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『人間・始皇帝』『ミス・エルズワースと不機嫌な隣人』

テレビ

「数学白熱教室」
2回目、3回目と4回目。
2回目…今日は数論の話でしたよ!
整数、分数、有理数、無理数の話から始まって、方程式の解のハナシまで。
ガロアさんの生涯に吃驚しました。
20才で重大な数学的証明を書き残した翌日に決闘で命を落とすとか、
衝撃的すぎるでしょ!!
で、一応理系だった父に「ガロアって知ってる?」と尋ねると
さも当たり前のように「うん、知ってる」と言われたのでこれにも吃驚しました。
そうか、そんなに有名人か。

3回目…調和解析と数論のつながりの話。
残念ながらチャイコフスキーは出てきませんでしたが、
先生の興奮につられてこっちまで
「えっ、すっげ、なんでそこでつながんの!?」とときめいてしまいました。
数論における解の個数が、調和解析においては美しい図形で表せるなんて!
これも、もっと研究が進むとどうしてなのかが分かってくるのかな。
再三言うように数学的素養のないわたしには、うすらぼんやりした輪郭追うだけで精一杯ですよ。
最後のあたり、ちょっと場を和ませるためか、先生は毎回数学的偉人の生き様とかを説明なさるんですが、
そこで一人の日本人研究者に言及なさってて、その最後に切なくなってしまった。
まさか自殺してたとは…
で、その自殺を言及した研究仲間の悔恨の言葉にやられた。

4回目…物理学と数学とのつながりの件。
最新物理学における素粒子の数と数学の群のつながりの話。
そもそもSU(3)とかSO(3)とか、もうそっから分からん。
(群の名前らしい)
でも、その群と素粒子の数に関係があると聞いて、やっぱり「マジかー!」と吃驚してしまいました。
なんやろう、数学って、概論の最たるものやねんから、こうイデア的なのかしら。
それがそれぞれの分野に投射されて色んな形で立ち現れるのかな。
なんにせよ、クォークの種類とか(アップとかダウンとか)、
聞く回数が増えるにつけだんだん耳に馴染んできたぞう!

わたしには難しい授業でしたが、最後まで聞き終えられたのは、やはり先生の顔が
ものすごい好みだったからかもしれません。眼福でした♪
(いや、もちろん講義内容も面白かったよ!!)

次回は行動経済学っぽいのでまた見てみようかと思います。


「アメリカン・プリンセス」
ダウントン・アビー枠でやってたので、単発ドラマかと思って見てみたら、ドキュメンタリーでした。
ダウントン・アビーの伯爵家のお母様、コーラさんのモデルにもなった、
破産し掛けたイギリス貴族たちの救いの女神、持参金付きのアメリカ娘たちの話。
いや、このネタ、ロマンス小説でよくあるので、ロマンスファンには今更なのですが
改めて、チャーチルの母ちゃんもそんなアメリカ娘だったらしいとか、
目新しい情報が面白かったですよ。
しかし、イギリスが作ってるドキュメンタリーだからだろうけど、
ちょっとイギリス貴族側に甘すぎないか?
ニューヨークのオランダ系上流階級の皆さん方も人でなしですが、
イギリスの世襲貴族どもときたら

クソ

ですよ!!とくに跡継ぎのバカぼんの醜態は耐え難い。
ほんま、後ろ頭ハリセンで思いっきりどつき回したい誘惑に狩られて止みませんでした。
アメリカ娘のお父さんは、割と叩き上げの商人が多いんだけど、
そのお父さんたちの娘婿に対するいらだちに一番共感しました。



ここから本

人間・始皇帝 (岩波新書)

鶴間 和幸 / 岩波書店

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鶴間 和幸著『人間・始皇帝』
読み終わりマシたー!
ちょっと前にアジア巨大遺跡で始皇帝陵を見たから読みたくなって。
中国史が苦手なわたしが興味を持つなんて滅多にないことなので
この機会を逃すまじ!と頑張りました。
で、読み始めて案の定、4ページ毎に訪れる睡魔のことですよ。
歴史は面白いんです。そのおもしろさを上回って

中国語の名前がつらい…

漢字がどれも同じに見えるねん…。
いや、それでいうならわたしは日本史も苦手ですけどね!!!
国名はすべからく漢字一文字、人の名前も二、三文字なので
余計に覚えづらい上に、読み方に馴染みがないからさ。
以下、思ったことを箇条書きに。

・とりあえず、戦国時代秦は一番西の端っこ、楚は南っかわ、
斉は東の海沿い、趙は真ん中辺、という大体の位置関係と、
呂不違、とか李斯とか、宰相の名前と、
趙正が13歳で即位したってことと、その政策なんかは分かった!

・でもって、つくづく、中国は広いなあ、と感心しました。
この時期、戦国7国くらいに分かれてるけど、地図で見たら小さいけど、
日本地図と比較すると吃驚するよね。

・で、国が分かれてた割に、結構他の国の優秀な人材を登用してたりするんだなとも。

・作中ちらっと中国の星座の話も出てきたけど、これまた興味深かったです。
始皇帝の崩御あたりの天変地異に絡めてなんですけどね。
28宿を4で割って、それぞれ方位を司る四神になるとか、ちょっと面白いですよね!
青竜の頭の星、目の星、胸の星、腰の星、とかあんの。
方角に神々が配されてるあたり、ちょっとエトルリアを思い出します。

・神といえば、斉の行ってた祭事も面白かった。
天神に始まる各種神を、国の方々で祭ってたんだって。
シユウは軍神ポジションですよ。
ジョフクが東方の蓬莱を探して旅立ったのもこの時期ですよ。

・妹に、このすぐ後に項羽と劉邦の時代がくるで、と聞いて、
いつもバラバラに考えてたこの二つの時代がこんな近かったんか、という自明の理にも
改めてびっくりしました。
やりだしたら、面白いんだろうな~中国史も!(やらんがな!)

とりあえず、読み終わる頃には始皇帝にほんのちょっぴり親近感が芽生えてますYo。
意外に楽しめた♪


こなもん屋うま子 大阪グルメ総選挙 (実業之日本社文庫)

田中 啓文 / 実業之日本社

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『こなもん屋うま子 大阪グルメ総選挙』
大阪市長であるあの人っぽい登場人物が出てきます。
この人だけは、毎回うま子の店を捜し当てることができる特別枠。
ちょっとあからさま過ぎるかな。
でも、あの人の印象としてはそんな感じよな。とも思いました。


カンナ 奥州の覇者 (講談社文庫)

高田崇史 / 講談社

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高田崇著『カンナ 奥州の覇者』
お借りした本。
いい加減、作者の恨み節がウザい。
主人公もそんなに悪くないし、仲間の一人が裏切り者というサスペンスも悪くないのに
著者の押しつけがましい歴史観がすべてを台無しに。
ほんと、これさえなけりゃなぁ…(※それがこの作者のウリです)


ミス・エルズワースと不機嫌な隣人 (ハヤカワ文庫 FT コ 4-1)

メアリ・ロビネット・コワル / 早川書房

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メアリ・ロビネット・コワル著『ミス・エルズワースと不機嫌な隣人』
一応ファンタジーに分類される本で、魔法が出てきますが、
別に魔法で人を殺すわけでも戦うわけでもありません。
舞台は19世紀イギリス、出てくるのは地方の中産階級の人々、魔法はそんなのどかな背景の中、
絵画やピアノといった女性のたしなみのひとつといった位置づけです。
主人公は、そこそこ良いお家の長女で、あんまり容姿に恵まれてないけど、
魔法の技に長けてて良識があって落ち着いたオールドミス、
下に美人だけど衝動的な妹がいて、最近性格の不一致から姉妹関係がぎくしゃくしてます。
で、お隣の常識人の領主にほのかな思いを寄せてたり、妹とはからずもライバルになっちゃったり、
妹とお互いに羨ましがってたのが判明したり、
細やかな情感の描写とともに、物語は展開していくわけですが、

うん、オースティンみたいでした。

上品なロマンス小説っていうか。
魔法は、ロマンスの割と大きなキーポイントなんだけど、やっぱり一貫して手業の一つでしかないというか、
すごい変化球な魔法の使い方でした。
主人公と相手役の人のくっつくくだりがちょっと唐突でしたが、
わたし、すごく楽しんで読みました!
その人とくっついて欲しかったんだ~!!
面白かったです。


落ちこぼれネクロマンサーと死せる美女 落ちこぼれネクロマンサー・シリーズ (創元推理文庫)

メラニー・カード / 東京創元社

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落ちこぼれネクロマンサーと黒魔術の館 落ちこぼれネクロマンサー・シリーズ (創元推理文庫)

メラニー・カード / 東京創元社

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メラニー・カード著『落ちこぼれネクロマンサーと死せる美女』
ちょっとした気の迷いで買っちゃった本。
普段、オカルトもグロいのも苦手で読まないのに(恐がりなので)
なんか、多分その時疲れてたんでしょうね、ふらふら買っちゃったの。
まあ、買ったので読んでみた。
異世界ファンタジー。19世紀の西洋程度の科学は発達してそうだけど、
魔法があるせいで、医学における外科手術が法律違反になっちゃってる世界。
主人公は高名なネクロマンサーの家系に生まれたけど、医者になりたくって、
医学の道を志すも、手術が公にできないから墓場を掘って死体を解剖しようとして
軽犯罪で捕まったことがあるという若干情けないたぐいの前科持ちです。
この気弱で善人の主人公が、金に困って
15分だけ死者を蘇らせるネクロマンサーの術を、死んだばかりの金持ちの娘に
掛けたところから話は始まります。
このお嬢様が実は裏社会のボスの娘で腕利きの殺し屋で、その裏社会の軋轢やら、
ブラックなネクロマンサーの呪術やら、町を牛耳る為の陰謀に、
お人好しの主人公が巻き込まれてえらい大変な目に遭う、という筋です。
まぁまぁ。
サスペンス度合いがハード過ぎてちょっとしんどいのと、
(血と死体と裏切りがいっぱい出てくるよー)
最初は主人公が美女にバカにされっぱなしでストレスがたまるのですが、
読後感は意外に悪くありません。主人公は一貫して良い奴だし。
なので、面白いか面白くないかと言われたら、割と面白かったです。
でも、先に読んだ炎と茨の王女とか、ミス・エルズワースとどっちが好きかと言われたら
王女とミス・エルズワースかなあ。この辺は個人の好みだと思います。
ちなみに2巻目の『落ちこぼれネクロマンサーと黒魔術の館』も読んだんだぜ!
(だって、買ってあったんだもの)
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by mi-narai | 2015-12-31 15:37 | 2015年下半期の読書

『植物のあっぱれな生き方』『緑の瞳のアマリリス』『王のしるし』『宇宙はこう考えられている』

植物のあっぱれな生き方 生を全うする驚異のしくみ

田中修 / 幻冬舎

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田中修著『植物のあっぱれな生き方』
読了。
またもや職場の京都弁の上司にただでもらったので。
ああんもう、癒されるわぁ!ほんまかいらしなああああ!!

それはともかく本の内容。
なんだかんだいって結構田中先生の本、読んでますよね、わたし。
先生は一般の方にも分かるようそもそもものすごーく噛み砕いて分かりやすく
書いていらっしゃるのですが、それでも若干詳細に踏み込んだ本と、
一般向けに徹底していらっしゃる本があり、
これは一般向けの方の本でした。
他の御本で既に読んだことのおさらいといった感じで、ときたま新情報が入る感じ。
植物全般のふしぎとか、小ネタが満載なので、先生の本を未読の方にこそ読んでいただきたい。
(わたしはもうちょっと踏み込んだ内容の方が好きだ…)
でも踏み込んだ内容もさらっと当たり前みたいにおっしゃるから、ひょっとして
語り口に騙されてるだけかも…


緑の瞳のアマリリス (ハヤカワ文庫SF ク 12-1)

ジェイン・アン・クレンツ / 早川書房

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ジェイン・アン・クレンツ著『緑の瞳のアマリリス』読了。

どうしちゃったのハヤカワさん!?第2段。
本書は、ハヤカワSF文庫から出ているフィクションです。
『グリムスペース』は毛色の変わったロマンス小説でしたが、
これは普通にロマンス小説です。舞台がちょっと地球じゃないだけ!
でも地球に酷似した植民星だし、ものすごい日常が描かれてるし、
ロマンスSFというよりは、パラノーマルロマンスだろ、分類は。
このジェイン・アン・クレンツという方、ロマンス小説のシリーズではしょっちゅうお名前を
拝見する大御所さんで、いやもう、この名前をハヤカワでみつけてわたしゃびっくりしたよ!!
(この小説の中でも3か所ほどはベッドシーンがあるからね!これから読む人は心するように。)


あらすじとしては、頭はいいけどお固くて道を踏み外したりなんか絶対しそうにない主人公
アマリリスが、アウトローな新鋭実業家と仕事することになり、その際発見した不正と、
先日亡くなった恩師の死が関わっているのではないかという疑問が浮かび上がり、
殺人事件に巻き込まれる、というもの。
SFとミステリーとロマンス小説が2:2:6くらいの割合で混ざってるという、
考えたらお得な一冊。
一見ただのコンテンポラリー(現代が舞台のロマンス小説)みたいなので、
SF部分の説明をすると、
舞台が地球の植民星だということと、
植民星の過酷な自然環境に適応するよう人類の超能力が具現化している世界だということ。
ヒーロー役の新鋭実業家は、相手の能力を察知する能力と、幻影投射能力があって、
主人公には第三者の超能力を強化する能力があります。
こんな中二設定なくても良かったんとちゃうかなあと思わんでもないですが、
ロマンスのスパイスにはなっているので、割り切って読みましょう。ツッコんだら負けです。
途中、ヒーローの昔の知り合いでいわくありげな男性が二人出てくるのでもしやと思っていたら、
案の定本国ではその二人をヒーローに据えたスピンオフが出ているらしい。
ハヤカワさん…。グリムスペースといい、1巻目だけ訳して放り出さないで、
続きも訳して下さいよ…。
(でも、SF文庫から出すと本来のSFファンが間違って買っちゃうから、
イソラ文庫くらいにしといてください。)
イソラ文庫といえば、アシュリンとドラゴンシリーズの1巻も読みました。
あれはあからさまにロマンス小説のくくりなので、感想は省きます。
ヒーロー役のワイバーンが悪者っぽくて良かったですよ。


王のしるし(上) (岩波少年文庫)

ローズマリ・サトクリフ / 岩波書店

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ローズマリ・サトクリフ著『王のしるし』(上)
高校生の時分に一度読んだ本。
面白かったことと、傭兵稼業っぽいことをやってる主人公が
王様の代役に立つ話だっていうぼんやりしたあらすじは覚えてたけど、
さすがに細部はきれいさっぱり忘れていた一冊。
とりあえず、上巻読んでみました。
読んだ当初は自分が若かったこともあって、主人公が大人なイメージ(悪く言えばおじさん)が
あったのですが、年を経て改めて読むと、

…若いな、主人公…!!


で、この主人公、父親はローマに征服されたギリシャの商人で、
母親はその奴隷のケルト人。
父親はいずれ認知する予定だったけど、その前に急死してしまい、
主人公は数回売られ、最終的にサーカスの剣闘士に。
で、立派に務めあげて木剣もらった(つまり、自由になった)はいいけど、
羽目はずして飲み過ぎて捕まって、助けてくれたケルト人から、
自分たちの王の替え玉になってくれんかと持ちかけられるという…

いや、面白いです。
正体を偽っているというスリルと、良く分からんケルト氏族の生活に放り込まれた
主人公の目を通してみた異文化生活が、目新しくてワクワクします。

主人公が連れて行かれたのは、アイルランドからスコットランドに戻ってきたケルトの部族
(本の中ではダルリアッド族と呼ばれてます)で、太陽神ルーフを信仰してます。
要するに主神は天空神で男神です。
一方それといざこざを起こしてるスコットランドのカレドニア族は大地母神を信仰してて、
新旧の信仰形態のせめぎ合いという意味でも面白い。
更に、この地にはケルト族に被支配民の地位に追いやられた黒い人々(先住民ブリトン人)
も住んでて、話を更にややこしくさせてます。彼らも大地母神信仰者。
きっとこんなことがギリシャでもあったんだろうけど、
最終的にあそこはうまいことハイブリッドさせたよなあ!

主人公の(厳密には主人公が演じているマイダー王の)従弟である
コノリーという青年がまたいい味出してます。
これぞ脇役のあるべき姿!
主人公はどうしても無色になりがちだから、勢い、
よりクセのある脇役の方が魅力的に見えちゃうんだよなあ!
今回のワタシの一押し。
いや、でも主人公のフィドルスもいいやつですよ!

上巻の時点で、
ダルリアッドの王マイダーになり変わった主人公が
ばれそうな局面を間一髪かわしつつ、
徐々に馬族(ダルリアッド族)に馴染んでいく過程を楽しんでおります。
敵の女王リアサンの娘、マーナも出てきて、面白くなってきました!

次ィ!!


王のしるし(下) (岩波少年文庫)

ローズマリ・サトクリフ / 岩波書店

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(下)

読了。


ああ、読み終わってしまった…。

多分そうなるだろうとあらかじめ予測はしていたけれど、
やっぱり読み終わってずっしりくるこのただ事でない読後感…。
安心の良クオリティです。
やっぱりサトクリフは再話ものよりオリジナルの方がよほど良いです!
しかし、一度読んだはずなのに、わたくし、最後の場面も、間違って覚えてました。
傭兵主人公が戦いに赴くところで終わるような、戦車関連のような、
なんかそんな記憶があったのに、全く違う場面だったわたしの記憶力あてにならん!!
主人公は誇り高く生き抜き、
最後のあたりなど、惹きこまれてぐいぐい読んでしまった。
以下、この本で気に入ったところ。

・コノリーが最後までナイスガイだった。

・サトクリフの話には珍しく主人公が女の子と相思相愛になった。
(いや、大体の話でも報われるけど、これだけはたから見て分かるくらいなアレなのは
珍しいなと)

・辺境のオオカミ(地方軍団)がちらちら出てきた。
最終的に砦の司令官にまで上り詰めた
隊長の名前がヒラリオンだったりして、『辺境のオオカミ』の方の副官の血縁者かなと
想像させ、ちょっと楽しかった。

・ブリガンテス氏族の女王の反乱についても少し言及があって、
(これも有名な事件のはずだけど、不勉強でまだ詳細を知らない)
確か、『第九軍団のワシ』の主人公の相棒エスカの氏族がブリガンテスだったなとか
過去作とのつながりがほの見えて嬉しかった。


幸せなことに、未読のサトクリフ本がまだ数冊のこっているので、
楽しみに読もうと思います。
未読本に入る前に、これまた高校生の時に読んだきりの『運命の騎士』を再読する予定ですが。
岩波さん、少年文庫にしてくれて、ありがとう!


宇宙はこう考えられている: ビッグバンからヒッグス粒子まで (ちくまプリマー新書)

青野 由利 / 筑摩書房

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青野由利著『宇宙はこう考えられている』読了。

新聞の書評読んで面白そうだったので。


マジで面白かったよ!!!!


散々言いましたが、わたし、ほんとに文系人間で理系の素養が全くないのですが、
その私でもわかるくらい噛み砕いて物理の話が書いてありました流石科学記者!
今流行りのヒッグス粒子のことから、物理学の中の宇宙論の歴史とか、
興味深い辺りが数珠つなぎに書いてあった。もう、読んでる間わくわくしっぱなしで
全てのページがきらきらしてるみたいに感じてましたよ!
宇宙の話って、なんだかファンタジーだよねえ!
今この一瞬も自分がまだまだ分かってない不確定な世界で生きてると思うと、
なんだか不思議な気持ちですよ。
なんたって、世界の7割はよく分かってない暗黒エネルギーで占められてて、3割は暗黒物質(ダークマター)で、解明されてるのは3~4%にすぎなくって、生き物や地球やその他もろもろ日常生活で目にしている全てはこの数%でしかないなんて、あらかじめそのくらいの知識はあったけど、改めて言われると
なんか、すごいなあ。
素粒子も、よく分かってなかったけど、この本のおかげで輪郭だけぼんやり分かったような気になりました。
原子を形作るもっと小さな何かなんですね!物質のもととなる素粒子があるのは当然として、
力のもととなる素粒子や、質量のもととなる素粒子があると考えられていることにはビックリした。
確かに、理科の時間に地球には重力があって、とか習ったけど、
その重力ってそもそもどこから来てんのとか、
いろいろ謎なままだったので。まさか素粒子がくっついてそんなことになってたとは!
一番初めビッグバン前後のあたりは、まだ質量を付加する素粒子がくっついてなかったから
すべては光速で飛び回ってたんだってね!なんか、これもすごい。イメージだけで幻惑されます。
当時は物質と反物質が同量あって、これはぶつかるとプラマイゼロになって
そのままじゃ結局何もなくなるところを、なんかしらんが対称性が崩れて反物質の方が少なくなって、
今みたいないろんな物質が出来たとか、神話聞いてるみたいですよねえ。
その時代の説明出来る限りの方法で世界の成り立ちを語るのが神話なら、
物理学は立派に創生神話だよねえ。
そうすると、理論物理学者は現代の予言者ですよね!!


後、このワクワクする感じが、本来の哲学だと思うんですよねえ…。
(わたしの哲学定義はソクラテスで止まってるんで、おかしなこと言ってる自覚はあります。
でも、要するに、世界に対する知的好奇心みたいなもんじゃないの、ピロソピアって。)
他にも、アインシュタインの相対性理論とか、ひも理論とか、多重宇宙とか、面白そうな話が
いっぱい詰まってて、もう、語りだすと長くなって仕方がないので(理数音痴のわたしではうまく語れないし)
気になる人は本読んでください。
似たようなの、いっぱい出てますし。めっちゃ面白いから!
しかし、こういう話、身近な悩みがちっぽけに思えて割と吹っ切れるのは助かりますが、
考え込みすぎると、自分の存在のおぼつかなさに発狂しそうになりますね。ほどほどにしましょう。
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by mi-narai | 2013-08-03 17:22 | 2013年下半期の読書

『ブラウン神父の無心』『果てしなく美しい日本』『妖精の女王』『闇の妖精王』『永遠の女王』

ネサフしてて今話題の『進撃の巨/人』の二次創作というか、パロディで


進撃の阪神


というタイトルを見つけて、吹いた。



ブラウン神父の無心 (ちくま文庫)

G.K. チェスタトン / 筑摩書房

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G・K・チェスタトン著『ブラウン神父の無心』読了。
カトリックの司祭である見た目がものすごい地味なブラウン神父が
その冴えわたる推理を披露する短編をまとめた一冊。
とりあえず、古典なので読んでみました。
無茶なトリックとか、幾つかある可能性のうちの一つでしかないのに
それが当然の帰結、みたいな顔で推理を話したりとか、
若干ツッコミどころもあるのですが、
古き良き時代の推理小説、という感じで、面白かったですよ。
あんまり犯罪が今ほど無機質で残虐じゃなかったんだな、みたいに思わせるノスタルジーが。
(まあ、実際はそうでもなかったんだろうけど)
最初の数編で、ブラウン神父の最大の宿敵、フランス人怪盗フランボーが登場するんですが、
彼、途中で神父に魂の救済を説かれ、改心するんですよ。
(犯罪者を法の裁きにゆだねなくても、キリスト者的に救われたらそれでいいや、という
態度は大変神父っぽい。わたしはアリだと思うんだけど、日本のミステリーを読み慣れてる人は、
「ええんかい、ソレ!?」と思うかもしれん。)

で、このフランボー、のち、神父の親友として再登場とかしちゃったりするという…!
この設定が、なんか妙にツボって、ブラウン神父単体をというよりもフランボーとセットで
愛でてたんですが、
そのことを、既にこのシリーズを読んだらしい妹に言ったところ
(※わたしの妹もミステリー好きである)

「読んだとき、わたしも全く同じこと思った」

との答えが。
姉妹の血を色濃く感じた瞬間でした。
あたしたち、メディア媒体での、好みのタイプとかシチュがものすごくかぶるよねー!


果てしなく美しい日本 (講談社学術文庫)

ドナルド・キーン / 講談社

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ドナルド・キーン著『果てしなく美しい日本』読了。
ちょうど、震災後、キーンさんが日本国籍を取って永住してくれるという話を有り難いと思い、
印税の足しにしてくれとお布施のつもりで本屋で購入した一冊。
タイトルはえらいキラキラしいですが、本の内容は、今から40年ほども前に
キーンさんがアメリカ人向けに書いた日本ガイドの翻訳です。
日本版が出たのが確か1975年くらいなんだけど、後書きに「15年ほども前にこの本を書いた時には」
とか書いてあるので、英語で書かれた当時はおそらく1950年代だったと思われます。
キーンさんもまだ日本歴が浅い頃。
なので、日本に対する視線は「まあ、日本に数年滞在した外国人ならこんなもんかな」ほどのもんです。
あれから60年も経ち、ご本人の日本観も色々変わっただろうし、
「なんだ、大したことないじゃないか」などと思わずに、
若いアメリカ人の当時としては格段に日本に好意的な意見をほほえましく読んでください。
それよりも、当時の日本の雰囲気や風俗が色々と読めることの方が楽しいです!
ほんとに、ものすごい時代の流れを感じますよ!
50年しか経ってないのに!!
でも、すでにそのころ結構工業化してたという記述もあり、逆にびっくりもしました。
この本を読んでて気づいたのですが、日本は文化を強制された事って、あんまりないのだなあ…。
自国がさほど進んでないのを自覚しつつ、大国のいいところを都合のいい部分だけ輸入してるというか…。
日本文化のミックス具合とか、新しいものを取り入れつつもそれ一色にならずに
古いものも駆逐せず放置したりだとか
そういう特色って、文化を取り入れる際の日本の昔からの方法によるところも大きいのかなと
(幸運にも、先方の文化を好きに取捨選択できる自由度の高さがあること)そんな風に思いました。



妖精の女王 (創元推理文庫)

メリッサ・マール / 東京創元社

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闇の妖精王 (創元推理文庫)

メリッサ・マール / 東京創元社

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永遠の女王 (フェアリー・コート・シリーズ3) (創元推理文庫)

メリッサ・マール / 東京創元社

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メリッサ・マール著『妖精の女王』
『闇の妖精王』
『永遠の女王』
一気に読了。
ものすごい娯楽目的で読みました。以下、雑感。

文学だと思って読んではいけません。小学館か白泉社の少女マンガだと思って読むべし…!
これまた前回読んだ『ラメント』『バラッド』と同じく妖精界と人間界のあれこれの話で
主人公の女の子が妖精と人間から求婚され(もちろんどちらも男前)二人の間で揺れるとか、
特別な立場に選ばれ、当初恐怖を感じていたあれこれが、特権的なものに変わるとか、
まあ少女マンガの王道をいくような話なんですが、
まず言いたい。

世の中にはケルト系の神話体系しかないと思っているのか、と!

大体前の「ラメント」もそうだったけど、
どっちも舞台はアメリカなんですよ!?
ケルトの妖精たちがいるというなら、ネイティブの神話とか(雷の精とか兎男とかは?)
キリスト教関連のあれこれとか(天使とか聖人とか)、
中華街由来の道教とか、その他の色々な神話はどうなっとるんじゃい!
ていうか、ケルト系の妖精のごたごたごときで地球全体がどないかなったりするか!
(事件はハンツデイルというどっかの町周辺でしか起こらず、
物語の舞台は終始その周辺のみに限定されてるんです。
それなのにその局地的出来事が全世界的に影響を与えるなどと
ところどころ言及しようとするから片腹痛いというか。
むりに風呂敷広げなくていいから!
影響があるのはハンツデイル周辺だけにしとけ!)

…まあ、そう言った瑣末なアレコレにはさんざ脳内ツッコミを入れましたけども、
わたくし、おおむねは楽しく読めました…!
というのも、2巻目『闇の妖精王』で出てきたダークキングのイリアル(タイトルロール!)と、
3巻目『永遠の女王』でその後を継いだニールがたいへん好みだったからです…!
もちろん、どちらも脇役です。
イリアルは、名前が某叙事詩の語感と似てるので当初から気にはなっていたのですが、
登場場面が増えるにつれ、
暴力と欲望に支配されるダークコート(まあ、妖精の勢力の一派だと思ってください)を治めるのに
うんざりしてたりとか、その諦観とか、でも、それでもコートのために頑張っちゃうとことか、
あんまり他の人には理解してもらえないけど彼なりにヒロインやニールのことを愛してたりとか
そういった人物設定が分かってきて、
それがまたたいそう魅力的だったのですよ!
最初敵対する立場にいるとか、過去色々あって現在いろいろ諦めてるとか、
どこかでこのタイプ見たと思ったら、「ベルガリアード」のザカーズでした!
ものうげな態度とか、たぶん眠たそうな二重なんだろうなと想像させるとことか。
最近直情直球のおばかさんとか、明るくて前向きな男前にばかり目を向けてましたが、
そうそう、わたし、こういうタイプも大好物よ!と思い出した次第。

次の『永遠の女王』では、イリアルは念願の引退をはたし、ニールがコートを継いでるんですが、
最初、他のコートの相談役、程度の端役で出てきたニールがここへ来て大変身!
これまたセクシーアピール満点のダークキングとして登場します。
イリアルと立場は同じだけど、前任者が割と物静かで冷静だったのに対し、
ニールはもっと気性が激しい感じ。感情表現も豊かな感じ。
もしもヘルメスが裏社会の親分を引き受けたら、こんな風になるんじゃないかな?みたいな
老練で、狡猾で、鮮やかなダークサイドヒーローです。素敵です。

あー、久しぶりにときめいた♪
とりあえず、ヒロイン役は今のところ3人、
ヒーロー役は上述の悪役ボジの二人以外に更に二人、
女の子はどの子も可愛いです。
ヒーロー役の方は、セス(ヒロインの一人アッシュリンの恋人で人間)は、
ものすごい出来た人で、年は若いのに大人です。好感度高いです。
もひとりのキーナン(サマーキング。あて馬)は、いろんな人からボロクソ言われてますが、
妖精なんだからこんなもんだと思う。むしろ、中途半端に感情がありすぎる、もっと酷薄でいい。



とんでもなく個人的な理由で楽しかったので、
他の人が読んで楽しいかどうかは責任持ちません(毎回言ってるな、コレ)。
とりあえず、本国では5巻で完結してるっぽいので、早く訳してほしいところ。
でもアマゾンレビュー読んだら残りの二巻にはイリアルとニールはあんまり出てこなさそうなので
ここで終わりでもいいや、という気もします。

ベニオフの『卵をめぐる祖父の戦争』も読み終えましたが、
感想が長くなってしまったので今度に回します。
以下、落書き(恥ずかしいのでたたむ)

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by mi-narai | 2013-06-27 23:35 | 2013年上半期の読書

『イスラーム文化』『アラビアの医術』『バラッド』『雪の女』『古事記のコスモス』『グリムスペース』

インカ展
去年だか一昨年だか、マチュ・ピチュに行ってきた旅行好きの母を宥めすかして
はるばる行ってきましたとも、京都の博物館まで!
超観光気分♪
もともとあの時代のあの地域好きなので、楽しかったですよ。
これまで、アンデス文明とりまぜた展示とか、マヤ・アステカ混ぜての展示とかは
あったのですが、インカ限定のものはなかったと記憶してるので
そういう意味では目新しかったです。
インカ帝国が帝国になってから滅びるまでの経緯は本などで読んで
あらかじめざっくりは知ってるので、驚いたりびっくりしたというよりは、
「へー、これかー」と納得しながら見る感じでしたけど。
でも、帝国が滅びてからも、インカ貴族は重用されたりしてたらしいのは
ちょっと驚いた。よく考えたら旧支配層を傀儡として配置するのは
植民地支配としてはごく初歩的な手なんだけどなんだか、思いつかなかったのです。
それにつけても、インカ・アステカ関連の事物は見終わった後必ず

スペイン人の馬鹿ーーーーー!!!!!

って思いますね。今回も思いました。
後、大スクリーンの3D映像で往時のマチュ・ピチュの再現映像なんかを
見せてくれるんですけど、それがたいそう楽しかったです。
これよ!こういうのをもっと作ってほしいのよ!
とりあえず、エジプト(新王国時代のテーベと、イスラム時代のカイロ)と
ギリシャ(コリントスを!!!)とエトルリア(フフルナかな。ウェイイでもいいな)と
フェニキア(ティルス!ティルス!)希望!
後、オスマン帝国時代のイスタンブル。
別に物語にしなくていいねん、当時の建物とか生活の再現でええねん!!頼みますよ!!!


イスラーム文化−その根柢にあるもの (岩波文庫)

井筒 俊彦 / 岩波書店

スコア:


井筒俊彦著『イスラーム文化』読了。
いや、先日読み終わった『「コーラン」を読む』の中で先生が何べんも
「このことは「イスラーム文化」の中で語ったから今回は省きます」って
仰るから、気になっちゃってさ。
心の赴くまま読んでみました。
『コーランを(略)』の方を読んだ直後だから世界観がかぶってて
ものすごい読みやすかったですよ。
これまた講義録で、
先生が経済界関係の人々に向けて3回に分けて授業をしたその時の記録を
ちょっと加筆修正したものらしい。分かりやすいです。
で、本の構成も3パートに分かれてるんだけど、
1つ目のパートは、「ああ、前の本でもそんなことおっしゃってたな」
みたいな感じ。
2つ目、3つ目で、イスラム共同体についてとか、
シーア派とスンニー派についてとか、スーフィズムとかについて書いてあって、
そっちがこれまたものすごい面白かった!
シーア派とスンニー派の違いがよく分かりました…!
イラン人とアラブ人の差とか。
大分前の本だけどもおススメ!


アラビアの医術 (平凡社ライブラリー)

前嶋 信次 / 平凡社

スコア:


前嶋信次著『アラビアの医術』読了。
今更。
個人的に今更アラビアの医術を学んだところで後の祭りなんだけども、
マイ・ブームが去らないうちに読んでおくことにしました。
これはこれで面白いですよ!
アラビアの医術の進展とか、医者列伝とか書かれてます。
最初はやっぱギリシアの医術を基本にしてたから、
ネストリウス派キリスト教徒とかユダヤ人とかが医者になることが多かったみたいです。
初期のウマイヤ朝とか、アッバース朝のカリフもちょいちょい出てきて面白いな。
しかし、カリフの侍医ともなると、心付けが半端なくてものすごい金持ちになれる反面、
ちょっとしたカリフの不機嫌で殺されちゃったりするのですよ。危険な世界です。
後、書物のギリシア語からアラビア語やシリア語への翻訳が盛んにおこなわれてたみたいなんですが、
ひょっとして、原本が残ってないギリシア古典でも、アラビア語で残ってて、
アラビア語だからまだ学会とか一般に発表されてない断片なんかがあるかもしれんなと。
ふと想像してしまいました。
そんなんあったらウハウハなんですけどね~!
ギリシア古典に堪能な方、だれかアラビア語勉強して、漁ってみてくれないかしらん。

ところで。
後ろの解説読んで、作者の前嶋信次先生が実はだいぶ古い人だと知りました。
戦時中南満州鉄道東亜経済調査局とかに勤めてるよ…!!
結構この方の書いたアラビアンナイト関連の本読んだりしたんですが、
まったく文体が古臭くなく、存命の現役の先生だと思い込んでた…!
『「コーラン」を読む』の井筒先生の教え子的な。

井筒先生の10歳あまり年上やん…!!!

これが一番の衝撃でした。


ラメント (妖精の騎士に捧げる哀歌) (創元推理文庫)

マギー・スティーフベーター / 東京創元社

スコア:


マギー・スティーフベーター著『ラメント』読了。
音楽的才能はあるけどあんまりぱっとしない主人公が
才能ゆえに妖精に狙われ、
ある日突然異界の存在に気付かされ、
敵の男前と恋に落ちたり殺されかけたり色々する話。
あらすじを読んで、ロマンス小説っぽいかなと思っていたのですが、
実際に読んでみたらもうちょっと若い子向けでした。
主人公も16歳だし。
ヤングアダルト恋愛小説ファンタジー風味。
若い子同士の一途な恋愛とか、三角関係とか、
うん、少女マンガっぽいです。
講談社じゃなくて小学館あたりの。
いや、だからといって、つまらないわけではなく、楽しく読み終えましたよ。
次巻では、今回主人公に振られた男の子が主役になってるらしいので、超気になります。
この、『脇役が次の巻で主役に抜擢されるスピンオフ戦略』に、
脇役好きの私がどれほど散財させられたか!!
(『オデュッセイア』始めな。)


雪の女 (創元推理文庫)

レーナ・レヘトライネン / 東京創元社

スコア:


レーナ・レヘトライネン著『雪の女』

あらすじに、小柄な女刑事マリア・カッリオがパワフルに活躍する話、
みたいに書いてあったから、まあ普通に小柄な人を想像してたら、


主人公、160センチちょい、だと…?



フィンランドの小柄、パネェーー!


とりあえず、それが一番びっくりしました。
男の人でも、170センチで小柄て言われてるしな。
どんだけ皆背が高いのか。
(北欧の中ではフィンランドは平均身長は低めとか聞いたけど…(ゴクリ))

どうも、シリーズ3作目をいきなり日本語訳したみたいで、
ところどころに「あれ?この話どっから出てきた?」みたいな箇所はあるものの
面白かったです。
推理とかトリックを重視する様式美ミステリーというよりは、
読者が捜査する主人公と同じ目線で謎を追い、日常を追体験する、みたいな
ミステリーでした。起こった事件がそもそも謎だらけで、
捜査する過程がけっこうワクワクしましたよ。
主人公は、ガッツがあるものの、大人で、同僚のいやがらせも、
(内心むかっとしつつも)さらっと受け流せる度量のある女性です。安心して読めます。
それに、今回の嫌な同僚は、『ミレニアム』の女性蔑視クソ刑事ファスキほど
ダメ男でもないです。
読んでて感じたのですが、この人、単に不器用なだけじゃないかな。
わたしは今回のペルツァに関しては許容範囲内。

外国の娯楽本を読んでいて楽しい点には、話の筋以外に暮らしっぷりが覗き見れて楽しい、
というのもありますが、とりあえず、今回読んで思った事を書きます。
・フィンランドは働き方が自由でうらやましい。
働きたいという意欲がある人は、働けて、正当に賃金をもらえているっぽいことや、
学んだり、資格を取ったりすることに年齢制限が設けられていないことが。
いいなあ。
いいなあ、というだけではなんもならんので、
やっぱりちゃんと考えて、選挙も行かねばならんな!(いや、投票は毎回行ってるけども)

・けど、フィンランドの社会でも、女性は家に入ってパン作って子供育ててろ、みたいな圧力が
あるんだなあ、と知ってちょっとびっくりしました。どこも大変だよな…。


バラッド (妖精のミューズに捧げる物語詩) (創元推理文庫)

マギー・スティーフベーター / 東京創元社

スコア:


マギー・スティーフベーター著『バラッド』
「ラメント」のスピンオフ。なんと、自分、既に購入済みでした☆
大体振られる人に過剰に感情移入してしまうわたしのこと、
今回のスピンオフ、ものすごく楽しく読めました。
前回は、女の子と妖精の狩人の夢(ちうか、悪夢)みたいな恋の話だったので、
そう主人公の女の子に抵抗もなく何も考えずに読んでたんですが、
今回その女の子に振られた側の男の子の話なんですよね。
振られた側に同情しながら読むと、

振った女が超いけすかねぇ…!!

いい加減あの女を吹っ切れよ、ジェームズ(今回の主人公の名)!!と思いながら
読んでしまいました。
しかしまあ、この人間二人はいいのです。
出てくるリャナン・シーのヌアラ(仮名)がものすごく良かった!
好みだったの!
ジェームズに出来た新たな友達ポールがいい味出してたり、
担任のサリヴァン先生が絵にかいたようないい大人だったり、
『ラメント』より楽しく読み終えちゃったかも。
読後感も良かったですよ!


古事記の宇宙(コスモス)―神と自然 (中公新書)

千田 稔 / 中央公論新社

スコア:


千田 稔著『古事記のコスモス』
読了。
タイトルの通り、古事記に出てくる自然環境について文脈から読み解いている話。
これまでの古事記研究を踏まえつつつい最近書かれたっぽいので
割と楽しく読めました。
自然環境に特に注目して書いてあるのも読みやすい。
この著者の目新しい点は、古事記は大海皇子系の勢力が書き上げたもので、
中国の道教思想が各所にちりばめられている、としているところでしょうか。
以下、雑感を箇条書きにメモっておきます。

・太陽とカラス、月とカエルはセットなのね。
そういや、アスクレピオス誕生譚あたりのコロニスのエピソードにもカラスが
絡んでたな。まあ、古事記とは関係ないでしょうけども。

・彦と姫はそれぞれ日子、日女、で、太陽の子ってことらしい。
へー!

・そういや、古事記の中の海洋民系の神話についても割と熱く語る作者だったな。
いろんな他の研究者の説を紹介してくれるので、それを辿るのも結構楽しかったですよ。


グリムスペース (ハヤカワ文庫SF)

アン・アギアレイ / 早川書房

スコア:


アン・アギアレイ著『グリムスペース』読了。
SFです。
宇宙の遠距離間を航行するときに、時間短縮のためにワープする、
それはSFのお約束です。
そのワープの仕方は、作品によって千差万別です。
前回読んだ『異星人の郷』は航行なんて不要で、ピンポイントに狙いの場所に出現する
なんかどこでもドアみたいな感じの移動方法でしたし、
シーフォート・シリーズは(主人公にも理解できない)N波に乗ってワープしてました。
で、この作品の場合は、グリムスペース、というところを通り抜けてワープするの。
主人公は、特殊な遺伝子を持っているためグリムスペースの内部を
案内することができるナビゲーター。

大筋を言うと毛色の変わったロマンス小説です。

や、まあ、わたしはそのつもりで読んだということで。
もんのすごい楽しかったよ!!
ナビゲーターはグリムスペースに潜ってる間身動き取れないので、
ナビに従って艦を操縦するパイロットが必要なんだけど、
このナビゲーターとパイロットは二人でひと組なんですよ。
で、グリムスペースにジャックインしてる間は
精神を共有してしまうというか、相手の思考が駄々漏れになってしまうというか、
どうです、もうこてこてのロマンス設定でしょうがッ!
で、物語は、主人公が相棒を事故で失った直後からスタートなのです。
成り行きで、パイロットとしての腕は確かだけど無愛想な兄ちゃんと
仕方なく組んで艦を運行するはめになってしまい、そこから
壮大なごたごたに巻き込まれ、死にそうな目にあったり、一旦リタイアしたり、
爬虫類の赤ん坊拾っちゃったり色々するわけです。
ヒロインが世慣れてタフで短気で、でも繊細なところもある大人の女の人なので、
少女マンガのいかにも女の子っぽい主人公に対するようなイラっと感もなく、
大層楽しく読めました。
いや、だいぶ大雑把な感じの主人公なので好き嫌いは分かれるとは思うのですが
わたしは好きかな。
ヒーロー役の新パイロットもむっつりしてるけど別に嫌いなタイプではないし、
最初の辺りの徐々に二人が近づいていく場面などにはきゅんきゅんしました。
恋愛一本道よりも、こういう別の話が中心にあるものに恋愛が織り込まれてる方が
なんか燃えるよなあ。
本国では5冊までシリーズが出ているので続きを早く翻訳してほしいところです。
ハヤカワさん、がんばって!!
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by mi-narai | 2013-06-11 23:34 | 2013年上半期の読書

阿弥陀堂だより』 『海賊と刺繍女』

司馬遼太郎の『燃えよ剣』下巻読了。
あんまり昔に読み終わりすぎて朧ですが、最後の海戦のあたりはちょっと面白かった。
白兵戦ですよ~。
でも、最後までわりと土方さんがどうでも良かったなあ…。
他の媒体の土方さんはともかく、司馬遼土方はあまり好みじゃなかったっス!以上。


阿弥陀堂だより (文春文庫)

南木 佳士 / 文藝春秋

スコア:


南木 佳士著『阿弥陀堂だより』読了。
貸された本なので頑張って読みました。
主人公夫婦は割とどうでも良かったんですが、阿弥陀堂のばあさんとか、
村のラブホで働くおばさんとかがものすごい素敵でした!
いやあ、方言が可愛かったわあ…


海賊と刺繍女 (集英社文庫)

ジェイン・ジョンソン / 集英社

スコア:


ジェイン・ジョンソン著『海賊と刺繍女』読了。
新刊案内で見て「なんじゃこのタイトル…!」と思って買ってみた一冊。
タイトルから、てっきりロマンス小説かと思っていたら集英社から出ていてビックリです。
思い切ったな、集英社…。
現代のイギリス人女性が、不倫相手に分かれる手数料代わりに中世の刺繍関連古書を手渡されるところから
話はスタート、その古書の行間に、小さい字で日記を書き入れた中世のこの本の持ち主、
刺繍の上手な女性キャサリンと、
現代のその古書を手にした女性ジェインの話が交互に語られて、最後に一つにまとまるという趣向。

キャサリンは、日曜に教会で礼拝中モロッコの海賊に拉致られ、売り飛ばされるという衝撃の告白を
本の行間に記録していくんですが、
なんとこれ、史実らしいですね!
大航海時代、意外と西欧人がイスラムの海賊に攫われては奴隷として売られていたらしい。
ちょうど『大航海時代4』をプレイ中なので(あれはどんぴしゃり16世紀の話)
「あー、たしかにアフリカ北岸は海賊の巣窟やもんなあ」などと妙に納得してしまいました。
コーエー様様です。文部科学省はこのゲームを教育に使えばいい。
(海岸線と、海に面した町の名前にものすごく詳しくなりますヨ!)

とりあえず、お話は思ったとおりロマンス小説寄り(具体的なエロシーンはありませんが)で、
綺麗にハッピーエンドで終わってました。

作中で、エリザベス1世の時代に無敵艦隊を破られたスペインですが、
それでしおしおなったわけでもなく、その後も報復としてイギリスの南の海岸を襲ったりしていたとあって、
スペインもやられっ放しじゃなかったんだなあとにんまりしてしまいました。
最近自分の中でスペイン株があがりつつあります。WC効果?


プレステップ宗教学 (PRE-STEP 8)

石井 研士 / 弘文堂

スコア:


『プレステップ宗教学』読了。
宗教学について分かりやすくまとめられたテキスト。
通過儀礼とか、神話の位置付けについて書かれてたので、一度ちゃんと俯瞰しておくのも悪くないかと
思って借りてみました。
いや、司馬遼太郎先生も、何事も簡単なところからはじめなさいと仰っておられるので…。
しかし、あまりにあっさりまとめられすぎてて大体知ってることばかりでした。
物足りなかった…
その分野を掘り下げたいならこれがいいですヨ、と本を紹介してくれてるのは親切だと思いましたが。


よくわかる文化人類学 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)

ミネルヴァ書房

スコア:


『よく分かる文化人類学』途中。
同じような理由で借りてみた一冊。
こっちの方はもうちょっと掘り下げて書いてあるのでなかなか読み応えがあります。
ずっと、民俗学と民族学と文化人類学はどう違うのだろうと思ってたので、
違いが分かってすっきり!
多分、読み終わったら内容を忘れそうな気がするけど、とりあえず全部読もうと思います。


マンガ
『鞄図書館』
『阿弥陀堂』を貸してくれた友達が貸してくれたもの。
鞄君がちょうかわいい。
泣かせたくなる感じでした。
でもわたしならあんな危険な図書館からは本を借りたくない…



多読

『The Secret Garden』(レベル2)
どこをどう切っても「秘密の花園」
しかしつくづくこの話の主人公の設定が凄いな。


『Dragonheart』(レベル2)
映画のノベライズ。を大部端折ったもの。
大昔に映画を見たので、懐かしいなあと思いながら読みました。
相変わらずツッコミどころ満載でしたが。


『Around the World in Eighty Days』(レベル2)
これまではオクスフォードの多読本だったのですが、ここからペンギンブックス。
この話、昔から大好きで、映画も見たのですが、

わたくし、初めて作者がジュール・ベルヌだと知りました(遅ッ!)

オマケに、作者がフランス人だというのも今回初めて知った。
フランス人作者だと納得して読むと、主人公のイギリス人が
あくまでフェアプレイ精神で紳士然として慌てず動じず女性に口説き文句一つ言わない姿に
描かれてるのも納得。
(very English Englishmanの形容には大笑いしてしまいました)
対して、従者のパスパルトゥーはフランス人。
こっちは身軽で口も達者なら多芸多才、感情豊かでユカイな男に描かれてて、
いやもう、筋と関係ないところでニマニマしてしまいました。
多読本なので、横浜シーンがあっという間に終わってしまったのは残念でした。
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by mi-narai | 2010-08-15 00:29 | 2010年8月の読書

『青い城』、他

この冬から春にかけて暖かくなっていく季節、
特にその宵の、薄ぼんやり明るい空と生暖かい風を感じると


何故か「赤毛のアン」を思い出します。


…いや、なぜかも何も、ワタシが赤毛のアンを読んだのは一般より大分遅くて大学生の時分なのですが、
その時期がちょうどこのくらいの早春の時期だったからなんですが。

そんなことを思い出しつつ、ちょっと前に読んだモンゴメリの『青い城』感想。


青い城 (角川文庫)

モンゴメリ / 角川グループパブリッシング



面白かったー!
エロのないロマンス小説ですヨ~♪
主人公はそれまでずーっと一族の心無い噂話や、対面ばかり気にして自分を愛してくれない母親に
大人しく我慢して、ストレス溜め込んでる、適齢期をちょっと過ぎたくらいの年齢の女性。
それが、ある日、些細な胸の痛みを見てもらおうと軽い気持ちで出かけた医者で、
まさかの「余命後1年」宣告を受けて、ぶちっと何かが切れちゃうわけです。
最初の、全てのものにびくびくして抑圧されてる部分は、読んでてほんと辛かったのですが、
この、吹っ切れてからのページは、その反動でものすごい爽快でした!

もう、やりたいこと片っ端からやってくし!
その上、前から気になってた男性にこの主人公、自分から

「ワタシはあなたが好きだ、後余命1年だから、可哀想に思って結婚してくれ」

と堂々と告白+プロポーズっスよ!男らしい!

後半は、この主人公がずーっと幸福を感じてる状態で、それが読者にもありありとわかるので
ものすごいこっちも幸せになりながら読めました。
ごち!




いただいた卒論

※個人的にいただいたものなのでメールにしようかどうか散々迷ったのですが
それだと相手が返事を出さないといけないと気になさるかしらと思ったりもし、
(貰った上にそれじゃ申し訳ないじゃない)
なにより、普通の出版されてる解説読むのと同じ感覚で読んでしまったので
(あ、下にも同じこと書いてる)やはりこちらの読書日記の方にメモしておきます。




こちらに帰って来た次の日辺りから読み始めて読み終えたので、やはり記憶がおぼろげなのですが、
なんか、他の名だたる学者先生方の解説を読むみたいにすんなり普通に楽しく読んでしまった
…ということを考えるに、筆者の力量が知れようというものです。

面白かったー!

もちろん、「いやいや、それはちょっとこじつけなんじゃないかしら」と思う部分も
あったような気がするのですが、それは、どの先生の解説を読んでいても
少なからずあるものなので!そういうものなのです。
大体解説なんて、「自分はこう解釈する」という宣言のようなもんじゃないですか。
だからよっぽどでない限りとっぴでもかまわないし、それにプラスして、説得力があれば尚面白い、
という位置付けが自分の中であるのですが、
その点今回読ませて頂いたこの論文は力作で、なるほどなあ、と感心したり
わあ、ワタシこれまでもの知らんクセに好き勝手にいろいろ言うて、いやん、恥ずかちい、と
恥じ入ったり致しました。
気合入れてものすごいじっくり読んだのですが、
アホゆえに、ちゃんと作者の意図どおりに理解できたかどうかは
自分でもちょっと自信がない…


とりあえず、エウリピデスのオレステスが他2作に比べて異色で、
その構成やら登場人物の性格づけなどが、工夫されてて
エウリピデス屈指の意欲作だという事は分かった。
その背景に当時の社会的な雰囲気があることも分かった(おおいばり)!

(お前、それは読んだら誰でもわかるって…)

古い時代の叙事詩(神話)からの乖離の度合いや、
その理由などが、時代背景から登場人物やアポロンと絡めて丁寧に説明してあって
このワタクシでも一瞬理解できたような気になったのですが
…書いててまたも理解できてないんじゃないかという気になってきた…。
や、いいか。手元にあるからわかんなくなったらまた読みます。


そんなこんなで早くエウリピデスの「エーレクトラー」本編を
読みたいのですが、諸事情があって、他の本が間に挟まれ
まだ読めてない状態なのです。
忘れないうちに読みたい…

PS:結び目になれますとも!


読書メモ自分のために読書済み+読書中の本を記しておく。

読了
鷲田清一著『新編・普通を誰も教えてくれない』
パウサニアス『ギリシア周遊記』コリントス部分のみ
『ちょんまげぷりん』

読書中
『カルタゴの歴史』
『ギリシア悲劇全集7』
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by mi-narai | 2010-03-14 21:33 | 2010年3月の読書

『ギリシア文化の創造者たち』 『純白の似合う季節に』

藤縄謙三著『ギリシア文化の創造者たち 社会的考察』読了。
とりあえず、覚えていることから記憶をさかのぼりたいと思います。
第4章(最終章)の『自然の荒廃の問題』での、
ギリシアの自然が失われたから多神教→一神教(キリスト教)への移行がスムーズに行われちゃったんじゃないの?
という指摘には、ちょっとなるほどね、と思いました。これまでそんな観点から見たこと無かった。
昔から、文明が起こると建築物や造船で木材を使いすぎて周辺の自然が破壊される、
戦争でも大幅に自然が破壊される、とはよく言われてきましたが、改めてしみじみ感じ入りました。
また、デルポイの神官だったプルタルコスが『神託の衰退について』というタイトルの著書を残してる
と知って、ああほんとにこの時期古くからの神々への信仰が失われていったのだなと
なんだか悲しくなってしまいました。デルポイって名門じゃないの!
プルタルコスの時代にはあい続く戦乱などでギリシアの人口が激減していたというのも
そんなこと考えたこと無かったので目から鱗でした。

第3章『知識人の経済生活』も面白かったです。
ソフィストや哲学者の生計の立て方を大別した結びも興味深かったけど
(①友愛関係に頼る ②知識を売って金を稼ぐ ③異国の権力者の援助 ④全部否定)
単純にそれぞれの個々人の暮らし向きなんかを興味本位で眺めるのが面白かった。
ソクラテスは貧乏暮らしで周りの友人に助けてもらってたとか、
プラトンは実は名門の出身だったので体裁を取り繕う必要があって困ってたとか
アリストテレスは意外と派手好きだとか。
それに加えて、各人の学園(ソクラテスの場合は市井で問答してただけだけど)の
運営方式なども説明してあって、なるほどなあと思いました。
アカデメイアは貧乏人でも通える公立校、
リュケイオンは有名進学私立校、ってイメージです。
今のところ、なんとなく、わたしのなかでソクラテス大先生、プラトン先生に比べ
アリストテレスはいまいち残念なイメージしかないのですが、
とりあえず、判断はせめて一冊くらいは著書を読んでから下そうと思います。
なんとなく、アリストテレスはプラトンと喧嘩別れしたのかと思ってたけど
必ずしもそうではなく、プラトンの死後自分の道を行った可能性もあるみたいだし。

後、裏で哲学者を支援する各国の王の話もチラッと出てきてて、
シュラクサエのヒエロンやマケドニアのピリッポスの名前なんか見るたびに
にやにやしてしまいました。ポリュドロスで読んだアレコレが思い浮かんだですよ。
ポリュドロスといえば、後期のアカデメイアの学長の本名がハスドルバル、と聞いて
「あれ?カルタゴ人?」
と思ったら、ホントにそうだったので嬉しかった。(いつの間にかカルタゴ名が
馴染み深くなってる…!すごいですよ、ポリュドロス先生!)


コニー・ブロックウェイ著『純白の似合う季節に』
ロマンス小説はBLと同じく消耗品扱いなので普段感想はとりたてて残さないのですが
これは面白かったのでちょっとメモっておきます。

あらすじは面倒なので「BOOK」データベースより抜粋
ヴィクトリア朝末期のロンドン。劇場歌手のレッティは訳あって追われていた。一文無しとなってたどり着いた駅で、偶然にも切符を拾う。それを手に、見知らぬ田舎町に降り立った彼女は、貴族らしい人々から大歓迎を受ける。彼らが招いたウエディング・プランナーと勘違いされているらしい。レッティは隙あらば姿を消すつもりが、依頼人からも厚く信頼され、花嫁に悩みを相談されたりしているうちに、心と体に傷を持つ治安判事のエリオットに恋をしてしまう。レッティは「偽わりのウエディング・プランナー」として最後までやり通せるのか?エリオットとのあいだに通う熱い想いは?ヒストリカルの気鋭作家が軽やかな筆致で描く、RITA賞受賞の傑作ロマンス。

これまでは面白いと思う理由が設定か、ヒーローが気に入るか、それかその両者か、
だったのですが、この本では珍しく主人公のヒロインに惚れました。
とにかく、世慣れてるかと思えば純情なところもある、頭がきれて、姉御肌の、
明るくて前向きで気持ちのいい女の子だったの!


DVD
『かもめ食堂』
妹が同僚に借りていたのを又借り。
「フィンランドのヘルシンキでおむすび屋を開く話」ほどの前知識しか無い状態で見始めましたが、

ホントにそんな話だった。

別に大事件が起こるわけではなく、旅行中の日本人がバイトに来るようになったり、
アニオタの男の子が常連になったり、店の前通りがかるたびに中を見ておしゃべりしてた
近所のおばさん3人組がシナモンロールにつられて常連化したり、
ダンディなコーヒー叔父さんがやってきたり、
旦那に出て行かれて悩んでるおばさん(フィンランド人)が、トランクが紛失して
困ってる旅行者のおばさん(日本人)に悩みを相談したり(なぜか話が通じてる!)
と、淡々と小さい事件が積み重なるうち、いつの間にかかもめ食堂が
土地に根付いていきました、とただそれだけの話。
内容については特に失望も揺さぶられるような感動もしませんでしたが(=ほんのり面白かった)、
途中で、本当にフィンランド人が

「モイモイ」

と挨拶してるのには感動した!ほんとにモイモイなんだー!
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by mi-narai | 2008-12-05 21:18 | 2008年12月の読書

『大人のいない国』 『メタモルフォーシス』

大人のいない国―成熟社会の未熟なあなた (ピンポイント選書)
鷲田 清一 / / プレジデント社
スコア選択: ★★★



鷲田清一、内田樹共著『大人のいない国』読了。
鷲田先生目当てで買い求めてみました。
いい紙使ってる上に(=一枚が分厚い)字が大きいのであっという間に読了。

ここで言う大人とは、精神的に成熟しているということ、とはいえ、
心の中に子供っぽい部分がない事を指すわけではなく、
子供の部分を保ちつつも、各年齢それぞれ年相応の自分をも
その上から積み重ねている多層的な人を指すようです。
大体、普段自分がぼんやり思っていたことを改めて言葉で読んだ感じ。
(とはいえ、理解っちゅうのは自分の分かる範囲でしか当然できないもんなので
わたしが著者の意図を誤解している可能性もありますが)
反面、耳に痛い部分もあり、

ウス、身を改めてもっと、もっと大人になるべく精進しまっす!

内田先生の方が一見きついんだけど、実はあたりがソフトな鷲田先生の方が
本質的には厳しいことを言ってる気もする。



メタモルフォーシス―ギリシア変身物語集 (講談社文芸文庫)
アントーニーヌス・リーベラーリス / / 講談社
スコア選択: ★★★



アントニーヌス・リーベラーリス著『メタモルフォーシス』読み始めました。
アントニーヌスさんは2~3世紀ローマ時代の人で、
名前から類推するに解放されたギリシア人奴隷じゃないかといわれてるそうです。
メタモルフォーシスとあるからには、当然変身物語なわけですが、
オウィ先生のが完全に文学作品であるのに対して、アントニーヌスさんのは
「こんな伝承があります」とはしから丁寧にレポートしてるような、
もうちょっと学問的な雰囲気の読み物です。
タイトルの後に
「この物語をニーカンドロスは『変身物語』の第3巻に記している」と
参考文献(笑)を明記してくれてるのもとても親切だと思います。
それに、他の文献では聞いた事ないような人名などが出てくるのも嬉しいところ。

まだまだ序盤なので、楽しみに読もうと思います。


並行してロマンス小説も読んでたりしますが、今回久しぶりに
クレイパスの『恋の香りは秋風に乗って』と『冬空に舞う堕天使と』を
読み返しました。(このタイトル、こうして字で書くとほんと恥ずかしい…)
以前ににクレイパスを読んでから、数多のロマンス小説を読み倒し、
気づけば読破量はいつのまにか40冊を超してましたが
あらためて、やっぱりクレイパスのこの2冊が格段に面白かったなあと。
でも、BLとロマンス小説を面白いと思う基準は
全く個人のCPの好みに左右されるから
同じ好みの人にしか薦められない…


DVD
『ガキの使いやあらへんで』3巻
罰ゲーム1泊二日廃旅館に宿泊編。
おびえるまっちゃんになにかいけない気持ちを喚起されそうになりました。

『BONES シーズン1』3巻
普通に面白いです。里子の回には思わずウルっとしてしまった。

『ローズマリー&タイム』3巻
ますます冴え渡るおばさんたちの推理&トーク。
この二人、どっちが探偵役ということもなく、二人で試行錯誤しながら
(片方が嘘推理立てては相手がそれを打ち崩し、ということを繰り返して)
最後には事件の真相にたどり着くのですが、これって、漫才で言うところの
ダブルボケ…?

『いたずらなKISS』2巻
入江直樹が江直樹になってたりして、台湾ナイズされてんのが面白いです。
内容は、まあラブコメなんで、こんなもんなんだろうなあ。
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by mi-narai | 2008-10-31 22:57 | 2008年10月の読書

『ロロ・キドゥルの箱』 『㈱魔法製作所 おせっかいなゴッドマザー』

この日曜、京都の国際マンガミュージアムというところで開催している
『少女マンガパワー』展を見に行ってきました。
こんな酔狂に付き合ってくれた中村師匠、どうもありがとうございます!
初期の頃の少女マンガかも、母方の叔母の影響でかなりの確立で知ってるんですが
お目当てはそこではなく、よしながふみさんと今市子さんの原画でした。

今市子先生のカラーのなんと美しいことよ…

(さすがに原稿展示は『百鬼夜行抄』のみでBL関係はなかったけど)


しかしこんなミュージアムが京都に出来ているということがビックリ。
日本文化なら古いものから新しいものまで取り揃えますよ!
…という京都府の意気込みに感嘆いたしました。
大人500円の入館料で一日館内に納められた膨大なマンガ読み放題なので
暇なときに行くにはいいかも。

ついでにお茶に「都路理」に寄ったんですが、
相変わらずスゴイ込み具合ですね、あの店は…。


ロロ・キドゥルの箱―ジャワの性・神話・政治
中島 成久 / / 風響社
スコア選択: ★★★★



中島 成久著『ロロ・キドゥルの箱―ジャワの性・神話・政治』読み始めました。
時々思い出したように東南アジアの歴史とか神話って読みたくなりません?
そういうわけで、手にとってみたこの本。
神話そのものでなく、神話と政治の関係といった歴史・政治史も色濃く反映した本でした。
コレはこれで面白い。

ロロ・キドゥルって、ジャワの南の海に住む美貌の女神なんですって。
その女神が王権と結びついて今でも信じられてるあたり、
さすがに周囲を海に囲まれてる国だけあるなあ、と妙に感心しました。
同じく周囲が海の日本はそうでもない気がするんですが…
(どうなんでしょう。わたしが知らないだけで、実は日本でも海神信仰は
盛んなのかしら…。住吉くらいしか知らんなあ)
後、ジャワ語の語感が素敵です。
まだまだ序盤なので楽しみに続きを読みます。



おせっかいなゴッドマザー (創元推理文庫 F ス 5-3 (株)魔法製作所)
シャンナ・スウェンドソン / / 東京創元社
スコア選択: ★★★★



シャンナ・スウェンドソン著『㈱魔法製作所 おせっかいなゴッドマザー』
創元推理文庫から出てるロマンティックファンタジーの第3弾。
ファンタジーの振りをしてますが、どちらかというとロマンス寄りだと思います。
友人に「今回ロッドにもいい人が現れる予感☆」という情報を聞き、
居ても立ってもいられなくなって読み始めてしまいました。
(※ロッドは、主人公ケイティの片思いの相手の幼馴染。
あんまりハンサムじゃないんだけど、いい人なんだ!)
まだ序盤なんですが、前の巻でようやくオーウェンと両思いになれた主人公ケイティ、
今度はクリスマスに彼の家に行くことになって大慌て。
(やっぱりアメリカでも相手のご両親に会うのは一大イベントなのですね。)
これまたまだまだ序盤なので、早くロッドが出てこないかなーと期待しつつ
読み進みたいと思います。
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by mi-narai | 2008-08-25 22:01 | 2008年8月の読書

『神話・伝説の成立とその展開の比較研究』、他

神話・伝説の成立とその展開の比較研究
/ 高志書院
ISBN : 4906641644
スコア選択: ※※※



鈴木佳秀編『神話・伝説の成立とその展開の比較研究』読み始めました。
最初は聖書におけるカリスマ的指導者、と思われるモーゼについて。
モーゼのエピソードはざっと通り一遍しか知りませんでしたが、実はモーゼって
聖書の中で何度もダメ出しされてたのね…。
そんでもって、ちょっと前に読んだロマンス小説(確か11冊目)で
「エルサレムで発掘された古代の神殿にはヤハウェの祭壇の隣に女神の祭壇跡が発見された」
てな記述があったのを思い出しました。

次、アリストテレスの『アテナイ人の国政』において、
そこから史実を汲み取ろうとする場合にいかにして作者の創作や意図的でないにしろ事実を
曲げている部分を処理するか、というものすごいド・マイナーな主題について読んでます。
返却日来週です、頑張れ私!


次のホメーロスにおける神々と人間の違いがどうとかいう論文をさらっと読み飛ばし、
さらに次の楽しそうな「叙事詩ベオウルフと日本の妖怪」という論文を読んでいるところで
時間が切れました。返却した。



パトリック・オブライアン著
『新鋭艦長、戦乱の海へ―英国海軍の雄ジャック・オーブリー (下)』読了。
まあ、一度読んだことがあるので、最後のオチは心安らかに読めました。
ジャックの航海はまだまだ続きますよ~


ロマンス小説13冊目
これまたペラい本だったので、日曜トイレにこもってるときにほぼ読破。


ロマンス小説14冊目
これも古本屋で買った200円の本だったんだけど(ていうか、ロマンス小説はほぼ古本屋)
これが思ったより面白かったのです!
前にも一回似たようなの読んだけど、これもまた逆マイ・フェア・レディものでした。
時代はナポ公が失脚したくらいの英国海軍全盛期のころ、
ヒーローがなんと陸軍ライフル連隊あがりの軍曹でさ!(負傷して退役した)

陸軍ときたら!

アーサー・ウェルズリー将軍(=ウェリントンのことです)!!

ライフル旅団!!!(グリーンジャケット)

シャープ!!!!

(スミマセン、ワタクシ、この頃の英国は陸軍も海軍も美味しくいただけてしまうのです)
その上、今回は、ロマンス小説にごろごろしているえらそげで傲慢でわからずやでフェロモンダダ漏れの軽くむかつくヒーローでなく,ものすごい察しがいい上にお茶目で分をわきまえてるいい感じに男臭いおっさんが相手役だったので非常に楽しく読めました。
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by mi-narai | 2008-07-07 22:34 | 2008年7月の読書