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『千の顔を持つ英雄』 『デュメジルコレクション1』

見た夢メモ:
今日、なんか最初はネサフしてて推理サイトでミステリーの出題を解いてたのに、
次はその出題の舞台に入り込んじゃって殺人事件に巻き込まれ、
昨日村のえらい人の死体が見つかったとかで、
体育館に閉じ込められて村民200名余のうちの若い衆と一緒に集団生贄にされかけ、
あわやトイレの抜け道から抜け出し、電話で助けを呼んで、
なぜか繋がったのがジャコウネズミで、海辺で一緒にトイレ通って逃げ出してきたイギリス人兄弟と
震えてるところで目がさめました。変な夢だった。
多分、友達に貸してもらった推理小説読まなきゃなと思ってたのと、
講談社のムーミンのブックカバーのミィをジャコウネズミと見まちがえたのと、
百鬼夜行抄読んじゃったのと、寝る前に読んだ漫画に出てきたのがイギリス人兄弟だったので
こんな夢になったと思われます。超分かり易すぎ。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::

10月の最初の土日、遠くの方でなんか鳴ってるなとは思ってました。
本屋へ行こうと家を出て、十字路を自転車で通りがかったその時、
真横から轟いた雷のような音、
なんじゃ!?と思って振り向いたらば、お神輿だった。
もう秋祭の時期ですね~



千の顔をもつ英雄〈下〉

ジョゼフ キャンベル / 人文書院

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ジョゼフ・キャンベル『千の顔を持つ英雄』(上)(下)読了。
最後の辺り飛ばし読みしてしまった。
途中でタバー・ティンタイの女王の話、という聞いた事もないケルト神話エピソードがあって
おもしろかったのと、
新たにワタリガラスの神話をゲットできたのは嬉しかったです。

ワタリガラスが鯨の腹の中に飛び込む話。
腹の中は部屋になってて、ランプが灯されてて、ひとりの少女がいるんだけど、
その少女は実は雌鯨の魂なんですよ。
その少女の言い付けを破ってワタリガラスは鯨の脂を舐めてしまうの。
ランプに供給されている油が、鯨の油で、部屋の梁のようなところを伝って
少しずつ降りてくるんだけど、舐めてみたらこれがめっぽう美味かったと。
そうなればもう、大食漢のカラスの事、一すくいでは足りず、
脂の伝う管を食いやぶっちゃって、結局鯨は死んで浜に打ち上げられるという…
(おい、カラス…)


通過儀礼 (KOBUNDO RENAISSANCE)

アルノルト・ファン ヘネップ / 弘文堂

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現在はヘネップの『通過儀礼』読み進み中。
これも有名どころなので押さえてみた。

数日後、図書館に返却。
各段階の通過儀礼について色々な例をあげながら説明していくんだけど、
面白いんだけど返却期間に間に合わなくて途中の加入儀礼、のあたりで返しちゃった…。



デュメジル・コレクション〈1〉 (ちくま学芸文庫)

ジョルジュ デュメジル / 筑摩書房

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次、ジョルジュ・デュメジルの『デュメジルコレクション1』読み始めました。
序文がまずぶっとんでました。
ざっくり要約すると
「自分のやってる学問分野、これまで誰もやった事なくて手付かずの上分野が広すぎて
きちんとまとめてたら時間がないしそもそもそんなこと生きてる間に無理かも知らんから
とりあえず研究の途中だけどもう順次書いちゃう!」
みたいな。

おい、ジョルジュ…

内容は、前の『ローマの祭』読んだ時も面白いなと思いましたが、
これも面白い…!!
言ってる事は若干こじつけっぽくて若干胡散臭いけども。
でも、読んでいてワクワクします。
ああ、この感じは内田樹の本を読んでいる時と似ている…(デュメジル先生にも内田先生にも超失礼)

一番最初は『ミトラ=ヴァルナ』に対して書いてある文章で、
主に同じ印欧語族であるインド神話とローマ神話(時々ギリシア神話)について比べながら
構造を明らかにしていこう、という趣旨です。
ギリシアよりもローマの方に比較の重点を置いてるのは
そちらの方がより印欧語族独特の神話構造が残ってるってことか?
やっぱギリシア神話には非ギリシア系の神話もいっぱい流入してるもんなそうかそうか
などと一人悦ってみたり。
ローマにあるルペルカリア祭のルペルクスとインドのガンダルヴァは同じ機能をもってるんじゃないか
というあたりは普通に読んだけど、ガンダルヴァとケンタウロスが元は一緒というのには首を傾げました。
語源は同じかもしらんが、現在値があまりにもかけ離れすぎてて…
でも、インドのブラーフマン(つまりバラモン。僧侶階級)とローマのフラーメン(国家公務員神官)は
同じ語源で同じ機能だというのは、なんか目から鱗でした。なるほど…

大分昔の本なので、現在は研究が進んで内容が180度ひっくり返ってる可能性もあるんだけど、
わたしは素人なのでそんなこたしらーん!(無責任)
興味本位で読む分にはものすごく楽しいので、この本が絶版になってしまったことが悔やまれます。
再販してくれないかしら、ちくま文庫…


数日後、頑張って読了。
紙がぺらい上、やはりページの隅から隅まで字が書いてあって
なっかなか読み進まないんだけど、これまた楽しかった…!
あとがきに、このコレクションⅠに集められた論文たちはデュメジルの割と初期のもので
だから後期のものほどちゃんとまとめられてはいないけど、その分発見の喜びとか
勢いがある、と解説してあって、

まったくその通りだった、と思いました!

おおおーこれ、これと被ってるんじゃない!?絶対こうだぜ!!発見しちゃったよ!!俺すげー!

みたいな興奮が行間から滲み出ててそれが楽しい。

延滞しすぎてペナルティをくらってしまったので、コレクション2を借りれるのは
まだまだ先なのだった…


今『僕らはそれでも肉を食う』を読み進み中。
ワタシはわかやまのイルカ漁をよく知りもせずに反対してる余所の国の人に怒ってるんだからねー!



多読

『A tale of two cities』(レベル4)やっとこさ読み終わりました。
3分の2あたりで、結末が読めたんですが、
やはり予想通りの結末に…。
やめてよ、ただでさえ振られる人に同情してしまうのに…ッ!

適当にこういうことなんだろうとあたりをつけつつ読み終わりましたが、
終わってから本屋で原作のきちんとした訳をパラ見して、
ほんとうに多読用の本というのはギリギリまで要約してあるのだな、と
しみじみ思いました。
まあ、だいたい筋はあってた。
間違ったストーリーを覚えずに済みそうです。やれやれ。


『Amazing mythology』
世界各国の神話をダイジェストでお届けする子供向け読み物。
アメリカの子供向けにかかれた本なので多分わたしには難しいだろうと構えて読み始めましたが、

…だんだん単語が分からない事にも慣れてきたというか……

文章の意味がつかめなくても適当に辺りをつけて読み飛ばす技術が向上したようです、ワタシ!
(素直に喜べん…)
まあ、神話なので元ネタを知ってるというのも大きいと思いますが、
さほどストレスなく読み飛ばし中です。
マルドゥーク神話が終わって、今エジプト中。
早く日本神話のところまで行き着きたいです。
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by mi-narai | 2011-10-16 21:53 | 2011年10月の読書

長崎旅行 『アンデスの考古学』その他

今年の事は今年中に!

帰ってきました。
良かったっスよ!長崎!ワタクシ初九州でございました。
ブームに乗っかって、まるっと竜馬関連の場所を中心に観光もしてきたのですが
(グラバー邸とか、英国領事館後とか、中華街とか、出島とかその他諸々)

やはり旅といったらデパート、スーパーは欠かせないでしょう!!

というわけで、わたくしと同行者あわせて計2名、
デパ地下、スーパー、コンビニハンターとなって長崎の台所事情を探ってまいりました!
や、まあ、観光地も勿論良かったんですが、それは誰が行っても良いところだろうから、ね。
(グラバー邸に行って、当時の外国冒険商人たちや長崎商人たちの事跡を読むだけで
ワタクシ燃えたギリましたもの!)
ご自分で行って良さを確かめていただくのが一番、ということで、詳しくは書きません。
てなわけで、以下、どうっでもいい、旅の雑感が続きます。


・かもめ、椅子、革張り…!!
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・長崎、坂多ッ!

・ちょうど年末だったのですが、スーパーに売っている原色の「流し寒天」なるものが
気になって仕方ありません。
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ふわふわの「淡雪」も。
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アレは、おせちに入れるものなのでしょう、か…?
(博多では売ってなかったので、多分長崎近辺限定…?)

・神戸の町を歩くとそこかしこにパン屋とケーキ屋があるように、
長崎はそこかしこにカステラ屋さんがありますね!
あの甘い匂いは卑怯…!

・八百屋で売ってた一袋100円のみかんも気になるところ。安ッ!

・トルコライスは量が多くてびっくり。
安くて早くて美味いという、ランチの必要三原則を満たしております。天晴れでござった!
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・路面電車を生で見たのも生まれて初めてでした。
田舎ものゆえ、乗り継ぎで四苦八苦する。
でも、駅と駅の間が近いから、お年寄りにも優しくていいですよね!
ただ、運転手さんは線路の上しか走れないので、大変だナとは思いました。

・サント・ドミンゴ教会後にも行ったんだぜ…!

・ガイドブックに載ってたシーズクリームももちろん買って帰ってホテルで食しましたが
美味かった…!

・コンビニは、ローソン、ファミマ、セブンイレブンを制覇。

・スーパーは焼酎の売り場が広くてちょっと怯みました。そのうえこんなものを発見!
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・帰路、博多へも寄ったのですが、都会っぷりにびっくりしました。
北九州出身の職場の人が、博多駅周辺よりも天神あたりのほうが開けていると言うので
そちらへ行ってみたのですが、
これまったどえらい大都会。
「長崎が姫路やとしたら、博多は大阪やて言ってた旅行会社のお姉さんの言葉は正しかったな…!」
「旅行会社の姉ちゃんうまいこといいよった…」

しかし、わたしも同行の友人も大概田舎育ちの田舎ッ子なので
「…でも、長崎の方が落ち着く…」
「そうやんな…」

というところで意見の一致を見ました。

・でも、博多の人にはわたしがやっちまったウッカリミスを親身になって力になってもらったので
ワタクシ、今後一切博多の悪口は言わないと心に決めました。
いや、博多の人はみんな良い人ばかりです。

・以前名古屋に行った時は、デパ地下では洋菓子は神戸、和菓子は京都の店が入ってたのですが
博多のデパ地下では地元の店舗がほとんどだったので、
そこにも九州の底力を見ました。うん、御飯美味しかったもんね。
おまけにお値段がリーズナブル…!

・デパ地下といえば、どのデパートでも、所々に置いてある椅子や机で、
皆さん買ってきたものをその場で食べてらしたのですが、それが超羨ましかった。
そう!買ってすぐ食べたいんですよ!!!そういうことってありますよね!!!??

阪神間のデパートでもそうしてくれたらいいのに!!

・ところで、わたくし、パン売り場のイケメン、フランソアが気になるんですけども!!
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あの子は当地ではポピュラーなのでしょうかッ!
是非関西にも来て、フランソア…!
(今ググったところによると、あのイケメンの本当の名前は「アルル」だということが判明。
イケメンが株式会社フランソアの顔なのかと思ってたら、女の子のカシスちゃんの方だったのね)
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いや~。歩き始めてすぐしんどくなったり、自分の年をまざまざと実感はしましたが、
それでもものすごく楽しかった…!


関雄二著『アンデスの考古学』読了。
読み終わったのが大分前になってしまったので、記憶が朧になってきましたが、
面白かったですヨ。
あくまで考古学中心の本なので、
各地で発掘された遺物や地層を元に、当時の社会形態や情勢を推測して述べてある感じの本でした。
アンデス文明のあたりは、海岸から山手にかけて随分高低差があるので、
それにあわせて農業や町の分布なんかが定まってて、なるほどなあと思いました。
インカの建国神話もさらっと述べられてて、そこが一番燃えた…!
後、今回も叫ばせてもらいます。

スペインのバカ――ー!!!!!!!!!



ポンペイ―今も息づく古代都市 (INSIDE HISTORIES)

アレックス バタワース / 中央公論新社

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アレックス 、バタワース編著 『ポンペイ』。かじり読み。
これまた図書館の新刊。
返却期限が来ちゃったので、3分の1も行かないくらいのところで返してしまいましたが、
なかなか面白そうでしたよう。
ローマ人の24時間と一緒に読むと、リンクしてて楽しいかも。

ところで、ポンペイってもともとはローマ人の町ではないとはぼんやり知ってたけど、
オスク人の町だったのね。
なんとなく一時期エトルスキの影響下にあったとは認識してたんだけども。
でもって、ポンペイではウェヌス(現地人にとってはメフィティス)信仰が盛んだったのですって。
ポンペイのオスク人にとってウェヌスはメフィティスというのか(エトルリアではトゥランだけど
どうもこれ「女主人」程の意味らしいので、ひょっとすっとこれも共通女神なのかしら)というのも
なかなか興味深かったのですが、それ以上に訳者の方が

ウェヌスはウルカヌスと妻ユピテルの娘
(※正しくはウェヌスはウルカヌスの妻でユピテルの娘)

という誤訳してたのに笑ってしまいました。。
ユピテルを妻に娶るなんてやるじゃんウルカヌス!
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by mi-narai | 2010-12-31 23:53 | 2010年12月の読書

『古代ローマ人の24時間』 『おせっかい教育論』 『QED』シリーズ 『大阪ことば学』 『クラバート』

アルベルト・アンジェラ著『古代ローマ人の24時間』読了。
最後まで面白かったです、押忍。
全体的な面白さは、前回の日記でも申しましたが、
時代をハドリアヌス帝あたりのローマに絞って、
きちんと考証された現時点で正しいと思われてるその当時のローマの生活について
(貴族から一般ローマ人まで幅広い層を対象に)
現代のローマ人の視点から、ローマ一日ガイド風に紹介している、という
とっつきやすさと臨場感、これに尽きると思います。

以下、例によってところどころ心に残ったポイントをば。

・禿について
 当時のローマ人もやはり気にしていたようで、カエサルさんなどは後ろの髪の毛を
頭頂の薄くなった部分に向けて撫で付けて誤魔化していたとか。
もっと薄くなった人は頭全体をなにかで黒く塗っていたらしい。
遠目にはとりあえず禿げて無いように見えていたらしい(でも近づいたらバレバレだからなー!)

・ちょうどトラヤヌスの時代のローマ紹介なので、浴場を作ったアポロドロス(だっけ?)も出てきてました!
おお、テルマエ・ロマエー。
しかし漫画では頑固だけどいいおじいちゃんとして出てきてたあの方、次の皇帝とは馬が合わずに
なんか不遇な死に方をなさったらしい…。

・庶民の住宅事情には深く同情した…でも現代日本の一般庶民の住宅事情も似たようなものっスよ…

・彫刻に彩色してあったってのはちょっと目から鱗でした。あれか?プラモデルと同じ感覚か?色を塗って完成なのね…。


他にも色々と思うところはあった気がするのですが、以下略。
いやほんと読みやすかったし面白かったから一般の人にも自信を持ってオススメできる一冊!
暇な時にでも読んでみてください。


おせっかい教育論

鷲田清一 / 140B

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鷲田清一他、共著『おせっかい教育論』読了。
キヨちゃん(妹と私の間ではこれで通じる)が対談の数に入ってたのでそれだけが理由で買ってみた。
けして内田目当てじゃありませんよ!
阪大総長と神戸の私立大学の教授、坊さん、大阪市長の対談なんで、
若干大阪礼賛的な面は無きにしも非ずなんですが、そのあたりはご愛嬌。
教育については、確かにそうだなあと思わせられるところもあってタイヘンためになりました。
(理想はそうですよね~。)
それを具体的にどうするかとか、予算の面とかになると、行政との折衝とかいろいろ
難しい話になってくるんだろうなあ。

しかし、これ、平松市長も対談に加わってる関係上(?)
話が府VS市になると、どうも、きな臭い方向に話が行っちゃって
関西地域に住まうものとしてはもにょってしまう…
(他地域の方に取っちゃどうでもいいことでしょうが)
なんか、知事に対する批難に政治的なものがあるんじゃないのかと勘ぐってしまうのですヨ。
まあ、知事は若干極端な面はあるんですけどもね。でも頑張ってると思うよ~。
(関西広域連合うまくいって欲しいな!)

とりあえず、本はそのまま妹に貸してみました。


QED 百人一首の呪 (講談社文庫)

高田 崇史 / 講談社

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高田 崇史著『QED 百人一首の呪』読了。
前からちょっと気になってたミステリーなんですが、
貸してもらえることになったので読んでみた。
探偵役が薬剤師なら、ワトスン役も薬剤師という、
薬剤師まみれの推理小説(国家試験お疲れさん!)。
このシリーズ、これまで何作か出てるんですが、
一作目は、大富豪の死、家族の因縁、錯綜するアリバイ、など様式美のサスペンスです。
でも、その殺人そっちのけで、百人一首をどう並べるかが延々つづくという…

主人公の言うことは、ちょっとこじつけっぽいかなと思うし、
理系っぽいのは面白いけど若干かっこつけすぎカナと思うし、
ワトスン役の女の子は、男性作家が書いてるから仕方ないけど
「普通の女の子はそんな反応しねえよ!」という反応が少々目立つけど、
割と面白かったです!
いやあ、ミステリーは良いねえ…!

QED 六歌仙の暗号 (講談社文庫)

高田 崇史 / 講談社

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高田 崇史著『QED 六歌仙の暗号』読了・
2冊一緒に貸してもらったので、2冊一気に読みました。
こっちは、探偵役、ワトスン役に続けて、被害者まで薬剤師、というまさに薬剤師まみれの一作。
舞台が前半は大学、後半は京都で、前作に引き続き、和歌もバンバン出てきて、
でもって、六歌仙なのに、何故か七福神の話なので、
民俗学っぽいぶん、面白かったですよ~
相変わらず最後のまとめはこじつけっぽいのですが、
この作者の描き出す平安時代の貴族社会の陰謀と呪術にまみれた雰囲気がものすごく楽しかった!
当時の日本人のことばに対する感性を再認識させられました。いいよねえ、言霊信仰!


大阪ことば学 (岩波現代文庫)

尾上 圭介 / 岩波書店

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尾上 圭介著『大阪ことば学』読了。
かるーく読める一冊。
大阪出身で、東京で10年ほど過ごし、後に神戸大学に教授として赴任していた著者が
「これ以上、他地方の人間が大阪弁に妙ちきりんな解釈をつけるのは我慢ならん!
大阪のことばについてわたしが書かずになんとする!」

と一念発起して書いた本です(まあ大体は)。
これまで、大阪弁の文法の本とか、単語の辞書とかは読んだ事あったのですが、
これは、よく使われる大阪弁を説明しながら、その背後にその言葉を使う大阪人の
気風や性質がどう関っているかを論じた、まれに見る一冊でした。
面白かった。
(でも、著者もあとがきで述べておられるように、これは日本人論なんかと一緒で、
人が居ればその人の分だけ解釈があるわけであって、この本に書いてある事は著者の個人的な
解釈であることを承知しておかねばならないのだなあ)
これの各方言バージョンが欲しいと本気で思いました。

しかし、わたしんちは代々大体農民だし、大阪に先祖なんてひとりもいないのに、
概ね書いてあることには共感を持って頷いてしまうんですよね。
当たり前の事を当たり前に言うのは芸が無いと思うし、
くっさい事を大真面目に言うのは、ものすごい恥ずかしい事だと思うし。
(良い悪いではなく、これはもう本当に好みの問題なの…!)

恐るべし、大阪の影響力…!!

いやでもあそこまでワタシは言葉を駆使できません。
大体、口下手だから字や絵で表現する方向に傾いちゃったんじゃない…!
(話し上手だったら書いてないやい!)
話し上手な人には心底憧れます…。
(人間な、努力してもどうしようもないことってのはあるもんやねん…)


クラバート (上) (偕成社文庫 (4059))

プロイスラー / 偕成社

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オトフリート・プロスラー著『クラバート』(上)(下)ともに読了。
また読んでしまいました…。
アタシ、この本何回読んでるの…!!!

でも、何回読んでも面白いものは面白いのです。

一応、魔法学校もの、に分類されるであろう本作ですが、
「魔法学校」という字面をみると、みんなハリポタみたいなカッコいいのを想像するのでよろしくない、
あえて「魔法寺子屋」ものと括らせてもらいましょう!
親方の下で粉屋の職人として働く主人公の3年間を追ったもの。
重くて暗くて怖い話なのに、青春あり、友情あり、恋ありで、
なんか、毎回ぐいぐい引き込まれて結局最後まで一気読みしてしまうんですよね…。
もうどう説明しても言葉が足りなくなるので、

皆さんも是非読んでください(解説放棄)!



多読
『crown of the Violet』(レベル3)読了。
レベル3になって、レベル2の1,5倍から2倍近く語数が増えたのでなかなか進みません。
でもこの話は面白かったんだ!
紀元前5世紀、全盛期のアテナイが舞台、
主人公は15歳くらいの男の子、
この男の子が、シュラクサイから来た女の子と知り合ったことを皮切りに、
喜劇作家を目指しつつ、アテナイの民主制に対して考察し、ソクラテスに共感し、
裏でスパルタが糸をひくアテナイ民主制転覆の陰謀を
フェスティバルの自分の喜劇の演目を利用して未然に防ぐ、という
短い中に盛り沢山の、ジェットコースター多読でした。
いやいや、楽しんで読めてしまいました。
ソクラテスの名前を作中に見るだけでもテンション上がるしね~♪
作者はイギリス人。

読みやすかった…!!(ありがとう、イギリス人!!)
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by mi-narai | 2010-11-29 23:05 | 2010年11月の読書

『和製英語と日本人』 『古代ローマ人の24時間』他

なんですと!?

あの!見習いイチオシイギリス児童文学の大傑作
『第九軍団のワシ』が

映画化ですと!!!

いや、通りすがりの親切な方がメールで教えてくださった情報なんですけどね。
めっちゃ楽しみやん!!!
児童文学といってもこれまで映画化されてきたファンタジーと違って
歴史モノだし、チャラくないずっしり骨太な物語だし、監督さんスコットランドの人らしいし
なかなか期待大です。
まだまだ情報が少ないので、これから入ってくる情報待ち☆


以下はいつもどおりの読書メモ

脳のなかの万華鏡---「共感覚」のめくるめく世界

リチャード・E・サイトウィック / 河出書房新社

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『脳の中の万華鏡』パラ見。
図書館の新刊のところに並んでいたので(借りるほどでもないかと思い)
30分くらいでざっと流し読み。
共感覚について書かれた本です。
前にギリシア神話の人名について、ちらっと書いたと思うんですが、
ワタシの場合名前によって髪の色が大体決まっちゃうのです。
というのも、カタカナを見るとなんとなく色を想像してしまうからです。
詳しくはこちら
その後、それって共感覚って言うんですヨって教えてもらって、
色んな種類があって(文字素だけじゃなく、音を聞いて色を想像する人とか、
味に対してなにがしか固いとか丸いとか思う人とか)、
勿論、同じように文字素に色を感じる人でも、人によって何色になるかは違う、などと知ったんですが
まあ、気になってたわけです。で、ざっと読んでみた。

…世の中には、アルファベットを擬人化してしまう人までいるんだなあ…(感心)。

どうして共感覚になるのか、というのは、まだ研究中らしいけど、
どうも成長の途中で、普通なら不要な脳の回路は色々遮断して作業効率を上げるんだけど
若干切り残しがあると共感覚になるんじゃないか、と考えられてるらしい(すごいざっくりした説明)。

途中で、アルファベットに共感覚があるアメリカ人が
『人の名前が覚えやすい』と証言してる場面があってそれには、確かに思い当たるふしが。
高校生の時、ワタシ、世界史大好きだったんですが、中国史だけは苦手だったんですよね。
それは、ものすごく漢字の名前が覚えにくかったからなんです。
ずっと漢字が苦手なんだなあと思ってたんですが、
裏返せば、カタカナだと色が付いてるから覚えやすかったと、そういうことだったのか…!
(ピピンは明るい黄色だし、ルイは軽いオレンジ、
カールは黄緑にちょっとオレンジが混ざった色合いなんだぜ!)

とりあえず、共感覚があっても日常生活に支障はないようなのでほっとしました。


和製英語と日本人―言語・文化接触のダイナミズム

ジェームズ スタンロー / 新泉社

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ジェームズ スタンロー著『和製英語と日本人』読了。
これまた図書館の新刊本のコーナーに並んでた本です。
外国人が日本語について書いた本だ、というのと、ここんとこ、『街場のマンガ論』やなんかで
日本語の持つハイブリッド機能について読んだとこだったので、
興味を惹かれて、図書館で借りてみました。
和製英語は日本語を圧迫してる!とか、このままでは日本語が滅ぶ、とかいう本なら
別に読む気は無かったんですが、どうも目次とかパラ見するに、
和製英語の日本語における成り立ちとか、どういう機能を持ってるかとか、
もうちょっと日本語論に踏み込んだ話っぽかったので。
読んでみての感想は

これが面白かったの!

まさに先に読んだ内田本ともリンクする内容で、日本語には、
文法体系や口語は地元の言葉を使うけども、文字は中国から輸入したという経緯があるから、

(中略)、

漢字と平仮名とカタカナを長い事併用してきたという歴史があるんだけども、
その経験があるからアルファベットも第4の文字としてあっさり日本語に取り入れることが出来て、
和製英語がこんなに蔓延してるんじゃないか、という流れの説明に。
わたしたち、普段ものすごく何も考えずに、各種の文字を混ぜて使ってますが、
こんな文字の使い方してる国って意外と少ないんですってネ。
内田本の『街場のマンガ論』の方では、
最近の研究で、平仮名・カタカナと漢字では、理解するのに脳の別の部分を使っているというのが
分かってきたらしい。どうも漢字の方は絵として判断しているのではないか。
実は、マンガという媒体もこの日本語と同じような理解の仕方で読んでいて
(日本人には非常に読みやすい媒体である。英語圏の人は、絵と吹きだしの文字を一緒に読み下すのが
難しいらしい)だから漫画がこんなに発達しちゃったんじゃね?
という方向に話がすすむんですが、
この本でも同じような説明がなされており、その上で、
数種類の文字を組み合わせて使いこなし、おまけに当意即妙に語呂合わせまで
してしまう日本人に、著者が「わー、すごーい」ってなってんのが書かれてて

なんか、日本語愛に目覚めそうになりました。

同じ事を言う時にも、文字によって微妙なニュアンスを使い分けてるんです。
(例えば時間なら、時間、とき、TIME、タイム、それぞれ微妙な使用上の差異がある)
考えてみれば、難しい事を日々やってんだなあ…

著者の主張では、和製英語はもとの英語とは別物で、
英語からとったものだけど、一度噛み砕いて組み立てなおした日本語であって、
それが日本語に蔓延することは英語が日本語を駆逐することにはならず、
むしろ日本語の表現の幅を広げているのではないだろうか、ということなんですが。
目から鱗でした。

最後の辺りは英語と出会ってから日本語が辿ってきた歩み(その中での英語の扱われ方)を
ざっと俯瞰するものだったんですが、
日本の英語教育はあんまり実用会話には役立たんが、和製英語をこれほど上手に作れる日本人を生み出す
ことには貢献してるよな、との指摘にも、目から鱗でした。
やっぱりやってる勉強は無駄にはなってませんよー!


古代ローマ人の24時間---よみがえる帝都ローマの民衆生活

アルベルト・アンジェラ / 河出書房新社

スコア:


アルベルト・アンジェラ著『古代ローマ人の24時間』読み始めました。
これまた図書館で借りた本。

いや、これ、面白いよ!

ローマ在住のテレビキャスターが書いた本らしいんですが、
さすがメディア関連の人!
固い学術書にはない臨場感!
それでいて、考証がしっかりしてるからなんちゃって歴史書じゃなくて
文章もしっかりしてて(きちんと調べた上で読み物としても面白いように書かれてる)
ホントにローマを見物してるおのぼりさん気分にひたれますよ!
ローマ人が書いてるから、現代のローマについても詳しくて、
地理なんかも手にとるようだし!
所々に出てくる現代との対比も、「へー、現代イタリアじゃそうなんだなー」という部分が
仄見えて、2度美味しい!
今やっと11時半を回ったところまで読みました。
返却期限今日なんですが、…すまん図書館、延滞するぜ!




多読

『Long-ago stories of Japan2』(レベル2)
引き続き、講談社の本。読みやすかった。


『American folk talesアメリカの昔話』(レベル3)
同じく講談社の本なので読みやすかろうと思って、1レベル上げてみたんだけども

読みにくい…(何で!?)

…と思ったら、著者がアメリカ人でした。うぬう…!!!
最初の辺りのインディアンの昔話(スカーフェイスの話とか、いたずらウサギの話とか)は
面白かったけど、白人系のアメリカ人の小話はつまらなくて(あの程度では笑えぬわ!)
3分の2読み終わったところで返してしまいました。
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by mi-narai | 2010-11-13 07:42 | 2010年11月の読書

『銀河の道虹の架け橋』 『ローマの祭』

大林太良著『銀河の道虹の架け橋』読了…。
長かったぜ…。
でも、面白かったー!

いやもう、世界の虹伝説にビックリですヨ!
普段虹なんて、「綺麗だな~」くらいにしか思ってなかったんですが(現代の日本人って大体そうですよね)
虹に対する印象って、世界的に見ると「不吉」な場合の方が多いんですね!!!
虹を見たら死ぬとか、悪い事が起きるとか、指差したら指が曲がるとか、腐れ落ちるとか、
千切れるとか。
虹はあの世への橋だとか。

後、虹が蛇で、水から出てきたり、天から首を伸ばして地上の水を飲んで、
空中で「うえ~」って吐いたら雨になるとか、

面白すぎだろお前ら!!(誰に向かって…)

勿論ヨーロッパの辺りでイリスについても書かれてたんだけど、
その他の伝説が強烈過ぎて大体忘れた。
でも、「イーリアス」では虹は橋であるという観念があったけど、
その後は虹=弓の表象も出てくる、という示唆はなるほどと思いました。
最後に、全体についてまとめてあって、
各伝承の分布について、どういう経緯で広がったのかの推測がなされてたんだけども
これが面白かったのです!
最後にちょろっと、太陽と月の話も載ってたんですが、
月息子が姉の太陽娘に懸想して近親相姦に及んで怒られる話には
ちょっと笑ってしまった。
(アポロンとアルテミスで考えちゃダメだめ!)


ローマの祭―夏と秋 (叢書・ウニベルシタス)

ジョルジュ デュメジル / 法政大学出版局

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ジョルジュ・デュメジル著『ローマの祭』読了。

ローマの祭暦に付いては、1年の前半部分はオウィディウスが『祭暦』に書いて残ってるんだけど
後半が分からん。
その後半部分を、色々残ってる資料をもとに、再現してみよう!
と、デュメジル先生が一念発起して書いた本です。
いや~、これがめっちゃおもろかってん!!
もともとローマの暦に興味があったってのもあるけども、
それより、デュメジル先生の推理がミステリー小説読んでるみたいで!

全体的な面白さは、読めば分かるので割愛して、以下、ところどころ特に心に残った点を箇条書きで。

・ギリシアのデメテルに当たるローマのケレス女神、
彼女が農作業(特に麦)の栽培の過程全てを守護する、という説明までは、これまでも聞いてて
知ってたことなんですが、
なんと、ローマには彼女を補佐する補助神たちも一緒にわんさか考えられていたらしい。
(でもって、ケレスの儀式で、「彼女を助ける神はこれこれ」、と補助神名を読み上げたらしい)。

まあ、ケレスはわからんでもない。


しかし、ギリシアのディオニュソスに当たる、ローマのリベルも負けず劣らず働き者ですヨ!!
葡萄酒による酩酊とか、そういった神がかった飲み物を司るという職能だけでなく!
葡萄酒つくりの全工程も、この神が見守り、手助け、成功を後押ししてくれてるらしい!!
(ケレスのように補助神群は持たないし、出来上がった葡萄酒はユピテルに捧げられたらしいけど)
もともと、ギリシアでもヘパイストスとかアテナは手工業や鍛冶業に携わってたし、
メルクリウスはローマで商業の振興に頑張ってるなとは思ってましたが、
今回知った農作業方面でのケレスとリベルの頑張りには頭が下がる思いが致しました。
見直したよー!


・『ローマの祭』後半部分。
ジョルジュはものすごいイキオイでマルス=農耕神説を否定してます。
わたしもなんかマルスは農耕神ではない気がするので概ねジョルジュの肩を持って読んでますが、
どっちでもいいと言ってしまえばそうなんですよね~。


・ホラティウスの書簡の一説が載ってて、不覚にも胸を衝かれてしまいました。
田舎にいるホラティウスが、町が好きで町で暮らす仲のいい友人のフスクスに宛てた手紙の一文

「わたしはこのことをウァクーナの荒れ果てた聖所の後ろで、君に語っていた。
君がここに共にいないのを除けば、後は幸せなのだが」


ウァクーナというのがどうも、一時的に居ない人を連れ戻してくれる女神みたいなんですよ。
つまり、ホラティウスは何重にもかけて、友を思ってるの!
なんか、こういう文章やらシチュエーションに弱いよなああああああ!!!
(『サファイアの書』の、絶体絶命の危機の中、数十年前に別れた親友に書き残した遺書の

友よ、君が恋しい。
友情が愛情の一つの形だとして、今ほどそれを実感した事はない。

の一文にも、やたら執着してしまったし。中二です)
あの人が今ここに居てくれたら!…と思える友達が居るというのは幸せな事ですヨ。
ホラティウスめ、羨ましい…!!

や、まあ、自分もどっちかというと人間関係には恵まれてる方だと思ってるんですけども。
それでもわたしの愛が相手に伝わってナイということもありうるしな。
精進しよう(何をだ)。


今は『近代大阪経済史』を読み中。


多読
『Five famous fairy tales』(レベル2)
グリムとアンデルセンとアラビアンナイトからちょっとづつ妖精譚。
昔に読みすぎて、忘れた。

『SAMURAI』(レベル2)
これは、上記のペンギンブックスとは違う出版社のもの。
レベル1で読んだ「ロビン・フッド」と同じ出版社のもので、
挿絵がいっぱいあるんだけども、
矢張りアレと一緒で、内容は簡単なのにわからない単語がいっぱいあって
読みづらい…
で、出版元がどこの国か見たらアメリカだった。

ちっ(心の中で舌打ち)

や、まあ侍が題材で、大体わが国の歴史を語っているので、
単語が分からなくても内容は大体わかるんですが。
(でも、英語が分からない人の立場がまるきり分かってない、というかそもそも分かる気がない感じなのです。
英語習得のための教材なんじゃないの?きちんと察しろとはいわんがその努力は見せてくれよ~)

後、挿絵が大分残念な仕様になってました。

(妹と二人で突っ込みながら大笑いしました。
ええと、左前、ですよ、着物…。
でもまあ、わたしも大分ギリシャの衣服には適当な自覚があるので、あんまり笑うと悪いかな)
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by mi-narai | 2010-09-26 12:40 | 2010年9月の読書

『終わりよければすべてよし』 『ラウィーニア』

終わりよければすべてよし シェイクスピア全集 〔25〕 白水Uブックス

ウィリアム・シェイクスピア / 白水社

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シェイクスピア著『終わりよければすべてよし』あらすじを読んで興味が出たのでさらっと読んで見ました。
さらっと読み終えました。
医者の娘が、貴族の息子に恋をして、その恋を成就させるために頑張る話。
しかし、なんでこの貴族息子はこんなに頑ななの?


ラウィーニア

アーシュラ・K・ル=グウィン / 河出書房新社

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アーシュラ・ル=グィン著『ラウィーニア』読了。
前にちらっと日記で書いたように、本屋に並んだその日からずっと気になっていた一冊。
図書館で新刊本の棚に並んでいたので、「今じゃ!」と思って借りてみました。
意外と内容がぎっしり詰まってて流石に一日では読みとおせませんでしたが、
読んでる間中続きが気になって気になって、一気に最後まで読み通した一冊でした。

最初に結論から言います。


アイネイアスがめちゃめちゃかっこよかった!!!




(…またそういう頭の悪い感想を…)
や、でもほんと!読み終わってからも1日くらいはときめきの余韻に浸ってましたもの!
ワタクシ、この年になると割と許容範囲が広がって、読書における殿方に対する
トキメキの傾向もいくつか分化しておるのですけども、
このアイネイアスに対してのときめきは、
頑固一徹なおじさまに対するかわゆいなあ、というときめきでも、
腹黒くて頭のいいナイスガイに対するワクワクでもなく、

…あえて言えば『TROY』のヘクトールに対してや、
国連事務総長のハマーショルドさんの事跡について読むときの
「この人はなんて立派な人なんだろう…!」という感動?(疑問系にすな)

と似たようなものかと。
ものすごいよう物を考えてる人に描かれたはる。
自分の弱さを自覚して、常に自問してるような、知性的で理性的な人ですよ。
大人だし。背が高くて男前だし。
この作者の登場人物で言うなら、「2巻のゲド」を髣髴とさせました。
でも、作者のまったくの創造かというとそうではなく、
なんか、『アエネーイス』を読んで感じたアイネイアス像を具体化するとこんな感じか?
という印象で、違和感はなかったです。
さすが大御所だぜ…

もう、このアイネイアスのためだけにこの本買ってもいいかなと思ったくらいです。


もしこの本を読んでときめいた人は見習いまで!語らいましょう!!

:::::::::::::::::::::::
閑話休題。
アイネイアス話はおいておいて、お話の筋や背景について感じたところをば。
ベースはあくまでもウェルギリウス先生の『アエネーイス』です。

とはいえ、時代背景は、史実にもかなり忠実なのではないかとも感じました。
色々初期の王政から共和政のローマ本や、ローマの神話本を読みかじって
「最初の頃のローマってこんなだったろうな~」とわたしが想像していたような
社会形態や、神話形態が、ちょうど描かれていて、ちょっと感動した。
(ル=グィンも似たような資料を読んだのかちら!!
わたしの想像にお墨付きを頂いたような勝利感でございますよ)
特に、境界の上で踊るマルスとか、ウェヌスの位置付けとか、
ギリシアから神々が入ってくる以前のローマ人の素朴な信仰形態とかが、
「そうやんな!こんな感じやんな~」と膝を打つ感じに描かれてて大満足。
大雑把に言えば、『アエネーイス』の筋を、実際の当時のローマ世界の中で展開してる感じです。
本当は、トロイア戦争からローマの夜明けまでは数百年の時差があるので
ローマの初代王ロムルスとレムスのご先祖たるラウィーニアと
トロイア人のアイネイアスは時代が違うし、まあ会うはずないんだけど
(アイネイアスのローマ建国伝説はラティーヌスのそれをなぞっているという説が一般的?)
その辺りは、作者が上手にまとめてます。
色んな伝説の要素を一旦分解してもう一度ぴたりとピースがはまるように組みなおすと
こうなるのだなあ、という…


お話は、『アエネーイス』をラウィーニアの視点で語りなおした感じです。
ラウィーニアの知らない前半部分は、詩人のウェルギリウスが語ってます。

このお話、不思議な構造になっていて、
ラウィーニアは血肉を持った人間であるとともに、ウェルギリウスの創作した作品内の人物で、
彼が確固とした役割や人格を与えなかったせいで永遠を生きている、といったような設定がなされてます。
作中で、叙事詩の作者であるウェルギリウスと登場人物であるラウィーニアが
会って話すシーンなどもあります(このシーン、静かでとても好き。
ウェルギリウスの登場シーンだけ、ほのかにアウグストゥスの時代のローマの香りが
感じられて、もう、作者の才能にくらくらしました)。
そのラウィーニアが、思い出してはその時の事を語るため、時系列が時々入り乱れていて、
最初はちょっと戸惑うかもしれません。

筋は、何が起こるわけでもなく、大冒険活劇があるわけでもないし地味かなと思ったのですが
それはわたしがもともと『アエネーイス』を読んでいて、次に何が起こるかを知っているからかも。
後、一貫して女性のラウィーニア主観で描かれるので、戦闘シーンが出てこないから
そんな感じを受けるのかも。淡々と王女の日常が続くからそう感じるけど
よく考えたら、戦争がおこって終わってるなあ。
一応、ラウィーニアをめぐってトゥルヌス&アマータ率いるラテン軍VS
アイネイアス率いるトロイア勢の戦いが起こって、トゥルヌスの死で収束するまで続きます。
(物語はその戦争の後さらに続きますが)

なんというか、不思議な読後感だったなあ…。
個人的にプラス評価ばかり感じたわけでもなく、
毎回なんでこの人の話女性が男性に押さえつけられて
息苦しくなってるシーンが一度は入るんだろうとか(まさか、それが肝なんか?)
アスカニウスとトゥルヌスはちょっと気の毒な描かれ方してたよなとか、
あまり好ましくないところだってあったのですが、
ソレを差っ引いて色々総合的に見たら、面白かった、のかなあ…
今考えたら、アイネイアスをラウィーニアが心底愛していたので、
読者にもあんなに彼が素敵に見えたのかなあ…
(作中、ラブラブでしたぜ、この二人!あーもう、あっついあっつい)

手放しで「あー、面白かったー!」とストレートに言うにはもっと
複雑な何かが残るというか、

だから、まさに、なんというか不思議な読後感、だったのでした。


あ、あと、エトルリアも素敵な感じで出てきてましたよ!
向こうに押し切られた感満載のディードーと違って、
クレウーサのことは、アイネイアスが本気で愛してたっぽいのも好感度大。
ヘクトールやディオメデスも、名前だけ出演してました!うわーい。
アキレウスとオデュッセウスは一箇所だけおんなじとこにやはり名前だけ出てきてましたよ!
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by mi-narai | 2010-05-02 19:53 | 2010年4月の読書

『カルタゴの歴史』

カルタゴの歴史―地中海の覇権をめぐる戦い (文庫クセジュ)

マリア=ジュリア アマダジ=グッゾ / 白水社

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マリア=ジュリア・アマダジ=グッゾ著『カルタゴの歴史』読了。
京都の文化博物館でやってる古代カルタゴ・ローマ展を見に行ったのですが、
その予習として見に行く前に滑り込みで読んだ一冊。
新書なのでざっと知りたい人向け。
(ところどころ厳しい日本語訳もあったような気が…ごにょごにょ。
行為の主体が分かりづらい部分が時々あって、それはちょっと辛かった)

で、読み終わって一番分かった事はといえば


カルタゴに関してはほとんど資料がなく、分からない事ばかりである


ということだったという…。
ローマは第3次ポエニ戦争に勝利した後、カルタゴ市を徹底的に破壊したらしく、
カルタゴ人自身が書いた史書も、図書館もみーんな消滅してしまったんだって。
なので、資料といえば、考古学資料と、ローマを含む周辺諸国の記録に頼るしかなく…


おのれローマ…!!!
(アタシ、今月に入って何回ローマに腹立ててるんだろう…)

こんな腹立たしさはインカ、アステカとエトルリアだけかと思っていたのにやれやれですよ。

以下、読んでいて「おっ!」と思っていた事。

・カルタゴがセム系の商人の町だというのは元々知っていたのですが、
宗教や固有名詞の語感がやはり聖書(ヘブライ人)と似てるなと改めて思いました。

・その流れで。
カルタゴの聖所には、幼児の骨がたくさん埋葬されていたことから、
カルタゴ人は幼児を生贄に捧げてたんじゃないかという疑惑があって、
それに関しては、それを史実と認定する意見やら、それに対する反論やら色々あるようですが、
聖書でも息子を神に捧げる話が出てくるので、案外ホントかなという気がしました。
といっても、生贄儀式がそんな頻繁にあったわけではないだろうし、
もちろん捧げる方だってものすごい覚悟でやってたろうから
カルタゴ人が特に子供を粗雑に扱ってたとか、無慈悲だなどとは思いませんが。
でも、同じくらいこの人身御供疑惑が純然たるカルタゴの敵対勢力のでっち上げだという気もちょっとするなあ…

・カルタゴの語源
セム語で クアルト(町) ハダシュト(新しい) で縮まって カルタゴ! なるほど!

・メルカルトの語源
フェニキア語でMlkは王を意味する語を形作る
⇒このミルクと、先に出た町を意味するクアルトでミルククアルト⇒ミルカルト!

・エトルリア人の話がちょっと出てきました。嬉しい。
そうそう、そういえばエトルリアの本を読んでいたときにも、
地中海を西へ西へと進出するギリシア勢に対抗するために
カルタゴと同盟を結んだ、という段がありました。

・ヘロドトスに依拠するペルシア戦争初期の頃のポカイア人の海賊行為の話もちゃんと載ってました。

・カエレの外港で発見されたエトルリア語とフェニキア語の黄金板についての言及もあったよー。
エトルリア語を語る上では避けて通れないこの文字板が、フェニキア本で出てくるとなんか不思議な感じです。

・後、カルタゴの建設神話の段で、ディードーやエリッサの話が出てきて、
これはアエネイス関連の本で読んだエピソードなので、
…この時代、色々リンクしてるなあと感慨も一入でした。

・フェニキア諸都市では男女一対の神を祀るのがスタンダードだったらしい。
なら、やっぱりイスラエルでも男女一対の神を祀ってたと考える方が自然ですよね。
(『ダ・ヴィンチ・コード』のネタってそんな大騒ぎするほどのアレか?)
それとは関係ないけど、エシュムーンっていう神の名前の語感が好きです。

・この本のあとがきにもコリントスの滅亡について書かれてました。
「同じようにローマに徹底的に破壊された町でも、コリントスの方はさほど話題に上がらないのに
カルタゴの方は日本人の興味をそそるのは、判官びいきのせいか?」という趣旨で
書かれてる一文に出てくるんですが、

わたしはコリントスにも興味がありますよ(※皆知ってる)。



で、この本を読んだのち、
先日、古代カルタゴ・ローマ展を見に京都に行ってきました。
芸術は不勉強なので、絵などを見ても真価をなかなか見極められないのですが、博物は普通に面白いな~。

前述のとおり、カルタゴは一度ローマに滅ぼされてのち、
ローマの属州の都として再び同じ場所に新たに町が建築されるのですが、
ローマ以前と以後ではカラーががらっと変わってしまうのね…
(さすがにローマ以後の文物にはいろいろ馴染み深かった。
見覚えのあるあれやこれやがいっぱいですよ)

一番印象に残ったのは、さすが海洋帝国の異名を欲しいままにしたカルタゴ、
その港の立派さでした
復元予想図や復元予想ミニチュアが飾ってあったんだけどさ!
港の入り口には長方形の商船用船着場があって、その奥にドッグを備えた軍船用の円形の港が隣接してるんですよ!
船とか港とか、ああもう、素敵ワードがおてんこ盛り!
(それだけでこんなにハアハアできる自分もたいがいキモいですが)
商人と最強海軍と青い海と空だなんて、どうしてわたしはこれほど自分の好みに合致した民族をスルーしていたのか!
これまでの自分を猛省しました。

そんなこんなで、港、船、商人、海軍、など、ときめくキーワードを満喫した後、
そのへんで飯食って、市場好きの同行の友人の希望で錦市場などうろうろして帰ってきました。
あー、楽しかった!
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by mi-narai | 2010-03-31 23:56 | 2010年3月の読書

『生きる力、死ぬ能力』 『ローマ人の世界 社会と生活』他

生きる力、死ぬ能力 (シリーズ生きる思想)

池田 清彦 / 弘文堂

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池田清彦『生きる力、死ぬ能力』読了。
一瞬哲学の本か何かかと思わせるタイトルですが、一応理系の本です。
著者の池田清彦というのは「構造主義生物学」というのを立ち上げた理工学部の教授で、
ネオダーウィニズムに疑問を投げかけてる人らしい。
でも、この本は一般向けに噛み砕いていろいろと書いてあるので
ワタシのようなお馬鹿さんでも理解できる仕様になってます。
以下、これまた以前に読みすぎて記憶がうろなので強烈に覚えていることだけ
ピックアップ。

・大体はタイトルのとおり、進化の過程で「死」という能力を獲得した生物が
どう変化してきたか、という大筋です。
最初の取っ掛かりは、「死」に対する認識の話。
宗教の必要性に関する池田先生の意見はまさに普段ワタクシが考えていたとおりでした(握り拳)!
そうやんなあ!

・ちなみに、細胞として生きているのは卵子で、男性の提出する精子からは情報だけしか
次世代へ受け継がれないらしい。
つまり、「生」という状態を残せるのは女性だけなのです。
マジっスか。男は遺伝子を攪拌して様々な子孫を残すための道具ってわけっスか!!

…なんと過激な……
(※池田先生はそういう意図はもっておられません)

→しかし、その話を聞いて、太古の女系継承がいきなり真に迫ってきた感を受けたのは
わたしだけではないはず!
大昔、螺旋だと考えられていた大女神の力とDNAの螺旋とか、
…なんか、ぐるっとひとまわりして最初のところに立ち返った感じですね!

・セックスすると死ぬ?
いや、とりあえず、子孫を残すための仕事を終えると死ぬオス(※ここ重要。メスは死なない)が
多いという話が出てたので。
生と死ならぬ、性と死、ですねははははー
(これは、性交で若返る例もあるらしいので一概に言えませんが)
もうほんと、理系の本読んでるのに、ちょっと前に読んだ女神の本が後をひくひく。

・死ぬという能力を手に入れて大きく複雑な生物に進化した?
単純な生物の場合は死ぬ仕組みがないらしい。テロメアがないんだってさ。
同じ遺伝子で同じ性質で分裂して増えるわけです。
そういう生物は老化しないから、不慮の事故でない限り延々増えます。
増えて、よしんば環境が変わっても、そういう単純な生物はわりとアバウトで
そうそう全滅しないから別にかまわないらしい。
しかし、複雑になって環境によりマッチしてしまうと、その環境が変わると全滅してしまうのです
→いろいろな要素をもつ子孫を作る必要性が出てくる。
(=遺伝子を混ぜ合わせるという意味でのセックスの必要性)

また、複雑になるためには、誕生前、体を形作る段階で、細胞を一部「死」という能力で
意図的に殺して細かい調整を施す必要もあるらしい
→「死」は複雑な生物の宿命。
でも、複雑な生物だからこそ「死」を恐ろしいと感じることが出来てしまう辺り、皮肉だなあ…

などなど、思いました。

わたしは、未だにソシュールを読んだことがないのですが、
構造主義生物学を説明する段でソシュールのことにも触れてあって、
「…難解と言われるソシュールも、この説明ならわかるかも知らん!!」
と思いました!
後、ミトコンドリアの話が面白かった。
栄養にしてやろうと食べた相手が腹の中で生き残っちゃって、
うまいことお互いの利益がかみ合ったので共生関係発生
→真核生物の誕生!
だなんて、すごいな!ものすごい偶然の賜物じゃないっすか!
ドラマチックなものを感じてしまいました。
(もちろん、別の説もあるようなのですが、この説が面白かった)


ローマ人の世界―社会と生活 (1985年)

長谷川 博隆 / 筑摩書房

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長谷川博隆著『ローマ人の世界 社会と生活』読み始める。
これまた返却期限の迫った図書館本、今鬼のように読んでます。

数日後、読了。
長谷川先生って、バリバリ現役の方かと勝手に思ってましたが、意外とお年を召した方なのね…
色んなところに発表なさった論文を集めた本のようなのですが、
その発表年代が大体1970年代から1990年代でサ。
いや、でも、面白かったっスよ!
ローマの町の様子とか、職人の生活とか、牧人の社会的位置とか
そんなものをニマニマしつつ読みましたとも!
特に、商人の世界が楽しかった…。
小売商だけじゃなくて、ものすごく大規模に金を動かしてる大商人
(これは大体騎士階級が担ってたらしい)なども当時既にいたのですね!
そらもう、メルクリさんの本領発揮っスよ!
質実剛健を旨とするローマ人社会で、昔かたぎのローマ人にさげすまれながらも、
金と権力を駆使して暗躍するとイイっスよ!(花開く色々な妄想)

ソレとは別に、何故か中間部分に長谷川先生の旅日記的なものが挿入されてて、
(主に色んな遺跡に行った話など)
そこで語られる往時のギリシア人の人懐っこさが大変印象的でした!
他の土地(地中海東岸とか、アフリカ北岸とか)だと、ものすごい白い目で見られた長谷川先生も、
ギリシアではすぐに人の環に引き込まれ、親身にもてなしてもらったそうな。
たしかに神話では旅人をもてなす伝統があるように見えるけど、ちょっと前までそうだったんだなあ。
この風習って今もそうなんでしょうか…


高橋哲雄著『アイルランド歴史紀行』まだ途中。
歴史の流れそのものじゃなく、いろいろアイルランドの歴史と関り深い人や
事件、旅した時の印象と絡めて、アイルランドそのものを浮き彫りにする
手法で描かれてるんですが…

なんか、自分の中でアイルランドに関するイメージが随分変わりました…

…意外に、グダグダっすよ、歴史の中のアイルランド人…。
熱しやすくて情熱的で行動派だけど

詰めが甘い!!

あんまり効率とか先の事とか考えずにやり始めたんじゃないの?
と疑わざるを得ない事件や事物が山盛り沢山ですよ。
や、個人的にはそういううっかりしたところ、大好きですが!
(人間、隙がないとかわいくないじゃないですか。)

とりあえず、あと3分の1くらいなので張り切って読みきります!



『新三銃士』
見ようと思って録画したはずが、3日分しか取れてねえよ!!
デュマ先生、ごめんなさい!
でもロシュフォールの声ちょっと好みー…


『相棒』のピルイーターの人
や、新シーズンが始まるに当たって、番選のために相棒メンバーが某バラエティーに出てたんですけどね。
それを見ていた妹とわたし、例のピルイーターの人が、回答時、急に照れたような笑顔になった瞬間同時に
「いやーん、うそー、めっちゃかわいいやん!!」
(振り切れるMOEメーター)
などと盛り上がってしまったのです。
役柄的に普段むっつりしてることが多いんですが、笑顔が思いのほか可愛かったのですよー!!!

…最近妹との好みの一致具合が激しくて怖い…

(実生活では全然違うのになあ…)
でも、それで勢いづいてピルイーターの人のサイトを見に行ったのですが
そこに載ってる本人にはそんなにときめかなかった…。
単に役柄萌えだったようです。ていうか、

そこまでオールバックと眼鏡が好きなのか、わたし…?

(勿論好きに決まっとるわい)
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by mi-narai | 2009-10-26 00:19 | 2009年10月の読書

『古代ローマ軍団大百科』 『そして誰もいなくなった』 『ギリシア・ローマの神と人間』

エイドリアン・ゴールズワーシー著『古代ローマ軍団大百科』ようやっと読み終えました。長かった…

以下、お、と思ったことメモ

・ローマ軍の兵士に給料が支給され始めたのは、ウェイイ攻略のための遠征中のことだったらしい。
…なんだか、ウェイイの名前を聞くと切なくなります…

・ローマ軍では帝国末期に解禁になるまで、長い間ずっと結婚を禁じられていた。
(国が兵士の家族を扶養する金を出し渋ったためらしい)
とはいえ、若い盛りを軍隊で過ごした兵士たちは、実際には結婚してたらしい。
上級仕官は結婚を禁じられてはおらず、それなりの身分の相手と結婚したが、
百人隊長以下の兵士たちは、けっこう現地人や解放奴隷と結婚したらしい。

・ローマの槍(ピールム)の貫通力にびびる。

・ローマの軍隊は、同時期の対抗勢力が足元にも及ばないくらい、
規律が大変厳しかったらしいですよ。こんなことを聞くと、やはりマルスは
厳格で融通の利かない性格だったんじゃないかと思ってしまうなあ…

・とはいえ、ローマと対抗しうる洗練されて強力な軍隊をもってたのって
初期に対立したギリシアのピュロス王の軍隊と、カルタゴ軍くらいだったらしいよ。
(後はあまり統制の取れてないゲルマンやケルトの部族が主だったから)
…マジで、カルタゴを踏み台にステップアップしよったのだな、ローマ…


そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

アガサ クリスティー / 早川書房

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アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』読了。
妹と、『外国人作家のミステリーを人にお薦めするなら一番はどれだ?』
というお馬鹿なことを話してて、この本が話題に上がり、
「やっぱり基本は外されへんやろ」
「あれはなかなか衝撃やったよなあ」
などと言ううちに読みたくなったのです。
10年ぶりくらいに読みましたが、面白かった…。
推理のための推理じゃなくて、トリックがさりげなくて、いかにもほんとにありそうなあたりが。
いや、見立て殺人や島内密室皆殺しをする人が現実に居そうだという意味じゃないですヨ。


ギリシア・ローマの神と人間 (1979年)

中村 善也 / 東海大学出版会

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続いて、『ギリシア・ローマの神と人間』を読み始めました。
この本、かの松平先生が退官されるにあたり、
その教えにあずかった人々が記念に論文を一つづつ持ち寄ったものらしい。
なので、西洋古典を愛読してる人なら必ず見たことある名前がズラリ並んでます。
ひいぃ、なんという豪華なメンバー!
この時期のK大はまさにパラダイス!!
あたしも松平先生の教えを受けたかったよー(そもそも入学が無理だっての)。
(おまけに、松平先生って1979年には御退官されてたらしいので、時期的にも無理だ…)
しかし最寄の図書館、よくこんな本、書庫に持ってたな。


一つ目の廣川先生の『人間の生成と人間世界の成立』は、
哲学関連でよく目にするアナクシマンドロスや、叙事詩人ヘシオドスの
人間生成と、その人間が生活する場としての世界の成立についての論文。
なぜこの二人を特に取り上げて論じてあるのかというと、
この二人の説が、古代ギリシアで考えられていた2種類の人間生成論を
代表するような説を唱えていたかららしい。
昔のギリシア人はおもろい事を考えるもんじゃのう、と概ね感心しつつ読みました。

二つ目はなんと藤縄先生による『ヘロドトスの信仰』
最近読む本読む本で、「ヘロドトスはトゥキディデスに比べて劣ってるって言われてるけど、
これはこれで良いんだよ!?」と述べてあって…

……なんだか、洗脳されてしまいそうです。

(や。別に、ヘロドトス好きですけども。自分の主張と違ってもとりあえず書き残しといてくれる姿勢とか、
なるべく私見はまじえない、といいつつそう言明することでちゃっかり私見をまじえちゃってるとことか)


三つ目はこれまたなんと柳沼先生による『プルタルコスの伝記における「性格」』

んまあああ、柳沼先生ですわ!(柳沼先生も松平先生の教え子だったの!?)

とワクワクしながら読みました。
先生曰く、古典の散文作品の中でプルタルコスの対比列伝とヘロドトスの歴史は、
これほど楽しく読めるものは他にないくらい楽しい読み物、らしいです。
いやーん、早くプルタルコス読まなくっちゃ!
現代で伝記というと、業績も踏まえその人がどう生きたか、を記すものであるのに対し、
古代世界において、個人の公と私はきっぱり分けられていて、
公部分は歴史の範疇に入り、伝記に使うのは私部分である、
プルタルコスが、「その人の性格を書き記したい」という時に彼が想定してるのは
まさにこの個人におけるプライベートの部分なのだ、ということがよく分かった。

でも確かに、職場での顔とプライベートは違うもんな。
現代の伝記と比較するとプルタルコスの伝記は抜けが多いように感じるらしいけど
性格を描こうとしてプライベートを考えた気持ちは分かるなあ。


次、松本先生による『女神と英雄』
…ふふ、「オデュッセイア」におけるアテナの支援について書かれておりましたわ。
好きな分野なのでニマニマしつつ読んでたらあっというまに読み終えてしまった。
アテナ様の『オデュッセイア』の支援方法も、『イーリアス』との違いも確かに先生の指摘のとおりです。
あー、もう、人に解説してもらうのって楽しい!


次、橋本先生の『ピンダロスにおける神々と人間』
ピンダロスとは好みが違いすぎて分かり合えないかもしれませんが、
橋本先生のことは好きになれそうな気がします。
ところで、作中、ピンダロスの祝勝歌の中で、髪の長いアポロンの記述が出てきました。
アポロンが若々しい、という形容詞込みだったので、
ああ、先だってSさんが言っていたのはこれのことだな、と納得しました。
(そういや、ヘルメスではあんまり見たことないな。もとが髭のおっさんだからか?)

後、ピンダロスの原典ではなく、地の文ですが、
「罪を犯した場合、ベレロポンは不死ではなかったので死を賜わり、
タンタロスとイクシオンは不死性を与えられていたので永遠の罰を下された。」
という記述が出てきました
→じゃあ、同じようにタルタロスの住人であるシシュポスも
落とされる前は不死性を与えられていたって事?
(いや、奴の場合は下手に殺すと生き返るからか)

コロニスの罪について書いてある箇所でふと思いました。
→大体神によって子供を産む場合、交わりは1回かぎりじゃん。
コロニスがもう終わったことだと思って人間の男との未来を考えるのは
どっちかといえば普通なんじゃないの?生まれる子供の父親も要るしさ。

そこまで考えて、
→関係が続いていることが珍しいのか。
他に覚えている限りではディオニュソスの場合なんだけど、
なに?後で神になる場合は関係が続くの?
でもヘラクレスの時は1回限りだよなあ…。

などと、楽しくぐるぐる考えました。
コロニスとからすのエピソードは、
名前にかけて語呂合わせで生まれた民話的な説話だと思うので脇に置いておいて、
ひょっとするとアポロンに罰された話の背景にはもっと別の要因もあったのかもなあ。


次、中村先生による『「悲劇」の終わりの「神」』
エウリピデスにおけるデウス・エクス・マキーナについて考察してある一作。
そういえば、中村先生はエウリピデスがお好きで、後年はカラーの似てるオウィディウスも好まれたって、
こないだ別の本で読んだもんな、うんうん、などとほのぼの楽しみました。

中村先生的には、デウス・エクス・マキーナが作家のご都合主義の道具とは思わないまでも、
あんまり難しい理屈をつけすぎるのもどうかな、と思ってたっぽい。
読んでて、『デウス・エクス・マキーナ=水戸黄門でいう所の印籠見せ部分、
金さんならお白州で桜吹雪を見せ付けてるあたり?』という印象を受けた自分の
読解力のなさを小一時間問い詰めたい気持ちになりました。

ところで、今更ですが、デウス・エクス・マキーナってラテン語か?
(女性系ならデア、複数ならデイだもんな)


次、竹部先生の『ソポクレスにおける神と人間』
がっつりまるごとソポクレスについて。
真面目な考察がなされてます。
悲劇本編は、さらっと一通り、しかもトロイア関連のものだけ流し読みしただけなのに
悲劇について書いてある本ばかり既読になっていくという矛盾…。
本編を熟読してないのに、なんか、分かったような気にだけなってしまうので恐ろしいです。
ところで、わたし、ソポクレス本人に関しては文句なく興味ありますし、
ソポクレスの悲劇も嫌いではないのですが、
…時々ソポクレスの悲劇の主人公とお付き合いするのがしんどくなります。
極端すぎる…

とはいえ、竹部先生の仰るとおり、当時の世相を繁栄して、アテナイ市民(つまり男性のみ)を
啓蒙することも目的としてるのだと思って見ると、それはそれで納得するなあ…


次、木曽先生による『エウリピデスとソポクレスにおける「たくらみ劇」』
最初は、「お?またエウリピデスか?モッテモテだな、エウリピデス~」などと
冷やかし半分に読み始めたこの論文ですが、読み終わる頃にはトキメキが止まりませんでした。
エウリピデスとソポクレスの、劇中の陰謀部分を大きく取り上げて論じてあるのですが、
うん、ごめん、ワタシ現実の権謀術数はさておき、お話の上でなら大好きなの。

登場人物が割と利己的だったり、大きく揺れたりするエウリピデスのたくらみ劇の記述が終わって
(絶対登場人物はエウリピデスの造詣の方がリアルだと思う。
エウリピデスは、そういうところがいいのですよ…と言わずもがもな事を弁明)
ソポクレスのたくらみ劇の記述に入るや、

その陰謀の首謀者の光ること光ること!

まずはオレステス。
あの冷静な判断、行動力!迷いの無さ!
(Fさんの3大悲劇詩人のオレステス&エレクトラ比較を今更実感しましたですよ!ナルホド!)
あの物語の主人公はエレクトラなので、これまでオレステスについてはあまりきちんと
考えてきませんでしたが(それ以前に読んだの一回だけだっての)
今回、ソポクレスのオレステスのかっちょ良さを洗脳されてしまいました!
男前ですよ!
テレマコスも、このオレステスには安心して憧れてるとイイよ!

次、『ピロクテーテース』におけるオデュッセウス。
元来、一般的には、
気性が激しく高貴なピロクテーテース、
若く純粋なネオプトレモス、
臆病で狡賢いオデュッセウス、
の3人の対比で語られるこの一作。
わたしも、この劇の主眼はピロクテーテースとネオプトレモスの交流にあると思ってたし、
そこには観客のアテナイ市民に対する教育効果もあるのだろうなと認識してたし、
『アイアース』ではオデュッセウスをそこそこ人間味ある男に描いた同一作家とは思えない変貌振りも、
「所詮登場人物なんて劇ごとの作者の駒ですもの、
そりゃ作者の表したい事柄に都合の良いように並び替えるわよね」と納得し
どっちかというと卑怯で臆病なのがオデュッセウスに対する一般イメージなので
そういうもんだと思ってたのですが、






…ていうか、
個人的には「これがもしホメロスのオデュッセウスなら、卑怯で臆病な言動は
絶対全部ブラフだな。そういう演技で自分の醜さを強調して、
その反動でピロクテーテースをネオプトレモスの純真さで懐柔、
あの息子を信じさせて、最終的に弓手を弓もろともトロイアへ拉致るまで
全部の行程が実は奴の思惑の範疇内だろう。」とは思ってたけど、

まさか真剣にそう論じてる学者が居るとは思ってなかった。
(自分の目が贔屓目と色眼鏡で曇りまくってる自覚はあるのですよ)

コルダー教授の論文、読んでみたくなりました。
この教授の説をここで出すって事は、

明子ぉ~(馴れ馴れしい)、あんたもさてはイタケ人ファンだね!?

勿論、ソポクレスの主眼は主人公の運命に対峙する姿勢にあるという認識は変わらないのですが、
これからはもっと楽しんで読めそうです。
いやほんと、悲劇っていろんな見方があるのだなあ。
(これだから色んな人の文学論を読むのはやめられません♪)


…などと悠長に感想を書いている間に読み終わりました。
残りの論文の思ったことメモもなるべく完結に残しときます。

次、丹下(和彦の方)先生による『幻の物具』
タイトルだけ見ると何かと思うでしょうが、エウリピデスの悲劇『バッコスの信女』に関する論文です。

ディオニュソス、怖えよ!(ガクブル)

周到にペンテウスを陥れる手法といい、
彼が断ることを分かっていながら最終勧告をするところといい、

みんな、そいつの外見に騙されちゃだめ!!

と、叫びたくなりました。
読むたびに、この劇のペンテウスとか『アンティゴネ―』のクレオンなどがちょっと気の毒です。
それにつけても、やっぱりディオニュソスはよう分からんなあ。自分の勉強不足を痛感しますですよ。
いや、論文は、真の知と、見せ掛けの賢しらな知との対比などを中心に進んでいくのですが、
まったくそれとは関係なくそんなことを思いました。


次、國原先生の『皇帝アウグストゥスと詩人たち』
ここからローマ世界の話です。
…なんか、最近ローマの話が楽しくて仕方ありません。。
それはさておき、この一角は、これまでの文学評とはカラーの違う、
皇帝とそれぞれの詩人の関り方、ひいては詩人のプロフィール的な論文で、
歴史関連の本読んでるみたいで楽しかった!
もともと出来た為政者だなとは思ってたけど、改めて、アウグストゥス、割と優秀な政治家だよなあ…。
アクティウムの海戦が終わった時のローマ市民たちの感動や、
マエケナスと詩人、皇帝と詩人のそれぞれの交流が
先生の筆致で生き生きと描かれてて、大変読み応えがありました。
マエケナスがエトルリア系だということを併せて読むと楽しさ倍増です。
(ちなみに先生は、
「そこまで言うほど詩人たちは皇帝の権力に阿った訳ではないのでは」
という、詩人の自由意志尊重派。)
ただ、やっぱりオウィ先生は気の毒だなあ。
國原先生の書き振りでは、オウィ先生には悪意や当て擦りの意図は一切無かったみたい。
ただ、ウィットに富みすぎてたというか、ひねって書くのが好きだっただけなのよね…。
(そういう茶目っ気こそがオウィ先生の魅力なのよ!)
でも、それを見過ごせないアウグストゥス側の事情もよく分かるんです。
ああ、『黒海からの手紙』未読なんだけど、読むの辛そうだなあ…


最後の論文は岡先生による『ウェルギリウスの英雄像』
これまた最近お気に入りのアイネイアス関連だったので楽しく読みました。
そうなのよ、『アエネイス』はホメロスの2大叙事詩を模倣してるけど、
どちらかといえばヘクトール的なのはアイネイアスで、アキレウスに比されるのがトゥルヌスなのですよね。
先生の考察するギリシア的英雄像と、ローマ的英雄像の違いも面白かった。
確かに、ローマ人の理想とする人間は、個人的名誉より国家への奉仕を重視してる気がします。
面白かったっスよ。
でも、アイネイアスがトゥルヌスにとどめを差して勝利を得た、という筋書きは
ウェルギリウスが独自に立てたもので、カトーのローマ史『オリギネス』の断片では

「アイネイアス、ラティヌスから土地をもらう→
トロイア人がラティヌスの領地を荒らし、ラティヌスVSトロイア人の図式
→ラティヌス、トゥルヌスの援助で戦い、戦死
→トゥルヌス、メーゼンティウスの元へ身を寄せ、アイネイアスと対峙
→トゥルヌス倒れる&アイネイアス行方不明
→アスカニウスがメーゼンティウスと一騎打ちし、これを倒す」

となってて、このアイネイアスの所在の不明は

「イタリアで緒部族に苦しめられ、時ならぬ死によってその屍は人知れず砂に埋まるように」

というディドーの呪いとも一致してるらしい、というのを知って吃驚しました。
私見で申し訳ないですが、生き残って後々ごたごたするより
ここで行方くらます方がアイネイアスらしい気がします。


…非常に長々になってしまいました。
それほどワクワク楽しみつつ読んだとご理解くださいな!
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by mi-narai | 2009-08-27 19:27 | 2009年8月の読書

『重力ピエロ』 『狼の民俗学』 『都市国家アテネ』 『魔法昔話の研究』他

映画『重力ピエロ』井坂幸太郎好きの友人が見たそうにしてたので行ってきました。
もともと自分で期待して見に行った映画ではなかったので期待はずれということもなかったけど
思ってたより気に入った、ということもなく、なんというか、想定内でした。
(もともと、ものすごく娯楽目的で映画を見てるところがあるので
わざわざ日常と近い映画を見たいとは思わないのですよ。
食わず嫌いは良くないとは思うのですが。
かといって、展開がご都合主義的すぎても興ざめなので、どのあたりを見るかのチョイスはなかなか難しい…)
途中で出てくるわたべあつろうの役がものすごいむかつくんですが、
最後の結末を考えると、あの役は誰が見てもむかつくように
もっていかないと展開に納得できないので、まあ仕方ない。
後、オートピペットとか、あれ恒温震とう槽じゃねえの?と思うような機械とか出てきてニマニマしちゃった。
文系のわたしには、あれらをどうやって使うのかまでは分からないのですが、
遺伝子の話だし理系の人にはニヤッとするアレコレが詰まってるのかも。
(誘ってくれた友達も、自分が大学の時やってた分野と近いから興味を持った、とか言ってたし)

も一つ、子役がものすごい成長後の役者と似てて、上手い子役見つけてきたなと感心しました。

なんというか、本筋と関係ないところばかり見てるなあ…


重力ピエロ (新潮文庫)

伊坂 幸太郎 / 新潮社

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井坂幸太郎著『重力ピエロ』読了。
見終わってから、原作の方も借りてきました。
文章は読みやすいのですが、若干会話が鼻につきます。
特に兄と弟の会話が。
(兄弟であんな持って回った言い方すんナ!)
どうもかっこつけ感知センサーが過敏反応しちゃって…
でも、貸してくれた友達が言ってたとおり親父は終始かっこよかったです。

しかしこれ、筋を知らずに読んだ方が良かったかも…。

先に映画を見ちゃったものだから
「ここはアレの伏線だな」
「普通に行くと無理が出るから、ここで理由付けして補強してやがるぜ…」
などと、いちいち作者の意図を類推しちゃって
面白いんだか面白くないんだかよく分かりませんでした…。


古代ギリシア遺跡事典

周藤 芳幸 / 東京堂出版

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周藤 芳幸 沢田 典子共著『古代ギリシア遺跡事典』読了。
(クレタ、ミュケーナイ、アテナイ部分のみ)
いや、これは最近アテナイづいてるんで、アテナイ市の概観をおさらいしたく
なっただけです。クレタ、ミュケーナイはついで。



同じように、もういちどギリシャ服のおさらいをしておこうと思って
(何回目のおさらいだ!大事なことさえ定期的に忘れ去る鳥頭です)
『服飾の世界史』を古代部分だけ読みました。
エジプト部分で、「ピラミッドは奴隷を使って建設された王の墓」なんていう
大時代的な記述があったので「ん?」と違和感を感じてよくよく見たら、
大昔に出版された本の復刻版だった…
まあ、ギリシャの服飾がここ数年の研究で大幅に見直されたって話も聞かないのでいい事にしました。

ところで、この本を著された先生、
ドレーパリー至上主義者です!ギリシャのキトーン、ヒマティオンを大絶賛ですよ!
(ローマのトーガは巻き方が規定されちゃっててお気に召さないらしい)

ここにも襞マニアが!!!


狼の民俗学―人獣交渉史の研究

菱川 晶子 / 東京大学出版会

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菱川 晶子著『狼の民俗学』読了。
図書館の新刊コーナーに並んでたので
「コーナーから下ろされて一般書架に配架されちゃったらどこにいったか分かんなくなる!!今借りねば!」
という、わけのわからん危機感に突き動かされて借りてみました。
日本に伝わる様々な狼像から、人と狼との関わりなどを読み解こうとした意欲作。
大陸の虎が日本に入って身近な狼にすりかわった、
狼は山の神の使い、もしくは神そのもの、という見解や、
時代が下るにつれ、変化する伝承の中での狼の位置付けなどが面白かった。


都市国家アテネ―ペリクレスと繁栄の時代 (「知の再発見」双書)

ピエール ブリュレ / 創元社

スコア:


ピエール・ブリュレ著『都市国家アテネ―ペリクレスと繁栄の時代』読了。
テミストクレス熱が冷めないうちに、もういっちょアテナイもの。
歴史関連の本は楽しいなあ♪
この作者のペリクレスへの入れ込みようも相まって読むのが快感でした。
しかし、この知の再発見シリーズ、さらっと読めすぎちゃうのが玉に瑕。。
もうちょっとペリクレスの男前さを堪能したいのに、と後ろ髪引かれつつ
あっさり読み終わってしまいました。


古代ローマ軍団大百科

エイドリアン ゴールズワーシー / 東洋書林

スコア:


エイドリアン・ゴールズワーシー著『古代ローマ軍団大百科』読みかけ。
これは、いつの日かサトクリフの『辺境のオオカミ』紹介ページを作るぞ、という
野望の元、辺境の砦の構造が知りたいという理由のみで図書館から借りてきました。
もう返却期限過ぎてるっちゅうねん。
大急ぎで読みたいと思います。


魔法昔話の研究 口承文芸学とは何か (講談社学術文庫)

V. プロップ / 講談社

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ウラジミール・プロップ『魔法昔話の研究』途中まで読みました。
これは別に読まないといけない理由なんてものはなく、単なる個人的な趣味です。
 
最初の、レヴィ=ストロースの批判に対する反証部分から、飛ばしてます、プロップ先生。
この二人、ソ連時代、鉄のカーテンが厳然としてあった頃の
西側と東側の人なので、そもそもお互い言葉足らずなんですよ。
普通なら、純粋に学説の違いやら見解の相違やらで意見を戦わせるところを
お互いの論文のみをたよりに

「あなたがああいっているのは、わたしのこの言葉を誤解したからだと思う。
わたしはこういう意味で言ったのであって、概ねあなたの意見には賛同できる」

この二人はそれ以前のところでじたじたしてる…!!!

(同じ国に生まれてたら、ものすごいいいライバルとして切磋琢磨しつつ
一時代を築けたんじゃないのか…?)

後、トロイア詩圏を考える時、勿論全時代のそれぞれのエピソードの学問的価値は
同じだと思うけど、それを全く同列に取り扱うことに関しては、ホメロス大先生信者としては
ちょっと避けたいかなとつねづね思っていた見習い、
プロップさんが、個々のプロットの歴史や成立過程を無視してはいかんよ、
無視したら形式主義に陥るよ
と言っているのに都合良く共感してしまいました。
(しかし、歴史や成立過程を調べるのはまた一苦労ですヨ)

今、昔話の異常誕生の個々の事例についてプロップ先生の意見を拝聴しているところ。
再三言うように歴史好きで、来歴やら成立過程やらがやたらと気になって仕方ない
見習い、言語にしても神話にしても、もちろん昔話にしても、
これこれこういう理由で現在のこういう形になったんじゃないか、
などという推論を聞くのがとても楽しいのです。
これまた概ねニマニマしつつ読んでます。
シンデレラが炉辺で生活してんのは、魔法昔話の伝統にのっとった由緒正しい形なんじゃないか!?と大興奮。


『プラトンの描いたソクラテス』なんか、思ってたのと違った…。


『パトレイバー』
全巻読破!
最初はどうかと思っていた内海さん、メロドラマ辺りからドキドキワクワクしつつ読みました。
終盤黒ちゃんがタケオさんを撃ち殺そうとした時にソレを止めた内海さんの台詞が一番のお気に入り。
わたしも大概メロドラマ体質です☆


続きで『じゃじゃ馬グルーミンUP』少しづつ借りてます。
早く悟さんとあぶみさんがくっつかないかちら。
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by mi-narai | 2009-06-30 23:18 | 2009年6月の読書