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『人形遣い』 『政令指定都市』 『ソロモンの指輪』

人形遣い (事件分析官アーベル&クリスト) (創元推理文庫)

ライナー・レフラー / 東京創元社

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ライナー・レフラー著『人形遣い』
ドイツ発ミステリー。
ケルンで起こる血なまぐさい連続殺人を解決するため、
事件分析官(アメリカで言うところのプロファイラー)の主人公アーベルが呼ばれ、
その助手として若くて気の強い美人刑事ハンナが付けられたところから
物語はスタート。
最初はいがみ合ってた二人が事件を追うにつれ、徐々に互いに信頼を育てていくのが
王道とはいえ読み応えがありました。
殺人事件の方は、いかにもドイツらしく、臓物が派手に飛び散る系のアレでソレ
なので、グロいのが苦手な人は気をつけて。
なんで大陸の最近のミステリーはスプラッタっぽいのが多いのか…。
シリアルキラーで、幼少時の性的虐待ネタはもうええねん!!
と叫びたくなるような、どっかで見たような道具立てではあったのですが、
話のテンポがいいのと、主人公たちがなかなか魅力的だったのとで
最後まで飽きずにハラハラしながら読みすすめることが出来ました。
アイディアはふつうだけど、小説の構成とかバランスとか
人物設計はすごい堅実なイメージ。
後、登場人物同士の軽口が、イギリス小説ほどひねってはいず、
アメリカ小説ほど軽くも明るくもなく、
微妙にすべってるというか、妙に真面目っぽいのが
日本人と相通ずるな、などと変なところで感心してしまいました。


政令指定都市 - 100万都市から都構想へ (中公新書)

北村 亘 / 中央公論新社

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北村亘著『政令指定都市』
そのタイトル通り、地方都市行政の内、政令指定都市に絞って書いてある著書。
その成り立ちから、行政形態、市長の一日、この制度は今後どういう変化を考え得るか、
などをひと通りさらえてある感触です。
まずは大まかに都市政策というものの意義について。
そもそも、牽引役を期待して、国は大都市に権限を付与するらしいですね。
その地域の経済の活性化の起爆剤的な。
けど薄く広くやりすぎると、財政が続かんし効果も薄い。
なので、これ、という大都市にのみ、集中投資するのが良いとされているようです。
もともと、もっと権限を付与した「特別市」、というものに、
首都として東京都に組み込まれた東京市を抜いた、5大都市を当てはめようとしてたのが
周辺自治体の反発とか政治的駆け引きとか与党の都合とかあって、
玉虫色の「政令指定都市」制度というのに落ち着いたそう。
それが制定されたのが戦後まもなくだったから、
ひどい爆撃を受けた神戸市の人口が激減してて、
それで本来なら100万以上にするところだった人口要件が
50万以上になっちゃったらしい。
これが後々、尾を引くんです。
その後、経済成長と共に、政令指定都市になることが大きな都市のステータスみたいに思われて
なんだかんだで他の市が目指すようになって、現在その数20市。
もともとの狙いからだいぶはずれてます。
これだけ増えると、それぞれの都市間の特徴や実力の差がバラバラで、
全部を同じ政令指定都市という制度に当てはめちゃうのがいいのか悪いのか。
ちなみに、各都市の状況などをいろいろな視点から眺めて考えると、
今のところもっとも大きな政令指定都市、第一人者を自認してる横浜市って、
実のところ単なる大きな衛星都市にすぎないらしいですよ。
大都市制度を適用して効果が期待される市としては、
福岡、名古屋、大阪がその要件に当てはまるらしく、
特に大阪は大都市の中の大都市なのだそう。まだまだ自信持ってください大阪さん。
なので、横浜には、大都市としての制度ではなく、
大きな衛星都市としての別の補助を掛けた方がいいみたい。

いきなり市長の話になりますが、市長ってお忙しいんですね。
作中に、比較的情報が公開されてる広島市と大阪市の市長の一月の仕事回数、
みたいな円グラフがあったんだけど、どっちもひたすら大変そう。
でも当時の大阪市長(あの人でした)は鬼のように仕事こなしてちゃんと休暇も確保してて
すごいな、と思いました。

都市の財源の話。
一般平均としては政令指定市は固定資産税がもっとも大きい割合を占めてるんだけど、
特に京都と大阪は特殊らしい。
京都は神社仏閣と教育機関(大学)が多すぎて、固定資産税がそんなにとれない。気の毒です。
大阪も、昼間人口と夜間人口の差が、東京23区を抜いて日本一らしく、これまた固定資産税がとれない。
要するに、周辺と市から大阪に通勤とか通学してる人の割合がものすごい多いって事ですよ。
確かに。実感としてそれは分かる。
それで潤ってんだからいいだろ、と一概にも言えず、昼間の人々のニーズに合わせて
莫大な金掛けてインフラ整備しても、その人たちは大阪市に税金は納めてくれない、という悲劇。
結構気の毒な立ち位置です。
他にもいろいろ他の都市に比べて、大阪市は大都市故の不都合を
一手にひっかぶっちゃってる部分があって、
考える以上に大阪市は窮地に立ってますよ。
今思えば橋○さんはようガンバっとった。
それもこれも、そもそも政令指定都市制度が中途半端な妥協の産物だから、という
遠因があって、
前に「大阪都構想」を読んだときにも書いてあったけど、
大阪市では、大分前から(もう70年くらいも)市の構造を変えるべきじゃないか、
という案は何度も出てきてるようです。
府県側を主体にしてまとめちゃう方向に振り切ったのが都構想で
逆方向に振り切ると、大阪市独立、大阪特別市成立へ進みます。

個人的には、現代に自治都市があっても良いと思うんだけどなあ。
(自分が住んでないからって無責任なことを言ってみました)

いや、なかなか。日本の地方行政について、特に大都市の行政について勉強になる本でした。
もっと眠くなるかと思ってたけど、思いの外面白かった。


鍋奉行犯科帳 お奉行様の土俵入り 鍋奉行犯科帳シリーズ (集英社文庫)

田中啓文 / 集英社

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田中啓文著『お奉行様の土俵入り』
いつもの鍋奉行シリーズの第5弾。
今回も、面白かった。
肩肘張らず、ほどほどに時代劇で、最後は大団円なので安心しながら読めます。
お奉行様が出てきたときの安定感といったら!
しかしまあ、食べ物ネタでよくここまで続くなあ。


カラスの補習授業

松原始 / 雷鳥社

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松原始『カラスの補習授業』
こないだ読んだ『カラスの教科書』があまりに面白かったのでつい買ってしまった第二弾。
今回は、前回以上にジョジョネタ満載です。
時々挿入されるラノベネタは、詳しくないので分かりませんが、ジョジョなら分かる。よし。
内容としては、前回入らなかったネタの他、更に専門的な内容なども盛り込んであり、
より一層ディープにカラスフェチになれること必至!
今回も、大変、大変!楽しかったです!!
最近は道でカラスを見かけたら立ち止まって見とれてしまうくらい好きになりました。
こないだ、初めて威嚇されたよ!(嬉しげ)


ソロモンの指環―動物行動学入門 (ハヤカワ文庫NF)

コンラート ローレンツ / 早川書房

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コンラート・ローレンツ著『ソロモンの指輪』
「カラスの補習授業」で何回か言及してあったので読んでみた。
ご本人曰く、当時、周囲には、どう考えても納得できないエセ動物本が溢れてて、
それに我慢できずに書き上げたのが本書らしい。
どうも、動物行動学の草分け的な大御所らしいですね、この方。
まだ方法も確立されていないような頃に、動物を飼うというよりほとんど共同生活しながら
人間が陥りがちな擬人化じゃなく、その動物の行動を客観的に真摯に観察しています。
おまけに、ご本人の動物たちへの愛が随所にあふれてて、読んでてじんわり胸が温まりました。
犬、ネズミはもちろん、コクマルガラスをはじめ各種鳥、魚に至るまで、色んなものを
家の中に放し飼いにしたり庭の小屋で飼ったり。
いくら偉い教授やいうても、よう奥さん我慢したな。と一読者にまで同情せしめる変わり者っぷりですよ。
でも、逆に言えば、本当に動物のことを考えて飼うってそこまでの覚悟がいるものなのかもなあ。
もともとカラス目当てでこの本を買ったので、ワタリガラスやコクマルガラスの章は
もちろん面白かったのですが、他にもハイイロガンの章とか、アクアリウムの章、
飼いやすい動物についての章とか、バラエティに富んでて、どれも楽しく読めました。
犬についての章は、ジャッカル由来の犬とオオカミ由来の犬の違いについて書かれてて、
へー、なるほどなあ。と思ってしまった。
ジャッカル由来の犬の方が人なつっこいんですって。
オオカミの血が濃いほど、主に忠実に。日本犬はこのタイプですよね。
確かこの人、犬についての本も書いてたはずだから、
そっちも読みたくなってしまいました。
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by mi-narai | 2016-06-26 10:31 | 2016年上半期の読書

『経済学に何が出来るか』 『極楽のあまり風』 『ばけもの好む中将』 『トロイラスとクレシダ』

最近のテレビ

「山賊の娘ローニャ」 「あわれな山賊たち」回。
もじゃ率の低さに衝撃を受ける。
いや、北欧だし、8割もじゃだろう!!
一人くらいは腕にも背中にも足にも腹にも毛が生えてて
「毛ガニ!」とか呼ばれててもいいじゃない!
そんな中アッティス親分だけつるっつるで気にしてて
ロビスに「シラミが沸かなくていいじゃないのさ」とか
言われてたらいいじゃない!

…などと思いながら見てました。
みんなのプリけつは美味しく鑑賞させていただいたわよ!ごち!


コズミック・フロント・NEXT 「ガガーリン」の回
これまた歴史の話っぽい回。

ソ連が、怖すぎる。

初の宇宙飛行生命体である、ライカ犬、
実は打ち上げて数時間後に死んでたらしいですよ。
ちょっと悲しくなりました。
しかし、最初の有人飛行は1時間ちょい、位だったのだなあ。
今なら一般人でも金を積めば出来ちゃう時間ですよ。
このまま科学が進歩し続けたら、この宇宙の外側にも行けるかな。


こっから読書

歴代首相の経済政策 全データ 増補版 (oneテーマ21)

草野 厚 / 角川書店(角川グループパブリッシング)

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草野 厚著『歴代首相の経済政策』読了。
日本の肖像を見た後だったので、それとシンクロしててちょっとわかりやすかったです。
日本の政治家はろくな事してないと思ってたけど、それでもそれなりに
頑張ってたんだなあ。

もっと頑張れ。給料分働いてくれ。

後、予算における近年の借金の割合の増えっぷりが恐ろしいよ…
(年毎の予算額と振り分けが載ってるんですよ)


経済学に何ができるか - 文明社会の制度的枠組み (中公新書)

猪木 武徳 / 中央公論新社

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猪木武徳著『経済学に何が出来るか』
大真面目に経済学に何が出来るかについて考えた本(タイトルまんまやがな)。
いや、一般的には経済学というと机上の空論で実際の役には立たんと思われてるけど、
それに対しての経済学者からの真摯な反論ともうしますか。
大真面目に経済学の方法を説明しながら、現代政治の瑕疵を論じてます。
読んでからだいぶ経ったからもうあんまり覚えてませんが(だめじゃん!)。
しかし、経済学で理論を論ずる時、どうしても単純化、普遍化するけど、
実際の社会ではもっとさまざまな要因があるわけじゃないですか、
そのせいで、理論と同じようには展開しないんですよね。
その辺りのズレが経済学が役に立たんと言われる所以なのだが、
だからといって理論自体が間違えているわけではない、
という著者の主張は、まあ、そらそうだなと思いました。


この辺りで、そろそろ政治・経済関係の本はいいかな~と思って
趣味の本を読み始めました。


ばけもの好む中将―平安不思議めぐり (集英社文庫)

瀬川 貴次 / 集英社

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瀬川貴次著『ばけもの好む中将』
お借りした本。軽い読み物なんだけど、意外と面白かった。
タイトルを見れば、
舞台が平安時代で、物の怪とか、妖怪が好きな中将が出てくるのだな
という大体のコンセプトは分かると思うのですが、
その中将が意外に好みの男前だったのですよ。
なので、それだけでわたくしの評価は跳ね上がっております。
ワトスン役の右兵衛佐が上にお姉ちゃんが12人も居て、
おまけに怪異が大嫌い(怖いから)というネタキャラで、
いちいち驚いたり怖がったりしてくれるのでまた楽しい。
続きも貸してくれるそうなので楽しみです。


京へ上った鍋奉行 (集英社文庫)

田中 啓文 / 集英社

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田中啓文著『鍋奉行犯科帳 京へ上った鍋奉行』
相変わらずのお奉行様の喰いっぷりのことよ。
主人公の同心の恋もほんのすこしだけ進んだかな。
4冊目にもなると、お奉行様が出てくるとほっとするというか、
あんなどうしようもない人なのに愛着がわきまくってます。
『ハナシがちがう!』シリーズの梅寿師匠もどうしようもない人なのに
そこがやっぱり良くて、たまらん感じに書いてありましたが、
この作者、こういう欠点たっぷりの人間を魅力的に描くことに関しては天才的ですね。
次の巻も楽しみです。


極楽のあまり風―ギリシア文学からの眺め

中務 哲郎 / ピナケス出版

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中務哲郎著『極楽のあまり風』
この本、ウッカリ2冊買っちゃって(マイナー出版社の本だったからさ…)
某方に無理矢理一冊押しつけたというアレな本(ほんと、その節はスミマセン!)。
さすがに、押しつけてから数ヶ月たつのに未読とか、ないよな、と思って
ようやく読んでみたんですが

面白いな!これ!

のっけの
「アイスキュロスは禿頭にカメ落とされて死んだ」ってネタに
悪いけどリアルに笑ってしまいましたよ。
ツルぴかの禿頭見て、飛んでた鷲が「岩はっけーん!」と思って
甲羅割るつもりで持ってたカメ落としたら、
アイスキュロスの頭蓋骨の方が割れちゃったっていう、ね。
ひとしきりニヤニヤしてから、そう言えば、他のなんかの本でも
同じネタ読んだな、と思い出しました。
しかし、あんなシリアス悲劇書いた詩人にしては
突飛なエピソードですね。
まあ、有名人は軒並み伝説級の死に様エピソードを後から創作されたらしいから
実際にこうやって死んだと信じ込むのは早計ですが。
オマケに、なんと、夏目漱石の小説にこの逸話が!載ってるらしいよ!!
漱石、博学だなあ!!
先生は、漱石が何をソースにそのエピソードを知ったかってとこまで
追跡してらっしゃるんだけど、そんなこぼれネタ知ってる先生の方が博学ですよね。

かように、この本は、
長年西洋古典文学に携わってこられた中務先生が、折々に思ったことなどを
チラシの裏にメモるみたいに綴られた雑学満載のエッセイ集、なのです。
ネタの宝庫ですよ!
先生はさすが長年生きてきただけあって、西洋古典だけでなく、
他の時代、他の地域のこぼれネタもたくさんご存知で、
(それをこの金額で教えていただくのが申し訳ないくらい)
西洋古典のエピソードと絡めて縦横無尽に空想なさる様を
こうして興味本位で気楽に読むのがまた楽しい!
ほんまに、極楽の余り風やなあ…。
(※極楽から漏れいでたような涼風、転じては良き品、良き事を指す)

以下、読みながら特に思ったことメモ。

・初潮の話と出産姿勢の話。
「初潮」が、色んな地域の色んな時代の文学の中でどのように表されているかを
西洋古典から、古事記から、アラブ文学にまで広げてピックアップ。
アラブの表現の美しさに瞠目したよ。
出産姿勢の方は、膝立ちとか、立ち姿勢が多かった件について。
確かに、その方が楽そう。

・牛の皮で囲える土地をくれ、と頼んで了承を得てから、
皮を細く裂いて広大な土地を囲う、というこすからい伝承について。
色んな民話に出てくるのは知ってましたが、そうや、ディードーも使ってたわ、この手!

・間男はビーツをケツにツッコまれて、毛を焼かれたてエピも載ってますよ!
わははは!なんやその刑罰!
まあ、女性だけが責められて、宗教裁判で処刑とかよりは
ぜんぜんいいですよ。もっとやれギリシャ人。
でも痔には気をつけて。

・喜劇詩人のメナンドロス、いつか読もう、読もうと思ってまた未読です。
いつか読もう。

・難しい漢字が沢山。
普段使わないような美しい言葉をさらっと普段使いで使ってあるのがかっこいい。
なんか、昭和期を生きた方って、下地でかなわない気がします。

・アイリアノスの『ギリシア奇談集』からの引用が多数でてくるんですが、
わたしこの本読んだはずなのに、全然覚えてないよー!

・最後の後書きが、京都の人っぽくて、ニヤニヤしました。


ばけもの好む中将 弐 姑獲鳥と牛鬼 (集英社文庫)

瀬川 貴次 / 集英社

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瀬川貴次著『ばけもの好む中将 弐 姑獲鳥と牛鬼』
短編、短編、中編で1冊の、ちょっと変わった編成の本。
でも全部バラバラのハナシなのかと思ったら、最後でちゃんと一つにまとまって
ちょっと感心してしまいました。
今回も中将のはじけっぷりがきらりと光る良い1冊。
中将のセレブなお友達たちや、主人公のお姉ちゃんたちにもスポットが
あたって、楽しかった。お姉さんたちの個性が強すぎる(笑


シェイクスピア全集 (〔24〕) (白水Uブックス (24))

ウィリアム・シェイクスピア / 白水社

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ウィリアム・シェイクスピア『トロイラスとクレシダ』
読み始めてすぐに思ったことは、

シェイクスピアやなあ!

ということ。
舞台がトロイア戦争なので、勿論なじみ深くて、登場人物もよく知ってる人
ばかりなのに、言い回しや筋立てがものすごいシェイクスピアっぽくて
なんか、不思議な感じです。
あんまりシェイクスピアに詳しくないわたしが言うのも何ですが、
シェイクスピアの喜劇って、道化が出てきて狂言回しをするイメージが強くって、
このトロイラスとクレシダにおいては、テルシテスがその役回りなのですね。
タイトルロールの二人の恋愛に関しては、マジでどーでもいいですが、
アキレウスがみんなにさんざん「あいつ高慢すぎる」てぶつぶつ言われたり、
アイアースがからかわれたりする件はちょっと面白いです。
しかし、英語読みだから、それが誰かをいちいち頭の中で変換するのは面倒。
 ・
 ・
 ・
翌日読了。
後書きで「カテゴリー分けに困る作品」とあったけど、確かに。
途中喜劇っぽいけど、全編喜劇ではないし、大団円ではない、
かといって、史劇ほどの重さはなく、
悲劇といっても、ロミオとジュリエットのような完璧な美しさにはほど遠く、
ハムレットのように最後全員死ぬわけでもなく、
「なんやこの話???」
と思ってる内に終わるという…
何がねらいなんだ???とそりゃ学者連中も頭をひねるわな、こりゃ。
とりあえず「問題劇」というカテゴリーに今は入れられてるらしいです。
でも面白くないかと言えばそうでもなく、さすがシェイクスピアというか、
舞台転換とか場面の見せ方とか秀逸で、飽きずに最後まで読めちゃいました。
(もともとシェイクスピア(の喜劇)が好きなので、だいぶ点が甘いかもしれん。)
もちろん、元ネタのイーリアスや他のトロイア関連叙事詩とは、だいぶ
筋立てを変えてきてるんだけど、
その辺りはシェイクスピアの構成手腕の見せ所ってやつで、
むしろどう組み立ててるかの方に剋目しました。
ちなみに、タイトルロールがトロイラスとクレシダなので、
一応その二人中心に話が回ってて、
他のアキレウスとヘクトールの因縁とか、
パリスのくだりとか、その辺はわりとさらっと流されてます。
ヘクトールの死はさすがに確定済みなんですが。
(シェイクスピアは、同時代のトロイア戦争に題材をとった劇脚本だけでなく、
一応イーリアスの翻訳も参考にしたらしい。)
かといって、別にトロイラスとクレシダがいうほど純愛な訳でもないし、
他の作家の作品みたいにクレシダに納得できる要素があるわけでもなく
ううむ、マジで、何を主眼に描きたかったのか悩むな。
ざっくり一回読んだくらいじゃ分からんのも当然かもしれません。
時代背景とか、シェイクスピアの劇作手法とかに無知なので、それがネックなのかもしれません。
手強いぜウィリアム!(わたしがアホなだけか?)
とりあえず、劇を見て、演出家がどういう風に結論づけてるか、
(それともシェイクスピアの原作通りなのか)、を
確認してこようと思います。

ていうか、新幹線、動くのか?(動いてくれよ)
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by mi-narai | 2015-07-17 00:03 | 2015年下半期の読書

『政治家の条件』 コルダ3感想

来月6月の100分●名著(あんまり伏せてない)て
ソポクレスの『オイディプス』じゃないですか!!
見ます!


政治家の条件―イギリス、EC、日本 (岩波新書)

森嶋 通夫 / 岩波書店

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森嶋通夫著『政治家の条件』
大学生の時に一度読んだ本です。政治つながりで再読することにしました。
古い本なので、ヨーロッパは、EUじゃなくてECの時代ですよ。OH…

と日記メモに書いて
から数日後に読み終わったのですが、
読み終わってから気づきました。


わたし、この本未読だった…!!


どうして一度読んだ本だと思い込んだのでしょう。
タイトルかな。大学生の時、まったく政治には興味なかったけど、こう、
悪徳商人ぽい雰囲気に浸りたいがため(まさにそれだけのため!)に
政治関連の本読みあさった時期があったんですよね。
そん時に政治家について論じてある本も確かに読んだのですよ。新書で。
でも、今思い返せばその本、グラッドストンとか、イギリスの歴代首相についてもっとページ割いてあったし、
しょっちゅう引用しちゃうクリックさんのあの文句についても書いてあった筈なんですよ。
この本は、前半はサッチャー批判で、後半は日本の政治についてだった。違う本や!!

どうりで、新鮮な気持ちで読めると思った。(もっと早く気づけ)

ということで改めまして、『政治家の条件』読みました。
先に書いたけど、だいぶ昔の本なので、以下のような時代を感じさせる記述が散見されます。
・この本が書かれたのは湾岸戦争直後らしい
・しかもサッチャーが失脚したてである
・ゴルバチョフのペレストロイカ→反対派によるクーデターが失敗(今ここ)。もうすぐソ連崩壊ですよ。
・日本は高度成長期直後辺り。総理は海部さん。バブルはまだ弾けてません。
・当時EUはまだECだった。仏大統領はミッテラン。ドイツはまだ東西に分かれている。
・日本は世界中から嫌われている、といった形容が多数。
確かに、当時は日本って「新参の成金」って立ち位置だったよな。
記述を読むにつけ、隔世の感がありますがそれはさておき。
面白かったです。
著者は経済畑の方らしいのですが、意外と確信をついてます。
いや、状況が変わったから、もうその意見は通用しないよ、て部分もあるのですが
(日本の外交姿勢についてとか)。

時間が経って初めて正しいかどうか分かる事ってあるじゃない。
当時はサッチャリズムってけっこうもてはやされてたと思うんですが、この方、
ちゃんと批判するとこはしてますよ。

政治家には理想と、現実主義のバランスをとる能力が必要、ってのをサッチャーを例に出して説明して、
(職業としての政治家が何故必要かも論じつつ)
次に日本に目を向けて、政治家の資質がどうか(当時から与党議員にはどういった施策を打ち出すかの
大きなビジョンがなく、個々人が勉強不足だったらしい)、
日本の選挙制度、統治機構の問題点などを論じてます。
おおお、『日本の統治機構』で論じられてるのと同じ問題点がここでも!
先にあの本で読んだおかげで、言いたいことがよく分かりますよ!!
この本でも官僚内閣制の不都合と、一党独裁が癒着を生み、無気力な政治家を作り出し、国を腐らせる、
っちゅう指摘がなされてます。
昔も今も、同じことが問題視されている…!!
この頃は中選挙区制だったので、よけいに自民党独裁体制が助長されてたんですが、
著者は小選挙区制推しですね。
長年イギリスの大学で経済学を教えてて、イギリス政治に慣れ親しんでいらっしゃったので、
若干イギリスびいきも入ってんじゃないかと思うんですが。
「日本の統治機構」と併せて読んで理解が深まりました。
国民は(勿論わたし含め)政治についてもっと考えないといけないとはいえ、
普段仕事とかあって、深く勉強してる暇なんてないじゃない。
そんな忙しい社会人のために、公約があるんですよ。
あれは政党の主義主張、したい政策、ビジョンを有権者に分かってもらうためのものですよ。
だから個人で公約(地元に利権を!とか、この市に保育園を!とか)言わんと、党全体で言わなあかん。
党員はそれに絶対したがわなあかん。
有権者もどうせ選挙に行っても無駄とか、入れたい人がおらんとか、
横着言いたくなる気持ちはものすごい共感するけど
やっぱり一票はどっかに投じないと、それこそ組織票とか金持ってる社会的強者に
良いように操られちゃうんじゃないかと心配です。

とりあえず、週末の選挙に向けて、候補者の言い分を見てみるか…

(この日記書いた時点では地方選挙前だったの。ちゃんと投票してきましたよ)


タイムマシンのつくりかた (草思社文庫)

ポール・デイヴィス / 草思社

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ポール・デイヴィス著『タイムマシンのつくり方』
古本屋で安く売ってたから、買ってみました。
白熱教室と同じような話題でタイムリーだな~と思って。
SF小説っぽいフィクションじゃなくて、まじめに物理的見地から、時間というものについて、
ひいては空間や宇宙やブラックホールについて、タイムマシンというキャッチ―なテーマを中心に
考えています。あんまりお固くなり過ぎず、専門的な公式とかにも踏み込まず、
大真面目に時間を遡ったりジャンプしたりする方法について論じてあります。
確かに、一昔前は『タイムマシン』って機械で過去へいくイメージだったけど、
最近のSFじゃワームホールを通って過去にってネタが増えてます。
これって一応量子力学とか物理学の学説に沿ってんのね。
面白かった!
空間の2点をつなぐとワープ航法の話へ、時間の2点をつなぐとタイムトラベルの話へ
行くわけだな、SF的には。
タイムラインがもう一度見たくなりました。
DVDあったっけな、家に。


数えずの井戸 (角川文庫)

京極 夏彦 / KADOKAWA/角川書店

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京極夏彦著『数えずの井戸』
お借りしたので読みました。
有名な、播州皿屋敷を元ネタにした京極風怪談話。
ずっと姫路城の井戸の伝説かと思ってたけど
お菊ネタってけっこう全国にあるんですね。

物語は、何人かいる登場人物の一人一人にスポットをあてて、順繰りに内面をたどっていくうちに
どんどん歯車が狂う様子があらわになってゆき、最終的には

そして、誰もいなくなった

というアガサ・クリスティーばりの怒涛の結末へ。
登場人物の誰もが、その辺に居そうで、でも少しずつずれ方が極端なんですよ。
で、その上、気持ち悪い感じに誰もが他人を誤解しているという。
これも、言われてみればその通りで、そりゃ当人が自分をこうだと考えているように
他人を見ることのできる人なんて居ないわな。
相手に対してこうだ、と分かってることなんて微々たるもので、
しかもそれさえ自分フィルターを通した歪んだ像なんでしょうし。
(いや、別に支障がないならそれでいいじゃないでしょうか。
必ずしも知り過ぎることが良いとも思わない)
結局、真相の一部は分からないままになってたりするので、
読んだ後も後味の悪い思いが尾を引くのですが、
本を読むうちに各々のずれっぷりと誤解っぷりをいやというほど味わった後故
「どうせ本人にしか分からん理由やねん、考えてもしゃーないわ」
という気分になっているという京極マジック!

貸してくれた友人は読みづらかったと言ってたけど、
めっちゃすいすい読めました、よ…!?
例によって京極さんの本は分厚いけど、下半分白紙だし、胸糞悪い内面を持つ人もいて
しかも同じ思考がぐるぐるしてたりするので(ホラーなんで、たぶん、効果)
精神的には読みづらいかもしれませんが、文章は読みやすいです。
理解しやすい平明な文章と内容って素晴らしい!


都庁―もうひとつの政府 (岩波新書)

佐々木 信夫 / 岩波書店


佐々木信夫著『都庁―もうひとつの政府』読了。
東京都の各時代の政治について。
特殊なんであんまりなんの参考にもなりませんでしたが、
とりあえず、知事って忙しいんだな、というのは分かった。
作中で、途上国ほど威信を示す為に首都に権限が集中しがちとあったけど、
日本は先進国(自称)なんだからいい加減さぁ…。


以下、コルダ3AS天音篇感想です。ネタバレ予防のため折っときます。

函館篇もあるよ
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by mi-narai | 2015-05-29 20:45 | 2015年上半期の読書

白熱教室、『占領と改革―シリーズ日本近現代史〈7〉』『大阪―大都市は国家を超えるか』

某NH/Kの白熱教室の今月からのやつ、見始めました。4回シリーズの1回目。
あまり期待せずに見始めたのですが、見終わった後ときめきが止まりませんでした。

面白かった…!!!!


ピケティさんの講義は楽しく見たんですが、次のリーダーシップ論は1回見て
まあ、そこまで一生懸命追わなくても良いかな、と思ってパス、
今回のは「最新物理学者が未来を語る」みたいな煽り文句だったので、
同じ局でやってた、「NextWorld」未来の生活はこうなる!みたいな全6回くらいの
割合真面目な番組と似たようなものかな、と思ってとりあえず録画して見たんです。



まず、お、と思ったのは、講師がミチオ・カクという名前の日系の方だっということ。
あれ?この人、見たことあるな、と思ってたら、
「カク博士は超弦理論を提唱しています」みたいなテロップがあって、思い出しました。

数年前にやってた『神の数式』という3回番組で出てた人だ!!


あの番組も、前後して読んだ『世界はこう考えられている』っていう本も
ものすごい面白かったんですよ!!!
相変わらずわたしは数字に弱くて、あんまり難しい数式とか理論に踏み込むと途端に
チンプンカンプンになってしまうのですが、
今回はそこまで実践的に自分で数式組み立てて、という抗議でもなさそうだったのが幸いしました、
なんとかついていけそうです。

まず、初回は現在物理で考えられている4つの力と、それがどんな経緯で誰に発見されたかの
「科学史」といった回。
前回の『神の数学』と『世界は』で得たおぼろげな知識が訳だってますよ!
4つの力て、あったな、ソレ!
ものすごいぼんやりとしか覚えてないけど、初聞きじゃないってだけで
ちょっと心強いですね。理解がしやすかった。
後、超弦理論って、あれよな。『神の数式』で得たものすごい大ざっぱな理解では、
物質を形作ってるものを小さな点(何か、砂粒のようなざっくり球形のもの)と仮定すると、
どうしても数値が狂って計算式が「無」に行きついてしまう。んなわけないやん。という矛盾を、
そうだ、点だと考えるからダメなんだ、ゴムのような輪っか状のものがぷるぷる震えていると仮定してみたら
どうだろう、という考えのもと提唱された説。

標準理論(量子論)と相対性理論を一つにすることが出来れば、それはまさに
万物の理論(THEORY OF EVERYTHING)
つまり、神の数式ですよね、ワクワクします!
いや、エピジェネティクスの例みたいに、遺伝子が分かれば全部遺伝が解明できると思ったら
ことはそう簡単じゃなかった(更なる迷路に迷い込んだ)、ということもありうるから、
万物の理論が考え出されても、そうそう簡単には世界の謎すべてが明らかにはならん気がするけども。
ないかもしれんものをあると信じて探すのって浪漫だよね!

以下、心に思ったこと。

・ハレーすい星のあの人(かどうかわかりませんが、ともかく)ハレーさん。
この人が、ニュートンのプリンキピアだっけ、ともかく彼の名著を世に出した立役者だったらしい!
この人、金持ちの商人で、趣味で天文学やってたそうなんですけど、
彗星が夜空に姿を現して一世を風靡した時、有名なニュートンに会いに行って、彗星について尋ねたらしい。
ニュートンは既に重力を発見した後で、彗星の軌道も重力の法則にのっとって計算済みで
そのことをさらっとハレーに説明したらしい。
「え。すごいやん!本出せばいいのに」
「でも金がなくて」
「わたしが出しましょう!」
こういう感じだったようです。ハレーさん、かっこいい…!

・ニュートンが考えた月がどうして地球の周りをぐるぐる回っているかの説明が
ものすごい分かりやすかったです。

・おまけにニュートンさん、自分の理論計算に必要だからって微分積分を考え出したらしい。
理系の天才、すごいな!

・光とは電場と磁場が次々に入れ替わるものらしい。(あほゆえにそれがどういうことなんかようわからん)

・重力が弱いと時間が早く進むらしいよ!実際に人工衛星とか月とかだと地球の上と時間の進み方が
違うらしいよ…!!
マジか!!!!

・相対性理論にはブラックホールの中心とビッグバンの説明が抜けており、標準理論では重力の説明が抜けているらしい。

・超弦理論は量子論の矛盾になんとか答えを用意するための解決策の一つにすぎないんだけど、
この説によれば、原子を構成する要素たちはそれぞれに固有の周波で振動する輪っかなのです。
全ての素粒子は音、なのですよ。
なんか、美しいな。
世界は音でできているって言ったの、ピタゴラスだっけ、忘れたけど、
あながちウソでもないな、と思いました。もちろん想定している音とか音楽の定義は
大分違うんでしょうが。


アップしないうちに第2回も見てしまいました。
今回も面白かったよ!!
誰か!誰か見ている人はいないの!?

今回も心に残ったことをメモ書きで・

・ビッグバンの証拠②として、宇宙背景放射だっけ、それが発見された時の逸話を
講義で披露してらっしゃったのですが、
バックステージノイズ、なぜそれがビッグバンの証拠なのか、という点についての
根本的な説明はなかったんです。
物理学科学生にとっては自明の理なのかしら…。
凄いな…。

・最初は無限だと思われていた宇宙。
静的なもので、無限で、不変だと。わたしなど今でもそう思っちゃいそうになりますが、
言われてみれば、今尚膨張中…ってことは、風船みたいなもんで宇宙の境界線はあるし、
ビッグバンが起こったのは137億だか138億だか前だから不変でもないな。
 
・夜空はなぜ黒いのか。
黒い、ていうか、暗い、ということが、宇宙が無限ではないことを示しているのだそうで。
そんなこと考えたこともなかったけど、もしも宇宙が無限に広かったら、どの方角にも星が存在して
たとえ遠くてもそのうち光は届くから、空全体がもっと明るいはずなんだって。
なんか、分かったようなわからんような…

・文明の進み具合についてのタイプ分け。
もし、地球外生命体がいるとして、という話も大真面目になされてました。
居住惑星のエネルギーを完全に掌握しているタイプ1
居住恒星系のエネルギーを完全に掌握しているタイプ2
居住銀河系のエネルギーを完全に小学しているタイプ3
と分けたとして、地球人類はまだタイプ0だな!ちゅう話。

・11次元の世界
ビッグバンの前はなんやってん、と思っていましたが、
なんか、この宇宙の外側に、泡みたいにたくさん宇宙があって(並行宇宙)それが
ぶつかり合ったら新しい宇宙が出来るんじゃないかと考えられているらしい。
しかも隣の世界では物理法則が全然違う可能性が高い。
なんか、もう、ここまで来るとマジでSFの世界です。
科学を突き詰めると神話に戻ってくるという話。

・ダークマターとダークエネルギー。
暗黒エネルギーには重力があるらしい。
でも、太陽系にはほとんど存在しない、って聞いてちょっとがっかり。なーんだ。
まだ実在を確認できてない上に太陽系にはあんまりないなんて、
いかにも眉唾っぽいなと思わんでもないけど
あった方が面白いなあ。

・ブラックホールにつっこむと高速回転して光より速く移動→となりの世界へ行けるかも?
『無限航路』を思い出したよ。

・タイムトラベルについて
必要なエネルギーと反エネルギーを溜めたら可能かもしらんのだそうな。
早く作ってソクラテス先生を直見させてくれ…!!

・タイムパラドックスについて。
よくSF小説である過去に行って出来事を変えたら未来が変わるか、ってネタを
真面目に語っていらっしゃった。
超弦理論では、枝分かれ宇宙説推しらしい。
ちょっとまえに読んだ『バルバラ異界』のラストはこれなのだな…。と思い当りました。


占領と改革―シリーズ日本近現代史〈7〉 (岩波新書)

雨宮 昭一 / 岩波書店

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雨宮昭一著『占領と改革―シリーズ日本近現代史〈7〉』
日本の統治機構、から遡って、その統治機構がどのようにして確立したか、的な興味から…。
朝ドラなんかでよく戦前・戦中・戦後の描写は見るものの、
GHQとか、占領統治とか、いまいちピンときてなかったのですが、
これまたようやく、今さら、ちょっと分かりかけた気がします。
ていうか、アメリカに占領されてた時代があるって、もちろん知識としては知ってたけど
あらためて歴史的事実だと実感すると、なんかはっとなりますね。
日本の政府はその頃もあったけど、その上に占領軍がいて、政府決定も何もかも
アメリカの意思に直接支配されてた、て
日本史上初、というか。おおお!??と。
今だって政府はアメリカに配慮してますけど、それとは別次元で直で首根っこ押さえられているというか。

著者は、占領によってがらりと日本が変わった、という論調にいまいち抵抗があるらしく、
変化の兆しはそれ以前からあったのではないか、
ようするに、極端に全部アメリカの力、とせずに、日本側にも戦前すでに変化の萌芽があり、
それがGHQの圧力と、いろんな割合で作用して、戦後の日本が形作られたのではないか、
ということを、事例別に細かに検証していっています。

以下、メモ。
・なんか、戦後すぐくらいの政党名ってちょっと面白いですね。
「○○倶楽部」とかあるよ。

・今よりもっと一般人が政治に首つっこめるような混沌とした熱さ、みたいなのが目新しい。
天皇制をめぐるやり取りとか、

・GHQ側だってボランティアでやってるわけじゃないので、
アメリカの利益を第一に考えて占領政策を立ててるんですが(そらそうだよな)、
一枚岩じゃないので、時々、戦勝国側のうっぷん晴らしみたいな政策を
押し付けようとしたりしてますよ。
大体日本側の視点しか知らないので、相手側の事情が分かると面白いな。
ちなみに、理想論の実験を日本でしやがったな、みたいに見える制度なんかが
単純にアメリカ本国でそうしているから日本にも勧めただけだったりすることもあります。

・当初は徹底的に日本の牙を抜いて武装解除をしようとしたのが、
周辺諸国の共産勢力の台頭で方針が変更したり、その辺の政治的なあれこれが面白かったです。


大阪―大都市は国家を超えるか (中公新書)

砂原 庸介 / 中央公論新社

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砂原庸介著『大阪―大都市は国家を超えるか』
都市計画の本。
大都市と都道府県の関係や、制度の移り変わりなどが説明されています。
最初のあたりは、政令指定都市制度が出来るまで、でした。
その後県と市の権限の所在とか、プロジェクトの立て方とか、具体的な政策の数々、
矛盾など。
大阪都構想の話もちらっと出てきました。
一括行政を行おう、って話、実はこれまでも何度か案が挙がってて、
今回が初めてってわけでもないみたいですね。
そらそうか。
大阪は他の政令指定都市のある府県と違って、大阪府における大阪市の割合が大きいから
府と市のどちらにもそれなりの権限があるとお互いにやりにくくて仕方ないだろうなあ。
国もそうだけど、今は財源がさほどあるわけじゃないから、どこにどう使うかを明確にして
計画的に自治体運営すべきなんだよな。
なんか、ここでも自民党一党独裁の悪影響を蒙っててイライラしました。
極端な東京一極集中っぷりも垣間見えてモヤモヤもします。
いや、かりにも国の首都なので、ある程度は立派な方がいいなとは、国民としては思いますが、
それで地方が疲弊するのは勘弁してほしいのですよ地方住民としては。
うむむ、いろいろ考えさせられた。
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by mi-narai | 2015-04-13 22:29 | 2015年上半期の読書

ミステリー、『外国語をはじめる前に』 『開国の使者 ペリー遠征記』 『日本の統治構造』

本を隠すなら本の中に (創元推理文庫)

ローナ・バレット / 東京創元社

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ローナ・バレット著『本を隠すなら本の中へ』
本屋コージーミステリー第3弾。
今度は部屋に泊りに来てた旧友を「ちょっと、いつまでいる気よ、いい加減帰ってくれない?」
って追い出したその日にその旧友が死体で発見されて、またもや犯罪に巻き込まれるという筋。
前回仲が深まってた事件記者と今回はぎくしゃくし、相手が原因で一度は別れます。
それと同時進行で、今回天敵保安官の代わりに事件の捜査についたイケメン副保安官と
お互いに意識し始めました。
この辺りは少女マンガのノリに近い。
(いかにもコージーミステリーですよ。大体イケメンとくっつく主人公)
後、フリーガンについての叙述が興味深かった。
動物保護の時も思ったけど、アメリカ人、極端だよな…。



田中啓文著『ウィンディガール』
日本人の娯楽本はあっという間に読み終えますね。この本もしかり。
主人公は高1で吹奏楽部でサックスを吹いてる女の子。
でも、吹奏楽部の描写があまりにも中学生っぽいよな~と思ってたら、
案の定あとがきで著者の中学生の娘の部活動の話を参考にした、と書いてありました。
せやんなあ。高校生にもなったらもっと大人やんなあ。
おまけに、あまりにもジャズ>>吹奏楽的に書いてあるので若干腹が立ちます。
大編成の欠点ばかり書いてあるけど、大人数ゆえの喜びや感動だってあるんだぞー!
まあ、作者はこれまで数多く書かれた青春小説としての吹奏楽ものではなく
音楽を通して主人公が成長する話を書きたかったようなのでいいんだけどさ。
でも2巻は買わない。


呪いの時代 (新潮文庫)

内田 樹 / 新潮社

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内田樹著『呪いの時代』読了。
古本屋で100円の本がさらに半額になるというので50円で買いたたいた本。
これもさっくさく読み終えました。
なんか、毎回そうやねんよな~て思う個所と、いや、それはどうかと思うぞ内田さん、と思う個所
半々くらいなのですが、今回は若干それはどうやねんと思うことの方が多かったかな。
草食男子については厳しいと思ったけど、近年の若年層全体に対する目線は優しいな、この人。


ポアロとグリーンショアの阿房宮 名探偵ポアロ

アガサ クリスティー / 早川書房

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アガサ・クリスティー著『グリーンショアの阿房宮』
これまで未出版だった中編の初翻訳という触れ込みだったので買ってみました。
もともと、教会のチャリティーの為にポアロものの舞台設定とトリックを考えてたところ、
話の長さが中途半端すぎてお蔵入りになった一作。
でもこのタイトルで書くって雑誌に予告入れちゃってたもんだから
タイトルだけ同じのミス・マープル物のまったく違う筋の短編を書きなおしたらしい。
ちなみにトリックと話の筋は、ポアロ物の『死者のあやまち』という長編に描きなおされたらしいです。
こっちは舞台は違えど話の筋はくりそつだそうで。

そんな紆余曲折を経た今作。
最後まで犯人はわからんかったけど、
トリックがトリッキー過ぎる気がしました。それに手がかりが薄すぎる気がする。
なんか、途中で4回くらい寝落ちしてしまいましたよ。
後、ポアロが敬語じゃなくてそこが不満!


外国語をはじめる前に (ちくまプリマー新書)

黒田 龍之助 / 筑摩書房

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黒田龍之介『外国語をはじめる前に』読了。
また買ってしまいました…この方の語学エッセイ。
そしてまたおおむね楽しく読み終えてしまった……。
タイトルの通り、外国語を始める前にしておいた方がいい心構えの本。
著者は外国語習得には忍耐も努力も時間も必要だとご自身の経験から実感していらっしゃるので、
昨今の“すぐ身につく英語”、みたいなキャッチフレーズに違和感を覚えているわけですよ。
なので、生半可な気持ちで初めても続かんよ、という警告も込めて書いてるはずなのに
読み終えるとやっぱり語学がしたくて仕方なくなっちゃう罠。
知らない言語を学ぶのって楽しいよね~
(楽しいのはかじりかけの頃だけなんだけどね。じわじわ難しく、辛くなってきます)
各章、「基本」「発音」「単語」「文法」「意味」「系統」「歴史」「方言」など、語学をやってると
まあ、毎日のように目にする項目に分けられてて、
大変読みやすく、外国語学習の実際の風景が想像しやすいつくりになっています。
各章末に、著者が講師として働いてた頃に講義で出した質問と、
それに対する学生の回答が書いてあるんですが、これが面白いんですよ!
外国語学習中の悩みとか、自分の学んでる言語の難しい所とか、
感じたことが生き生きと書いてあって、時々声に出して笑ってしまいました。
ただ、「方言」の項目では著者の物言いにはところどころカチンと来ましたが。
(ちっ、共通語話者め)
それ以外は面白かった。


その女アレックス (文春文庫)

ピエール・ルメートル / 文藝春秋

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ピエール・ルメートル著『その女、アレックス』
話題の本です。買っちゃった。
読んだ感想としては

なんか、いろいろ、すごかった…

最初から謎とサスペンスの連続でぐいぐい引き込まれ、また叙述も詳細だけどくど過ぎない
ちょうど良い塩梅で(当社比)、最後までだれずに読み切れました。
最初は、アレックスという女性が誘拐されて大変な目に合ってるところからスタートで、
その誘拐の目撃情報をもとに、カミーユという警部を中心としたチームが捜査を開始するんですが、
これが誘拐事件のまま全然終わらん。
ちゅうか予想外のところに着地するんですよ。
あんまり言っちゃうとこれから読む人の邪魔だから事件についてはこれ以上はやめときます。

ところでこの探偵役のカミーユさん、推理小説史上最も背の低いキャラクターなんじゃないかと。
145センチくらいしかないの。なのに、性格は、2時間推理サスペンスで出てくるような
たたき上げのベテラン刑事なのよ。ギャップが面白い。
この小さい警部さんと、彼の部下
①ハンサムでセレブで洗練されてて優しいルイ
②めちゃめちゃケチで癖のあるアルマン
の掛け合いがまたいい感じです。
なにより白眉がタイトルロールのアレックス。
読むうちにこれほど印象の変わった女性も初めてです。
最後の最後、カミーユのセリフにはにやっとしました!
面白かった。

でも、手放しに称賛ばかりしづらい、矛盾点なんかもあります。
定期的に繰り返される残虐描写もダメな人にはだめだろうなあ…。
(わたしも「ひー」と思いながら読みましたもの)
最近の推理小説の流行りなんですかねぇ。ショッキングな場面を挿入してそれのショックで読者をひっぱるの。
オチもありきたりだし。(すまん、「またソレか!」とは正直思った。あと「なんでやねん!」)
でもまあ、フランス人作家だから、こんなもんかな、とも思いました。
けっこうえぐい&感情的に振れ幅の大きい&こってこて、の作品が多いよな、という印象があるので。
理性に感情が克つ感じが、イギリスとかドイツとかのアングロ・サクソン系の小説にはない印象で
面白いなと思うんですけど、理性的かつトリック重視のミステリーが好きな人がいきなり読むと
拒絶反応起こすかもしれないなあ…


大阪商人 (講談社学術文庫)

宮本 又次 / 講談社

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宮本 又次著『大阪商人』
もともと経済畑の著者らしいんですが、経済は人間が動かしているものであるから
人間に焦点を据えて経済史を書きたくなったそうで。
なので、著名な商人個人を描きつつ当時の経済活動を説明する流れになっております。
大阪の地理には疎いので、地名が出てもさっぱりわからないのですが、
商人好きゆえ、商人の話は楽しいな~!
まずは江戸時代の貿易商人について説明してあります。
江戸に幕府が移ってしばらくした頃、なんか2年ほど生糸が売れなくて困ってた外国人に頼まれて
幕府が大商人数人に打診して買い取らせたんだけど、
なんとそれが外国貿易の独占契約の始まりだったらしい。
最初は長崎、堺、京都の商人が外国商品を専売してたんだけど、そのうち大阪と江戸が加わり
この5か所の選ばれた商人たちにのみ外国品の取り扱いが許されてたんだって。
で、鎖国中なんで外国との貿易って長崎が中心に行われたのかと思ってたら、
輸出品も輸入品も一度大阪に集積されてたそうですよ。(堺港が土砂で寄港が困難になってからは特に)

大阪が中心だったのか…!!(天下の台所ー!)

なんかそれがすごいびっくりした。
後、外国人と直接取引する大店に(現地駐在員に地元の取締役とか役がちゃんとついてる)、
仲買商、小売商と綺麗に役割分担が出来てて見事なもんだなあとも思いました。

まだ途中なんですが、ちょっと休憩して他の本を読み始める。


開国の使者 ペリー遠征記 (角川文庫)

佐藤 賢一 / KADOKAWA/角川書店

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佐藤賢一著『開国の使者 ペリー遠征記』読了。
作者買いしてみた一冊。上記の『大阪商人』からの江戸繋がりで、同時に読み始めてみました。
徹頭徹尾ペリーさんの目から見た、日本遠征記。
ペリーさんは、海軍の軍人さんなので、海軍好きのわたしはウハウハです。
超楽しい!いや、流石に海戦シーンはありませんが。
何度もペリーさんのフルネームが出てくるから、彼の名前は
マシュー・カルブレイス・ペリー
って覚えちゃいましたよ。夭折したお兄さんはオリバー・ハザード・ペリー。
途中で、アメリカが中国の利権を手に入れようと思ったら日本の位置が重要になって来る、
(それまではイギリスやオランダと同じく、まずは大西洋を渡って、アフリカ西岸を南下、
喜望峰を回ってインド洋へ、マレー半島をぐるっと北上してマカオ、香港、上海へ、と
こういう航路を取ってたらしいんだけど、日本に寄港地が出来たら
インド洋航路じゃなくて、太平洋を渡って直接中国に行ける)
という著述があったのですが、
それにものすごい納得しました!
そりゃそうやで。なんでアメリカから中国に行くのにわざわざぐるっとアフリカ方面から回らなあかんねん。
後、日本人作者なのに(だからか?)、ものすごいアメリカ人目線なのが面白い。
毎回アメリカ人である主人公がヨーロッパ人(特にイギリス)に馬鹿にされて
イライラする感じがよくわかります。
日本人に対しては、割と好意的なのですが、日本人に好意的な外国人を日本人が書くという
遠まわしな自画自賛になっとります、わはは!
最後、ペリーさんが任務完了後、自分で日本遠征記を執筆しよう!と心決めたところで話は終わるのですが、
調べてみたらホントにこの人、遠征記著してるのね。
ちょっと読んでみたくなりました!


日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ (中公新書)

飯尾 潤 / 中央公論新社

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『日本の統治構造』読了。
定期的に、商人本及び政治関連の話は買いたい気分になって買うものの
なかなか読む気にならず積んで置かれているのですが、
今回某●HKの白熱教室で今話題のぴけてぃさんの回見たし、
(こっちはこっちでものすごい面白かった!やっぱり講義方式で話してるの聞くのは分かりやすいしね!)

「今ならイケんじゃね?」

などという根拠のない自信に押されてひも解いてみました。
読み終えた。

面白かった…!!!!

いや、わたし、理数もそうだけど、政治・経済・法律に関する知識もザルなんですよ。
ほっとんど知らないの。
そんな一般人以下の知識しか持たぬ私が読んでもちゃんと理解でき、
なおかつ「なるほどー!」と膝を打つ感じの分かり易さ!
大変に親切な作りでございます。
内容は、もう本当にタイトル通り、いったい現在(この本の出版が2007年なのでその当時の現在ですが)
日本がどのような形態で統治されてて、どんなシステムで国家が運営されているかを
説明・検証し、問題点を洗い出したもの。
色々目から鱗でした!
アホ故に上手に説明出来ないので目から鱗ポイントを箇条書きで行きますよ!

・大統領制の方が分権的だった!
 いや、わたし、首相(総理大臣)より大統領の方が権限が大きいと思ってたけど
 本来は、大統領は立法府と行政府両方の長を兼ねる首相のように
 権力が集中しないよう分権を重ねた役職らしい!
 アメリカはイギリスから独立した経緯があるし、やはり権力が一人に集中する事に抵抗があったのだな。
 日本はなぜかあまり首相が権限を持ってるように見えないんだけど、
 イギリスはその力の集中がうまく働いてる例で、立法府と行政府が半一体化していることが
 スムーズな国家運営に生かされているらしい。
 フランスは議会が割れすぎて国家運営がままならんところを
 半大統領制にしたことでまとまりができてうまく行った例らしい。
 この辺りは国によってカラーが大分違う…

・官僚内閣制。
 日本の首相があんまり権力なさげに見えるのは、議院内閣制じゃなくて官僚内閣制になっとるせいじゃないか。
 というのが著者の指摘。最近は徐々に変わりつつあるらしいけど、著者の指摘がいちいちもっともで
 なるほどなあ、と思いました。
 もちろん官僚の権限が大きい(日本の場合は立法計画の立案までやっちゃうとかそういうあたり)ことには
 利点もあるらしいけども。

・族議員がなにかようやく分かったー!
 うむ。癒着はいかんよ。

・あと、小選挙区制と大選挙区制、比例代表制の違い、効果の違いもようやく分かったー!
 小選挙区制だと小さな政党に入れた票が生きなくていまいち有権者の意向が反映されにくい面はあるけど
 与党の次に強い党の勢力を伸ばす効果はあるわけなのだな。2大政党制を目指す向きには最適。
 比例代表制は逆に有権者の意見はきっちり吸い上げられるけど、第一党が議会で過半数を占めるのは
 まあ無理なので、連立内閣になりがち。

・各国の制度も載ってて、これも面白かったです。やっぱ国が違えば大分違ってくるんですね。
 規模が小さいとはいえ、「金の無駄やし」と1院制+比例代表制を選択したスウェーデン(ノルウェーだっけ)は
 ある意味清々しいな…!

・官僚の出世コースについての説明もあったけど、過酷だなあ。
 国家公務員も大変ですね…。

・一党優位の功罪について。
 確かに、ずーっと同じ党が優位に立つと、有権者の希望が通りにくいよな、と思いました。
 もう高度成長期も終わったし、国の予算も限りがあるから、無制限に政策立てられんし、
 要るもの要らないもの取捨選択して、その選択は国民の大意を勿論見つつ、
 なるべく大多数が(金持ちや国会議員だけじゃなくな)納得できる政策を
 きちんと実行するとこまでやらんといかんのに、一党優位で縦割り行政だとなかなか
 迅速に行かなくって、それってどうなのよ、という指摘も分かる。

・選挙公約ちゅうか、マニフェストちゅうか、やっとそれの存在意義も分かりましたよ!
 どうせそんなん立てても、選挙の前に口で言うだけやろ何のために毎回出来もせん約束してんねんと
 これまで話半分に聞いてましたが、
 本来は、有権者は議員個人じゃなくて、政党のそういった選挙公約を見て、
 それを元に選挙先を選んで、もしその党が政権を取ったらちゃんと公約が果たされるか見て、
 果たされなかったら次に選挙で落とすものなのだな。と分かりました。
 そんなシンプルなことだったんだなあ…。
 なんで口先公約がまかり通ってるんだろう。次回有権者が落とさないからかな。
 やっぱりちゃんと選挙に行かないとだめですよね。
 いや、投票に行くの、個人的には面白いと思うんですけどね~。
 
・しかし、この本読んでつくづく思ったんですが、こう言った国の仕組みとか、選挙の意義とか、
 義務教育でもっとしっかりやっとくべきなんじゃないだろうか…
 実はみんなちゃんと知ってんのか?
 わたしが無知過ぎただけっスか?
 いやしかし、学校の政経の授業の時に通りいっぺん説明されただけじゃ
 いまいち実感湧きにくいというか、もうちょっと踏み込んで教えておいて欲しかったという願望も含め…
 
で、読み終わって、今投票率低いけど、残りが全員投票したらすごい力になるんじゃないかな、
たとえば、女性候補に入れて、女性議員が3分の1ほどに増えたら、
国会でアホなヤジ飛ばすおじさまとか、もっと居づらくなるんちゃうかな、
とか、おバカな妄想を繰り広げました。
いや~、ほんとにすごい面白かった!この本おススメです!


浪花の太公望 (集英社文庫)

田中 啓文 / 集英社

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『浪花の太公望 鍋奉行犯科帳』
大阪西町奉行所シリーズ第3段。
なんか、がっちがちの東町との対比で西町奉行所がゆるーい感じで好きです。
毎回食にからめて事件が起こるので、お腹が空きます…。
今回はやたら鱧料理が食べたくなりました。
主人公をめぐる二人の娘さんも微笑ましくて良かったです。
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by mi-narai | 2015-03-22 23:37 | 2015年上半期の読書

『菊とポケモン』 『QED』 『日本賛辞の至言33撰』 『物語アメリカの歴史』

ロシア語の余白

黒田 龍之助 / 現代書館

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黒田龍之介著『ロシア語の余白』さらっと読了。
読み終わったのが以前過ぎてほとんど覚えてません…。
エッセイ集だからなあ…
でも、一般ロシア人をほんのり好きになりました。



『ノスタルジアの考古学』
読みかけて、返却期限が来て泣く泣く返却。
リベンジを誓う。


菊とポケモン―グローバル化する日本の文化力

アン アリスン / 新潮社

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アン・アリスン著『菊とポケモン』
ルース・ベネディクトの名著『菊と刀』をモジって日本語タイトルがつけられていますが、
原題は「ミレニアルモンスターズ」。
愉快なタイトルに騙される事なかれ、文化人類学者が送る、アメリカにおける日本サブカルチャーの
需要と日米関係、日本のサブカルチャーの変容などを真面目に語った一冊です。
アメリカで日本のポップカルチャーがどう受け入れられて行ったか、の前に、
日本におけるサブカルチャーの隆盛について、
歴史的背景を踏まえつつ説明してあるのですが、
その段で日本の社会問題についても踏み込んで書いてあって、なかなか耳が痛かったっス。
とはいえ、面白かった。
ちびっこたちがゲームばかりするのは如何なものかと思いますが、
善悪二元論に縛られない日本の価値観などがアメリカ人の目を通すと新鮮に感じられるのだなあと、
これまたこっちこそ新鮮でした。


高田崇著『QED』シリーズ。次々貸してもらったので、次々読んでます。

QED ベイカー街の問題 (講談社文庫)

高田 崇史 / 講談社

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『ベイカー街の問題』

QED 東照宮の怨 (講談社文庫)

高田 崇史 / 講談社

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『東照宮の怨』

QED 式の密室 (講談社文庫)

高田 崇史 / 講談社

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『式の密室』

QED 竹取伝説 (講談社文庫)

高田 崇史 / 講談社

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『竹取伝説』と読み進んで、現在

QED〈龍馬暗殺〉 (講談社文庫)

高田 崇史 / 講談社

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『龍馬暗殺』を読み中。(数日後、読了)
トリックには「えー、そりゃ卑怯やろ」「ありえへんて」「こじつけ」と
ばっさり切りたくなるのもありますし、
民間伝承を説明するくだりにしても、日本民俗には詳しくないわたしでも
「…多分、大分偏った説ばかり採用してんだろうなあ、この話」とぼんやり
思ってしまうところも多々あるのですが、
まあ、概ね楽しく読んでます。
おどろおどろしい感じの推理もの、結構好きなので!
本格安楽椅子探偵推理小説だしね。

しかし、主人公、ギムレット飲み過ぎですヨ。


世界の偉人たちが贈る日本賛辞の至言33撰

波田野 毅 / ごま書房

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波田野毅著『日本賛辞の至言33撰』読了。
タイトルを見て

「アタシは褒め言葉に飢えてんのサ!存分に褒めておくれよ!さあ!さあ!さあ!」

と、褒められる気満々で借りました。
世界の偉人の褒め言葉ばっかり集めた本なので、当たり前ですが、コレでもかというくらい
日本が持ち上げてあります。
気持ちよかったが、若干むずがゆかった。
しかしなんですね、褒められるのは気持ちいいけど、コレを読んで単純に
誇りばっかり持つのも考えものだなと。
そら、どこの国かて探せばいいとこなんていくらでもありますし。
日本がぬきんでて優れてる、なんてわけはないでしょうし。
どの観点に立って見るかにも寄るしな。
とりあえず、とことん落ち込んだり自信がなくなったりしたときにオススメしたい本。
ほんのり日本人が好きになります(そして、トルコも好きになります)。

とりあえず、過去の日本人に向けての褒め言葉なんで
現代日本人のワタクシとしては、ご先祖さまの顔に泥を塗らないように背筋をただして生きねばならんなと。

でも、そんなにかっちり生きるの、けっこうしんどいんやでー……。


物語アメリカの歴史―超大国の行方 (中公新書)

猿谷 要 / 中央公論社

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猿谷要著『物語アメリカの歴史』半分読了。
西部開拓時代についてざっくり知りたかっただけなので、
初めから読み始めてそこが読み終わったからやめた、という理由で、「半分読了」です。
けどまあ、こないだアンデス文明についての偏りが気になってたので『アンデスの考古学』を読んだと告白しましたが、
同じように、自分のアメリカの近現代史の知識が大まか過ぎる事にも若干引け目を感じていたもので…。
大体分かってすっきり(明日には忘れてる自信がありますが!)。

でもってワイルド・ウェストが知りたかったくせに、読んで一番心に残った事が
インディアンだったというのも、自分の興味の分散具合に大笑いです。
いや、中米、南米と違って北米には統一した文明はなかったのだとばかり思っていましたが
最近の発掘調査とかの進展で、12世紀くらいまでには、北米にも大きなマウンド(祭祀用の丘)を作ってた
首長国家、ミシシッピ文明なるものがあったのですってね!へー…。
(その後、いろいろあって人々は拡散し、記憶も失って、アメリカに西欧人の入植が進む頃には
子孫たちはすっかりその文明の事を忘れ去っていたらしい)

しかしまあ、入植した白人たちがいろいろやったアレコレを読むとなあ…
もともとインディアンと聞くと、その歴史を薄ぼんやり連想しちゃっていつも胸が痛むんですが
改めて字面にされると痛みも倍増ですヨ。
まさか、エトルリアとカルタゴでローマに感じ、中南米でスペインに感じた憤りを
再び感じる事になろうとは…!!

いや、いつの時代もそういうもんなのかもしれないけど!
敗者は虐げられるのかもしれないけど!!
(でも、情報伝達が飛躍的に早くなった現代においてはちょっとはマシになってると信じたい)
それにつけても、あの時代、日本が独立を守れて本当にヨカッター!としみじみ思いましたですヨ。

『ヘタリア』2巻英語版
ちょっとまえにアメリカに半分仕事で行ってた妹が土産にくれたもの。
巻末にファンたちの描いたイラストが載ってて、各国の方々、だいたい自国のイラストを
描いておられるのですが
ただ一人、インドネシア人はルッツを描いていた…!!
(分かるよ!あのムキムキは無敵だよね!)


多読
「Spiderwick Chronicles」1(Lv.3)
「Spiderwick Chronicles」2(Lv.3)
3人兄弟が古い家に越してきたところから物語はスタート、
主人公のジャレドが、ヒミツの部屋で、妖精事典を見つけ、ソレを皮切りに
妖精の存在に気付き彼らの騒動に巻き込まれていく、という話。
面白いのですが、さすがに向こうの子供向けに書かれた本だけあって、

単語がサッパリ分からん!!

挿絵と分かる文章をつなぎ合わせて半分捏造しつつなんとか2巻まで読みましたが、
もうちょっと賢くなるまで続きはやめておきます…
(これ以上捏造が激しくなると原作と乖離しすぎるからな…)


「The Eagle of Ninth」(Lv.4)
スパイダーウィックがさっぱり分からなかったので、
今度は原作を知ってて、しかもわたしがきちんと最後まで無理なく読めるように
好きな話を選びました。
ということで、満を持して第9軍団のワシ。
面白かった。
しかし、原作を読んだ事があると分かるけど、ものすごい端折り具合だな…。
それと、ホントに「Good hunt」(良い狩りを)って言ってるよ~。


「The Three Masketteers」(Lv.2)
あんまり無理をせずに、ちょっとレベルを落としてみた。三銃士。
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by mi-narai | 2011-05-09 22:16 | 2011年4月の読書