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『異界が口を開けるとき』 『銀河の道虹の架け橋』

『よく分かる文化人類学』読了。
いろいろためになりましたが、8割方もう脳みそから抜けた気がする…(嗚呼)。
ものすごい読み応えのある本でした。
なかなか読み終わらんかった…


異界が口を開けるとき―来訪神のコスモロジー (関西大学東西学術研究所研究叢刊)

浜本 隆志 / 関西大学出版部

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浜本隆志編著『異界が口を開けるとき』読了。
関大だか関学の本。(今確認したら関大の方だった)。
図書館の新刊書のコーナーにあったので。いや~、幅色いっスね、この図書館!
各地の来訪神についての論文が集めてある本です。
来訪神といえば、正月、クリスマス、ハロウィーン。
そのあたりはまあ載ってるだろうと予想してましたが、
意外と予想以外の部分が楽しかった。
ハーメルンの笛吹き男伝説の、核となる史実に付加された伝説成分の詳細な解明とか、
フィリピンの日常とすれすれの異界とか
(人間の魂って、鶏と豚と人間の魂3つで一組になってて、
鶏と豚の部分がどこかへ行って帰ってこないと病気になって、
魂の人間部分が行方不明になると死んじゃうんだって!ちょっと面白い)
ワクワクしながら読みました。
クック船長は豊穣儀礼に巻き込まれて死ぬべくして死んだのでは、という推測も面白かったー!
とりあえず、まだ本を借りてるので、急いで次を読もうと思います。
次ィ!


銀河の道 虹の架け橋

大林 太良 / 小学館

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大林太良著『銀河の道虹の架け橋』読み始めました。
ぶっとい本。
こないだ読んだ北方民族の本が意外と面白かったのでそのつながりで図書館で探して借りてみました。
世界中の虹と銀河に関する神話を出来うる限り網羅し、地域ごとに特色をまとめてある本です。
ああ、大林先生が既にお亡くなりになったのが悔やまれる…
(どうも太陽と月などに付いても同じような本を著されるおつもりだったらしいので。
あれ?もう出てるんだっけ)

虹と銀河を一まとめにしたのは、どうも地域によっては、昼に虹として現れるものが
夜になると銀河になると考えられていて、表裏一体の関係にあるので、
これはまとめといた方が分かりやすかろう、という心だそうです。
先に虹の伝承、続いて銀河の伝承がまとめてあるんだけども、
まだ虹編の、南アメリカ部分までしか読み進んでませんが、
とりあえず、そこまで読みながら思った事メモ。

・虹ですが、どうも「オズの魔法使い」とか、メルヘンチックな「架け橋」のイメージが
強かったのですが、東洋では龍、西洋では弓にたとえられる事が多いらしい。
(確かに、日本では、月を弓にたとえる事はあっても虹にはその例えを用いない)

いや、ここまで読んでも「ふーん、あ、そう」としか思わなかったんだけど


虹⇒英語でrainbow⇒雨の弓


この説明には目から鱗が落ちました。
そうか!レイン+ボウか!

漢字の「虹」の字も言われてみれば虫偏だしな。(長虫=蛇の意味が含まれてるんだろう。
つまり、やっぱり龍なんだなあ…)

・銀河といえば、東洋では七夕伝説と一緒くたに語られる事が多いらしいのですが
中国では、女が簪で天を引き裂いて、その裂け目が銀河になる話が多いんだけど、
日本では、男が女を追う時に、瓜を割って、その瓜から水が溢れて銀河になる話が多いのだそうな。
うん、瓜の話、読んだ記憶がある。確かに。

・後、天上の銀河と、実際の川が繋がってるという感覚が面白いなと。これは中国の話。

・東南アジア辺りにも、裂けちゃった天を修復する話が出てくるんですが、
天を縫い縫いするの、なんかカワイイナ…などと思ってしまいました。

・東アジアが銀河を河(つまり、河が流れてるってことは銀河以外の部分は平原)としたのに対して
ポリネシアなんかでは、夜空は海なんだって!
それで、銀河を大きな魚に見立てる神話がちらほら見えるらしい。
確かに、小さい島で周り全部が海ばっかりだったら、銀河だって海の続きですよね~。
なんか想像してほのぼのしてしまいました。

・これが北方のアルタイやウラルあたりになると、
銀河は熊が獲物を狩った時のスキーの後だと言われてたりするから、これまたカワイイ。

・ウラル系の伝承で、足が6本の鹿なんかが出てきて、足が多い分走る速度が速いと思われてた
らしいので、北欧のスレイプニルあたりはこの辺の伝承から引いてきてんのかなあなどとも思ったり。

・テュルク系になると、鳥の道とか、霊のとおる道になるんだって。





多読

『Tales from Arabian Nights』(レベル2)
前に読んだのと趣が変えてあって、これはシャハリヤール王が奥さんに浮気された事がきっかけで
女性不審になったそもそもの初めから語り始めてあります。
抜粋的に挿入される小話も、笑い話的な短いものからロマンチックなものまであって
色々楽しかった。
後、「開けゴマ」が「Open,SESAME」になってたのには大笑いしました。(直訳やんかー!!)


『Persuasion』(レベル2)
ジェイン・オースティン原作の小説をものすごい縮めたもの。

…うん、ああいうしっとりした恋愛物は縮めると趣が台無し、ということがよく分かった。
まあ、あっさり言っちゃえば、すれ違ってた二人が最後まとまってハッピーエンド、ってだけの
話だもんなあ…
途中の心の機微が肝だというのを本当に実感しました。
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by mi-narai | 2010-09-06 17:28 | 2010年8月の読書

阿弥陀堂だより』 『海賊と刺繍女』

司馬遼太郎の『燃えよ剣』下巻読了。
あんまり昔に読み終わりすぎて朧ですが、最後の海戦のあたりはちょっと面白かった。
白兵戦ですよ~。
でも、最後までわりと土方さんがどうでも良かったなあ…。
他の媒体の土方さんはともかく、司馬遼土方はあまり好みじゃなかったっス!以上。


阿弥陀堂だより (文春文庫)

南木 佳士 / 文藝春秋

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南木 佳士著『阿弥陀堂だより』読了。
貸された本なので頑張って読みました。
主人公夫婦は割とどうでも良かったんですが、阿弥陀堂のばあさんとか、
村のラブホで働くおばさんとかがものすごい素敵でした!
いやあ、方言が可愛かったわあ…


海賊と刺繍女 (集英社文庫)

ジェイン・ジョンソン / 集英社

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ジェイン・ジョンソン著『海賊と刺繍女』読了。
新刊案内で見て「なんじゃこのタイトル…!」と思って買ってみた一冊。
タイトルから、てっきりロマンス小説かと思っていたら集英社から出ていてビックリです。
思い切ったな、集英社…。
現代のイギリス人女性が、不倫相手に分かれる手数料代わりに中世の刺繍関連古書を手渡されるところから
話はスタート、その古書の行間に、小さい字で日記を書き入れた中世のこの本の持ち主、
刺繍の上手な女性キャサリンと、
現代のその古書を手にした女性ジェインの話が交互に語られて、最後に一つにまとまるという趣向。

キャサリンは、日曜に教会で礼拝中モロッコの海賊に拉致られ、売り飛ばされるという衝撃の告白を
本の行間に記録していくんですが、
なんとこれ、史実らしいですね!
大航海時代、意外と西欧人がイスラムの海賊に攫われては奴隷として売られていたらしい。
ちょうど『大航海時代4』をプレイ中なので(あれはどんぴしゃり16世紀の話)
「あー、たしかにアフリカ北岸は海賊の巣窟やもんなあ」などと妙に納得してしまいました。
コーエー様様です。文部科学省はこのゲームを教育に使えばいい。
(海岸線と、海に面した町の名前にものすごく詳しくなりますヨ!)

とりあえず、お話は思ったとおりロマンス小説寄り(具体的なエロシーンはありませんが)で、
綺麗にハッピーエンドで終わってました。

作中で、エリザベス1世の時代に無敵艦隊を破られたスペインですが、
それでしおしおなったわけでもなく、その後も報復としてイギリスの南の海岸を襲ったりしていたとあって、
スペインもやられっ放しじゃなかったんだなあとにんまりしてしまいました。
最近自分の中でスペイン株があがりつつあります。WC効果?


プレステップ宗教学 (PRE-STEP 8)

石井 研士 / 弘文堂

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『プレステップ宗教学』読了。
宗教学について分かりやすくまとめられたテキスト。
通過儀礼とか、神話の位置付けについて書かれてたので、一度ちゃんと俯瞰しておくのも悪くないかと
思って借りてみました。
いや、司馬遼太郎先生も、何事も簡単なところからはじめなさいと仰っておられるので…。
しかし、あまりにあっさりまとめられすぎてて大体知ってることばかりでした。
物足りなかった…
その分野を掘り下げたいならこれがいいですヨ、と本を紹介してくれてるのは親切だと思いましたが。


よくわかる文化人類学 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)

ミネルヴァ書房

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『よく分かる文化人類学』途中。
同じような理由で借りてみた一冊。
こっちの方はもうちょっと掘り下げて書いてあるのでなかなか読み応えがあります。
ずっと、民俗学と民族学と文化人類学はどう違うのだろうと思ってたので、
違いが分かってすっきり!
多分、読み終わったら内容を忘れそうな気がするけど、とりあえず全部読もうと思います。


マンガ
『鞄図書館』
『阿弥陀堂』を貸してくれた友達が貸してくれたもの。
鞄君がちょうかわいい。
泣かせたくなる感じでした。
でもわたしならあんな危険な図書館からは本を借りたくない…



多読

『The Secret Garden』(レベル2)
どこをどう切っても「秘密の花園」
しかしつくづくこの話の主人公の設定が凄いな。


『Dragonheart』(レベル2)
映画のノベライズ。を大部端折ったもの。
大昔に映画を見たので、懐かしいなあと思いながら読みました。
相変わらずツッコミどころ満載でしたが。


『Around the World in Eighty Days』(レベル2)
これまではオクスフォードの多読本だったのですが、ここからペンギンブックス。
この話、昔から大好きで、映画も見たのですが、

わたくし、初めて作者がジュール・ベルヌだと知りました(遅ッ!)

オマケに、作者がフランス人だというのも今回初めて知った。
フランス人作者だと納得して読むと、主人公のイギリス人が
あくまでフェアプレイ精神で紳士然として慌てず動じず女性に口説き文句一つ言わない姿に
描かれてるのも納得。
(very English Englishmanの形容には大笑いしてしまいました)
対して、従者のパスパルトゥーはフランス人。
こっちは身軽で口も達者なら多芸多才、感情豊かでユカイな男に描かれてて、
いやもう、筋と関係ないところでニマニマしてしまいました。
多読本なので、横浜シーンがあっという間に終わってしまったのは残念でした。
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by mi-narai | 2010-08-15 00:29 | 2010年8月の読書

『北方の民族と文化』 『よもつひらさか』 『燃えよ剣』

北方の民族と文化

大林 太良 / 山川出版社

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大林太良著『北方の民族と文化』読了。
図書館の棚でたまたま見つけてしまい、
ワタリガラス関連の何かが載ってないかなと思って借りて読みました。
ワタリガラスの神話についてはそんなに載ってなかったけど、
北方民族の文化とか、なによりあの北の厳しい季候や風俗にどっぷり浸かれて
ものすごい楽しかったです!
人と動物をイコールで考える思考方法、大好きだ―!


よもつひらさか (集英社文庫)

今邑 彩 / 集英社

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今邑 彩 著『よもつひらさか』
貸された本第1段。
ホラーなんだけど、でもってワタクシ、怖がりで、ホラーなんぞ読んだ日には一人で
トイレにもいけなくなってしまうので極力読まないようにしているのですが、
この短編集はものっそい先がバレバレだったので、ある意味予定調和で
こちらとしては大変助かりました。
「やっぱな、そうくると思った」と思えると余裕が生まれて、怖さが半減!
特にハーフ・アンド・ハーフは分かりやすかった。


燃えよ剣〈上〉 (新潮文庫)

司馬 遼太郎 / 新潮社

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司馬遼太郎の『燃えよ剣』上巻読了。
貸された本第2段。
今、第3段の下巻の最後のあたり。
ちょうど龍馬伝がブームだし、楽しくドラマを見ている新撰組好きの知人に貸してもらいました。
個人的にはさほど新撰組は好きではないし、司馬遼も初めてでどうかなと思ったのですが、
まあ、借りた限りは読まねばなるまい。

話の筋は、色々事前にゲームを貸してもらったり、大河ドラマ見たりで大体わかります。
そっちの心配はないので、後は登場人物のキャラ立ちのみ。
最初は主人公の土方が鼻に付いて仕方なく、苛々しながら読んでたんですが
途中、奴に本気で好きな女性が出来たあたりからちょっと可愛げが出てきた。
(ソレでもあいつは事あるごとに関西を否定しよるのでやっぱり好かんが。)


主人公がイマイチなその分、さわやかな沖田君は一貫して好印象でした。
この沖田君ならあれだけ若いギャルズ(死語)に人気が有るのも分かります!
いい青年ですヨ!
でも一番ときめいたのは、最初のあたりでちょろっと出て来た桂さん。

ちょろっと出て来たといえば、大河のほうでちょろっと出て来た高杉先輩、
お素敵でした!!ときめきました。
長州独立か…。いい響きです…。



多読
『Sherlock Holmes short stories』(レベル2)
ものすごい要約された「まだらの紐」と「ボヘミヤの醜聞」と「四つのオレンジ」。
知ってる話だとスラスラ読めて楽しいなあ。


『Agatha Christie,woman of mystery』(レベル2)
アガサクリスティーの伝記的な何か。
途中失踪したのは知ってたけど詳細を知らなかったので読んでみました。
未だに失踪中のことについては謎なのね…
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by mi-narai | 2010-07-25 07:12 | 2010年7月の読書

『ギリシア案内記』コリントス部分のみ

ギリシア案内記〈下〉 (岩波文庫)

パウサニアス / 岩波書店

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パウサニアス『ギリシア案内記』コリントス部分のみ

ええ、シシュポスさんのためだけに読みました(断言)

大体知ってた事ばかりではあったのですが、
逆に


「えー!!このエピソードってパウサニアスかー!」


という驚きの連続でもありました。
メーデイアの子供を殺したのはコリント人たちであった、という本来の古伝が載ってるのもこの本ですヨ!

後、ローマ人の征服で元のコリント人が全て滅亡した…てマジか!
なんてことしやがる、ローマ人め…。エトルリア人の時にも感じたこの憤りのデジャヴっぷりよ…)

それにしても、武装のアプロディーテに1000人の神殿付き娼婦を抱えるコリントスは
すごいと思いました。
ああ、こうして憧れの地が増えていくのですね…。
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by mi-narai | 2010-03-17 00:45 | 2010年3月の読書

『天空の世界神話』 『「ニッポン社会」入門』 『ギリシア悲劇全集3』

天空の世界神話

八坂書房

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『天空の世界神話』篠田先生編。
ギリシア悲劇の2巻と一緒に借りてて、2巻に手間取ったせいで
2日ほどで読み通さなくてはならなくなり、結局最後のあたりは読めなかった残念な一冊。
リベンジを心に誓う。
とりあえず、読んで心に残った事をメモっておきます。

冒頭の、世界神話樹立への理念、的なものには大変興味を持ちました。
タイトルが『天空の世界神話』なので、てっきり世界の神話の中から
天空関連のものを集めてきたものかと思ってたんですが、
明けてみるとその予想を裏切る内容で。

ここ最近、人類学やら科学やらの進歩で、人類がアフリカからどのように世界中に
分布していったのかがおおまかに分かるようになったらしいのですが
その新たに分かった仮説を元に、人類がもともとなんらかの神話を持っていたとして
分岐する前の形はどのようなものだったのか考察しよう、というもの。
比較言語学でいうなら祖語の構築っスよ!!!
一体もともとどういう形で、どういう過程を経てこうなったのか、という
「間の流れ」がものっすごい気になる性分のワタクシ、非常に燃えました!!
(ちなみに妹にそのことを興奮気味に話すと
「わたし、途中のソノヘンは別に興味ないからそこまで燃えへん」
とバッサリ切られてしまいました。お姉ちゃん、寂しい…)

いやまあ、理念はそうでも、本の内容はそれぞれの著者の専門分野における
論文集なんですけども。

途中、興味の薄い分野の論文などは、正直時間も無かったし読み飛ばしたせいで
あまり覚えてません。
ぼんやり覚えているのは、

・北東アジアのあたりのオオワタリガラス、クイキニャークの神話。
ブログの方でもチラッと書いたので二度は書きませんが、
たいへんにときめいた事を告白します。
一家で天空に移り住む際に、息子が移動中振り返ったからそりから落ちてしまい、
落ちる息子のお供にしようとトナカイも切り離した話とか。好きです。
(助けはしないんだ…)

興味が出てググってみたら、オオワタリガラス、写真家の星野さんの本で有名なんですね。
火が人間に与えられた話で、自分で運ばずに他の鳥に運ばせて、挙句その鳥が
丸焦げになったエピソードとか(ひでえ)、しかも人間に恩恵を与えてやろうと意図は
まったくなく、たんにおもしろそうだったからそうした、という経緯とか、
非常にトリックスターっぽくて、見習いのハートを鷲掴みでした。


・ワークワーク
確かアラビアンナイト関連の論文だったと思うんですが、
ワークワークという理想郷が実は日本の事なのではないか?と書いてあったんです。
「ワークワーク」といえば藤リューのマンガでしか知らなかったのですが
①原典はアラビアンナイトだったのか
②しかも、そのモデルは日本かもしれないのか
の2点にびっくりしました。


「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)

コリン ジョイス / 日本放送出版協会

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『「ニッポン社会」入門』コリン・ジョイス著、読了。
固い本の合間の息抜きに。
14年日本に住んでいた英国人記者の目から見た日本。
とにかく欧米人には批判されがちなイメージしかなかったのですが、この本は概ね好意的でした。
曰く、日本人は親切で、がまん強く、礼儀正しい。
それで、最初は単純に喜んでたんですが
後から、「いや、これは何かの間違いに違いない。きっと心の底では馬鹿にしているのだ」
などと勘ぐってしまうのは日本人の、というよりワタクシ個人のいけないクセです。
とりあえず、何故に著者がこんなに好意的に書いているのかその理由を考えてみた。(暇だな)
一番大きな理由としては、これが日本で出版される本であり、当然否定的なことばかり
書いていては売れない、というものだろうけども、その他

・作中で日本人に親切にしてもらった話がたくさん出てくるが、
それは作者がイギリス人だから、日本人もそこそこ親切に接したんじゃなかろうか。
→中東やアジアの人なら?日本人は同じくらい親切なのだろうか??
このあたり色々事情が複雑でなんか考えているとモヤモヤします。
若干西洋に夢を見がちな自分も含め、反省させられた…
(西洋に限らず他の国々にも色々夢は見てますが)

・作中で日本人に親切にしてもらった話がたくさん出てくるが
その程度の事でそこまで感激する、という事は、裏返せば
イギリス人のマナーが日本人よりもっと悪いということ…なのでは…??
(イギリスの人、ごめんなさい!)
などと思ってしまいました。
→もっと親切で人懐こい国の人が日本に来たら、冷たくて不親切な人々と映るのかも。

いや、勿論作者は大部謙遜というか、ブラックユーモアで
自国を悪く書いてるとこもあるんでしょうが。
それでも、確かに自分の事に限っていえば、イギリス人にはだいぶ夢見てる自覚があるので
実像はもっと等身大なのかも、と思ったのですヨ。

ちなみに、イギリス人が欧米ではものすごい迷惑がられてる話も載ってました。
(方々観光に行った先で酔っ払っては迷惑をかけるから)
…某国擬人化サイトを思い出して笑ってしまいました。


ソポクレース I ギリシア悲劇全集(3)

ソポクレース / 岩波書店

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『ギリシア悲劇全集3』読了。
この巻からソポクレスに突入です。うわーい!嬉しいな!
この一冊には、テーバイ話がまとまって載ってます。
「オイディプス王」と「コロノスのオイディプス」と「アンティゴネー」の3本立て。
しかし、これまた昔に読み終わりすぎて記憶が若干朧っス…。
読書メモはほんと溜めるもんじゃないですね~…

とりあえず、あとがきかどこかで
「往時の三島由紀夫が呉先生の授業にこっそり紛れ込んで聴講してた」てな記述を見て

おのれみしま~~~~うらやまじい~

…と思った事は強烈に覚えてます。


『オイディプス王』
話の筋知ってても、やっぱり読んでてはらはらするしものすごい面白かった!!
いや寧ろこれは話の筋を知ってるからこそハラハラするのでは!!
読者(当時は聴衆)はオイディプスが全ての元凶だと知ってるからこそ
オイディプスの突き進む先には破滅しかないと予測できてドキドキするんすヨ!

オイディプスを突き動かしたのは知への情熱だとか、いろんな解説には
よくそんな風に書かれてますが
なんか、オイディプスを事件の解明へと突き動かした要因の内訳には不安も
あったんじゃないかと、今回読みながら思ってしまいました。
オイディプスは自分が犯人じゃないと確認したかったんスよ。
その裏にはひょっとしたら全ての元凶は自分かもしれないという予感が当然あって
だからこそ、きっぱり自分じゃないと納得して安心したかったのに
そうしようとする努力がことごとく裏目に出てどんどん自分の容疑が濃くなっていくという皮肉…。
(挙句、一足先に真相を察したイオカステは首をつってしまう)
解説好きのわたくし、色々解説読んでソポクレスの悲劇は、
状況は悲劇的で、不可避であり、人間の力ではどうしても避けきれないものなのだけど
最後にその状況下でどう行動するかは人間が選べる唯一のものだという
ところに作者の意図がある、というふうに勝手に解釈してたんですが、
今回もう一度本文の方読んで、悲劇的状況は避けられないものなんだけど、
その状況を作っているのは登場人物たちの性格的なものも多分にあって、
状況と一体化して悲劇を推し進める要因になっている。
しかし、その悲劇的状況を作ってしまう人物造詣もまた悲劇の輝きの要素というか
料理でいうところの旨み成分の一部というか、
ああ、うまく表現できません。
『イーリアス』はアキレウスの怒りが主題で、
アキレウスがあそこまで激烈でなけりゃ悲劇は起きなかったんだけど、
あの個性だからこそ『イーリアス』は面白くて美しい、
あの個性が無ければ成り立たない。
…というのと、似たような何かを感じました。
ソポクレスのオイディプスはアレでなきゃならんのだッ!


…ところで、アキレウスを引き合いにだしといてアレですが
オイディプスもだいぶ激烈ですよね~!
でもって、アンティゴネーはものすごい父親似(笑)。
多分ラーイオスから代々気短な家系だったんだな…(勝手に妄想)



「オイディプス王」で随分行をさいちゃったので、残りは簡潔に。

「コロノスのオイディプス」

アテナイ万歳!

…という感じの話の流れっスね。


「アンティゴネー」
最初は普通に話の筋を追いつつ読んでたんですが、
やっぱり、段々クレオンが気の毒になってきました……
今回読み直すまですっかり忘れてたけど、クレオンてば、最後に心を変えて、
アンティゴネーを閉じ込めた場所から出してやるよう命じるじゃない、
なのに、時既に遅し!
畳み掛けるように知らされる悲報の数々!!
…という展開がもう居たたまれない…
(悲劇としては正しいんですが)
しかしこれまたどちらが正しいとも判じづらい主張のぶつかり合いで、
その上でソポクレスはどう考えてたんだろうとか、
残ってる他の悲劇と比べてどうなんだろうとか、
考えてるとよくわかんなくなってしまいました。


真面目な本を読んでる裏でロマンス小説も何冊か読んだんですが、
そのうちの一冊で「ミネソタ・ナイス」について書いてあってふーんと思いました。
ミネソタ州って、北欧からの移民が多くて、北欧っぽい習俗が強い土地なんですってね。
で、親切で人当たりのいい州民性から「ミネソタ・ナイス」などと呼ばわれるらしい。


リチャード・ボンドの「リア王」見に行きました。誘われたので。
話の筋は「トロイ戦争は起こらないだろう」の方が好きですが
絶対演出とか演じ方とかはこっちの「リア王」の方が良かった!
ものっそい暗くて、メッセージ性の強さが鼻につく感じでしたが
その分見ごたえはもりもりあった劇でした(あまり2度見ようとは思わないけど)


今年の読書分は今年中にアップ出来て良かった…(おせちの合間をぬって更新してますぜ!)
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by mi-narai | 2009-12-31 17:53 | 2009年12月の読書

今日のビックリ

昨日だかおとついだか、新聞でレヴィ=ストロースの訃報を読んだんですが
亡くなられたという事実よりも、


この人、まだ生きてたんやーーー!!!


…というところでびっくりしました…。
なんとなく一昔前の偉大な人、というイメージだったからさ…。
100歳まで長生きされたとか。大往生ですね。
ご冥福をお祈りします。
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by mi-narai | 2009-11-07 10:55 | その他

『世界女神大全Ⅱ』 『全国アホ・バカ分布考』

図説世界女神大全II

アン・ベアリング/ジュールズ・キャシュフォード / 原書房

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アン・ベアリング、ジュールズ・キャシュフォード著『世界女神大全Ⅱ』読了。
図書館の返却期限が迫ってきたので鬼のように読む。
最後の辺りなど斜め読みもいいところですよー(視線斜め上)
とりあえず、恒例の、お、と思った箇所箇条書き。

「ギリシアの女神」アプロディーテ部分から
・アプロディーテはイナンナの系統かもしれませんが、戦の女神ではない。
や、以前イナンナが戦女神だからアプロディーテもそうなんでは、と指摘を受けて、
そうかもしらんが、そういやギリシア神話では全くそんな記述無いよなあ…???
と不思議に思ってたんです。
やはり、ギリシアに入ってその辺りがすっぽり抜け落ちたみたい。
まあ、アテナがいるしな…
(『イーリアス』でも、ゼウスに、「戦のことはアテナに任せて、お前は恋愛の粋な領域に
専念していなさい」とか言われてたし。
アレスが恋人なのは、以前の職能の名残なのかもしれないけど)

(↓この辺りはデメテルとペルセポネー部分)
・デメテルは、これまで、ゲー(大地)の地方系のデーと、母であるメーテルがくっついて、
デーメーテール(=大地の母)なんだと思ってましたが、今回、新説発見!
クレタの言葉で穀物はdyaiらしいんですが、デメテルのデーはコレだというもの。
つまり名前の意味は「穀物の母」。
まあ、大地全般じゃなくて農業に限定した女神だから、職能から考えたら
こっちの方が実情に近いよなあ。どっちでもイイよー

・ザグレウスはクレタの狩人で冥界の主人らしい。後に、ディオニュソスと混同される。
…てことは、元は別物?

・クレタでディオニュソスって、ゼウスのこと??(名前も「若い神」だし。ゼウスの誕生伝説あるの、クレタだし)

・ゼウスがペルセポネーと契って云々という説話があるのもクレタ?

うーん、クレタ、ますます不思議の島よ…。惚れそうです

・ていうか、デメテルはクレタからミュケーナイ時代に本土に伝わったミノア文明の女神とか、
ペルセポネーはデメテルの一側面とか、いろいろ考えてるうちに


ひょっとして、ハデスもデメテルの魔の手にーーー!!!??


などという恐ろしい考えに行き着いてしまったので、もう考えないことにする。

・まあ、デメテルとハデスは近い感じはしてましたけどね。
ハデスがペルセポネーをチョイスしたって神話で読んだ時も
「あー、ご近所さん選んだんだな。妥当な選択じゃないの?」
ほどの感慨だったもんなあ。真面目なハデスらしいなーと。
(※見習いはあの話で一番悪いのはゼウスだと思ってます。黒幕め!でもそこが好き!)

「キュベレー」部分
・以前もどこかで聞いたけど、いつも忘れちゃうのでメモ。
キュベレーの語源はクババで英語のCUBEと同じ語根?(メッカのカーバ神殿も同じ語根)
原義は入れ物?
キュベレーは石に宿る女神だと思われていた
(→ポエニ戦争中のローマのキュベレー勧請話、
「急務!船で大石を運べ!プロジェクト(勝手に命名すな)」に続く)

・メイ・クイーンの民間行事も、この女神の行事の名残らしい。
スペインの闘牛は牛犠牲の儀式の名残らしい。
ホントか??

えー、ここで見習い、今更重大なことに気付きました。
大女神の職能分離のところで、上の水担当の鳥女神と下の水担当の蛇女神に分かれると読んだ時、
”下の水”は海とか川とか、そういうものだろうと分かるけど、ぶっちゃけ
「”上の水”ってなんじゃ???」
と思ってたんです。

雨の事か!!!

雨や雪が降るのは天井にも水が蓄えられてるからだと思ったのか!!!!
やっと分かりましたー!!!(鈍すぎます)
いや、小学校で雨の降る仕組みとか習っちゃう現代人には、
上空に水溜りがあるって考えに到らなかったんですよう(弁解)

後、今更ですが、こうして当時の人々の真面目な信仰を読んでると、
「こんな風にパロっちゃってスンマセン」
というなんとも申し訳ない気持ちになります。
でも、現代の一神教の人々ほど当時の多神教を信じてた人々は狭量じゃないという気もします。
(昔のギリシア人も真面目に信じつつも叙事詩や悲劇でパロってるし。
信仰形態の微妙に違うローマでは顕著だし)


「鉄器時代」部分
ここからは主に聖書の話
・カインとアベルのエピソードで、日本人的には百姓が牧人より下に置かれる判定に
納得いかなかったんですが、なんのことはない、当時のユダヤ人が牧畜を営んでたからか。なーんや。

「聖書に隠された女神」部分
・やはり、旧約が著される前には、父なる神の隣には女神がいたらしい。
「あ、そう」くらいにしか思いませんが、小さい頃から聖書に親しんできた人にとっては衝撃なんでしょうね…

・原罪の考察辺りで書かれていた一文に共感。
「親とぶつかった子供が自分自身を責める事で
自分の全世界である親の全能性を保持するのに似ている」

・アダムの肋骨の話は、シュメールのニンティという女神をインスパイアしたもの?

しかしまあ、読めば読むほど苛々しました、この辺り。
一神教の偏り具合に!
ヘシオドスの『神統記』のパンドーラのエピソードも大概だと思ってましたがあれはまだ良心的だった。
とはいえ、イエスの教え自体は嫌いではないんだけどなあ。
(いろいろエエこと言うたはりますよ。自分が心弱いダメ人間だという
自覚のあるワタクシ、色々身につまされるっス)
あまり歴史時代のキリスト教が好きではないんですが、それは
運営する人々やら機関やらの問題なんだろうと思ってます。

最後、今後現代社会で女神はどうあるべきか、という問題提起が語られて、締め。

はー、しかし、面白かったのですが、長かったです…


全国アホ・バカ分布考―はるかなる言葉の旅路 (新潮文庫)

松本 修 / 新潮社

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次、松本修著『全国アホ・バカ分布考』読了。
これは、図書館じゃなくて人から借りたもんなんですが


面白かったんです…!!!!


気軽に読み始めて、面白すぎてなかなか止まらず、二日で読み終えてしまいました。
この本、装丁を見た時から、それほど硬い本ではなかろうとは予想していたのですが、
まさか、『探偵ナイトスクープ』のプロデューサーが書いた本だったとは!まさに想定外!
(※説明しよう。探偵ナイトスクープとは関西では有名な週末の深夜番組である。
視聴者からの疑問や要望を、探偵社所属の各探偵が調査する、という形式で番組が進行する。
ちなみに、調査に失敗した時もソレをネタにして放映するという商魂たくましさである。結構長寿番組です。)

その松本プロデューサーが、番組の成り立ちをざっと説明した後、
視聴者からの素朴な疑問「「バカ」を使う人と「アホ」を使う人の住んでる境界線はどこにあるの?」
を番組で取り上げたことがきっかけで、遠大なるバカ・アホへの旅へと乗り出した経緯などが
赤裸々に描かれており、日本人の古来からの罵り言葉の変遷が、素人にもわかりやすく、
読んで楽しく、読み終わった後にはそれなりの言語学の知識も付く仕上がりになってます。
あとがき読むと、学術書で出版しても良かったんだけど、それより言葉の収集を手伝ってくれた
全国の般の人々の恩に報い、方言は豊かな言葉なのだと胸を張ってもらうためには
一般書の方が適切かと思い直し、話を持ちかけてきた編集者の熱意にも負けて、
この本の形で出版することになったとのこと。

なので、一貫して一般人である著者の視点でかかれてます。
その点、アホ・バカをはじめ罵り言葉の謎がひとつひとつ解けていく瞬間の
スリルと興奮が非常に共感しやすく、読んでるこっちまで興奮しました。
いやあ、言葉って面白いよね!(←分かったような気になってる読者)

とはいえ、方言周圏論とか、柳田國男の蝸牛考なんかはもともと知ってたんですけどね。
アクセントも、近畿周辺のアクセントが日本語としては一番若いとも読んだし。
(ただし、アクセントは語彙より変化しにくいので、
このアクセントが成立したのはかなーり前だと思われますが)
それでも、いかに方言周圏論が思ってたより適応できるか、というか、

…具体例を目の当たりにすると、やはり感動が違うのですよ。

以下、特に強く思ったこと。

・方言周圏論というのは、言葉は文化の中心地から同心円を描いて次々と
伝わってゆく(そして、周辺部により古い形が残る)てな説のことなんですが、
このバカ・アホ考から、(メディアの発達した現代日本はともかく)、
都が奈良・京都におかれてから明治に入るまで、
その発信源は長らく京都でありつづけた、という事実が導き出されたことにまず吃驚しました。
奈良、平安、鎌倉、室町、戦国はともかく、
江戸時代に入ってからも、依然として流行の発信地は京都だったらしいっスよ!

恐るべし、京都(ガクブル)

今ではすっかり全国共通の罵り言葉として定着してる「バカ」も、
最初は京都で生まれ、京都で流行ってたんですって!
(江戸で生まれたと思ってた!)
その後京都では「アホ」が流行り、「アホ」の流行は大体関西全体に行き渡ってバカを駆逐し、今に到る、と。
(江戸から生まれた罵り言葉って実は思ってたより少ないらしい。
唯一「デレ(スケ)」なんかは江戸色が強そう、と著者は書いてたけどどうなんかねえ)

・そうそう、わたしの住まっておる地域近辺で、心底腹が立った時に使う「だぼ」ですが、
ワタシ、これ、ずっと「どあほう」が縮まったものだと思ってたんです。
が、どうやら違うようです!
「アホ」が流行る前に流行ったもっと古い言葉なんだって!
しかも、京都から同じくらい離れている東の信州あたりにも
「だぼ」という言葉が残ってるんですって!
へえ!そうなんだ!長野県とは同じくらいの距離の辺境仲間なのですね♪
シンパシーを感じる。

・高校生の時の英語の先生に初めて聞いて以来、
「日本語の罵り言葉は弱い、外国語の罵り言葉はもっとえげつなくて卑猥なものが多い」とは
各所で耳にしてきましたが、今回ソレを実感しました。
とはいってもこの著者はそれを肯定的に受け止めてて、
「直接相手の程度の低さをあざ笑ったり、欠点をあげつらうような卑しい罵り言葉は
日本人の気質には合わなかったのだ、少しひねったり、動物にたとえたり、「幸せな奴だなあ」と
正反対のことを言って婉曲的にからかったりしてそれを罵り言葉に代えたご先祖を
我々は誇りに思っていいのではないか」
というスタンスを貫いてて、
それを読んだわたしも日本人のご先祖様方がちょっと好きになりました。
今の日本人の国民性って諸外国人に比べると概ね穏やかなんじゃないかなと思ってたけど、
昔からこうなんだなあ、…なんかちょっといいんじゃない?(国際社会にねじ込むには不利かもしらんが)

・後、作中、徳川先生という言語学の先生が著者に指摘した、
「外国ではもっと多い、セックスや宗教に関る表現が少ない。
→これは日本人が性のタブーや宗教のしめつけのゆるい文化を生きてきたせいではないか」
という一文も、ものすごく納得しました。
いやあ、ちょうど女神の本読んで色々思った後だったから余計に(笑)。
歴史時代に入ってからはともかく、双系社会だった縄文弥生あたりは、
日本列島外から来た人と原住民、さほど軋轢も無くゆるーく混ざっていったらしいしね!
締め付けが何も無かったわけでは勿論無いだろうけど、相対的に見たら
自由な方なんだろうなあ。ありがたいこっちゃ。


で、読み終えて面白かったので家族にこんな本があったと話したら、
妹も母も読んだことは無くても本の存在は知ってました。

そんな有名な本だったのか!!

(今回一番吃驚したのはコレでした)
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by mi-narai | 2009-09-23 13:57 | 2009年9月の読書

『世界女神大全Ⅰ』

アン・ベアリング、ジュールズ・キャシュフォード著『世界女神大全Ⅰ』
ものすごく面白いんですが、上下2段に分かれてる上ハードカバーなのでなかなか読み終わりません。
毎日じりじり読み進み、本日ようやく読了。
下巻に突入する前に、青銅器時代以降の雑感をメモ。

「青銅器時代」部分
最初のあたりは、シュメールです。
男性原理も内包していた大女神から男神が分離した様子とその理由、
男神の持つ特性(全てに内在する女神に比べ、外から客観視、精神的、等々。ほんとかよ)の説明があります。
…ていうか、大女神の地位の低下を招いたのは男神の誕生そのものではなくて、
部族の神としての特徴を強く持つ天空神としての主神信仰を極端に推し進めた
好戦的なセム語族&アーリア人が政治的な優性に立って、
家父長制や自分たちの神話を征服民に押し付けた結果だ、
…ということはよく分かった。
シュメールも、北部のセム語族の影響を受けるまでは、女性の地位が男性に比べて別段低いってことも
なかったみたいです。

……おのれ………(あの憤り再び)

・死に対する認識が、女神への回帰と、その後の転生、という周期的なものから、
絶対的で暗く寂しくその先には何も無い、という直線的なものに変わってきたのもこの頃らしいっす。
ふと、ゲド戦記と空色勾玉読んだときに感じた相違を思い出しました(同時期に読んだの)。
ゲド戦記では、死は暗く冷たく絶望的なものだが、それがあるからこそ生が輝く、という主張だったのに対し、
空色勾玉の方は、死は地下の女神の元で休むことで魂はその後また生まれ変わる
(だからそんなに恐ろしいものではない)という設定だったので。
はっはっは、荻原規子、買うだけ買って他の本読んでないよなあ。

・ソレと関連して、冥府の存在が意識されだしたらしい。

・色んなところで言及されて有名な、儀礼的王殺しが始まったのもこの時代あたり
っぽいようなこと書いてあったぞー


「イナンナ=イシュタル」部分
シュメール語の語感って面白いですね。
某I様のHPのおかげで神々の名前や色んな名称に聞き覚えがあって、ものすごく楽しかったです。ウス!

・聖書におけるシュメール神話との類似は、バビロン捕囚ン時のユダヤ人に
由来してんじゃないか、とのこと。おお~、バビロン捕囚!

・所々ヒンズー教への言及があったりして…そうなん?シュメールとヒンズー教になにか共通点が?


「エジプトのイシス」部分
あまりなじみの無い部分なので、へー、ほー、ふーんと感心してるうちに読み終わる。

・殺されたオシリスを探す時のイシスはペルセポネーを探すデメテルに激似。
なんで似たのかは知らんが、イシスがデメテルと同一視されてる理由は分かった。

・イシスとオシリスの神話、どうもエジプトでは誰もが知ってる神話らしくて、
個々のエピソードしか残ってないらしいです。
(あらすじすっとばして本編からはじまる「イーリアス」と同じ感性です(笑)。)
最初から最後までを一環して残してるのがギリシア人のプルタルコスだけだってあたりが面白い。

・月と将棋を指して勝ち、閏年を取り上げたトト、って記述にときめきました。
(ヘルメスと同一視されたのもこのあたりか??)

・アヌビスってオシリスとネフティスの息子だったの!?そらセト(ネフティスの旦那)も怒るって。

「バビロンのティアマト」部分
・もともとシュメールやエジプトはセム語族や印欧語族ではないので、まだその神話も、
男神が台頭してきたとはいえそこまで酷くない感じだったのですが、
ここで語られる「エヌマ・エリシュ」では、とうとう女神バラバラ殺害事件勃発。

おおお…おいたわしい…

とはいえ、日本神話にもちらっとそんなのあったし、どこまでバラバラ事件が
この作者の言うように男神の権力掌握を表してるかは疑問なんだけど。
どうなんだろう、女神の娘たる穀物や芋の化身が、バラバラにされて埋められるのは豊穣儀礼かも
知れんが、その大元たる大女神自身がバラバラにされてるというところが大事件なんか?
アホゆえにこの程度の理解しか出来ない自分が歯がゆいぜ!
ただ、確かに、シュメールからの権力移行をバビロン人が神話の中で表明したってのは、
そうなんだろうなあ、と思います。
(女神=シュメール、マルドゥーク=バビロニアとみて)
もっと穏やかなマルドゥーク神話もあるらしいですし。

・二元論の深化がすすみ、良いものは男性的なもの、悪いものと女性的なものが結び付けられる
傾向が顕著になる。やな時代だなあ。

・物語における戦争・武力賛美、二元論化も言及されてましたが、
それでも「旧約」に比べたらホメロスは公平だとこの本の作者も仰ってました。
そうだろうそうだろう。

全体的に血腥せえよ、アッシリア&バビロニアー!


「ギリシアの女神」部分
バビロン部分を読みながら、つくづくギリシアはここまで酷くないよな、良かった良かったと思っていたら、
このギリシア部分ではまさしくそんなような事が書いてました。

「父神の神話の2大勢力はヤーウェとゼウスだが、両者には驚くほど共通点が少ない」

あってたまるかーー!

・ギリシアはアーリア人が席捲したにしては前代の大女神の信仰と、新しい父権的信仰が
いい感じに融合した例らしい(さもありなん)。
しかし、混ざりすぎて、もとの形が見分けづらいのは難儀なことです。

・ギリシア部分は、既にどこか別のほんで読んだことなんかが多く、たいへん読みやすかったです、
やはり自分に分かる分野は落ち着くなあ。
でも、知ってることが多いと、あえて書き残す事柄も減るわけで……
(というわけで、ギリシア部分は以下略。ヘラ様とアテナ様が素敵でした、とだけメモっておきます)

下巻は「ギリシアの女神」のつづき、アプロディーテからっス。
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by mi-narai | 2009-09-15 21:17 | 2009年9月の読書

『世界女神大全Ⅰ』

図説世界女神大全

アン・バリン、ジュールズ・キャシュフォード / 原書房

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アン・ベアリング、ジュールズ・キャシュフォード著『世界女神大全Ⅰ』
これまた図書館で借りた本。
女神についての神話を集めて羅列してあるだけの本かと思いきや、
旧石器時代の人々の信仰心から始まって、
太古の女神がいかにして人々の心に生まれ崇拝されるようになったか、
そして、その後父権社会の到来とともにいかにその表現を変えていったか
という、女神像の変遷を丹念に追っとります。


おおむね楽しく読んでますが、大筋は、色んなところで断片的に読んだ知識をすっきりまとめてある感じです。
以下、お?と思ったこと&雑感

「はじまり 旧石器時代の母神」部分
・ワタシの太古の大女神に対する印象の根本って、高校生の時に読んだ
『大地の子エイラ』というシリーズにあるんですが、
今この本を読んで、『エイラ』シリーズの信仰形態との類似にびっくり!
『エイラ』シリーズ、下調べを入念にしてある、とはあとがきに書いてあったけど
なによりエンターテイメントとして面白い本で、当然ながら空想の部分もたくさんあり、
なので神話体系に関しても話半分に聞いてましたが、

…意外と正解率高かった…!!

みんなもあの本を読むといいよ!第2部以降若干アダルトだけどな!

・作中に、キリスト教徒の常識に生きてる作者たちが大女神を信仰してた人々の気持ちになって
考えることは難しい、てな記述が出てきたんですが、
…キリスト教徒は大変だナ~(人事)
(多分、一般日本人なら、欧米人ほどの苦労はいらんのでは)

「新石器時代」部分
・女性の地位が低下したのは筋力を必要とする戦争や農作業の社会における重要度の増加の
ためかと思っていたら(大雑把にはそうかもしれないんですが)
初期の農業においては、農業を発見したのは女性だっため、女性が農作業における指導者的役割を
担っていた、みたいなことが書いてあったのでちょっとびっくりしました。
「女性は子育て中遠出出来なかったため、居住地にいて出来る仕事をすることになり
また、居住地の周辺の植物の長いスパンでの生育も発見しやすかった
→農業や機織を発見したのは実は女性である。」
あ、そうなんやー(単純)。

・この章では、旧石器時代は全てを内包していた大女神が、分化した様が説明されてて、
鳥女神(地上より上方の水担当)とか蛇女神(地上より下方の水担当)とか、
女神関連の動物とかについても書かれてるんですが
そこで言われて初めて気が付いきました。
グリフォンって、鳥+ライオン+蛇、という見事に女神の顕現ばかり
組み合わせた動物なんスね。そりゃ神聖なはずですヨ。

・ところで、当然ながら穀物の女神というのは農業が始まってから生まれたものなんだから、
ひょっとして、デメテルってアルテミスなんかより若干新しい女神なんでしょうか。
や、その前身の全ての母たる大女神の存在を考えるならやっぱり古い大女神なんだけど。
大地の女神って字面だけでデメテルを考えていた浅はかな自分をちょっと反省…

・先進地域のエジプト&メソポタミアから後進地域のヨーロッパへ文化が伝播、
というのが一般的な見解なのかと思ってたら、
東地中海(イタリアからトルコ南部あたりを含む)の古ヨーロッパ一体にも
高い文化があったらしい、てな事が書いてありました。
ほんとか?作者が欧米人なので、文化の源がアジア・アフリカにあることに
対する拒絶反応からくる捏造じゃあるまいな?などと穿ってしまった。

でも、ほんとうなら面白いですね。
(確かにヴィンチャ文明とか最近どっかで耳にしたぞー)
印欧語族の侵入以前に大女神崇拝を中心とする比較的平和的で
高い技術を持つ人々が栄えてたと想像するのはなかなか楽しい。
当然エトルリア文明はその流れを汲んでる筈だしね!

・しかし、この平和的で大女神中心の文化を、侵入してきた遊牧民の
クルガン人(印欧語族)が蹴散らしてしまったというのだから、
なんというか、

クルガン人め~~~!!

なにやらデジャヴを感じると思ったら、毎回インカ滅亡のことを考えるたびに
スペインに対して感じるソレでした(笑)。

・トルコのチャタル・ヒュユクの遺跡についてもたくさん書いてありました。
トルコという字面だけで幸せになれる自分はたいそうお手軽だと思います。
それだけでなく、女神の男性原理の表出などの部分は面白かったっスよ。


「クレタ」部分
クレタのミノア文明、時代的には青銅器にくるんですが、文化的には新石器時代の直径だ、
ということで、クレタ部分は新石器と青銅器の間においてあります。
・クレタの有名な明るい色彩の芸術について書かれている文を読むと、
つくづくクレタって豊かで、開放的だったんだなあと。
作者曰く「陽気で優雅で上品」
ホメロスの影響でクレタ=豊かな島というイメージが染み付いてたんですが
これまたあながち嘘ではなかったのね。
ところで、好戦的で、雷、風、嵐といったものを司る男神を信仰するセム語族&アーリア人ですが、
大女神の信仰が旧石器時代に共通するものだとしたら、なんでそれらの人々ののもとでは、
男神崇拝への移行がそんな早く起こったんだ?
遊牧?遊牧がキーワードなの?
あまり地味が豊かでない土地では大女神のありがたみが実感しにくい、ということなのでしょうか。
それとも豊かな土地よりよりいっそう男性の筋力が必要となってそのことが
社会のあり方を男性中心へと変え、それが神話にも影響したの??
戦争を正当化する必要に迫られるとこうなるのかしらん。

・ミノア文明(そして、その影響を受けつつ発展した印欧語族のミュケーナイ文明)
といえば、線文字A&Bですが、ようやく線文字Aだけ解読まだなの分かった。
印欧語族じゃないからかー(気付くの遅ッ!)

・女神を象った容器についても書いてありました。
つまり、中に入っている水なり食物なりは、女神の賜物なわけです、
女神が分けてくださった有り難い食物なんだから感謝していただこう、という真摯な気持ちがよく伝わる博物です。
ところで、日本の縄文土器の中にも女神を象ったものがあって、やはり
同じような意味合いを持つ、と吉田先生が仰ってたなあ。

・二人の女神と一人の男神の表現。
ペルセポネ―とデメテルの関係が分かりそうで分からないモヤモヤ感です。

・モヤモヤといえば、テセウス周辺もよく分からないままになってしまった…
クレタと言えば女神と牛なので、テセウス伝説に牛がしつこいほど何度も何度も出てくるのは分かる。
アリアドネが女神、もしくは人間だったら女神官だったというのも分かる
(ミノア文明、神官職は女性の職だもん)。
この伝説におけるアテナイ人のクレタへの敵意の裏に、
なんらかのクレタの優性という歴史的事実があったんじゃないか?
という推測も分かる。
テセウスという英雄が冒険する伝説と、クレタの別の伝説がややこしく絡まってるのも分かる。
なら当然、テセウスにアリアドネは得られないよね!
(ディオニュソス(=植物の化身?女神の息子)の方が大女神の系譜たる
アリアドネに近く、大女神と息子(=愛人)という形にも近い)
でも、具体的にどこがどうなんじゃい!と思うと途端に分からなく。モヤモヤ。

・ところで、ミノスという名前も、個人名だというこれまでの解釈の他に
「王朝名?」「エジプトのミンという神、もしくは初代王メネスと関係が?」
「ファラオ、的な王の代名詞?」などと色々言われてますが、それはさておき
イドメネウスの名前の中間部にも、この「ミノス」と同じ語幹が使用されてるそうです。
ほんとだー!気付かなかった―!
そうか、「イドメネウス」って由緒正しいクレタの名前だったんですね~

(長くなってしまった…「青銅器時代」以降は次)
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by mi-narai | 2009-09-10 19:32 | 2009年9月の読書

『人狼伝説』 『特命航海、嵐のインド洋(上)』、他

エイドリアン・ゴールズワーシー著『古代ローマ軍団大百科』
大判の本にありがちな字が小さいタイプ。
読んでも読んでも終わりません。
一月くらい返却期限延長しまくってますよ(ヒィ)


フレイザーの『金枝篇』(上)
読みかけて寝る、を繰り返しとります。
まったくすすまーん!


人狼伝説―変身と人食いの迷信について

セイバイン ベアリング=グールド / 人文書院

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セイバイン・ベアリング=グールド著『人狼伝説―変身と人食いの迷信について』読了。
読み終わったのが昔過ぎてこれまた記憶が朧です。
現代の学者が書いたものじゃなくて、ちょっと昔の学者が書いた、“人狼伝説についての古典”
てな感じの本でした。
けったいな名前の人ですが、イギリス人らしい。
このイギリス人が生きていた時代、まだオオカミ男が本当に出ると信じられていたらしい。
そんな伝承に触れたことがこの本を書こうと思ったきっかけなんだそうな。
てなわけで、人間が狼に変ずる西洋の伝承を作者の出来うる範囲で集めてます。

もともと最初の当たりの古代ギリシア・ローマから北欧の狼伝説が目当てで図書館で借りたのですが、
字も大きいし、最後まで楽しく読めました。


ただし、かなり血腥いです。


途中部分、フランスでは精神を病んで猟奇殺人を犯した犯人は全部狼憑きだと認定されていたようで、
そういった凄惨な事件が逐一書かれてるんです。
(その点、イギリスではかなり早くに狼が駆逐されたらしく、
猟奇殺人犯は単なる猟奇殺人犯でそれ以外ではない、と判ずる傾向が大きかったそうな)
その事件内容があんたまあもうそりゃトンでもない感じなんですよ。

ごめん、日本人、ついてけない。草食系なの。許して。

という気持ちになりました。
でもまあ、最初は狼と人とが等価値だというところから始まる狼伝説が、
日本の場合だと山の神の使いになったり、仏教に取り込まれていったりするのに対して、
西洋の場合はキリスト教にアンチ・キリストのカテゴリーに入れられて
なにやら怪しげな魔術諸々に結び付けられていく、という方向性が面白かったデス。
後、日本人なら狼は狼で、もし狼が人間に化けたとしても
それはあくまで中味狼であって、逆方向はない、と思ってるのに対して、
ヨーロッパ中世の人狼伝説は、人間が何らかの方法で狼に変ずる、としている点が、印象深かったです。

ジル・ド・レの伝承も、初めてちゃんと読みました。
これまでジャンヌ・ダルク関連でしか知らなかったので、普通の人と思ってたけど、とんでもなかった。
これまた強烈な言い伝えの数々でした。


特命航海、嵐のインド洋〈上〉―英国海軍の雄ジャック・オーブリー (ハヤカワ文庫NV)

パトリック オブライアン / 早川書房

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パトリック・オブライエン著『特命航海、嵐のインド洋(上)』読了。
ここから未読本に突入。
今回は、のっけから飛ばしてるのはスティーブン(軍医)の方でした。
やっと艦がもらえてうはうはしてたら、まさかの「軍医・拉致監禁され中」のビックリニュース。
ジャックだけじゃなく、読者もビックリです。
その後のジャックの電撃奪還作戦&姫扱いにも読者はビックリ。

なんか段々このあたりになると、この二人のズレっぷりが際立ってきて面白いです。
軍医はものすごく頭のいい人で、人の心を読むのに長けてて
だからこそ、単純で善良なジャックのことをその単純さゆえに好ましいと思ってるし
ジャックの恋路を応援したり、心配したりしてます。
その一方、ジャックは曲がりなりにも海軍将校、
毎日軍規に乗っ取って生活してて、身だしなみも生活態度もきちんとしてるのに対して、
軍医は学問馬鹿で、生活能力ゼロ。放置してたら研究に没頭して
一月くらい平気で食事疎かにしそうな感じ。完全なる理系馬鹿です。
なので、互いに別分野で

「こいつは俺がいないとダメだな」

と思ってるのが可笑しい。
多分、守備範囲がかぶらないから仲良いんですよねこの二人。
4角関係が、2×2に落ち着いたから、その点での二人のライバル関係は解消したしネ!

今、インド洋に大使を送り届ける任務を仰せつかって、
いったんブラジル沖に流されたりしつつ順調に航海中。


終末のフール (集英社文庫)

伊坂幸太郎 / 集英社

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死神の精度 (文春文庫)

伊坂 幸太郎 / 文藝春秋

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井坂幸太郎の『終末のフール』と『死神の精度』読了。
どっちもさらっと読み終え。
別段井坂好きというわけじゃないんですが友人に貸されたので読んでみました。
『終末』は、3年後には地球が滅亡する、という設定下のほのぼの話。
でも、3年後にみんな死ぬという未来は厳然としてなくならないので余りすっきりしません。
好き好んで萌えのない暗い設定の話なんか読みたくないんじゃい!
(勿論、そこに萌えがあればなにも問題はない)

ていうか、伏線がわかりやすすぎる…
いちいち「あー、これ伏線やな。この先こうなるねんな~」と
予測しながら読んでしまってすじの方に集中できませんでした…

『死神』の方はそれより面白かったです。
主人公が突発死の成否を判断する調査員で、人間じゃないから
殴られても痛みを感じないし、死なないので安心して読みました。
ミステリー好きなんで、密室殺人事件のエピソードは面白かった。

なんというか、全くダメ!とも思わない代わりに
ものすごく面白い、とも思わないんですよね、この作家…
(ホント、ファンの人ごめんなさい!面白さの分からない凡人です)



『聖・おにいさん』1~3巻
借りて読んだ。
面白かったです!(笑い的な意味で)
どうしましょう、わたし、ブッダがかわいくてかわいくて仕方ありません。
(あのちょっと薄幸そうなところがたまらん)
なんかするブッダを見るたびにハァハァしそうになる自分を抑えるのが大変。
なので、イエス側の人々が出てくるよりブッダ側の人々が出てきたときのほうがなんとなくときめきます。
(梵天さんナイス過ぎる)。

でも、ウリエルさんはちょっと好き。



『20世紀少年』&『21世紀少年』
これまた借りて全巻読破。
これを全巻一気読み出来るなんて、なんという贅沢でしょう!
(貸してくれた知人、ありがとう!)
なんも考えずに、ワーッと読み終わってしまいましたが、

…意外とハッピーエンドじゃない?

周囲に既読の人が多くて、その人々が口々に
「わけ分からんかった」
「面白いけど暗い」
「よう人が死ぬ」
とわたしに散々なことを言うので、随分なイメージがあったのですが、
蓋を開けてみると、主人公たちは年をとるにつれかっこいいし
(本来大人になるって、そうあるべきっスよね!ウス!頑張りまっす!)
作者のつきはなすでもかっこつけるでもない書き方の下に
じんわり前向きさというか、人生や世界に対するプラスの視線を感じるんですが、
(自分で書いててくっさ!)穿ちすぎ?
勿論、よう人は死ぬし、楽しいだけの話でもないんですが。

さすがに自分で買おうとまでは思わないけど、読んでる最中、夢中になりました。面白かった。


どうやら最初だけ読んで途中で止まっているらしい妹に、
「20世紀少年借りて全部読んでん」というと
「オチ言わんといてよ!!」とものすごい形相で押しとどめられました。
もしチラとでも結末をにおわそうものなら、瞬・殺☆されそうなイキオイ。
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by mi-narai | 2009-08-10 20:00 | 2009年8月の読書