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『「コーラン」を読む』 『死ねばいいのに』 『クリスマスのフロスト』

『コーラン』を読む (岩波現代文庫)

井筒 俊彦 / 岩波書店

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井筒俊彦著『「コーラン」を読む』読了。
ギリシャ神話とか、世界の神話を読みあさり、こないだ一神教の本も読み、
新約、旧約の内容もざっくりとはしってるのに、
コーランだけ知らんのも片手落ちかと思って。

この井筒先生、ものすごくよく名前を聞くお方ですが、
帯の部分の著者来歴を見たら、もう随分前にお亡くなりになってますね。
そうかあ…。

で、この本ですが。井筒先生が「コーランを読む」というタイトルで
10回の講義をなさった時の講義内容の記録本です。
一般向けにお話しなさっているため無知蒙昧なワタクシのような輩にも分かりやすい!
ええ!とっかかりは分かりやすい本でないとね!
まず、最初は、井筒先生がこれから講義で行おうと思っている
コーラン読解の方法の説明から始まっています。
それが文献学的というか、
大きなお話の流れを追う、コーランを物語と捉える読み方じゃなく、
語を一字とって、その語が当時のアラブ社会の中で、どういう意味をもっていたのか、
預言者ムハンマドはどういうつもりで言ったのか、
当時のアラブ人はどういうイマジネーションを働かせたのか、
コーランの世界観、みたいなことを、いちいち考えつつ深く掘り下げていく読み方です。
たとえば、イリアスだったら、「王」(バシレウスだっけ)の一言を考えてみるとしましょう、
日本人が普通王って聞いたら、頭に王冠かぶって白いひげでおなか出てて赤いマントかなんか羽織ってる
暢気な顔したおじさん思い浮かべない?
他、ルイ14世みたいな絶対君主とか、ローマ法王とかさ。
でもイリアスにおける「王」って言ったら、どっちかというと、都市を中心とした狭い範囲を領有する
領主の強力バージョン、みたいなもんじゃない、幾人もの王が並び立ってるしさ。
イタケ人なんかは他の領民に結構突き上げ食らってるし。
あんまり絶対的な権威がないというか。
だから、イリアスで「王」という語を見る時には、厳密には日本人の普通思い浮かべる王さまでなく、
当時のギリシャ人が想像してたところのイリアスの世界観における王を考えないといけないと。
死ぬということが当時のギリシャ人にとってはどういう感覚であったとか、
奴隷より低い根無し草の日雇い労働者になるのがどれほど心細いかとか。
そういった部分部分をイリアスの世界観に則して叙事詩の文脈を汲みながら読むように、
いちいち当時のアラブを考えながらコーランを読み解いていくわけ。

こんな感じでコーラン全部読み解いてたらきりがないので、
講義で読むのは開扉の章 わずか7行かそこらなんですが、
それでも本1冊分という凝縮ップリ。

これがね!
思ったより面白いんですよ!!

読むと決めたものの、きっと退屈なんだろうなと半分諦めながら本を開いたのに
嬉しい意味で予想を裏切られました!
上述のアプローチの仕方が好みなのと、
読んでいくうちにパーっと周りに当時のアラブ社会が色鮮やかに広がるような感じがして楽しいのと、
単純にアラビア語の語感が面白いのとで
毎日2ミリほどではあるものの、途中で眠ったりせずに確実に読み進めることが出来ました。

以下、心に思ったよしなしごとを箇条書きに
・アラビア語で良く聞く
「ビスミッラー」
これって、アラーの名においてって意味なのね。
「ビスミッラーアッラフマーニアッラヒーム」で
「慈悲深く慈愛あまねきアッラーの御名において」て意味なんですが、
この、慈悲深く(略)って言葉、全くこのままのフレーズで
アラビアンナイトはじめアラブの本読んでたらしょっちゅう事あるごとに出てくるけど、
なんと最初にこう訳したのは井筒先生その人らしいですよ。

この人だったのか!!!

・神の本質の美しさ
イスラムにおける神の本質というのは、美しさ、光、優しさ、などだそうで。
もちろん、神には恐ろしい局面(ジャラール)もあるけど、本義は明るい面(ジャマール)なんだって。
なんとポジティブな希望にあふれた神象であることよと驚きました。いいんじゃない。

・コーランが書かれた文体を考えるにあたって、
当時のアラビアのシャーマニズムとかさらっと述べてあって
それがまた面白い!!
コーランの文体はサジュウ調という調子で書かれてるらしいんだけど、
これが一定の間隔で鳴らされるドラムの低い音を連想させる調子というか、
脚韻がものすごい踏んである文体らしいのですよ。
ホメロス大先生の六脚韻(ヘキサメトロンだっけ。うろ)って
なんか、詩人が美声で朗々と神に捧げる態で(まあ実際は聴衆に向かって)
叙事詩を歌い上げてるイメージなんですが、
このサジュウは全くそれと違う感じ。
当時のシャーマンは現地の言葉でカーヒンというらしいんですが 
いずれも一人ジンを持ってたんですって。で、そのジンに憑かれて予言をする。
どっちかというとピュティアとか、日本の狐憑きとかそっちに近い感じだったらしい。
そのジンに憑かれたカーヒンが、低い声で囁くように予言するその調子がサジュウ調なんだそうな。

今のトルコの歌とか、確かに韻踏んでるもんな、
伝統的にそういう傾向があるのかしら…

・現在イスラム社会における女性の地位の低さが方々で問題視されてますが、
ムハンマド自身は、意外にも女性に対して普通っぽい。
最初の奥さんハディージャさんってのが、だいぶ年上だけど、美人で気が強くて
肝っ玉の座った女傑で、ムハンマドはなんかあるとすぐこのハディージャさんのところに
駆けこんで泣きついてたみたい。
なんか、思ったより、コミカル、だな…。
(井筒先生の語り口のせいかもしれませんが)
ちょっとムハンマドに対する好感度が上がりました。
じゃあ、現代社会の問題は宗教ってより政治とか現地の慣習の方が比重が高いのかな…

・ムハンマドは商人で、クライシュという名門部族の出身というのは
世界史の教科書にも載ってたし知識としては知ってましたが、
今回この本読んで、ベドウィンとのメンタリティーの違いを痛感させられた気がします。
どちらかというと、慣習を重んじるそういった遊牧アラブの常識に
まっこうから対立し、イスラムのもとでの平等を推し進めようとしたっぽいです。
その根底には、砂漠を遊牧するのでなく、オアシスに定住して
神殿を中心に宗教生活を送っていた人々のメンタリティーがあるのだそうな。
それって要するに、メソポタミア系の神殿文学の世界だそうですよ。

「コーラン」の真ん中あたりには
アラビアの民間伝承っぽい話だって混じってるらしい。
洞窟で300百年眠ってしまった男たちの話とか
(浦島太朗とかオシアン系のアレ)、
モーセの滑稽話とか、二本ヅノのアレキサンダーの話とか。

ぼんやり分かってたけど、言われてみれば、確かに、
アッシリアもバビロニアもセム系だもんな。
あの神話体系の流れとか、民間伝承を引き継いでいると思うと
一気に興味がわいてきませんか?


文庫版 死ねばいいのに (講談社文庫)

京極 夏彦 / 講談社

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京極夏彦著『死ねばいいのに』読了。
借りた本です。
先だって、日本作家の本はすぐに読み終えちゃうけど、京極はそうでもないやろ、と
思ってたのですが、京極本もすぐに読み終えちゃった…。
同じ日本人が文章を書いているから読みやすいのでしょうかねえ…
(後、外国人はあまり改行しないイメージがある)
で、本の内容。
最初は、話を聞いて回るケンヤという若者が何回も「自分、馬鹿っすから」
みたいに言うのがウザく、また、聞かれてる人が悉くこのケンヤを
煩わしいと思ってるのが伝わってきて、イライラさせられるのですが、
最後の最後でやられました。

お前、そうやったんか…!

分かった!と思った瞬間、印象が逆転した。


クリスマスのフロスト (創元推理文庫)

R.D ウィングフィールド / 東京創元社

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R・D・ウィングフィールド著『クリスマスのフロスト』読了。
これまた一度読んだ本なんだけどまた読み返したくなってさ。
イギリスの地方都市が舞台なのは一緒だけど、
ダイヤモンドの方と違って、小さな事件が畳みかけるように
次々と起き、読んでるうちに

ああ~……やってもやっても仕事が終わらない…

という、社会人なら誰しも一度は(もしくは毎日)感じている
あの感じを味わえます。
ほら、前の仕事が終わらないうちに次の仕事、その次の仕事と
仕事が増え、どんどん手を出して、
ふと「あれ、なんか前の仕事終わってなかったような気がするけど
自分が何を忘れているのか思い出せないッ!」と我に返る、みたいな。
主人公も、全く推理力があるわけでない、くたびれた中年のおっさんで、
しかも、これが全然かっこよくない。
しかし、かっこつけが嫌いな私、このおじさん、割と好感触です。
自分がダメなことを自覚していらっさるので。
上司とか部下にこのタイプがいたら、ものすごく困るだろうなあとは思うんだけど、
それでもダメさ加減に深く、ふかあ~~~~く共感してしまうあたり、
自分も大概ダメ人間だなと読んでて半笑いになってしまいました。
いや、このくらい自分のダメップリを直視できる勇者にわたしもいつかなりたいものです。
頑張ります、フロスト先輩!
主人公フロスト警部の人となりは置いておいて、次々事件が起こり、ぐいぐい読ませる部分、
多彩な登場人物のキャラの立ち具合など、
流石ベテラン脚本家の書いた本だと唸らせられます。
なにより、そんなに深刻にならないし。深刻なシーンでもやりすぎるとわざとらしいじゃない。
デントン警察署のいかにも地方って感じの、ガチャガチャした雰囲気も結構好きで、
なかなか楽しく読み終わりました
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by mi-narai | 2013-05-06 20:43 | 2013年上半期の読書

『月魚』 『藤原道長の日常生活』

コーエ○さんから出てた下天/の/華かなんかいうゲームが気になって、
つい買っちゃったんですよ。
で、手元に届いたそれのキャラクターデザイン見たら、
結構好きなBLマンガ家さんだった☆
コ○エーさんたら、思わぬところから人材を…


中国の至宝展
タダ券もらっちゃったんで行ってきたぜ…。
何年か前だったら楽しんで行ってきただろうけど、
今年はタダ券もらわなけりゃ行かないところでした。
いや、でも、カバだか豚だか分かんないような架空の動物とか、
どう見ても宇宙服にしか見えない謎の焼きものとか、
意外と面白かったですよ。
夏・殷あたりのものすごい前の中国の文物って、
中南米のデザインと似てますよね~


月魚 (角川文庫)

三浦 しをん / 角川書店

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三浦しおん『月魚』
友達に借りたので読みました。
両思いなのにすれ違いっぱなしのホモカップル(肉体関係あり)が、
過去のトラウマを乗り越えたり、お互いへの思いを確かめ合ったりする話。
どう転んでもホモ。嘘ではありません。
一般書でこれ、ええんか?とは思いましたが、
ワタクシ腐女子ですから!BL本のノリで楽しく読みました。
古本に関するあれこれは、この本においては付け足しです。恋のスパイスです。
主眼はあくまでも二人の依存すれすれのバカップルっぷり。
貸してくれた友人の
「『最初から決めてました!』みたいな二人だったっスよ」
という感想が忘れられません。


藤原道長の日常生活 (講談社現代新書)

倉本 一宏 / 講談社

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倉本一宏著『藤原道長の日常生活』読了。
超有名人ですね。
いや、道長さんは割と気になってた人なんで。
道長さんの日記、直属の部下の日記、批判的な文化人の日記、
この三つの日記を比べつつ道長さんがどんな日々を送っていたのかを考察した
タイトルからうけるイメージよりもだいぶ真面目な本です。

なんか、道長さん、ちょっと、かわいいな。などと。

あくの強い人だけども、極端すぎもせず、意外と小心なとことか
忘れっぽいとことかあったりして、
アガメムノンに対して思うのと同じ種類のかわゆらしさを感じます。
多分、ディオメデスさんのどストライク(※何気なくホモネタを振るのはやめましょう)。
道長さんににやにや出来るのと同時に、平安時代の貴族の生活とか、
宗教儀式とか、同時に味わえて、二度美味しい仕様でした。
意外と血なまぐさいぞ、平安時代。
(道端を死体が転がってるとして、現代なら殺人事件として犯人捜査とか、
被害者の弔いとか、そういう方向に進むところを
死体によって汚れが移っちゃったとか、眉をひそめて誰も被害者に同情しないっつうか、
モノ扱いな辺りが貴族社会だなあというか、殺伐感満載だったのです)


摩天楼の悪夢―新宿少年探偵団 (講談社ノベルス)

太田 忠司 / 講談社

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太田忠司著『新宿少年探偵団』
二日で読み終える。
日本人の推理物って(以下略)。
ホラーと銘打ってあったので身構えましたが、
スプラッタ系だったので、そんなに怖くありませんでした。
小さい子向けの読み物みたいなノリ。


『『コーラン』を読む』と『死ねばいいのに』も読み終わりましたが、
前者の感想がものすごい長くなっちゃったので次回に回します
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by mi-narai | 2013-04-21 23:53 | 2013年上半期の読書

『ユダヤ教の誕生』 『歴史人口学の世界』 『暗い迷宮』

4大陸選手権の前のヨーロッパ選手権で、わたしの一押しのフェルナンデス君、
優勝したらしいじゃないですか!
おめでとう~!


ユダヤ教の誕生――「一神教」成立の謎 (講談社学術文庫)

荒井 章三 / 講談社

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『一神教の誕生』じゃなくて、『ユダヤ教の誕生』でした。
あまり聖書関連に興味があるわけではないのですが、
常々「なんで一神教になってしもたん…?」とは思っていたので、
なんとなく買い求めてみた。
わたしがちょうど知りたかった辺り、もともとローカルな神だったはずのヤハウェが
どのようにして「主神」でなく「唯一神」になったかが、歴史をひも解きつつ描かれてます。
そうか、もともと遊牧民の神だったから、決まった位置に祭られてるんじゃなく、
遊牧する部族民と一緒に移動する神だったのだな…。なんだか納得しました。
その後変転するユダヤ人の歴史とともに、他宗教の影響を受けたり、
逆に影響を受けすぎないように他宗教の神を否定してみたり、
自分たちが権力者から逃れた民だった経緯から神の前での平等を説く傾向が強かったり、
王国が出来て中央集権が進むと神の権力も強まったり、

いろいろ面白かったです。
その宗教を行っている人々の、周囲の状況や地形や社会習慣が結構宗教の方にも反映する、
ということですよね。
レヴィ=ストロースの『アスディワル武勲詩』を思い出した。
後、別段、アニミズム→多神教→一神教という流れが普遍なわけじゃないよな
(一神教が高度な最終形態というわけではない)
と分かって、すっきりしました。
毎回言ってるような気がしますが、
わたし、ムハンマドの教えは知らないからスルーするとして、
イエスの言ってる事ってけして嫌いじゃないんですよ。
でも、作者があとがきに書いている「一神教の非寛容さ」に関しては
大いに肯かざるを得ないのであります。
他宗教に非寛容である事って、自分の宗教への熱心さの裏返しであって、
そうすることのメリットもなんとなくわかるんですけどね~。



歴史人口学の世界 (岩波現代文庫)

速水 融 / 岩波書店

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速水融著『歴史人口学の世界』
歴史人口学がどういうものであるか、という第1章。
その方法、それを使ってどういうことが分かるのか、という風に
歴史人口学について書いてある、入門書のような本です。
なんとなくその場の気分で買ってみたけど、なかなか興味深いですよコレ。
日本の宗教改帳とか、西欧の教会の台帳から、庶民の家族を復元して、
そこから統計を出したり、当時の下々の生活を推し量ったりしてます。
面白い!
それにしても、昔の日本人て多産だったのだなあ…
その分、乳幼児死亡率も出産時の女性の死亡率も高かったんだけども…。

ああ、後、都市生活者が増えると人口が停滞する、というのは、なんか
目からうろこでした。
書いてある理由に納得したのは覚えてるけど、理由がなんだったか
いまおもいだせない…(ダメじゃん!)

数日後、読了。
日本て、連続した人口統計資料が残ってる世界的にも珍しい地域らしい。
日本で歴史人口学を勉強する方は幸せです!
でも、ものすごく手間がかかるのですよ。
そういった悲喜こもごもが語られていて、読むのは大変だけどなかなか楽しかったです。



高田崇『カンナ』シリーズ2冊目読了。
ほんと、日本人作家の推理物はあっという間に読み終えちゃうな~(※京極以外)!
あんまり早く読み終えるので、なんだか自分の読書スピードがものすごく上がったように錯覚してしまいます。
まあ、叙述があっさりしてるということかもしれんが。
天草四郎関連の謎と、神父と殺人事件と殺人じゃない事件の話。
主人公と友達の友情が素朴でなんだかかわゆらしかった。



暗い迷宮 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ピーター ラヴゼイ / 早川書房

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ピーター・ラヴゼイ著『暗い迷宮』読了。
今度は、記憶喪失もの。
ほんと、毎回毎回目先を変えてくるなあ、ラヴゼイ。
この辺りになると、登場人物にも慣れ、各々の性格もつかめ、安心して読み進むことができます。
でもって、毎度のことながら、今回も犯人が分かりませんでした…!
大体、犯人よりも、脇役として出てきたエイダという女性が強烈過ぎて、すべてがふっとんだ。
なんか、誰かに似てる似てると思ったら、マツ●・デラックスさんでした。
最後の落ちがひそかにお気に入り☆


『ケルトの白馬/ケルトとローマの息子』も読み終わりましたが、これの感想は次回に回す。






私信:先日は旅先でお世話になりまして、皆様ありがとうございました。
楽しかったー!当分わたし、がんばれます!

面白くも無いパンの話なので
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by mi-narai | 2013-02-18 11:16 | 2013年上半期の読書

『ギリシャ・フェニキア』 『バースへの帰還』 『イスラームの「英雄」サラディン』

どうも、更新をサボっちゃっていけません。
これからは3件くらい溜まったら小まめにアップしようかしら…

アマイタマシイ 1 (ヤングジャンプコミックス)

杉本 亜未 / 集英社

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アマイタマシイ 2 (ヤングジャンプコミックス)

杉本 亜未 / 集英社



この作者の『アニマルX』とか、シリアスさにはついて行けないけど好きだったんだよなあ、などと思いながら
本屋で衝動買いした一品。

なんか、面白かった!!

頑固なお侍さんみたいな性格の変人シェフが、めちゃめちゃうまそうな洋菓子を作るんですが、
これがまあアンタ!生きてるうちにいっぺん食べてみたい!!と洋菓子好きの見習いをうならせるほど
おいしそうなのです!
シェフと周りの人の頓珍漢なやり取りもおかしく、コメディタッチなので、私と同じくシリアス苦手なあなたでも
大丈夫!(いったい誰に薦めているんだお前は)
続きが超楽しみです!


『PEN ギリシア・ローマ特集』
散髪屋でいつも、なぜか私の前には『PEN』が置かれるのですが、
今回上記のような特集だったので、すぐさまその足で本屋に寄って買い求めてみた。
観賞用です。
雑誌って、素敵な写真使ってますよね~!



古代美術とトロイア戦争物語

スーザン ウッドフォード / ミュージアム図書

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『古代美術とトロイア戦争物語』
古本屋で安くなってたので、ノリで買ってみた。
あれ?2011年出版?意外と最近だな。結構買いだったのかもしれません。
トロイア戦争関連の絵が描かれた壺とか、壺とか、壺の写真が載っている
薄めの図録みたいな本。
ざらっと写真だけ眺めてとりあえず満足する。


ナショナル ジオグラフィック [DVDブック] ビジュアル保存版 古代ギリシャ フェニキア 地中海に生まれた文明の興亡 (ナショナルジオグラフィック DVD BOOK)

ナショナル ジオグラフィック / 日経ナショナルジオグラフィック社

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『ギリシャ・フェニキア』
DVD付のやつを正月気分で買い求めてしまいました。
どっちかといえばDVDの方がメインで、本の方には大したことは載ってなかった…。
でも、近年の研究で、トロイアの城壁の全体像が書き換えられ、
狭いと思われてたけど、やっぱりけっこう広かったみたい、ということが
判明したらしい、と分かったのは収穫でした。
そうよね。トロイアは広くなくっちゃ!
スカイア門は城壁の近くなのね。

とはいえ、ギリシャ部分は、まあ、いいのです。
わたしのメイン目的はフェニキアですよ。
DVDがフェニキアについてだったので、付属本の方の叙述が少ないのは大目に見ます。
で、肝心のDVDですが、

判明したん、そんだけかよ!!

第一の感想がこれでした。
(まあ、映像とか、フェニキア(レバノン)の風景には、ものすごい浸れて楽しかったですが。)
でも、レバノンて、内戦があって発掘が遅れてたから、
シドンの遺跡とか手つかずなんですってね(2004年当時)。
まだまだこれからだと思うとワクワクします!
後、レバノンという国名が、地中海東沿岸をさすレバントから来てるって
初めて知った…!レバントという呼称は知ってたけど、国名とくっつけて考えなかったよ!!
ちなみに、レパントの海戦のレパントはまた別の地名ですよ。
パレスチナも、「ペリシテ人」から来てんのね…。わーお…。



バースへの帰還 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ピーター ラヴゼイ / 早川書房

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ピーター・ラヴゼイ著『バースへの帰還』読了。
前作でバース警察を(正しくはエイヴォン アンド サマセット署)辞職したダイヤモンドが復職する話。
殺人の罪で2年前に収監された男が脱獄し、警察署の偉い人の娘を人質に取って
自分の無実を証明するよう警察に迫るのだけど、
彼が交渉役に指名したのがダイヤモンドだったの。
(↑2年もずっとムショ暮らしだから、ダイヤモンドが辞職した件を知らなかった)
で、数年前の殺人事件を再捜査することになるダイヤモンドの活躍が今回の見どころなのでした。
わたし、毎回このシリーズは最後まで犯人が分からない(ていうか、推理力がないので大体分からない)
のですが、今回もやっぱり分かりませんでした。
おかしいなあ、以前一度読んでるはずなんだけどな…
面白かったですよ!



猟犬クラブ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ピーター ラヴゼイ / 早川書房

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ピーター・ラヴゼイ著『猟犬クラブ』読了。
続けて読んでます。
ラブゼイはダイヤモンドシリーズは一作ごとに作風を変えて書いてるんですが、
1冊目は警察小説、2冊目は追跡劇、3冊目はミステリ・サスペンス要素が増えた推理もの、
で、とうとう、この4冊目で

密室の謎。

ですよ。
殺された男が所属していたのが「猟犬クラブ」というミステリーサークルで、
そのメンバーがまたそれぞれのミステリーに詳しくて、
ミステリファンなら二度美味しい仕様。
これまた推理が二転三転し、最後まで犯人が分かりませんでした。
まさか、あの人が…
(しかし、作中で出てくる作家、読んだことあるの、クリスティと、セイヤーズとイヴァノビッチ、クィーン、
カーも読んだかな、そのくらいですよ。エルロイは映画見た程度。フレミングとか、ブラウン神父とか
(作者名忘れた)、その辺は名前しか知りません。
あ、でも『薔薇の名前』と修道士カドフェルシリーズは読んだ、
もちろんシャーロック・ホームズもね!)



イスラームの「英雄」 サラディン――十字軍と戦った男 (講談社学術文庫)

佐藤 次高 / 講談社

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佐藤次高著『イスラームの「英雄」サラディン』読了。
ホントはサラーハ・アル・ディーンとか、サラーフ・アッディーンとか言うんだけど、
一般に良く知られてる「サラディン」で統一します。
この人、イブン・ジュバイルの旅日記にやたらと絶賛されていたので、読みたくなって買ってみました。
知らなかったサラディンの生い立ちなど載ってて大変楽しい。
彼、クルド人なんですってね。
後、イスラムは中国と並ぶ記録大国で、色々文献が残ってるんですって。
日本で知られてないのは翻訳が進んでいないせいか(もったいない)、
まあ、根本に需要がない、というのもあるでしょうけども、
東南アジアとか中東辺りの歴史も面白そうなのになあ…。
(原文ではよう読まんので知識人にはガンガン翻訳したり本書いたりしてほしいです)

それはさておき、十字軍です。
ほんまこの頃の十字軍は超迷惑!
最初、順礼が通るのはいつものことだから西欧人たちを快く通してあげてたイスラム諸国も、
彼らがエルサレムをいきなり攻撃して占領したのにはビックリですよ。
なので、エルサレムを解放したサラディンが、アラブで英雄扱いされてるのもなんとなく納得です。
そらもう胸がすく出来事だったのだろう。
側近も、切れ者が揃ってたみたいだし、かっちょいいなあ。
でも、後世まで続くような体制を作らずに死んじゃったので、
アイユーブ朝はそんなに続かなかったらしい。すぐ後にモンゴルとかティムールとかがやってくるしな。
サラディン一人のカリスマとか人望とかで持ってた国だったのですね。
本人は自分では王だと名乗ったことないし、謙虚で、慎重で、思慮深い人だったみたい。素敵です。
ちなみに、彼が可愛がってもらってたシリアの王ヌール・アッディーンの配下としてエジプトへ赴き、
そこで宰相の地位についたのは30そこそこの時だったらしい。
割と夫婦生活も円満だったらしいし(若干アホな弟たちへの面倒見が良すぎる気はするが)
なんか、こういう、おおっぴらに「かっこいい」と明言してもこっちが恥ずかしくない人って、いいよなあ…
(某イタケの人とかテミ公とかは、きらりと光る部分もあるけど、ダメ要素が半端ないからな)
まあ、とにかく読んでる間中楽しかったッス!時代も人物も地域も好きなので!
そうそう、アサッシンの語源となったイスマーイール派の暗殺集団も出てきましたよ。
サラディンは間一髪助かったけど、狙われたどっかの王様が暗殺されてた…!
後、トルコが思いっきり田舎者扱いされてて時代を感じました(笑)。



奇談蒐集家 (創元推理文庫)

太田 忠司 / 東京創元社

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太田忠司著『奇談蒐集家』読了。
借りた本。この著者の推理物ばかり読んでいたので今度も推理物かと思ったら
幻想小説の類でした。
不思議だけどちょっと不気味、みたいな。
考えたら、この人「月読」とかオカルトチックな推理物も書いてるし、こういうのが好きなのかしら。
でも、目先が変わってちょっと面白かったかな。
読みやすかったので、朝の通勤時間だけで二日で読めました。



死が最後にやってくる (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

アガサ・クリスティー / 早川書房

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アガサ・クリスティ著『死が最後にやってくる』
古代エジプトが舞台の異色ミステリー。
墓守イムホテプと、墓に付随する農園などの経営で暮らすその裕福な家族たち、
長男夫婦、二男夫婦、生意気な三男、出戻った娘、年老いた女中、祖母、孫たち、経理人。
そこへ、イムホテプが若く美しい愛人を出張先から連れ戻ったことから悲劇が始まる―
…みたいな筋。
以前一回読んだことがあるんだけど、改めて読んでみたくなったのです。
なかなか面白いですよ…!!
クリスティの3番目くらいの旦那が確か考古学者なんだっけ。
ものすごい量の資料を回してもらったんだろな(身内に学者がいると得だな)と思わせるアレっぷり。
なんか、さらっと古代エジプトのとある一家の生活を描き出してるのがすごい。
話の筋が、どこの時代に持ってきても通用するような人間ドラマなのもある意味すごい。
事件が起こるまでが若干長くて前半はもじもじしますが、
一度起こってしまえば畳み掛けるような連続悲劇で、
しかもわたし、また、最後の最後まで犯人わからなかったーー!!!

動機などについては若干疑問が残りましたが、主人公が今後幸せになりそうな終わり方だったので
読後感は爽やかでした。
ミステリ好きの人も、エジプト好きの人も一度読んでみて!



今、『一神教の誕生』と『暗い迷宮』を読み進み中。



多読
春からずーっと、ロマンス小説のスピンオフを二日にいっぺん2ページずつほど読み進んでます。
6割くらい分からない単語なんですが、なんか、ロマンス小説を読み慣れてるからか、
分かる単語だけで勝手に話を予測して脳内変換している私がいます…。
全く英語理解が深まってる感じがしないッ!!
とりあえず、3分の1くらいまで読み進んだ。
ヒーローは早くヒロインのかわゆらしさに気づくべき。
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by mi-narai | 2013-02-03 20:16 | 2013年上半期の読書

『トルコ狂乱』 『月読』 『古事記の起源』 『甘栗とエルムと金貨』その他

まず、ゴーゴーカレーが超絶美味かった件。
送っていただいたご当地カレーなんですけどね。
何の気なしに休みの日の昼間に食べて

これがまたなんともいえないこくで!
美味かったのよー!!!

E川件は美味いもの王国ですね…!



レンタルチャットという簡易かつ便利なものがこの世にはある、
と初めて知った見習い●○才の冬。
毎年年賀状は12月25日を過ぎてからやっつけ仕事で書き上げるのですが、
毎回酷い出来だと嘆いているものの

今回は本当に酷い仕上がりになりました。

自分で自分にガッカリです。
んもう!

後数時間で今年が終わってしまうので、その前に
読んだ本の一言感想だけでもアップしてしまいます!急げ!!


トルコ狂乱 オスマン帝国崩壊とアタテュルクの戦争

トゥルグット・オザクマン / 三一書房

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トゥルグット・オザクマン著『トルコ狂乱』
読み終わりましたーー!!!!
アタシ、何ヵ月掛って読んだんだろ…。
いやね、面白くないわけじゃなかったんですよ。むしろ、面白かったですよ!!
けど、こんなに長く掛ったのは
①本が分厚すぎて通勤時間に読めなかったから(最も大きな理由)
 →文庫に直したら7冊くらいにはなるのではないかと思う。
②短いエピソードを無数に重ねて大きな歴史の流れを書いてあるので、
どこでもいつでも読み止められる。という安心感から、
少し読んでは止め、を繰り返してしまったから
(一つのエピソードにつき、長くて2ページ、短くて数行)

第1次世界大戦後、セーブル条約の結ばれた後のトルコを舞台に、
トルコの国土を三分割してやろうとする英・仏・伊、
英の後押しでいにしえの大ギリシャの復活をもくろむギリシャに対して、
(→希「イズミル、エフェソスはわしのもんじゃー!」)
かつかつの財政を押して、拠点を置いた内陸部のアンカラ中心に
抵抗するトルコ人たちの姿をえがいた大作でした。
長くなるのでざっくり感想は箇条書きに。

・トルコ人作家なので、なんらかのバイアスがかかっているかもしれませんが、

ケマル・パシャ超かっこいいよ…!

・イギリス、悪者だよ…!
・フランスとイタリアは通常運転だよ…!
(イタリア=時流に乗っかってみたけどあんまりやる気なし
フランス=折を見てイギリスの敵に回る)
・意外とトルコとロシアはお行儀よくお付き合いしてるな。
・日本の戦争ものってあんまり読んだことないけど、暗いイメージじゃないですか。
トルコは、どこか明るいよ。
みんなで一丸となってわーっとやってる感じです。
残虐行為は割と行われてたみたいですが。(トルコ人もギリシャ人もお互いにな)
・一応トルコの直接戦っている相手はギリシャなんだけど、本当の敵はその後ろにいるイギリスで、
実際のところ、トルコもギリシャもどっちも貧乏チックで後進国で立場はとんとんなんですよ。
なので、途中ギリシャがちょっと気の毒になってきました。
・最後は、全くの大団円で、絵に描いたような『弱者が頑張って強者を打ち負かす』、という結末なので、
すっかりトルコ人目線で本書を読んでいたワタクシ、
「ざまあみやがれってんでぃ!
見たか、帝国主義がいつまでもまかり通るとおもうなよ!」
などと、鼻息荒く思いました。乙女らしくない感想で相済みません。
ついでに、全国の大英帝国好きのお嬢さんお姉さん方にもすみません。
いや、ああいう悪役っぽいところが当時の大英帝国のお素敵なところじゃないですか、ね!


月読 (文春文庫)

太田 忠司 / 文藝春秋

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落下する花―“月読” (文春文庫)

太田 忠司 / 文藝春秋

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太田忠司著『月読』『落下する花』読了。
パラレル世界での推理物。
人が死ぬと、何かメルヘンな印がその近くにあらわれる、という並行世界での話。
その変な印(月しらべ)から、死者の最後の心の声を読み取ることのできる
能力者(月読)が今回の探偵役です。
まあ、最後の声と言っても、ほんとに単に最後に思ってた事にすぎないので、
立った一言「壁が汚れてる」だったりするわけ。
なので、結局、殺人事件を解決するのは探偵の推理力なのだった…。
ならそんな不思議設定いらんじゃないかと思わんでもないですが、
なかなか静謐な世界観が心地よく、思ったより面白かったですよ。


古事記の起源―新しい古代像をもとめて (中公新書)

工藤 隆 / 中央公論新社

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工藤隆著『古事記の起源』読了。
前述の『古事記誕生』があまりに好みだったので、遡って前著も買い求めてみました。
読み終わってからだいぶ時間がたってしまい、当時の雑感が抜け落ちてしまったので、
ぼんやり覚えていることを箇条書きに。

歌うということについて。
なんか開眼した。
「歌う→語る」が
「非日常&ハレの日→日常&ケの日」
と対応してんだな。
なんとなく、『神話が歌われるのは当然である』、と読み終わると
思い込まされているというマジックです。
確かに、普通に喋るより、歌ったり特別なリズムに乗せたりした方がより特別って感じがする。
神に捧げるなら日常と同じではいかんよな。
面白かった!!
『古事記誕生』の方で取り上げられていたエピソードと
違う部分が取り上げられてたのも嬉しいところです。
太古、神話の原型ってこんなのだったのかもなあ、と想像が膨らみました。
ギリシャ神話とかイーリアスとかは、残ってるものはもう大分
ていうかほぼ、文学作品だったり、変質したりしてるものだもんなあ。
まあ、わたしはイーリアスの文学作品としてのエンタメ完成度合いをこよなく愛しているわけですけども。


甘栗と金貨とエルム (角川文庫)

太田 忠司 / 角川書店(角川グループパブリッシング)

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甘栗と戦車とシロノワール (角川文庫)

太田 忠司 / 角川書店(角川グループパブリッシング)

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太田忠司著『甘栗とエルムと金貨』『甘栗と戦車とシロノワール』読了。
今回はハードボイルド。
主人公が高校生で、でも、寡黙ないい子で、なんだか清清しかった。
なかなか面白かったですヨ。
無愛想な依頼人との奇妙な友情が生まれる二作目『シロノワール』の方が
なんとなく好きです。
後、舞台が名古屋なので、名古屋の町並みや美味しそうなものがたくさんでてきてそれも面白い。
まあ、主人公が時々「これを食べられないなんて他地方の人は可哀想」と
作中でいうのは大きなお世話だと思いましたけども。
こういうご当地愛は微笑ましですけどね~。



……主人公の友達の直哉は絶対主人公のことが好きだと思うナ。
ひそかにホモ認定。



王妃の離婚 (集英社文庫)

佐藤 賢一 / 集英社

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佐藤賢一『王妃の離婚』読了。
何度も読んだ本なのですが、人に貸す前に再読しました。
読んでていかにこいつの文章が癖があるかを思い出した。
エロシーンが、妙に下品、ちゅうか、全体的にシモいっス。
わたしはわりと平気ですが、女の子には貸しづらい…。
でも途中、ちょうど読者が「こうなってほしい」、と期待する箇所でそれを裏切らない展開があったり、
最後がとても清清しかったりして、
下品な箇所を読んで感じた不快感とか、
こいつの女性観は一方的すぎると思って苛立った記憶が、
帳消しになるという不思議。読後感は爽やかでした。
結局、最後まで読むと、面白かった、と思うのだよなあ…。


オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

アガサ クリスティー / 早川書房

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アガサ・クリスティー『オリエント急行の殺人』読了。
これまた人に貸す前に再読。古典中の古典です。
山本やよいさんの新訳で読んだらまあ、読みやすいのなんの。
面白かったよー!
これと、誰もいなくなった、と、エヴァンズ、と、abcはほんと
推理小説のトリックの元祖だよなあ…
クリスティは偉大ですね。


二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

デイヴィッド・ゴードン / 早川書房

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『二流小説家』読了。
普通に面白かったですが、そこまで絶賛されるほどかと言われると…。
でも、ミステリー部分より、ちょっと気弱だけど善人な主人公の小説家の
その性格付けとか、売れない小説家としての立ち位置とか、
楽しみとか、悲哀とか、そういうものの方にものすごい心揺さぶられました。
わたしのような大して対人が得意でないものっそいふっつーの一般人が
本を読むって、ほんとにこの小説家自身が思ってるような動機だよなあ
などと、頷いてしまった。


最後の刑事 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ピーター ラヴゼイ / 早川書房

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ピーター・ラヴゼイ著『最後の刑事』読了。
山本やよい訳つながりで。
これも大好きな本で、友達に貸す前に再読しました。
主人公のピーター・ダイヤモンドは
禿・デブ・頑固と三つ揃えの押し出しの強いおっさんなんだけど、
芯の部分がいい奴で、刑事魂持ってて、なんとも憎めないキャラなのです。
この作者、うまいんだよなあ。
他の推理物も高い評価を得てますが、わたしはこのダイヤモンド警視シリーズが好きかな。
イギリスの温泉地バースが舞台なのも目新しくていいです。
ダイヤモンドと奥さんのステファニーが仲良しなのもいい感じ。


単独捜査 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ピーター ラヴゼイ / 早川書房

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続けて『単独捜査』も読了。
今度は日本人の女の子が出てきて、アメリカ人と共同捜査したり
相撲取りがスポンサーになったり、なにかと国際的な一冊。
日本人としては、いろいろツッコミどころ満載なんだけど、
(関取より上の人気力士の名前で「山形」とかありえんて…。シンプルすぎるやろ)
なかなか面白かったですヨ。
でっかくて威圧的なダイヤモンドと、幼い少女ナオミとのふれあいが見所。

次、続けて『バースへの帰還』を読むつもり。
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by mi-narai | 2012-12-31 16:06 | 2012年11月・12月の読書

『「古事記」神話の謎を解く』 『アラブ飲酒詩選』

『古事記』神話の謎を解く―かくされた裏面 (中公新書)

西條 勉 / 中央公論新社

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西條勉著『「古事記」神話の謎を解く』読了。
ちょうどゲームの『九龍』やってて古事記の固有名詞に聞き覚えがある時だから、
今のうちに読んでおくか、くらいの気持ちで読み始めました。
最初は古事記の書いてある文体の説明が合って、次に内容に関する考察です。
『古事記』は稗田のアレ(漢字忘れた)の口承を太安万侶が書き取った、みたいな体裁で書いてあるけど、
結局新政府が編纂した政治的な色合いの濃い書物だからな、というのが作者の考え。
(確かに、
アマテラス→ニニギの権力の移譲は
持統天皇→孫
とかぶるし、地方を平定して中央集権的な国家をまとめたばかりの日本のために
各地の伝承を上手に編集したんだろうな、というのはよく分かる)
同じ神話でも伝承をひたすらエンタメ方向に突き進めたイーリアスとは趣が
違うよなあ、などと思った次第であります。
作者は、日本書紀と読み比べつつ、編集される前の形や、どういった意図をもっての
伝承の配置なのかについて、順を追って書いてます。
作者の説に裏付けがあるかどうかはわからんし、
文中で同じことを何度も何度も繰り返すのでやや煩いのですが、
読み物としてはそれなりに面白かったですよ。丸飲みは出来んとは思いましたが。


QED ~flumen~ 九段坂の春 (講談社文庫)

高田 崇史 / 講談社

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高田崇史著『QED 九段坂の春』読了。
友達に借りて。
シリーズの登場人物たちの若い頃の話がオムニバス形式で。
読みやすかったです。
でも、結局解決しなかったり、関係ないうんちくが語られてたり
作者の押し付けがましい歴史観をごり押しされたりもします。
(いつもよりごり押しはソフト目ですが)

でもって、作中一番かわゆらしいゴリマッチョキャラ小松崎が
だいぶ不憫な目にあっててちょっと萌えました。


アラブ飲酒詩選 (岩波文庫)

アブー ヌワース / 岩波書店

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アブー・ヌワース『アラブ飲酒詩選』塙治夫編訳 読了。
古本屋で100円だったので買ってみた。
さほどアラブに造詣が深くないのでこの詩人の名前は初耳だったのですが、
アラブ世界では有名な人らしい。
ちなみに名前のアブーは「~の父」ほどの意味。本名は確かアル・ハサンだっけな。
なかなか面白かったですよ。
アラビア語で読めばもっと韻を踏んでて語彙も豊富で謡うような抑揚で
素敵さ倍増なのだろうけど、日本語でも雰囲気は味わえます。
都会で放蕩の限りを尽くす遊蕩児の自堕落ライフ、みたいな歌が多くて、
これが読まれたのが8~9世紀だということにまず吃驚します。
詩の内容が現代っぽくてしかも作者の人間臭さがにじみ出てるので、
もっと現代に近いような気持ちになっちゃうのですよね。
でも、このアブー・ヌワース、有名な、かのアッバース朝のハールーン・アッラシードの
治世の末期~彼の子のアル・アミーン、アル・マアムーンの治世に生きた人なんです。
日本で言うならちょうど平安京が始まった頃…坂上田村麻呂が東に向かった頃ッス。
西洋諸国ならイギリスはまだヘプターキー時代か?アルフレッド大王はまだ生まれてない頃。
フランスはカロリング朝かな。カール大帝とか出てきてる頃。
そうそうアルフレッドって若いころフランスに遊学してたんですよね。
カール大帝の宮廷に学びに。カロリング・ルネサンス!ローランの歌ですよ!
どうです、急に「昔!」って感じになったでしょ。
そんな大昔の時代に中東ではムスリムが酒礼賛の詩を書いて
「遊牧生活なんて古いライフスタイルさ、都会サイコー!」とか言ってたと思うと、
いろいろ感慨深いものがあります。

それはそうと、酒も男色もイスラムでは禁じられてるはずなのに、
アブー・ヌワースはどっちもおおっぴらに詩に書いちゃってますよ。
凄い詩を書いて偉い人に賞金もらっては使いきるまで飲み、それで愛想をつかされて
貧困になって他のパトロンを探す、を繰り返してたみたいですね、この人。
しかし、根底に若いころ、熱烈に愛した娘に完膚なきまでに振られたという苦い経験があって、
そのせいで女性に対するコンプレックスと不信感があったっぽいので、気の毒っちゃ気の毒です。
当意即妙で軽妙洒脱で皮肉屋でとびきり頭がきれて、その実シャイな人だったらしい。
なんか、オウィ先生をちょっと連想しました。
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by mi-narai | 2012-11-11 12:50 | 2012年11月・12月の読書

『女盗賊プーラン(上)(下)』 『オオカミと生きる』 『月光亭事件』その他

ほんとは9月の読書分なんですが、カテゴリ作るのめんどくさいので8月分に入れといてください。


女盗賊プーラン〈上巻〉

プーラン デヴィ / 草思社

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女盗賊プーラン〈下巻〉

プーラン デヴィ / 草思社

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プーラン・デヴィ著『女盗賊プーラン(上)(下)』
これまた職場の同僚に貸して貰ったもの。
大体のあらすじは知ってたので、途中の悲惨な目に遭ってる部分で
読んでるこっちまでつらくなるんじゃないだろうかと思って、
これまで読むのを敬遠していましたが、気にはなっていたのですよね。
貸してもらったのもなんかの縁かと思って観念して読みました。

1巻の前半は、もう、ものすごい勢いでフラストレーションが溜まります。
インドのカースト制って厳しいわ…。
日本社会も大概息苦しいところがあるよなと思ってましたが
(でも全体的には嫌いではないっスよ。母国だしな)、
ソレとは別種の息苦しさがここに。
小さな村の中で、ほとんど教育も受けず従ってその村の中のことしか知らないまま、
やりたい放題やる厚顔無恥で欲深なやからに虐げられて暮らすって、
考えただけでつらくなりそうです。
もともとそういう社会に住んでてそういうものだと思ったら
多少は慣れもするかもしれんが…いや、やっぱ嫌なものは嫌だよな。
普通に通りを歩いてただけの女の子が
カーストがちょびっと上なだけで生殺与奪権をまるまま握ってる若造どもに
白昼堂々レイプされて、でもどこにも言えず泣き寝入りし、
まともなおうちに嫁にいくあてもなくなり、
文句言いに行った両親が逆にそのお家の主人に殴り殺されてしまうんだけど、
それでもどうしようもない、法も助けてくれないって
どんだけ理不尽なのさ!!!
(しかもこの理不尽なしうち、主人公の知り合いの話で、
こんなエピソード珍しくも無く、主人公はもっと悲惨な目に何度も遭うんですよ)

で、そんな目を疑うような仕打ちがこれでもかと続いて
まあ、読んでるこっちまでモヤモヤするのはそうなんですが、
最初予想したほどでもなかったのは、
思うに主人公が一貫して怒りを持ち続けていたからだと思うんです。
くじけて絶望して自分を責めさいなむ方向へ進むと、読者もどんよりしますが、
この物語の主人公の場合はひどい目にあっても、嘆くけど、怒ることをやめない。
で、1巻最後辺りでどんでん返しがあって、何でか盗賊団にさらわれて
恋っぽいものも経験し、団員になって、今度は主人公が
虐げた奴らを虐げ返すだけの暴力を手に入れるわけ。
なわけで、上巻後半から下巻前半の復讐の辺りはたいへん気持ちよかったです文明人らしからぬ
感想でスマン。
しかし、女性をレイプしたアホどものあそこを叩き潰していくくだりは
本当にスッキリしました。ズボンの股が血に濡れて云々みたいな生々しい記述もあったけども。
わたくし、割とハムラビ法典の支持者ですもの。
女性たちが味わった苦痛をそっくりそのまま味わってもらったらいいと思います。
で、下巻では恋人が死んで、警察と司法取引をして刑務所に入ったくだりが
淡々と続いて、出所した辺りでラスト。
しかし、この主人公はものすごい運命の変遷で反撃する力を手に入れたけど
大体の人は泣き寝入りだもんな…。ソレを考えると気が重いです。
まあ、プーランの姉や妹みたいに、いい旦那さんにとついでそのまま幸せになる人もいるんだろうけど。

本自体は読みやすかったです。3日ほどで読み終えました。
貸してくださった同僚の方は主人公が強くて勇気を貰うと仰ってましたが、
ワタシは自分が頑張ろうというよりは、なんか社会について考えてしまいましたよ。
それに、強い、というのかなあ…あれは。単純さはある種の強さではあるとは思うのですが、
人の思慮深さとか折れない強さとかでなく、野生の生命力みたいなのを感じました。
なんというか、よく小説とか少女漫画で出てくる
「落ち込むよりは怒ってる方が生きる力が湧く」とかなんとかいうあの台詞が
ものすごい実感として感じられる本でした。


オオカミと生きる

ヴェルナー フロイント / 白水社

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ヴェルナー・フロイント著『オオカミと生きる』読了。
以前古本屋で購入して積んであったやつ。
読んでみました。
一番の感想を述べます。


おっさん、よっぽどオオカミ好きなんやな…!!!



このドイツ人のおじさん、研究の一環としてだけど、
ドイツ郊外に囲いつくってそこにオオカミの群れを離して、
そこでアルファオオカミとして暮らしてますよ…!!
これが動物行動学の方法なのか!!
イロイロ驚いたけど、まずは、人間がアルファオオカミとして君臨できるもんなんだな、
ということに素直に感心した。
軍隊に入ったこともある腕っ節のある人間なら大丈夫なんだな…
(仲間だと思われてる限り獲物に対するような致命的な攻撃は無いとは言え、
順位争いには容赦なく巻き込まれ、時々取って代わろうとする若手に攻撃されてますよ)
めちゃめちゃオオカミ目線で述べてあるので、へー、と目から鱗の落ちることが多かったです。
当たり前だけど、オオカミの世界もシビアだなあ…。
アルファの雄と雌しか番えないとか、知ってはいましたけど
これってつまり、アルファ以外の雄雌オオカミは
生涯純潔を守ったまま生きていくわけですヨ!!

聖 人 か (C・ローマじいちゃん)

後、順位争いが激しいとかさ。
その順位は体の強弱で無しに、生まれ持った強気さで決まるとか。
(人間もそういうとこあるよな)
描かれているいろんな事が大変興味を持って読めました。
このおっさん、ヨーロッパオオカミの他、シンリンオオカミとホッキョクオオカミの群れの囲いも
観察してるんだけど、野生では人とほとんど触れ合うことの無いホッキョクオオカミが
一番性格的に穏やかでのんびりしてるんですって。
(このことからもヨーロッパオオカミがどれほど人間に迫害されてきたかが知れる)
その部分のホッキョクオオカミの記述でちょっと和みました。
ああ、どうして日本オオカミは滅んでしまったのかしら…


歴史学の名著30 (ちくま新書)

山内 昌之 / 筑摩書房

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山内昌之『歴史学の名著30』読了。
ラインナップにヘロドトスとトゥキディデス(後『ガリア戦記』と『アルファフリー』)
があったから買い求めてみた。
この方のご専門って、イスラム関連じゃなかったかなと思うのですが、
その他の歴史本も沢山お読みになっていらっしゃるのだなあと感嘆いたしました。
(個人的にはもっとイスラミックな書物をバンバン紹介してほしかった、ぜ…)
1冊分を少ないページ数でさらっとまとめていらっしゃって分かりやすかったですよ。
正直言って日本史と中国史にはほかの地域ほどの情熱は湧かないけど、
それでもちょっと『漢書』とか読んでみたくなりました。読まないけど。
ああ、後、ブルクハルトのイタリア関連の本も読んでみたい。こっちはいつか。


月光亭事件 (創元推理文庫)

太田 忠司 / 東京創元社

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太田忠志著『月光亭事件』読了。
シリーズ5冊を古本屋で大人買いしてみました。
とりあえず、その1巻目。

語り手の職業探偵が40代のおっさんなのにちょっと忍耐が足りなくて若干苛々しましたが、
(ちょっと馬鹿にされたくらいでいちいち反応せずにスルーしてください)
探偵役(トリック解決役)が12歳くらいの小学生と目新しく、
これまた素直なやさしい子なので、その点はポイント高かったです。

全体的な雰囲気としては、ちょっと昔のオーソドックスな推理もの、といった感じ。
探偵、豪邸、密室殺人、と三拍子揃った古き良き時代の推理小説です。
最近の新本格とか期待して読んだらあかんよ。
でも様式に則った古き良き推理物が好きな人には良いかも。
今のところ可もなく不可もなく名感じなので、続きも読んでみるつもり。


幻竜苑事件 (創元推理文庫)

太田 忠司 / 東京創元社

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『幻竜苑事件』読了。
のっけに、語り手のおっさんが、小さい女の子相手に大人げない態度に出たので(またかよ!)、
おっさん!ええ加減にさらさんかい、ちいちゃい男やのう!
と思ってたんですが、後でその女の子にちゃんと謝ってたのでよしとする。
探偵役の俊介くんのかわいらしさは相変わらずです。
この子、清々しいわぁ…・


夜叉沼事件 (創元推理文庫)

太田 忠司 / 東京創元社

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『夜叉沼事件』読了。
登場人物にすっかり馴染んだ3冊目。
おっさんのお堅い性格にも慣れてきて、なんとなくこうでないと物足りなくなってきました。
三○先生みたいな人だと思えばいいのよね。
1日で読み終えてしまいました。
真相にはわりと早目に気づいたことだけが自慢です。


玄武塔事件 (創元推理文庫)

太田 忠司 / 東京創元社

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『玄武塔事件』読了。
これまた1日で読み終える。
今度はメンバーの一人、喫茶店ウェイトレスのアキちゃんが
友人二人と海辺の村へバカンスに行って巻き込まれた
旧家の確執と古びた屋敷と殺人事件。
嵐が起こって交通手段がたたれ、村が陸の孤島と化すのもテンプレートどおりです。
今回は、脇役たちの恋模様が気になって仕方ありませんでした。


天霧家事件 (創元推理文庫)

太田 忠司 / 東京創元社

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『天霧家事件』読了。
なんと、探偵役の俊介君が、夏休みのサマーキャンプに行っててほぼ出てきません。
なので、サポート役の野上さんが一人で事件を受けて、一人で解決する、という異色作。
野上さん、ひとりでも出来るやん!と思った一作でした。
ハードボイルドタッチで意外と面白かった。


深淵のガランス (文春文庫)

北森 鴻 / 文藝春秋

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北森鴻著『深淵のガランス』読み中。
友達に貸してもらったので。
語り口調が固すぎてかっこつけすぎてて息苦しくなりそうな感じです。
裏社会の人ばっかり出てくるしさ、
いや、ワタシが著者の美学の猛プッシュについていけないのよね
つまりそれは自分もその傾向があるからで、要するに同族嫌悪、
お前も(方向性は違えど)かっこつけすぎとるからじゃと。
自業自得なのであります。ほんと、気をつけよう。
これをさらっと読める友人は心のきれいな人なのですよ。
まあ、とにかく読んでてものすごいしんどい…。
でも、絵画修復の手順とか事件とかは面白いです。
今、短編3篇のうち2篇目が終わりそうな当たり。
たぶん、登場人物に慣れてきたら楽になると思うので、
ワタシ、がんばります!(後一冊借りてるのです)



以下、映画
ネタバレはしてないと思うけど、まだ放映中なので畳んでおきます。
 

『るろうに剣心』感想
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by mi-narai | 2012-09-30 15:19 | 2012年8月の読書

『ミレニアム3』 『はじめての民俗学』 『アーティスト』 『ヒューゴの不思議な発明』

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

スティーグ・ラーソン / 早川書房

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『ミレニアム3 狂卓の騎士(上)』読み始める。
とんでもない2巻のラストからの続き。
続き、といっても、やはり2巻のメインテーマだった事件は一応ケリが着いており、
3巻はまた目先を変えた展開になりそうな予感です。
最初の辺りはリスベットがほぼ動けなかったり、
新登場人物の紹介があったり、相変わらずのスロースタートですが、
今回は思いがけない展開が割と早目に起こって、ちょっとびっくりさせられます。
上巻の最後の辺りの今現在は、リスベットがいつもよりはひどい目に遭ってない感じなので、
このままあまり不幸に出会わずに下巻を乗り切って欲しいと、もう、願いはそれだけです。
ちなみに3巻上下はスパイ大作戦な感じ。
シリーズ通じて、出てくる男性は半分は普通の善人だけど、半分はろくでなしのカスです。
そんなアホは早急に滅ぶべき。
登場女性は大体が個性的で素敵な方ばかりなんですけどねえ。
アホどもが3巻の下巻の最後でちゃんとギャフンと言ってくれたらいいなあ。


ミレニアム3  眠れる女と狂卓の騎士(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

スティーグ・ラーソン / 早川書房

スコア:


『ミレニアム3 狂卓の騎士(下)』読了。
今回も一気読みしてしまいました。
今更言うまでもないことを言っても良いでしょうか。

面白かったです!

1巻が古典的本格ミステリー調だったのに対し、
2巻は警察小説、3巻はスパイ大作戦でもって法廷もの。
2巻はハラハラしながら読んで、
3巻はワクワクしながら読みました!

3巻で2巻からひっぱってきた事件はきれいに片がついたんだけど、
主人公二人の関係とか、リスベットの成長とか、
これからまだまだ発展しそうだったのに、
本当に、本気で、作者の急死が悔やまれます。
続き読みたかったよー!!


はじめての民俗学: 怖さはどこからくるのか (ちくま学芸文庫)

宮田 登 / 筑摩書房

スコア:


宮田登著『はじめての民俗学 怖さはどこからくるのか』読了。
まずは、日本の民俗学がどのように発展してきたかという、流れからスタート。
定石どおりです。
で、柳田國男が『遠野物語』を書いたのは明治時代だったと知ってちょっとびっくりしました。
よくよく考えたら、そのくらいの時期の方が民間伝承もたくさん残ってただろうし、
作者の生年月日から言っても全くおかしくは無いんだけども、
未だに『遠野物語』って各出版社が夏になったらやり始める
販売促進イベントの一環としての夏向けの読書用文庫100冊とかのラインナップに入ってるからさ。
そんなに古いイメージが無かったんですよね。

続いて、田舎の伝承から都市伝説まで、主に怖い話中心に語られてました。
口裂け女とか、久しぶりに聞いたわ~!

最後のあたりで、新来の神が伝播する時には、歌舞音曲が伴う事が多い、
みたいに書いてあって、もちろんそれは日本の明治ごろの流行神に関する叙述だったのですが、
それを聞いて真っ先に連想したのは

ディオニュソス

でした。
そういやローマ時代のキュベレーとかイシスとかも楽器かき鳴らして伝道してたんだっけか??
うろ覚え。
新しく入った神がそんな感じに派手派手しいのはいつの時代もどの土地でも
似たようなもんなのかしら、と思いました。



映画

見てない方にはネタバレになるかしら、とも思ったんですが、
結末が分かって駄目な類いの映画でもないし、一般上映も大分前だしで、
もう、畳まない事にしました。
でも、ちょっとだけ下げとくなー。














久々に映画に行ってきました。
『アーティスト』と『ヒューゴの不思議な発明』の二本立て。
この映画館に来たの、前回の『ジェイン・オースティン』と『ある晴れた日に』の二本立て以来です。
この映画館安いんだけど、必ず二本立てだからどちらも見たいってのに
なかなか当たんないんだよな~。
しかも、おじちゃん(多分経営者)の趣味でチョイス&カップリングされてるからしっとり系が多いしね。
(ちなみに次回のラインナップは『おとなのけんか』と『ヘルプ』。
これもちょっと面白そうではあるんだけど。)


『アーティスト』
結論から申しますと、

ジャン・デュジャルダンの笑顔にノックアウトされました。

この人、写真だけ見たら、別にさほどハンサムでもないし、
ふっつーーーーの顔なんです。
でも、笑顔が超好みだったの!
まず、ちょっと可笑しそうな顔になって、
その後、楽しくてたまらないみたいに、顔中に笑顔が広がるんだけど、
それが本心からだと観客に信じさせるような、
見てる方まで楽しくなりそうな笑顔なんですよ。
(例えば、K川景子さんとか、ああいう顔なんだろうけど笑顔が作り笑いにしか
見えない人っているじゃないですか。そういうのと真逆なんです。
スポーツ選手が、力を出し切って勝ったときの、
体の中から喜びがあふれ出た!!みたいな笑顔なの。)
役柄も、大御所のサイレント役者のはずなのに、茶目っ気があってカワユらしい。
後半に入ると大分落ちぶれるんですが、不遇な境遇にあってもどこかお育ちの良さを感じさせる
坊ちゃんキャラで、そのキャラクター設定も意外とツボでした。
相手役のぺピー(役名)がまた可愛いの!
元気で陽気で善良で、投げキッスは全速力!
二人のカワユらしさにハァハァしながら見たので個人的にはとても楽しかったんだけど、
他の人がどう思うかにはまったく確信が持てません(キッパリ)。

サイレントだからそんなに複雑な筋は立てられないし、色々と制約があるんだけど、
その制約があるからこそ為し得ている表現などが大変鮮やかで
おお、こういうのならサイレントもいいなあ、などと思いました。
しぐさとか、視線一つでその人物の感情がこうも表現できるものかと感心したヨ。
後、サイレント役者が落ちぶれる一方、彼が目をかけた若手女優が
トーキー役者として駆け上る、というあらすじから
ド・暗い展開を想像してたら、そこまででもなかった。
(確かに後半、これでもか、というくらい落ちぶれるけどね。)
キュートな映画でした。

しかし、見てる間はすっかり忘れてたけど、これってフランス映画なんだよな。
うむむ、そんなにフランス映画見慣れてるわけじゃないけど、
大体見た映画には毒があって、あるいはけっこうコテコテで、
好き嫌いが分かれそうな感じだったんだけど、
これはいい意味で古き良き時代のハリウッド映画って感じだった。
なんか、そのあたりもよくよく考えるとすごいなと思いました。



『ヒューゴと不思議な発明』
時計塔に住んでる少年がオートマータの秘密をめぐって冒険する、
みたいなあらすじを読んで、ファンタジーかと勝手に思っていたら
そうではなかった。
普通に古き良き時代の話だった。
時代的には、『アーティスト』のちょっと前のサイレント中興時代かな。
途中中だるみしたように感じたし、
このシーンはもっと巻いていかれへんもんかとも思ったし、
しかも予想と違う方向へどんどん突っ走っていき始めたので、
どうしようかと思ってましたが、

最後は老人が報われたので良かった(なにその結論)。

わたしは善良な老人の味方です。ええ。
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by mi-narai | 2012-09-08 23:27 | 2012年8月の読書

『世界神話事典 創世神話と英雄伝説』 『ミレニアム』 『イブン・バットゥータの世界大旅行』

世界神話事典 創世神話と英雄伝説 (角川ソフィア文庫)

角川学芸出版

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『世界神話事典 創世神話と英雄伝説』読了。
読み始めてから気づきましたが、『世界の神々の誕生』よりこっちの方が先なんですね。
序文が載ってた…。
『世界の神々』の方は、神話を地域別にまとめたもの、という感じでしたが、
こちらの『創世神話』の方は、神話をテーマ別にまとめたもの、といった体でした。
これまた色々と興味深かった。
異類婚とか、異界への旅とか、どうだ!面白そうだろう!!
でも、一番印象に残ったのが愛媛県の由来だったり…。
(『古事記』に伊予の国の別名はエヒメという女神だ、てなことが
書いてあるらしくて(ちなみに、四国それぞれに、女神と男神がいる。)
ああ、廃藩置県で愛媛って県名つける時ここから取ったのか!という驚きと、
『古事記』の昔から四国は四国だったのだな!!!という驚愕と
二重にびっくりしましたよ。すごい、歴史の古い土地なんだなあ…)

歴史が古いといえば、某N○Kの『大英博物館』のドキュメンタリーシリーズの3作目、日本の古墳の回、
エジプトとか、ギリシャとか、軒並み昔の建築物が、遺物扱いなのに、
日本の古墳は宮内庁のお達しで立ち入り禁止とか、

未だに墓扱い、だと…!?

と改めて驚愕しました。そりゃものはピラミッドほど古くはないけど、
その代わり、日本の場合断絶せずにずーーーーーーーっと歴史が繋がってんだなと、
震撼した。これまでなんとも思わなかったけど、ちょっとすごいな…!!


ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

スティーグ・ラーソン / 早川書房

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『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(上)』読了。
北欧、暴力がひどすぎる…!

いきなりすみません。
いや、前回読んだカミラ・レックバリの『氷姫』もDVとか性犯罪とか
出てきてた気がしたので…。
これだけ見たら北欧の男はみんなろくでなしみたいに思えてしまうけど
多分、多かれ少なかれアホたれはどこにでもいるんですよね。きっと。
あと、前回のスウェーデンミステリーでも思ったけれど、
北欧の人、激しいな(エロ方面が)と思いました。
いくつになっても女性が求められるのはある意味素晴らしいのかもしれんな。

シモい話はさておいて、内容の方ですが、
肝心の、横溝ばりの、“古い一族の確執、孤島の殺人、因習”みたいな本題に入るのが
1巻目の半分を過ぎた頃なので、そこに行き着くまでがなかなか大変ですが、
ミカエルとリスベットという主人公二人が出会ってからは加速度的に面白かった。
この勢いのまま下巻に突入したいと思います。


ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

スティーグ・ラーソン / 早川書房

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『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(下)』読了。
相も変わらず、ところどころに暴力描写が。
(こんどは男の人もひどい目に!!)
けど、読みながら、単純に北欧の暴力がひどいのかというとそうでもなく
(男女間の体格差は大きそうですが)、
それに触れてもいい社会的なバックボーンがあるからこそ
おおっぴらに問題として取り上げる、という側面もあるのかな、などと思ったり。

しかし、これだけ途中目を覆いたくなるような犯罪が挟まれるのに、
下巻を最後まで読むと、意外にも清清しい読後感だったり。びっくりです。

面白かった!

ワタシ、すっかりリスベットのファンになってしまいました。
彼女は泣き寝入りしませんよ!!やったれ!!!

とりあえず、1の最後で2に続いていきそうなネタは仕込まれてますが、
1巻の最大の謎であった事件はきれいに解決するので、
文庫6巻一気に読むのは辛いという方はとりあえず1巻上下を読んでみてください。
原題は『女を憎む男たち』らしいので、覚悟を決めて読むべし。
途中の描写にくじけずに、最後まで頑張れ!

ワタクシ自身はというと、口直しに軽めの他の本を読んで、
その後おもむろに2巻に取り掛かろうと思います。



高田崇著『カンナ』読了。
友達が貸してくれたので。
他シリーズの『QED』は、探偵役のたたるさんが鼻についてたので、
今回のちょっととぼけた感じの主人公は意外といいかも。
でも、相変わらず歴史部分は面白いけど、ファンタジーなので、
読んでもまるまま信じないようにね!


イブン・バットゥータの世界大旅行―14世紀イスラームの時空を生きる (平凡社新書)

家島 彦一 / 平凡社

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家島 彦一『イブン・バットゥータの世界大旅行―14世紀イスラームの時空を生きる』
こないだジュバイルの旅行記を読んだので、その流れて本書も読み進み中。
おおお、なかなか面白いですよ!!
イブン・バットゥータの『三大陸周遊記』を訳した方が、
紙面がなくて説明できなかったあれこれを、その時代背景からなにから丁寧に説明した副読本のようなもの。
当時の汎イスラム的な広域のネットワークがおぼろげに分かり、わくわくします。
ホント、この時代のイスラム世界って、かっこいいよなあ…。
とりあえず、続きを読みます!


数日後、読了。
面白かった。いやはや。
マルコ・ポーロの東方見聞録と同じで、本人が帰ってきてから思い出を頼りに
口述筆記で書かせたものなので、若干記憶のあやふやな部分(推定)とか、
話を膨らませて面白おかしく語ってるとことかあるけども
(特に、東南アジア以東が怪しい。ほら話的な様相を呈してる)、
逆に、記憶だけでようもここまで正確に覚えてたな、という部分もあり、
本気でイブン・バットゥータの『三大陸周遊記』(本編の方)が読みたくなりました。
ちなみに、前回読んだイブン・ジュバイルの旅行記の方は、
旅日記をつけてたから記述が細かで正確っぽい。
バットゥータさんも、最初は日記つけてたらしいんだけど、途中何度も
盗賊に襲われたり嵐にあって九死に一生をえたりしてるうちに、
手荷物も何もかも失っちゃったらしい。
その状態でも、旅が続けられるあたりが、当時のイスラム・旅行ネットワークのすごいところです。


イタリア使節の幕末見聞記 (講談社学術文庫)

V.F. アルミニヨン / 講談社

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V・F・アルミニヨン著『イタリア使節の幕末見聞記』読み進み中。
古本屋で100円ほどで売っていたもの。
ロシア人とか、イギリス人の幕末見聞記は良く名前を聞くけど

「えっ、イタリア人!?」

とびっくりしたので買ってみました。
幕末、めちゃくちゃ商業販路拡大目的で日本政府と条約結びに来たイタリア公使の旅日記。
当時のイタリアってヴィットーリオ・エマヌエーレの治世だったのね。
名前に聞き覚えあるよー!!確かこの頃ようやっと全国統一できたのよね、イタリアって。
そのせいか、他の植民地支配を目論む西洋諸国と比べて
日本&日本人に比較的同情的です。西欧至上主義思想には毒されてるけどな。
このアルミニヨンさん、公使である前に、エンデミオン号の艦長で、
艦長好きのわたしには二度美味しい仕様です。
上からの通達で作戦行動とったり、補給したり、上陸したがる船員たちを押し留めたり、
なんか、どこの艦長も似たようなシステムで似たような苦労もって動いてるんだなあと。
今、横浜から江戸に行ったとこ。
確か、フランスが幕府側に近くて、イギリス側は倒幕藩と連絡とってるんですよね。
ちょうどそんなわけでアルミニヨンさんが横浜に着いたとき、イギリス公使パークスは
長崎方面に行ってて留守でした。(そのことは幕府の不況を買ってる)
アルミニヨンさんはもっぱらフランス公使に頼ってますよ。
ちなみにこの時期日本にはアメリカ公使とオランダ公使も居たみたいですね。
この二国って幕末のドラマなどではあまりスポットが当たらないので、
ちょっと言及されてるのが新鮮でした。

日本人については、
アルミニヨンさんの対応に当たったお役人たちは、割と頑張ってる。
庶民については、勤勉で大多数の人は貧乏そうだけどお互いに助け合ってるから
なんか、他の国の貧困層みたいな悲惨な感じはせず、幸せそう、みたいに書いてある。
しかし、衣服をめったに洗わないから不潔、というのは、

イタリア人にはいわれたくねーよ。

後、外国人相手の商人が、値段ふっかけて、結局半額くらいい売り逃げる、みたいに
書いてあって、昔は日本もそんなんだったのか、と、ちょっと驚きました。



数日後、読了。
最後の辺りは西欧至上主義キリスト教絶対視丸出しの物言いが目立って若干腹が立ちましたが、
全体的に、日本見聞記と海軍日記を混ぜたみたいな感じで面白かったです。
日本が幕府による長州攻めとか色々やってた裏側で、
イタリアはイタリアで隣国のオーストリアVSプロイセンの戦争が勃発しそうな欧州情勢に
ハラハラしてたみたいですね。
極東で勢力が強いのはイギリスとフランスで、
オランダ、イタリア、アメリカの傍観っぷりがパねぇ…(ゴクリ)
当事者より、ちょっと脇から眺めてる、位のスタンスが好きなので、
そういう意味でも面白い読み物でした!


ミレニアム2 火と戯れる女 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

スティーグ・ラーソン / 早川書房

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『ミレニアム2 火と戯れる女(上)』読み始める。
序盤は、前作の1年後のそれぞれの状況なんかが語られて、スロースタートな感じなんですが、
1巻の真ん中過ぎた辺りで急展開があってハラハラして目が離せなくなり、
一気に読み終わってしまいました。
うう、読んでて悪い予感で胸が痛くなるなんて久しぶりです。
多分、読みながらものすごい形相してたろうなあ…。

次ィ!


ミレニアム2 火と戯れる女(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

スティーグ・ラーソン / 早川書房

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『ミレニアム2 火と戯れる女(下)』
あっという間に読了。
1巻から出てくる、ファステという刑事がもうウザくてたまらん。
このセクハラ親父めが、あー、もう、イーっっってなるわ!!!

それはさておき、上巻の真中辺りから始まったハラハラ展開が
そのまんまのイキオイでもって持続、ずーっとハラハラしどおしです。

読むのをやめられない…(ガクブル)

ものすごいスピードで謎は解け、話は超ド級で展開し、あれよあれよという間に驚愕のラストへ。

これで、すぐに『ミレニアム3』を読むこと確定です。
(つづきーー!!!!ってとこで終わってたの)

ところでこの作者自身にも色々逸話があるみたいですね。
そのうち最大のものが、5部まで考えてたけど、3部書いたところで急死したということ。
(当然、この本がこんなに売れた事も知らない)
続きがあったなんて!!
読みたかったなあ!!!!
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by mi-narai | 2012-08-15 20:18 | 2012年8月の読書

『ルー=ガルー』 『平安妖異伝』 『感覚の幽い風景』

『現代政治学入門』読み終わったー!
入門、と銘打ってあるとおり、これから政治学を勉強しようという学生のための
各教科の研究の詳細と手引き、みたいな本でした。
作者はイギリス人だからか、アメリカ式のデータをそろえて分析する方式の
政治学には若干批判的で、歴史関係からひも解いていくやりかたを推薦してる感でしたが、
政治学とは何かということが平明に述べられていて良かったのではないかと。
(大体忘れたけどな!)


分冊文庫版 ルー=ガルー《忌避すべき狼》(上) (講談社文庫)

京極 夏彦 / 講談社

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分冊文庫版 ルー=ガルー《忌避すべき狼》(下) (講談社文庫)

京極 夏彦 / 講談社

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京極夏彦著『ルー=ガルー忌避すべき狼』読了。
友達が貸してくれたので文庫版で読みました。
近未来が舞台です。
人との関りや生とのふれあいが希薄で
雑多なもの(雑菌含め)を極力排除した世界で
起こった連続殺人を軸に少女たち(別ルートで大人たち)が
非日常に巻き込まれて(その過程で付随的に色々目を開かれて)行く話。

最初は世界設定だとか登場人物の淡白すぎる言動だとかに慣れるだけで手一杯で、
上巻の真中あたりまでは読みながら何度も寝そうになりましたが、
上巻の終わりあたりから加速度的に面白くなってきて、
下巻は一気読みしてしまいました。

殺人の動機に対する作者の意見、とかは、『魍魎の函』を思い出した。
いや、それにしてもこの本、
ここでこういう展開が来て欲しい!という読者の要求に
ぴったり物語のクライマックスが沿ってたというか、
ある種の爽快さがあってさ。(この読後感、佐藤賢一に似ている)

美緒ちゃんが好きだ。(いきなり)

いやあ、最後の辺りは気持ち良かった!ワクワクしました。

ちなみに、真相には、タイトルと世界設定から薄々気付いてはいたけど、
下巻の3分の1辺りで確信しました。
ちょっと「え?わたしって意外とかしこ?」などと一人悦に入りました(アホです)。

続きの2巻も借りてるので、1巻を忘れないうちに読むつもり。


分冊文庫版 ルー=ガルー2 インクブス×スクブス《相容れぬ夢魔》(上) (講談社文庫)

京極 夏彦 / 講談社

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分冊文庫版 ルー=ガルー2 インクブス×スクブス《相容れぬ夢魔》(下) (講談社文庫)

京極 夏彦 / 講談社

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数日後、2巻も続けて読了。
今度は前作で脇役としてちょろっとだけ出てきてた律子という女の子が語り役です。
前作の葉月ちゃんよりよほどしっかり者なので、
読んでる方もさほどストレスなく先へ進めます。
なによりテンポが良い。この子の関西弁は若干おかしいけどな。
(作者が不案内、というよりは、未来であることを見据えた上でわざと現在の関西弁より
標準語に近くなっている関西弁を話している、という可能性が濃い)
途中、律子が、メールより対面して話すほうが安心する、と述べるシーンがあるんだけど、
それにはものすごく共感しました。
メールとか書面とかのやり取りのほうが圧迫感は少ないんですが、
その代わり相手が自分の言葉を誤解してても分からないんですよね。
その点、顔を見て話すと、修正が効きやすいと。
それに、特に謝罪する時とか、面と向かって意を伝えることを尻込みする自分を
自覚してしまうと、却ってむきになっちゃったり。あほだよなあ。
それはさておき、

今回も面白かった!

まさか1巻のあの事件にそんな真相が!!
本編の方のネタはよくよく考えてみると笑える方向でおかしいのだけど
そのことをズバリ美緒ちゃんが言ってて、にやりとしてしまった。
後、歩未ちゃんの人外ぶりは異常。
中年の元刑事と美人元カウンセラーはくっつかないのかしら。


平安妖異伝 (新潮文庫)

平岩 弓枝 / 新潮社

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平岩弓枝著『平安妖異伝』読了。
平安時代を舞台に、藤原道長と少年楽師真比呂がさまざまな怪異(楽器関連)を
解決する、という短編集。
いや、これがなかなか面白かったのですよ。
さすがベテラン、文章がくどくもなくあっさりしてて
おまけに道長は男前!
いろいろな楽器についてさらっと書いてあるのも楽しかったです。


感覚の幽(くら)い風景 (中公文庫)

鷲田 清一 / 中央公論新社

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鷲田清一著『感覚の幽い風景』読了。
職場の元同僚が、なんども「こいつは何が言いたいかよく分からん」と
眉をしかめて言ってましたが、確かにところどころ頑張らないと
作者の意図がつかみづらい箇所なんかがありました。
でもそれは私が抽象的な事についての思考が未熟、かつ哲学的な書き方に
不慣れなせいで、清ちゃんの文章はとてもきれいな日本語だと思うんだよなあ。
普段何気なく考えてる、「五感」、触れたり見たり聞いたり、そういった、
言葉になる以前のなにか説明しづらい感覚というものについて、
その場面場面について、踏み込んで書いてある本。

これまで何も考えずに行っていた動作のアレコレを違った目で見てしまいそうになります。


今は『アステカ文明の謎』を読みかけてます。


多読
ケイ・ヘザリの『American Pie』(レベル4かな)
ハンバーガーの方が結構面白かったので、続けて他のエッセイも借りてみた。

アメリカ人は学校で個性的な人になりなさいと教わるとか、
日本食大絶賛とか、どうも日本人にはアメリカ人男性はフェミニストだと思われてるみたいだけど
全くそんな事ないぞコンチクショウ!とか、色々コメントが面白いです。
テキサスからNYに出てきたとき訛が気になって一生懸命直したとか、
どこでも事情は一緒やねんなあなどと。
違ってるところも同じところも面白い。


映画

『シャーロック・ホームズ』
1の方。
おお、思ってたより全然面白かった。
こういうのもアリかな。けっこうガイ・リッチー好きだったりします。

『情婦』
いわゆる、アガサ・クリスティの『検察側の証人』
騙された―!!

しかし、「証人」と打とうとして「商人」と変換してしまうわたしのマイ・パソコンよ…


『アメトーーーク』DVD
徹子の部屋芸人が最高でした。
徹子さん…!!
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by mi-narai | 2012-04-14 21:10 | 2012年4月の読書