんと結婚してた
というプチ情報にも吃驚しました。
ちょうど某N○Kで小林一三の回を見たところなので!
世間は狭いな!!
さらに、サントリーが二代目佐治社長の時にビール方面に打って出ようとしたとき、
アサヒだけが味方になってくれたと聞いて、アサヒを見直しました。
こないだビール工場見学に行ってただ酒飲ましてもらったとこだしね!
(美味しかった!)


炎と茨の王女 (創元推理文庫)

レイ・カーソン / 東京創元社

スコア:


白金の王冠 (創元推理文庫)

レイ・カーソン / 東京創元社

スコア:


魔法使いの王国 (創元推理文庫)

レイ・カーソン / 東京創元社

スコア:


レイ・カーソン著『炎と茨の王女』『白金の冠』『魔法使いの王国』三部作読了。
面白かった~!
よう出来たエンタメです!!
この本のおかげで、帰りの電車が待ち遠しくて待ち遠しくて。
行きには「やってみなはれ、みとくんなはれ」を読んでてやっぱり楽しかったし、
読書中は通勤路が全く苦ではありませんでした。
読了して、「これから何を楽しみに生きて行けば…」
面白い本を読み終わったときには必ず思う寂しさをまたぞろ感じてしまいました。

まず全体的に。
ジャンルとしてはロマンス要素ありのファンタジー(どちらかというと女性向け)。です。
ファンタジーには珍しく、スペイン語っぽい人名や地名です。太陽熱そう。
で、個人的に大層楽しんで読んだことは上で述べましたが、その面白さを考えるに、
大河ドラマ的な、名作少女マンガを読んでるのと同種のものかな、という感じを受けました。
読みやすかった。読んでる間中ワクワクして、また、次々危機が起こるので肝を冷やしたり、
主人公の恋の行方にハラハラしたり、全く飽きなかったよ!
でも、人生哲学とか、緻密な推理とか、そういうのは薄いので、
そちらをお求めの向きにはご期待に添わないと思います。
後、難を言えば、歴史好きとしては、歴史の構築がちょっと弱かったかなと。
まあ、それが主眼の物語ではないんで、いいんですけど。

主人公は、小国の二番目の姫エリサ。ゴッドストーンを帯びた娘。
美人で有能な姉にコンプレックスがあっておまけに太ってて(ちょっとやそっとのぽっちゃりじゃありません。
完全にアウトな太り方です)、周囲からは全く軽んじられている体で登場します。
でもこの子、ものすごい頭はいい子なんです。戦術書「ベレサ・ゲッラ」や聖書
「スプリクトゥラ・サンクタ」を丸暗記するほど読み込み、その知識は学者並。
なので見た目や周囲の評価に反して、割と最初から出来る子です。
オマケに、意外にきかん気で頑固です。相手の侮りに負けてなんていません。
(なので、読者はそんなにいらいらしません。ストレスフリー)
そんな主人公が何の手違いか、隣の大国の王様に嫁ぐことになって、
姉を差し置いて結婚式挙げるんだけど、隣国への道筋で既にハプニングが。
いきなり山賊におそわれて乗ってた馬車が炎上、死にそうな目に遭うし、
旦那を助けるために山賊殺しちゃうし、
旦那の国に着いたら着いたで夫は難癖つけて結婚した事実を公にしようとしないし、
もう、どないやねんな!という目にこれでもかと会います。
が、もちろん、それで終わりではありません。

序の口です。

1巻に引き続き、2巻、3巻でも色んな目に遭いまくります。
そのたびに知恵を絞って対策を考え、心を鬼にして決断し、なんとか乗り越えて、
最終的に見違えるような成長を遂げます。

その主人公も好感がもてて良かったですが、愁眉はヘクトールです。
ヘクトールっていう名前の王の近衛隊長が出てくるんですが、
名前に負けぬいい男だったんですよ!終始!
もうわたしはそれだけでもこの本をお勧めする価値があると思っています。
スペインっぽい世界観のファンタジーにヘクトールの名前を見るのはなんだか
不思議な感じがしますが、南米のスペイン語圏の国々って今でも
ヘクトールとかネストールとかオレステスって名前多いですもんね。
著者がヘクトールという名前の登場人物を、素敵な役に配置してくれて嬉しい!
キャラクターの素敵さと、名前の響きから連想する素敵さが相乗効果で
出てくる度にときめきました!ごちそうさまでした!

後、ぜんぜん関係ないけど、ヘクトールの名前調べてて初めて知ったけど、
イタリア人男性の名前、「エットーレ」ってあれ、「ヘクトール」か!
クレシダがクリュセイスだったと分かった時以来の衝撃
[PR]
by mi-narai | 2015-11-20 22:47 | 2015年下半期の読書

『夜のフロスト』『宇宙137億年の歴史』『宰相の二番目の娘』

TVから

あさどら
意外に楽しく見てます。
商人好きなので、今週の話は楽しいなあ。
(そうなんですよ、武士目線だと蔑まれてばかりだけど
どっちかいうたら無体なんはあっちの方やんなぁ。
物理的な力を持つものは倫理観も持たんといかんという意味で
武士道は武士には必須だと改めて思った次第)

しかし、こんどうまさおみよう出るなあ(好きだから良いけど)


コズミック・フロントNEXT 反物質の回
下記の物理本を読んでるおかげで

すごい分かった!!!

や、普通の人レベルに達してるかはおいといて、
以前の自分と比べて、って意味ですよ。
対生成と対消滅とか、対象性の崩れとか、
素粒子がどうとか、本を読む前より格段に理解できてる、という手ごたえがありますよ!!!!
おおおお有難い、有難い(拝みつつ土下座)。
なにより、スーパーカミオカンデやCERNの映像見れただけで
テンション上がりました。


ここから本

夜のフロスト (創元推理文庫)

R・D・ウィングフィールド / 東京創元社

スコア:


R・D・ウィングフィールド著『夜のフロスト』読了。
この第3話の「夜のフロスト」までは、以前読んだことがある筈なんですが。

まったく覚えていませんでした。

面白かった!
今度の新人部下は(どうやら、毎回他の署からの新人がフロストの下に付くのがお約束らしい)
奥さんとラブラブの若いフランク・ギルモア部長刑事。
今度こそ定時で帰って、夫の不在を嫌う奥さんを安心させてあげたいのに
折しもデントン署は悪質な風邪で署員の半数が欠勤、ただでさえ手が足りない上に
ワーカホリックなフロストの下になんか付けられちゃったせいで自宅滞在時間が一日数時間、なんてことに。
どうなるギルモアの夫婦生活!?
(その裏で、女子高生殺人事件の捜査、悪質ポルノヴィデオの取り締まり、
連続老女殺人事件の犯人割だし。、脅迫文書の謎、脅される若夫婦の警護その他諸々が
同時進行で発生しててんやわんやに)

今回は、人手が足りないのも相まって、所長のマレットのお荷物っぷりが際だつこと!
ほんま腹立つわ、あのクソ上司!本人は有能なつもりやけど、部下の足引っ張ることしかしてへんし!
もうお前が風邪引いてやすめ!(でもバカだから風邪引かない)
と、読者はマレットへの怒りを募らせること請け合いです。
でも、フロストがめげないおっさんで、事件がコメディタッチで進むのでマレットの無体も笑い話で済むし、
事件自体は陰惨なのに、そんな印象はさほど受けないので安心して下さい。
ものすごいテンポよく話が進みます。
今回も、危ない綱渡りを繰り返したあげく、なんやかんやで最後には全ての事件は
解決するので、これまたお見事と言うほかありません。
読むのにものすごい時間かかるけど、読んでる間一度も退屈しなかった
コストパフォーマンスの見本のような本ざます!


妖奇庵夜話 魔女の鳥籠 (角川ホラー文庫)

榎田 ユウリ / KADOKAWA/角川書店

スコア:


榎田 ユウリ著『妖奇庵夜話 魔女の鳥籠』
お借りした本。犯人に関しては、
「またお前か」を、通り越して、
「うん、分かってた」という、
ある種悟りのような気持ちになる本です。
いい加減登場人物は最初からあいつの仕業だと気付け。
普通の小説だと思うと、会話が冗長だしツッコミどころも多々あるのですが、
ホモ本だと思うと気になりません。
とりあえず、脇坂君が今回も可愛かったからいいや。
(ずっと脇田だと思ってたら、今回ようやく自分の勘違いに気づきました)


宇宙137億年の歴史 佐藤勝彦 最終講義 (角川選書)

佐藤 勝彦 / KADOKAWA / 角川学芸出版

スコア:


佐藤勝彦先生著『宇宙137億年の歴史』
オススメされたので読んでみました。
(理系の本は自分では何がいいのか分からないので助かります!)
おおお、すごい、インフレーション理論を提唱した方なのか!!
先生がこれまで研究をどのように進めていらっしゃったのかと、
その研究内容が交互に語られるスタイルです。
結構踏み込んだ内容になっているので、相変わらず理系の素養のないわたしは
視線が上滑りしそうになりますが、
いや、ここできちんと理解しておかねば、後のページがさっぱり分からんことになってしまう!
と己を戒めて、なるべくゆっくり読んでます。
これ、この感じはどこかで…!と思っていたら、そうそう、
『エピジェネティクス』読んだときもこんな感じだったわ~!
とりあえず、宇宙の4つの力とか、聞き覚えのある辺りは最近馴染んできたのでいいとして、
これまで「そういうものなのか」と読み飛ばしてきた、
ミクロ→インフレーション→ビッグ・バンの流れがなぜこうなのかとか、
対象性のくずれの例えとか、細かいところが
「ああ、そうやったんか!」と膝を打つ感じで分かって、ちょっと気持ちよかったです。
カミオカンデとニュートリノの話も最初の方で説明してあって、
ニュートリノ振動の発見がいかにすごいかが分かった(気になった)よ!
後、ヒッグス粒子!この御本を著された時点では未発見だったけど、
今は発見されてるし!これもまたいかにすごいことか!!
(とはいえ、記述の7割ほどは、まだ理解できてないけど。わたしのバカ…)
純粋に宇宙論の記述より、先生の研究過程のアレコレはさすがに大分読みやすく、
やっぱ論文は先に発表したもん勝ちなんだな~、とか、
京大すげー!とか、
宇宙の歴史とはあんまり関係ないところでいろいろ思ったりもしました。

毎日1ミリくらいずつしか読み進みませんが、ようやく5分の4くらいまで読めた。
後ちょっと頑張ります!


宰相の二番目の娘 (創元SF文庫)

ロバート・F・ヤング / 東京創元社

スコア:


ロバート・F・ヤング 著『宰相の二番目の娘』
いつもの、アメリカ人男性と少女の話。
ほんまこの作者少女好きやな。
で、男性が少女に好かれるねん。
いや、別に性的なにおいはしないし(終始すごい清々しい関係で終わる)
ええんやけどな。ええんやけどな。

…などと若干冷めたことを思いつつ読み進んだのですが、
最後でやられました。
ハッピーエンド好きですまんな!
またこのパターンかと思いつつ、予定調和ににやにやしてしまいました。

こう、なんでしょう、オズの魔法使い、的な雰囲気の、古き良きアメリカのおとぎ話、
という位置づけで読むとそういうものだと思えるので、ストレスフリーかも。
これから読む人はそう思って読んで下さい。


映画
『第9軍団のワシ』
通りすがりの親切な人に映画化してますよ、と教えていただいて以来気にはしてましたが、
さすがに日本で上映はしてなくて臍をかんでました。
それを、某N○KさんがBSで放送してくれてたので!
ここぞとばかりに見てみました。
とはいえ、レビューを読むとイマイチの反応なんかもあったのであまり期待はしてなかったんです。
それが良かったのか、思ったよりも面白かったです…!
確かに、原作とは違う部分も多々見られましたが
(隣のお家の女の子との淡いラブとかやりとりとか端折られてたし、
ワシがローマの象徴であり、それを失うとほんま面目を失うことがいまいち伝わりづらかったし、
ギリシャ人の医者に化けて北に潜入ってネタも不採用だったし(ローマ人のまんまやったら即バレやんけ)
ようやくワシを見つけた局面は、ああくるか、と思ったし、逃避行は短かったし)
まあ、主人公のローマ青年と、ブリガンテス氏族の青年の友情に絞ったつくりになってて
良かったんじゃねーかと。
最後の、なんか、バディもののエンディングみたいな終わり方は、
賛否両論あろうがわたしはなんか好きでした。
今から彼らは諸々冒険するんだろうな~みたいな期待を臭わせててさ。
後、当時の砦の様子とか、食卓風景とか、お家のつくりとか、非常に参考になりました!
エスカ役の子、かわいかったしね!

しっかし、主人公役の役者さん、首太かった…
[PR]
by mi-narai | 2015-10-25 20:53 | 2015年下半期の読書

雑記、『ヴァイオリン職人の探求と推理』『植物はすごい 七不思議編』『こなもん屋うま子』

「トロイラスとクレシダ」また見に行っちゃった。
演出上の変更とかは別になかったんだけど、より慣れて間の取り方とかが巧くなってた気がします。
前回はアガメムノンにハァハァしながら見ましたが、今回はアキレウスから目の離せませんでした。

かわいいわ、あの子…。抱き起こしてあげたくなっちゃう

という、マヤちゃん演じるヘレンケラーを目の当たりにしたお客さんのようなことを
胸に思いつつアキレウスを愛でてしまいました。
アガメムノンは相変わらずスマートかつジェントリーで素敵だったわよ!
終幕後、脚本家と役者数人によるアフタートーク(楽屋裏話)みたいなのが企画されてて、
思いがけずそれも聞けて(主役の子、役柄は好みじゃないけど、
役者さん本人は礼儀正しいいい子だったので好感度アップしました)
なんだかお得感いっぱいの2度目でした。楽しかったです、押忍!


神戸どうぶつ王国
新聞に夏休み期間の土日と盆の間だけ夜間も開けて夜の動物たちを満喫してもらう企画やってるって
書いてあったのでまったく気のすすまなそうなお茶友を無理矢理誘って突撃してみました。
だって!
ハシビロコウさんが来たんだもの!
これは行くしかッ!
夕方の6時過ぎに入園、すでに辺りは暗くなり掛けてます。
あんまり煌々と電気つけすぎると動物たちの体内時計が狂うからか、ライトは最小に押さえてある
…のはいいんですが、薄暗い上に放し飼いなのでうっかりするとその辺を歩いてるちびっちい動物を踏んづけそうに。
いや~、意外に楽しかった!
狭いし、動物園ほど数も種類も多くないけど、ほぼ放し飼いのフリーダムさはいいかも。
気をつけてないとオオハシに糞を落とされちゃったりするんだぞう!
花鳥園だったときは鳥オンリーだったのが、4つ足の動物も増えて、よりお子さま向けに。
夜だというのに、小さいお友達で案外にぎわってました。
放し飼いっていっても、ちゃんと飼育員のお兄さんお姉さんが付いててくれるので安心です。
(糞もこまめに掃除してくれる)
お茶友は実は動物苦手だったらしく
「ちょっとさわってみて、これ、もっふもふやで!」と進めても
「だが断る!」
と断固拒否されましたが。
急に突進してくるカピバラに3回も飛び上がってたしな…(なんか、すまん)。

わたし、犬と猫とウサギとモルモットとカピバラとなんやようわからんでかいネズミとカンガルーとリクガメさわったよ~!
思う存分モフってやりましたよ!
リクガメの足は、イグアナの背中と似ていました。
カピバラは案外毛が固くて、畳の表面撫でてる感じ。
カンガルーが一番気持ちよかった!!もっふもふよ!
しかし、カピバラは近くで見るとけっこうでかいですね。
お茶友ほどではないけど、走ってこられたときにはわたしも大概ビビりました。
ちなみに、さわりはしませんでしたが、ハシビロコウゾーンも放し飼いッス。
夜だったので流石に寝る準備に入っていらっしゃいましたが、昼でも動かんしなあの鳥。
誘導役のお兄さんにコアなハシビロコウファンの話とか聞けて楽しかったです。
今度は昼間に行こう!と心に決めました。
池の魚(NOT餌)を食べちゃうハシビロコウ先輩が見たい…!


ここからテレビ
放送90周年記念番組の「経世済民の男 高橋是清」、見ちゃった。
思ってたより軟派寄りの人に書かれてて、
これまでのイメージをぶちこわされました!良い意味で!
面白かった…!
ぜんぜん期待してなかったのに面白かった!
次は小林一三なのでこれまた楽しみです!
ちなみに、サイトに行ってよくよく見てみたら、
高橋是清が東京局、小林一三が大阪局、松永安左エ門が名古屋局制作みたい。
カラーの違いにも注目したいと思います。


「昔話裁判」白雪姫の回
これまた気になってたのをみちゃった。
15分なんですが、大まじめに弁護側と検事側に分かれて殺人未遂の罪でお后を裁いてますがな。
その上弁護人の主張によると、すべてはお后に恨みを抱く白雪姫と王子の陰謀だったりして、
それぞれそれっぽく証人尋問があって
確かに、最後まで見終わると、どっちが正しいのか全く分からん感じに。
結論を視聴者に投げて番組は終わるんだけど、確かにシュールでした。。


ヴァイオリン職人の探求と推理 (創元推理文庫)

ポール・アダム / 東京創元社

スコア:


ポール・アダム著『ヴァイオリン職人の探求と推理』『ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密』
前々から気になってたミステリー。
舞台はイタリアですが、書いてるのは多分イギリス人です。
主人公(探偵役)は、まさしくイタリアはクレモナに住むヴァイオリン職人のジョヴァンニさん(推定60歳)、
腕のいい職人で、ヴァイオリンを自作する傍ら、修理も手がけます。
趣味は近所の友人たちとの弦楽4重奏セッション。
その手足となるワトスン役は、4重奏でチェロ担当の地元警察の刑事さん。
(やたら長い名前の地元民で、ぐ、 グァスタフェステ ? なんか、こんな名前だった。)
『ヴァイオリン職人の探求と推理』では、のっけに、主人公の幼なじみにして親友のアントニオが殺されます。
名前の長い刑事と生前の彼の足取りを追う内、
幻のヴァイオリンの存在が浮上し、殺人事件の真相とヴァイオリンの謎が平行して進む筋。
以下、思ったことメモ。

・まず、殺された友人と主人公の友情が良かった。
50年来ずーっと友達、って良いよなあ…。
良いときも悪いときも同じ時間を共有してきたその蓄積に憧れます。羨ましい…。
彼のことを思い出すときの主人公の心情に過剰に感情移入しちゃったよ。
老いも若きも関係なくわたしはのべつまくなし友情に弱い。

・主人公が初老なので、落ち着いていて良い。
酸いも甘いもかぎ分けた良識ある大人ななので、各所での落ち着きが光ります。
こんな安定した常識的な探偵役も珍しい。

・やたらとヴァイオリンの知識に詳しくなります。
ストラディヴァリとグァルネリ、アマティの音色の違いなんか初めて知ったわ!

・かつてクレモナに天才ヴァイオリン職人が生まれたのは、たまたま天才が出現したのではなく、
職人としての積み重ねに加え、そう出来る環境のたまものだ、
つまり、若い頃からヴァイオリン作り一筋にひたすらいそしみ、
それをこつこつと何十年も続け、またそうして生きていける環境があったからだという指摘になんか納得した。

・音楽っていいよね、と随所で思う仕掛け。
主人公がセッションしてるのがすごい楽しそうなんだもん!

・ヴァイオリンの行方を追う辺りは歴史ミステリっぽくてそれも面白かった。
(しかし、イギリスのクダリは要ったか、あれ)

・ヴァイオリン・ディーラーが悪どすぎるw

・最近のミステリには定番、主人公のほのかなラブもあるぞ!
(もうお年なんで、おだやか~な友人づきあい、程度ですが)

全体的に見て、面白かったです!
たいてい洋ものミステリー読んでると、途中の微細な描写でダレるんですが、
意外にこの本それがなかった。ミレニアムとかアメリカのサスペンスものみたいに
力業でせかされるようにページをめくる、みたいな激しい切迫感はないけど、
普通に続きを楽しみに読み進めることが出来ました。
ようし、次!

ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密 (創元推理文庫)

ポール・アダム / 東京創元社

スコア:


『ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密』
こっちは、パガニーニの残したかもしれない楽譜の探求の話。殺人事件もあるぞ!
主人公は、弦楽器のことに関しては玄人だけど捜査に関しては一般人な素人ので
グァスタフェステ(多分)刑事の邪魔をしたり出しゃばったりしないのが好感度高いです。
今回は、シャイで感受性の強い青年演奏家とか、「大砲」と呼ばれる
グァルネリ・デル・ジェスの名器など、素敵なアイテムも山盛りだくさん!
読み終わる頃には、ミステリーを読んだ満足とともに、
やたらパガニーニの生涯に詳しくなってること請け合いです。
2作目も面白く、出来れば続きも出版してほしいけど、
必ずヴァイオリン関連の音楽的な探求が絡むからネタが続くか心配です。


望郷 (角川文庫)

森 瑤子 / KADOKAWA/角川書店

スコア:


森遙子著『望郷』
職場の同僚から貸してもらった本です。日本人作者の本なのでサクサク読み終わりました。
なかなか面白かった。
前半は、若草物語、みたいな感じで、欧米の女性作家の書いた小説っぽい内容で進み、
後半は竹鶴政孝と結婚してからの日本での苦難の話。
主人公と妹の軋轢も書かれていましたが、わたし、妹の気持ちも分かるわぁ…。


植物はすごい 七不思議篇 (中公新書)

田中 修 / 中央公論新社

スコア:


田中修先生著『植物はすごい 七不思議編』
またもチャーミングすぎる職場の上司にもらったもの。
今回は、7つのメジャー植物を選び、それについて7つの不思議に答える、という趣向のもの。
とはいえ、7つの不思議といっても、さすがに途中ネタがなかったんか、
力業で「これも不思議といえるでしょう」的にねじ込んでるのもありますが。
その辺りの田中先生の意外な強引さを楽しむのもまた一興です。
今回は、対象植物に対するまじめな疑問も小ネタも全部ひとところにぶっ込んでるのでまとまりが良く、
知識としてちゃんと記憶に定着しそうな感触。
意外に知らなかったネタとか混じってて、楽しく読めました。
田中先生のご本の読みやすさは、長年子ども電話相談室でちびっこ相手に分かりやすく伝えようと
心砕いてきた実績があるからなのだなあ、と今更実感。
簡単すぎるなんて思ってごめんなさい!


こなもん屋うま子 (実業之日本社文庫)

田中 啓文 / 実業之日本社

スコア:


田中啓文の『こなもん屋うま子』読了。
古本屋で200円ほどで売ってたので買ってみた、ネタ小説。
でもこの作者は真面目な推理ものより、このくらい色物の方が面白い。
蘇我野馬子っていうけったいな名前の強烈なおばはんが、
イルカっていう女の子と二人できったない粉モンの店やってるという設定がまず胡散臭い
そこへ客が訪れて、という毎回同じ形式の導入部が語られ、
簡単な日常系推理が繰り広げられるという筋なのですが、
なにより

料理がおいしそう…!

鍋奉行の時も美味しそうやなあ、と思ったけど、今回は現代物で料理が想像しやすいので余計に。
読んでて唾が沸きます。
毎回、舞台は天満だったり、天神橋筋だったり、梅田だったり
(大阪の地理が分からんのでそれがどこかはさっぱりですが)し、
出てくる粉モンも、お好み焼きからたこ焼き、おうどん、ラーメン、ピッツァまでさまざまですが
そのどれもがほんとに美味しそうなのです。
後謎のおばはん馬子ですが、これまたデリカシーないわぶよぶよだわきっついわ、
インパクト抜群、本当にこの作者はこういうダメ人間を魅力的に描くよなあ、
読み終わる頃にはすっかり馬子さんにも馴染んでます。
冗談で買ったのに、意外と楽しめた本でした。


ばけもの好む中将 参 天狗の神隠し (集英社文庫)

瀬川 貴次 / 集英社

スコア:


瀬川貴次著『ばけもの好む中将3 天狗の神隠し』
またもお借りしたので。
これもさらっと読めて面白かったですよ!
とうとう1番目のお姉ちゃんまで登場した。
主人公の12人いるお姉さんたちは、居すぎて誰が誰かよう分からんことになってます。
4の姉上が魔性の女で
10の姉上が謎の多い家出娘で
11の姉上が出仕中、
8の姉上は帝の嫁、
後学者の嫁と、尼と、こないだ浮気されてたのと
夫と一緒に地方転勤に行ってんのと、
伊勢神宮に行ってんのと、
強烈な1の姉上と、
…えーと、これで何人だ。

とりあえず、探偵役の中将が今回も素敵だったので何もかも良しとします。
こきでんの女御は琵琶盗人とくっつけばいいのになあ。
[PR]
by mi-narai | 2015-09-06 22:00 | 2015年下半期の読書