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『人間・始皇帝』『ミス・エルズワースと不機嫌な隣人』

テレビ

「数学白熱教室」
2回目、3回目と4回目。
2回目…今日は数論の話でしたよ!
整数、分数、有理数、無理数の話から始まって、方程式の解のハナシまで。
ガロアさんの生涯に吃驚しました。
20才で重大な数学的証明を書き残した翌日に決闘で命を落とすとか、
衝撃的すぎるでしょ!!
で、一応理系だった父に「ガロアって知ってる?」と尋ねると
さも当たり前のように「うん、知ってる」と言われたのでこれにも吃驚しました。
そうか、そんなに有名人か。

3回目…調和解析と数論のつながりの話。
残念ながらチャイコフスキーは出てきませんでしたが、
先生の興奮につられてこっちまで
「えっ、すっげ、なんでそこでつながんの!?」とときめいてしまいました。
数論における解の個数が、調和解析においては美しい図形で表せるなんて!
これも、もっと研究が進むとどうしてなのかが分かってくるのかな。
再三言うように数学的素養のないわたしには、うすらぼんやりした輪郭追うだけで精一杯ですよ。
最後のあたり、ちょっと場を和ませるためか、先生は毎回数学的偉人の生き様とかを説明なさるんですが、
そこで一人の日本人研究者に言及なさってて、その最後に切なくなってしまった。
まさか自殺してたとは…
で、その自殺を言及した研究仲間の悔恨の言葉にやられた。

4回目…物理学と数学とのつながりの件。
最新物理学における素粒子の数と数学の群のつながりの話。
そもそもSU(3)とかSO(3)とか、もうそっから分からん。
(群の名前らしい)
でも、その群と素粒子の数に関係があると聞いて、やっぱり「マジかー!」と吃驚してしまいました。
なんやろう、数学って、概論の最たるものやねんから、こうイデア的なのかしら。
それがそれぞれの分野に投射されて色んな形で立ち現れるのかな。
なんにせよ、クォークの種類とか(アップとかダウンとか)、
聞く回数が増えるにつけだんだん耳に馴染んできたぞう!

わたしには難しい授業でしたが、最後まで聞き終えられたのは、やはり先生の顔が
ものすごい好みだったからかもしれません。眼福でした♪
(いや、もちろん講義内容も面白かったよ!!)

次回は行動経済学っぽいのでまた見てみようかと思います。


「アメリカン・プリンセス」
ダウントン・アビー枠でやってたので、単発ドラマかと思って見てみたら、ドキュメンタリーでした。
ダウントン・アビーの伯爵家のお母様、コーラさんのモデルにもなった、
破産し掛けたイギリス貴族たちの救いの女神、持参金付きのアメリカ娘たちの話。
いや、このネタ、ロマンス小説でよくあるので、ロマンスファンには今更なのですが
改めて、チャーチルの母ちゃんもそんなアメリカ娘だったらしいとか、
目新しい情報が面白かったですよ。
しかし、イギリスが作ってるドキュメンタリーだからだろうけど、
ちょっとイギリス貴族側に甘すぎないか?
ニューヨークのオランダ系上流階級の皆さん方も人でなしですが、
イギリスの世襲貴族どもときたら

クソ

ですよ!!とくに跡継ぎのバカぼんの醜態は耐え難い。
ほんま、後ろ頭ハリセンで思いっきりどつき回したい誘惑に狩られて止みませんでした。
アメリカ娘のお父さんは、割と叩き上げの商人が多いんだけど、
そのお父さんたちの娘婿に対するいらだちに一番共感しました。



ここから本

人間・始皇帝 (岩波新書)

鶴間 和幸 / 岩波書店

スコア:


鶴間 和幸著『人間・始皇帝』
読み終わりマシたー!
ちょっと前にアジア巨大遺跡で始皇帝陵を見たから読みたくなって。
中国史が苦手なわたしが興味を持つなんて滅多にないことなので
この機会を逃すまじ!と頑張りました。
で、読み始めて案の定、4ページ毎に訪れる睡魔のことですよ。
歴史は面白いんです。そのおもしろさを上回って

中国語の名前がつらい…

漢字がどれも同じに見えるねん…。
いや、それでいうならわたしは日本史も苦手ですけどね!!!
国名はすべからく漢字一文字、人の名前も二、三文字なので
余計に覚えづらい上に、読み方に馴染みがないからさ。
以下、思ったことを箇条書きに。

・とりあえず、戦国時代秦は一番西の端っこ、楚は南っかわ、
斉は東の海沿い、趙は真ん中辺、という大体の位置関係と、
呂不違、とか李斯とか、宰相の名前と、
趙正が13歳で即位したってことと、その政策なんかは分かった!

・でもって、つくづく、中国は広いなあ、と感心しました。
この時期、戦国7国くらいに分かれてるけど、地図で見たら小さいけど、
日本地図と比較すると吃驚するよね。

・で、国が分かれてた割に、結構他の国の優秀な人材を登用してたりするんだなとも。

・作中ちらっと中国の星座の話も出てきたけど、これまた興味深かったです。
始皇帝の崩御あたりの天変地異に絡めてなんですけどね。
28宿を4で割って、それぞれ方位を司る四神になるとか、ちょっと面白いですよね!
青竜の頭の星、目の星、胸の星、腰の星、とかあんの。
方角に神々が配されてるあたり、ちょっとエトルリアを思い出します。

・神といえば、斉の行ってた祭事も面白かった。
天神に始まる各種神を、国の方々で祭ってたんだって。
シユウは軍神ポジションですよ。
ジョフクが東方の蓬莱を探して旅立ったのもこの時期ですよ。

・妹に、このすぐ後に項羽と劉邦の時代がくるで、と聞いて、
いつもバラバラに考えてたこの二つの時代がこんな近かったんか、という自明の理にも
改めてびっくりしました。
やりだしたら、面白いんだろうな~中国史も!(やらんがな!)

とりあえず、読み終わる頃には始皇帝にほんのちょっぴり親近感が芽生えてますYo。
意外に楽しめた♪


こなもん屋うま子 大阪グルメ総選挙 (実業之日本社文庫)

田中 啓文 / 実業之日本社

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『こなもん屋うま子 大阪グルメ総選挙』
大阪市長であるあの人っぽい登場人物が出てきます。
この人だけは、毎回うま子の店を捜し当てることができる特別枠。
ちょっとあからさま過ぎるかな。
でも、あの人の印象としてはそんな感じよな。とも思いました。


カンナ 奥州の覇者 (講談社文庫)

高田崇史 / 講談社

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高田崇著『カンナ 奥州の覇者』
お借りした本。
いい加減、作者の恨み節がウザい。
主人公もそんなに悪くないし、仲間の一人が裏切り者というサスペンスも悪くないのに
著者の押しつけがましい歴史観がすべてを台無しに。
ほんと、これさえなけりゃなぁ…(※それがこの作者のウリです)


ミス・エルズワースと不機嫌な隣人 (ハヤカワ文庫 FT コ 4-1)

メアリ・ロビネット・コワル / 早川書房

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メアリ・ロビネット・コワル著『ミス・エルズワースと不機嫌な隣人』
一応ファンタジーに分類される本で、魔法が出てきますが、
別に魔法で人を殺すわけでも戦うわけでもありません。
舞台は19世紀イギリス、出てくるのは地方の中産階級の人々、魔法はそんなのどかな背景の中、
絵画やピアノといった女性のたしなみのひとつといった位置づけです。
主人公は、そこそこ良いお家の長女で、あんまり容姿に恵まれてないけど、
魔法の技に長けてて良識があって落ち着いたオールドミス、
下に美人だけど衝動的な妹がいて、最近性格の不一致から姉妹関係がぎくしゃくしてます。
で、お隣の常識人の領主にほのかな思いを寄せてたり、妹とはからずもライバルになっちゃったり、
妹とお互いに羨ましがってたのが判明したり、
細やかな情感の描写とともに、物語は展開していくわけですが、

うん、オースティンみたいでした。

上品なロマンス小説っていうか。
魔法は、ロマンスの割と大きなキーポイントなんだけど、やっぱり一貫して手業の一つでしかないというか、
すごい変化球な魔法の使い方でした。
主人公と相手役の人のくっつくくだりがちょっと唐突でしたが、
わたし、すごく楽しんで読みました!
その人とくっついて欲しかったんだ~!!
面白かったです。


落ちこぼれネクロマンサーと死せる美女 落ちこぼれネクロマンサー・シリーズ (創元推理文庫)

メラニー・カード / 東京創元社

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落ちこぼれネクロマンサーと黒魔術の館 落ちこぼれネクロマンサー・シリーズ (創元推理文庫)

メラニー・カード / 東京創元社

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メラニー・カード著『落ちこぼれネクロマンサーと死せる美女』
ちょっとした気の迷いで買っちゃった本。
普段、オカルトもグロいのも苦手で読まないのに(恐がりなので)
なんか、多分その時疲れてたんでしょうね、ふらふら買っちゃったの。
まあ、買ったので読んでみた。
異世界ファンタジー。19世紀の西洋程度の科学は発達してそうだけど、
魔法があるせいで、医学における外科手術が法律違反になっちゃってる世界。
主人公は高名なネクロマンサーの家系に生まれたけど、医者になりたくって、
医学の道を志すも、手術が公にできないから墓場を掘って死体を解剖しようとして
軽犯罪で捕まったことがあるという若干情けないたぐいの前科持ちです。
この気弱で善人の主人公が、金に困って
15分だけ死者を蘇らせるネクロマンサーの術を、死んだばかりの金持ちの娘に
掛けたところから話は始まります。
このお嬢様が実は裏社会のボスの娘で腕利きの殺し屋で、その裏社会の軋轢やら、
ブラックなネクロマンサーの呪術やら、町を牛耳る為の陰謀に、
お人好しの主人公が巻き込まれてえらい大変な目に遭う、という筋です。
まぁまぁ。
サスペンス度合いがハード過ぎてちょっとしんどいのと、
(血と死体と裏切りがいっぱい出てくるよー)
最初は主人公が美女にバカにされっぱなしでストレスがたまるのですが、
読後感は意外に悪くありません。主人公は一貫して良い奴だし。
なので、面白いか面白くないかと言われたら、割と面白かったです。
でも、先に読んだ炎と茨の王女とか、ミス・エルズワースとどっちが好きかと言われたら
王女とミス・エルズワースかなあ。この辺は個人の好みだと思います。
ちなみに2巻目の『落ちこぼれネクロマンサーと黒魔術の館』も読んだんだぜ!
(だって、買ってあったんだもの)
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by mi-narai | 2015-12-31 15:37 | 2015年下半期の読書

TV、『古代文明アンデスと西アジア』『アステカ王国の生贄の祭祀』『フロスト日和』

最近のテレビ

『経世済民の男 小林一三』
期待に応えてくれました。面白かった!
コミカルで、ダメなところもたくさんあるけどなんとも憎めないチャーミングな
一三に仕上がってました。脚本と演出と役者の力ですね!
後半駆け足だったのが心残りですが。
作中の、「豊かな社会とはなんだね」的なことを尋ねられた主人公が
「みんながこの国に生まれて良かった、と思えるような社会」
と答えたのが印象的でした。
全くな。金持ちや偉い人だけじゃなく、どんな状況で生まれても、
なるべく多くの人が「日本に生まれてよかったー!」と思えるのが良いよな。


「世界入りにくい居酒屋」
ファーストシーズンの総集編を見ました。
(弱いくせに)酒好きの身としては、毎回楽しみに見てたんですよね。
この番組、まさしくタイトル通り世界の色々な町の、地元民でなければ大変に入りづらい
居酒屋に取材したものなのですが、
映像を見ながら大久保さんやいとうさんといった飲兵衛のお姉さん方が
感想とつっこみをいれてくれるのも楽しいポイントです。
セカンドシーズンが始まるようなので、嬉しいな~!
見てるとみんな楽しそうでやたら酒を飲みたくなるのは困ったもんですが。


『山賊の娘ローニャ』
楽しく見てたんですが、山賊団がまとまったところで終わっちゃった。寂しい。
あの主人公の子供たちの友情は「探しに行こうよ」みたいで一貫して好きだったなあ。
大きくなって男女の仲になるのが楽しみなような惜しいような。
それにしても、最後の辺りの数回は、主人公の子供たちよりも
お父さんたち二人のやりとりに目が釘付けになってたなんて言えやしない、言えやしないよママン…
マッティスがあまりに可愛らしくてさ…。


ここから最近読んだ本

古代文明アンデスと西アジア 神殿と権力の生成 (朝日選書)

朝日新聞出版

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『古代文明アンデスと西アジア 神殿と権力の生成』
ちょっと前に、
エジプトとか恐竜とかインカ・マヤ・アステカはものすごい面白そうで誘惑されるけど、
これ以上手を広げると大変だから断固として屈さない!

…と言った舌の根も乾かぬ内に買っちゃいました。アンデスもの。
読み終わってだいぶ経つのでうろ覚えなんですが、
大まかに言えば、経済偏重の歴史観を反省しつつ、神殿形成時期の社会の動きを
違った目で考えてみよう!という趣旨の論文集ではないかと思います。
メソポタミアは若干少な目でしたよ。
で、トルコのBC9000年期辺りの宗教施設がどう考えても狩猟・採集時期のものだったり
(これまで、神殿というのは農耕に移行してから建てられたと思われてた)
内っ側やら、上からどんどん神殿が更新されて大きくなっていったり
新しくなっていったりする様が語られたり、面白かったです。
メソポタミアって、都市国家系なのね。
でも、面白かったのに、何回も寝落ちしちゃった…。
発掘現場の報告書、みたいな淡々と事実を述べる記述が続くと、つい、眠気がね…


アステカ王国の生贄の祭祀: 血・花・笑・戦 (刀水歴史全書)

岩崎 賢 / 刀水書房

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岩崎賢著『アステカ王国の生贄の祭祀: 血・花・笑・戦』
アメリカ大陸づいてる時に本屋で見つけて買ってしまったもの。
主にアステカの神話について述べてあります。
正直な感想をまず一言。


血生臭SEEEE----!!!


いや、前々からマヤやインカに比べて生け贄儀式の規模と回数が多いよな、とは思ってましたが、
一月に一回必ず生け贄儀式があるんかい!!!
比喩でなくマジで心臓捧げちゃってますよ!(神に!)
しかし、話を聞いてみると、どうやらアステカ文明は、ちょうど南アメリカ全体が
好戦的になっていた時代の国家だったんだそうな。まあ、それなら分からんでもない。
ずーっと血生臭いわけじゃなく、その時期が特に戦国時代だったから好戦的だったんだよね。
生まれた男子はすべからく良い戦士になるよう、厳しい訓練が課された、てあるし、
往事のスパルタやローマのようなものだと思えばいいのでしょうか。
歴史を見ても、アステカ帝国の母胎となった部族は、もともともっと北に暮らしてたのが、
寒冷化のせいでメキシコ盆地に南下してきた一派で、
すでにその辺りで栄えてた他の大帝国の周辺でいいように使われる辺境民族だったっぽいし。
良くありますよね、大帝国の周辺国が実力を付けて侵略してくるパターン。
マケドニアとか。ゲルマン民族とか、オスマン・トルコとか、モンゴルとか清とかさ。
まさしくアステカもあのパターンです。
なので、大帝国になってからも軍事色が強かったっぽいよ。


それにしてもこの本、アステカの神々がものすごいよく分かります。
さすがちゃんと研究なさっておられる方の本だぜ。神さまの名前の意味もちょこちょこ載ってて楽しい。
これまでは、アステカの世界は機械仕掛けの時計みたいなもんで、
人間の血液を定期的に与えないと動力が枯渇しちゃって動かなくなる、みたいな理解だったらしいんだけど、
筆者は、もっと循環型の世界観だったんじゃないかと思っているようです。
神々の血もまた生命力や作物として地上にもたらされるんです。
それによって人々も他の神々も潤い、巡りめぐって人間も神々に血を返すと。
神々の血をいただいて、人間の血をあげて、こう、生命力がぐるぐる世界を回ってるイメージ。
なんか、その方がいいですよね。
多分、欧米の研究者よりは地理の近い日本人の方が絶対古代アメリカ人の気持ちは分かるはずですよ…!
アメリカ大陸へ渡った人々は東北アジア出の筈だし!
桃太郎の出生に激似の神話とか、天の岩屋戸の話にくりそつな神話とかあって
大変にシンパシーを感じました。
ギリシャ神話と日本神話の類似はさすがに偶然かな、と思うけど、
南米だったら、ひょっとすると神話の源流は一緒かもしれませんよね。


田中啓文著『イルカは笑う』
ブラックなネタが多くて、買って読んだことを後悔した。
いや、そこまで嫌いでもないが、手元に残しておくほどのものでもないので
売ると思います。


フロスト日和 (創元推理文庫)

R・D・ウィングフィールド / 東京創元社

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ウィングフィールド著『フロスト日和』
面白かった!
1作目を読んでから大分間が空いたので、今回フロスト警部の相棒役になってる
若いウェブスター刑事、前回からの出演だとばかり思ってたら

初登場だった…!

相変わらず次々と起こってはどんどんと積み重なっていくフロスト担当の諸事件に
働いても働いても終わりの見えない一日のことですよ。
章のタイトルが最初の頃延々「火曜日―夜勤」で(「火曜日―夜勤」の次の章も
「火曜日―夜勤」その次も「火曜日―夜勤)
「あああ、夜勤が終わらねぇ~~!!」という気になりました。
こういう小さな事件が畳みかけるように同時に起こるのって、モジュラー型と言うそうで。
なので、フロストシリーズはモジュラー型警察小説。なのかしら。
で、作中上司やウェブスターさんからさんざん小汚いだのだらしないだの行き当たりばったりだの
下ネタ好きの親父だの、頭が悪いだのこき下ろされる主人公フロストですが、
この人、でも、すごい良い人なんですよ。人の痛みの分かる人というか。
決して奢ったり人を見下したりしないのよね。自分を過信しない。
なので、読み進む内このどうしようもないグダグダのおっさんにいつのまにか肩入れしてしまうという。
上司にいたらほんとうにたいへんだけど、わたしは好きだなあこの人。
おまけに、読み進むにつれ、あんなに錯綜していた事件の数々は、全て解決し、
全ての複線は回収されるんです。お見事!
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by mi-narai | 2015-10-04 01:56 | 2015年下半期の読書

『本の町の殺人』 『古代エジプト』 『エトルリア学』

エクソダス。
わたしのアイドル、ラムセス2世に失礼な映画作んな~~!!!!
そもそもモーゼの映画作る言うなら当時のエジプト語とヘブライ語喋るくらいの根性見せてみんかいゴルァ!(無茶ブリ)



萩尾望都著『マージナル』『バルバラ異界』
いや、手持ちの萩尾望都本を読み返したら、持ってないのも読みたくなって
思わず買い求めてしまったのです。

マージナル (1) (小学館文庫)

萩尾 望都 / 小学館

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『マージナル』は一度貸してもらって読んだことがあったんだけど、
今回改めて買ってみた。マルグレーヴ(メイヤードさん)がなんか好き。
(毎回アシジンと彼のシーンだけ何回も読みなおしてしまう)
昔読んだ時も今回も読み終わった後も、サトクリフ読んだあとみたいに世界から戻ってこれずに
ぼんやりしちゃいましたが、今回は特に最後の辺りのナースタースの嘆きが心に響いたっちゅうか。
後、解説のおかげで「あー、なるほど!」とようやく話が分かりました。アホですまん。


バルバラ異界 1 (小学館文庫 はA 41)

萩尾 望都 / 小学館

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『バルバラ異界』
いや、これも、面白かった…!
最初はよう分からんまま読み進めてましたが、ストーリーテリングの巧みさや場面の切り替わりのうまさ、
単純に画面の美しさに引っ張られて結局一気読みしてしまいました…。
(で、読み終わった後は世界から戻ってこれずry)
すごすぎて正しく語る言葉を持たないので、感動の合間にちらっと思ったよしなしごとをメモ書きします。
・ヨハネが意外といいやつだった…。
・確かに、移植した場合は他人の肉は拒絶反応起こすのに、食べた場合は大丈夫なのは、言われてみれば不思議だなあ…
(消化器官と酵素さんのおかげか?)
・妹に、最後のタカとキリヤの顛末がどういうことなのか分からんと言われて、わしもよう説明できなんだ。
「えーと、なんか、そういうもんやねん」(幼稚園児レベル)


猫mix幻奇譚とらじ(8) (フラワーCアルファ)

田村 由美 / 小学館

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田村由美著『猫mixとらじ』8巻
※こんなタイトルですが、よくある飼い猫との日常本ではなく、ファンタジーです。
ネズミに子供を誘拐されたお父さん(職業:英雄)と、ネズミに人型にされちゃった仔猫とらじの旅の話。
前から宣言してるとおりマンガとロマンス小説はよほどのことがない限りレビュー書かないんですが
(消耗品だから。キリがないもの)
この1年に1回しか出ない本が、去年よりちょっと早めに出版してたのが嬉しかったので。
相変わらずのとらじのかわゆらしさですよ!!!!
猫好きさんは必読の書ですよ!!!!!
中盤の銀ちゃんに追いすがるとらじのシーンであまりのかわゆらしさにキュン死するかと思いました燃え滾った!

この『とらじ』の他に、2冊ほど長いこと続きを待ってるマンガがあって
『やぎさん郵便』と『10ダンス』(いずれもホモ)なんですが、
『やぎさん』の方はつい最近ようやく続きがでましたが(完結は次巻にもちこされたけどな!とほほ…)
『10ダンス』の方はいつ出るんでしょうか。続きが気になって気になって気になって仕方無いよ~~


本の町の殺人 (創元推理文庫)

ローナ・バレット / 東京創元社

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サイン会の死 (本の町の殺人2) (創元推理文庫)

ローナ・バレット / 東京創元社

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ローナ・バレット著『本の町の殺人』、『サイン会の死』読了。
表紙からも分かるように、かるーい口当たりのコージーミステリー。
本格ミステリがお好きな方からは眉を顰められるかもしれませんが、
わたしはジル・チャーチルの主婦探偵シリーズとか、
アメリカ産のこういう、女性主人公で地域密着型で日常満載の
明るいミステリーが結構好きなのです。
なので、割と楽しんで読み終わりました。
いや、最初のあたりはいまいち乗れないというか、『ゴッサム』に引き続き
「失敗したかな、これ」と思ってましたが、
姉のアンジェリカと和解したあたりから面白くなってきた。
外国産ミステリーってその国の日常が垣間見えるのが楽しいですよね。
女性作家だとそれが顕著な気がします。主人公に共感もしやすいですし。

『本の町』は、まず、本屋を営んでる主人公の元に、最近離婚した姉が転がり込んでくるところから始まります。
この姉とは小さい頃から折り合いが悪くって主人公は最初辟易としてるんだけど、
同時期に主人公が意地の悪い保安官に殺人容疑(濡れ衣)を掛けられて、
一緒に無実を晴らすために捜査するうちに
結局仲直り出来て良かった良かった、みたいなドタバタコメディタッチの筋。
『サイン会の死』は、その半年後、店でサイン会やったらその作家が店のトイレで死んじゃって、
捜査のために店をまたもや天敵の意地の悪い保安官に封鎖されちゃって、
なんとか店を再開するために犯人探しに乗り出す主人公、みたいな筋。
1巻目は若干グダグダするけど、2巻目は最初から大半の登場人物に馴染んでるし
より楽しく読み終えた気がします。けっこう姉のアンジェリカが好きかも。

でも、言っておきますが、この本に大層な人生の意味とか、文学的な面白みとかを
求めてはいけませんよ。純然たる娯楽作品だからね!
後、1巻目でいけすかない事件記者として出てきた男と2巻目冒頭でいきなり
良い仲になってて、びっくりした。あれ?あたし、何か見逃した??


古代エジプト 失われた世界の解読 (講談社学術文庫)

笈川 博一 / 講談社

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笈川 博一著『古代エジプト』
エジプト展に行ったし、昔読んだエジプト本の知識も薄れかけていたので
知識の補強もかねて、本屋で新発売されてたものを買い求めてみた。

そもそもわたしの歴史への嗜好って、小学校の時分のマヤ・アステカ・インカそれとエジプトへの
興味が元になってるんです。もともと好きなのよ、あの辺り。
(いや、子供って一回はその辺りに憧れるもんじゃない?後恐竜と。
謎とか古代とか滅亡とか、そういうワードに無闇に目を輝かせるというか。
自分がそうだったからみんなそうなんだと思い込んでるだけなんかしら…)
しかし、長じて、知識というのは一度知りたいと思いはじめると際限ないと痛感してから、
なるべく喫緊に知りたい範囲以外に手を広げるのはセーブするようになって
(ただでさえ、広く浅くの傾向があるのに!)
マヤ・アステカ・インカ・エジプトに
関しては、すごい好きなんだけど、
「あかん、そこにまで密に手を出し始めたらマジでキリないで」
と我慢してたんですよね。(それでも時々我慢しきれなくてポロポロ読んじゃうんですが)
なので今回のこの本もよっぽど買わないでおこうかと思ったんですが、
ぱらぱらめくった時の「この本良さそう」という直感とか、
某方がお好きだからもうちょっと知っておくと次回話のネタになるかしら、という下心とか、
最近いろんなエジプト展に行ったせいで妙な親近感があったりとか、
色々相まって買っちゃったんですよ。

結論としては、買って良かった。

面白かったです!

出版されてるエジプト本って、発掘とからめてごくピンポイントなことを中心に掘り下げて書いてあったり
後はエジプト王の事績を拾った歴史本だったりするけど(勿論そういう本も大好物!)
この本は、「これ一冊読めば古代エジプトの地理、歴史、宗教、言語などが総括的に概観できるように」
という目論見の元書かれただけあって、総合的に分かりやすくまとめてあります。すんごい親切!!
いや、エジプトの歴史って鬼のように長いから、詳細は書ききれなくって、
ホントに大事なところだけざっくり、なんですが、
特にわしのようなあんまり知識のないアホには、まずは大まかな把握が大事なので有難いことこの上ない。
では、以下、特に思ったこと



地理の話
・エジプトって地図で見たら範囲が広そうに見えるけど、
人が住んでたのは本当にナイル流域だけで、
それも上流に行き過ぎると滝が連なっててそれ以上進めないし、
川の両側は砂漠でやっぱり住めないし、
正味の居住地だけ集めたら、四国分ほどしかないんだって。
意外と狭い!
相手の方も人口密度が低かったのだろうとは思うけど、それでも大帝国のヒッタイトと
互角に戦ったりしてたのかと思うとちょっと凄いですね!

宗教の話
・日本などは当時の政権によって雑多な神話が一つにまとめられたし、
ギリシャ神話だって、ばらばらだった各地の神話が歴史時代には大まかには系統だてられ済みだったと思うけど
エジプト神話の場合はそれに比べると統一性が薄いというか、地域によって信じられてる神話が
わりと地方色を残したまま同じ価値で並行して信じられてたそうです。
(そういえば以前そうお聞きしたな!このことか!)
現代日本でエジプト神話を読むときはそれらをあたかも一つの神話系統のように並べて書いてありますが
実はアレ、この神々はオンで伝えられてきたもの、このエピソードはテーベ系、とか
系統がバラバラで、思いのほか繋がりが薄いみたいです。
あんまり統一しようという機運もしくは必要性がなかったのだろうな。
時代によってテーベ勢力が強くなったりしてたみたいだけど。
例外的にアテンに統一しようとしたアメンホテプ4世(イクナートン)がいるけど、失敗したしなあ。

イクナートンと言えば、今ウォークマン入れにつかってる袋の模様、イクナートンだわ~。
(出っ張ったおなかとお尻が特徴☆アテンの手もバックに描いてあるし)

・ウセルが太陽神と聞いてニヤニヤしました。
確か、エトルリアにも、カタの他にウセルっていう太陽神がいた気がするんですよ。
偶然かもしらんが、ギリシャからもアポロンを直輸入してたエトルリア人なので
エジプトから直輸入、という可能性も捨てきれないぞ!
(あれ?でもそれならラァを輸入する方が自然か??やっぱ偶然かしらん)

・言語の話。
セム語と同じで子音しか記してないから
意味は分かれど正しい読み方がさっぱり分からない古代エジプト語※。
(アラビア語で痛感したが、この系統の言語ってホントに意味は子音が担ってるらしいんですよ、
日本語みたいに母音が変われば語の持つ意味が大幅に変わるってことがほぼないらしい。
なので、子音表記のみで当時の人は全然事足りてたんだなあ。
ひょっとすると、アラビア語みたいに、母音は名詞から動詞への変化とか、そういうのを担ってたかも知らんが。
言われてみれば日本語は上記のような事情から、自然、子音と母音がワンセットになった仮名が発達したのだろうし。
昔の人はそれぞれよう考えて仕様文字を決定してるなあ)
(※エトルリア語と逆バージョンですね。エトルリア語は読みは完璧にわかるのに正確な内容が分からない。
言語系統も不明)
古代エジプト語の直系の子孫としてコプト語があるし、ロゼッタ文書もあるから文章の意味はほぼ分かるのに、
コプト語は、現在日常では使わないし、それ以外にあんまり発音を類推できる資料もないようだし
発音の復元は難しいのですって。
とりあえず、読み下す時には「E」の母音を形式的に足してるらしいんだけど、

だから、本とかで説明されてる王名とか名詞とか、あれ、便宜上ああ読んでるだけなんだって!

なんとなくその辺りの事情は知ってたけど、改めて説明されるとそれなりに衝撃でした。
当時のエジプトにタイムマシンなんかで行けたとしても、会話どころか王名さえ通じないんですよ!
ホントはどう発音されてたのかなあ!気になる!
ホレムヘブとか、ホントはホラムヒーボ、みたいな発音だったかもしれないんですよ。オモロすぎる。

・エジプト文学の話。
まだホメロスも生まれてない頃に文字で文学を記してたってのがすごいですね。
流石エジプト!!
古代の中国もすごいと思うけど、エジプトも突き抜けてんなあ!
なんかもうこの辺りの古代文明って桁違い!
日本が余裕で縄文ってた頃なんで、それを考えるとちょっとときめきます。かっこいい!
(いや、辺境好きなので日本の立ち位置も大好物ですが)
紹介されてる文学は「二人兄弟の話」と「シヌヘ」と「書記の話」、「ホルスとセトの争い」
「アヌビスとバタ」など。
この「アヌビスとバタ」はタイトルロールのアヌビスとバタ兄弟の話で、
アヌビスの方はあの有名なジャッカルの頭部をもつアヌビスなんですが、
バタの方をこれまで聞いたことなかったのでびっくりした。
ちなみに、これまたヒッポリュトスタイプの話ですよ。
弟が兄嫁に陥れられる話。

「ホルスとセトの争い」は、タイトルから、有名なプルタルコスが伝える、
セトがオシリスを殺してホルスに仇を討たれるあの筋かと思ってたら、同じ主題を扱ってるものの

法廷ものだった…!!

オシリスの死後、ホルスとセトが神々の法廷でそれぞれの弁護人を従えて自分の王権を主張する話だった…!
なんか、ちょっとこれ、面白かったです。
それ以前に、イシスがまんま息子命のおかん過ぎて読んでてドン引きしましたが。
(娘に対するのと息子に対するのではどうしてこれほどあからさまに態度が違うのか!
…という娘側からの訴えをあまりに多く耳にするもので。)
後、セトにもちゃんと味方がいるのだな、と思ってほっとしました。
プルタルコスの伝えるオシリスとイシスの神話に関しては、わたしはセトの味方ですよ。
(これには、上下エジプトが統合される前、上下で争ってた時に、セトの守護する側の勢力がホルスの守護する側に
負けたからだという説があるそう)

・ファラオ=ペル+アア(大きな家)

・ラアメス2世の話
一番最後の章を丸々使って、ファラオのテンプレートとしてラムセス2世の半生について書いてありました。
ひゃっふう!
ラムセスというのは、ギリシャ語読みらしく、エジプト語では
ラア(太陽神ラア)+メス(産む、生まれる)でラアメスらしい(もちろんこれも便宜上の読みですが)。
あれ?じゃあ、トトメスは、トト+メスか!!!
ラムセス2世の半生や嫁、子供についてはあまりに有名なのでここでは割愛するとして
一つビックリしたことをば。

名前がめっちゃ長かった…!!

聞くところによると、ファラオの名前って5つに分かれてるそうで!
(だから、ラムセスだけじゃなく、全てのファラオの名前がたいそう長い)
時期によってまた変化したりして大変そうです!!


『エトルリア学』
日常生活の項は、どうだったか、というだけではなく、どこの遺跡や遺物から
どのように割り出されたかまで事細かに説明してあって相変わらず楽しいです。
武器から始まって日常の衣服についても記述があるんだけど、衣服の変遷のところで

「全裸はギリシアにおけるよりはるかに少ない」

って書いてあって笑った。


エトルリア語の方は、まずエトルリア語がどういった資料から判じられているか、
それを元にどういった説を唱えた人がいたか、今現在(勿論著者にとっての)の判明度合などが
詳しく説明してあって、その後おもむろに分かってる範囲での文法とか語の説明に入ります。
以下、思ったこと箇条書き

・著者はじめエトルリア学者はほぼ印欧語族の言語話者だからしゃーないけど、
印欧語の文法に則して考え過ぎじゃね?
流石に最近は「膠着語っぽいな」って思われてるみたいだけど、性とか語の屈折とか、格変化とか、
いちいち印欧語の変化モデルに対応して説明するのがうざい。

・訳者の方が膠着語の説明として、日本語、韓国語、フィンランド語を例に出して説明していらっしゃるんですが、
今んとこ、ものすごいトルコ語に似てる感じがするんですけど…。
(勿論、文法的にですよ。語彙は似てない)
しかし、ウラル語族のフィンランド語も膠着語だというのは知らなんだ。へー。
じゃあ、エストニア語とハンガリー語もそうなのか???

・母音調和が起こりがちというか同じ語の中で母音がそろいがちなのもトルコ語と似てますよね。
言われてみればフフルンス、って全部母音Uやんけ。すっげー。

・フフルンスといえば、フフルンスの町だからフフルナなのかと思ってましたが、ひょっとして逆なのでしょうか。
Sが属格(ていうか所属を示す接続語尾)らしいんだけど、フフルナの神だから、フフルンスなのかな。

・薄ぼんやり、「印欧語族侵入前は、方言はあろうけどうっすら膠着語を話す人々があの辺一体に広がってたとしたら
面白いな」ほどに思ってましたが、エトルリア語に特有の発音(もともとのラテン語ではないエトルリア起源の語として)
nθ
についての言及があり
「あれ?これギリシャにおけるインド・ヨーロッパ語以前の言葉にもこの発音なかった?
コリントスとかラビリントスとかってギリシャ語以前の言葉の残滓なのよね?」
などと夢が膨らみました。まあ、実際は関係ないでしょうが、線文字A時代の言語とエトルリア語に類縁関係があったら
ホント面白いのにな~。
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by mi-narai | 2015-02-03 18:05 | 2015年上半期の読書

『要塞島の死』 『エトルリア学』

要塞島の死 (創元推理文庫)

レーナ・レヘトライネン / 東京創元社

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レーナ・レヘトライネン著『要塞島の死』
自称小柄(身長165センチ)な女刑事マリア・カッリオシリーズの3作目。
前回、妊娠10ヶ月目くらいだった主人公、今作では子供がもう
1歳になってます。

ちょうど、1年の育児休暇が終わって仕事に復帰したところからスタート。
やっぱり育休とか女性が働くことについて伝統的な価値観との対立とか
保守的な男性陣からの反発があったんだな、とか
相変わらず、フィンランドの子育て、すげぇな…(授乳中も酒飲んでるぜ!)とか、
北欧の小説は男女関係が赤裸々だよな、とか、
サウナの登場率半端ねぇ!とか、
フィンランドの名前が面白すぎる!とか、
読みながら本編とは関係ない所に色々ツッコミましたが、
本篇も意外と面白かったですよ。
ヘルシンキ沖の小さな島で起こった事故が発端となって、
エコ実業家一家の内情、社長の死、同僚の問題、いろんな要素が絡まって
終盤は一気に事件の解決へ。
今回、犯人は割と早めに察しがついたんですが、この小説の肝はトリックでなく、
犯人像に迫る推理に主人公の日常とかその時その時考えたこととかが肉薄して
なんか、主人公の目を通して自分もそこにいるような臨場感があるところだと思います。
疲れて帰ってきてまとわりつく子供にイラっとする自分に凹んだり、
旦那以外の男性にときめいて「や、まあ、鑑賞するだけだしいっか」と思ったり、
昔の自分を思い返して穴に入りたいような羞恥心を感じたり、
わりと等身大のヒロインですよ。

今回も楽しく読み終わりました。続きはよ!


妖奇庵夜話 人魚を喰らう者 (角川ホラー文庫)

榎田 ユウリ / KADOKAWA/角川書店

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榎田ユウリ『妖奇庵夜話 人魚を喰らう者』
借りたので読みました。
BLっぽいラノベ第3弾。流石に3冊目になると登場人物にも慣れてきて
結構楽しく読み終わりました。
またお前か!とか
なぜBLで書かなかったー!とか
いろいろツッコミどころはありますが、とりあえず脇田が可愛いから良い。


QED 伊勢の曙光 (講談社文庫)

高田 崇史 / 講談社

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QED最終巻。これもお借りしたもの。
とうとうQEDシリーズも最終巻ですよ。
相変わらずこの作者の民族学的考察にはツッコミどころ満載ですが
語り手の奈々ちゃんと探偵役のタタルさんがうまくいったから全て許します。
ここまで長かったなぁ…


エトルリア学

マッシモ パロッティーノ / 同成社

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『エトルリア学』
たまたま本屋で発売されているのを見つけてしまったのが運の尽き、
買いましたとも!当然ですとも!!だってエトルリアだもの!!!
1冊まるまるエトルリアについて書いてある本なんて、しかも啓蒙書じゃなくて
ちゃんとした学術書なんて、そうそうないですよ!
これは買うしかないじゃない!
そんなわけで、買って、大事にカバーを2重にかけて、今現在舐めるように読破中。
本当にまじめに学術的に書いてあって、しかも半世紀前のイタリア人の
学者先生の著作なので、語り口がものすごく回りくどく、
その上、概説書と違って、一つの説を述べるにしても、その説の根拠、別の反論、
説がどう推移したか、とか、丁寧過ぎるくらい掘り下げて書いてあって
ぶっちゃけ、読みにくいことこの上ないんですが、

でも超楽しい!

ずーっとエトルリアについて書いてあるよ!(当たり前です)
やはり、一番最初は起源問題が来て、その後いろいろな切り口から
エトルリア問題を眺める構成になっています。

以下、思ったことを箇条書きに。

・歴史時代
うっかりエトルリアでひとくくりにしがちですが、よくよく考えると1000年近く長いスパンがあるんだから
そりゃ前期と後期じゃ文化の様相も社会制度も違うよね。
エトルリアといってもいつの時代か、ということをちゃんと考慮に入れないとな、
と反省しました。

・地理の項
ギリシャ諸都市やマヤ諸都市みたいにその都市ごとに行政も別なら大分カラーも違いますよ。
エトルリア、とその地域を指して呼ぶ言葉はあれど
ゆるーくまとまってるだけなんですよね。
各々の都市のことが書かれてて楽しいな~。
(ここにははっきりファレリィはエトルリアの影響下にあるファリスキ人の町って書いてある)
ウォルシニィ問題も書いてあった。現オルヴィエートと現ボルセーナのどっちだったかで
イタリア人歴史家の間にも論争があったんだって。
日本だって飛鳥以前の都の場所とかものすごいざっくりだもんなぁ…
そりゃわかんないよね。
ヤマタイ論争的なものがイタリアにもあったのかと思うと妙に親近感。

・出土地や、出土品を所蔵している美術館の紹介にも頁が裂かれてて、大変に有り難い。
地元のトスカーナに数多くそれ系の美術館があるのはいいとして、
ルーブルと、大英とメトロポリタンは、なんでや!!
返せよ!

・宗教の項はだいたい知ってることが多かったので…

ようやく三分の二ほど読めました。
後、エトルリアの往事の生活と、言語なので
残りも楽しく読もうと思います。
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by mi-narai | 2014-12-29 15:49 | 2014年下半期の読書

『100分de名著 アラビアンナイト』 『ゴッサムの神々』 『鍋奉行犯科帳』

朝ドラ、まだ見てます。
ここ一月ほどのまっさんの安定のダメっぷり。
それはさておき、かもいのたいしょうです!
相変わらずでてくると漏れなくときめきます。
中の人は別段好きでも嫌いでもないんだけど、たいしょうは好きだ!


フーケ
小さい頃からずっと身近にあったのにこのたび倒産しちゃったのよ!!
悲しい…
ふつうに美味しいケーキ屋さんだったのですが。
甘さ控えめでお値段も控えめでけっこう好きだったのになあ…


エジプト展行きました。
相変わらず、最寄りの博物館はエジプト展が多いな!(喜
女王と女神を特集してあったけど、あれ、メトロポリタンが発掘したんが
ハトシェプスト女王関連の施設だったからなのね。
しかし、エジプトとか中国とか、メソポタミアなんかの展示を見に行くと時間感覚狂いますね!
前500年がまだ最近とか思っちゃうってどうよ。
日本じゃまだ歴史時代にもなってねえよ!
一緒に行ったお茶友達と、「ちょ、カバ!カバ女神…!!」
と、やたらカバに興奮してしまいました。


ヘルメスソース
大阪でヘルメスソースというソースを作っていることを発見してびっくりしました。
ホームページで製品をみたら、マジでラベルがケーリュケイオン!


『アラビアンナイト』 2013年11月 (100分 de 名著)

NHK出版

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薄い本シリーズで、『100分de名著 アラビアンナイト』西尾哲夫著
読了。
いや、アラビアンナイト回、テレビでも見たんですけど、解説をちゃんと読みたくって
テキストも買ったんですよ。N○Kさんに踊らされています。

面白いですよ。
アラビアンナイトの変遷の歴史から、内容から見る当時のイスラム世界の国際性とか、
ぺらい冊子なのに大事なところはきちんと抑えてある感じです。
作中の料理とか女性像とか全ての項目が楽しかった~!
中でも強く「そうだなあ」と思った事が三つあって、
一つ目は、アラビアンナイトと日本の読者についての指摘。
日本人、というかわたしにとってアラビアンナイトは
日常から最もかけ離れたエキゾチックなおとぎ話なんですが
地理的にも遠いし実際のアラブ世界を熟知しているわけでもないし、
その上日本に入ってきたアラビアンナイトはいったん西欧人の手で編集されたものなので
アラビアンナイトに対する理解が表層的なものにとどまっているんですよね。
そのことが後書きで指摘してあって、「そうなんだよなあ…」と思いました。
アラビアンナイトで創作する場合、個々のパーツだけ借りて
神髄は無視、みたいなことになっちゃうよなあ。別に面白けりゃそれでいいんだけどさ、
なんとなく、ごめんねアルフ・ライラ・ワ・ライラ、という気になってしまったもので。

二つ目は、アラビアンナイトにおいて良心とか、勧善懲悪とかは大して重要視されておらず、
相手との丁々発止の化かしあいなんかが拍手喝采を浴びる、て段が
いかにも民間説話の流れで良いよなあ、と思ったこと。
個人的に、清廉さとか、忠心といった武士的価値観より、どれだけ機転を利かせるかとか、
とんちが回るかとか、賢さと気っぷのよさで乗り切る商人的価値観の方が好きなもので。

三つ目は、物語の効用について。
物語には作者の意志とか意見とか伝えたいこととかなくていいねん。
読んでる人が勝手に好きなように解釈して勝手に開眼するから、という作者の意見に共感した。
つねづね、文学作品を読まない理由として、作者に対して
「なんかえらそうやな、お前に教えてもらわんでも大事なことは自分で考えるからええわい」、
と思ってしまっていたからという、ものごっつアホいあれなんですけどね。
哲学の場合は、誰かが「これはこうじゃないかな!!」と思ったことをストレートに言ってるのを
横で聞かせてもらってる感じで面白いんですけども。
いや、まあ、いわゆる食わず嫌い、なんだろうなあ。
文学を読む為のリテラシーをいつか身につけたいものです。
いやほんとに。


ゴッサムの神々<上> (ニューヨーク最初の警官) (創元推理文庫)

リンジー・フェイ / 東京創元社

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ゴッサムの神々<下> (ニューヨーク最初の警官) (創元推理文庫)

リンジー・フェイ / 東京創元社

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リンジー・フェイ著『ゴッサムの神々』(前)(後)
表紙の絵が気になってたところ、ちょうど古本屋でみつけたので買ってみた2冊(前後篇)。
「ニューヨーク最初の刑事の話」と帯とあらすじに乗ってたので、
ロンドンのボウ・ストリートの取り手とか、ヤードの話っぽいのを想像してたら

ニューヨークの刑事生活は遥かにサバイバルだった…!

ニューヨークって、他のアメリカの都市より、警察の設置が遅かったんですってね。
この頃、東海岸にはどんどんアイルランドから移民が雪崩れ込んでる時期で、
どこでも移民は安い労働力として搾り取られて極貧生活なんだけど、そのせいで
そのアイルランド人と黒人は先に住んでた白人たちにものすごい蔑まれてたりして、
アイルランド人と黒人の居住区は鬼のように治安も悪く、
その上、カトリックのアイルランド人たちとプロテスタントの他の白人たちの間に
誤解と偏見に基づく深い憎悪の応酬があったり、

いやー、この都市で生き抜くのって、大変だな~

と読者にしみじみ思わせるカオスっぷりですよ。
で、主人公は郊外で育ったアメリカ人なんだけど、
幼いころ火事で両親を亡くし、若干道を踏み外しかけてる豪快な兄ちゃんと家族二人
けなげに生き抜いてきて、好きな女の子もいたりして、
バーテンとして働きながら結婚資金溜めてたら、
今度は自分のアパート一帯が火事で焼けちゃって、タンス預金も全部パーで、
プロポーズどころか明日の生活の糧にも事欠く感じになっちゃって、
そんな時に放蕩兄貴の口利きで、新たに新設されたニューヨーク市警の巡査に採用される、
という、のっけから怒涛の前振りです。
最初は、思い出と現在とが混ざり合ったような書き口だったり、兄貴の描写が
とんでもなかったりで「しまった、これ、失敗したかな」と心配しましたが、
その巡査になった主人公が、血まみれの少女を拾った辺りから面白くなってきた!
そこから明るみに出る連続猟奇殺人、
その傍ら、主人公の片思いの娘さんとのあれこれや、
ダメ兄貴だとばかり思ってた兄貴との兄弟ならではのやりとりが挟まれたりし、
結局最後まで飽きずに読んでしまいました☆
いや、意外と面白かった。
バーテンダー時代に培った主人公の観察眼が遺憾なく発揮されるのは気持ち良かったし、
推理の行きついた先の犯人あての部分も、スピード感があって引き込まれました。
治安が悪くてごちゃごちゃしてるけど生命力に充ち溢れたこゆい世界とか、
アウトローな感じとか、ゴシックホラー的な猟奇殺人とか、
兄と弟の葛藤&和解といった人間ドラマがお好きな方にはおススメです。
主人公も理性的で素敵ですが、わたし、強烈な兄貴が結構好きかも。


禁欲のヨーロッパ - 修道院の起源 (中公新書)

佐藤 彰一 / 中央公論新社

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佐藤彰一著『禁欲のヨーロッパ - 修道院の起源』
これも修道士の生活が知りたくて読み始めたんだけど、そう言った事はまったく出てきませんでした…(どーん)
しかし、起源、と銘打ってあるだけあって、キリスト教が始まる前のギリシア・ローマ時代の結婚観とか、倫理観とか、
異教徒の信仰形態とか、ローマが崩壊していく様子とか、民族・歴史的な背景部分の説明が
ものすごく面白かった!!
ゲルマン人とか、今のフランスあたりにいたケルト人とかって、
キリスト教に改宗して聖人崇拝が始まる前は、
場所、とくに水場に対する信仰があったんだって!
ギリシャやエトルリアでも神殿に直してほしい患部奉納して怪我・病気の治癒を祈願したり、
完治祝いにまた神殿詣で行ったりしてたけど、
ゲルマン人かケルト人かどっちか忘れたけど、ローマの周辺部族は、そう言った奉納物を
泉とか池とか、水場に捧げたんだそうな。あと、硬貨を放り投げたり。

トレドの泉はここからか…!!

と目から鱗でした。
後、修道士たちの煩悩を切り捨てようと四苦八苦する様子が、なんちゅうか笑いを誘う…
(いや、本人たちものすごい真面目にやってるんですけどね)
極端すぎるだろ、とは思いますが、確かに性犯罪を考えると極端に走りたくなる気持ちは分かる。


鍋奉行犯科帳 (集英社文庫)

田中 啓文 / 集英社

スコア:


『鍋奉行犯科帳』
最初はたるいなぁと思いながら読んでましたが、登場人物に慣れてきたあたりから
面白くなってきました。
語り手は、若い兄ちゃんなんだけど、探偵役はその上司の型破りなお奉行様。
大食漢でデブでワガママ放題で困った人なんだけど、
食に関してはものすごい真摯なんですよ。(いや、奉行としてそれはどうか、とは思うけど)
そのほかにも、主人公周りの人々、芸者上がりの美人の母上とか、目端の利く手下とか、
主人公にやたら迫ってくる三味線の師匠とか、
逆に主人公が淡い思いを寄せている道場の娘さんとか、
レギュラーメンバーになじめばこちらのもの。
後、滅多になく江戸時代の大阪が舞台なので、そのあたりの風俗も面白い。
江戸は北町奉行所と南町奉行所があって、それとは別に火付け盗賊改めがいるけど、
大阪は西町奉行所と東町奉行所なんですね。
町人が強いから武士が割とないがしろにされがちな感じが、よく出てますよ。
あ、いつものダジャレなノリは健在ですが、エロとグロはないので安心してください。
思いの外ふつうに時代小説なので、こっちが拍子抜けするくらい。


道頓堀の大ダコ (集英社文庫)

田中 啓文 / 集英社

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『大鍋奉行犯科帳 道頓堀の大ダコ』
1巻目でメンバーになじんだ読者には、安定の続編。
お奉行様の個性が段々愛おしくなってきます。しかし良く食うな、この親父。
2巻目は、若干トリッキーな仕掛けとか、ネタで大幅にファンタジー感が倍増してますが
それでもそこそこ面白かったです。
明るい時代物を読みたい方におすすめ。
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by mi-narai | 2014-11-30 16:40 | 2014年下半期の読書

『エピジェネティクス』 『民話の世界』 『昔話のフォークロア』

好きだった某NH・Kの『妄想日本料理』って番組がまた始まったので先週から
楽しく見てるんですが、

…ちくしょう、こんな時間に放送するなよ、腹減った…


エピジェネティクス――新しい生命像をえがく (岩波新書)

仲野 徹 / 岩波書店

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仲野徹著『エピジェネティクス』読了。
大した理由もなく、なんとなく本屋で表紙買いしましたが、
その後各所(新聞の日曜の書評とか)で薦められてて、
ちょっと自分の先見の明を褒めたくなった一冊。

結論から言えば、大変面白かった!

物語的な面白さではなく、。
去年重力の話を理解できたときみたいな

そうやったんか!!!

という驚きが、大変に心地よかったです。

えー、しかし、もう5回くらい言ってるような気がしますが、本当にわたくし文系脳でして
しかも高校の時生物取ってなかったし、第2章の「エビジェネティクスの分子基礎」の部分は
進みが超絶のろかった…。毎日それこそ30ページずつ位しか読めませんでした。
(著者は一般の読者向けにきわめて簡略化して書いてくださってるというのに!)
でも、ここを読みとばすと後々分からんようになるし、絶対理解せねば!!と決意して
頑張って読んだよ!久しぶりに理科の教科書開いてテスト前に詰め込んでる気になりました。
…ちょっと面白かった…(マゾか)。

おかげ様で、これまで聞いても何のことかさっぱり分からず、
ちんぷんかんぷんだった単語、
ヒストンテールとかコアクチベータとか
クロマチン繊維とか、リボゾームとか、メッセンジャーRNAとか、
プロモーター領域とか、メチル化がなんでそんなに頻繁に出てくるかとか、
そんなことが

やっと、やっと分かりました(ハレルヤ―)!!!

まさに「そうやったんか」。これで次からはもうちょっと理解しながら発生学分野のアレコレが
聞けます(その時までに忘れてなければな)。

とりあえず、ざっくり言えば、遺伝情報として受け継がれるのはDNAに書かれてるもののみで、
その遺伝子情報についての学問が、ジェネティクス(遺伝学)。
遺伝子情報そのものじゃなくて、その発現の仕方(どの部分をプッシュして、どの部分をスルーするか)に
関わる研究がエピジェネティクスの領域みたい。
著者の説明によると、とりあえず紙媒体の本があるとするじゃない、内容は今更書き変わらないんだけど
付箋を貼ったり、下線引いたり、上から塗りつぶしたりして読み手の印象を操作することは出来る。
本の内容が遺伝子だとすると、付箋を貼ったり塗りつぶしたりするのがエピジェネティクスなんだって。
付箋を取ったり、塗りつぶしを消したりできるのと一緒で、
変更不可能な遺伝子と違ってエピジェネティックな状態は変更可能なのだそう。
(具体的には、遺伝子が転写される時にヒストンや塩基の中のシトシンがアセチルやメチルで修飾されて
転写を抑制したり逆に活性化したりするのよ)
たとえば、妊娠中に母親が飢餓状態に陥ると、胎児は飢餓状態に備えて燃費のいい身体になるよう
プログラムされるらしいんだけど、このしくみもエピジェネティクスで説明できるらしい。
面白いなあ。
遺伝子が分かれば生命活動はほぼ全部分かると思われてたのに、
さらにその情報の発現の仕方、濃淡によって実際の状態は随分変わってくると分かって来て
(エピジェネティクスの発展は1990年代に大幅に伸びたそうなんで分かりだしたんつい最近です)
ますます複雑な迷路に迷い込んだ心地です。
けど、遺伝子の突然変異で発症した病気は直すのが困難だけど、
エピジェネティクス状態を改善すれば治る病気は、それより希望がもてそうじゃない?
更なる発展を望む!ていうか、今ものすごい熱い分野らしいから、わたしが望まなくても
勝手に発展するでしょうけども!

以下、雑感。

・実験で遺伝子の不活性化とか、ちょっとした変化を調べる時に使ってる方法が
今までもうさっぱりわかんなかったんだけど、
今回説明してもらってこれまたほんのちょっとだけ理解に近付きましたよ…!
シーケンサーが何かも分かった…!!

…ということを嬉しそうにお茶友達に言ったら、
「ああ、シーケンスって塩基配列のことですもんね(それを読むからシーケンサー)」
とあっさり言われ、
そうか、やっぱ理系の人には(お茶友達は生物化学畑出身の人)常識なんか、と
目から鱗が落ちる思いがしました。

・「ゲノム」という単語について。
本の最後のあたり、179ページにさらっと
「オーム(ome)とは、「すべて」とか「完全」を表すギリシャ語の接尾辞である。女王バチの発生に
関して、DNAメチル化の総体であるメチロームを例にとって紹介したように(以下略)」とあったんですが
ようやくここで鈍いわたしも気づきました。
ちょっとまって、メチル化の総体がメチロームってことは、じゃあ、ゲノムは……
遺伝子(gene)と上述のギリシャ語接尾辞omeで「genome」か!!!
鈍くて済みません。

・ラットの実験で、生まれてすぐ適切な世話をされた赤ん坊は、ストレス受容体のエピジェネティックな状態が
色々変化して(中略)、成体になってもストレスに強いままなんだそうな。
これって人間にも適応可なのかしら。
まあ、こんなのなくても赤ちゃんは可愛がられるべきですけども。


民話の世界 (講談社学術文庫)

松谷 みよ子 / 講談社

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松谷みよ子著『民話の世界』
半自叙伝的な、著者による民話についての話。
子供時代の思い出から民話との出会いなどを、各地の民話など織り交ぜながら書いていらっさいます。

すごいよー!!
すいすい読めるよーーー!!!


あー、楽。
それに、わたし、龍の子太郎もまえがみ太郎も大好きだったんですよ、
その二つの童話が出来た当時の話など読んでて燃えたぎりました。
著者は東京の生まれで(御両親は石川の方だったようですが)、小さい頃昔話を
してもらったことがなかったそう。ハイカラなお家の子だったようです。
それを読んで、「わたし、ハニーに昔話してもろたで!!」とちょっと得意になりました。いえー。
その後、戦時中に疎開した話とかあって、その時滞在した信州の風景が根っこにあって、
長じて民話収集の道へ進むことになったらしいのですが、
また松谷みよ子さんの語り口が巧みなものだから、
著者が感じた民話への興味とか興奮とかがこちらにも伝わってきて、
あの、『日常のすぐ隣りに異界があったことに今やっと気づいた!うっわ、すっごい!』みたいな
ときめきに感染し、思わず民話全集とか借りて読みそうになりました。読みませんが。
こういった民話って、日本だともちろん日本特有の諸々の素材で成り立ってるんだけど、これがギリシャだと
ギリシャ神話関連の逸話がきっといっぱいあるんだろうなあ(今は正教会関連の方が多いか?)。
きちんと系統だって考えるには、あまりにも玉石混交すぎて
どれをどうより分けるとか、比較研究とか鬼のようにしまくらないといけないだろうけどな。
萌えに到達するまでが長すぎて到底自らチャレンジしようとは思えませんが、
きっとバイタリティあふれる全国の同志たちが頑張ってくれるだろうから
わたしはその成果を待ちます(他力本願)
しかし、大変さを少しでも想像すると、
それをマジでやってたレヴィ=ストロース先生の偉大さを痛感するなあ。

閑話休題。みよ子先生はまず信州の民話を収集なさったわけですが、信州の辺りって
洪水の記憶が物語に散見されるんですってね。昔から川の氾濫や山崩れの多い土地だったようで、
そうすると竜とか蛇とか、水と関係する登場人物がたくさん出てくるハナシが多くなるみたい。
自分の住まっておる地域はむしろ雨が降らなくて鬼のようにため池がある土地なので
そうするとどんな民話が多いのかな、と、郷土に対する興味も湧いてきました。


空襲警報 (ザ・ベスト・オブ・コニー・ウィリス)

コニー・ウィリス / 早川書房

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コニー・ウィリス著『空襲警報』
この人の前回読んだ、史学科の学生が過去に実習としてタイムスリップする話
(『ドゥームズデイ・ブック』)が好きで買ったんだけど、
この一冊にはところどころあんまり好みじゃない話が交じってました。
後、ちょっと読みづらい。訳か?訳があかんのか??
本人がホラーのつもりで書いた短編が後味悪いだけでまったく怖くなかったりね。
日本人の描写があんまりなげやりだったりね(まぁ、これはしゃーないけど。
ていうか、あんなどうでもいいような小道具として出すくらいなら日本人を出さんといてくれ。
後東京の地下鉄をdisるのはやめろ。)

あとがきを読むと、初期のシリアスな短編を集めたものらしく、
長編でコメディSFもあるらしいので、そっちに期待することにしました。


昔話のコスモロジー―ひとと動物との婚姻譚 (講談社学術文庫)

小沢 俊夫 / 講談社

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小澤俊夫著『昔話のコスモロジー』
これまた、「あれ?読んだっけ?読んでなかったっけ?」と訝りながら読み始めましたが、
大丈夫!読んだことないやつでした。良かったー!
グリム兄弟とか、マックス・リュティとか、アールネ・トムソンとか聞くと落ち着く。

この本では主に、昔話の中でも、異類婚姻譚について比較考察されており、
それがなかなか面白かった。
常々日本の昔話の場合動物の正体は動物だよなと思ってましたが
(西欧の場合は、魔法を掛けられて人間が動物になってるのであって、
正体はあくまで人間だったりするじゃない)
そんなようなことがもっと踏み込んで書いてありました。
広くアジア(それも中国のような高文明社会でなく、もっと辺境地)やオセアニアでは、
人間と動物の垣根が低いというか、動物VS人間というより、人間も動物の中の一種と見ているというか。
日本は、動物は動物主体であるのは他のアジア諸国と変わらないけど、
人間との婚姻となると拒否反応が激しいのだそうで。
確かに、正体がばれたら、去るんだよな。動物の嫁さんは。
信仰形態の変化もあろうけど(もともと信仰の対象であった動物が、仏教の伝来やら他の要素もあって
時代が下ってそうでもなくなった。
結婚は自分と同等もしくは格上のもの(たとえば神)とかとだと出来るけど、格下とは出来んってことよね。世知辛い)
人口密度の問題とか、日本人の大多数が牧畜や狩猟民ではなく、農耕民族だったというところも理由の一つじゃないかなあ。
周りが人間ばっかりで、人間社会にどっぷりつかっとったら、
いくら昔話でも「動物と結婚?いやいや待て待てないやろそりゃ」と土壇場で我に返るかもしらん。
これが荒野の一軒家にぽつんと住んでたりしたらまた変わるかも知れないじゃない。
ワタリガラスファンの私としては、北東アジアの、動物と人間の行き来が可能というか、
ほぼ等価値の世界観が好きだなあ。
西欧はキリスト教の影響が激しすぎますが、結婚してハッピーエンドとか、素朴な勧善懲悪系が多くて
あれはあれで好きです。
(後、キリスト教の影響を被る前は、他の地域と似たような、もっと動物と人間の位置が近い世界観を
持ってたんかもしれんな、とも思った)
日本のは、別れの余韻を味わうような、奥さんが去って行っちゃって終わり、みたいな話が多くて
そんなん寂しいやん…。
いやまあ、どこにドラマの主題を置くかの問題なんだけどさ。
著者の、日本の昔話における異類婚姻譚は、自然界と人間との関わり方に主眼を置いてて、
西洋のそれは人間同士のドラマに主眼を置いてる、西欧において自然界と人間との関わりを語るのは
昔話でなく伝説の役目、という考察も興味深かったです。
日本の場合島国だし、その昔は村社会だったし、
他所からの侵入に、昔話の担い手たちは大変に敏感だったのだそうで。
来訪神とかまれびととかその辺りとも関わってきそうな話ですね。


アンドレ・ヨレス著
『メールヒェンの起源』
聖人伝のあたり(まだ1章です)で挫折しかけ。
だいぶ昔の人だし構造主義蔓延より前の話だし仕方ないっちゃ仕方ないけど
著者がキリスト教が好き過ぎて読んでてつらい…・
ちょっと、他に読みたい本が出てきたので一時棚上げを決意。また後でな~。


修道院にみるヨーロッパの心 (世界史リブレット)

朝倉 文市 / 山川出版社

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朝倉文市著『修道院に見るヨーロッパの心』
山川世界史リブレットのぺらいやつ。
具体的な修道士の生活が知りたかったんだけども、
修道院の成り立ちの方に主眼が置かれてて肩すかし…。
でもまあ、シトー派の日課と修道院平面図なんかが載ってたのは嬉しかったです。
後、やっぱどこも組織になると上の方は腐るもんやなと。
そういう腐敗に対抗して内部から清貧に立ち戻ろうとする動きが出てくるのは面白い。
せやけど、櫛も持ち込み厳禁て、髪くらい梳かそうよ…(不潔に見えるやん…)。





映画
『るろうに剣心 京都大火篇』
第1作を見に行ったので、同じ人とネタとして見にいきました。
相変わらず、アクションはすばらしい…!
後、伊勢谷ゆうすけがかっこいい。
かみきりゅうのすけくんがそれっぽい。
しかし、話をいろいろ端折ったりしたせいで、しのもりあおしがただのおかしな人になってるな。
前回、全視聴者を脱力させた江口斉藤の牙突が今回はでてなくて、そこに一番ほっとしました。
斉藤さんは美しいイメージのままそっとして置いて欲しい…
(なんでえぐち…)

『るろうに剣心 伝説の最後編』
だいたい楽しみましたが、ところどころツッコミ所が。
伊勢谷はかっこ良かったです…けど、…。
アクションは相変わらず素晴らしかったです。
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by mi-narai | 2014-10-19 00:06 | 2014年下半期の読書

『イスラーム思想史』 『イブン・ジュバイルとイブン・バットゥータ』 あとゲーム

ロクム菓子はトルコの菓子である。
わたしはギリシャ神話好き腐女子ではありますが、
この一点は譲れませんよ!
後、こっちは別に譲れるけど、
ウーゾのことはラク酒だと思っています。


科学 2014年 07月号 [雑誌]

岩波書店

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『2014 科学 7月号』
いや、この号『愛と性の科学』だったからさ。つい図書館で見つけて手に取っちゃったのよ。
だって、章タイトルちょっと上げてみると
「親子の愛と絆の脳科学」
「恋の分子生物学」
「イルカが「夢精」?」
「「越境する性」の生物学」
「愛は戦いである」

……
面白そうなんですもの!!
相変わらず理系の素養がないので、詳しい物質名とか細胞の状態とか言われてもよう分からんが、
哺乳類の幼児と成体間の感情形成の謎とか、オスメスの間に利害の不一致が生じてそれが
エスカレートした場合の話だとか、雌雄同体の生物だと対立が激化する傾向にあるだとか、
なんか色々面白かったです。
性、と書くとついエロい想像をしがちですが、ここまで大真面目に科学的見地から
語られると、むしろ学問的興味の方が克つなあ…。

あと、真ん中らへんに、連載エッセイらしき音楽の話が載ってて
それがまた面白かったです。
そういえば、ピアノってオクターブを均等に割り振ってるから
本当に美しい和音からは少しずれてるとかそういうはなし、
昔どこかで聞いた気がしますよ。


イスラーム思想史 (中公文庫)

井筒 俊彦 / 中央公論社

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井筒俊彦著『イスラーム思想史』
読了。

古本屋で見つけて買いました。
井筒先生の御本だったので!
で、読み始めて、内容の難しさに寝落ち数回…

いや、井筒先生はまったく悪くないんですよ。
分かりやすく、かつ美しい日本語で説明なさってらっしゃるんですが、
イスラム神学&哲学が難解なのですよ…
アホなわたしの頭脳を恨む…。
とりあえず、
第1章は『イスラーム神学』
ざっくり思想史の流れをガザーリーの登場まで説明し、
第2章で神秘主義(スーフィズム)
第3章でスコラ哲学(東方)、
次にようやくガザーリーによるスコラ哲学批判、
その後、第4章で西方スコラ哲学と続きます。

以下、その折々で思ったことなど。

・冒頭の、アラブ人の聴覚と視覚における感受性の豊かさについて。
見たものと聞いたものに対する鋭敏な感性について、井筒先生が説明していらっさるのですが
それが、魔法の筆で描きだしたビビッドで瑞々しい美の世界が一面に広がるさまを見る心地
なのでございますよ。
『よく見、よく聞く』男がアラブでは立派とみなされたらしい。
毎回井筒先生の著作を拝読すると、アラビア語の語感の美しさにも目がくらみます。
前のイブン・ジュバイルの旅行記読んだ時も
クレタがイクリーティーシャ、ヒポクラテスがブクラーティースに変化するのを読んで
なんて美しいんだろうと感心したものですが、
文章も美しいよね。
「アラーの他に神はなし」、も、原語では
「ラー・イラーハ・イラー・アッラー」
ですよ。
めっちゃ韻踏んでるやん!!
いや、わたしは日本語も大好きだし、北京語の歌うような抑揚も美しいと思うし、
明るく響くラテン諸語も、重々しい感じのドイツ語も、なんか可愛く感じてしまう東南アジア諸語も
大好きですが。トルコ語は膠着語でなんだか親近感。


言語ついでに。
本の性質上、アラブ名が山ほど出てくるんですが、
じわじわ分かってきましたよ。もともとイブンが「~の息子」、アブーが「~の父」ってのは
知ってましたが、アルは、あれか、名前の後ろにつづけて、その名前を修飾する要素なんかな。
アル・ディーンとかアッシッディークとかは「敬虔な」的な宗教関連の二つ名っぽいし、
アル・ガザーリーとか、アル・バスターミーとかは、「~出身の」ってことなのね。
サラディン、の時も思ったけど、アヴィケンナとかアヴェロエスとか、ラテン語化されたアラブ名は
確実に元のイブン・スィーナーとか、イブン・ルシドの方がかっこいいのになあ。
と思うのは私だけでしょうか。

・イスラム神学の正統派のながれとか、井筒先生はすらすら説明なさってるけど
(おまけに、それをさらに学びたい場合の文献も紹介して下さってる)
これ、ものすごい量の原著読んで、研究書も読んでるってことやんな…。すっごいな。

・おそらくムハンマドさんの想定を超えた勢いでイスラムは周辺に拡大したのだと思う。
コーランに規定されていなかった諸々の問題に立ち向かうために深い思想に分け入ったのが
イスラム神学のはしり、という説明は大変わかりやすかったです。

・しかし、学説の中身に踏み込むと、途端に理解がつらくなると言う…おバカな読者でごめんなさい。
第一質量たるアラーから流出した形相がどうたら(新プラトン主義につらなる流出論)、て言われても
あんまりその辺の詳しいとこには興味がないので…(ならなんでこの本読んだし)
いや、しかし、10世紀にも入ってないのに、そういった哲学用語がすでに生み出されてたってのには
驚きました。
ちゃんと、そういった哲学上の特殊な概念を表すアラビア語表現があるんですよ!凄いよ!

・スーフィズム
キリスト教の修道士の影響のほかに、インド哲学の影響もあったらしい。
くるくる回るアレがまっさきに頭に浮かんでしまいますが、実際の活動はもっとラディカルだったようです。
そんなイメージを受けました。
なんか、感触的には密教とか、修験道とか、小乗仏教的な、
個人的に修行して悟りを開くアレと似てるなと思いました。
大乗仏教のような大衆的なものではないなと。

・スコラ哲学
こちらは、版図が広がったおかげで古代ギリシャの哲学者たちの著作にふれ、
それがとり込まれて発展したイスラムにおけるスコラ哲学。

ちょ、ギリシャ語、めっちゃ翻訳されとる…!!

いや、バグダードに翻訳の館とかあったのは知ってましたよ。
でも、その言語能力の高さに魂げたよ…!
逐語訳でなく、
ちょうど内田本で読んだ、ソシュールのいうところの内包する意味内容の食い違いを
きちんと理解した上で、ギリシャ語の原著が言い表そうとしていたのとほぼ同じ意味を
アラビア語の読者が理解できるように訳してあるんだって!!すごいですね!!!

けど、アリストテレスはともかく、プラトンは、プラトンの著書その物じゃなくて
新プラトン主義の著書が多く訳されたみたいで、ソクラテス先生の素晴らしさの啓蒙には
あまり役立ってなさげ…(そこ、心配するとこか?)。

・流出論とか、第一原因がどうとか、難しいなあ…。

・スコラ哲学者たちは、理性信望者で、哲学>神学と定義したから時々神学側から反撃食らってたらしい。

・イブン・スィーナーの説を真っ向からやりこめたのが、アル・ガザーリーらしい。

・それにしても、イブン・スィーナーにしても、イスラムの大哲学者は同時に大医学者で
あることが多いんですってね。
なんか、分かる気がする。物理学の最新研究とか聞いていると哲学的だなあと思う事って
多々あるもん。こう、考え方に情緒がまったく絡まない感じがさ。

・最後、西方(つまりスペインの)スコラ哲学で、『思想史』は終わります。
あとがきによると、それで漸く13世紀のイスラム思想史までをざっと見た、くらいなんだって。
400P以上もあるのに、イスラム思想はそれ以降が本番らしい(ちょ、前振り、長ッ!)。
その本番を学ぶためには前史も知っておかねばならぬ、とこの著作をものされたとか。
基礎的な本のつもりなので、その分野でのトップの思想家しか紹介してないし、
その思想もさわりだけの説明らしい。
これで。
すっげーな、イスラム思想史!奥深い!!
この本が出版されたのは1975年なので、それから多少は変わったかもしれませんが
当時イスラム思想史というものは、元著が訳されもせずに放置されており、未発見の宝が
そこらじゅうにざくざう埋まってる状態だったんだそうな。
中世哲学方面に進みたい研究者の人は、イスラムと絡めたら競合する相手がいなくて
良いかもしれませんよ!雇ってくれる大学も少なそうですが。
(それ以前に、アラビア語学ばないといけないけど)


イブン・ジュバイルとイブン・バットゥータ―イスラーム世界の交通と旅 (世界史リブレット人)

家島 彦一 / 山川出版社

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家島彦一著『イブン・ジュバイルとイブン・バットゥータ』読了。
世界人物リブレットとかあの、小冊子スタイルの本。
イスラムづいてる内に続けて読んどきました。
イブン・ジュバイルさんもイブン・バットゥータさんも、どちらも著名な旅人ですね。
特に後者は世界史の教科書にも載ってる有名人です。『三大陸周遊記』書いた人。
前者の方も、これ以降のお手本になった紀行文を書かれた、大変なビッグ・ネームです。
タイトルから分かるように、旅する上でのイスラムのネットワークと、
紀行文学(リフラ)の位置づけ、その歴史などについて書かれた冊子です。

特に前半の旅の部分が面白かった!!
各国の王によって組織された公的な大巡礼団(ラクブ)や、巡礼の作法について書かれてて、
どうしてわたしはもっと早くこの本を見つけなかったのかと小一時間(以下略)。
後、リフラは、今でいう旅行案内書、地球の歩○方的な読まれ方をしていたらしくって、
その位置づけがちょっと面白かった。
国を越えて、手引書片手に巡礼の旅が出来た時代もあったんだなぁ…
(なんで今こうなった…。民族主義があかんのか?やっぱり欧米のせいか?)


妖奇庵夜話 その探偵、人にあらず (角川ホラー文庫)

榎田 ユウリ / 角川書店

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榎田ユウリ著『妖奇庵夜話 その探偵、人にあらず』読了。
友人が50円で買った本。借りたので読みました。
うん、ラノベ。
ラノベ特有のかっこつけとか鼻につく言い回しとかはもちろんあるんですけども、
でも意外と面白かったですよ。
狂言回しの脇坂くんがいい味出してて、わたしの中で
脇坂×一課のエリートという図式が出来上がりました。
(※自重しなさいよ)


妖奇庵夜話 空蝉の少年 (角川ホラー文庫)

榎田 ユウリ / 角川書店

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榎田ユウリ著『妖奇庵夜話 その探偵、人にあらず』読了。

2冊目。
相変わらずラノベ。
いっその事ホモ展開すればいいのに、と思いながら読みました。



ドラマDVD
『アボンリーへの道』SEASON1
シーズン1,2買っちゃった。
一番見たかった回、シーズン2の『フェリシティの初恋』まで妹と二人で見ました。
改めて見直すと、いいドラマだなぁ…。
『赤毛のアン』と同じ作者の原作のドラマ化だから、『アン』の方で出てきた登場人物も
何人か出てきたりしてます。マニラとか、リンド夫人とか。
時系列的には、アンが結婚してグリーン・ゲイブルズにはもう住んでないくらいの時期です。
雰囲気は『大草原の小さな家』と似てるけど、こちらの方が穏やかです。別に開拓地じゃないからかしら。
あんまり危険はないし、外から訪れる客も少ない。その分村の中の出来事はなんでも筒抜けです。
このドラマ、全体的にアットホームでノスタルジックで、健全で、時々うるっとさせられるんですよね。
主人公は、都会のモントリオールから母方の親戚を頼ってやってきたセーラという小学生くらいの女の子。
でも、わたしが好きなのは、そのセーラを預かることになったローズコテージの主人、へティです。
オールドミスで学校の先生なんだけど、どうしようもないくらい意地っ張りですぐに威張り散らすし、
嫌みは言うし、時々どうしようもないくらい耐えられない人なんだけど、好きなんですよ。
母方の女性が母も祖母もこのタイプでさ。
世間には2種類の母親がいて、よく出来た賢母タイプとダメおかんタイプ。
うちのおかんは確実に後者なんだけども。
デリカシーがなくって何故一番言ってはいけないことを言ってはいけないタイミングで言っちゃうかな
みたいなとこがあって、とりあえず嫌味言うのがデフォルトだし、
気が弱いくせに自覚がなくって去勢張っちゃうとことかね。
謝るのがクソ苦手なとことかね。愛情表現下手糞だしね。
時々ほんとに「もうー!!!」って腹が立つんだけど、
でも、ものすごい愛情深い、いい人なんですよ。
善良さは全ての欠点を凌駕するよね。むしろその欠点が愛おしくなりますよね。
そんな感じで、へティが時々見せるセーラへの愛に、大概やられちゃって鼻水啜る羽目になるのでした。



以下、金色のコルダのプレイメモを折りたたんで載せときます。

ゲームメモに格納する前
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by mi-narai | 2014-09-07 17:13 | 2014年下半期の読書

『ハナシはつきぬ』 『古代世界の超技術』 『氷の娘』

もうちょっとだけゲームの話
2/27までのつなぎとして、以前買ったまま置いておいた『AceCombatX』をやりかけたんですが、

神様!グレイプニルが撃破できません…!!

10回くらい手を変え品を変えトライしてみたんだけどどうしても打ち破れず、
仕方ないから難易度を下げて最初からやり直し中。くっそー!!
しかし、難易度をEASYにしたら、ミサイル78発も積んでますよ!!
NORMALが54発位しか積んでなくて、照準合わせるのが苦手なへっぽこパイロットのわたしは
よく弾切れになってたので、これはありがたい。
これでTARGET以外の爆撃機とかも撃ち落とせますよ!!
今度こそ頑張る…!



こないだ本屋に行ったらば、
わたしがホメロス入門編として最適だと思ってる良著、
バーバラ・レオニ・ピカード作
『ホメーロスのイーリアス物語』と
『ホメーロスのオデュッセイアー物語』が
文庫化してました!!

ホメーロスの イーリアス物語 (岩波少年文庫)

バーバラ・レオニ・ピカード / 岩波書店

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ホメーロスの オデュッセイア物語(上) (岩波少年文庫)

バーバラ・レオニ・ピカード / 岩波書店

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ホメーロスの オデュッセイア物語(下) (岩波少年文庫)

バーバラ・レオニ・ピカード / 岩波書店

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イーリアスとオデュッセイアー始まってた…!
いや、これ、ほんとオススメだから!
児童向けだから分かりやすいし、かといって大人が読んで物足りないわけではなく、
原作からの改編があまりない(※ここ重要)ので、
まさに、ざっくり原作の雰囲気を掴むにはうってつけなんです。
アキレウスが清廉だし。原作いきなり読むよりはちょっとだけアキレウスに同情できる作り。
オデュッセウスはちょっと真面目すぎますが。
(お茶目さが足りん。イドメネウスと二人、おっさんコンビです)
サトクリフの文庫化に続き、これも文庫化とは!
ありがとう、岩波さん!!
アルフレッド王の戦いもお願いしますよ。


カンナ 吉野の暗闘 (講談社文庫)

高田 崇史 / 講談社

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高田崇著『カンナ』
借りたので読みました。
同作者の他シリーズの押し付けがましい探偵役に比べ、
この主人公はまだおバカ度が高い分、かわいいなあ、と微笑ましい気持ちで眺めてられます。
今回は役小角の話。
だいたい毎回この作者の言い分は胡散臭いので、
(百人一首辺りは面白かったのになあ)
説明部分は耳半分で読みとばしました。


ハナシはつきぬ! 笑酔亭梅寿謎解噺 5 (笑酔亭梅寿謎解噺) (集英社文庫)

田中 啓文 / 集英社

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田中啓文著『ハナシはつきぬ』読了。
ずーっと文庫化するのを待ってた一冊。
シリーズ最終巻だそうで。
一気に読みました。
相変わらずの怒涛の落語小説ですよ。
師匠の暴力っぷりも相変わらず。
竜二は若干脳みそ筋肉寄りのおバカさんだし、師匠は酒飲みのクソ爺だし、
アクの強い主張の激しい落語家ばかり出てきて、どたばたと忙しなく話は展開するのですが、

それでも最後にほろりと来てしまうという、ね…。

竜二も梅寿師匠も、落語が好きで、その一点でどうしようもなくつながってて、
あんまし麗しくはないけど気持ちのいいスカッとするような師弟愛があるんですよ。
このシリーズ好きだなあ。
本当に、お笑いが、見たくて仕方なくなっちゃいます。
一発芸も悪くないけど、それよりもっと長い、漫才とか落語が。
ていうか、リアルに梅寿師匠の落語が聴いてみたい!!!
大体、泣かせるよりも笑わせる方が難しいんですよね。
天然でなく意図的に面白い人っていうのは、すごい人なんやで!


古代世界の超技術 (ブルーバックス)

志村 史夫 / 講談社

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志村 史夫著『古代世界の超技術』読了。
なぜブルーバックスからこんな本が…
と思いましたが、書いているのが物理学系の学者先生だからなのですね。
遺跡なんかで残っている、機械がなかった頃に作られたとは信じられない
大型建築物の建築方などを真面目に考察した一冊。
さらっと読めて、しかも最近の研究までちゃんと言及してあって、面白かったですよ!
ピラミッド、内部螺旋通路説もちゃんと載ってた。
一番心に残ったのはローマン・コンクリートとインカの石組みの項でした。
コストはともかく、手間を惜しまなければ、機械なんてなくても良い物づくりは出来るのだなあ…。
現代の社会だと、人件費もコストに含まれちゃうから、効率優先で
なかなか実現しないだろうことを考えると、なんか世知辛くなっちゃった…。


氷の娘 (創元推理文庫)

レーナ・レヘトライネン / 東京創元社

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レーナ・レヘトライネン著『氷の娘』読了。
前作『雪の女』に引き続き、マリア・カッリオシリーズ。
フィンランドミステリーです。
日本での発売は2冊目だけど、本国での発売は5冊目、かな。
今回は、フィギュアスケートの選手が殺されてます。
北国だもん、フィギュアは盛んですよね、フィンランドも。
でもって、被害者の日記がノート書きだったり(今なら確実にツイッターかブログ)、
次の長野には絶対出たい、みたいな記述があったり時代を感じさせます。
20年くらい前の話なんだなあ…。

ところで、外国人の書いた小説って、やっぱり、
日本人の書いた小説に比べて読むのに6倍くらいの時間がかかります。
けど、これって、単純に1ページの文字数が多いってのもありますよね。
行間も詰まってるし字も小さいし、絶対数倍の文字が詰まってる!

それはさておき内容です。
前作に引き続き、ミステリーとはいえトリックをあれこれ考える要素は背後に回され、
警察官である主人公と同じ目線で日々をすすめ、その日常や心境を味わう種類の小説だと思います。
主人公が気持ちのいい女性なので、それがむしろ面白いのですよ。
でも、そんな日常業務での聞き込みや捜査の中に事件の全容を掴むパーツがちりばめられていて、
いつの間にか全部のヒントは揃ってるんです。
最後の最後で勿論主人公は犯人にたどり着くのですが、その時の種あかしで
「あー!!あそこか!!気付かなかったー!!」
という気分になりました。
…てことは、結局ちゃんとしたミステリーなのか。
主人公の生活がリアルでノンフィクションっぽくて幻惑されるけど。

今回主人公は妊娠7ヶ月目なので、妊婦さんの大変さとか、
フィンランドの保健制度とか色々わかるのも面白い。


目白台サイドキック 魔女の吐息は紅い (角川文庫)

太田 忠司 / 角川書店

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太田忠司著『目白台サイドキック 魔女の吐息は赤い』
これまた借りたので読みました。
ほんとに!日本人作者の本はすぐ読めるな~!
この作者の推理物、なぜかちょっとだけオカルト色がはいるけど、
作者が期待してるほど色ものにはならず、
伝統的な日本の推理小説、みたいな雰囲気のままなのがちょっと面白い。
描写が淡々としててあっさり進む感じ。
今回、またもオチ(動機部分)が「おいおい待たんかい」という納得しづらいアレでしたが、
(そんな理由のためにわざわざあんな仕掛けを…お前、暇なんか…?)
…いやいや、日本の推理物にリアリティを求めてはいかんよな。
トリックとかアリバイとか、推理の手順とかをコネコネして思考するのを楽しむものだもんな。


多読
読んでたロマンス小説、大体先が読めたのと、日本語訳されてた同じ作者のロマンスが
くそつまらんかったのとで途中で読むのをやめました。
代わりに、昔に買った「アボンリーへの道」のノベライズの中の、
特に好きだった回「アレックに乾杯」を読み始めました。
ドラマ見たのが昔過ぎて細部を忘れてたのを、思い出してちょっと楽しい。
ああ、へティーの傍若無人さとか、フェリックスの食いしん坊加減とか
こんなだったなあ!
アレック叔父さんはとにかく素敵な大人だったんだ。
タイプ的にはヘパイストス。
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by mi-narai | 2014-02-23 15:46 | 2014年上半期の読書

『卵をめぐる祖父の戦争』 『人間の性はなぜ奇妙に進化したのか』 『世界史の叡智』

卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ文庫NV)

デイヴィッド ベニオフ / 早川書房

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デイヴィッド・ベニオフ著『卵をめぐる祖父の戦争』読了。
とりあえず、『TROY』の脚本の人の小説なので、それだけの理由で購入し、今になって読み始めました。
一気に読み終えました。
面白かった。読み終わったときも、まだその世界から抜けてこれず、ぼんやりしてしまった。
だから、友情モノはやめてほしいんだってば!!むやみと涙もろくなるからね!!!


とりあえず、あらすじの説明をば。
時は、第二次世界大戦時、舞台は包囲されているレニングラード市内とその周辺です。
ドイツ軍に包囲されて飢餓状態で市民全員飢えまくってる時に、
主人公の17歳の男の子は敵の死骸からナイフ一本取ったという理由で
味方の兵隊に銃殺されそうになり、
それを免れるかわりに、脱走兵の若者と一緒に、
偉い人の娘さんの結婚式に花を添えるウェディングケーキの材料の
卵を1ダース探してくるよう命じられる、という


なんでやねん!!!


というはなし。なんでやねん、というツッコミは、設定がおかしいとかじゃなく、
なんでこんなばかばかしい事に命をかけさせられて、いろんな人が殺されて、
もっと多くの人がひどい目に遭わないといけないんだ!という憤りの叫びであります。
でも、実際こんなもんだろうな。世の中いい人ばっかりじゃないだろうし。
なんで、なんでこんないい人がこんなアホな死に方せんといかんのだろう、というような局面が
きっと戦時中数え切れないほどあったに違いない。いや、今でもたぶん、山のようにある。
そのあたりが、リアルでもあり、一見その設定が荒唐無稽でおとぎ話のように見えるという理由で、
お話の中の残虐性をそんなに生々しく感じなくて済む安全弁にもなっていうという…

以下、雑感・

・レニングラードって、ぼんやり東独のどっかだと勘違いしてました。アホです。
どう考えても、ロシアです。以前のサンクトペテルスブルグですよ!!!
(地元民の愛称はピーテルらしい)

・語り手は著者で、著者が祖父から聞いた話をもとに書いたものが本作である、という、
枠物語の中の物語として、レニングラード包囲戦時の祖父の若い頃の冒険が語られていきます。
なんか、爺ちゃんから戦争の話を聞くというシチュエーションが、自分の祖父を思い出させて、
懐かしいやら切ないやら。
おじいたん…。
父方も母方もどっちのじいさんも、聞いたら戦時中の話をしてくれたもんですよ…。
特に父方のじいさんはねだれば快く話してくれたもんじゃった…
(もともと気のいい話好きなじいさんだった)
(でもって、ど田舎の貧乏農家の何番目かの息子に生まれたじいさんは、
三食と寝る場所が提供されるから、というだけの理由で一兵卒として軍隊に入った)
まだ激化する前に負傷して退役したからかもしれないけど、
(流石に女の孫にそこまで残虐な話はそもそもしないだろうし、)
祖父が話してくれるのは悲惨な負け戦になる前の戦線の話で、
船の上からイルカを見たとか、イギリス人に車に乗せてもらったとか、
一日中行軍でしんどかったとか、
結構、本作と同じように、若い男の子の青春物語の態を醸していて、
その記憶があったもんだから、より一層、この小説をリアルに読んでしまいました。
もちろんじいさんの思い出話よりもこの物語の状況はもっと切羽詰まってて
危機的な時期が長いんだけども、
そんなときでも、友達同士ならアホ話するし、性的なことに興味はあるし、
美味しいもの食べたら嬉しいし。こんなもんだよなあ、と。
ずーっと深刻なわけでも、ずーっとお気楽なわけでもなく、一時的に危機に陥るけど他の大部分の時間は
くだらない日常業務に費やされてたり、大したこと考えてなかったりするもんだよな。

・とはいえ、戦争中の物語ですから、通常の秩序は当たり前のように崩壊しています。
凄惨なエピソードがこれでもかというくらいおてんこもり!
でもそれがそれほど血なまぐさい印象を与えないのは、
先にも書いた、おとぎ話っぽい話の枠組みのせいか、はたまた極寒の地だからなのか。
死体も何もかもすぐに凍っちゃって、あんまり液体が流れてる印象がない。
(後、事件の凄惨さより、主人公の空腹の方がつらそう)
でも、一か所だけ、流石のわたしも「ぎゃーーーー!!!!やめてーーーー!!!!!!」
リアルムンクの叫びを実演しそうになった箇所がありました。思わず3行とばしに飛ばし読んだ。
暇な人はどこか当ててみてください。

・あらすじを読んで、主人公とコンビを組む、コーリャという青年、
頭はいいけどもっとこすからい皮肉っぽい人物を想像してましたが、
蓋を開けてみると金髪のイケメンで、
天真爛漫で伸びやかであけっぴろげな兄ちゃんだった。
アポロン:ヘルメス=7:3くらい。
いい人ですよ。
大胆で明るいだけじゃなく、意外と繊細なところもあったりするので、
その辺りのバランスがたまらん!

・で、主人公のレフにはものすごい共感率高かった。
自分のことを臆病者だと自覚してるあたりが特に。
だから、年上のコーリャに対しては、憧れや友情もあるけど、その大胆さに対しては
妬みの感情があり(自分にはけっしてあんな風になれないという確信と諦めがある)、
そのあたりの入り混じり方が、ああ、めっちゃ分かる…と。
なので、コーリャに対しては、ものすごいレフ視点で見てました。
いつもならいい男だなあと素直に思うところを、
今回は、ダメなところもあるし、馬鹿だと思う部分もあるけど、最終的に
根本的なところで信頼していて、あいつは友達!と思って見てた。
でもって、祖母になる女の子には、一緒に恋に落ちました。

・そもそも、著者が祖父の話を書きとめる、という体裁なので
(もちろん、これもフィクションですよ。実際には著者の祖父母はアメリカ出身らしい)
主人公のレフは生き残ることが確定しており、その辺りは安心して読めました。
なので余計に、祖母になる人は誰だろう、コーリャの運命はどうなるんだろう、
というところがハラハラした。


早川ミステリ文庫の棚に置かれてますが、ミステリじゃないからね!
純文学でも悲惨なだけの戦争ものでもなく、青春もので主人公の成長物語の
一大エンタテイメント作品だと思う。

(※大体アホのわたしがそんな難しい本を読むはずがない。)

あまり大層に考えずに素直に楽しんでください。
数えればきりがないくらいグリム童話みたいな残酷シーンが目白押しなのに、
最後まで読むとほんわか幸せな気持になるというか、しみじみするというか、
読後感は悪くないですよ!


文庫 人間の性はなぜ奇妙に進化したのか (草思社文庫)

ジャレド ダイアモンド / 草思社

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ジャレド・ダイヤモンド著
『人間の性はなぜ奇妙に進化したのか』読了。
このダイヤモンドさん、『銃・病原菌・鉄』とか『文明崩壊』とかが有名な方なので
勝手に歴史学者かと思いこんでましたが、
本業は進化生物学者だったのですね…。そうか、理系の人だったのか。
俄然買ったまま読んでいない上記の2作品を読む気が湧いてきました!

それはさておきこの本。
セックスとか性交渉とか乱婚とか破廉恥な単語が頻出するので、
電車で読むには肝を据えて読まねばならん一冊です。
ちょっと気にしちゃうピュアなお嬢さんは気を付けて!
でも、書いてある内容はものすごい真面目に性について考察してあるだけなので
別にエロくないですよ、そっちを期待しちゃった方も間違って買わないように気を付けて!
その証拠に、目次は
1、人間の奇妙な性生活
2、男と女の利害対立
3、なぜ男は授乳しないのか
4、セックスはなぜ楽しいか
5、男はなんの役に立つか?
6、少なく産めば、たくさん育つ
7、セックスアピールの真実
となってて、一見目を引く見出しですが、内容は動物の最大の目的である遺伝子を後世に残すという
課題について、各々の特徴がどう働いているのか、うまく適合するためにどう進化したのか、
的な考察になっています。で、結局どうなのかといわれると、今のところこういう説が出てて
作者はこうじゃないかなと思ってるんだけど、実際に真実がどうなのかは研究途中だったりして、
「まだまだ世界は分からんことだらけだな!」という感慨に落ち着きます。
いや、面白かったよ!
以下、特に思ったこと。

・男性は狩に行って、女性は子育てして家の周辺で小動物や植物を採集して
これは双方の利益が合致するからこの形なんだとずっと思ってたけど、
実はもっと複雑なのかもしれんな、と今回しみじみ思いました。
男性側の利益と女性側の利益と、社会的な枠組みと、色々な要素が複雑に
絡み合って、その上でバランスがとれたところに夫婦間の互いの仕事の割り振りが
行われてんじゃないかと。
しかも一本道じゃないかもしれないんですよ。
ある生物の特徴について、一旦別の目的でそう進化した後、さらに良い方法が見つかって、
本来の目的と違う方向に進化の結果を転用する、という2段進化の過程が説明されてて
人間の男女間の社会的関係もそう言った複雑な変遷を経ているのではないかと
類推されてて、ものすごい面白かった。
やっぱ、単純には説明しきれないもんなんだな。

・子育てにおける男女の役割には、男女が子作りにおいて支払った投資の大きさ、
子供が自分の子であると実感できる割合がこれまた関わってて、割と納得しちゃいました。
排卵が隠されている理由についての考察も面白かった。

・後、男性が授乳するのって医学の助けを借りれば無理ってこともないらしい。
育メンが流行ってんねんから、親父も子供にちちやればええねん。

・じじばばの役割についても納得した。自分ちの家族に当てはめてみると、
じじばばがいなけりゃそもそも立ちいかなかっただろうしな。
もっと日本人は(わたし含め)人生の大先輩に対する敬意を新たにせねばらなんな、と思いました。
体力がないのは確実なので、流石に政界の第一線からは退いた方がいいとは思いますが。
誰とは言わんがあいつとかあいつとか。



野心のすすめ (講談社現代新書)

林 真理子 / 講談社

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林真理子著『野心のすすめ』読了。
職場の同僚にお借りしたので、読みました。

びみょう……。

すまん、わたしは読むのがしんどかったので飛ばし読んだよ…。
(アマゾ○レビューの星の少ない意見に一番共感した)
遠くで眺める分には極端で面白い人だよなあと思うし、たぶん、
真理子さんは頑張り屋さんなんだなとも思います。
でも、視野が狭い感じがどうしてもぬぐえず…。

…いや、年上の女性に対してこのような無礼なことを言ってはいかんよな…。
むむむ…。



世界史の叡智 - 勇気、寛容、先見性の51人に学ぶ (中公新書)

本村 凌二 / 中央公論新社

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本村凌二著『世界史の叡智』読了。
世界史の有名人51人について4ページづつさらっと書いたエッセイ風の読み物。
ものすごいさくさくすすんであっという間に読み終えました。
どっかの雑誌か新聞のコラムに連載したものをまとめたのかな?と思わせる軽い読み物です。
一人に4ページしか割いてないので物足りないですが、その分広く古代から現代まで
有名人をさらってあるので、普段考えもしない人のことも読めてその点は楽しかった。
後、人物のチョイスがマニアックだったので(笑
流石に西洋古典文学分野の方なので、古代ローマ辺りまでの
ペイシストラトスとか、デモステネスとか、ハンニバル、大カトー、カエサル、クラウディウス、
セネカ、ハドリアヌスなんかは、妥当だと思う、でも
三国志からは曹操(孔明や関羽じゃないんだ)、ビザンツ帝国はテオドラ、
インドのハルシャ・ヴァルダナ(おい、懐かしすぎで詳細を思い出せねぇ名前だぜ)、
11世紀イスラムからはヌール・アッディーン(サラディンじゃなく)、
十字軍からはフリードリヒ二世(フィリップでもリチャードでもなく)、
こんな感じで有名とはいえ一番有名なところをちょっと外した感じが面白かった。
後、エッセイ風なので最後に著者の感想ちゅうか説教みたいなのが加えられてるのも面白かった。
この本村先生、勝手に論文発表し始めたばかりの若手だと思い込んでましたが、
もうすぐ定年の結構なお年の方らしく、
そう思うと苦言もなんだかほほえましく、楽しく読めました。
チュラロンコーン(ラーマ五世)に言及してあるのは嬉しかったけど、イスラム系の人があまりにも
少ないのはちょっと残念でした。
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by mi-narai | 2013-07-15 21:05 | 2013年下半期の読書

『イスラーム文化』『アラビアの医術』『バラッド』『雪の女』『古事記のコスモス』『グリムスペース』

インカ展
去年だか一昨年だか、マチュ・ピチュに行ってきた旅行好きの母を宥めすかして
はるばる行ってきましたとも、京都の博物館まで!
超観光気分♪
もともとあの時代のあの地域好きなので、楽しかったですよ。
これまで、アンデス文明とりまぜた展示とか、マヤ・アステカ混ぜての展示とかは
あったのですが、インカ限定のものはなかったと記憶してるので
そういう意味では目新しかったです。
インカ帝国が帝国になってから滅びるまでの経緯は本などで読んで
あらかじめざっくりは知ってるので、驚いたりびっくりしたというよりは、
「へー、これかー」と納得しながら見る感じでしたけど。
でも、帝国が滅びてからも、インカ貴族は重用されたりしてたらしいのは
ちょっと驚いた。よく考えたら旧支配層を傀儡として配置するのは
植民地支配としてはごく初歩的な手なんだけどなんだか、思いつかなかったのです。
それにつけても、インカ・アステカ関連の事物は見終わった後必ず

スペイン人の馬鹿ーーーーー!!!!!

って思いますね。今回も思いました。
後、大スクリーンの3D映像で往時のマチュ・ピチュの再現映像なんかを
見せてくれるんですけど、それがたいそう楽しかったです。
これよ!こういうのをもっと作ってほしいのよ!
とりあえず、エジプト(新王国時代のテーベと、イスラム時代のカイロ)と
ギリシャ(コリントスを!!!)とエトルリア(フフルナかな。ウェイイでもいいな)と
フェニキア(ティルス!ティルス!)希望!
後、オスマン帝国時代のイスタンブル。
別に物語にしなくていいねん、当時の建物とか生活の再現でええねん!!頼みますよ!!!


イスラーム文化−その根柢にあるもの (岩波文庫)

井筒 俊彦 / 岩波書店

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井筒俊彦著『イスラーム文化』読了。
いや、先日読み終わった『「コーラン」を読む』の中で先生が何べんも
「このことは「イスラーム文化」の中で語ったから今回は省きます」って
仰るから、気になっちゃってさ。
心の赴くまま読んでみました。
『コーランを(略)』の方を読んだ直後だから世界観がかぶってて
ものすごい読みやすかったですよ。
これまた講義録で、
先生が経済界関係の人々に向けて3回に分けて授業をしたその時の記録を
ちょっと加筆修正したものらしい。分かりやすいです。
で、本の構成も3パートに分かれてるんだけど、
1つ目のパートは、「ああ、前の本でもそんなことおっしゃってたな」
みたいな感じ。
2つ目、3つ目で、イスラム共同体についてとか、
シーア派とスンニー派についてとか、スーフィズムとかについて書いてあって、
そっちがこれまたものすごい面白かった!
シーア派とスンニー派の違いがよく分かりました…!
イラン人とアラブ人の差とか。
大分前の本だけどもおススメ!


アラビアの医術 (平凡社ライブラリー)

前嶋 信次 / 平凡社

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前嶋信次著『アラビアの医術』読了。
今更。
個人的に今更アラビアの医術を学んだところで後の祭りなんだけども、
マイ・ブームが去らないうちに読んでおくことにしました。
これはこれで面白いですよ!
アラビアの医術の進展とか、医者列伝とか書かれてます。
最初はやっぱギリシアの医術を基本にしてたから、
ネストリウス派キリスト教徒とかユダヤ人とかが医者になることが多かったみたいです。
初期のウマイヤ朝とか、アッバース朝のカリフもちょいちょい出てきて面白いな。
しかし、カリフの侍医ともなると、心付けが半端なくてものすごい金持ちになれる反面、
ちょっとしたカリフの不機嫌で殺されちゃったりするのですよ。危険な世界です。
後、書物のギリシア語からアラビア語やシリア語への翻訳が盛んにおこなわれてたみたいなんですが、
ひょっとして、原本が残ってないギリシア古典でも、アラビア語で残ってて、
アラビア語だからまだ学会とか一般に発表されてない断片なんかがあるかもしれんなと。
ふと想像してしまいました。
そんなんあったらウハウハなんですけどね~!
ギリシア古典に堪能な方、だれかアラビア語勉強して、漁ってみてくれないかしらん。

ところで。
後ろの解説読んで、作者の前嶋信次先生が実はだいぶ古い人だと知りました。
戦時中南満州鉄道東亜経済調査局とかに勤めてるよ…!!
結構この方の書いたアラビアンナイト関連の本読んだりしたんですが、
まったく文体が古臭くなく、存命の現役の先生だと思い込んでた…!
『「コーラン」を読む』の井筒先生の教え子的な。

井筒先生の10歳あまり年上やん…!!!

これが一番の衝撃でした。


ラメント (妖精の騎士に捧げる哀歌) (創元推理文庫)

マギー・スティーフベーター / 東京創元社

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マギー・スティーフベーター著『ラメント』読了。
音楽的才能はあるけどあんまりぱっとしない主人公が
才能ゆえに妖精に狙われ、
ある日突然異界の存在に気付かされ、
敵の男前と恋に落ちたり殺されかけたり色々する話。
あらすじを読んで、ロマンス小説っぽいかなと思っていたのですが、
実際に読んでみたらもうちょっと若い子向けでした。
主人公も16歳だし。
ヤングアダルト恋愛小説ファンタジー風味。
若い子同士の一途な恋愛とか、三角関係とか、
うん、少女マンガっぽいです。
講談社じゃなくて小学館あたりの。
いや、だからといって、つまらないわけではなく、楽しく読み終えましたよ。
次巻では、今回主人公に振られた男の子が主役になってるらしいので、超気になります。
この、『脇役が次の巻で主役に抜擢されるスピンオフ戦略』に、
脇役好きの私がどれほど散財させられたか!!
(『オデュッセイア』始めな。)


雪の女 (創元推理文庫)

レーナ・レヘトライネン / 東京創元社

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レーナ・レヘトライネン著『雪の女』

あらすじに、小柄な女刑事マリア・カッリオがパワフルに活躍する話、
みたいに書いてあったから、まあ普通に小柄な人を想像してたら、


主人公、160センチちょい、だと…?



フィンランドの小柄、パネェーー!


とりあえず、それが一番びっくりしました。
男の人でも、170センチで小柄て言われてるしな。
どんだけ皆背が高いのか。
(北欧の中ではフィンランドは平均身長は低めとか聞いたけど…(ゴクリ))

どうも、シリーズ3作目をいきなり日本語訳したみたいで、
ところどころに「あれ?この話どっから出てきた?」みたいな箇所はあるものの
面白かったです。
推理とかトリックを重視する様式美ミステリーというよりは、
読者が捜査する主人公と同じ目線で謎を追い、日常を追体験する、みたいな
ミステリーでした。起こった事件がそもそも謎だらけで、
捜査する過程がけっこうワクワクしましたよ。
主人公は、ガッツがあるものの、大人で、同僚のいやがらせも、
(内心むかっとしつつも)さらっと受け流せる度量のある女性です。安心して読めます。
それに、今回の嫌な同僚は、『ミレニアム』の女性蔑視クソ刑事ファスキほど
ダメ男でもないです。
読んでて感じたのですが、この人、単に不器用なだけじゃないかな。
わたしは今回のペルツァに関しては許容範囲内。

外国の娯楽本を読んでいて楽しい点には、話の筋以外に暮らしっぷりが覗き見れて楽しい、
というのもありますが、とりあえず、今回読んで思った事を書きます。
・フィンランドは働き方が自由でうらやましい。
働きたいという意欲がある人は、働けて、正当に賃金をもらえているっぽいことや、
学んだり、資格を取ったりすることに年齢制限が設けられていないことが。
いいなあ。
いいなあ、というだけではなんもならんので、
やっぱりちゃんと考えて、選挙も行かねばならんな!(いや、投票は毎回行ってるけども)

・けど、フィンランドの社会でも、女性は家に入ってパン作って子供育ててろ、みたいな圧力が
あるんだなあ、と知ってちょっとびっくりしました。どこも大変だよな…。


バラッド (妖精のミューズに捧げる物語詩) (創元推理文庫)

マギー・スティーフベーター / 東京創元社

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マギー・スティーフベーター著『バラッド』
「ラメント」のスピンオフ。なんと、自分、既に購入済みでした☆
大体振られる人に過剰に感情移入してしまうわたしのこと、
今回のスピンオフ、ものすごく楽しく読めました。
前回は、女の子と妖精の狩人の夢(ちうか、悪夢)みたいな恋の話だったので、
そう主人公の女の子に抵抗もなく何も考えずに読んでたんですが、
今回その女の子に振られた側の男の子の話なんですよね。
振られた側に同情しながら読むと、

振った女が超いけすかねぇ…!!

いい加減あの女を吹っ切れよ、ジェームズ(今回の主人公の名)!!と思いながら
読んでしまいました。
しかしまあ、この人間二人はいいのです。
出てくるリャナン・シーのヌアラ(仮名)がものすごく良かった!
好みだったの!
ジェームズに出来た新たな友達ポールがいい味出してたり、
担任のサリヴァン先生が絵にかいたようないい大人だったり、
『ラメント』より楽しく読み終えちゃったかも。
読後感も良かったですよ!


古事記の宇宙(コスモス)―神と自然 (中公新書)

千田 稔 / 中央公論新社

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千田 稔著『古事記のコスモス』
読了。
タイトルの通り、古事記に出てくる自然環境について文脈から読み解いている話。
これまでの古事記研究を踏まえつつつい最近書かれたっぽいので
割と楽しく読めました。
自然環境に特に注目して書いてあるのも読みやすい。
この著者の目新しい点は、古事記は大海皇子系の勢力が書き上げたもので、
中国の道教思想が各所にちりばめられている、としているところでしょうか。
以下、雑感を箇条書きにメモっておきます。

・太陽とカラス、月とカエルはセットなのね。
そういや、アスクレピオス誕生譚あたりのコロニスのエピソードにもカラスが
絡んでたな。まあ、古事記とは関係ないでしょうけども。

・彦と姫はそれぞれ日子、日女、で、太陽の子ってことらしい。
へー!

・そういや、古事記の中の海洋民系の神話についても割と熱く語る作者だったな。
いろんな他の研究者の説を紹介してくれるので、それを辿るのも結構楽しかったですよ。


グリムスペース (ハヤカワ文庫SF)

アン・アギアレイ / 早川書房

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アン・アギアレイ著『グリムスペース』読了。
SFです。
宇宙の遠距離間を航行するときに、時間短縮のためにワープする、
それはSFのお約束です。
そのワープの仕方は、作品によって千差万別です。
前回読んだ『異星人の郷』は航行なんて不要で、ピンポイントに狙いの場所に出現する
なんかどこでもドアみたいな感じの移動方法でしたし、
シーフォート・シリーズは(主人公にも理解できない)N波に乗ってワープしてました。
で、この作品の場合は、グリムスペース、というところを通り抜けてワープするの。
主人公は、特殊な遺伝子を持っているためグリムスペースの内部を
案内することができるナビゲーター。

大筋を言うと毛色の変わったロマンス小説です。

や、まあ、わたしはそのつもりで読んだということで。
もんのすごい楽しかったよ!!
ナビゲーターはグリムスペースに潜ってる間身動き取れないので、
ナビに従って艦を操縦するパイロットが必要なんだけど、
このナビゲーターとパイロットは二人でひと組なんですよ。
で、グリムスペースにジャックインしてる間は
精神を共有してしまうというか、相手の思考が駄々漏れになってしまうというか、
どうです、もうこてこてのロマンス設定でしょうがッ!
で、物語は、主人公が相棒を事故で失った直後からスタートなのです。
成り行きで、パイロットとしての腕は確かだけど無愛想な兄ちゃんと
仕方なく組んで艦を運行するはめになってしまい、そこから
壮大なごたごたに巻き込まれ、死にそうな目にあったり、一旦リタイアしたり、
爬虫類の赤ん坊拾っちゃったり色々するわけです。
ヒロインが世慣れてタフで短気で、でも繊細なところもある大人の女の人なので、
少女マンガのいかにも女の子っぽい主人公に対するようなイラっと感もなく、
大層楽しく読めました。
いや、だいぶ大雑把な感じの主人公なので好き嫌いは分かれるとは思うのですが
わたしは好きかな。
ヒーロー役の新パイロットもむっつりしてるけど別に嫌いなタイプではないし、
最初の辺りの徐々に二人が近づいていく場面などにはきゅんきゅんしました。
恋愛一本道よりも、こういう別の話が中心にあるものに恋愛が織り込まれてる方が
なんか燃えるよなあ。
本国では5冊までシリーズが出ているので続きを早く翻訳してほしいところです。
ハヤカワさん、がんばって!!
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by mi-narai | 2013-06-11 23:34 | 2013年上半期の読書