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『父という余分なもの』『ヒト 異端のサルの一億年』『精霊の守り人』『アーサー王と聖杯の物語』

父という余分なもの: サルに探る文明の起源 (新潮文庫)

山極 寿一 / 新潮社

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山極寿一著『父という余分なもの』
あの有名な京大の霊長類研究所の先生で、つい数年前に京大の学長に就任した著者が書いた
霊長類の研究から家族構成における父親というのもの役割ひいては
動物学的な比較、社会性の発達段階の観察等を書いた本。
その本が古本屋で200円で売られてて、しかも解説がかの鷲田清一先生と来れば
もうこれは買うしか!
そういえば、この先生、京大学長に推挙されちゃったとき
学生たちがこぞって反対したそうですね。曰く
「先生が研究できなくなる!」
愛されてんなぁ…。

それはさておき内容です。
長年ゴリラ研究にいそしんできた著者がその集大成として社会制度の萌芽としての
父について考察した、大真面目な一冊でした。
古い神話とか見てると、大体古代人は女系なのかなと思ってたんですが、
ところがどっこい、類人猿は父系社会なんですって。
ほ乳類はそもそも雌が集団で暮らして、雄がその集団を離れてよそへ行くパターンが
多いのだけれど、類人猿とその他一部だけは、雌が生まれたグループを離れて余所へ移っていくらしい。
なので、まずゴリラから種として分かれ、次にチンパンジーとボノボに枝分かれした
人類も、初期は父系のグループを作ってたんじゃないかという類推なんだけど

意外!

でした、これが。
もっと社会的な要因で女性の移動が始まったのかと思ってたけど
そんな昔からの風習だったんかいな。
いや、まだ推測の域を出ないので分かりませんが。
後、主食と群の構成比率とか、社会性などを比較する項目も面白かったです。
雌が発情を隠すか隠さないかとか。
以前読んだジャレド・ダイヤモンドの本を思い出しました。


鍋奉行犯科帳 お奉行様のフカ退治 鍋奉行犯科帳シリーズ (集英社文庫)

田中啓文 / 集英社

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田中啓文著『お奉行様のフカ退治』
言わずとしれた鍋奉行シリーズの一冊。
これまたさらっと1冊読んでしまいました。
相変わらず、安定していて、お約束が利いていて読みやすい。
一番へーと思ったのは、江戸時代くらいには、
きゅうりって黄色く熟してから食べていたらしいと言うことです。
あれ、食えるんや!!
昔はもっと苦かったみたいだけど、品種改良して苦くないのを作り出したんだって!
へー!


ダブル・ジョーカー (角川文庫)

柳 広司 / 角川書店(角川グループパブリッシング)

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柳広司著『ダブルジョーカー』
お借りした本。
これまたさらっと読める薄い本です。
でも薄くて正解かも。
あんまりスパイの、油断できない張りつめた世界の話ばかり読んでいると息が詰まってしまいそう。
でも、表題作の、陸軍主導の新たな諜報機関と我らがD機関の対決は
D機関が相手をさらりとかわすのが気持ちよかった。


おちくぼ物語 (文春文庫)

田辺 聖子 / 文藝春秋

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田辺聖子著『おちくぼ物語』
これまたお借りした本。
古典『落窪物語』の現代語翻案で、物語の雰囲気や登場人物、大筋はそのままに、
現代人向けにアレンジして欠かれています。
有名な物語だけど、一応ざっと説明しておくと、書き手は不明で、
落窪の君というひどいあだ名を付けられている女主人公が、継母にいじめ倒されるけど
機転の利く侍女のおかげもあって男前の若君に見初められ成り上がって継母を見返すという話。
面白かった!
もともと『落窪物語』って大衆小説で、当時から文学界の偉い人には蔑まれていたらしいけど
確かに文学的高尚さはないけど大衆受けしそうなこれでもかという展開があって
ぐいぐい読めてしまいました。いや、これは田辺聖子さんの力量なのかな。
今で言うところの少女マンガみたいなあらすじですよ!
いいじゃないですか、サブカルチャーっぽくて。
解説が美内すずえ先生だったのがまたびっくり。


パラダイス・ロスト (角川文庫)

柳 広司 / 角川書店

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柳広司著『パラダイス・ロスト』
これまたお借りした本。
いや、借りたやつから読まないといけないなと思ってさ。
ダブル・ジョーカーの次の巻ですが、特には続いてないです。
相変わらずのスパイ戦。
今回はアニメで見たやつが多かったので、さらさらっと読みました。
もうそろそろおなかいっぱいです。


精霊の守り人 (偕成社ワンダーランド)

上橋 菜穂子 / 偕成社

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上橋菜穂子著『精霊の守り人』
こいつ、また時流に乗りやがって、と思うでしょう。
まあ、そうなんですけど、本を買ったのはもう20年も前なんですよ。
もともと児童文学が好きで、この本も出てすぐくらいに買って、
でも当時は海外の面白い児童文学を山ほど読んでたし、自分も若かったし、
「面白いけど、ふつうくらいかな」と思ってたのですよ。
4冊目の『虚空の旅人』まで買って、次巻が上下巻だったので躊躇してるうちに
月日は流れ、なんか知らんけどブームになって、文庫化(!)して
ドラマ化までされちゃって、
ドラマ見た父母が「原作貸してくれ」と私の蔵書を持って行き、続きを文庫で揃えるに
至って、これは、最初に買った私だけが読んでないなんてことがあってはならん、と
遅ればせながら読み始めた所存。
どうせ読むなら1巻目から再読してみた。
この1巻目は、読んでから随分経ったので薄ぼんやりどろっとした異世界のイメージと
女性と少年の逃避行、みたいなイメージしかなかったんですが、
ドラマを見てあらすじをおさらいしていたので、たいへん分かりやすく読めました。
うん、面白かったよ。
自分も年をとったので、ちびっこと別れるときのつらさとか身につまされちゃいました。
オーストラリアの民俗などを研究しておられた著者のことなので、言われてみれば神話感はそんな感じ。
昔、オーストラリアが舞台の現地神話に根ざしたファンタジーを読んだことがあったけど、
話の筋はともかくその豊かな世界観には刮目しましたもの。それを思い出しました。

闇の守り人 (偕成社ワンダーランド)

上橋 菜穂子 / 偕成社

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上橋菜穂子著『闇の守り人』
続けて読破。
主人公バルサが故郷カンバル王国へ帰る話。
1巻目の温暖湿潤地帯かつミクロネシアっぽい世界と打って変わって
からっと乾いた草原と山岳地帯の話だったので、毛色が変わってて
なんかすごい楽しく読み進みました。
部族間の陰謀に巻き込まれたり、やはりちびっこに肩入れしたり、今回も主人公のバルサは
大車輪の活躍ですよ。
人間に使われてる小さい牧童たちが、じつは大地の民であるという設定は、
サトクリフの『太陽の戦士』に出てくる先住民たちを連想しました。
2巻目なので主人公やその他の登場人物たちにも愛着がわいてきて、読みやすい。
それにしても、バルサさんが味方に付いたときの安定感がハンパないですよ。
彼女がいれば安心だ!って思っちゃうもんな。

夢の守り人 (偕成社ワンダーランド)

上橋 菜穂子 / 偕成社

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上橋菜穂子著『夢の守り人』さらに読破。
バルサの幼なじみのタンダが夢に捕まっちゃう話。
あー、わかるわー、29歳って微妙なお年頃やんなぁ(そこかー!)
若干トロガイ師の言い回しが大仰すぎるなとは思いましたが、
今回は諸国放浪譚ってよりは、純粋にTHEファンタジーって感じの筋書きで
これはこれで面白かったです。
『花冠の竜の国』で出てきそうなネタだった(笑
でもネタで終わらせずに人生のほろ苦さを混ぜてくるあたり、さすがだと思いました。

虚空の旅人 (偕成社ワンダーランド)

上橋 菜穂子 / 偕成社

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上橋菜穂子著『虚空の旅人』
わたしが自分で買ったのはここまで。
今度は南の島国サンガル王国にチャグム皇子が特使として出向く話。
諸国漫遊譚再び。いや、この世界を旅する系の話は大好物なので超楽しいです。
言葉が東南アジアっぽいのもまた楽しい。
物語の進み方がなんか見えてきましたよ。諸国漫遊譚にその国の陰謀を絡めて
主人公が巻き込まれる系ですね。それにもう一つの世界がらみのサイドストーリーがさらに絡んでくると。
今回は商売っけの強い国の話でしたが、以外に直情バカのタルサン王子が好感触。
可愛かったです。
チャグムはお着きのシュガが霞むほどご立派でいらしてまあ。成長したわね。
誰かチャグムを左側に据えて右側シュガとかタルサンで薄い本書いたらええねん。
是非買うのに。(やめなさいよ)

神の守り人〈上〉来訪編 (新潮文庫)

上橋 菜穂子 / 新潮社

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神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫)

上橋 菜穂子 / 新潮社

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上橋菜穂子著『神の守り人(上)(下)』読了。
ここまで来たら、一気に読みますよ!
またもバルサがちびっ子の護衛をして大変な目に遭う話。
今回はロタ王国のごたごたに巻き込まれてます。
バルサもタンダも毎回必ず重傷を負うので慣れたとはいえいつも痛そう…。
今回は、他の巻にもまして血なまぐさく、あいたたたと思うシーンも多かったけど、
やはり面白かったですよ。
ちょっと状況と設定説明が多かったですが。
しかしまあ、どこの国も大変だな。そんなもんか。

蒼路の旅人 (新潮文庫)

上橋 菜穂子 / 新潮社

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上橋菜穂子著『蒼路の旅人』
わたし、わりとチャグムの話が好きみたい。
なので、これも期待して読んだのですが、諸国漫遊譚っぽい趣はあるけど
ずーっと捕まったままで、敵の強大さを思い知らされただけで雰囲気は重苦しかった…。
作者はタルシュ帝国の勢いばかり書いてるけど侵略で大きくなりすぎた国は続かんぞ。
中国も、ローマもオスマン帝国もな…。

天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編 (新潮文庫)

上橋 菜穂子 / 新潮社

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上橋菜穂子著『天と地の守り人(上)』
えっらいとこで終わった前巻の続きです。
貸してくれた母がこの天と地が一番好きといっていたので。
母の性格から類推するにたぶんチャグムが活躍してすっきり大団円で終わるのだろうと勝手に予想してます。
それなら私も楽しみ♪
しかし、まだ上中下とあるうちの上巻なので追い込まれて崖っぷちな状況が続いてます。
後、守り人シリーズが好きな人は、絶対ジル・オールが好きだと思うな。
後(2)、著者がサトクリフ好きって書いてあるじゃん!
そうだろう!!
世の中の人はもっとサトクリフを読むべき。

天と地の守り人〈第2部〉カンバル王国編 (新潮文庫)

上橋 菜穂子 / 新潮社

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天と地の守り人〈第3部〉新ヨゴ皇国編 (新潮文庫)

上橋 菜穂子 / 新潮社

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上橋菜穂子著『天と地の守り人(中)(下)』
中と下はほぼ一気読みしたので。
中でようやくバルサがチャグムに追いついて、またもチャグムを守って用心棒なのでちょっと楽しかった。
下巻は、まあ、想定内というか。
チャグムがちゃんと間に合って、良かったです。
タンダは気の毒だったなぁ…。最前線の下っ端なんてあんなもんだよなあ。


アーサー王と聖杯の物語―サトクリフ・オリジナル〈2〉 (サトクリフ・オリジナル (2))

ローズマリ サトクリフ / 原書房

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ローズマリ・サトクリフ著『アーサー王と聖杯の物語』
買いだめておいたものをここで。
サトクリフは再話よりオリジナルの方が断然おもしろいのですが、残念なことにこれは再話の方でした。
でも、さすが作家だけあって、無味乾燥な中世の騎士物語がすっきりとした筋で大変よみやすくまとめられています。
聖杯の話が知りたい人にはお勧めの一冊。
アーサー王物語関連の話はむかーしざらっと読んだのですが、
まあ大体忘れていたので新鮮な気持ちで読めました。
聖杯は結局ランスロットの息子ガラハドが手に入れるというのは覚えていましたが、
ガラハドがあんな鼻につく若造だというのは忘れてました。
後、ランスロットが可哀想だった。
中世の話なのでキリスト教色が濃くてかなわん。


アーサー王最後の戦い―サトクリフ・オリジナル〈3〉 (サトクリフ・オリジナル (3))

ローズマリ サトクリフ / 原書房

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続けてローズマリ・サトクリフ『アーサー王最後の戦い』
アーサー王の物語は、最初の魔術師マーリンの助けでアーサーが王になって
彼の周りに円卓の騎士が集まるところがピークな気がする。
聖杯探求で騎士たちはバラバラになり、ある者は二度と戻らず、
この最後の戦いでは、宮廷が崩壊してしまいます。
この話も、むかーしざらっと他の本であらすじだけ読んだ気がするのですが
その時は敵方のモルドレッドのせいで争いが勃発した、位にしか思ってなかったのですが、
このサトクリフの再話を読んですっきりどういう流れかが分かりました。
やっぱり悪者はモルドレッドだった。
そして、やっぱりランスロットとアーサーは可哀想だった。
モルガン・ル・フェイはほとんど出てきませんでした。
マーリンもサンザシの下で眠りについた後なのでぜんぜん出番がなく、それは残念。
ケルトのフィンと黄金の騎士団の話の最後を読んだときも思ったけど、崩壊する話は悲しいなあ。
色合いがにているのは、アーサー王伝説の方もケルトの伝承を下に敷いているからでしょうか。


ヒト―異端のサルの1億年 (中公新書)

島 泰三 / 中央公論新社

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島 泰三著『ヒト 異端のサルの一億年』
半世紀ほどサル研究に携わった著者が、人間もサルの一種として客観的に見ながら
霊長類の進化をたどった一冊。
それぞれオランウータンの観察時に東南アジアにいったときのこととか、
ゴリラやチンパンジーを追ってアフリカに赴いたときのこととか、
若干エッセイ風に書いてあって、それがまた作者の驚きや感動が伝わってきて
思いの外心揺さぶられました。
意外におもしろいんだ、この本!
まだ途中で、オランウータン、ゴリラ、チンパンジーと類人猿を見てきて、
次にアウストラロピテクスなので、続きを楽しみに読もうと思います。

読了。
アウストラロピテクス類がハイエナみたいに骨食ってたという説にはびっくりした。
そうなんや!
ホモ・エレクトゥスやネアンデルタールが筋肉ムキムキだったのは前から知ってましたが。
この人たち、肉食獣とて食っちゃう、スーパー肉食だったみたいですよ!
それに比べて人類は華奢で、雑食で、ネアンデルタールとかがいたら、
そこを迂回して進むような、肉体的には弱い種だったみたい。
肉食だったネアンデルタールたちの数が少なかったおかげで最終的に勝ったようなものですよ。
そういえば、アフリカのホモ・サピエンスはともかく、ネアンデルタールの居住地だったヨーロッパ南部から中東にかかるあたりを通過したホモ・サピエンスには、
もれなくネアンデルタールの遺伝子が入ってるみたいですよ。
しかもネアンデルタール×ホモ・サピエンスですよ。
欧米人の顔かたちはそのせいでは、とか邪推しちゃったよすまん。

最後の章で、最近の遺伝子研究からわかる日本人の近縁についても書かれてましたが、
中国南部の少数民族とか、北東アジアの少数民族とか、南米の少数民族とかみたい。
お隣さんの中国人とか韓国人とは割と遺伝的には遠いみたいですよ。
あれやんね、辺境故に古い血が残った系の。方言周辺論と似たような現象よね。
ちょっとおもしろいなと思いました。
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by mi-narai | 2016-09-25 22:42 | 2016年下半期の読書

『やってみなはれ みとくんなはれ』『炎と茨の王女』『白金の王冠』『魔法使いの王国』

文化の日、出勤しておったんですが、
一人で部屋に居るときテンポの遅いノックの音がしたもんで、
誰や、思ってドアを開けたら、京都弁の例のチャーミングすぎる上司が向かいの印刷室に
入りかけてたんです。他に人影がなかったので(あと独特のスローノック)
「あれ、なんかご用でしたか」
と声をかけたら、振り向いて、びっくりした顔をして

「ほんまにおった」

と一言。
別に用はないねんけど、今日来たはんのやったら
ほな、顔みよか、おもて。用はないねん。
とにこにこ笑いながら印刷室の方へ去って行かれました。

部屋に戻って一人で悶えた。
(おおおおおちくしょおおおお可愛いなオイ!!!!)
70過ぎてこれだけ可愛いのって反則でしょうがッ!!!!!


大阪のプラネタリウムで「古代ギリシャの星座たち」みたいなプログラムをやってたので
ちょっくら見に行ってみました。
今回は気持ちよすぎる椅子の誘惑にも屈せず、最後まで起きてましたよ…!
(そこ、自慢するところか)
星空解説とともに、今現在使われている星座、星のまとめ方のうち、ギリシャ神話由来のものは、
実はメソポタミア文明の時代には大体ざっくりあのくくりができあがってて、
(とはいえ数は半分くらいだったらしいけど)
それを引き継いだギリシャ文明が自分とこの神話をそのくくりにかぶせました、
という説明を聞いて、長年の疑問がちょっと解けました。
一番の収穫は、クジラ座(ペルセウスに退治される海の怪物)が、メソポタミアの
文献ではどうやら「ティアマト」と呼ばれていたらしいということです。
マジか。確かに海水の怪物に近い女神ではあるけど。


アサヒビールの工場見学に行って、ビール苦手なのに3杯も飲んで来ました。
ちょっとアサヒに対する好感度アップしました。単純です。
酒関係の見学は楽しいな!


テレビ

コズミック・フロントNEXT 宇宙を大航海、の回
いかにして打ち上げた探査衛星が目的の星まで行くか、という話。
いつもの宇宙のしくみといった理論物理的なはなしでなく、純粋に技術系の話だったので

超燃えた!!!

技術屋の話はかっこいいよね!日本人技術者頑張ってる!!!
何か問題があっても投げ出さずにひたすら地道にねばり強く解決の糸口を探る姿に
わたくし大変に感動致しました!
後、スイングバイもよく分かった。
SFで出てくる宇宙船もスイングバイすればいいのに。
長距離の場合はその程度の加速じゃ間に合わんかもしらんけど…
ていうか、やっぱり航海長は大変なんだな、と思いました。
ヤマト2199で航海長だった島君、
惑星やらなんやらの重力の影響とか全部計算に入れて航路割り出してたんだよな。
すっげーな!
機関長も叩き上げで素敵ですけどね!
後、今更真田さんが副長だったんだと知りました。そうやったんか!!


「アジア巨大遺跡」
どこもすごかったけど、
その遺跡ごと、違う観点で撮ってて面白いな、と思いました。
各々、思ったこと
パガン…富の再分配について。なるほどな、と。
しかし、これ、サークルが小さい方が回りやすそう。

兵馬踊…キングダム読みたい…!!!
始皇帝て、13歳で即位したのですね!
古代中国における諸々のハイスペックっぷりはいつも通りなので、
ちょっと麻痺しちゃってますが、
よく考えれば紀元前にあれだけしっかりした官僚組織作って
全国も統一して、って、すごいことですね。
そこんとこは、中国はもっと誇っていいと思う!

三内丸山遺跡…定住狩猟採集民。字面がなんか不思議な感じ。
狩猟採集民なのに定住しちゃってますよ、みなさん。
それを可能としてたのは、日本の温暖で湿潤な気候なんだろうなあ。
弥生時代に入って、なんで稲作文化になっちゃったんでしょう。
ちょっと残念に感じました。
稲作るより、栗拾う方が楽やで奥さん。
でも、そこらへんでそろそろ統一国家作っとかないと
西からの圧力とか、もっと時代が下って開国の時とか困ったろうから
長い目で見ると良かった、のかな…?
ともかく。縄文文化について新たな見方を教えられた回でした。


「数学白熱教室」
また始まった白熱教室。またも理系だったので見てみました。
全4回の1回目。
なんか、のっけからすごいよ!
数学には、幾何学とか、代数とか、数論とか、色々分野があるじゃない、
この先生、その分野を一つにまとめよう、という壮大な研究「ラングランズ・プロジェクト」に
挑んでらっしゃいますよ!
物理学で言うところの統一理論ですよね!!おおおお!!!
これまた燃える!!!

いや、数学の難しいアレこれにはとんと無知なんですが。

勿論学生時代に数学はやりましたけども、そんなの覚えてないよ!
幾何学が図形のやつだって知ったのもこの番組見てだよ!!
(この程度の随分残念な数学能力しか有しておりません)
そんな無知蒙昧な一般市民にも分かるよう、先生は大層かみ砕いて説明してくださいます。
まずは数を数えると言うことと、「対称」についてじゃった。
確かに、数学の世界はプラトンのいうところのイデアの世界に近いのかもしれません。
図形の概念なんて、実世界には完全な円も四角形も球も存在しないもんな。
それを、球というのはこう言うものだ、と決めて、それがどういうものか理解出来るって、
すごいことかもしれん。宇宙人と会ったとして、同じ数学なのか、という疑問も気になるところです。
なので先生の、物理学の世界は新しい発見で次々とセオリーが塗り替えられていくけれど
数学の世界は一度発見されたものは永遠だ、という言葉もちょっと頷ける。
ピタゴラスの定理もピタゴラスがたまたま発見者として有名なだけであって
他にも自分で見つけた人いたろうしな。
…いや、それは物理法則も同じなんじゃ………まあ、いいか。
数学嫌いなわたしでも楽しく見れてるんで、たぶん、わたしよりは理数に強い
他の大多数のみなさんならもっと楽しく視聴できること請け合いです。
後、先生が好みの男前なんだ!(あくまで個人的に)
(ちなみに先生はロシア出身でいらっしゃるので、やたらロシア推し。
調和解析という音の波長を数学的に見る分野の話の時には、
きっとチャイコフスキーが引き合いに出されるに違いない。楽しみです)

そういえば、番組中背景にちらっと
「スーパーストリングスセオリー」ってカタカナが見えたけど、これって

超弦理論のことかーーー!!!!

(直訳かよ!)


「100分DE名著 サルトル」
別に実存主義にもサルトルにも興味はなかったんだけど、
鷲田清一先生の「哲学個人授業」でサルトルの実存主義を
「つまり、彼女が女であることとか彼女とはとかそういうことやない、
僕には彼女自身が問題なんや、てことでしょう」
という解説が印象的だったので、ためしにいきなり2回目を見てみた。
「個人授業」で読んだ時はサルトルの文章からの引用はさっぱり分からなかったんですが、
仏文学者の解説する「嘔吐」は、

どうしよう、めっちゃ分かる…

理屈として理解出来るのはいいとして、それ以上に、サルトルさんの言いたいことが
実感として心に迫りました。せやんなぁ…としみじみしてしまった。
そうやねん、ほんまはよって立つとこなんかなんもないねん。
せやからほんまは他人がどうこう言うても所詮他人の言葉やねん。
(それが正しいかどうかなんか誰に分かるねん)
でも、そう思うとよけいに足下が不安定になるもんやんなあ。
それを自由と言い切っちゃうサルトルさんが好きだ!
せめて他人の構築したとっかかりじゃなくて、自分が作ったものを支えにしよう、
という考えも好きだ!

流れで3回目も見た。
これも、うんうん、そうやねんよなぁ、と思いながらしみじみ見てしまいました。
結局、社会で暮らしてる以上、他人にこう思われているであろう自分に
引っ張られるよなあ。
そこを、相手を見つめかえす!という覚悟を決めたサルトルさんがやっぱり好きだ!
仏文学の先生にならって、わたしも「さらば、下種どもよ」を最終呪文として
覚えておこうと思いました。



ここから本

宇宙137億年の歴史 佐藤勝彦 最終講義 (角川選書)

佐藤 勝彦 / KADOKAWA / 角川学芸出版

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佐藤勝彦先生著『宇宙137億年の歴史』読了。
最後の5ページは、もう駅に着きそうだったので若干流し読みましたが、
それでも最後まで読み切りました!えっらい時間掛かった!
でも面白かったです。
最後の辺りは、この宇宙の外側の話で、
いろんな説が載っててこれが楽しかった。
ダークエネルギーが、その外っ側の他の宇宙からの重力じゃないかって説、
話が大きすぎてなかなか想像しづらいけど、面白いな!
後、アインシュタインが一度没にした宇宙項のアイディアが、
近年もう一度見直されたって話を聞くにつれ、
アインシュタインどんだけほど天才やねん、と驚きを新たにします。
すごいよな~!!


シェイクスピアを楽しむために (新潮文庫)

阿刀田 高 / 新潮社

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阿刀田高著『シェイクスピアを楽しむために』
有名な話がざっくり説明してあって、一冊読むとシェイクスピアを大体知った気になれます。
オセローって勝手にローマ時代の話だと思いこんでましたよ。
ルネサンス期のイタリアか!
後、劇のシナリオは文字で読むより実際に演じられているところを見る方が
10倍は面白い、というのは、わたしもつくづく思いました。
面白くなく舞台化しちゃうパターンもあるだろうけど
(劇団四季の「トロイア戦争」はイマイチだった…)
やりようによってはものすごく魅力的に膨らませることが出来るんだなあと。

シェイクスピアの「史劇」がイギリス中世を扱ったものだけを指すのも初めて知った。
ヘンリー4世、5世、6世、リチャード3世あたり
あの辺り、ランカスターだのヨークだのテューダーだのややこしいんだよな~。
ジョセフィン・テイの「時の娘」の影響でわたしはリチャード3世推しです。

マクベスもウィンザーの陽気な女房たちもジュリアス・シーザーも
初めてあらすじ知ったわ!

著者の阿刀田先生とはいまいち趣味が合わない気がしてきましたが、
解説は大変わかりやすかったです。


つれづれ、北野坂探偵舎 トロンプルイユの指先 (角川文庫)

河野 裕 / KADOKAWA/角川書店

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『北野坂』タイトルうろ覚え。
お借りした本。
貸してくれたお茶友が「今回全く推理ないっスよ!」と言ってましたが、

ほんとになかった…!!

北野もほとんど出てこないしな。登場人物も標準語だしもう舞台東京でいいんじゃね。
木曜8時の京都シリーズかっちゅうの(あれも全く舞台が京都である必然性がない)。
ただ、『137億年』の後に読んだから、ものっすごいすいすい読めました


やってみなはれみとくんなはれ (新潮文庫)

山口 瞳 / 新潮社

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山口瞳、開高健著『やってみなはれ みとくんなはれ』読了。
二つ前のあさどら「マッサン」の鴨井の大将の大ファンだったので
そのモデルとなったサントリーの創業者鳥井信治郎について読みたくなって。
それでまず何か伝記みたいのがないかをググって、結局、この本にたどり着いたと言うわけです。
ところで、この本、文庫なんですけど、まず驚いたことが二つ。

①そもそもサントリーの社史として書かれたものが余りに面白いので
紆余曲折を経て文庫化したものであるということ。
②山口瞳、開高健の両名は、直木賞、芥川賞作家なのであるが、
もともとサントリーの社員で、賞を取ってからも社員で居続けたということ。

どっちにもびっくりしたよ!
ビックリ気分のまま読み始めて、内容の社史からぬ小説っぽさ、熱気、
語り口の面白さにグイグイ読み進めてしまい、
最終的に泣き笑いのような顔でサントリーの熱気に当てられて読み終わりました。

面白かった!!

社史として書かれた以上、サントリー推しは当然としても、
両著者が会社を、その構成員たちを、創業者の鳥井さんを愛してるのが伝わってきてじんわりし、
その上かつてのサントリーのチャレンジ精神あふれる社風にワクワクしました。
鳥井信治郎さんは、良くも悪くもアクが強くて印象に残る人だったみたい。
冷静で大胆な商人だけど、神頼みが頗る激しいところも、情にもろいところもあって
清濁すべてを併せた上でたいそう魅力的な人だったようです。
著者がかつての鳥井さんの思い出を社の重役たちに聞いて回る場面があるんだけど
語り手の口調が一様に懐かしそうで、愛情に満ちててさ。
著者の力量もあるんでしょうけど、うっかり一緒に「大将はすごい人やったで…」
みたいな気分になっちゃいましたよ。胸熱。
「やってみなはれ」、という大将の口癖もすごい好き。
そもそもかつて『プロジェクトX』で見て個人的に壺った
南極観測隊副隊長西堀栄三郎さんの口癖も「やってみなはれ」やったらしいしな。
作中の、「つまり、やってみなはれ、というのは、起こり得る事態は全て想像し、
準備も万端に整えた上で、その時が来たら踏み切れ。やるとなったら迷わず賭けろ。
ということだ。」
という解説にもすごいうなずいた。
そうやな。
単に行き当たりばったりで手を着けるのはだれでも出来る。
準備は整えて、やるとなったら一心に打ち込まんとな。
ロスチャイルドの本を読んだときに痛感した、早くて正確な情報は商売に欠かせない、
という教訓とともに、商人の心得として心に刻みました。
別に商売人になるつもりはありませんが。

後、長男で若くで急死した吉太郎さんは、小林一三の娘さん春子さんと結婚してた
というプチ情報にも吃驚しました。
ちょうど某N○Kで小林一三の回を見たところなので!
世間は狭いな!!
さらに、サントリーが二代目佐治社長の時にビール方面に打って出ようとしたとき、
アサヒだけが味方になってくれたと聞いて、アサヒを見直しました。
こないだビール工場見学に行ってただ酒飲ましてもらったとこだしね!
(美味しかった!)


炎と茨の王女 (創元推理文庫)

レイ・カーソン / 東京創元社

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白金の王冠 (創元推理文庫)

レイ・カーソン / 東京創元社

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魔法使いの王国 (創元推理文庫)

レイ・カーソン / 東京創元社

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レイ・カーソン著『炎と茨の王女』『白金の冠』『魔法使いの王国』三部作読了。
面白かった~!
よう出来たエンタメです!!
この本のおかげで、帰りの電車が待ち遠しくて待ち遠しくて。
行きには「やってみなはれ、みとくんなはれ」を読んでてやっぱり楽しかったし、
読書中は通勤路が全く苦ではありませんでした。
読了して、「これから何を楽しみに生きて行けば…」
面白い本を読み終わったときには必ず思う寂しさをまたぞろ感じてしまいました。

まず全体的に。
ジャンルとしてはロマンス要素ありのファンタジー(どちらかというと女性向け)。です。
ファンタジーには珍しく、スペイン語っぽい人名や地名です。太陽熱そう。
で、個人的に大層楽しんで読んだことは上で述べましたが、その面白さを考えるに、
大河ドラマ的な、名作少女マンガを読んでるのと同種のものかな、という感じを受けました。
読みやすかった。読んでる間中ワクワクして、また、次々危機が起こるので肝を冷やしたり、
主人公の恋の行方にハラハラしたり、全く飽きなかったよ!
でも、人生哲学とか、緻密な推理とか、そういうのは薄いので、
そちらをお求めの向きにはご期待に添わないと思います。
後、難を言えば、歴史好きとしては、歴史の構築がちょっと弱かったかなと。
まあ、それが主眼の物語ではないんで、いいんですけど。

主人公は、小国の二番目の姫エリサ。ゴッドストーンを帯びた娘。
美人で有能な姉にコンプレックスがあっておまけに太ってて(ちょっとやそっとのぽっちゃりじゃありません。
完全にアウトな太り方です)、周囲からは全く軽んじられている体で登場します。
でもこの子、ものすごい頭はいい子なんです。戦術書「ベレサ・ゲッラ」や聖書
「スプリクトゥラ・サンクタ」を丸暗記するほど読み込み、その知識は学者並。
なので見た目や周囲の評価に反して、割と最初から出来る子です。
オマケに、意外にきかん気で頑固です。相手の侮りに負けてなんていません。
(なので、読者はそんなにいらいらしません。ストレスフリー)
そんな主人公が何の手違いか、隣の大国の王様に嫁ぐことになって、
姉を差し置いて結婚式挙げるんだけど、隣国への道筋で既にハプニングが。
いきなり山賊におそわれて乗ってた馬車が炎上、死にそうな目に遭うし、
旦那を助けるために山賊殺しちゃうし、
旦那の国に着いたら着いたで夫は難癖つけて結婚した事実を公にしようとしないし、
もう、どないやねんな!という目にこれでもかと会います。
が、もちろん、それで終わりではありません。

序の口です。

1巻に引き続き、2巻、3巻でも色んな目に遭いまくります。
そのたびに知恵を絞って対策を考え、心を鬼にして決断し、なんとか乗り越えて、
最終的に見違えるような成長を遂げます。

その主人公も好感がもてて良かったですが、愁眉はヘクトールです。
ヘクトールっていう名前の王の近衛隊長が出てくるんですが、
名前に負けぬいい男だったんですよ!終始!
もうわたしはそれだけでもこの本をお勧めする価値があると思っています。
スペインっぽい世界観のファンタジーにヘクトールの名前を見るのはなんだか
不思議な感じがしますが、南米のスペイン語圏の国々って今でも
ヘクトールとかネストールとかオレステスって名前多いですもんね。
著者がヘクトールという名前の登場人物を、素敵な役に配置してくれて嬉しい!
キャラクターの素敵さと、名前の響きから連想する素敵さが相乗効果で
出てくる度にときめきました!ごちそうさまでした!

後、ぜんぜん関係ないけど、ヘクトールの名前調べてて初めて知ったけど、
イタリア人男性の名前、「エットーレ」ってあれ、「ヘクトール」か!
クレシダがクリュセイスだったと分かった時以来の衝撃
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by mi-narai | 2015-11-20 22:47 | 2015年下半期の読書

ラジオ、TV、『イオニアの風』

今更ではございますが

響也の声=浦島 マジでー!?(驚愕)

コルダ4 マジでーー!?(大喜び)

マジで2連発でした。
二つ目の驚きは嬉しい驚きですよ!嘘予告とかじゃないよね、コー○ーさん!?


それはさておき、最近のわたくしの娯楽、それは

夏休み子ども科学電話相談

でございます。
先日ようやく「パソコンでラジオを聴く」という技を会得したわたくし、
二ヶ月間、田中先生のラジオ講座を視聴したその流れで、
調子に乗って上記のN○Kラジオ第一も聞いてみることにしたのでございます。
(田中先生が植物担当の回答者として出演してらっしゃるから)
あ、でもやってる時間が時間やから、仕事始まるまでのわずかな間だけやけどね。

いやー、これが思いの外楽しくって!
小学生のイノセントな質問、
難しい単語が使えなくって四苦八苦する先生方
(なんとか分かるように簡単に答えようと頑張る姿に全視聴者感涙)、

説明に付いていけなくってだんだん声が小さくなっていく質問者…、
やりとり全てに癒されます。
それだけでも十分お釣りがくるほど楽しいのですが、
先日Togetterの「まとめ」見つけちゃったの!
こちら
子ども電話相談聞いてた諸先輩方のつぶやきを親切な人がまとめてくれてるんだけど、
それ読んで、腹が捩れるくらい大笑いしてしまいました
皆、うまいことツッコんでるなあ!!
(わたしも、田中先生は「言うてみて」と「覚えてね」が多すぎると思ってた!)
それに、わたしが聞けない時間の質問と回答もチェックできて二度おいしい仕様。
ちょっと!みなさん!カラスって黒くないんだよ!
鳥って人間より見える色が多い、って話は、なんかの雑誌で読んだけど、
カラスの目を通すとあの黒い羽、鮮やかな青に見えてるらしいよ!(マジかー!)

8/6から8/23までは高校野球中継でお休みなんだけど、
8/24、8/25は確かまた田中先生が植物の回答回なんで、
聞ける時間だけでも聞くぞー!
と決意を新たにした今週のわたしなのでした。


見たテレビの話

コズミック・フロント・NEXT
『月の発光現象』の回
月って、近いのに意外と知られていない天体なんだなとしみじみ実感する回でした。
そりゃ、地球のことさえまだちゃんと分かってないくらいだもんな。
とりあえず、コレ、と思ったポイントを手短に箇条書きに。

・月が発光してるって報告があることさえ知らんかったよ!
いや、月は毎晩光っちゃいるんだけど、それとは別に、月の一部がちかっと瞬くことがあるんだそうですよ。

・しかも何種類も発光の原因があるのにもびっくりした。

・そのうちのひとつ、レゴリスが原因の発光現象が幻想的で好き!
月の表面を覆っている細かい砂をレゴリスというらしんだけど、
その砂は光を浴びるとプラスの電荷を帯びるんだって。
月には大気がないから、直接光が当たるし、オマケに重力も弱いし、
日の出の時には、光の当たった部分のプラスになったレゴリス同士が反発しあって
空中にふわーっと浮かんで、それが光を反射して、遠くから見ると
その部分だけ帯のように光っているように見えると。
その映像がまたね!細かい光が宙を待っているのがとても煌きらしくて、
すごく美しかったのですよ!

・もひとつの、ラドン原因の方も、面白かった。
地下にウラン鉱脈がある場所が光る、って話なんですが、
ウランが分解するとラドンになるの?そのへん詳しくは知らんけど。
そのラドンが地面の割れ目を通って地表に出てきて、発光するんですよ!
割れ目が出来た経緯もすごかったけど(ちょうど反対側にえっらい勢いで隕石がぶつかったから)、
ウランが分解した経緯もスリリングでした。
潮汐力で月や地球は完全な円じゃなく、時々楕円になってるらしいんですが、
月はそのゆがみと引っ張られる力によって内部にマグマ層があるんじゃないかと、
考えられているらしい。意外に冷え切ってなかったんですよ!

・むかーし、月は地球に10倍近かった。てのも、ロマンだなあと。
夜空の月はものすごい大きかったのだな…。
(干満の差が大変そうですが)


『キトラ古墳』
この回も、すごく!すごーく面白かった回でした!
キトラ古墳の天井部分に天体図が描かれてるんですが、
それを解析するために、初めて天文学者と歴史学者が手を組むの!
ちょっと前に、この解析結果がニュースにもなってたと思うんですが、
結論としては、この天文図は古代中国の夜空なのではないかという事でした。
でも、それを解明するまでの紆余曲折が、このドラマの鍵なのですよ。
観測年代と天体図が作られた年代がずれてて、そのずれをまた微妙に修正とか
してるみたいで、なんかすごい複雑なことになってんの。
また、天体図が、当たり前ですが、みんながよく知るギリシャの天体図とは
全然違うんです。いや、もちろん、星の配置は一緒ですよ。
その星から作られる星座が全く違うの!
そう知って始めて、ちょっと天文学はギリシャ神話に毒されすぎだな、と
思いました。ギリシャ以外の星座も知ってみたいよな。
中国の星座は、以前大阪のプラネタリウムがやってた
「安倍晴明」のプログラムで見てざっとは知ってましたが、
北極星の天帝を中心に、天界の宮殿、町の様子、などが地図みたいに配置されてんの。
星座の名前が、あたりまえだけど、漢字名で、聞いたことあるなと思ったら
ちょっとだけ読んだことがあった「ふしぎ遊戯」でした。
28宿が特に重要な星座なのだそう。
カノープスの呼び名「老人星」も好きだなあ。

『コスモス』の回
アメリカの宇宙科学番組とのコラボ番組です。
さすがアメリカ!CGに金かけてますよ!
映像が詳細かつ美しい…。このCGだけでも見る価値はあります!

次回、クレオパトラの天体図の再放送ですよ!


「心と脳の白熱教室」
今回は、前半2回は楽観脳と悲観脳の話、後半2回はサイコパスの話っぽい。

前半2回まで見終わった時点で、
「自分は楽観的だな」、と思っちゃうあたりわたしは十分おめでたい人間です。
でも、根気と粘り強さには自信あるよ!
好奇心を持ち続けられるってのにも自信あるよ!
いや、楽観主義って、ポジティブ思考よりも、前述の根気・粘りと、行動力の方が大切らしいので。
それに、悲観脳、とか言われるとなんか暗いイメージですが、要するに慎重だってことですものね。
アフリカ人と日本人比べたら圧倒的に日本人悲観脳だって聞くし。
すんごい昔、人類が極東まで旅してくる間にいろいろな苦難を経たせいで、
ピンチにもあわてず対応し、先を読んで行動できるよう脳の慎重に行動する回路が発達した、
的な説明を聞いたことがあるので、慎重さは持ち合わせていないとむしろいかんと思います。
あれ?なんの話だ?
とりあえず、残り2回はまたがらっと講義の趣旨が変わりそうですが、
楽しみに視聴したいと思います。

アップしないうちに3回目も見た。
サイコパスの話だった。
いや、サイコパス性言うてもいろんな項目があって、
あった方が社会に貢献するような資質があることも分かってんですけどね、
それに、誰しも寛大な部分も無慈悲な部分も、他のどんな部分も持ってて、
要するに分布の問題っちゅうか、程度問題なんだろうけど、
でも、相手に対する同情心がないって項目は、
…それは、全くない人はちょっとやだなあ…。と思いました。



ここから本

殺人喜劇の13人 (創元推理文庫)

芦辺 拓 / 東京創元社

スコア:


芦辺拓著『殺人喜劇の13人』読了。
ばけもの好む中将と一緒に貸してもらったもの。
えっらい前に出た本らしく、まだ携帯電話もパソコンもなく、
同人誌は手書きが主だった時代の同志社大学の話です。
文章がやや読みづらく(いらん記述が多い気がする。特に前半は
学生の一人の手記の体裁をとっているのでよけいに)、
登場人物も多くて人物把握がしにくいのですが、それでもそれなりに面白く読めたかな。
一昔前の大学生っぽいノスタルジーがなかなか。
おんぼろの寮にみんなで住んでたりする、あの貧乏臭さが。

それにしても、のっけからハイスピードで人が死にますよ。
もちろん、わたしは推理ものを推理しながら読まないので、最後まで犯人は分かりませんでした。
(いや、途中で、この3人の中の誰かだったりして、とは思った)
最後の謎解きのあたりも、男子学生同士のやりとりが、いちいちよう分からんけど、
(なんで怒るのか分からん所でいきなり怒り出したりする。
なんか、外国のギャグ聞いてるみたいな感じ。どこがツボか分からん)
これがデビュー作だったらしいので、いろいろ未熟だったり詰め込み杉だったりするのは、ご愛敬かしら。


イオニアの風 (中公文庫)

光原 百合 / 中央公論新社

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『イオニアの風』
常々、自分はCPや物語における登場人物の好みが、一般よりもちょっとだけ
マニアックなのやもしれんなとは思っていましたが、
それでも、この広い世の中、まれに、ときめきポイントが極めて近しい人が存在するものなのです。
普段、孤独を感じている分、時々そういう同志をみつけると、本当に嬉しい…!
『アキレウスの歌』の時もおそらく作者が感じたのと同じであろう箇所でときめきましたが、
この『イオニアの風』にも同じ場所で同じようにときめいている確信(一方的に)があります。
何がいいたいのかというと、

楽しかったー!

いや、どっちかというと、児童文学とかラノベに近い、読みやすい話(文体も筋も)で、
あんまり深刻すぎるシーンとか、救いのなさすぎる展開などもなく、
あー、まあ、こんなもんかな、みたいな予定調和がないこともないし、
神話そのものというよりは、神話風ファンタジー、というのが一番近いとは思うんですが
でも!ですよ。わたしは最初から最後までワクワクしながらすごい楽しく読み終えたのよ。
すみません、わたしは利己的で自分勝手なエゴイスト(いずれもほぼ同じ意味)なので
原作との乖離具合がどうであろうと、改変があろうと
オデュッセウスとヘクトールとペネロペイアが良く描かれていれば
割とそれで満足です

(正直さだけは自らの長所リストに入れたいと思っています見習いです。)

あらすじとしては、神々と人間の決別、それに先立つ神々の賭、の話。
前半はプロローグ部分(長いな)で、
1回目と2回目の賭(パリスとヘレネーと、メネラオスとヘレネー)の話、
後半が物語の中心、3回目の賭とその中心人物であるテレマコスとナウシカアの話です。
(この後半部分が作者の創作で、この辺りが特にファンタジーっぽかったけど、
迫る危機に、勇気を持って立ち上がる若い男女とくれば、手に汗握らないはずが!)

以下、恒例の登場人物雑感

テレマコス 本編の主人公。
いいんじゃない!?このテレマコス。
年相応に不器用でぶっきらぼうですが、そこがまた青い感じで良い!
模範的なツンデレです。
(コルダ3の響也と下天の蘭丸を足して2で割った感じ、と申せばわかりやすいでしょうか)
でも、大事なところでは選択を間違えないの!
すごいいい子だった!良い若者だったよ!
成長を見守る大人目線で観ちゃったよ。

ナウシカア 本編の主人公その2。テレマコスの相棒です。テレマコスよりちょっと
大人びてるかと思いきや、妙なところで意地とか張っちゃって、
テレマコスとうまく行きそうで行かない、という、高橋留美子的恋愛模様が
全編に渡りお楽しみいただけます。
もう、あんたたち、最初からお互いのこと大事に思ってんのに、
さっさと素直になりなさいよー!
などと、お節介おばちゃん全開で読み進んじゃったよ。
ああ、あのモダモダ感、たまらんかった!楽しかったー!
まさかギリシャ神話ベースの小説できゅん死しそうになるとは思いませんでした。

テレゴノス 当て馬。いや、テレゴノスが出てくる話自体が珍しいよね。
学者肌のキルケーさんと並んで、意表を突く設定で、
いや、これはこれで良かった。意外に気に入っちゃいました。
テレゴノス本人に話を戻せば、体だけ成長しちゃった子ども、ですよね。
人格形成と育成環境の相関性について考えさせられます。

パラメデス うふふ。最初から正体が分かってたことが今回の見習いの自慢です。

アガメムノン アガメムノンは気の毒だった…。
いや、作中の彼はマジでひっどい男なんだけどね。
どうしても悪役が必要な場合、アガメムノンが振られがちなんだけどさ。
今回メネラオスが良い役配置だからよけいに、なのかな。

メネラオス よし!わたしはこういうメネラオスを待っていた!

ヘレネー 今回珍しくヘレネーに同情しました。
慈善事業に持って行くのはあざといとは思うけど、なんもせんよりマシ。

オデュッセウス 超男前!きれいなオデュッセウスですよ、これ。
いや、基本的にわたしもだいたいいい奴だとは思ってますが、
普段は、オデュッセウスに対しては、
「オデュッセウス先輩ならなんか面白いことやらかしてくれる」
「どんなピンチもどうにかして切り抜けてくれるに違いない」

というワクワク感が強いのです。
しかし、この本のオデュッセウスにはときめきました。

うわー、オデュッセウスにときめくなんてずいぶん久しぶり!(暴言)

(×十年ぶりくらいですよ。悪い人ではないんだけども、あかん部分が多すぎて、
他人に悪し様に言われても流石の私も肩を持ってあげられない、てかさ…。
まあ、いいか…)
高校生の時分、最初に「イーリアス」を読んだときの純粋な気持ちを思い出したよ。
だって、いちいち言動がパーフェクトなんですもの!
まあ、テレマコスのコンプレックスの原因だから、このくらい完璧に仕上げてきてるんだろうけども。
でも、素敵なイタケ王をありがとう、ありがとう!

ペネロペイア 安定のペネロペイアです。こうでなくてはな…!

ヘクトール これまた安定のヘクトール オデュッセウスとヘクトールの関係性、
アステュアナクスの措置については、ほとんど同じ事を妄想したと告白します。
自分で手を下した方が修正を加えやすいよね~という話。


贔屓の人々が皆素敵に描かれているのはいいのですが(唯一、アガメムノンはひどいけど)、
アキレウスは叙述3行くらいが出てくるだけだし、
他の英雄に関しては出てきもしないので、それをご期待のむきにはここで警告しときますよ。
しかし、アキレウスが出てこないトロイア戦争も珍しいよな。
(無双OROCHI2のせいで、今アキレウスさんが結構なお気に入り)


神々編
ゼウス、ポセイドン、ヘラ様あたりは、名前が出る程度。

アテナ いつものお姉さま。

アプロディーテ 全く悪意のない自然体な女性。このアプロディーテは好きかも。

ヘルメス 安定のヘルメスです。あまりにいつも通りなので毛ほどの違和感もなかったほどです。

いつもなら、このヘルメスにときめきを持ってかれるところですが、今回は更にわたしのハートを鷲掴みにしやがった神が在した。その名は↓

アレス! 

ちょう萌えた。
みそっ子のアレスに超萌えた!
(大事なことなので二度言いました)
うおおお、アレスーー!!!
最後の、自分の神殿の神官さんとのやりとりなんて、わたしを悶え苦しませるためのトラップかと思ったわこん畜生め!
いやー、いいね、いいですね、いつものダメっぷりに時々男臭さがまじると
破壊的に魅力度が増しますね!


あー、もう、ほんと、楽しませてもらいました!
しかし、毎回言ってるからまたか、と思うかもしれないけど、
この本こそ!まさにわたしが楽しいと言ってるのはマジでものすごい個人的に気に入ったせい、なので、
やはり一般向けには広く喧伝しづらいのです。
わたしの個人的な好みのツボとの合致度が高すぎて、もはや
これが一般的に見て面白いのかどうか、判断がまったくつかぬ!
なので、この本は、似たような萌えポインツをお持ちの方のみに
そっとお勧めさせていただきたいと思います。




ポール・アダムズ『ヴァイオリン職人』シリーズや森遙子『望郷』、田中修先生の『植物はすごい』、田中啓文の『こなもん屋うま子』も読んだけど、また次回。
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by mi-narai | 2015-08-09 17:03 | 2015年下半期の読書

『ポケットに外国語を』 『運命の騎士』 『人は何故集団になると怠けるのか』

目白台サイドキック 女神の手は白い (角川文庫)

太田 忠司 / KADOKAWA / 角川書店

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太田忠司著『目白台サイドキック』さらっと読了。
THE日本のミステリーって感じの、あんまりアクの強くないあっさり風味です。
コテコテの洋ものに疲れた時にはこのくらいのフラットさがちょうどいい。
変人と噂される主人公の先輩も意外といいやつだったし。
最後の、事件の趨勢とは全く関係ないオチには

なんやそれ!!

と盛大にツッコみましたが。
この人、オカルト色入れんと気がすまん人なんかしら…


ポケットに外国語を (ちくま文庫)

黒田 龍之助 / 筑摩書房

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黒田龍之介著『ポケットに外国語を』
読了。

面白い!!

若干内田本と共通する軽さというか、鵜呑みに出来んなと思う感じは
ありますけども(当たり前です、エッセイ本ですもの)、
ものすごく読みやすく、かつ、なんかもう、やたらと語学がやりたくなる本です。
勿論、語学を生業としている著者なので、むやみと語学を勧めたり、
習得を気軽に考えるような学習過程を舐めたところなどはひとつもなくて
反対に、世間では「すぐ身につく英語」みたいなテキストばかりもてはやされてるけど、
そんなもんやない、語学の習得というのは時間もつぎ込む労力もかかるものであると
再三口を酸っぱくして仰っておられるのですが、
でも、なんだか、読んでると、かつて自分が知らない言葉に対して感じていたときめきとか
好奇心なんかを思い出して、ワクワクしてしまうのですよ。
テレビのテロップを見て「アラビア語って現在も使われているんだ!!」と改めてびっくりする感じや、
(アラビア語との初対面が物語の中だったので、実際の使用例を見て感動する)
タイ語やヒンディー語など自分の知らない文字が模様に見えるのに、
知っている文字(まったく不得手な英語でさえ)はちゃんと意味をもって読める、という不思議に
ある日ふと気づいた時の驚き、
また、このただの模様だったものが言語を習得するにつけある時点から「文字」に変わった瞬間の感動、
そんなものに共感できる人ならきっと面白いと思うと思う。
それにわたし、著者の語学に対する姿勢にも共感します。
就職に得だからとか、役に立つからとか、
それも大事な理由だけど、語学の魅力はそれだけじゃないのよ!ってことよね?
勉強するなら、楽しいからという理由でやりたい。

以下、特に心に残ったことをメモ書きしておきます。

・リトアニア語。
語学を勉強するものは、古い時代の印欧語族の人々が
どういった言葉を話していたか体感したければリトアニアの田舎に行けと
言われるくらい古い形を残した言語らしい。
有名なのか。

・英語は孤立後に近付いている。
ずっと、そうじゃないかとは思ってたけど(屈折が簡素化してるもん)、
やはり専門家に言われると、そうなんか~と納得する。

・遡りたくなる、という気持ちや、歴史に興味がある辺りも、不肖わたくしなどがどうこう言うのも
おこがましいとは知りつつも、分かる!分かるよ!面白いよね知りたいよねその辺!と握りこぶしで
同意してしまった。


運命の騎士 (岩波少年文庫)

ローズマリ サトクリフ / 岩波書店

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ローズマリ・サトクリフ『運命の騎士』読了。
高校時代に一度読んだきりだった本書。
ローマン・ブリテン三部作が有名な著者ですが、これは
中世(ノルマン・コンクエスト辺り)イギリスが舞台の物語です。
ローマン・ブリテンの方では侵略者だったサクソン人たちは、
今度はノルマン人たちに侵略される側に回ってて、
なんちゅうか、因果は巡るよなあなどとしみじみ。
舞台は目新しいけど、主人公が少年で、
歴史の動きと連動して本人自身にも大事件が起こり、成長する、という
いつもの骨子は健在です。
今回の主人公はみなしごの犬飼い、ランダル。
彼が楽師に拾われ、騎士に預けられ、自分の居場所を獲得するまでの物語です。

最初のあたりは「あれ?こんな本読んだっけ??」と首をかしげそうになるほど
覚えていなかったのですが、読み進むにつれ、思い出してきた。
そうそう、無二の親友べービスとか、
先住民のふしぎな女性アンクレットとか、出てきてた!
これまた安定の面白さです。
この作者は、本当に、自分が見もしていないことを
そこに実際に人がいて実際に暮らしていると
読者が錯覚してしまうようなリアリティをもって描くのだよなあ。
オルハン・パムクの時も思ったけど、すごいなあ。
だから読んだ後、本当に自分がその場にいて体感してたみたいに
余韻が重くて、ちょっと戻ってこれなかったりするんですよね。
後、この作者はちょっとした感情の動きを描くのもうまい。
主人公と、二つ年上の城主の跡取り息子べービスが友達になる段での
主人公のうっ屈した心理や、
青年になった主人公とヒロインが初めて心通じ…そうになって、
直前でそこまでいかなかった時の、なんか物足りない感じなんかが
手に取るように分かります。
初読時の今よりもっと未熟だったわたしはちゃんと分かって読んでいたのかしら…。

しかし、今回も友情が熱かった。
通勤途中だったから鼻すするくらいに抑えましたが、
家で読んでたらおいおい泣いてましたよ、くそう、今回もやられたぜサトクリフ!
これで文庫化した岩波本は全部読み終わっちゃったので、
他の出版社から出てる本に手を出そうと思います。
アルキビアデースの話とかもあったはずだから、楽しみだな~。
でもハードカバー持ち歩くの大変だから、
「ケルトとローマの息子」みたいに、ちくまさん文庫化してくれないかな…(他力本願)。


人はなぜ集団になると怠けるのか - 「社会的手抜き」の心理学 (中公新書)

釘原 直樹 / 中央公論新社

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『人は何故集団になると怠けるのか』読了。
とりあえず、自分への戒めとして買ってみた。読んでみた。

いや~、なかなか面白い。
一見軽いハウツー本みたいなタイトルですが、
一応社会学の見地から、色々な原因と結果を検証してる本だからね!
新書なのでさらっとさらえてある感じですが。

さぼる原因も手を抜く要因も各種存在して、
勿論もともとの主体の特質なんかも関係してて、
ある状況下で要因が一つないし複数組み合わさって、
手抜きとかタダ乗りなんかが発生してるんだけども、
いちいち、あー、そうだよな~、などと納得することしきりでした。
この世は人を怠惰な手抜きへと導くファクターが多すぎるな!
誘惑に満ちておる…!!
まあ、別に管理職でも経営者でもないから、いまんところ
そこまで危機感はないんだけども、
手抜きの蔓延した社会はちょっと嫌だなあと思うので
(特に政府や行政機関を信頼できないのはつらい。
なんやろう、規模の大きさと情報の透明さなんかしら)
本当は真面目に考えた方がいい問題なんかもしれん。

とりあえず、罰は手抜き対策にはあんまり効果がない事はよく分かった。
してはいけないことをした時に叱るのはいいけど、
たとえば子供の伸ばしてやりたい性質に対して、
それができていないからと言って叱るのは逆効果であるのだなあ…。


小鳥を愛した容疑者 (講談社文庫)

大倉 崇裕 / 講談社

スコア:


大倉崇裕著『小鳥を愛した容疑者』読了。

これまたさらっと読み終わりました。
洋もののしつこいくらいの状況描写とかに毎日漬かってると、
たまに読む日本人推理作家の本は

さらっさら読めるな!!

いやー、清涼剤みたいで読むのが楽しいです。
お話は、怪我で閑職にまわされてリハビリ中の元刑事と、
動植物対策のために外部から雇われた専門家の若い女性が
2人三脚で動物(ペット)がらみの事件を解決する、という短編集。
出てくるペットは、十姉妹、蛇(種類忘れた)、ケヅメリクガメ、ワニガメ、シマフクロウ。
主人公の一人、薄さん(若い女の子の方)が本当に動物愛に溢れまくってて
ブレがなくって良かったですよ。
該当ペットの飼い方なんかも事細かに説明されてて、
それもまた楽しかった。しかし、肉食動物を飼うということは、
餌の小動物の処理もしなければならんということなのだな…。過酷。


アルフハイムのゲーム (ハヤカワ文庫SF)

ジャスティナ ロブソン / 早川書房

スコア:


ジャスティナ・ロブソン著『アルフハイムのゲーム』読了。
古本屋で100円くらいで売ってたので。
もうないだろうと思っていたのにみつけてしまいました

どうしちゃったのハヤカワさん第3弾!

SF文庫から出てるんだけど、これ、日本の出版だったら確実に
ファンタジーの本棚ですよ。
おまけに、おおまかにロマンス寄り。
SF部分は若干舞台が近未来なのと、5年前に物理学の研究所が事故を起こしたせいで
並行世界がごっちゃになったって設定だけ。

だからこういうの、SF文庫で出しちゃだめだってば!

硬派なSFファンが間違って買うでしょうが!
主人公が事故で半身を失ってめちゃめちゃサイボーグ手術を施されてて馬鹿強いので
ある種爽快感はあるし、出てくるエルフが男前なのは良いポイントなのですが、
作者のせいか訳のせいか、設定が分かりづらく、事故後5年しか経ってないのに
事故前の世界を知る者はいないとかアホなこと言い出すし、
アメリカで起こった事故なのに全世界規模だし(おいおい、アジアを巻き込むな)、
おまけに肝心の「ゲーム」がなんのことだか分からない。
ごめん、あたし、最後までなんのことか分からなかったよママン…。
主人公も、なんや次々と出てくるエルフと関係を持つし
ジェームズ・ボンドの女性版とでも思えばいいんかもしらんが、
わたしはもうちょっと一途な方が好きです。
おまけにエロシーンは2回くらいあるしな。

まあ、思えば、英米では日本よりも「小説」ジャンル内の幅が広いのかもしれませんね。
SF小説だと思うと、なんじゃこらと思うけど、漫画に置き換えたら、
こんなネタ山のようにありそう。誰かがすでに描いてそう。
このボーダーレス、ジャンルも重さも自由な辺りはまさにマンガ的。
…日本ならマンガで描くところを欧米ではSF小説ジャンルで書いてるのかもしれん。
日本密林レビューと米密林レビューの星の差はそういうことなんだろう。
欧米読者は日本SF読者より遥かに軽めで女性向けの読み物だと分かって買ってるんだろう。
ちなみに、わたしの見たところ、
ロマンス小説:ファンタジー:SFの割合は4:5:1くらいです。ご参考までに。
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by mi-narai | 2013-12-29 13:50 | 2013年下半期の読書

『植物のあっぱれな生き方』『緑の瞳のアマリリス』『王のしるし』『宇宙はこう考えられている』

植物のあっぱれな生き方 生を全うする驚異のしくみ

田中修 / 幻冬舎

スコア:


田中修著『植物のあっぱれな生き方』
読了。
またもや職場の京都弁の上司にただでもらったので。
ああんもう、癒されるわぁ!ほんまかいらしなああああ!!

それはともかく本の内容。
なんだかんだいって結構田中先生の本、読んでますよね、わたし。
先生は一般の方にも分かるようそもそもものすごーく噛み砕いて分かりやすく
書いていらっしゃるのですが、それでも若干詳細に踏み込んだ本と、
一般向けに徹底していらっしゃる本があり、
これは一般向けの方の本でした。
他の御本で既に読んだことのおさらいといった感じで、ときたま新情報が入る感じ。
植物全般のふしぎとか、小ネタが満載なので、先生の本を未読の方にこそ読んでいただきたい。
(わたしはもうちょっと踏み込んだ内容の方が好きだ…)
でも踏み込んだ内容もさらっと当たり前みたいにおっしゃるから、ひょっとして
語り口に騙されてるだけかも…


緑の瞳のアマリリス (ハヤカワ文庫SF ク 12-1)

ジェイン・アン・クレンツ / 早川書房

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ジェイン・アン・クレンツ著『緑の瞳のアマリリス』読了。

どうしちゃったのハヤカワさん!?第2段。
本書は、ハヤカワSF文庫から出ているフィクションです。
『グリムスペース』は毛色の変わったロマンス小説でしたが、
これは普通にロマンス小説です。舞台がちょっと地球じゃないだけ!
でも地球に酷似した植民星だし、ものすごい日常が描かれてるし、
ロマンスSFというよりは、パラノーマルロマンスだろ、分類は。
このジェイン・アン・クレンツという方、ロマンス小説のシリーズではしょっちゅうお名前を
拝見する大御所さんで、いやもう、この名前をハヤカワでみつけてわたしゃびっくりしたよ!!
(この小説の中でも3か所ほどはベッドシーンがあるからね!これから読む人は心するように。)


あらすじとしては、頭はいいけどお固くて道を踏み外したりなんか絶対しそうにない主人公
アマリリスが、アウトローな新鋭実業家と仕事することになり、その際発見した不正と、
先日亡くなった恩師の死が関わっているのではないかという疑問が浮かび上がり、
殺人事件に巻き込まれる、というもの。
SFとミステリーとロマンス小説が2:2:6くらいの割合で混ざってるという、
考えたらお得な一冊。
一見ただのコンテンポラリー(現代が舞台のロマンス小説)みたいなので、
SF部分の説明をすると、
舞台が地球の植民星だということと、
植民星の過酷な自然環境に適応するよう人類の超能力が具現化している世界だということ。
ヒーロー役の新鋭実業家は、相手の能力を察知する能力と、幻影投射能力があって、
主人公には第三者の超能力を強化する能力があります。
こんな中二設定なくても良かったんとちゃうかなあと思わんでもないですが、
ロマンスのスパイスにはなっているので、割り切って読みましょう。ツッコんだら負けです。
途中、ヒーローの昔の知り合いでいわくありげな男性が二人出てくるのでもしやと思っていたら、
案の定本国ではその二人をヒーローに据えたスピンオフが出ているらしい。
ハヤカワさん…。グリムスペースといい、1巻目だけ訳して放り出さないで、
続きも訳して下さいよ…。
(でも、SF文庫から出すと本来のSFファンが間違って買っちゃうから、
イソラ文庫くらいにしといてください。)
イソラ文庫といえば、アシュリンとドラゴンシリーズの1巻も読みました。
あれはあからさまにロマンス小説のくくりなので、感想は省きます。
ヒーロー役のワイバーンが悪者っぽくて良かったですよ。


王のしるし(上) (岩波少年文庫)

ローズマリ・サトクリフ / 岩波書店

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ローズマリ・サトクリフ著『王のしるし』(上)
高校生の時分に一度読んだ本。
面白かったことと、傭兵稼業っぽいことをやってる主人公が
王様の代役に立つ話だっていうぼんやりしたあらすじは覚えてたけど、
さすがに細部はきれいさっぱり忘れていた一冊。
とりあえず、上巻読んでみました。
読んだ当初は自分が若かったこともあって、主人公が大人なイメージ(悪く言えばおじさん)が
あったのですが、年を経て改めて読むと、

…若いな、主人公…!!


で、この主人公、父親はローマに征服されたギリシャの商人で、
母親はその奴隷のケルト人。
父親はいずれ認知する予定だったけど、その前に急死してしまい、
主人公は数回売られ、最終的にサーカスの剣闘士に。
で、立派に務めあげて木剣もらった(つまり、自由になった)はいいけど、
羽目はずして飲み過ぎて捕まって、助けてくれたケルト人から、
自分たちの王の替え玉になってくれんかと持ちかけられるという…

いや、面白いです。
正体を偽っているというスリルと、良く分からんケルト氏族の生活に放り込まれた
主人公の目を通してみた異文化生活が、目新しくてワクワクします。

主人公が連れて行かれたのは、アイルランドからスコットランドに戻ってきたケルトの部族
(本の中ではダルリアッド族と呼ばれてます)で、太陽神ルーフを信仰してます。
要するに主神は天空神で男神です。
一方それといざこざを起こしてるスコットランドのカレドニア族は大地母神を信仰してて、
新旧の信仰形態のせめぎ合いという意味でも面白い。
更に、この地にはケルト族に被支配民の地位に追いやられた黒い人々(先住民ブリトン人)
も住んでて、話を更にややこしくさせてます。彼らも大地母神信仰者。
きっとこんなことがギリシャでもあったんだろうけど、
最終的にあそこはうまいことハイブリッドさせたよなあ!

主人公の(厳密には主人公が演じているマイダー王の)従弟である
コノリーという青年がまたいい味出してます。
これぞ脇役のあるべき姿!
主人公はどうしても無色になりがちだから、勢い、
よりクセのある脇役の方が魅力的に見えちゃうんだよなあ!
今回のワタシの一押し。
いや、でも主人公のフィドルスもいいやつですよ!

上巻の時点で、
ダルリアッドの王マイダーになり変わった主人公が
ばれそうな局面を間一髪かわしつつ、
徐々に馬族(ダルリアッド族)に馴染んでいく過程を楽しんでおります。
敵の女王リアサンの娘、マーナも出てきて、面白くなってきました!

次ィ!!


王のしるし(下) (岩波少年文庫)

ローズマリ・サトクリフ / 岩波書店

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(下)

読了。


ああ、読み終わってしまった…。

多分そうなるだろうとあらかじめ予測はしていたけれど、
やっぱり読み終わってずっしりくるこのただ事でない読後感…。
安心の良クオリティです。
やっぱりサトクリフは再話ものよりオリジナルの方がよほど良いです!
しかし、一度読んだはずなのに、わたくし、最後の場面も、間違って覚えてました。
傭兵主人公が戦いに赴くところで終わるような、戦車関連のような、
なんかそんな記憶があったのに、全く違う場面だったわたしの記憶力あてにならん!!
主人公は誇り高く生き抜き、
最後のあたりなど、惹きこまれてぐいぐい読んでしまった。
以下、この本で気に入ったところ。

・コノリーが最後までナイスガイだった。

・サトクリフの話には珍しく主人公が女の子と相思相愛になった。
(いや、大体の話でも報われるけど、これだけはたから見て分かるくらいなアレなのは
珍しいなと)

・辺境のオオカミ(地方軍団)がちらちら出てきた。
最終的に砦の司令官にまで上り詰めた
隊長の名前がヒラリオンだったりして、『辺境のオオカミ』の方の副官の血縁者かなと
想像させ、ちょっと楽しかった。

・ブリガンテス氏族の女王の反乱についても少し言及があって、
(これも有名な事件のはずだけど、不勉強でまだ詳細を知らない)
確か、『第九軍団のワシ』の主人公の相棒エスカの氏族がブリガンテスだったなとか
過去作とのつながりがほの見えて嬉しかった。


幸せなことに、未読のサトクリフ本がまだ数冊のこっているので、
楽しみに読もうと思います。
未読本に入る前に、これまた高校生の時に読んだきりの『運命の騎士』を再読する予定ですが。
岩波さん、少年文庫にしてくれて、ありがとう!


宇宙はこう考えられている: ビッグバンからヒッグス粒子まで (ちくまプリマー新書)

青野 由利 / 筑摩書房

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青野由利著『宇宙はこう考えられている』読了。

新聞の書評読んで面白そうだったので。


マジで面白かったよ!!!!


散々言いましたが、わたし、ほんとに文系人間で理系の素養が全くないのですが、
その私でもわかるくらい噛み砕いて物理の話が書いてありました流石科学記者!
今流行りのヒッグス粒子のことから、物理学の中の宇宙論の歴史とか、
興味深い辺りが数珠つなぎに書いてあった。もう、読んでる間わくわくしっぱなしで
全てのページがきらきらしてるみたいに感じてましたよ!
宇宙の話って、なんだかファンタジーだよねえ!
今この一瞬も自分がまだまだ分かってない不確定な世界で生きてると思うと、
なんだか不思議な気持ちですよ。
なんたって、世界の7割はよく分かってない暗黒エネルギーで占められてて、3割は暗黒物質(ダークマター)で、解明されてるのは3~4%にすぎなくって、生き物や地球やその他もろもろ日常生活で目にしている全てはこの数%でしかないなんて、あらかじめそのくらいの知識はあったけど、改めて言われると
なんか、すごいなあ。
素粒子も、よく分かってなかったけど、この本のおかげで輪郭だけぼんやり分かったような気になりました。
原子を形作るもっと小さな何かなんですね!物質のもととなる素粒子があるのは当然として、
力のもととなる素粒子や、質量のもととなる素粒子があると考えられていることにはビックリした。
確かに、理科の時間に地球には重力があって、とか習ったけど、
その重力ってそもそもどこから来てんのとか、
いろいろ謎なままだったので。まさか素粒子がくっついてそんなことになってたとは!
一番初めビッグバン前後のあたりは、まだ質量を付加する素粒子がくっついてなかったから
すべては光速で飛び回ってたんだってね!なんか、これもすごい。イメージだけで幻惑されます。
当時は物質と反物質が同量あって、これはぶつかるとプラマイゼロになって
そのままじゃ結局何もなくなるところを、なんかしらんが対称性が崩れて反物質の方が少なくなって、
今みたいないろんな物質が出来たとか、神話聞いてるみたいですよねえ。
その時代の説明出来る限りの方法で世界の成り立ちを語るのが神話なら、
物理学は立派に創生神話だよねえ。
そうすると、理論物理学者は現代の予言者ですよね!!


後、このワクワクする感じが、本来の哲学だと思うんですよねえ…。
(わたしの哲学定義はソクラテスで止まってるんで、おかしなこと言ってる自覚はあります。
でも、要するに、世界に対する知的好奇心みたいなもんじゃないの、ピロソピアって。)
他にも、アインシュタインの相対性理論とか、ひも理論とか、多重宇宙とか、面白そうな話が
いっぱい詰まってて、もう、語りだすと長くなって仕方がないので(理数音痴のわたしではうまく語れないし)
気になる人は本読んでください。
似たようなの、いっぱい出てますし。めっちゃ面白いから!
しかし、こういう話、身近な悩みがちっぽけに思えて割と吹っ切れるのは助かりますが、
考え込みすぎると、自分の存在のおぼつかなさに発狂しそうになりますね。ほどほどにしましょう。
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by mi-narai | 2013-08-03 17:22 | 2013年下半期の読書

『ケルトの白馬』 『異星人の郷』 『ケルト神話ファンタジー』

ケルト歴史ファンタジー ケルトの白馬/ケルトとローマの息子 (ちくま文庫)

ローズマリー サトクリフ / 筑摩書房

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ローズマリ・サトクリフ著『ケルトの白馬/ケルトとローマの息子』読了。
最近、ちくま文庫さんがサトクリフを出版する気になったようで、
しかもどうやらケルトくくりらしい。
とりあえず当該文庫と、もう一冊『クーフーリン/フィン・マックール』を買い求めてみた。
とはいえ、『ケルトの白馬』だけはハードカバーで読んだことがあるんですが。
(面白かった記憶がある)
わたくし、サトクリフのオリジナルの小説は好きですが、再話の方にはあんまり期待してないので
(『イーリアス』『オデュッセイア』がいまいちだったから。まあ、これは原作が面白すぎるから仕方ない)
とりあえず面白さが分かってる『ケルトの白馬/ケルトとローマの息子』の方から読むことにしました。

新幹線の中で一気に読破してしまいました。

骨太で、ぐいぐい引き込まれ、年甲斐もなく夢中になってしまった…
「ケルトの白馬」など、以前読んだ時も電車の中で、友情の熱さにうっかり涙ぐんで
しまったのですが、今回も鼻をすすりあげてしまいました。
この作者は友達同士の固い誓いとか、そういうの書かせたら絶品です。
でもって、わたくし、そもそもが友情モノに極端に弱いのです。
以下、ざっくりあらすじと雑感。

ケルトの白馬
・時は紀元前だか紀元後ちょっと過ぎだか、ローマ全盛期。
そんな時代にイギリスの左下(今で言うウェールズ)のあたりに住んでた、イケニ族の若者の話です。
イケニ族は、馬を扱うのがうまく、お話にも馬がたくさん出てきます。
主人公は、幼い頃から絵画への独特の感性を持っていて、動いているものを曲線で
表すことに無限の情熱を感じる芸術家気質の少年です。だけど、族長の息子なんで
立場上の責任感も、イケニ族の若者としての誇りも持ってるちょっと変わった立ち位置の子。
その彼を中心に、
彼と無二の親友との遠くの地に新たな故郷を探しに旅立とうという約束や、
南からの襲撃と彼に課せられた犠牲、
敵の首領との立場は違うけど深い部分で理解し合える微妙な関係など、
いろいろな要素が絡み合って怒涛のクライマックスへ。
流石サトクリフ、そんなに長い話じゃないのに、読み終わるとずっしりきます。

しかし、この頃は先住のブリトン人をけちらしてこんな全盛なケルト族だけど、
すぐ後にローマ人に大体征服され、さらにその後はアングロ・サクソンに蹂躙され、
さらにその後にはノルマン・コンクエストで北欧人(ていうかフランス人)の
支配下に置かれてしまうのだと思うと諸行無常を感じます。
イギリスの歴史はダイナミックで面白いよな~
(エリザベスの時代も大英帝国時代もいいけど、この頃の辺境っぽい時代も面白いですよね)


ケルトとローマの息子
今度はもうちょっと後、たぶん2世紀ごろのあの辺りの話。
なんちゅうか、同じようにケルトの一部族の男の子の話なのに、

超ジェットコースター展開です…!

なんかもう、ものすごい勢いで主人公が運命に翻弄されまくるので、
息つく暇もなく次のページをめくらされますよ。いやー、すごかった。
奴隷がいっぱい出てくるので、あの時代の奴隷の気分が知りたい方も必見。

しかし、主人公の性格設定がものすごくリアルで、唸ってしまった。
どん底に落ちて、普通の話なら"それでも良心や正義の心を失わない"的な展開になるところですが、
この主人公、あっさりやさぐれちゃいます。
でも、悪くなりきったわけではなく良心の残骸はまだ生きてて、
それはかろうじて「友達を思いやる」という細い一本の糸で支えられてんの。
それが断ち切られて、誇りも何も砕かれ、卑屈になり果てるところもとても納得させられた。
きれいごとじゃねえよな。その辺りは。
(その後、葛藤しつつもちゃんと人間としての尊厳を取り戻す、というか思い出すので安心して下さい)
この人の本を読むと、お恥かしながら毎回感動してしまうのですが(きゃっ)
今回もやっぱり感動しました。
ふーって腹の底から息吐いて、満足感に浸りつつ読み終えましたとも。
サトクリフはもっと全人類に広く読まれるべきだ!


異星人の郷 上 (創元SF文庫)

マイクル・フリン / 東京創元社

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異星人の郷 下 (創元SF文庫)

マイクル・フリン / 東京創元社

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『異星人の郷』(上)(下)読了。
現代編の、歴史学と物理学の理論をからめつつ、
大筋は中世のヨーロッパ・ドイツの片田舎、上ホッホヴァルトの荘園に、
不時着(というのかな。どうも従来のような方法で宇宙を渡ってきたのではないらしいけど)した
異星人たちと、中世ドイツ人たちとのファースト・コンタクトの話。
最初、異星人たちと出合うまでの中世ドイツの荘園の描写がかったるいのと、
出会ってからの両者のやりとりの描写がやっぱりじれったいので
じりじりするかもしれませんが、
下巻に入ると怒涛の展開が。
大体、SFで中世とくれば、ペストですもんね。うん、わたし、分かってた。
(コニー・ウィリスの『ドゥームズデイ・ブック』もそうだったもん)
ペスト描写にもすっかり慣れきったわい。腋の下にでっかいできものが出来て、
中から黒い汁が出てくるんやろ…
いやまあ、最終的にはペスト落ちというのは分かってたけど、
白眉は、異星人と神父の間にじっくりじっくり育まれる友情だと思うのです。
ファーストコンタクトものにありがちな、異星人に対する、もしくは異星人からの
迫害とか、対立とか、そういうのはなんとほとんど出てこないので
それが心配な方は安心して読み進んでください。
領主さまは最後まで世俗主義的な男前だったし。
SFなのにSF設定と関係ない部分で感動させられるという、ね…

ところで、ここに想定されてる異星人、地球で言うならアリとかハチといった組織を構成する
昆虫が進化したという設定なのですね。
哺乳類である人類と似て非なる倫理観とかが面白かったです。
で、ここまで進化する生物には良心の部分で共通するものがあるはずだという
ポジティヴな作者の主張なのかしら、両者の交流には救いがある気がします。

それにしても、わたくし、自分がまさか、バッタの死にこんなに悲しむことになるとは
思いませなんだ。ハンス~~!!!
(この本は通勤時間が待ちきれなくて最後は家で読み終えたので、
誰はばかることなくティッシュで鼻かみました。ずびばー)
エピローグで語られる現代人のジュディという女性の慨嘆にはめちゃめちゃ共感しました。


王権 (岩波文庫)

A.M.ホカート / 岩波書店

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ホカート著『王権』
王権はすべからく太陽信仰から発展したんじゃー!
と、どうして著者が主張したくなったのかは知りませんが、まあ、そういう内容の本です。
著者が強硬に掲げる根幹がそもそもわたし、疑わしいなと思っちゃうので
(百歩譲って、天空神に代表される男神を主神として信仰しはじめたことと
王権とはつながりがなくはないなとは思う)
その部分に関してはなんともよう言いませんが、
引き合いに出される数々の諸例がけっこう面白いので、なかなか楽しんで読んでます。
途中、やはし古代において王位継承権は男性ではなく女性が持っていた、ということが書かれてて、
なんとその文脈で「オデュッセイア」におけるぺネロぺイアの立場が引き合いに出されてたので
おばちゃんちょっぴり驚いてしまいました。
継承権持ってるのはその地生まれの、土地付き娘だけだと思ってたけど、
よそから嫁いできた女性も結婚した時点でその家の継承権を獲得するのか!?
それともオデュッセウス伝説において実はぺネロぺイアの方がイタケと縁が深いのか。
どっちだ。(知らんがな)
けどまあ、求婚者たちがこぞってぺネロぺイアと結婚しようとした理由づけとしては
秀逸かしらん。


後日
大体最後のあたりまで読んで、だんだんめんどくさくなってきた…。
もういいことにしようかな。


ケルト神話ファンタジー 炎の戦士クーフリン/黄金の騎士フィン・マックール (ちくま文庫)

ローズマリー サトクリフ / 筑摩書房

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ローズマリ・サトクリフ著『ケルト神話ファンタジー炎の戦士クーフリン/黄金の騎士フィン・マックール』
えーと。
やっぱり再話よりもオリジナルの小説の方がより好きだなとしみじみ思った一冊。
いや、でも面白くないわけではなく、ケルトの伝承を知ることができ、
さらに小説風なので読みやすいという二度おいしい仕様ではあります。
で、1話目の主人公クーフリンさんですが、言っちゃっていいですか。

髪の黒いアキレウスです。

うん、君たち、よく似てるよ。クーフリンは別にマザコンじゃないけどね。
なので、アキレウスがお好きな方々にはきっとケルトのクーフリンも気に入っていただけるはず…!
名誉を至上とするところも潔さも、武力に関しての他との開きも、若さや美しさも、
アキレウスの長所を全てかねそろえているケルトの英雄ですよ。
あ、でも、パトロクロスはいませんが。
しかし、読んでて意外とケルトの伝承とギリシア神話とはかかわりが深いのかしらなどと感じました。
ギリシア叙事詩の余波が来てんのか、それとも同じ語族なので、伝承の根源が同じなのか。
これまた不勉強でどっちなのかは知りませんが。
アラビアンナイトのシンドバッドの冒険(の一部)なんかは、
明らかに『オデュッセイア』の影響だと思うんですけどね~。
いや、でも、そういうモチーフが似てる部分よりも、ケルト特有の魔法に満ちた筋がとても魅力的で、
特に、3勇者(クーフリン含む)のうち、誰がアイルランド一かを選べと言われた各地の王たちの、
選考過程がほんと、色鮮やかで読んでて面白かった。
で、選から外れた二人がクーフリンを恨むのかと思ったら、
最後に笑い合ってあっさり和解したのも、なんだか新鮮でした。

ただ、難を言えば、この一連の物語

ツッコミ不在

なのです。ものすごい悲劇とか、どシリアスな調子で起こったりしてるけど
「それ、自業自得ですからーー!!!」と誰も突っ込んでくれません。
助けて、誰か!!
脳内ツッコミし過ぎて読みながら割と息も絶え絶えになる話でもあります。
読むときは心構えして読むべし!



フィン・マックール
こっちはもうちょっと読みやすいです。たぶん、別にフィンがアキレウスに似てないからだと思う(笑)。
普通にいい男ですよ。
一連のフィン・マックールと彼の騎士団に関する伝承を、サトクリフさんが整理して、
まとめて書いてくれてる感じの作品。分かりやすいです。
オシアンとか、ディアミドとか、名前だけこれまで聞いたことあったけど
伝承はよく知らなかった人も出てきて、これまでの疑問が色々解けました。
そうか、吟遊詩人のオシアンはフィンの息子だったのか…。
(昔、学生時代に美学の授業で「オシアンの夢」という絵を見たなあ)
ところで、思ったのですが、
ケルトの名前では男性の名前もア行で終わったりするので、なんか、可愛いですね。
後、最初の奥さんサーバとフィンのエピソードがなんか好きです。

たくさんあるフィン・マックールとフィアンナ騎士団に関する伝承を、
ひとつひとつ積み重ねるように読んで、最後のあたりになるあたりには
すっかり騎士団に馴染んでるので、
フィンの最後とか、騎士団の終焉を読むのがさびしくなってしまいました。
オシアンのその後とか、そう言えば他のケルト神話の本読んだ時に読んだな。
これまた浦島オチで超切ねぇ…!!


映画
『レ・ミゼラブル』
休みの日に、せっかくだから映画でも行こうよと母を誘ったところ
上記のミュージカル以外は嫌だとぬかすので、つきあってやりました。
いや、面白かったですよ。
話のすじは、そういえば以前、ミュージカルじゃない『レミゼラブル』の映画を見たことが合って
大体知ってたけど、
今回のミュージカルの方がなんか面白かった…!
思ったより歌成分が多かったのも、個人的にはヒットでした。
下を向いて歩け!的な歌と、パリの虐げられた庶民が、こんちくしょうめわしら虐げられっぱなしジャー
みたいに歌う歌が、とても好き。
後、主演のヒュー・ジャックマンと警部役のラッセル・クロウが好きなので、画面見るのが楽しかった。
悲しい話、ものすごい泣く、みたいに聞いてましたがそうでもなく、
普通に名作に感動して見終わった映画でした。
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by mi-narai | 2013-03-20 19:57 | 2013年上半期の読書

『わたしの名は赤』 『王妃マリー・アントワネット』

カテゴリが6月の読書になっていますが、気にしないで下さい。
や、どうせ今月この記事だけだろうと思うから、6月にまた新しいの作るのめんどくさくって(お前…)。


わたしの名は赤〔新訳版〕 (下) (ハヤカワepi文庫)

オルハン パムク / 早川書房

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オルハン・パムク著『わたしの名は赤』読了。
面白かった…。
最後の最後まで犯人が分からなかったよー!
(わたしがアホナダケカ?)
いやしかし、大きな歴史の流れの中での無常観というか、
市井の人々のリアルな生とか生々しい感情も描きつつ
なんだか壮大なものも感じさせるという、
…説明しづらいなあ。
読み終わった後ちょっとぼんやりしてしまうような、世界に引き込まれる話でした。
とはいえ、

トルコ人、濃ゆいけどな!

痛そうな場面もいっぱいあるけどな!!


普通の人って、一貫してずっと同じ感情でいるのかなあ。
どちらかというと、自分は移り気(?)な傾向が強く、すぐにコロコロと気分が変わる方で、
さっきこいつ気に食わんと思ってても、ちょっとした拍子にそうでもないなと思ったり、
かわいそうに思ったすぐ後にいちびっとんのかこいつと腹が立ったり。
絶望した次の瞬間希望を持ったり、悲しくて泣きそうになった次にそんな自分に冷めたり、
…時々自分は大分アホなんじゃろか、どうして一貫した意見をもてんのじゃろう。
情けなく思ってたけど、
パムクの本に出てくる登場人物もそんな感じですよ。
(アホがわたしだけでないと分かってほっとしたよ!)
たぶんこの作者、そういう赤裸々な理想化されてない感情を描くのが上手なんだろうなあ。
なので、余計に登場人物にリアリティがあります。
何人かは実在の人物らしいけど、そんな人々でさえ、
自分が実際に会って人柄も良く知ってる人みたいに思えてきますよ。
最後のお茶目な仕掛けにも注目!
(そういえば、作者、ファーストネームオルハンだったな)


いやしかし。
トルコ、男女のやりとりは制限されてるけど、性に関しては意外とフリーダムだな!
(歴史的にゆるかった日本人の分際で言えることでもないが)


王妃マリー・アントワネット〈上〉 (新潮文庫)

遠藤 周作 / 新潮社

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王妃マリー・アントワネット〈下〉 (新潮文庫)

遠藤 周作 / 新潮社

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井上靖著『王妃マリー・アントワネット』(上)(下)
職場の人が貸してくれたので読み始めました。
日本人が書いたものなのでさすがに読みやすいなあ…。
まだマリーが嫁いだばかりのところ。


数日後、読了。
最初は、マリーがアホ過ぎて、いい加減にしときやと
思いながら読んでましたが、革命が起こって、描写が血腥くなり、
マリーの境遇もどんどん悲惨になり、それにつれ多少は成長もしたので、
さすがに断首のあたりは、ちょっとそこまでしなくても、と思いました。
なかなか面白かったです。


しかし、フェルセンは思ってたよりしぶとい奴だったんだナ…


次、『マヤ文明』を読み始めました。


多読
ケイ・ヘザリの『Kitshen table talk』(レベル4)途中まで読んで返却期限がきて返した。


ブライアン・ポールの『My Humorous Japan』(レベル4)
今度はイギリス人。
ケイさんが、物事の良い面を見てくれる人の良い控えめなテキサス人だったのに比べ、
今度はわりかし辛口のおっさんです。
皮肉たっぷりにユーモア交えて書いてあるエッセイ。
まじめな顔でホントか嘘か分からんようなことをいうスタンスが
なんとなく京t(げっふごふ)…なんでもありません。
しかしまあイギリス人てのは一度はアメリカをくささんと気がすまんのですね。
癇に障らんでもないが、ものすごいシンパシーも感じたりなんかして、
ニヤニヤと、苦笑どっち浮かべればいのやら悩んでしまいました。
(アメリカ人のほうが大してイギリス人を気にかけてなさそうな辺りも、な)
…人の振り見て我が振り直せ、だよね。気をつけよう。ほんと。


スティーブンソンの『Kidnapped』
まったく前知識無いところからスタート。
前書き読むと、スティーブンソンはスコットランド人で、
イギリスへ出てきたもののホームシックを感じてる時に書いた話らしい。
カロデンの戦い(有名な大虐殺ですぜ)なんかもちらっと混じるらしく、
でも大筋は男の子のビルドゥングス・ロマンと、男の友情っぽいので楽しみです。

今、主人公のデビーが、両親に死に別れ、唯一の親戚らしい金持ちの家に
たどり着いたはいいものの、偏屈そうなおっさんしかおらず、
ひょんなきっかけから
「ひょっとして、おっさん、お父さんの財産横取りしてるんじゃ?」
という疑念が主人公の心に芽生えたあたりまで読みました。
おっさんはさすがにあくどく、主人公が疑念を持ったと感じるや、
主人公殺害計画を実行に移そうとしてますよ。
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by mi-narai | 2012-05-26 22:32 | 2012年6月の読書

『モンテ・クリスト伯』 その他

ドイツ、強ッ!

途中から、アルゼンチンが気の毒になってしまいました。
しかし、イングランドがあの点差で負けたのはまぐれではなかったのだなあ…


『ゴーストトリック』
『影の塔』
『大神伝』
『Ace CombatX2』
のよっつが今のところ気になるソフト。そのうち、一番最初の奴は買った。


古い『アンドレジイド全集 3巻』を手にとる機会があったんですが
(読んだわけではなくって、単に手にとってパラパラ中身見ただけ)
 巻末の脚注に同性愛関連のあれこれがあり、
もちろんそうなるとそこはそれ、アキレウスとパトロクロスについても言及がありました。
昔の文学者はなにかっちゃ引き合いに出すよなあ。

後、エウリピデスが女を愛したようにソポクレスは少年を愛した、とも載ってました。

ほっといたれ。

(エウリピデスに関しては、女好きだったとか女嫌いだったとか、みんな色々言いたい放題だよな。
その中間くらいじゃなかったんかいなと思うんですがどうでしょう)

同じくパラパラ見ただけの『アンドレジイド全集 6巻』 
戯曲形式で書かれた、『ピロクテーテース』 がありました。

ユリシーズはなんかピロクテーテースに感動しとる…。

ネオプトレモスと二人、弓だけもらって帰ってますよ。
ピロクテーテースはせいせいした顔で船を見送ってエンド。


『ジャングル・ブック』のごく古いバージョンも同じ時期にパラ見したんですが、
主人公の少年モーグリの正義はイリアッドのアキリーズをほうふつとさせる、
と訳者の方が書いておられます。
いやあ、ちょっと前の日本の文壇て、意外と古代~古典期ギリシア文学にまみれてたんだなあ!


辛坊治朗・辛坊正記著『日本経済の真実』途中でやめる。
なんか、面白くなかったんだもん。


モンテ・クリスト伯 (上) (岩波少年文庫 (503))

アレクサンドル・デュマ / 岩波書店

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デュマ著『モンテ・クリスト伯』上・中・下 読了
大人向けの文庫じゃなくて、子供向けの岩波少年文庫から出てるものを読みました。
いや、ある日、父が家で図書館からそれを借りてきて読んでたから
「お、それ、わたしも気になっててん!」
などとウッカリ口にしたら、次の日又貸しされたのです。
返却期限に間に合うよう急かされまくりつつ、3冊を鬼のように読んだ。

面白かったー!

わたしと父は佐藤賢一の歴史小説を面白いと思う部分で共感できるので、
今回も、同じようなところで面白いと感じていたと思います。

ものすごい血湧き、肉躍る冒険活劇!といった雰囲気の小説でした!
エンタメです。

当時は三文大衆小説だと文壇のえらい人に馬鹿にされたのも納得!

わたしは大好きです、こういうの☆

ざっくりしたあらすじは、真面目で明るい好青年が、恋人と結婚するほんの数時間前に
信じていた人に裏切られ、14年間も監獄島に閉じ込められるのですが、
その中でたまたま知り合った囚人から知識を得、生まれ変わって脱獄し、
かつて自分を裏切った人たちに一人一人復讐していく、というもの。

筋だけよむとおどろおどろしいのですが、
この人、復讐する傍ら、昔世話になった人には恩返しもするんですヨ。
それに、何だかんだ言って、心の底では善人なので、
復讐の話なのに、物語の色調が全体的に明るい感じで、あまり鬱にはなりません。
最後もまさかのハッピーエンドだしね!

しかし
フランス人の感情表現の激しさには若干ビックリした。
いやー、この人たち、ほんと、ラテン系だなあ。
ポワロさん(C/クリスティ)が再三
「フランスでは恋愛から引き起こされた事件に寛大だ」と言っていたのを思い出した。
さもありなん。
後、作中で、作者がさらっと「イギリス人なあ、あいつらホンマ暇やからな」的な
記述をしてたのもおかしかったです。



大久保町シリーズの、『決闘』と『燃えているか』
また読んでしまいましたよ…。何回読めば気が…
個人的には、『燃えているか』が一番好きかなあ。


マンガ
『王家の紋章』
職場の知人が貸してくれるというので、
文庫で持ってる7巻以降から貸してもらい中。
今、バビロニアから生還したキャロルが、
リビアの王女カーフラとメンフィスの仲を誤解して、現代に帰り
(所謂『実家に帰らせていただきます!』的なアレか?)
そこでもアラブの大富豪に懸想され、そのライバル社のえらい人に攫われ、
ピンチピンチで砂漠の真中のオアシスで助けを待ってるところまで読みました。
(ちなみに古代ではエジプトVSバビロニアの戦いが勃発)

これもまたツッコミどころ満載で楽しいなあ。
キャロルは、『番町学園』でいうところの

特殊能力『攫われる:∞』ですよね。

とりあえず、ほっとくと攫われる。
妖魔夜行なら、マイナスCPが50ほど付いて、立派な足手まといになれますヨ。
後、4ページ分まるまるが黒一色(※最初の1ページ目の真中辺りには「メンフィス…」
という台詞があるが、他のページには台詞はオロカコマも絵もなんもない)という、
伝説のページが、21巻の真中へんである事も判明した。
古本屋で見かけた方は是非確認してみてください。


多読本
『HenryⅧ and his six wives』(レベル2)
ヘンリー8世のことを書いた歴史ドキュメンタリーっぽい内容かと思ってたら、
ヘンリーの6人目の奥方が、ヘンリーの秘密の小箱から、それぞれの妻からの手紙をみつけたことをきっかけに、
侍女に、各奥方の結婚の経緯を話して聞かせる、という枠物語になってます。
なので、これまた面白く読み通せました。


『A stranger at Green Knowe』(レベル2)
児童書の棚でよく見かける「グリーンノウのお客人」という本の、要約版かな?
と思って借りてみた。

少年とゴリラの話だった……(衝撃)

ホントにグリーンノウのお客人の話って、こんな話なの!?
後、あれ、シリーズ物だった気がするんだけど、どう繋がるんだー!!


『Five childen and it』(レベル2)
これまた有名な「砂の妖精」の要約版。
サミアドン。
もっと心温まるはなしかと思ってたら、基本は
子供が願い事をする⇒そのせいで困った事になる
の繰り返しでした。


『William Shakespeare』(レベル2)
シェイクスピアにトビーという同じ村出身の友達がいたと仮定して、
そのトビーの目を通して語られるシェイクスピアの生涯。
不覚にも、シェイクスピアが亡くなった日のページでは泣きそうになってしまいました。


『Grace Darling』(レベル2)
似たようなタイトルの映画があったから、てっきりグレイスという女性の一代記とか
そんなんかと思っていたら、

難破した船と、灯台守一家の話だった…!(これまた衝撃)

ハラハラの連続で、これまた一気に最後まで読んでしまいました。


『長生塔』
なんか、社会情勢を童話の形を借りて批判するようなタイプの本だったので、
ちょっと読みかけて返しちゃった…。
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by mi-narai | 2010-07-04 15:10 | 2010年6月の読書

『終わりよければすべてよし』 『ラウィーニア』

終わりよければすべてよし シェイクスピア全集 〔25〕 白水Uブックス

ウィリアム・シェイクスピア / 白水社

スコア:


シェイクスピア著『終わりよければすべてよし』あらすじを読んで興味が出たのでさらっと読んで見ました。
さらっと読み終えました。
医者の娘が、貴族の息子に恋をして、その恋を成就させるために頑張る話。
しかし、なんでこの貴族息子はこんなに頑ななの?


ラウィーニア

アーシュラ・K・ル=グウィン / 河出書房新社

スコア:


アーシュラ・ル=グィン著『ラウィーニア』読了。
前にちらっと日記で書いたように、本屋に並んだその日からずっと気になっていた一冊。
図書館で新刊本の棚に並んでいたので、「今じゃ!」と思って借りてみました。
意外と内容がぎっしり詰まってて流石に一日では読みとおせませんでしたが、
読んでる間中続きが気になって気になって、一気に最後まで読み通した一冊でした。

最初に結論から言います。


アイネイアスがめちゃめちゃかっこよかった!!!




(…またそういう頭の悪い感想を…)
や、でもほんと!読み終わってからも1日くらいはときめきの余韻に浸ってましたもの!
ワタクシ、この年になると割と許容範囲が広がって、読書における殿方に対する
トキメキの傾向もいくつか分化しておるのですけども、
このアイネイアスに対してのときめきは、
頑固一徹なおじさまに対するかわゆいなあ、というときめきでも、
腹黒くて頭のいいナイスガイに対するワクワクでもなく、

…あえて言えば『TROY』のヘクトールに対してや、
国連事務総長のハマーショルドさんの事跡について読むときの
「この人はなんて立派な人なんだろう…!」という感動?(疑問系にすな)

と似たようなものかと。
ものすごいよう物を考えてる人に描かれたはる。
自分の弱さを自覚して、常に自問してるような、知性的で理性的な人ですよ。
大人だし。背が高くて男前だし。
この作者の登場人物で言うなら、「2巻のゲド」を髣髴とさせました。
でも、作者のまったくの創造かというとそうではなく、
なんか、『アエネーイス』を読んで感じたアイネイアス像を具体化するとこんな感じか?
という印象で、違和感はなかったです。
さすが大御所だぜ…

もう、このアイネイアスのためだけにこの本買ってもいいかなと思ったくらいです。


もしこの本を読んでときめいた人は見習いまで!語らいましょう!!

:::::::::::::::::::::::
閑話休題。
アイネイアス話はおいておいて、お話の筋や背景について感じたところをば。
ベースはあくまでもウェルギリウス先生の『アエネーイス』です。

とはいえ、時代背景は、史実にもかなり忠実なのではないかとも感じました。
色々初期の王政から共和政のローマ本や、ローマの神話本を読みかじって
「最初の頃のローマってこんなだったろうな~」とわたしが想像していたような
社会形態や、神話形態が、ちょうど描かれていて、ちょっと感動した。
(ル=グィンも似たような資料を読んだのかちら!!
わたしの想像にお墨付きを頂いたような勝利感でございますよ)
特に、境界の上で踊るマルスとか、ウェヌスの位置付けとか、
ギリシアから神々が入ってくる以前のローマ人の素朴な信仰形態とかが、
「そうやんな!こんな感じやんな~」と膝を打つ感じに描かれてて大満足。
大雑把に言えば、『アエネーイス』の筋を、実際の当時のローマ世界の中で展開してる感じです。
本当は、トロイア戦争からローマの夜明けまでは数百年の時差があるので
ローマの初代王ロムルスとレムスのご先祖たるラウィーニアと
トロイア人のアイネイアスは時代が違うし、まあ会うはずないんだけど
(アイネイアスのローマ建国伝説はラティーヌスのそれをなぞっているという説が一般的?)
その辺りは、作者が上手にまとめてます。
色んな伝説の要素を一旦分解してもう一度ぴたりとピースがはまるように組みなおすと
こうなるのだなあ、という…


お話は、『アエネーイス』をラウィーニアの視点で語りなおした感じです。
ラウィーニアの知らない前半部分は、詩人のウェルギリウスが語ってます。

このお話、不思議な構造になっていて、
ラウィーニアは血肉を持った人間であるとともに、ウェルギリウスの創作した作品内の人物で、
彼が確固とした役割や人格を与えなかったせいで永遠を生きている、といったような設定がなされてます。
作中で、叙事詩の作者であるウェルギリウスと登場人物であるラウィーニアが
会って話すシーンなどもあります(このシーン、静かでとても好き。
ウェルギリウスの登場シーンだけ、ほのかにアウグストゥスの時代のローマの香りが
感じられて、もう、作者の才能にくらくらしました)。
そのラウィーニアが、思い出してはその時の事を語るため、時系列が時々入り乱れていて、
最初はちょっと戸惑うかもしれません。

筋は、何が起こるわけでもなく、大冒険活劇があるわけでもないし地味かなと思ったのですが
それはわたしがもともと『アエネーイス』を読んでいて、次に何が起こるかを知っているからかも。
後、一貫して女性のラウィーニア主観で描かれるので、戦闘シーンが出てこないから
そんな感じを受けるのかも。淡々と王女の日常が続くからそう感じるけど
よく考えたら、戦争がおこって終わってるなあ。
一応、ラウィーニアをめぐってトゥルヌス&アマータ率いるラテン軍VS
アイネイアス率いるトロイア勢の戦いが起こって、トゥルヌスの死で収束するまで続きます。
(物語はその戦争の後さらに続きますが)

なんというか、不思議な読後感だったなあ…。
個人的にプラス評価ばかり感じたわけでもなく、
毎回なんでこの人の話女性が男性に押さえつけられて
息苦しくなってるシーンが一度は入るんだろうとか(まさか、それが肝なんか?)
アスカニウスとトゥルヌスはちょっと気の毒な描かれ方してたよなとか、
あまり好ましくないところだってあったのですが、
ソレを差っ引いて色々総合的に見たら、面白かった、のかなあ…
今考えたら、アイネイアスをラウィーニアが心底愛していたので、
読者にもあんなに彼が素敵に見えたのかなあ…
(作中、ラブラブでしたぜ、この二人!あーもう、あっついあっつい)

手放しで「あー、面白かったー!」とストレートに言うにはもっと
複雑な何かが残るというか、

だから、まさに、なんというか不思議な読後感、だったのでした。


あ、あと、エトルリアも素敵な感じで出てきてましたよ!
向こうに押し切られた感満載のディードーと違って、
クレウーサのことは、アイネイアスが本気で愛してたっぽいのも好感度大。
ヘクトールやディオメデスも、名前だけ出演してました!うわーい。
アキレウスとオデュッセウスは一箇所だけおんなじとこにやはり名前だけ出てきてましたよ!
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by mi-narai | 2010-05-02 19:53 | 2010年4月の読書

雑記(『エジプト発掘』&見習い家の女たち)

某N●Kの『エジプト発掘』シリーズ
第1回目を何の気なしに見て、ものすごい面白かったので
(ピラミッドの建築方法を、現代の建築家の目から検証、
これまでの説の短所を考慮し、もし自分なら当時の技術を使って
どう建てるかを考え、それに基づいてピラミッドのデータを再検査、
するとまさかのその説、大穴ストライクの予感!…てな筋書き。
ピラミッド建設には、内部に螺旋状に資材運搬用のトンネルが設置されていたのではないかという
大胆な予想&地道な検証が非常にスリリングで面白かった。
もともと、古代の人の思わぬ工夫とか技術とかにやたらときめくので
今回も通常の2割増で興奮してしまいました!
思えばマヤのティカルの都市構造にもアホほど興奮したもんな)

妹と、2回目3回目も楽しみに見たのですが、

2回目「ツタンカーメンの后」の話は、これまで色んなところで
語られすぎてて、大体知ってる話が多かったのと、
発掘された墓がひどくあらされててがっかりしたのとでイマイチな印象でした。

でも、3回目の「クレオパトラの妹アルシノエー」の話は、面白かった!
(アルシノエーの墓の発掘場所がトルコのエフェソス、というだけで
まず嬉しかったので、点が甘いのは自覚してるんです)
歴史的背景云々も楽しく見ましたが、何より、


現代の法医学、すげーー!!


そりゃ米ドラマ「BONES」など見て、すごいんだナという漠然とした前知識は持ってたけど、
あんなのドラマの中だけの話だと思ってたんですよ。
なのに、実際の法医学でも骨から色んなことが分かる分かる!!
発掘した遺物からだけでなく、文献からも、建築史の観点からも、色んなところからアプローチして
徐々にアルシノエーの死因や死亡直前の外見に迫っていくところが
下手な推理ドラマよりよほど面白かったのです!

個人的にはもうちょっとテンポ良くてもいいかなと思ったけど。


概ね満足して、
「これって、今回で終わりなんかなあ」
「残念やなあ」
と、言い合いつつ見終わった妹とわたしでしたが、
…今朝、衝撃の事実を知ってしまいました。

第4回は今週土曜BSで放映

BSですって!?うち入らんっちゅうねん!!ちくしょうNHKのヴァカ~~~!!
(第4回はエジプトの船についてらしいんですよ!!船好きとしては見逃せない回)







見習い家の女たち

ある日、妹と二人きりで夕食を食べる機会があったのです。
その日は何も面白いテレビ番組が無かったので、なにか手持ちの映画でも流そうかということになり、
見たい映画など尋ねたところ、妹の答えは

「『TROY』が見たい」

以前、一緒に『レッドクリフ』を見に行ったんですが、
その時東洋の古典の映画化である『レッドクリフ』を意外と楽しんだ妹、
古典つながりで、西洋の古典の映画化である『TROY』も見たくなったらしいのです。

そんなん、言うてくれたらなんぼでも持ってきますがな。

てなわけで、いそいそとDVDを用意するわたし。
夕食食べる間だけ流すつもりだったので、最初だけ見るのかと思ってたら
結局、ふたりでがっつり最後まで見てしまいました。

ワタシの持ってる児童文学でざっとあらすじは知っているとはいえ、
とりあえず妹は一般人だし、渋好みの性格からして、
ヘクトールかもしくはまさかのプリアモスのどっちかに転ぶんだろうなと
予想をつけつつ、偏見を植え付けないようにあえて無言で見ていたらばあなた、
アキレウスを勧誘しに来た豆ッセウスの初登場シーンが終わるやいなや

「何、今の!!めっちゃかっこいいやん~~!!!」

妹、大興奮。

嬉しい以前に、予想外の台詞とハイテンションっぷりに姉ちゃんびっくりです。

「…え?アンタのポイント、ここなん???」

とぽかーんとしてしまいました。
自分はもともとまがりなりにもイタケ人ファンなんで、もちろんこのシーン大好きなんですが、
普通の人がここで引っかかるとは思わなかったの。

そうなのかい。あんたもさては豆ッセウスの笑顔にやられたね?
(姉ちゃんもこの役でショーン・豆に嵌ったものさ)
ええ、分かります、分かりますとも。

あたしたち、魂の兄弟ね!(※実際に姉妹です)

ホント予想の斜め上を行ってくれます、妹。
予想通りヘクトールにも同情過多でしたが
(→その分アッキーには超辛口でした。このわたしがアッキーの弁護をしてしまうほど)、
それよりなにより、豆ッセウスの出番をまだかまだかと待ち構え、
登場シーンの次、上陸シーンで黄色い歓声を上げ、
テントシーンでは
「ちょっと待って、眼鏡取って来る!」
と一時中断。その後も、豆の登場シーンはかぶり付きでした。
見終わった後には

「オデュッセウスとヘクトールファンは必見やな、この映画」

と力強く宣言なさっておいででした。
DNAを感じた一瞬でした。
ともあれ、妹と存分に豆ッセウスを語れて姉ちゃん、楽しかったよ!


しかし、見習い家のDNAはもっと根深かった。

それから数日後、今度は母&妹&わたしの女ばかりでランチをする機会があったのですが、
その席で、わたしと妹の主なDNA元が母であったという実にあたりまえな事実が判明。

発端は、妹の
「こないだ電車乗ったら、三国志について熱く語ってる男の人がおってな。
その人が言うには三国志は男子の基礎知識らしいで」
という他愛無い一言でした。
会話は以下のように流れ、

→確かに、世の男性諸兄、真偽はともかく、三国志知ってはいそうよね、
ゲームの影響もあるだろうし

→アジア人なら大体知ってるのではなかろうか?三国志なかなかすごいねー

→同じような感覚で、ホメロスは西洋人の基礎教養なのかしらん?

この辺りで母が会話に割り込んできて

「そうそう、こないだあんたに貸してもろた本、あんましオモロなかったで」

などと言い出したのです。
何かと思えば、ずっと以前、劇団4季の『トロイ戦争は起こらなかった』を
見に行くにあたり、「なんやったら読む?」と例のピカードの児童書『イーリアス物語』を貸したのでした。
貸したことすら忘れてた。ていうか、律儀に読んでたんかい。
最初は、面白くないといわれて、
「いいや、そんなことはない、あれは奥深い名作である。おかんの読みが足りぬのだ」
と抗弁しておった妹とわたしですが、よくよく聞いてみると

「だって、主人公イマイチやねんもん」

え?

「敵方の人が可哀想で仕方なかったわ」

……あー、そういう理由なのね。


『イーリアス』自体を否定されたのではないと分かり、いきなり手のひらを返したように同調し始める妹。

妹「そうやんな!大丈夫、わたしもそう思ってる!」
母「でもかといって喧嘩の相手の人(←アガメムノンのことらしい)もイマイチやしなあ」
妹「うん。大人気ないよな」
母「どっちもどっちやな

わたし個人としては、例のアのつく二人に関しては、
アレはああいうもんだと思ってるので別段これといった反感もなく、
なんかやたら盛り上がってる二人を横で楽しく眺めてたんですが
母ときたら

母「それやったらお母さん、軍師の人がええわ。一番優しそう」

などと言い出すのです。

・いや、優しいというのはどうかな…
・おかあたま、アンタもっすか!!

どっちにツッコんでよいやら分からない一瞬でした。


好みのタイプも遺伝すんのかしらン…(ならCさんちの娘さんはアキレウス好き??うわー、気になる!)
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by mi-narai | 2009-08-06 00:20 | その他