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『イスラーム思想史』 『イブン・ジュバイルとイブン・バットゥータ』 あとゲーム

ロクム菓子はトルコの菓子である。
わたしはギリシャ神話好き腐女子ではありますが、
この一点は譲れませんよ!
後、こっちは別に譲れるけど、
ウーゾのことはラク酒だと思っています。


科学 2014年 07月号 [雑誌]

岩波書店

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『2014 科学 7月号』
いや、この号『愛と性の科学』だったからさ。つい図書館で見つけて手に取っちゃったのよ。
だって、章タイトルちょっと上げてみると
「親子の愛と絆の脳科学」
「恋の分子生物学」
「イルカが「夢精」?」
「「越境する性」の生物学」
「愛は戦いである」

……
面白そうなんですもの!!
相変わらず理系の素養がないので、詳しい物質名とか細胞の状態とか言われてもよう分からんが、
哺乳類の幼児と成体間の感情形成の謎とか、オスメスの間に利害の不一致が生じてそれが
エスカレートした場合の話だとか、雌雄同体の生物だと対立が激化する傾向にあるだとか、
なんか色々面白かったです。
性、と書くとついエロい想像をしがちですが、ここまで大真面目に科学的見地から
語られると、むしろ学問的興味の方が克つなあ…。

あと、真ん中らへんに、連載エッセイらしき音楽の話が載ってて
それがまた面白かったです。
そういえば、ピアノってオクターブを均等に割り振ってるから
本当に美しい和音からは少しずれてるとかそういうはなし、
昔どこかで聞いた気がしますよ。


イスラーム思想史 (中公文庫)

井筒 俊彦 / 中央公論社

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井筒俊彦著『イスラーム思想史』
読了。

古本屋で見つけて買いました。
井筒先生の御本だったので!
で、読み始めて、内容の難しさに寝落ち数回…

いや、井筒先生はまったく悪くないんですよ。
分かりやすく、かつ美しい日本語で説明なさってらっしゃるんですが、
イスラム神学&哲学が難解なのですよ…
アホなわたしの頭脳を恨む…。
とりあえず、
第1章は『イスラーム神学』
ざっくり思想史の流れをガザーリーの登場まで説明し、
第2章で神秘主義(スーフィズム)
第3章でスコラ哲学(東方)、
次にようやくガザーリーによるスコラ哲学批判、
その後、第4章で西方スコラ哲学と続きます。

以下、その折々で思ったことなど。

・冒頭の、アラブ人の聴覚と視覚における感受性の豊かさについて。
見たものと聞いたものに対する鋭敏な感性について、井筒先生が説明していらっさるのですが
それが、魔法の筆で描きだしたビビッドで瑞々しい美の世界が一面に広がるさまを見る心地
なのでございますよ。
『よく見、よく聞く』男がアラブでは立派とみなされたらしい。
毎回井筒先生の著作を拝読すると、アラビア語の語感の美しさにも目がくらみます。
前のイブン・ジュバイルの旅行記読んだ時も
クレタがイクリーティーシャ、ヒポクラテスがブクラーティースに変化するのを読んで
なんて美しいんだろうと感心したものですが、
文章も美しいよね。
「アラーの他に神はなし」、も、原語では
「ラー・イラーハ・イラー・アッラー」
ですよ。
めっちゃ韻踏んでるやん!!
いや、わたしは日本語も大好きだし、北京語の歌うような抑揚も美しいと思うし、
明るく響くラテン諸語も、重々しい感じのドイツ語も、なんか可愛く感じてしまう東南アジア諸語も
大好きですが。トルコ語は膠着語でなんだか親近感。


言語ついでに。
本の性質上、アラブ名が山ほど出てくるんですが、
じわじわ分かってきましたよ。もともとイブンが「~の息子」、アブーが「~の父」ってのは
知ってましたが、アルは、あれか、名前の後ろにつづけて、その名前を修飾する要素なんかな。
アル・ディーンとかアッシッディークとかは「敬虔な」的な宗教関連の二つ名っぽいし、
アル・ガザーリーとか、アル・バスターミーとかは、「~出身の」ってことなのね。
サラディン、の時も思ったけど、アヴィケンナとかアヴェロエスとか、ラテン語化されたアラブ名は
確実に元のイブン・スィーナーとか、イブン・ルシドの方がかっこいいのになあ。
と思うのは私だけでしょうか。

・イスラム神学の正統派のながれとか、井筒先生はすらすら説明なさってるけど
(おまけに、それをさらに学びたい場合の文献も紹介して下さってる)
これ、ものすごい量の原著読んで、研究書も読んでるってことやんな…。すっごいな。

・おそらくムハンマドさんの想定を超えた勢いでイスラムは周辺に拡大したのだと思う。
コーランに規定されていなかった諸々の問題に立ち向かうために深い思想に分け入ったのが
イスラム神学のはしり、という説明は大変わかりやすかったです。

・しかし、学説の中身に踏み込むと、途端に理解がつらくなると言う…おバカな読者でごめんなさい。
第一質量たるアラーから流出した形相がどうたら(新プラトン主義につらなる流出論)、て言われても
あんまりその辺の詳しいとこには興味がないので…(ならなんでこの本読んだし)
いや、しかし、10世紀にも入ってないのに、そういった哲学用語がすでに生み出されてたってのには
驚きました。
ちゃんと、そういった哲学上の特殊な概念を表すアラビア語表現があるんですよ!凄いよ!

・スーフィズム
キリスト教の修道士の影響のほかに、インド哲学の影響もあったらしい。
くるくる回るアレがまっさきに頭に浮かんでしまいますが、実際の活動はもっとラディカルだったようです。
そんなイメージを受けました。
なんか、感触的には密教とか、修験道とか、小乗仏教的な、
個人的に修行して悟りを開くアレと似てるなと思いました。
大乗仏教のような大衆的なものではないなと。

・スコラ哲学
こちらは、版図が広がったおかげで古代ギリシャの哲学者たちの著作にふれ、
それがとり込まれて発展したイスラムにおけるスコラ哲学。

ちょ、ギリシャ語、めっちゃ翻訳されとる…!!

いや、バグダードに翻訳の館とかあったのは知ってましたよ。
でも、その言語能力の高さに魂げたよ…!
逐語訳でなく、
ちょうど内田本で読んだ、ソシュールのいうところの内包する意味内容の食い違いを
きちんと理解した上で、ギリシャ語の原著が言い表そうとしていたのとほぼ同じ意味を
アラビア語の読者が理解できるように訳してあるんだって!!すごいですね!!!

けど、アリストテレスはともかく、プラトンは、プラトンの著書その物じゃなくて
新プラトン主義の著書が多く訳されたみたいで、ソクラテス先生の素晴らしさの啓蒙には
あまり役立ってなさげ…(そこ、心配するとこか?)。

・流出論とか、第一原因がどうとか、難しいなあ…。

・スコラ哲学者たちは、理性信望者で、哲学>神学と定義したから時々神学側から反撃食らってたらしい。

・イブン・スィーナーの説を真っ向からやりこめたのが、アル・ガザーリーらしい。

・それにしても、イブン・スィーナーにしても、イスラムの大哲学者は同時に大医学者で
あることが多いんですってね。
なんか、分かる気がする。物理学の最新研究とか聞いていると哲学的だなあと思う事って
多々あるもん。こう、考え方に情緒がまったく絡まない感じがさ。

・最後、西方(つまりスペインの)スコラ哲学で、『思想史』は終わります。
あとがきによると、それで漸く13世紀のイスラム思想史までをざっと見た、くらいなんだって。
400P以上もあるのに、イスラム思想はそれ以降が本番らしい(ちょ、前振り、長ッ!)。
その本番を学ぶためには前史も知っておかねばならぬ、とこの著作をものされたとか。
基礎的な本のつもりなので、その分野でのトップの思想家しか紹介してないし、
その思想もさわりだけの説明らしい。
これで。
すっげーな、イスラム思想史!奥深い!!
この本が出版されたのは1975年なので、それから多少は変わったかもしれませんが
当時イスラム思想史というものは、元著が訳されもせずに放置されており、未発見の宝が
そこらじゅうにざくざう埋まってる状態だったんだそうな。
中世哲学方面に進みたい研究者の人は、イスラムと絡めたら競合する相手がいなくて
良いかもしれませんよ!雇ってくれる大学も少なそうですが。
(それ以前に、アラビア語学ばないといけないけど)


イブン・ジュバイルとイブン・バットゥータ―イスラーム世界の交通と旅 (世界史リブレット人)

家島 彦一 / 山川出版社

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家島彦一著『イブン・ジュバイルとイブン・バットゥータ』読了。
世界人物リブレットとかあの、小冊子スタイルの本。
イスラムづいてる内に続けて読んどきました。
イブン・ジュバイルさんもイブン・バットゥータさんも、どちらも著名な旅人ですね。
特に後者は世界史の教科書にも載ってる有名人です。『三大陸周遊記』書いた人。
前者の方も、これ以降のお手本になった紀行文を書かれた、大変なビッグ・ネームです。
タイトルから分かるように、旅する上でのイスラムのネットワークと、
紀行文学(リフラ)の位置づけ、その歴史などについて書かれた冊子です。

特に前半の旅の部分が面白かった!!
各国の王によって組織された公的な大巡礼団(ラクブ)や、巡礼の作法について書かれてて、
どうしてわたしはもっと早くこの本を見つけなかったのかと小一時間(以下略)。
後、リフラは、今でいう旅行案内書、地球の歩○方的な読まれ方をしていたらしくって、
その位置づけがちょっと面白かった。
国を越えて、手引書片手に巡礼の旅が出来た時代もあったんだなぁ…
(なんで今こうなった…。民族主義があかんのか?やっぱり欧米のせいか?)


妖奇庵夜話 その探偵、人にあらず (角川ホラー文庫)

榎田 ユウリ / 角川書店

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榎田ユウリ著『妖奇庵夜話 その探偵、人にあらず』読了。
友人が50円で買った本。借りたので読みました。
うん、ラノベ。
ラノベ特有のかっこつけとか鼻につく言い回しとかはもちろんあるんですけども、
でも意外と面白かったですよ。
狂言回しの脇坂くんがいい味出してて、わたしの中で
脇坂×一課のエリートという図式が出来上がりました。
(※自重しなさいよ)


妖奇庵夜話 空蝉の少年 (角川ホラー文庫)

榎田 ユウリ / 角川書店

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榎田ユウリ著『妖奇庵夜話 その探偵、人にあらず』読了。

2冊目。
相変わらずラノベ。
いっその事ホモ展開すればいいのに、と思いながら読みました。



ドラマDVD
『アボンリーへの道』SEASON1
シーズン1,2買っちゃった。
一番見たかった回、シーズン2の『フェリシティの初恋』まで妹と二人で見ました。
改めて見直すと、いいドラマだなぁ…。
『赤毛のアン』と同じ作者の原作のドラマ化だから、『アン』の方で出てきた登場人物も
何人か出てきたりしてます。マニラとか、リンド夫人とか。
時系列的には、アンが結婚してグリーン・ゲイブルズにはもう住んでないくらいの時期です。
雰囲気は『大草原の小さな家』と似てるけど、こちらの方が穏やかです。別に開拓地じゃないからかしら。
あんまり危険はないし、外から訪れる客も少ない。その分村の中の出来事はなんでも筒抜けです。
このドラマ、全体的にアットホームでノスタルジックで、健全で、時々うるっとさせられるんですよね。
主人公は、都会のモントリオールから母方の親戚を頼ってやってきたセーラという小学生くらいの女の子。
でも、わたしが好きなのは、そのセーラを預かることになったローズコテージの主人、へティです。
オールドミスで学校の先生なんだけど、どうしようもないくらい意地っ張りですぐに威張り散らすし、
嫌みは言うし、時々どうしようもないくらい耐えられない人なんだけど、好きなんですよ。
母方の女性が母も祖母もこのタイプでさ。
世間には2種類の母親がいて、よく出来た賢母タイプとダメおかんタイプ。
うちのおかんは確実に後者なんだけども。
デリカシーがなくって何故一番言ってはいけないことを言ってはいけないタイミングで言っちゃうかな
みたいなとこがあって、とりあえず嫌味言うのがデフォルトだし、
気が弱いくせに自覚がなくって去勢張っちゃうとことかね。
謝るのがクソ苦手なとことかね。愛情表現下手糞だしね。
時々ほんとに「もうー!!!」って腹が立つんだけど、
でも、ものすごい愛情深い、いい人なんですよ。
善良さは全ての欠点を凌駕するよね。むしろその欠点が愛おしくなりますよね。
そんな感じで、へティが時々見せるセーラへの愛に、大概やられちゃって鼻水啜る羽目になるのでした。



以下、金色のコルダのプレイメモを折りたたんで載せときます。

ゲームメモに格納する前
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by mi-narai | 2014-09-07 17:13 | 2014年下半期の読書

『マヤ文明』 『だれのための仕事』

マヤ文明――密林に栄えた石器文化 (岩波新書)

青山 和夫 / 岩波書店

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『マヤ文明』
最近岩波から出た本なので最新情報に近いものが載っているのではないかと
期待して読み進んでます。
新書なので網羅的には書いてませんが(そこまでの紙面が無い)
興味のあるような部分を拾いつつマヤのざっくりした歴史も分かるという
なかなかおいしいつくりになってます。
最近はマヤ文字も大分解読されて、各都市の王朝史なんかもかなり詳しく分かるんですってね。
パカル王とか、カウィール王とか、アステカと微妙に音が違うけどマヤ諸語の音も面白いなあ。
後、マヤでは言うほど生贄儀式は無かったみたいで、ちょっとほっとしました。
王族の放血儀礼はあるけどな。
今、当時の庶民の生活についてのページを読み進み中です。
とうもろこし料理ってなかなか美味しそうですヨ!


翌日読了。
面白かったですよ。
マヤ文明の、他と同じ部分より違う部分の方がクローズアップされてる感はありますけども。
農業革命はなく、大型獣もおらず、車輪の原理はあるものの実用化は無く、
全ての仕事は人力で行われ、
交通の便が悪いから食料なんかの重いものの長距離交易もなく、
戦士の下に商人・職人集団がいたわけじゃなくて
貴族や王族が手工業も学者業もこなし、
…どうです。これだけ羅列しただけでも興味を惹かれるでしょう!?
わくわくしながら読み終えた一冊でした。
これは全く血なまぐさくなかったですよ!


だれのための仕事――労働vs余暇を超えて (講談社学術文庫)

鷲田 清一 / 講談社

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鷲田清一『だれのための仕事』
積読本の一番上にあったので、何の気なしに読み始めました。
一応言い訳いたしますとですね、
自分の立ち位置や世間で常識と思われているものについて、
疑ってみるのって、わたし、個人的に好きなんです。
そうすることによって世界が広がるとか、哲学的な深遠なる興味とか

そんな立派な理由では 全 く な く 、

単に違った目で日常を眺めた時のこれまでと違って見える感じが
ファンタジーっぽくてなんか面白いとか、
そんなくっだらない理由なんですけども。
でも、まだまだワタシは甘かった!甘っちょろい若造でした!!
現代消費社会の枠組みに毒されておったのです!
普段、大体の日本人て、きっちり仕事するのが良いことだと思ってるじゃないですか。
もちろん私も思ってますよ。
余暇にもぼんやり無駄にすごすと罪悪感を感じるとか。
そういった、ごくごく普通の倫理観と思われている諸々を
いっぺん根底から疑ってみよう、と。
そういう今回のキヨちゃんの主旨ですよ。
今回は、読み進みながら、そうやなあ、言われてみればそうやけど、
思いつかなんだー!と、目から鱗だったり敗北感感じたり。
相変わらず、あほなワタシの頭では、一つ一つの文章を理解しながら
読むのは若干骨が折れますが、面白いです。

こういう「資本主義がうまく動くように設定された『常識』」みたいなものを
一体どういうことなのかと突き詰めて考えた人は、これまでにもけっこう
居たみたい。世の中には偉い人がいっぱいです。

欲望に関しても、欲望の対象ではなく、それを欲望する他人がいるからこそ
欲望を感じる、というのは、分かるわあ。
その品物それ自体も欲しいけど、他の人が欲しがってるともっと欲しくなるってことよね。

今、仕事の項を終えて、「遊び」の部分に入りました。
後半分くらいなので、頑張って理解しつつゆっくり読みたいと思います。

翌日、読了。
文章の言いたいことを理解しながら読むのがワタシの残念な頭では甚だ難しく、
数回眠りかけましたが、面白かったですよ!
いつも思うけど、清ちゃんは身の回り・生きてる自分と近いところに着眼点を見つけるよなあ…。


多読

『kidnapped』を返却期限が来て途中で返したので、
今、『Wedding Trap』読み始めました。

…すみません、ロマンス小説です(目をそらし)

いや、ね。読み続けるモチベーションが欲しいと思って、ね…。
2冊既に日本語訳が出てるシリーズの、まだ邦訳されてないスピンオフ。
のっけから良く分からない単語続出で不安も続出ですが、
ちょっと頑張ってみます。



最近「フランス番長」というブログに嵌ってます!
副題が「さらば幻想のフランス」。
もともとフランスにはさして夢など見てなかったのですが、

(おばちゃんの若い頃はな、日本全体が猫も杓子もアメリカ至上主義な感じやったんや…。
せやから、天邪鬼に世間さまと逆向きに欧州プッシュで来てたんやけどな。
途中、古代やらトルコやら東南アジアやらに本気で惚れつつ、
あ、メソアメリカの古代文明については別格やで。
今は、自分の好きな地域以外に目を向けてこなさ過ぎたという反省と、
英国>米国と判定し続けた揺り返しが来て、
『アメリカも言うほど悪くないか』と思ってる最中なんやな。

結論:結局、どこにもいい人も悪い人もいるよな)


その幻想などなきに等しかったわたしをして、
思った以上の衝撃ですよ。

フランス人…!!!(犬の糞は拾ってくれ!!!)

学生時代、中国のことを『怖い!』、と思った時以来のショックでした。
面白かったー!
ちなみに一番ウケタ記事はこれでした。
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by mi-narai | 2012-06-05 23:30 | 2012年6月の読書

『ルー=ガルー』 『平安妖異伝』 『感覚の幽い風景』

『現代政治学入門』読み終わったー!
入門、と銘打ってあるとおり、これから政治学を勉強しようという学生のための
各教科の研究の詳細と手引き、みたいな本でした。
作者はイギリス人だからか、アメリカ式のデータをそろえて分析する方式の
政治学には若干批判的で、歴史関係からひも解いていくやりかたを推薦してる感でしたが、
政治学とは何かということが平明に述べられていて良かったのではないかと。
(大体忘れたけどな!)


分冊文庫版 ルー=ガルー《忌避すべき狼》(上) (講談社文庫)

京極 夏彦 / 講談社

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分冊文庫版 ルー=ガルー《忌避すべき狼》(下) (講談社文庫)

京極 夏彦 / 講談社

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京極夏彦著『ルー=ガルー忌避すべき狼』読了。
友達が貸してくれたので文庫版で読みました。
近未来が舞台です。
人との関りや生とのふれあいが希薄で
雑多なもの(雑菌含め)を極力排除した世界で
起こった連続殺人を軸に少女たち(別ルートで大人たち)が
非日常に巻き込まれて(その過程で付随的に色々目を開かれて)行く話。

最初は世界設定だとか登場人物の淡白すぎる言動だとかに慣れるだけで手一杯で、
上巻の真中あたりまでは読みながら何度も寝そうになりましたが、
上巻の終わりあたりから加速度的に面白くなってきて、
下巻は一気読みしてしまいました。

殺人の動機に対する作者の意見、とかは、『魍魎の函』を思い出した。
いや、それにしてもこの本、
ここでこういう展開が来て欲しい!という読者の要求に
ぴったり物語のクライマックスが沿ってたというか、
ある種の爽快さがあってさ。(この読後感、佐藤賢一に似ている)

美緒ちゃんが好きだ。(いきなり)

いやあ、最後の辺りは気持ち良かった!ワクワクしました。

ちなみに、真相には、タイトルと世界設定から薄々気付いてはいたけど、
下巻の3分の1辺りで確信しました。
ちょっと「え?わたしって意外とかしこ?」などと一人悦に入りました(アホです)。

続きの2巻も借りてるので、1巻を忘れないうちに読むつもり。


分冊文庫版 ルー=ガルー2 インクブス×スクブス《相容れぬ夢魔》(上) (講談社文庫)

京極 夏彦 / 講談社

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分冊文庫版 ルー=ガルー2 インクブス×スクブス《相容れぬ夢魔》(下) (講談社文庫)

京極 夏彦 / 講談社

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数日後、2巻も続けて読了。
今度は前作で脇役としてちょろっとだけ出てきてた律子という女の子が語り役です。
前作の葉月ちゃんよりよほどしっかり者なので、
読んでる方もさほどストレスなく先へ進めます。
なによりテンポが良い。この子の関西弁は若干おかしいけどな。
(作者が不案内、というよりは、未来であることを見据えた上でわざと現在の関西弁より
標準語に近くなっている関西弁を話している、という可能性が濃い)
途中、律子が、メールより対面して話すほうが安心する、と述べるシーンがあるんだけど、
それにはものすごく共感しました。
メールとか書面とかのやり取りのほうが圧迫感は少ないんですが、
その代わり相手が自分の言葉を誤解してても分からないんですよね。
その点、顔を見て話すと、修正が効きやすいと。
それに、特に謝罪する時とか、面と向かって意を伝えることを尻込みする自分を
自覚してしまうと、却ってむきになっちゃったり。あほだよなあ。
それはさておき、

今回も面白かった!

まさか1巻のあの事件にそんな真相が!!
本編の方のネタはよくよく考えてみると笑える方向でおかしいのだけど
そのことをズバリ美緒ちゃんが言ってて、にやりとしてしまった。
後、歩未ちゃんの人外ぶりは異常。
中年の元刑事と美人元カウンセラーはくっつかないのかしら。


平安妖異伝 (新潮文庫)

平岩 弓枝 / 新潮社

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平岩弓枝著『平安妖異伝』読了。
平安時代を舞台に、藤原道長と少年楽師真比呂がさまざまな怪異(楽器関連)を
解決する、という短編集。
いや、これがなかなか面白かったのですよ。
さすがベテラン、文章がくどくもなくあっさりしてて
おまけに道長は男前!
いろいろな楽器についてさらっと書いてあるのも楽しかったです。


感覚の幽(くら)い風景 (中公文庫)

鷲田 清一 / 中央公論新社

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鷲田清一著『感覚の幽い風景』読了。
職場の元同僚が、なんども「こいつは何が言いたいかよく分からん」と
眉をしかめて言ってましたが、確かにところどころ頑張らないと
作者の意図がつかみづらい箇所なんかがありました。
でもそれは私が抽象的な事についての思考が未熟、かつ哲学的な書き方に
不慣れなせいで、清ちゃんの文章はとてもきれいな日本語だと思うんだよなあ。
普段何気なく考えてる、「五感」、触れたり見たり聞いたり、そういった、
言葉になる以前のなにか説明しづらい感覚というものについて、
その場面場面について、踏み込んで書いてある本。

これまで何も考えずに行っていた動作のアレコレを違った目で見てしまいそうになります。


今は『アステカ文明の謎』を読みかけてます。


多読
ケイ・ヘザリの『American Pie』(レベル4かな)
ハンバーガーの方が結構面白かったので、続けて他のエッセイも借りてみた。

アメリカ人は学校で個性的な人になりなさいと教わるとか、
日本食大絶賛とか、どうも日本人にはアメリカ人男性はフェミニストだと思われてるみたいだけど
全くそんな事ないぞコンチクショウ!とか、色々コメントが面白いです。
テキサスからNYに出てきたとき訛が気になって一生懸命直したとか、
どこでも事情は一緒やねんなあなどと。
違ってるところも同じところも面白い。


映画

『シャーロック・ホームズ』
1の方。
おお、思ってたより全然面白かった。
こういうのもアリかな。けっこうガイ・リッチー好きだったりします。

『情婦』
いわゆる、アガサ・クリスティの『検察側の証人』
騙された―!!

しかし、「証人」と打とうとして「商人」と変換してしまうわたしのマイ・パソコンよ…


『アメトーーーク』DVD
徹子の部屋芸人が最高でした。
徹子さん…!!
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by mi-narai | 2012-04-14 21:10 | 2012年4月の読書

『くじけそうな時の臨床哲学』 『ハナシがちがう!』 『氷姫』

もう12月だけど、11月に読んだ本なので11月の読書に入れときます。


くじけそうな時の臨床哲学クリニック (ちくま学芸文庫)

鷲田 清一 / 筑摩書房

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鷲田清一先生著『くじけそうな時の臨床哲学』読了。
いや、ちょっとくじけそうな時なので。職場の人間関係でな…。

ソレはさておき内容ですが、奇しくも前回読んだ『街場の現代思想』と同じように
周囲の悩みに著者が答える、という形式をとっていたのですが、
さすが、内田本の時に感じたような胡散臭さは清ちゃん(勝手にちゃん付け)の本にはありませんよ…!
もうちょっと相談者に寄り添ってる感じですよ。

清ちゃん…(ぽわわん)

化粧とかファッションの事については
「いや、清ちゃん、女の人そこまでいちいち意味付けしてお洒落してへんし!!」
とは思いましたけども。
なかなか楽しく読み終えました。


ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺 (笑酔亭梅寿謎解噺) (集英社文庫)

田中 啓文 / 集英社

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田中啓文著『ハナシがちがう!』読了。
本屋で何度も見るのでほんのちょっとだけ気になってたんですけど、別に買う気はなかったんです。
でも、古本屋で100円で見つけてしまったので☆

主人公の竜二は金髪トサカ頭の不良少年で、両親が居ずに親戚の家をたらいまわしにされた挙句、
心配した担任教師に落語の師匠の下へ弟子として無理やり放り込まれる、という話の導入部。

いちおうミステリーの部類に入りますが、トリックとか解決部分とかはものすごいあっさりテイスト、
そこに期待をして読んだ人はガッカリすると思います。
でも、主人公が徐々に落語の魅力に目覚めて、師匠に反発と尊敬という相反する気持ちを持ったり、
意地悪な兄弟子に意地悪されたり、師匠の破天荒っぷりだとか、
芸人世界の裏側だとか、色々他に心を惹かれる要素があって
(まったく落語なんてしたことないのにこの子、天才っぽいし。
これからどんな落語家になっていくのか、ものすごく楽しみ♪)
読んでてくすっと笑ったり、全くそんな風に見えない師匠の意外な人情にほろっときたり、
なかなか面白かったです。
読み終わって不覚にも、あの乱暴で下品でもうめちゃくちゃな師匠の事が好きになってる
自分に気付くという…。
わたしは全く古典落語に不案内なのですが、それでも落語が聞いてみたくなりました!
とりあえず、続きも読んでみるつもり。


氷姫 エリカ&パトリック事件簿 (エリカ&パトリック事件簿) (集英社文庫)

カミラ・レックバリ / 集英社

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カミラ・レックバリ著『氷姫』読了。
なんかの賞をとってたのでこれまた古本屋で買ってみた。
こっちは北欧の小さな村で起こった殺人事件のはなし。
通常のミステリーの場合主人公はたまたま巻き込まれたり警察関係者だったりして、
事件と関っていくのですが、この物語の場合、主人公は被害者の幼馴染み、
がっつり関係者です。
物的証拠を集めてトリックを見破る、というのではなく、
関係者の心理や互いの人間関係に切り込んでいって、各自の隠している秘密を少しずつ暴いていき、
動機の方面から真相に迫る、という手法。
なので、心理的な面に重点を置いて書かれています。
いや、大体のミステリーってぶっちゃけ人事じゃないですか、
それが自分の住んでる村とかで事件が起こったらこんな感じだろうな、
というものすごい臨場感に溢れてました。
そこかしこでひそひそ噂話されてる感じとか、同じ人についてでもそれぞれの印象がちょっとずつ
違ってたりとか、ああ、こういうことって日常生活でままあるよな、みたいな。
主人公サイドの個人的な事情とか、恋愛模様とか(一晩で5回て、すげえな北欧の30代…!)も
同時進行してて読み応えあったっす。
後、北欧の生活ってこんなんなんやな~。みたいな興味もそこそこ満足させてもらえて

うん、面白かった!

これまた、続きを探して読んでみるつもりです。
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by mi-narai | 2011-12-11 19:36 | 2011年11月の読書

『シナン』 『ぼくらはそれでも肉を食う』他

読書メモをサボっているうちに結構溜まってしまった…


QEDシリーズ、神器封殺と、も一冊。読了。
最近いつも論調が同じところにたどり着いちゃって若干食傷気味。
でも登場人物になれたのでさらっとは読めます。


街場の現代思想 (文春文庫)

内田 樹 / 文藝春秋

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内田樹『街場の現代思想』読了。
面白くてさらさらっと読めるけど、相変わらずうさんくさいですね~!
「あー、分かる分かる!わたしも思ってた!」みたいな共感もするけど、
お前、それ、今考えついたやろ…?という適当そうな意見もあったりして、

みんな、鵜呑みにしちゃダメだぞ?

と、未読の人に言い聞かせたい気持ちにもさせられるという困った作者ざます。


シナン〈上〉 (中公文庫)

夢枕 獏 / 中央公論新社

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シナン 下 (2) (中公文庫 ゆ 4-6)

夢枕 獏 / 中央公論新社

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夢枕獏著『シナン』(上)(下)読了。
どっぷりトルコに浸りたくなって積読本の中からチョイス。
オスマン帝国最盛期スレイマン大帝の時代、アヤ・ソフィアを越えるドームや、
かの壮麗なスレイマニエジャミィをつくった男の話。

いやー、面白かった!!!

終始ときめきっぱなしっスよ!!
だって考えても見てくださいよ!

トルコ
オスマン朝
スレイマン
イブラヒム(スレイマンの臣下で大宰相)
ジャミイ(モスクの事です)
建築家(=職人)
陰謀
友情
郷愁


など、わたしの好きキーワードおてんこ盛りですよ!?
これがときめかずにいられようかいやない。
この作者の本て、実は陰陽師シリーズしか読んだ事ないんですけど、
(後、『アインシュタイン・ロマン』の羊と石のフレーズ)
あれと似た、殺ぎ落とした叙述と会話で淡々と話が進む感じで
なんと申しますか、…大変美味しゅうございました。
ああ、こういう淡白な文章、好きだ…
(佐藤賢一みたいなこてこての熱いノリも好きですが。両極端)
それでもって、こんな淡白な文章であるにかかわらず、物語終盤、
主人公の誠実な建築家シナンが初めてついた嘘に、胸が熱くなって
不覚にも電車の中で涙ぐんでしまいました。
ちがう!これは涙じゃない、心の汗だ!(ずびばー)

うーん、題材が題材なので、ものすごく色眼鏡で点数甘くなってる自覚があります。
そのあたり、差っ引いて聞いて下さいね。オスマン帝国にもイスラム建築にも興味が
ない人が読んだらここまで興奮しないと思うので…
でも、そもそも日本人が書いたトルコに関する小説が少ない中画期的なことだとは思うな!
当時の帝国内の空気に浸れて、すごく楽しかったですよ!
さりげにコーヒー占いも出てきてたしな!
それにしても、当時の政争というか、権力争いは凄まじいですね!
スルタンが決まった時点で他の兄弟は皆殺しとか、知ってはいたけど
あらためて紙面に書かれると、こりゃなかなか過酷だな、と。震撼しました。
ロクセラーヌも怖いヨ!
(この女も、名前だけは知ってたけど、スレイマンのハレムに居たとはしらなんだ)

とりあえず、読み終わったら、アヤ・ソフィア初め各ジャミイを回りたくなる事請け合い。
トルコ観光局は、西国三十三箇所札所巡りみたいに、スタンプラリー組んだらどうでしょう。
良いと思うんだけど。



多読

『Amazing mythology』
一月以上延滞したのでとりあえず返却。
ギリシャ・ローマはトロイア系のところだけ読み、
日本神話も拾い読みしました。


以下、『ぼくらはそれでも肉を食う』の読後メモ。

ぼくらはそれでも肉を食う―人と動物の奇妙な関係

柏書房

スコア:


なんだか長くなってしまったので折りたたみます。

『ぼくらはそれでも肉を食う』
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by mi-narai | 2011-11-13 12:15 | 2011年11月の読書

『哲学者とオオカミ』 『オオカミと神話・伝承』 『オオカミと神話・伝承』

マーク・ローランズ 著『哲学者とオオカミ』
読み終えてしまいました。
昔の京大の哲学の先生方も破天荒な方が多かったと訊きますが
この作者も大概やな。
ものすごい引越し&転職ですよ。
大学教授ってこんなもんなの?それとも海外スタンダード?
後、同じ英語圏なら国を越えて引越し出来るのがちょっと羨ましいなとは思いました。

別に英語が母国語やのうて残念やとは思わへんけどな(日本語を愛してますから)。

長年住んでたアメリカからアイルランドに移った直後の、
まだアメリカ気質が抜けきってない作者とご近所さんとの常識の齟齬のエピソードが面白かった。
(自宅の庭に入り込んだ不審者を、オオカミと一緒になってボッコボコにタコ殴って
「よっしゃ!ふんじばってやった!」と得意になったものの、直後
「しまった、ここはアイルランドだった、やりすぎた…。ご近所トラブルになってしまう」と
青ざめたというエピソード。もしアメリカでこれをやったら、周囲から拍手喝采で一躍ヒーロー)

いやいや、この本の本質はそこではなく、作者が彼のオオカミと暮らすうちに色々考えた事
(主に哲学的…というよりは、ちょっと踏み込んだ人生についてのアレコレ)です。
最初読み始めた時は、随分この作者、人間に対して否定的だなあ、と思ったものですが、
読み進むうちに、そうではなく、人に対する嫌い、という気もちよりも、
オオカミとイヌが好き過ぎるんだな、と感じ始めました。
この人、イヌが好きすぎて、そことの対比でサル(人間に対するメタファー…らしい)を
汚らしい、醜い、と感じてしまうのだなあ。
そう考えると、著者の極端な物言いもちょっと愛おしくなってきました。
(北欧のフェンリル神話に対する、フェンリル側に立っての強力な弁護とか面白かった。
いや、わたしも常々神々には共感力が欠けてるよな、とは思ってましたとも!

後、イヌ好きが講じて、この人、ベジタリアンにまでなってますよ!!
食肉用に育てられてる動物が、食べられるために育てられて殺されるなんて、
あまりに酷い、と思う気持ちはものすごい分かるけど、植物だって生きてるから、な…?
でも、普通に生きてるのを食べるために殺して食べるのと、殺して食べるために育てるのは
こう、相手に対する尊敬度合いが違うねん!!…という主張は分かる。
普段何も考えないで美味しく御飯を頂いちゃってますが、命を頂いている事をもうちょっと
自覚して、ありがたいと思わないとなあ…)

著者が生まれたのは、家族でイヌ(それも大型犬)を何匹も買ってた筋金入りのイヌ好き一族なので
そのイヌ科の動物に対する視点は信頼できるし、作者がブレニン(オオカミ)の視点で
思考しようとする試みも、ものすごいそれっぽくて、
オオカミがどう考えてるか、世界を見てるかなんて、本当は人間には一生わからないんだけども、
著者が描いたオオカミの世界を見ると、多分こんな感じなんだろうなと
読者に思わせるリアリティがあるんですよね。
オオカミ界を垣間見れた気分になって面白かった。
最後のあたりの、ブレニンがとうとう年老いて死んでしまう箇所では、
作者の痛みが垣間見えて(分かる、などとおこがましい事は言いませんけども)
不覚にも泣いてしまいました。

作者の問いかけの根底には「結局、幸せってなんなんだろう」という普遍的なものが
あるように思うのですが、そういったおそらく哲学的な部類に入るのであろう問いかけも、
ものすごく噛み砕いて分かりやすく書いてあって
(作者曰く、この本は学術書じゃなくてエンタメの部類)、たいそう分かりやすかったです。
この理解力の乏しいわたしの頭で分かったのだから、多分誰でも分かる。

作者の個性が強いので、鼻についてダメな人はダメかもしれないけども、
個人的には面白かったです。
後、イヌ好きさんにもオススメ。


オオカミと神話・伝承

ジル ラガッシュ / 大修館書店

スコア:


『オオカミと神話・伝承』
オオカミ関連第2段。
読み終わりました。
最初にさらっと世界各地のオオカミ神話など並べてありますが、
(中央アジアのオオカミ神話とかは興味深かった)
作者がフランス人なので大体ヨーロッパのオオカミ事情についての話です。
おおざっぱには知ってましたが、あらためてヨーロッパの農村の、
農業に比べた牧畜の割合の高さとか、人里とオオカミの生息地の近さとか、
そういったものからオオカミが西欧であれほど憎まれるに至った過程などが分かりやすく
説明され、良かったです。
宗教や童話が人々に与えたイメージなんかも絡めて書いてあったしな!
ヨーロッパで大きな戦争が起こったり、ペストが流行ったりしたときには、
オオカミが死体を食べるので個体数が増えたとか、そういうのも生々しいけど納得の事実。
この本の出版年は20年ほど前なんですが、本出版の時点ではまだイタリアにもオオカミが
いたみたいで、その事にもビックリした。
イギリスでは大分早くにオオカミが絶滅したのは知ってたけど、イタリアはいたのか…!!


千の顔をもつ英雄〈上〉

ジョゼフ キャンベル / 人文書院

スコア:


ジョゼフ・キャンベル『千の顔をもつ英雄〈上〉』読み中。
とりあえず、有名な本なので押さえておくか、と。
世界各地の英雄物語の要素を主に心理学的側面から説明したような本、だと思います。
(アホゆえに理解が浅くてスマン)。
あんまり神話を心理学的な要素のみで説明してしまうのは好きではないので
(だって、読んでて「いやいや、昔の人そんなこと絶対考えてなかったって!」と思いません!?)
へー、ほー、ふーん、と面白がりつつあまりコテコテの部分は流し読みしてるんですが、
この著者、具体的な神話を引いてきて、事例を説明するんですよね。
その具体的な神話部分がとても面白い!
知らなかったような神話がうんとこさ出てきて、目新しいですヨ!
それにこの著者、キリスト教圏の人なのに、ものすごく他の宗教にも公平で、
(というか、キリスト教にも仏教にもその他宗教にも全て客観的)
キリスト教徒の陥りやすい弊害などもちゃんと自覚していらっしゃって、
そのあたりは大変好感が持てました。
早く読んで下巻に進まねば、返却期間が来てしまう。




多読

『A tale of two cities』(レベル4)を読み中。
まだ読み終わらんヨー!(もうちょっと!)
ページの半分ほど知らない単語でも、適当に話をつなげられる自分の妄想力には感謝したい。
革命期のパリが超怖いっス!
正確に文章が分からない故に、ものすごい怖い想像をしてしまって、
多分、本当の話の筋を読むよりビビリながら読書してます。
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by mi-narai | 2011-09-06 22:55 | 2011年8月の読書

『時の娘』 『地中海の記憶』 『哲学者とオオカミ』他


『QED』シリーズ更に2冊読了。
岡山に行って桃太郎伝説が絡むやつと、鎌倉の闇がどうたらいうやつの2冊です。
相変わらず、民俗的なアレコレは胡散臭いけど(主人公の女の子はあっさり納得しすぎ)
殺人事件はオーソドックスなゴシックサスペンス調でとても楽しかった。


時の娘 (ハヤカワ・ミステリ文庫 51-1)

ジョセフィン・テイ / 早川書房

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ジョセフィン・テイの『時の娘』読了。
歴史ミステリーの白眉。
この話、大好きなんですが、また読んでしまいました。
推理もの、というか、考古学や歴史学の、断片的な文物から、分かった事実を繋ぎ合わせて
史実を探り当てていくという、学問的な醍醐味が面白い1冊。
その歴史の謎に刑事の視点で挑む主人公がまた素敵。
毎回これを読んで、リチャード三世に惚れ直してしまうのですよね!
後、リチャード三世の肖像画がロレンツォ・ディ・メディチに似てるというのは
私も思ってました!!


地中海の記憶―先史時代と古代

フェルナン・ブローデル / 藤原書店

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フェルナン・ブローデル著『地中海の記憶』
この人、名前の感じから、ラテンっぽいなあ、イタリア人かスペイン人か?などと思っていたら
フランス人でした。

『地中海』という著書が有名らしく、いろんなところで名前はよく聞くので気にはなってました。
でも、大著『地中海』は古代史の記述がそんなになさそうだし(もともとこの人中世あたりが
専門らしいし)読むのを躊躇してたのです。
しかーし!このたび図書館で『地中海の記憶』という、そのものずばり古代地中海について書いた本を
みつけてしまったのでした、ドンドンパフパフ―。もうこれは読むしか。
目標はほんの3分の2ほどのところに有る、フェニキアとエトルリアについての記述です。

では、以下、読みながら思った事メモ。

・冒頭に、ご本人が「わし、古代史専門じゃないけど、専門家じゃない方が分かりやすくかけるかもしんないし。
いいよね?」みたいに言ってる序文があって、ちょっとカワユイ。

・訳者曰く、ブローデルさんは歴史の学者であるけども、その文体と筆致は文学作品のように
薫り高く、このように楽しみながら歴史を読めて読者は大変幸運である。らしい。
確かに、なんか、読みやすいです。でもって、楽しい。
薄い紙に端から端までぎっしり字が書いてあるから、読んでも読んでも終わらないけどな…。

・先史時代、てか、類人猿の時代あたりから書いてありますよ。
一体どこからスタートする気なんだい、フェルナン…?
(でも、それもまためっちゃ面白かった!
あんまりこの時代の地中海なんて学校じゃ勉強しないもんなあ)

・まず、クレタの記述にときめく。
最近ほんと印欧語族以外の方が楽しくって。
エトルリアも、他の文化の借用が多くって、わりと節操ない辺りが日本人として
共感するなあと思ってましたが、クレタの記述にも
『発見されるものはすべて外からの借用でありながら、同時に全てが独創的だからである。
これは島に特有の文化とはいえないだろうか?』
などとあって、やはりちょっぴり共感する。

・その後、メソポタミアとエジプトと、シリアと、青銅器時代のギリシアの記述なんかがありました。
うろ覚え。

・フェニキアの記述でちょう興奮しました。

フェニキア人かっけーー!!!

奴ら、最強の商人ですヨ!!!商人国家、ってのがかっこイイ!しかも海洋国家だし!!
カルタゴには商業用の長方形の港に、円形の軍港があったのは、前にカルタゴ展に行ったときに
模型で見ましたが、
テュロスにもやはり南の港と北の港と二つ合ったんですね。
うああああ、フェニキアー!!
いや、でも若い子供を生贄にしてたらしいと訊くとちょっぴりビビるんです、ですが、…そんなん、
ギリシャ・ローマ人ましてやキリスト教徒に非難される謂れはないよなあ。

あと、読みながらふと思ったけど、イーノーとパライモン(だっけか?)が海に飛び込んで
レウコテア―とメリケルテースになったという伝説、あれのメリケルテースって、
メルカルト(町の主という意味の名をもつカナン人の神)からきてんのかしらん。
あれ?でも、メルカルトってヘラクレスの事だと思われてたっけ???

・つづくエトルリア記述も面白かったけど、こっちはほとんど知ってることばっかりでした。
ブローデルさんは、最近のエトルリア人形成説を知ってはいたけど、リディアから移民したという説を
推し気味で、それがどうも鼻につく、というか。
後、並行しておさらいに以前読んだエトルリア本を読み返したので記述がどれのものかごっちゃになって
しまった、というのもあります。

この後に、ギリシャ部分とローマ部分が続くんですが、とりあえず、興味のある部分は読み終えたので
いったん、読了と言う事にします。
他にもたくさん本を借りてしまったので、早く読まねば…


哲学者とオオカミ―愛・死・幸福についてのレッスン

マーク ローランズ / 白水社

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借りたその2
マーク ローランズ 著『哲学者とオオカミ』
オオカミ好きなので、借りてみました。
著者は西欧人なので、ところどころ西欧人的なものの見方を脱却できていないなと
感じるところがあるのですが(上から目線で語ってみた)
(無意識のうちに善悪に分けてものを見ていたり、人を騙す事は悪であるという基点に立ってたり。
それが悪だということになってるのは全くもって人間の勝手じゃないの。
もっと大きなところから見たら、単にそういう特徴なだけであって、悪ではないっスよ、多分。
悪であるのはあくまで騙された人間が蒙る被害が問題になってくる場合であって、
人間同士の枠組みの中でこそ最も顕著なんじゃないのかなあ。
まあ、この場合、作者は、『人間が動物の中で最上の者で、他の動物に比べて特に精神活動において
優れている』と思っている周囲の人々の意見を反駁するために、
あえてそういうきつい言い方をチョイスしているんでしょうけども。
ていうか、そもそも人間が動物のうちで一番えらい、などと強烈に思えるのも
西欧人ならではだよなあ…。そんなことない?)
そういうところを差っ引いても面白いよ!
ブレニン(作者の飼っていたオオカミの名前)との出会いから、彼との生活を通じていろいろと
深められた思想などが、読んでてとってもワクワクします。
なにより、作者の、ブレニンへの愛、もういない彼への哀悼の気持ちが滲み出てて、それがいとおしいです。
この人、めっちゃ犬好きやで。
今のところ、目から鱗が落ちたのは、
人間の知能は、集団生活を送るようになって、
自然と自分の関係だけでなく集団内の個々人の行動や順位を読まなければならなくなり、
そうすると、そのうちのいくらかの固体を利用する事を覚え、
自分が利用されないために利口になるようになり、
騙し騙されのスキルアップによって、向上した、のではないか?
みたいな意見。つまり、知能が高いから群れて暮らすようになったんじゃなく、
群れて暮らしてるうちに知能が高くなったと。面白いでしょう!
でも、サルの残忍性(仲間に対する悪意)にはちょっとぞっとする。
このぞっとする、という道徳観念も、そもそもその残忍性があるからこそそれを抑制するために
発達したのではないか、みたいな考察も ちょうおもしろい!

まだ半分くらいまでしか読んでないので、とりあえず後半を読んでしまおうと思います。


多読
『ギリシャ神話』
講談社かどこかから出てる、巻末に単語一覧が付いてる文庫サイズのヤツ。
好きなカテゴリーのものなら楽しんで読めるかと思ったけど、

…なんか、そうでもなかった……

当たり前だけど、知ってるエピソードばっかりだし、
そんな超定番なところをもってこられても…(※そういうものです)
神々の話を読んでもたいして楽しくなかった自分に一番ショックを受けました。
あ、ヘパイストス部分はちょっと楽しかった。


『The Adventures of Ulysses』(レベル4)
これまた、レベル4の棚に並んでたもの。
「ウリッセス?ちゃんとオデュッセウスって綴れよ」と思いましたが、
よく考えたら、これの発音はユリシーズ、か。スミマセン。英語でしたね。
こっちは、期待してなかったけど、面白かったですヨ!
上手に物語として面白く読めるように描いてありましたもの!
後、話の筋を知ってると言うのは強いなと。単語がほとんど分からなくても
情景は分かるからな…!(ダメジャン!)

所々ツッコミどころもありましたが。
・オデュッセウスがテレマコスに自分が父だと信用させるシーンで、ミドルネームを囁く
というのがあったんですが、

ミドルネームなんてねえよ!!

…え?ないよね…?

・アイアイエーかオーギュギエーかパイアケスのシーンで、オデュッセウスが絹の服を着てるという
叙述があったんですが、
絹も、この時代まだないですよね…?

まあ、なんていうか、ミドルネームはあるもんだと思ってるらしい、とか、絹といったら豪華なんだなとか、
欧米人のイメージを垣間見れるのは面白かったですが。


今は
『A tale of two cities』(レベル4)を読み中。
こっちは、話の筋を全く知らないので、ただいま絶賛ストーリーを脳内捏造中です。
今、5年前の親子の感動の再会を果たし終わって、5年後のロンドンでの裁判のシーン。
…ほんとにこの筋であってんのかしら…(読み終わったら答え合わせせねば)


映画
ハリーポッターの最後のヤツ、見に行きました。
これで恒例行事がなくなってしまうと思うとちょっと寂しい。
ええと、見てる間は楽しく没頭してたのですが、
見終わるとあんまり覚えてないという不思議。何故…!?
とりあえず、強烈に思った事をメモ。

・途中のマギー・スミスの、スリザリン生に対する処罰は酷すぎると思います。
・全てがハリーに集約しすぎじゃい!
・よく考えたらえっらいピンポイントにローカルな舞台の話だったよね…
・最後のあたりの夜明けのホグワーツ、どこかで見たことが、と思ったら、『ICO』でした。

あくまで強烈に思った事、だからね!ちゃんと見てる間は楽しみましたからね!!

今回も、あのお方を演じていらっしゃったレイフ・ファインズさんは名演技でした☆
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by mi-narai | 2011-08-19 00:17 | 2011年8月の読書

『生物と無生物のあいだ』 『街場のアメリカ論』 『ユダヤ人を救え!』他

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

福岡 伸一 / 講談社

スコア:



福岡伸二著『生物と無生物のあいだ』読了。
さすが賞を取った本です、面白かった!
最初は、分子遺伝学の歴史、DNAがどうやって発見されるに至ったか、を書いてるだけかと思ったけど、
(それだけでも面白かったけど)
最後の、生命の不可逆性にどきっとさせられました。
生命のモデルを考える時、ロボットみたいに考えがちだけど、途中で止めたり、取り替えたりできる
ロボットと違って、生命は一度プログラムが組み込まれてしまうともう取り替えが効かず、
途中で止めるとやり直しも効かず、本当に一発勝負なのですヨ。
もし必要な遺伝子を最初から全部抜いたら、他のものでなんとか代用しようとするので
生まれてくる子供は通常どおりなのだけれども、
部分的に欠如した場合、ある程度は存在するのでうまく代用がすすまず、異常が現れてしまう、とか、
目から鱗でした。
命は大切だ、とは良く見る字面ですが、誰がそれを実感できているのでしょうか、
わたしも普段はそうだなあとは思いつつも本当に実感は出来ていなかったように思うのですが、
今回この本を読んで、実感のほんの端っこをかじるくらいは出来た気がします。


街場のアメリカ論 (文春文庫)

内田 樹 / 文藝春秋

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内田樹著『街場のアメリカ論』読了。
仏文学者の著者が門外漢の立場から、アメリカについて書いた本。
ていうか、アメリカに対する日本人の意識に着いて書いた本。
毎回この人の話を読むと、胡散臭いなあとは思うんですが、面白いんですよね~。
今回も、「そうかなあ」と思う部分もたくさんあったけど、概ねはにやにやしながら楽しく読めました。
日記を書かない間に読んだのが大分前になってしまったので記憶が朧なのですが、
その中でかろうじて印象に残っている事と言えば

・親幕府フランス人
 幕末、維新側にはイギリスが、幕府側にはフランスが、主に援助していたのですが
(ざっくりした説明だなオイ)
フランス人には結構親身に幕府の人と仲良くなった人も居たみたいで
最後幕府が敗れてからも、幕府の残党と共に戦ったりしたんだって(へー、知らなかった)。
なんか、ちょっとキュンと来た。

・アメリカ人の自己イメージ
 結構「どうせ嫌われてるし」と思ってるみたいで、これにも若干キュンと来た。

・アメリカの政治の仕組み
 人間は権力につくと腐敗するものだ、ということをよく分かっていて
その上で、一般国民にトップが無能な事で引き起こされるダメージがなるべく行かないように
設計してあるらしい。
クールです(C/内田)。
そもそもイギリスから独立した経緯があるから、自国民のトップに対する不信と言うよりも、
英国に対する不信から、そんなことになってるような一面はあるようなんだけど、
それでもやっぱ政治の仕組みはそうして作るべきだよなあ、とわたしも常々思ってたので
思わぬところで同意してしまいました。
政治家の皆さんが皆が皆腐ってるとは思いませんが、皆人間なんだから誘惑は少ない方がイイですよね!

なんだか、読み終わると前よりアメリカがちょっぴり愛しくなりました。


飢えたピラニアと泳いでみた へんであぶない生きもの紀行

リチャード・コニフ / 青土社

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リチャード・コニフ著『飢えたピラニアと泳いでみた』途中まで。
自然専門のジャーナリストが、取材中などにぶち当たった出来事や感じた物事を書いたエッセイ、的なもの。
もっと生物的な内容を踏み込んで書いてあるのかと思ってたんですが、
どちらかというと、もっと叙情的な感じだった。
なんというか、動物や自然を取材して、筆者が感じた事もあますところなく書いてある感じ。
カブトガニの項目では、環境政策に絡めて書いてあってなんか考えさせられました。
思ってたのと違ったけど、面白かったです。
でも、次の本が溜まってたので3分の1ほどで返してしまいました。


ユダヤ人を救え!―デンマークからスウェーデンへ

エミー・E. ワーナー / 水声社

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エミー・E. ワーナー著『ユダヤ人を救え!』読了。
第二次世界大戦中、デンマークに在住していたユダヤ人の9割は助かったらしい。
それは、デンマークが国中で、全国民が一緒になってドイツをだまくらかして
ユダヤ人を対岸のスウェーデンに逃がしたから。
そんな史実について、関係者の証言を中心に書かれた本。

予め大体のユダヤ人が助かると分かっているので安心して読みました。
それでも、デンマークの港町から逃れる部分にはハラハラしたし、
スウェーデン側の受け入れには涙しました(ズビバー)。
結構、分かってて見ない振りをしてくれたドイツの軍人さんもいたようですよ。



現在黒田龍之介著『ロシア語の余白』読み進み中。
ロシア語の発音はなんか綺麗だなあ。



映画『ナルニア』3見に行きました。
3Dに意外に違和感が無かった。
なんか、原作を読んだのが昔過ぎてどういう話がベースだったのか全く思い出せない…
(エンディングはあんな感じだった気がしますが。あとユースチスの不幸と)
とりあえず、ペベンシー家の下の二人はいい感じに育ったなと思いました。
カスピアンは優しい顔立ちなのであまり髭が似合わないけど(もうちょっと年をとったら
いい感じに似合ってくると思う)。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::

ご連絡くださった皆様、ありがとうございます(ご無事でよかったっス!安心しました)!!
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by mi-narai | 2011-03-21 22:23 | 2011年3月の読書

『京都の平熱』

岩波新書の『現代ヨーロッパの言語』かなんかいう本を図書館で立ち読みしてたんですが、その中のスペイン語の項目に

『「女を口説くにふさわしいのはイタリア語、男と話すにはフランス語、神と語らうにはスペイン語」というくらい、ヨーロッパ人の耳にはスペイン語はおごそかに響くらしい』

と書いてありました。ふーん、そうなんや…


京都の平熱 哲学者の都市案内

鷲田 清一 / 講談社

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鷲田清一先生著『京都の平熱』読了。
いや、大阪本を読んだからには京都本も読まねばならん、と思って。
大阪本のほうは、他地方の人の目を通した大阪だったんですが、
こちらの『京都の平熱』は、京都で生まれて京都で育った鷲田先生(お勤めは大阪)による
住んでる者の目線で見た京都(=つまり平熱の京都)です。
ガイド本では全くなく、京都の人の気質から、都市論までを淡々と語っておられます。
しかし、3代前から京都に移り住んだ鷲田先生一家はご本人曰くまだまだ京都人じゃないとか、
いったい京都は真の京都人と名乗るに値するまでにどれだけの代替わりを住人に求めるのか…!!

京都駅から東回りにぐるっとバス路線に沿って回りながら、
観光とは関係なく、住人目線で京都を見ていくコンセプトの都市案内なんですが、

些事は忘れた!(おいこら)

印象に残ってる事を挙げると

①大阪本と違って、さすがに哲学者が書いただけあって思想が掘り下げてある気がする。
(その分大阪本の方が読みやすかったけども。読み応えはこちらの方がありましたよ)

②京都市民、プライド高ぇ!(ブルブル)

③意外と奇人率高いのか、な…?

の3点でしょうか。
②に関して申しますならば、なんといいますか、
なんでも面と向かって宣言したりしないのです。
言うなれば、真綿で首をしめるように、じわじわ殺す…!
やんわり拒絶されてる感が行間から感じられ、読みながら非常に胆の冷える思いが致しました。
京都は本当に素敵なところですが、小さい頃から住んでるならまだしも、

大人になってから引っ越したくはない…!!

…と強く思いました(全面降伏)。
いや、多分ね、実際住んでみたらきっと皆さん優しくしてくださるだろうとは思うんですけどね。

③に関しては、首都を譲ったことに付随する特典かもなあ、と。
さすがに首都ともなれば、そうそう変人奇人を受け入れられないよなあ。
しかし、鷲田先生の言に乗せられて
ついつい『奇人の多い町は住みやすいそうでいいんじゃないの?』などと
考えている自分にふと気付いて自分で驚く清一マジック。
山という定点があるから、碁盤の目が通ってる町並みでも不安にならない、
奇矯な振る舞いをどこまでしてもいいかという意味での臨界点・奇人、
派手な服装の限界点という意味での芸子、質素を突き詰めた僧侶、
という枠が示されているから、
却ってその範囲内で自由に振舞える、
という指摘にはなんだか納得させられてしまいました。


後、鷲田先生は京大を、その学問への姿勢を、京都市民の学生への暖かい眼差しを、
とても誇りに思ってらっしゃるのだなあとも感じられ、それにはほのぼの致しました。
さすが大学の町…!

ああ、あと、羊羹で有名な虎屋、アレ、本店京都らしいよ!
ずっと東京の店なのかと思ってました。
それと、京都府民も京都タワーはどうかと思ってるらしい。
(にも関らず、最近は地方から帰ってきてタワーをみると『京都に帰ってきた…』と
思ってしまうらしい)

続きは派生したアホもうそうなので、折りたたみます。

続き
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by mi-narai | 2010-11-02 23:24 | 2010年10月の読書

『新編・普通を誰も教えてくれない』

新編 普通をだれも教えてくれない (ちくま学芸文庫)

鷲田 清一 / 筑摩書房

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鷲田清一著『新編・普通をだれも教えてくれない』読了。
わしだせんせいによる哲学的エッセイ集。
なんか、最近鷲田先生お気に入り。

先生、のっけから飛ばしてくれます。
どうやら先生は携帯電話(メール)がお嫌いらしいのですが、
その理由が

「返事が来なかったら寂しいから」

なんだもん!
可愛すぎます!!
(いや、実際はもうちょっと深くて、人とつながろうとする意図で作られたはずの
そういった電子機器が却って人の孤独を深めているのではないだろうか、というご意見なのですが)

身体論などを物しておられる先生、女性のファッションやファッション誌についても
詳しくてらして、アンアンやノンノをひも解く先生を想像して内心「ぷぷ」と
噴出してしまいました。


後、個人的な今回の先生の名言は

「あほになれないひとがほんとのあほである」

常々感じていたワタクシの中のかっこつけに対する忌避感を見事に集約した一言です。
ていうか、関西て、かっこつけに対して厳しくない…ですか?
どちらかというと、夢見る乙女だったワタクシ、ほんとうは色々かっこつけてみたかったのですが
そういう試みは小さい頃から何度も何度も周囲に踏みつけられ冷たい目でスルーされ、
今ではすっかりわたしもアンチかっこつけ派に。
…こうして鍛えられていくのよね…。
今から考えると昔のわしは本当にバカオロカじゃった…。(今は多少ましになったと信じたい)
周囲の皆様には多大な迷惑をおかけしてホント申し訳なく…

それと若干かぶっているのですが、
本当に卓越した技術というのはその社会がその技術において一定レベル水準に達しているという
豊穣な土台があってこそ育まれるものだ、という趣旨のお言葉が、
大阪の芸人さんや噺家さんに関連して書いてあって
それにも感覚的に大きく頷きました。
数少ない知人を通してのイメージなんで個人的な雑感でしかないのですが、
おおさかのひとってほんとおもしろいですよね…。
普段の会話から、常に言葉やタイミング、抑揚などをチョイスして、
いかに上手に話すかを無意識に心掛けているような。
(なので、おもろない芸人と無神経な人間にはものすごい厳しい気が)
…わたしの周囲の人だけなのか??
自分がどこをどう転んでも口下手話下手でつくづく面白くない人間なので
ワタシは心底上手に喋れる人が羨ましいですよ!!

閑話休題。
鷲田先生は、メルロ・ポンティに代表される身体論と臨床哲学を専門としておられる方らしいのですが、
最初臨床哲学と聞いて「???医療現場の哲学??」などと頓珍漢な勘違いをしていた私
今回の本でようやく先生の目指しておられるところが
「現場に出て、人との会話の中で考える哲学」だと分かり、目から鱗が落ちました。

…ていうか、ソクラテス大先生といい、つくづくワタシはこのタイプの哲学者が好きだよなあ…。
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by mi-narai | 2010-03-16 02:31 | 2010年3月の読書