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『要塞島の死』 『エトルリア学』

要塞島の死 (創元推理文庫)

レーナ・レヘトライネン / 東京創元社

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レーナ・レヘトライネン著『要塞島の死』
自称小柄(身長165センチ)な女刑事マリア・カッリオシリーズの3作目。
前回、妊娠10ヶ月目くらいだった主人公、今作では子供がもう
1歳になってます。

ちょうど、1年の育児休暇が終わって仕事に復帰したところからスタート。
やっぱり育休とか女性が働くことについて伝統的な価値観との対立とか
保守的な男性陣からの反発があったんだな、とか
相変わらず、フィンランドの子育て、すげぇな…(授乳中も酒飲んでるぜ!)とか、
北欧の小説は男女関係が赤裸々だよな、とか、
サウナの登場率半端ねぇ!とか、
フィンランドの名前が面白すぎる!とか、
読みながら本編とは関係ない所に色々ツッコミましたが、
本篇も意外と面白かったですよ。
ヘルシンキ沖の小さな島で起こった事故が発端となって、
エコ実業家一家の内情、社長の死、同僚の問題、いろんな要素が絡まって
終盤は一気に事件の解決へ。
今回、犯人は割と早めに察しがついたんですが、この小説の肝はトリックでなく、
犯人像に迫る推理に主人公の日常とかその時その時考えたこととかが肉薄して
なんか、主人公の目を通して自分もそこにいるような臨場感があるところだと思います。
疲れて帰ってきてまとわりつく子供にイラっとする自分に凹んだり、
旦那以外の男性にときめいて「や、まあ、鑑賞するだけだしいっか」と思ったり、
昔の自分を思い返して穴に入りたいような羞恥心を感じたり、
わりと等身大のヒロインですよ。

今回も楽しく読み終わりました。続きはよ!


妖奇庵夜話 人魚を喰らう者 (角川ホラー文庫)

榎田 ユウリ / KADOKAWA/角川書店

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榎田ユウリ『妖奇庵夜話 人魚を喰らう者』
借りたので読みました。
BLっぽいラノベ第3弾。流石に3冊目になると登場人物にも慣れてきて
結構楽しく読み終わりました。
またお前か!とか
なぜBLで書かなかったー!とか
いろいろツッコミどころはありますが、とりあえず脇田が可愛いから良い。


QED 伊勢の曙光 (講談社文庫)

高田 崇史 / 講談社

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QED最終巻。これもお借りしたもの。
とうとうQEDシリーズも最終巻ですよ。
相変わらずこの作者の民族学的考察にはツッコミどころ満載ですが
語り手の奈々ちゃんと探偵役のタタルさんがうまくいったから全て許します。
ここまで長かったなぁ…


エトルリア学

マッシモ パロッティーノ / 同成社

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『エトルリア学』
たまたま本屋で発売されているのを見つけてしまったのが運の尽き、
買いましたとも!当然ですとも!!だってエトルリアだもの!!!
1冊まるまるエトルリアについて書いてある本なんて、しかも啓蒙書じゃなくて
ちゃんとした学術書なんて、そうそうないですよ!
これは買うしかないじゃない!
そんなわけで、買って、大事にカバーを2重にかけて、今現在舐めるように読破中。
本当にまじめに学術的に書いてあって、しかも半世紀前のイタリア人の
学者先生の著作なので、語り口がものすごく回りくどく、
その上、概説書と違って、一つの説を述べるにしても、その説の根拠、別の反論、
説がどう推移したか、とか、丁寧過ぎるくらい掘り下げて書いてあって
ぶっちゃけ、読みにくいことこの上ないんですが、

でも超楽しい!

ずーっとエトルリアについて書いてあるよ!(当たり前です)
やはり、一番最初は起源問題が来て、その後いろいろな切り口から
エトルリア問題を眺める構成になっています。

以下、思ったことを箇条書きに。

・歴史時代
うっかりエトルリアでひとくくりにしがちですが、よくよく考えると1000年近く長いスパンがあるんだから
そりゃ前期と後期じゃ文化の様相も社会制度も違うよね。
エトルリアといってもいつの時代か、ということをちゃんと考慮に入れないとな、
と反省しました。

・地理の項
ギリシャ諸都市やマヤ諸都市みたいにその都市ごとに行政も別なら大分カラーも違いますよ。
エトルリア、とその地域を指して呼ぶ言葉はあれど
ゆるーくまとまってるだけなんですよね。
各々の都市のことが書かれてて楽しいな~。
(ここにははっきりファレリィはエトルリアの影響下にあるファリスキ人の町って書いてある)
ウォルシニィ問題も書いてあった。現オルヴィエートと現ボルセーナのどっちだったかで
イタリア人歴史家の間にも論争があったんだって。
日本だって飛鳥以前の都の場所とかものすごいざっくりだもんなぁ…
そりゃわかんないよね。
ヤマタイ論争的なものがイタリアにもあったのかと思うと妙に親近感。

・出土地や、出土品を所蔵している美術館の紹介にも頁が裂かれてて、大変に有り難い。
地元のトスカーナに数多くそれ系の美術館があるのはいいとして、
ルーブルと、大英とメトロポリタンは、なんでや!!
返せよ!

・宗教の項はだいたい知ってることが多かったので…

ようやく三分の二ほど読めました。
後、エトルリアの往事の生活と、言語なので
残りも楽しく読もうと思います。
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by mi-narai | 2014-12-29 15:49 | 2014年下半期の読書

『100分de名著 アラビアンナイト』 『ゴッサムの神々』 『鍋奉行犯科帳』

朝ドラ、まだ見てます。
ここ一月ほどのまっさんの安定のダメっぷり。
それはさておき、かもいのたいしょうです!
相変わらずでてくると漏れなくときめきます。
中の人は別段好きでも嫌いでもないんだけど、たいしょうは好きだ!


フーケ
小さい頃からずっと身近にあったのにこのたび倒産しちゃったのよ!!
悲しい…
ふつうに美味しいケーキ屋さんだったのですが。
甘さ控えめでお値段も控えめでけっこう好きだったのになあ…


エジプト展行きました。
相変わらず、最寄りの博物館はエジプト展が多いな!(喜
女王と女神を特集してあったけど、あれ、メトロポリタンが発掘したんが
ハトシェプスト女王関連の施設だったからなのね。
しかし、エジプトとか中国とか、メソポタミアなんかの展示を見に行くと時間感覚狂いますね!
前500年がまだ最近とか思っちゃうってどうよ。
日本じゃまだ歴史時代にもなってねえよ!
一緒に行ったお茶友達と、「ちょ、カバ!カバ女神…!!」
と、やたらカバに興奮してしまいました。


ヘルメスソース
大阪でヘルメスソースというソースを作っていることを発見してびっくりしました。
ホームページで製品をみたら、マジでラベルがケーリュケイオン!


『アラビアンナイト』 2013年11月 (100分 de 名著)

NHK出版

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薄い本シリーズで、『100分de名著 アラビアンナイト』西尾哲夫著
読了。
いや、アラビアンナイト回、テレビでも見たんですけど、解説をちゃんと読みたくって
テキストも買ったんですよ。N○Kさんに踊らされています。

面白いですよ。
アラビアンナイトの変遷の歴史から、内容から見る当時のイスラム世界の国際性とか、
ぺらい冊子なのに大事なところはきちんと抑えてある感じです。
作中の料理とか女性像とか全ての項目が楽しかった~!
中でも強く「そうだなあ」と思った事が三つあって、
一つ目は、アラビアンナイトと日本の読者についての指摘。
日本人、というかわたしにとってアラビアンナイトは
日常から最もかけ離れたエキゾチックなおとぎ話なんですが
地理的にも遠いし実際のアラブ世界を熟知しているわけでもないし、
その上日本に入ってきたアラビアンナイトはいったん西欧人の手で編集されたものなので
アラビアンナイトに対する理解が表層的なものにとどまっているんですよね。
そのことが後書きで指摘してあって、「そうなんだよなあ…」と思いました。
アラビアンナイトで創作する場合、個々のパーツだけ借りて
神髄は無視、みたいなことになっちゃうよなあ。別に面白けりゃそれでいいんだけどさ、
なんとなく、ごめんねアルフ・ライラ・ワ・ライラ、という気になってしまったもので。

二つ目は、アラビアンナイトにおいて良心とか、勧善懲悪とかは大して重要視されておらず、
相手との丁々発止の化かしあいなんかが拍手喝采を浴びる、て段が
いかにも民間説話の流れで良いよなあ、と思ったこと。
個人的に、清廉さとか、忠心といった武士的価値観より、どれだけ機転を利かせるかとか、
とんちが回るかとか、賢さと気っぷのよさで乗り切る商人的価値観の方が好きなもので。

三つ目は、物語の効用について。
物語には作者の意志とか意見とか伝えたいこととかなくていいねん。
読んでる人が勝手に好きなように解釈して勝手に開眼するから、という作者の意見に共感した。
つねづね、文学作品を読まない理由として、作者に対して
「なんかえらそうやな、お前に教えてもらわんでも大事なことは自分で考えるからええわい」、
と思ってしまっていたからという、ものごっつアホいあれなんですけどね。
哲学の場合は、誰かが「これはこうじゃないかな!!」と思ったことをストレートに言ってるのを
横で聞かせてもらってる感じで面白いんですけども。
いや、まあ、いわゆる食わず嫌い、なんだろうなあ。
文学を読む為のリテラシーをいつか身につけたいものです。
いやほんとに。


ゴッサムの神々<上> (ニューヨーク最初の警官) (創元推理文庫)

リンジー・フェイ / 東京創元社

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ゴッサムの神々<下> (ニューヨーク最初の警官) (創元推理文庫)

リンジー・フェイ / 東京創元社

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リンジー・フェイ著『ゴッサムの神々』(前)(後)
表紙の絵が気になってたところ、ちょうど古本屋でみつけたので買ってみた2冊(前後篇)。
「ニューヨーク最初の刑事の話」と帯とあらすじに乗ってたので、
ロンドンのボウ・ストリートの取り手とか、ヤードの話っぽいのを想像してたら

ニューヨークの刑事生活は遥かにサバイバルだった…!

ニューヨークって、他のアメリカの都市より、警察の設置が遅かったんですってね。
この頃、東海岸にはどんどんアイルランドから移民が雪崩れ込んでる時期で、
どこでも移民は安い労働力として搾り取られて極貧生活なんだけど、そのせいで
そのアイルランド人と黒人は先に住んでた白人たちにものすごい蔑まれてたりして、
アイルランド人と黒人の居住区は鬼のように治安も悪く、
その上、カトリックのアイルランド人たちとプロテスタントの他の白人たちの間に
誤解と偏見に基づく深い憎悪の応酬があったり、

いやー、この都市で生き抜くのって、大変だな~

と読者にしみじみ思わせるカオスっぷりですよ。
で、主人公は郊外で育ったアメリカ人なんだけど、
幼いころ火事で両親を亡くし、若干道を踏み外しかけてる豪快な兄ちゃんと家族二人
けなげに生き抜いてきて、好きな女の子もいたりして、
バーテンとして働きながら結婚資金溜めてたら、
今度は自分のアパート一帯が火事で焼けちゃって、タンス預金も全部パーで、
プロポーズどころか明日の生活の糧にも事欠く感じになっちゃって、
そんな時に放蕩兄貴の口利きで、新たに新設されたニューヨーク市警の巡査に採用される、
という、のっけから怒涛の前振りです。
最初は、思い出と現在とが混ざり合ったような書き口だったり、兄貴の描写が
とんでもなかったりで「しまった、これ、失敗したかな」と心配しましたが、
その巡査になった主人公が、血まみれの少女を拾った辺りから面白くなってきた!
そこから明るみに出る連続猟奇殺人、
その傍ら、主人公の片思いの娘さんとのあれこれや、
ダメ兄貴だとばかり思ってた兄貴との兄弟ならではのやりとりが挟まれたりし、
結局最後まで飽きずに読んでしまいました☆
いや、意外と面白かった。
バーテンダー時代に培った主人公の観察眼が遺憾なく発揮されるのは気持ち良かったし、
推理の行きついた先の犯人あての部分も、スピード感があって引き込まれました。
治安が悪くてごちゃごちゃしてるけど生命力に充ち溢れたこゆい世界とか、
アウトローな感じとか、ゴシックホラー的な猟奇殺人とか、
兄と弟の葛藤&和解といった人間ドラマがお好きな方にはおススメです。
主人公も理性的で素敵ですが、わたし、強烈な兄貴が結構好きかも。


禁欲のヨーロッパ - 修道院の起源 (中公新書)

佐藤 彰一 / 中央公論新社

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佐藤彰一著『禁欲のヨーロッパ - 修道院の起源』
これも修道士の生活が知りたくて読み始めたんだけど、そう言った事はまったく出てきませんでした…(どーん)
しかし、起源、と銘打ってあるだけあって、キリスト教が始まる前のギリシア・ローマ時代の結婚観とか、倫理観とか、
異教徒の信仰形態とか、ローマが崩壊していく様子とか、民族・歴史的な背景部分の説明が
ものすごく面白かった!!
ゲルマン人とか、今のフランスあたりにいたケルト人とかって、
キリスト教に改宗して聖人崇拝が始まる前は、
場所、とくに水場に対する信仰があったんだって!
ギリシャやエトルリアでも神殿に直してほしい患部奉納して怪我・病気の治癒を祈願したり、
完治祝いにまた神殿詣で行ったりしてたけど、
ゲルマン人かケルト人かどっちか忘れたけど、ローマの周辺部族は、そう言った奉納物を
泉とか池とか、水場に捧げたんだそうな。あと、硬貨を放り投げたり。

トレドの泉はここからか…!!

と目から鱗でした。
後、修道士たちの煩悩を切り捨てようと四苦八苦する様子が、なんちゅうか笑いを誘う…
(いや、本人たちものすごい真面目にやってるんですけどね)
極端すぎるだろ、とは思いますが、確かに性犯罪を考えると極端に走りたくなる気持ちは分かる。


鍋奉行犯科帳 (集英社文庫)

田中 啓文 / 集英社

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『鍋奉行犯科帳』
最初はたるいなぁと思いながら読んでましたが、登場人物に慣れてきたあたりから
面白くなってきました。
語り手は、若い兄ちゃんなんだけど、探偵役はその上司の型破りなお奉行様。
大食漢でデブでワガママ放題で困った人なんだけど、
食に関してはものすごい真摯なんですよ。(いや、奉行としてそれはどうか、とは思うけど)
そのほかにも、主人公周りの人々、芸者上がりの美人の母上とか、目端の利く手下とか、
主人公にやたら迫ってくる三味線の師匠とか、
逆に主人公が淡い思いを寄せている道場の娘さんとか、
レギュラーメンバーになじめばこちらのもの。
後、滅多になく江戸時代の大阪が舞台なので、そのあたりの風俗も面白い。
江戸は北町奉行所と南町奉行所があって、それとは別に火付け盗賊改めがいるけど、
大阪は西町奉行所と東町奉行所なんですね。
町人が強いから武士が割とないがしろにされがちな感じが、よく出てますよ。
あ、いつものダジャレなノリは健在ですが、エロとグロはないので安心してください。
思いの外ふつうに時代小説なので、こっちが拍子抜けするくらい。


道頓堀の大ダコ (集英社文庫)

田中 啓文 / 集英社

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『大鍋奉行犯科帳 道頓堀の大ダコ』
1巻目でメンバーになじんだ読者には、安定の続編。
お奉行様の個性が段々愛おしくなってきます。しかし良く食うな、この親父。
2巻目は、若干トリッキーな仕掛けとか、ネタで大幅にファンタジー感が倍増してますが
それでもそこそこ面白かったです。
明るい時代物を読みたい方におすすめ。
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by mi-narai | 2014-11-30 16:40 | 2014年下半期の読書

『出雲神話の誕生』 『三人目の幽霊』 『英国人一家、ますます日本を食べる』

出雲神話の誕生 (講談社学術文庫)

鳥越 憲三郎 / 講談社

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鳥越憲三郎著『出雲神話の誕生』
今半分ほどまで読んだところです。
いちいち、説の典拠をしめして丁寧に丁寧に説明なさるので、
読むたびに寝落ちしますが、それでも!面白いですよ!!
そもそも、民間に広く流布してる大和VS出雲の図式がまず間違いじゃね?
みたいな著者の主張ですよ。だって、出雲、どう考えてもそんなに勢力強くないもん、みたいな。
(「出雲より、山陽側の吉備の方がよっぽど地域力高いやん」By憲三郎)

…どうです、ちょっと面白そうでしょ。

まず、古代の出雲にどんな豪族が住んでてどこが発展してたかを
古墳の分布とか、出雲風土記とか、古事記、日本書紀、その他文献資料から推察し、
その次に古事記と日本書紀成立時に携わった人員を割り出し、
もともと栄えてたのとは違う地域の神話が何故に採用されたかを推理してます。
日本史も浅い知識しかないからこれが正しいのかとんでもの類なのかは分からんが、
歴史的な事柄から古事記における出雲神話があんなことになっちゃった経緯を考えるのは
超楽しいです!
この方、文化人類学が専門らしいのに、妙に歴史寄りだよなあ。素敵です。
この方に寄ると、出雲の首長たち、自分たちがもともと信仰してたのとは全く違う神話を
「出雲の神話です」って国家神話(記紀)に乗せられちゃって大層びっくりしたけど、
そこはそれ中央にすり寄って地域の発展につなげてやれと、乗っかっちゃうんですよね。
この辺り、ありそうで笑っちゃった。こういう政治のドロドロ、見てる分には大好きです!

今から神話の内容に踏み込んだ話になるみたいなので、
寝落ちに負けずに頑張って最後まで読み通そうと思います!



数日後、やはり3回ほど本気で寝落ちしながらも、最後まで読みました!
いや、面白いんだけどね。なんで眠くなっちゃうのかしら…。
後半はオオクニヌシとか、ヤマタノオロチとか、スサノオについて、もうちょっと踏み込んだ感じの内容です。
地元で信じられていたもとの形をまず推測し、それがどういう政治的意図で古事記、日本書紀、
みたいな形になっちゃったのかを説明しています。
三貴神についての推察は、大林先生の本で東南アジアあたりでも3人セットのとこがあったと
書いてあったような気がするから
絶対「日月+1」だとは言い切れないとは思うけど、
オオクニヌシの婚姻のあたりの、それぞれバラバラに祭られてた二柱の神の間に
どんな感じで婚姻関係が結ばれるのか、みたいな考察があって、それはちょっと面白かったです。
ギリシャ神話でも、こんな感じで本来ばらばらだった各神の間に、信仰形態の変遷によって
付随して神話上も婚姻関係が結ばれたりしたんだろうなと。
もともとセット崇拝てパターンもそらあったろうけど。
政治的に支配範囲が広がったり、交流範囲が広くなったりして、
とある部族が他の神を信奉している他の部族の人々と出会って
どんどん信仰している神が習合したり婚姻関係が結ばれて、
その結果時代が下るほど神話形態が複雑になるわけだから、逆に考えれば
元の形はシンプルなわけだよな。そら。


たんぽぽ娘 (奇想コレクション)

ロバート・F・ヤング / 河出書房新社

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『たんぽぽ娘』
ちょっと飽きてきた


三人目の幽霊 (創元推理文庫)

大倉 崇裕 / 東京創元社

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大倉崇著『三人目の幽霊』
何故か最初の話で短編なのに読み終わるまでに6回ほど寝そうになりました。
でも2話目からは普通に読み進められる…。なぜ?
後、2話目に入ってようやく主人公が女の子だと気づいた…!
(若い男の子だとばかり思ってました)
落語ものとしては、『ハナシがちがう』シリーズの方が好きですが、
推理物としてはこちらの方がテンプレです。
いや、落語ものとしても十分面白いですヨ。
落語雑誌の編集部にこの春入部した主人公が、
落語関連の事件に巻き込まれ、この道何十年の上司が解決する話。
(探偵役は毎回上司の牧さん)
とりあえず、二冊目を読みます。


七度狐 (創元推理文庫)

大倉 崇裕 / 東京創元社

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大倉崇著『七度狐』読了。
これまた読み終わるまでに10回は寝落ちしましたが、
中盤の殺人が始まった辺りから面白くなってきました。
孤立した集落に、古い村、排他的な村人、一族の因習、見たて殺人、などなど
本格ミステリーのお約束がこれでもかというくらいに詰め込まれてます。
この方、堅実な書き方をされる方だなという印象があるんですが、
裏返せば割と淡々としてて悪目立ちはしない、ということでもある。
なので、序盤はつい眠くなってしまうのですが、
主人公の女の子が事件に巻き込まれてよう分からんうちに周りで次々人が死に
危険な立ち位置に立たされて、読者がハラハラさせられるあたりから
ようやく眠らずに読めるように。
落語のネタが無理なく組み入れられてて、それも面白い。
落語の大名人、古秋一門の名取をめぐる争いと過去の因襲にまつわる殺人も、
最後に探偵役たる主人公の上司・牧がヘリで到達した辺りで収束し、
事件は解決するわけですが、…終わり方がキモ素敵でした。
ここまでコテコテに古典推理物を踏襲したんだったら最後もああでなくてはな。
寝落ちを繰り返した割に満足しました。


英国一家、ますます日本を食べる (亜紀書房翻訳ノンフィクションシリーズ)

マイケル・ブース / 亜紀書房

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『英国人一家、ますます日本を食べる』マイケル・ブース著
二匹目のドジョウを狙った続編、ちゅうか、ページ数の関係で1冊目に入らなかった分をまとめたもの。

エッセイ集な上に、親子4人の珍道中で、著者のおっさんも皮肉の利いた英国人なので
今回もニヤニヤしながら読んでしまいました。
牛のマッサージの回が特に。
しかし、やはり自分の住まっておる地域に近い場所とか、一度行ったことのある場所について
書かれると、惹きこまれ度が違いますね。ああ、あれなー、と深く納得するというか。
知らない場所については、それはそれで外国のことみたいで面白いですが。
全く固い本ではないので、二日もかからず読み終えてしまいました。
とりあえず、最後の、日本食と歴史が密接につながっている、という話にはときめいた。
後、伝統的食材・調味料が先細って消えてしまうのは嫌なので、一消費者として
そちらを優先的に購入しよう、と思いました。
というわけで、わたしはビールやワインよりも日本酒を買うぜ…!(前と変わらんがな)
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by mi-narai | 2014-06-22 11:34 | 2014年上半期の読書

『ハナシはつきぬ』 『古代世界の超技術』 『氷の娘』

もうちょっとだけゲームの話
2/27までのつなぎとして、以前買ったまま置いておいた『AceCombatX』をやりかけたんですが、

神様!グレイプニルが撃破できません…!!

10回くらい手を変え品を変えトライしてみたんだけどどうしても打ち破れず、
仕方ないから難易度を下げて最初からやり直し中。くっそー!!
しかし、難易度をEASYにしたら、ミサイル78発も積んでますよ!!
NORMALが54発位しか積んでなくて、照準合わせるのが苦手なへっぽこパイロットのわたしは
よく弾切れになってたので、これはありがたい。
これでTARGET以外の爆撃機とかも撃ち落とせますよ!!
今度こそ頑張る…!



こないだ本屋に行ったらば、
わたしがホメロス入門編として最適だと思ってる良著、
バーバラ・レオニ・ピカード作
『ホメーロスのイーリアス物語』と
『ホメーロスのオデュッセイアー物語』が
文庫化してました!!

ホメーロスの イーリアス物語 (岩波少年文庫)

バーバラ・レオニ・ピカード / 岩波書店

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ホメーロスの オデュッセイア物語(上) (岩波少年文庫)

バーバラ・レオニ・ピカード / 岩波書店

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ホメーロスの オデュッセイア物語(下) (岩波少年文庫)

バーバラ・レオニ・ピカード / 岩波書店

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イーリアスとオデュッセイアー始まってた…!
いや、これ、ほんとオススメだから!
児童向けだから分かりやすいし、かといって大人が読んで物足りないわけではなく、
原作からの改編があまりない(※ここ重要)ので、
まさに、ざっくり原作の雰囲気を掴むにはうってつけなんです。
アキレウスが清廉だし。原作いきなり読むよりはちょっとだけアキレウスに同情できる作り。
オデュッセウスはちょっと真面目すぎますが。
(お茶目さが足りん。イドメネウスと二人、おっさんコンビです)
サトクリフの文庫化に続き、これも文庫化とは!
ありがとう、岩波さん!!
アルフレッド王の戦いもお願いしますよ。


カンナ 吉野の暗闘 (講談社文庫)

高田 崇史 / 講談社

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高田崇著『カンナ』
借りたので読みました。
同作者の他シリーズの押し付けがましい探偵役に比べ、
この主人公はまだおバカ度が高い分、かわいいなあ、と微笑ましい気持ちで眺めてられます。
今回は役小角の話。
だいたい毎回この作者の言い分は胡散臭いので、
(百人一首辺りは面白かったのになあ)
説明部分は耳半分で読みとばしました。


ハナシはつきぬ! 笑酔亭梅寿謎解噺 5 (笑酔亭梅寿謎解噺) (集英社文庫)

田中 啓文 / 集英社

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田中啓文著『ハナシはつきぬ』読了。
ずーっと文庫化するのを待ってた一冊。
シリーズ最終巻だそうで。
一気に読みました。
相変わらずの怒涛の落語小説ですよ。
師匠の暴力っぷりも相変わらず。
竜二は若干脳みそ筋肉寄りのおバカさんだし、師匠は酒飲みのクソ爺だし、
アクの強い主張の激しい落語家ばかり出てきて、どたばたと忙しなく話は展開するのですが、

それでも最後にほろりと来てしまうという、ね…。

竜二も梅寿師匠も、落語が好きで、その一点でどうしようもなくつながってて、
あんまし麗しくはないけど気持ちのいいスカッとするような師弟愛があるんですよ。
このシリーズ好きだなあ。
本当に、お笑いが、見たくて仕方なくなっちゃいます。
一発芸も悪くないけど、それよりもっと長い、漫才とか落語が。
ていうか、リアルに梅寿師匠の落語が聴いてみたい!!!
大体、泣かせるよりも笑わせる方が難しいんですよね。
天然でなく意図的に面白い人っていうのは、すごい人なんやで!


古代世界の超技術 (ブルーバックス)

志村 史夫 / 講談社

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志村 史夫著『古代世界の超技術』読了。
なぜブルーバックスからこんな本が…
と思いましたが、書いているのが物理学系の学者先生だからなのですね。
遺跡なんかで残っている、機械がなかった頃に作られたとは信じられない
大型建築物の建築方などを真面目に考察した一冊。
さらっと読めて、しかも最近の研究までちゃんと言及してあって、面白かったですよ!
ピラミッド、内部螺旋通路説もちゃんと載ってた。
一番心に残ったのはローマン・コンクリートとインカの石組みの項でした。
コストはともかく、手間を惜しまなければ、機械なんてなくても良い物づくりは出来るのだなあ…。
現代の社会だと、人件費もコストに含まれちゃうから、効率優先で
なかなか実現しないだろうことを考えると、なんか世知辛くなっちゃった…。


氷の娘 (創元推理文庫)

レーナ・レヘトライネン / 東京創元社

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レーナ・レヘトライネン著『氷の娘』読了。
前作『雪の女』に引き続き、マリア・カッリオシリーズ。
フィンランドミステリーです。
日本での発売は2冊目だけど、本国での発売は5冊目、かな。
今回は、フィギュアスケートの選手が殺されてます。
北国だもん、フィギュアは盛んですよね、フィンランドも。
でもって、被害者の日記がノート書きだったり(今なら確実にツイッターかブログ)、
次の長野には絶対出たい、みたいな記述があったり時代を感じさせます。
20年くらい前の話なんだなあ…。

ところで、外国人の書いた小説って、やっぱり、
日本人の書いた小説に比べて読むのに6倍くらいの時間がかかります。
けど、これって、単純に1ページの文字数が多いってのもありますよね。
行間も詰まってるし字も小さいし、絶対数倍の文字が詰まってる!

それはさておき内容です。
前作に引き続き、ミステリーとはいえトリックをあれこれ考える要素は背後に回され、
警察官である主人公と同じ目線で日々をすすめ、その日常や心境を味わう種類の小説だと思います。
主人公が気持ちのいい女性なので、それがむしろ面白いのですよ。
でも、そんな日常業務での聞き込みや捜査の中に事件の全容を掴むパーツがちりばめられていて、
いつの間にか全部のヒントは揃ってるんです。
最後の最後で勿論主人公は犯人にたどり着くのですが、その時の種あかしで
「あー!!あそこか!!気付かなかったー!!」
という気分になりました。
…てことは、結局ちゃんとしたミステリーなのか。
主人公の生活がリアルでノンフィクションっぽくて幻惑されるけど。

今回主人公は妊娠7ヶ月目なので、妊婦さんの大変さとか、
フィンランドの保健制度とか色々わかるのも面白い。


目白台サイドキック 魔女の吐息は紅い (角川文庫)

太田 忠司 / 角川書店

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太田忠司著『目白台サイドキック 魔女の吐息は赤い』
これまた借りたので読みました。
ほんとに!日本人作者の本はすぐ読めるな~!
この作者の推理物、なぜかちょっとだけオカルト色がはいるけど、
作者が期待してるほど色ものにはならず、
伝統的な日本の推理小説、みたいな雰囲気のままなのがちょっと面白い。
描写が淡々としててあっさり進む感じ。
今回、またもオチ(動機部分)が「おいおい待たんかい」という納得しづらいアレでしたが、
(そんな理由のためにわざわざあんな仕掛けを…お前、暇なんか…?)
…いやいや、日本の推理物にリアリティを求めてはいかんよな。
トリックとかアリバイとか、推理の手順とかをコネコネして思考するのを楽しむものだもんな。


多読
読んでたロマンス小説、大体先が読めたのと、日本語訳されてた同じ作者のロマンスが
くそつまらんかったのとで途中で読むのをやめました。
代わりに、昔に買った「アボンリーへの道」のノベライズの中の、
特に好きだった回「アレックに乾杯」を読み始めました。
ドラマ見たのが昔過ぎて細部を忘れてたのを、思い出してちょっと楽しい。
ああ、へティーの傍若無人さとか、フェリックスの食いしん坊加減とか
こんなだったなあ!
アレック叔父さんはとにかく素敵な大人だったんだ。
タイプ的にはヘパイストス。
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by mi-narai | 2014-02-23 15:46 | 2014年上半期の読書

『ポケットに外国語を』 『運命の騎士』 『人は何故集団になると怠けるのか』

目白台サイドキック 女神の手は白い (角川文庫)

太田 忠司 / KADOKAWA / 角川書店

スコア:


太田忠司著『目白台サイドキック』さらっと読了。
THE日本のミステリーって感じの、あんまりアクの強くないあっさり風味です。
コテコテの洋ものに疲れた時にはこのくらいのフラットさがちょうどいい。
変人と噂される主人公の先輩も意外といいやつだったし。
最後の、事件の趨勢とは全く関係ないオチには

なんやそれ!!

と盛大にツッコみましたが。
この人、オカルト色入れんと気がすまん人なんかしら…


ポケットに外国語を (ちくま文庫)

黒田 龍之助 / 筑摩書房

スコア:


黒田龍之介著『ポケットに外国語を』
読了。

面白い!!

若干内田本と共通する軽さというか、鵜呑みに出来んなと思う感じは
ありますけども(当たり前です、エッセイ本ですもの)、
ものすごく読みやすく、かつ、なんかもう、やたらと語学がやりたくなる本です。
勿論、語学を生業としている著者なので、むやみと語学を勧めたり、
習得を気軽に考えるような学習過程を舐めたところなどはひとつもなくて
反対に、世間では「すぐ身につく英語」みたいなテキストばかりもてはやされてるけど、
そんなもんやない、語学の習得というのは時間もつぎ込む労力もかかるものであると
再三口を酸っぱくして仰っておられるのですが、
でも、なんだか、読んでると、かつて自分が知らない言葉に対して感じていたときめきとか
好奇心なんかを思い出して、ワクワクしてしまうのですよ。
テレビのテロップを見て「アラビア語って現在も使われているんだ!!」と改めてびっくりする感じや、
(アラビア語との初対面が物語の中だったので、実際の使用例を見て感動する)
タイ語やヒンディー語など自分の知らない文字が模様に見えるのに、
知っている文字(まったく不得手な英語でさえ)はちゃんと意味をもって読める、という不思議に
ある日ふと気づいた時の驚き、
また、このただの模様だったものが言語を習得するにつけある時点から「文字」に変わった瞬間の感動、
そんなものに共感できる人ならきっと面白いと思うと思う。
それにわたし、著者の語学に対する姿勢にも共感します。
就職に得だからとか、役に立つからとか、
それも大事な理由だけど、語学の魅力はそれだけじゃないのよ!ってことよね?
勉強するなら、楽しいからという理由でやりたい。

以下、特に心に残ったことをメモ書きしておきます。

・リトアニア語。
語学を勉強するものは、古い時代の印欧語族の人々が
どういった言葉を話していたか体感したければリトアニアの田舎に行けと
言われるくらい古い形を残した言語らしい。
有名なのか。

・英語は孤立後に近付いている。
ずっと、そうじゃないかとは思ってたけど(屈折が簡素化してるもん)、
やはり専門家に言われると、そうなんか~と納得する。

・遡りたくなる、という気持ちや、歴史に興味がある辺りも、不肖わたくしなどがどうこう言うのも
おこがましいとは知りつつも、分かる!分かるよ!面白いよね知りたいよねその辺!と握りこぶしで
同意してしまった。


運命の騎士 (岩波少年文庫)

ローズマリ サトクリフ / 岩波書店

スコア:


ローズマリ・サトクリフ『運命の騎士』読了。
高校時代に一度読んだきりだった本書。
ローマン・ブリテン三部作が有名な著者ですが、これは
中世(ノルマン・コンクエスト辺り)イギリスが舞台の物語です。
ローマン・ブリテンの方では侵略者だったサクソン人たちは、
今度はノルマン人たちに侵略される側に回ってて、
なんちゅうか、因果は巡るよなあなどとしみじみ。
舞台は目新しいけど、主人公が少年で、
歴史の動きと連動して本人自身にも大事件が起こり、成長する、という
いつもの骨子は健在です。
今回の主人公はみなしごの犬飼い、ランダル。
彼が楽師に拾われ、騎士に預けられ、自分の居場所を獲得するまでの物語です。

最初のあたりは「あれ?こんな本読んだっけ??」と首をかしげそうになるほど
覚えていなかったのですが、読み進むにつれ、思い出してきた。
そうそう、無二の親友べービスとか、
先住民のふしぎな女性アンクレットとか、出てきてた!
これまた安定の面白さです。
この作者は、本当に、自分が見もしていないことを
そこに実際に人がいて実際に暮らしていると
読者が錯覚してしまうようなリアリティをもって描くのだよなあ。
オルハン・パムクの時も思ったけど、すごいなあ。
だから読んだ後、本当に自分がその場にいて体感してたみたいに
余韻が重くて、ちょっと戻ってこれなかったりするんですよね。
後、この作者はちょっとした感情の動きを描くのもうまい。
主人公と、二つ年上の城主の跡取り息子べービスが友達になる段での
主人公のうっ屈した心理や、
青年になった主人公とヒロインが初めて心通じ…そうになって、
直前でそこまでいかなかった時の、なんか物足りない感じなんかが
手に取るように分かります。
初読時の今よりもっと未熟だったわたしはちゃんと分かって読んでいたのかしら…。

しかし、今回も友情が熱かった。
通勤途中だったから鼻すするくらいに抑えましたが、
家で読んでたらおいおい泣いてましたよ、くそう、今回もやられたぜサトクリフ!
これで文庫化した岩波本は全部読み終わっちゃったので、
他の出版社から出てる本に手を出そうと思います。
アルキビアデースの話とかもあったはずだから、楽しみだな~。
でもハードカバー持ち歩くの大変だから、
「ケルトとローマの息子」みたいに、ちくまさん文庫化してくれないかな…(他力本願)。


人はなぜ集団になると怠けるのか - 「社会的手抜き」の心理学 (中公新書)

釘原 直樹 / 中央公論新社

スコア:


『人は何故集団になると怠けるのか』読了。
とりあえず、自分への戒めとして買ってみた。読んでみた。

いや~、なかなか面白い。
一見軽いハウツー本みたいなタイトルですが、
一応社会学の見地から、色々な原因と結果を検証してる本だからね!
新書なのでさらっとさらえてある感じですが。

さぼる原因も手を抜く要因も各種存在して、
勿論もともとの主体の特質なんかも関係してて、
ある状況下で要因が一つないし複数組み合わさって、
手抜きとかタダ乗りなんかが発生してるんだけども、
いちいち、あー、そうだよな~、などと納得することしきりでした。
この世は人を怠惰な手抜きへと導くファクターが多すぎるな!
誘惑に満ちておる…!!
まあ、別に管理職でも経営者でもないから、いまんところ
そこまで危機感はないんだけども、
手抜きの蔓延した社会はちょっと嫌だなあと思うので
(特に政府や行政機関を信頼できないのはつらい。
なんやろう、規模の大きさと情報の透明さなんかしら)
本当は真面目に考えた方がいい問題なんかもしれん。

とりあえず、罰は手抜き対策にはあんまり効果がない事はよく分かった。
してはいけないことをした時に叱るのはいいけど、
たとえば子供の伸ばしてやりたい性質に対して、
それができていないからと言って叱るのは逆効果であるのだなあ…。


小鳥を愛した容疑者 (講談社文庫)

大倉 崇裕 / 講談社

スコア:


大倉崇裕著『小鳥を愛した容疑者』読了。

これまたさらっと読み終わりました。
洋もののしつこいくらいの状況描写とかに毎日漬かってると、
たまに読む日本人推理作家の本は

さらっさら読めるな!!

いやー、清涼剤みたいで読むのが楽しいです。
お話は、怪我で閑職にまわされてリハビリ中の元刑事と、
動植物対策のために外部から雇われた専門家の若い女性が
2人三脚で動物(ペット)がらみの事件を解決する、という短編集。
出てくるペットは、十姉妹、蛇(種類忘れた)、ケヅメリクガメ、ワニガメ、シマフクロウ。
主人公の一人、薄さん(若い女の子の方)が本当に動物愛に溢れまくってて
ブレがなくって良かったですよ。
該当ペットの飼い方なんかも事細かに説明されてて、
それもまた楽しかった。しかし、肉食動物を飼うということは、
餌の小動物の処理もしなければならんということなのだな…。過酷。


アルフハイムのゲーム (ハヤカワ文庫SF)

ジャスティナ ロブソン / 早川書房

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ジャスティナ・ロブソン著『アルフハイムのゲーム』読了。
古本屋で100円くらいで売ってたので。
もうないだろうと思っていたのにみつけてしまいました

どうしちゃったのハヤカワさん第3弾!

SF文庫から出てるんだけど、これ、日本の出版だったら確実に
ファンタジーの本棚ですよ。
おまけに、おおまかにロマンス寄り。
SF部分は若干舞台が近未来なのと、5年前に物理学の研究所が事故を起こしたせいで
並行世界がごっちゃになったって設定だけ。

だからこういうの、SF文庫で出しちゃだめだってば!

硬派なSFファンが間違って買うでしょうが!
主人公が事故で半身を失ってめちゃめちゃサイボーグ手術を施されてて馬鹿強いので
ある種爽快感はあるし、出てくるエルフが男前なのは良いポイントなのですが、
作者のせいか訳のせいか、設定が分かりづらく、事故後5年しか経ってないのに
事故前の世界を知る者はいないとかアホなこと言い出すし、
アメリカで起こった事故なのに全世界規模だし(おいおい、アジアを巻き込むな)、
おまけに肝心の「ゲーム」がなんのことだか分からない。
ごめん、あたし、最後までなんのことか分からなかったよママン…。
主人公も、なんや次々と出てくるエルフと関係を持つし
ジェームズ・ボンドの女性版とでも思えばいいんかもしらんが、
わたしはもうちょっと一途な方が好きです。
おまけにエロシーンは2回くらいあるしな。

まあ、思えば、英米では日本よりも「小説」ジャンル内の幅が広いのかもしれませんね。
SF小説だと思うと、なんじゃこらと思うけど、漫画に置き換えたら、
こんなネタ山のようにありそう。誰かがすでに描いてそう。
このボーダーレス、ジャンルも重さも自由な辺りはまさにマンガ的。
…日本ならマンガで描くところを欧米ではSF小説ジャンルで書いてるのかもしれん。
日本密林レビューと米密林レビューの星の差はそういうことなんだろう。
欧米読者は日本SF読者より遥かに軽めで女性向けの読み物だと分かって買ってるんだろう。
ちなみに、わたしの見たところ、
ロマンス小説:ファンタジー:SFの割合は4:5:1くらいです。ご参考までに。
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by mi-narai | 2013-12-29 13:50 | 2013年下半期の読書

『アマテラスの誕生』 『日本神話入門』 『福家警部補の再訪』

ひとつ前の日記に
「めんだって初めて聞いた!」と興奮気味に書いたらば、
数人のB州出身者に「今でも使います」と口々に突っ込みをもらいました。
それは実にすまんかった!!
単にわたしの住まっておる地域がB州の端っこすぎて
方言の浸透具合が薄すぎただけじゃった!
けど、ちゃんとまだ方言が使われてると思うと、ちょっと嬉しかったりもしました。
流石に共通語にはならないだろうけど、関西弁話者も標準関西弁的な、分かりやすい関西弁を
つい使いがちですものね。
わたしだって、~とって敬語じゃなくて、~はる敬語使っちゃうし…
(でも「~はる」敬語は嫌味にも使えて色々用途が広いんだよ)
これからは意識的に~とって敬語を使おうと心に決めました。




アマテラスの誕生―古代王権の源流を探る (岩波新書)

溝口 睦子 / 岩波書店

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溝口睦子著『アマテラスの誕生』読了。
いや、日帰りバスツアーで伊勢参りに行くことにしたんで(今年式年遷宮だしな)
ちょっと予習しとこうかなと思って、積読本の中からチョイスしました。
(どれだけ未読本をため込めば気が済むのか)
軽い気持ちで読み始めたんですが、

これ、面白い!!

まず、その辺のさらっと日本神話を紹介する本と違って、
ちゃんと研究していらっしゃる先生が、根拠とか、現在の説とか、示しながら、
「これはわたしの意見であってまだ決まったわけじゃないけど」とちゃんと
言い置いて、自説を展開するのが、たいへん好感度高かったのです。
こう、きっちり正攻法でアマテラスを考えてる、という感じが。
次に、タカミムスヒ関連のあれこれがこれまたものすごい面白かった!
アマテラスの方が先に日本列島に定着してて、タカミムスヒは後から来た神らしいよ。
ちなみに、北方遊牧民系の神らしい。
著者の考えでは、タカミムスヒこそが、そもそも王家の始祖神だったんじゃねえかと。
このタカミムスヒは天空紳で、立ち位置的にはローマ神話でいうところのユピテルなので、
なのでこれが天皇の祖といわれると、意外とすんなりきます。
アマテラスが王権の源といわれるよりは納得する。
(そののち、なんか色々事情があって、日本史的大事件が起こって
アマテラスが盛り返したり、タカミムスヒに徐々に取って代わったりして
現在の「天皇家のご先祖はアマテラス」、みたいなことになったみたいなんだけど)
なんか、そんな変遷聞くのがものっそい楽しかったです!
(でもほんと、この本では他の部分は棚上げして
天孫降臨部分のアマテラスとタカミムスヒの部分ことのみを語っているので、
他の部分が気になる方、全体的なことが知りたい方などには物足りないかも。)



日本神話入門―『古事記』をよむ (岩波ジュニア新書 (453))

阪下 圭八 / 岩波書店

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阪下圭八著『日本神話入門』
子供向けの岩波ジュニア新書の分です。
なので、大変読みやすい。かといって、岩波少年文庫の物語として古事記を書いてあるのとは違って
軽い解説本の態です。
流石に古事記本も巻数を重ねると、この人はこういう説なのだなあみたいな目で見てしまうもので、
この本も例に漏れずフィルターを通して見てしまいましたが、
まあ、割合面白いです。
流石にジュニア向けなのでそんなに極端な説にも偏らず、さらっと説明してある感じ。
でも表面だけじゃなくて他の神話との比較とか交えつつ、物語としてだけでない
神話というものの本質(というと大げさか)にも一部踏み込んだ内容になってて、
入門にはほんとうにうってつけの良い本だと思いました。まさにこれこそ「日本神話入門」。
古事記だけでなく、風土記とか万葉集にも言及があるのは嬉しいところ。
オオクニヌシとスクナヒコナの我慢比べの話には吹きました。
こいつら、言うに事欠いて、便意を我慢するのと、重い荷物我慢するの、どっちが大変かとか
そんなアホなこと大真面目にやってて、最終的に道端で排泄して、地名にまでなってやがりますよ。
しかもこれ播磨国風土記なんだ…(ご先祖様…)


翌日読了。

古事記って、最初の神々の話が取り上げられがちですが、
中・下巻は、天孫降臨後の初代天皇の話なんですよね。
もちろん、史実ってよりは、ローマの最初の5人の王とか、テセウスとかミノスみたいに
ほぼ伝承上の人物たちなんですけども。
神話と伝承の微妙な混ざり具合がローマの初期の歴史っぽい。
背景として、古事記が成立した飛鳥朝(だっけ?)の中大兄とか大海とか、額田王とかの名前が
でてきて、むかしおばちゃんに貸してもらった『天上の虹』を大いに思い出しましたよ。
日本という国名が使われ始めたのもこの時期だといわれてるんだけども、
確かに『日本書紀』のタイトルにそのものズバリ日本って国名が使われてるわな。なんか、納得。
後、最後の辺の出雲風土記の中の国引き神話、よそから土地を引っ張ってきて
自分ちにくっつけちゃう話、なんか、こういうの、北欧でもあったよなーなどと。
イザナギ・イザナミの国生み神話はあからさまに南方系だと思うけど、
別系統の神話も伝わってたんだなあ、と、当たり前のことですがそのことをしみじみ感じました。



福家警部補の再訪 (創元推理文庫)

大倉 崇裕 / 東京創元社

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大倉 崇裕著『福家警部補の再訪』読了。
『挨拶』から引き続き正統派倒叙型ミステリー
(冒頭で、犯人視点による犯罪場面が描かれ、作中で福家警部補が捜査の過程でひとつづつ小さな
証拠を集めて、そこから犯人に到達していく、という流れ)
これも、地味ながら堅実な印象の、良質ミステリーでした。
なんか、この形式、犯人に感情移入してしまいますね~。
後、福家警部補の睡眠時間のなさと趣味範囲の広さにびっくりした。
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by mi-narai | 2013-09-23 00:01 | 2013年下半期の読書

『マホメット』 『フルーツひとつばなし』 『福家警部補の挨拶』

今週も更新がままならず大変遺憾に…すいません、各種締め切りにガクブルする毎日です。
(別にサイトを維持する熱が冷めたとか、そういうのじゃないので安心してください。別に誰も心配しとらんか。そうかそうか)
10月いっぱいくらいは追いまくられておぶおぶしてると思いますが、隙を見て更新も頑張る所存です!(ハデスさんのアレ、早くきっちり描いてしまいたいよ~。でも、G様の企画の方、もう描くのが楽しゅうて楽しゅうて。スミマセン、オノレの欲望に負けまくってます。掛けた時間と仕事量がまったく比例してませんが。描いちゃ消し描いちゃ消しして1日丸まる描いても下書き2ページほどしか出来上がらんてどういうことだーーー!!!!ああああああ間に合うのか自分~~~同じ時間くらいちまちま色も塗って、HPの更新はその合間なんじゃよ~~~!!!!)

雑談ついでに


B州弁

河内弁と並んでガラが悪い、下品などと評される方言です。
(念のため、それでもやっぱり愛着がありますし、好きですよ)
とはいえ、中途半端な田舎に住んでいるのでわたし自身は方言の浸透具合も微妙ですが。
喋っても全く迫力ありません。ふつうです。
もっとガチガチのB州弁話者だったら口げんか強かったかもしれないのに残念…。
由緒正しいB州弁を使用する人も少なくなる中、わたくし、とうとうリアルで

めんだ(基本形:めぐ 意味:壊す ちなみに自動形は「めげる」になると思われる)

を聞きましたよ、皆さん!!おおおおお、まだこれを使用する話者が残ってたのですね!
見習い、感激!!

や、なんのことはない、隣の祖母なんですけどね。
こないだ、母と畑の作物と動物の話してて、イノシシやシカは悪いことするよな、みたいな流れで

ばあさま「クマやったら南瓜めんで食べるんとちゃうの」
おかん「いや、流石に熊は出えへんて。見たことないし」
※最近居住県でツキノワグマの目撃情報が増えたという新聞記事を受けて。

という会話が。

そういやばあちゃん、しょっちゅう「~やさかい」とか、「つんだかつんだか」とか、
大層な言葉使うよなあ。貴重や…
亡くなったハニー(享年93歳)は同じ県内とはいえ全く違う方言だったのですが
(AIの母音がEに変化したり。ちょっと江戸っ子言葉みたいだった。
音調は明らかに関東風なんだけど関西弁的な語尾もあり…。
関西弁だったら、あんたもうやったんか?になるところを
おめぇ、もうしたけぇ?的な変化をする感じ。
おそらく、日本海側の鳥取の言葉に近いんじゃないかなあれはと勝手に想像する)
なんで録音しておかなかったのかな、わたしは…。



マホメット (講談社学術文庫)

井筒 俊彦 / 講談社

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井筒俊彦著『マホメット』
最初は和辻哲郎の『風土』を読もうとしてたんですよ。
でも、語り口が哲学書っぽい感じの分かりづらさでですね…。
寒さを感じる、ということについて、「寒さ」を感じるとはいえ
「寒さ」というのは概念で本当は寒気がそこだけまとまってあったりするわけではなく、
人間が寒い場所に出て「さむっ」と能動的に感じてこそ寒いと認識するわけで、
要するに、人の有りようには周囲の環境が切っても切り離せないわけ。
人間というのは個人的な面も社会的な面も含めて人間なのであって、
同じように時間的なものだけでなく空間的なものも含めてこそ
こうなんていうかな人間社会の特徴っぽいもんは捉えられないんじゃないか

とか、そう言ったような事を10ページくらいかけてもって回った言い回しで
(まあ、正確に言い表そうとするとどうしてもそうなるんだろうけど)
くどくどと説明するもんだから、
読解力のあんまりない私は、著者の意図が正確に掴めてるかどうか
自信がないうえ、噛み砕いて理解するのがつらく、……

哲郎…ごめんなさい、わたしにはあなたは高嶺の花…

なんか、そんな気持ちになって、読むのはもっと先に延期しました。
もうちょっと気力が充実してる時にな~!
ごめん、今寝不足やねん。

そんなわけで、口直しに井筒先生の薄っぺらいこの本を手に取ったわけです。
書かれたのは昭和初期(「マホメット」という呼び名からも察せられますでしょ)
前書きで、ご自身も「いや~。若い頃の本だから読み返すと懐かしいわ~」などと
仰っておられるほど昔の作品です。
これも哲郎本みたいに読みにくいんじゃねえかと一抹の不安がないでもなかったんですが、
読み始めてそんな不安は吹っ飛びました。
面白い!小説みたいですよ!
確かに荒削りで、だいぶ主観的かもしれませんが、
却って若かりし先生のアラブ世界に対する情熱の迸りが感じられて、心地よいです。
井筒先生の御本とは相性いいんかなあ。これまでまだはずれがないです。
半分ほど読んだので、続きも楽しみに読みます!


数日後、読了。
最後まで面白かった!
マホメットの伝記ではあるけれども、まず、マホメットの生きた時代背景から説明し、
その後、彼の業績の意義とか、そういったことに踏み込んでいくので、
大変読み応え有りました。
ギリシア神話にしろこういった半伝説化した有名人の伝記にしろ、
真実も伝聞もすべて同列にひとくくりにまとめて全てを網羅するような書き方が
いまいち好きでないので、伝聞をなるべく排し、客観的に見つつも
ご自身の情熱を傾けて書いておられる井筒先生の筆致が大変好ましく思われました。
いや、神話の場合は神話事態がすでに長い年月の間の伝説の集大成な感もあるから
厳密に時代背景考えるの、難しいだろうけどさ。でもなるべく考えたいのさー。
閑話休題、本書の内容は、以前に読んだ『「コーラン」を読む』&「イスラーム文化」と
若干かぶってる面はあったんだけども、なら読まなくていいかというと逆で
補完し合っていて理解が深まる感じです。
今回目新しかったのは、最初はムハンマドさんが、
けっこうユダヤ教徒やキリスト教徒に親近感かんじてらっしゃったみたいだということと(いがーい)、
イスラム以前、ジャーヒリーヤ(無道時代)のアラブは多神教の世界だったんだけど、
カーバ神殿にはアラーの他多数の神々が祭られてて、
なかでも人気の女神はマナートと、アッラートと、アル・ウッザーだったらしいということでしょうか。
一神教以前の中東の神話体系はめちゃめちゃ気になるところなのでつい神々の名前が出てきたら反応してしまう…

わたしのアホ感想はさしおいても、ぺらいし、その割に奥深いし、何より読みやすいので
おすすめです。



フルーツひとつばなし おいしい果実たちの「秘密」 (講談社現代新書)

田中 修 / 講談社

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田中修著『フルーツひとつばなし』読了。

おお、面白かったよ!
これまた職場の京都弁の超絶かわゆらしい上司にいただいた一冊。
いつももらってばかりで済みません。
まず、なんといっても美味しそうな写真につられます。
写真を侮ってはいかんよ。
わたしは、自分が作りもしないくせに写真があまりに美味しそうだったという理由で
洋菓子の本を2冊も買った前科者ですよ。
一つのフルーツにつき4ページくらいにわたって説明してあって、
ざっくりした来歴も面白いし、栄養分とか、
生物学的な掛け合わせや遺伝の小話もまた面白く、
わくわくしつつさくさく次へ次へと読み進んでしまいました。
いちご、りんご、みかん等の超メジャーどころの他
チェリモアとか、ドリアンといったマイナーなフルーツも載ってますよ。
(日本で手に入るフルーツに限定されてはいますけど)
なんか、やたらと果物を食べたくなる一冊。
それにしても、バラ科の果物って多いんですね…。
後、みかんの種類の多さにびっくりした。
原産地とか、学名もちゃんと載ってて、
学名見てけっこう笑っちゃいました。
アケビのラテン語名「アケビア」って!


福家警部補の挨拶 (創元推理文庫)

大倉 崇裕 / 東京創元社

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大倉崇裕著『福家警部補の挨拶』読了。

なんとなく、本屋で見つけて買ったもの。
短編数編が入ってるものですが、意外と面白かったですよ!
刑事コロンボ方式で最初に犯人が分かっていて、探偵(この場合福家警部補)が
証拠を地道に集めて犯人の犯行を証明していく流れで一貫して書かれてます。
しかし、今時の子にはふるはたにんざぶろうって言った方が通じるのか…?
(あれだって、コロンボを踏襲したんだろうに)
探偵役の福家警部補は、小柄でメガネの女性で、落ち着いた人当たりのいい人だけど
犯罪捜査に関してはものすごいタフ。
アクはないけど、好感度は割と高いですよ。
なかなか面白かったので続きも買ってみる予定。



高田崇史著『QED諏訪の神霊』『QED出雲神伝説』読了。
貸してもらったので急いで読みました。
いつもどおりかな~。
タタルさんと奈々ちゃんが早くくっつけばいいのにとじりじりしてます。
今回は日本神話がメインでそのあたりは面白かったけども
作者の神話のとらえ方はいまいち好きではありません浅いわ!(←えらそう)
しかし長く続いたこのシリーズもあと一冊かあ…。

以下、アホなアニメ話なので畳みます。
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by mi-narai | 2013-09-01 23:11 | 2013年下半期の読書

『卵をめぐる祖父の戦争』 『人間の性はなぜ奇妙に進化したのか』 『世界史の叡智』

卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ文庫NV)

デイヴィッド ベニオフ / 早川書房

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デイヴィッド・ベニオフ著『卵をめぐる祖父の戦争』読了。
とりあえず、『TROY』の脚本の人の小説なので、それだけの理由で購入し、今になって読み始めました。
一気に読み終えました。
面白かった。読み終わったときも、まだその世界から抜けてこれず、ぼんやりしてしまった。
だから、友情モノはやめてほしいんだってば!!むやみと涙もろくなるからね!!!


とりあえず、あらすじの説明をば。
時は、第二次世界大戦時、舞台は包囲されているレニングラード市内とその周辺です。
ドイツ軍に包囲されて飢餓状態で市民全員飢えまくってる時に、
主人公の17歳の男の子は敵の死骸からナイフ一本取ったという理由で
味方の兵隊に銃殺されそうになり、
それを免れるかわりに、脱走兵の若者と一緒に、
偉い人の娘さんの結婚式に花を添えるウェディングケーキの材料の
卵を1ダース探してくるよう命じられる、という


なんでやねん!!!


というはなし。なんでやねん、というツッコミは、設定がおかしいとかじゃなく、
なんでこんなばかばかしい事に命をかけさせられて、いろんな人が殺されて、
もっと多くの人がひどい目に遭わないといけないんだ!という憤りの叫びであります。
でも、実際こんなもんだろうな。世の中いい人ばっかりじゃないだろうし。
なんで、なんでこんないい人がこんなアホな死に方せんといかんのだろう、というような局面が
きっと戦時中数え切れないほどあったに違いない。いや、今でもたぶん、山のようにある。
そのあたりが、リアルでもあり、一見その設定が荒唐無稽でおとぎ話のように見えるという理由で、
お話の中の残虐性をそんなに生々しく感じなくて済む安全弁にもなっていうという…

以下、雑感・

・レニングラードって、ぼんやり東独のどっかだと勘違いしてました。アホです。
どう考えても、ロシアです。以前のサンクトペテルスブルグですよ!!!
(地元民の愛称はピーテルらしい)

・語り手は著者で、著者が祖父から聞いた話をもとに書いたものが本作である、という、
枠物語の中の物語として、レニングラード包囲戦時の祖父の若い頃の冒険が語られていきます。
なんか、爺ちゃんから戦争の話を聞くというシチュエーションが、自分の祖父を思い出させて、
懐かしいやら切ないやら。
おじいたん…。
父方も母方もどっちのじいさんも、聞いたら戦時中の話をしてくれたもんですよ…。
特に父方のじいさんはねだれば快く話してくれたもんじゃった…
(もともと気のいい話好きなじいさんだった)
(でもって、ど田舎の貧乏農家の何番目かの息子に生まれたじいさんは、
三食と寝る場所が提供されるから、というだけの理由で一兵卒として軍隊に入った)
まだ激化する前に負傷して退役したからかもしれないけど、
(流石に女の孫にそこまで残虐な話はそもそもしないだろうし、)
祖父が話してくれるのは悲惨な負け戦になる前の戦線の話で、
船の上からイルカを見たとか、イギリス人に車に乗せてもらったとか、
一日中行軍でしんどかったとか、
結構、本作と同じように、若い男の子の青春物語の態を醸していて、
その記憶があったもんだから、より一層、この小説をリアルに読んでしまいました。
もちろんじいさんの思い出話よりもこの物語の状況はもっと切羽詰まってて
危機的な時期が長いんだけども、
そんなときでも、友達同士ならアホ話するし、性的なことに興味はあるし、
美味しいもの食べたら嬉しいし。こんなもんだよなあ、と。
ずーっと深刻なわけでも、ずーっとお気楽なわけでもなく、一時的に危機に陥るけど他の大部分の時間は
くだらない日常業務に費やされてたり、大したこと考えてなかったりするもんだよな。

・とはいえ、戦争中の物語ですから、通常の秩序は当たり前のように崩壊しています。
凄惨なエピソードがこれでもかというくらいおてんこもり!
でもそれがそれほど血なまぐさい印象を与えないのは、
先にも書いた、おとぎ話っぽい話の枠組みのせいか、はたまた極寒の地だからなのか。
死体も何もかもすぐに凍っちゃって、あんまり液体が流れてる印象がない。
(後、事件の凄惨さより、主人公の空腹の方がつらそう)
でも、一か所だけ、流石のわたしも「ぎゃーーーー!!!!やめてーーーー!!!!!!」
リアルムンクの叫びを実演しそうになった箇所がありました。思わず3行とばしに飛ばし読んだ。
暇な人はどこか当ててみてください。

・あらすじを読んで、主人公とコンビを組む、コーリャという青年、
頭はいいけどもっとこすからい皮肉っぽい人物を想像してましたが、
蓋を開けてみると金髪のイケメンで、
天真爛漫で伸びやかであけっぴろげな兄ちゃんだった。
アポロン:ヘルメス=7:3くらい。
いい人ですよ。
大胆で明るいだけじゃなく、意外と繊細なところもあったりするので、
その辺りのバランスがたまらん!

・で、主人公のレフにはものすごい共感率高かった。
自分のことを臆病者だと自覚してるあたりが特に。
だから、年上のコーリャに対しては、憧れや友情もあるけど、その大胆さに対しては
妬みの感情があり(自分にはけっしてあんな風になれないという確信と諦めがある)、
そのあたりの入り混じり方が、ああ、めっちゃ分かる…と。
なので、コーリャに対しては、ものすごいレフ視点で見てました。
いつもならいい男だなあと素直に思うところを、
今回は、ダメなところもあるし、馬鹿だと思う部分もあるけど、最終的に
根本的なところで信頼していて、あいつは友達!と思って見てた。
でもって、祖母になる女の子には、一緒に恋に落ちました。

・そもそも、著者が祖父の話を書きとめる、という体裁なので
(もちろん、これもフィクションですよ。実際には著者の祖父母はアメリカ出身らしい)
主人公のレフは生き残ることが確定しており、その辺りは安心して読めました。
なので余計に、祖母になる人は誰だろう、コーリャの運命はどうなるんだろう、
というところがハラハラした。


早川ミステリ文庫の棚に置かれてますが、ミステリじゃないからね!
純文学でも悲惨なだけの戦争ものでもなく、青春もので主人公の成長物語の
一大エンタテイメント作品だと思う。

(※大体アホのわたしがそんな難しい本を読むはずがない。)

あまり大層に考えずに素直に楽しんでください。
数えればきりがないくらいグリム童話みたいな残酷シーンが目白押しなのに、
最後まで読むとほんわか幸せな気持になるというか、しみじみするというか、
読後感は悪くないですよ!


文庫 人間の性はなぜ奇妙に進化したのか (草思社文庫)

ジャレド ダイアモンド / 草思社

スコア:


ジャレド・ダイヤモンド著
『人間の性はなぜ奇妙に進化したのか』読了。
このダイヤモンドさん、『銃・病原菌・鉄』とか『文明崩壊』とかが有名な方なので
勝手に歴史学者かと思いこんでましたが、
本業は進化生物学者だったのですね…。そうか、理系の人だったのか。
俄然買ったまま読んでいない上記の2作品を読む気が湧いてきました!

それはさておきこの本。
セックスとか性交渉とか乱婚とか破廉恥な単語が頻出するので、
電車で読むには肝を据えて読まねばならん一冊です。
ちょっと気にしちゃうピュアなお嬢さんは気を付けて!
でも、書いてある内容はものすごい真面目に性について考察してあるだけなので
別にエロくないですよ、そっちを期待しちゃった方も間違って買わないように気を付けて!
その証拠に、目次は
1、人間の奇妙な性生活
2、男と女の利害対立
3、なぜ男は授乳しないのか
4、セックスはなぜ楽しいか
5、男はなんの役に立つか?
6、少なく産めば、たくさん育つ
7、セックスアピールの真実
となってて、一見目を引く見出しですが、内容は動物の最大の目的である遺伝子を後世に残すという
課題について、各々の特徴がどう働いているのか、うまく適合するためにどう進化したのか、
的な考察になっています。で、結局どうなのかといわれると、今のところこういう説が出てて
作者はこうじゃないかなと思ってるんだけど、実際に真実がどうなのかは研究途中だったりして、
「まだまだ世界は分からんことだらけだな!」という感慨に落ち着きます。
いや、面白かったよ!
以下、特に思ったこと。

・男性は狩に行って、女性は子育てして家の周辺で小動物や植物を採集して
これは双方の利益が合致するからこの形なんだとずっと思ってたけど、
実はもっと複雑なのかもしれんな、と今回しみじみ思いました。
男性側の利益と女性側の利益と、社会的な枠組みと、色々な要素が複雑に
絡み合って、その上でバランスがとれたところに夫婦間の互いの仕事の割り振りが
行われてんじゃないかと。
しかも一本道じゃないかもしれないんですよ。
ある生物の特徴について、一旦別の目的でそう進化した後、さらに良い方法が見つかって、
本来の目的と違う方向に進化の結果を転用する、という2段進化の過程が説明されてて
人間の男女間の社会的関係もそう言った複雑な変遷を経ているのではないかと
類推されてて、ものすごい面白かった。
やっぱ、単純には説明しきれないもんなんだな。

・子育てにおける男女の役割には、男女が子作りにおいて支払った投資の大きさ、
子供が自分の子であると実感できる割合がこれまた関わってて、割と納得しちゃいました。
排卵が隠されている理由についての考察も面白かった。

・後、男性が授乳するのって医学の助けを借りれば無理ってこともないらしい。
育メンが流行ってんねんから、親父も子供にちちやればええねん。

・じじばばの役割についても納得した。自分ちの家族に当てはめてみると、
じじばばがいなけりゃそもそも立ちいかなかっただろうしな。
もっと日本人は(わたし含め)人生の大先輩に対する敬意を新たにせねばらなんな、と思いました。
体力がないのは確実なので、流石に政界の第一線からは退いた方がいいとは思いますが。
誰とは言わんがあいつとかあいつとか。



野心のすすめ (講談社現代新書)

林 真理子 / 講談社

スコア:


林真理子著『野心のすすめ』読了。
職場の同僚にお借りしたので、読みました。

びみょう……。

すまん、わたしは読むのがしんどかったので飛ばし読んだよ…。
(アマゾ○レビューの星の少ない意見に一番共感した)
遠くで眺める分には極端で面白い人だよなあと思うし、たぶん、
真理子さんは頑張り屋さんなんだなとも思います。
でも、視野が狭い感じがどうしてもぬぐえず…。

…いや、年上の女性に対してこのような無礼なことを言ってはいかんよな…。
むむむ…。



世界史の叡智 - 勇気、寛容、先見性の51人に学ぶ (中公新書)

本村 凌二 / 中央公論新社

スコア:


本村凌二著『世界史の叡智』読了。
世界史の有名人51人について4ページづつさらっと書いたエッセイ風の読み物。
ものすごいさくさくすすんであっという間に読み終えました。
どっかの雑誌か新聞のコラムに連載したものをまとめたのかな?と思わせる軽い読み物です。
一人に4ページしか割いてないので物足りないですが、その分広く古代から現代まで
有名人をさらってあるので、普段考えもしない人のことも読めてその点は楽しかった。
後、人物のチョイスがマニアックだったので(笑
流石に西洋古典文学分野の方なので、古代ローマ辺りまでの
ペイシストラトスとか、デモステネスとか、ハンニバル、大カトー、カエサル、クラウディウス、
セネカ、ハドリアヌスなんかは、妥当だと思う、でも
三国志からは曹操(孔明や関羽じゃないんだ)、ビザンツ帝国はテオドラ、
インドのハルシャ・ヴァルダナ(おい、懐かしすぎで詳細を思い出せねぇ名前だぜ)、
11世紀イスラムからはヌール・アッディーン(サラディンじゃなく)、
十字軍からはフリードリヒ二世(フィリップでもリチャードでもなく)、
こんな感じで有名とはいえ一番有名なところをちょっと外した感じが面白かった。
後、エッセイ風なので最後に著者の感想ちゅうか説教みたいなのが加えられてるのも面白かった。
この本村先生、勝手に論文発表し始めたばかりの若手だと思い込んでましたが、
もうすぐ定年の結構なお年の方らしく、
そう思うと苦言もなんだかほほえましく、楽しく読めました。
チュラロンコーン(ラーマ五世)に言及してあるのは嬉しかったけど、イスラム系の人があまりにも
少ないのはちょっと残念でした。
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by mi-narai | 2013-07-15 21:05 | 2013年下半期の読書

『ブラウン神父の無心』『果てしなく美しい日本』『妖精の女王』『闇の妖精王』『永遠の女王』

ネサフしてて今話題の『進撃の巨/人』の二次創作というか、パロディで


進撃の阪神


というタイトルを見つけて、吹いた。



ブラウン神父の無心 (ちくま文庫)

G.K. チェスタトン / 筑摩書房

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G・K・チェスタトン著『ブラウン神父の無心』読了。
カトリックの司祭である見た目がものすごい地味なブラウン神父が
その冴えわたる推理を披露する短編をまとめた一冊。
とりあえず、古典なので読んでみました。
無茶なトリックとか、幾つかある可能性のうちの一つでしかないのに
それが当然の帰結、みたいな顔で推理を話したりとか、
若干ツッコミどころもあるのですが、
古き良き時代の推理小説、という感じで、面白かったですよ。
あんまり犯罪が今ほど無機質で残虐じゃなかったんだな、みたいに思わせるノスタルジーが。
(まあ、実際はそうでもなかったんだろうけど)
最初の数編で、ブラウン神父の最大の宿敵、フランス人怪盗フランボーが登場するんですが、
彼、途中で神父に魂の救済を説かれ、改心するんですよ。
(犯罪者を法の裁きにゆだねなくても、キリスト者的に救われたらそれでいいや、という
態度は大変神父っぽい。わたしはアリだと思うんだけど、日本のミステリーを読み慣れてる人は、
「ええんかい、ソレ!?」と思うかもしれん。)

で、このフランボー、のち、神父の親友として再登場とかしちゃったりするという…!
この設定が、なんか妙にツボって、ブラウン神父単体をというよりもフランボーとセットで
愛でてたんですが、
そのことを、既にこのシリーズを読んだらしい妹に言ったところ
(※わたしの妹もミステリー好きである)

「読んだとき、わたしも全く同じこと思った」

との答えが。
姉妹の血を色濃く感じた瞬間でした。
あたしたち、メディア媒体での、好みのタイプとかシチュがものすごくかぶるよねー!


果てしなく美しい日本 (講談社学術文庫)

ドナルド・キーン / 講談社

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ドナルド・キーン著『果てしなく美しい日本』読了。
ちょうど、震災後、キーンさんが日本国籍を取って永住してくれるという話を有り難いと思い、
印税の足しにしてくれとお布施のつもりで本屋で購入した一冊。
タイトルはえらいキラキラしいですが、本の内容は、今から40年ほども前に
キーンさんがアメリカ人向けに書いた日本ガイドの翻訳です。
日本版が出たのが確か1975年くらいなんだけど、後書きに「15年ほども前にこの本を書いた時には」
とか書いてあるので、英語で書かれた当時はおそらく1950年代だったと思われます。
キーンさんもまだ日本歴が浅い頃。
なので、日本に対する視線は「まあ、日本に数年滞在した外国人ならこんなもんかな」ほどのもんです。
あれから60年も経ち、ご本人の日本観も色々変わっただろうし、
「なんだ、大したことないじゃないか」などと思わずに、
若いアメリカ人の当時としては格段に日本に好意的な意見をほほえましく読んでください。
それよりも、当時の日本の雰囲気や風俗が色々と読めることの方が楽しいです!
ほんとに、ものすごい時代の流れを感じますよ!
50年しか経ってないのに!!
でも、すでにそのころ結構工業化してたという記述もあり、逆にびっくりもしました。
この本を読んでて気づいたのですが、日本は文化を強制された事って、あんまりないのだなあ…。
自国がさほど進んでないのを自覚しつつ、大国のいいところを都合のいい部分だけ輸入してるというか…。
日本文化のミックス具合とか、新しいものを取り入れつつもそれ一色にならずに
古いものも駆逐せず放置したりだとか
そういう特色って、文化を取り入れる際の日本の昔からの方法によるところも大きいのかなと
(幸運にも、先方の文化を好きに取捨選択できる自由度の高さがあること)そんな風に思いました。



妖精の女王 (創元推理文庫)

メリッサ・マール / 東京創元社

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闇の妖精王 (創元推理文庫)

メリッサ・マール / 東京創元社

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永遠の女王 (フェアリー・コート・シリーズ3) (創元推理文庫)

メリッサ・マール / 東京創元社

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メリッサ・マール著『妖精の女王』
『闇の妖精王』
『永遠の女王』
一気に読了。
ものすごい娯楽目的で読みました。以下、雑感。

文学だと思って読んではいけません。小学館か白泉社の少女マンガだと思って読むべし…!
これまた前回読んだ『ラメント』『バラッド』と同じく妖精界と人間界のあれこれの話で
主人公の女の子が妖精と人間から求婚され(もちろんどちらも男前)二人の間で揺れるとか、
特別な立場に選ばれ、当初恐怖を感じていたあれこれが、特権的なものに変わるとか、
まあ少女マンガの王道をいくような話なんですが、
まず言いたい。

世の中にはケルト系の神話体系しかないと思っているのか、と!

大体前の「ラメント」もそうだったけど、
どっちも舞台はアメリカなんですよ!?
ケルトの妖精たちがいるというなら、ネイティブの神話とか(雷の精とか兎男とかは?)
キリスト教関連のあれこれとか(天使とか聖人とか)、
中華街由来の道教とか、その他の色々な神話はどうなっとるんじゃい!
ていうか、ケルト系の妖精のごたごたごときで地球全体がどないかなったりするか!
(事件はハンツデイルというどっかの町周辺でしか起こらず、
物語の舞台は終始その周辺のみに限定されてるんです。
それなのにその局地的出来事が全世界的に影響を与えるなどと
ところどころ言及しようとするから片腹痛いというか。
むりに風呂敷広げなくていいから!
影響があるのはハンツデイル周辺だけにしとけ!)

…まあ、そう言った瑣末なアレコレにはさんざ脳内ツッコミを入れましたけども、
わたくし、おおむねは楽しく読めました…!
というのも、2巻目『闇の妖精王』で出てきたダークキングのイリアル(タイトルロール!)と、
3巻目『永遠の女王』でその後を継いだニールがたいへん好みだったからです…!
もちろん、どちらも脇役です。
イリアルは、名前が某叙事詩の語感と似てるので当初から気にはなっていたのですが、
登場場面が増えるにつれ、
暴力と欲望に支配されるダークコート(まあ、妖精の勢力の一派だと思ってください)を治めるのに
うんざりしてたりとか、その諦観とか、でも、それでもコートのために頑張っちゃうとことか、
あんまり他の人には理解してもらえないけど彼なりにヒロインやニールのことを愛してたりとか
そういった人物設定が分かってきて、
それがまたたいそう魅力的だったのですよ!
最初敵対する立場にいるとか、過去色々あって現在いろいろ諦めてるとか、
どこかでこのタイプ見たと思ったら、「ベルガリアード」のザカーズでした!
ものうげな態度とか、たぶん眠たそうな二重なんだろうなと想像させるとことか。
最近直情直球のおばかさんとか、明るくて前向きな男前にばかり目を向けてましたが、
そうそう、わたし、こういうタイプも大好物よ!と思い出した次第。

次の『永遠の女王』では、イリアルは念願の引退をはたし、ニールがコートを継いでるんですが、
最初、他のコートの相談役、程度の端役で出てきたニールがここへ来て大変身!
これまたセクシーアピール満点のダークキングとして登場します。
イリアルと立場は同じだけど、前任者が割と物静かで冷静だったのに対し、
ニールはもっと気性が激しい感じ。感情表現も豊かな感じ。
もしもヘルメスが裏社会の親分を引き受けたら、こんな風になるんじゃないかな?みたいな
老練で、狡猾で、鮮やかなダークサイドヒーローです。素敵です。

あー、久しぶりにときめいた♪
とりあえず、ヒロイン役は今のところ3人、
ヒーロー役は上述の悪役ボジの二人以外に更に二人、
女の子はどの子も可愛いです。
ヒーロー役の方は、セス(ヒロインの一人アッシュリンの恋人で人間)は、
ものすごい出来た人で、年は若いのに大人です。好感度高いです。
もひとりのキーナン(サマーキング。あて馬)は、いろんな人からボロクソ言われてますが、
妖精なんだからこんなもんだと思う。むしろ、中途半端に感情がありすぎる、もっと酷薄でいい。



とんでもなく個人的な理由で楽しかったので、
他の人が読んで楽しいかどうかは責任持ちません(毎回言ってるな、コレ)。
とりあえず、本国では5巻で完結してるっぽいので、早く訳してほしいところ。
でもアマゾンレビュー読んだら残りの二巻にはイリアルとニールはあんまり出てこなさそうなので
ここで終わりでもいいや、という気もします。

ベニオフの『卵をめぐる祖父の戦争』も読み終えましたが、
感想が長くなってしまったので今度に回します。
以下、落書き(恥ずかしいのでたたむ)

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by mi-narai | 2013-06-27 23:35 | 2013年上半期の読書

『イスラーム文化』『アラビアの医術』『バラッド』『雪の女』『古事記のコスモス』『グリムスペース』

インカ展
去年だか一昨年だか、マチュ・ピチュに行ってきた旅行好きの母を宥めすかして
はるばる行ってきましたとも、京都の博物館まで!
超観光気分♪
もともとあの時代のあの地域好きなので、楽しかったですよ。
これまで、アンデス文明とりまぜた展示とか、マヤ・アステカ混ぜての展示とかは
あったのですが、インカ限定のものはなかったと記憶してるので
そういう意味では目新しかったです。
インカ帝国が帝国になってから滅びるまでの経緯は本などで読んで
あらかじめざっくりは知ってるので、驚いたりびっくりしたというよりは、
「へー、これかー」と納得しながら見る感じでしたけど。
でも、帝国が滅びてからも、インカ貴族は重用されたりしてたらしいのは
ちょっと驚いた。よく考えたら旧支配層を傀儡として配置するのは
植民地支配としてはごく初歩的な手なんだけどなんだか、思いつかなかったのです。
それにつけても、インカ・アステカ関連の事物は見終わった後必ず

スペイン人の馬鹿ーーーーー!!!!!

って思いますね。今回も思いました。
後、大スクリーンの3D映像で往時のマチュ・ピチュの再現映像なんかを
見せてくれるんですけど、それがたいそう楽しかったです。
これよ!こういうのをもっと作ってほしいのよ!
とりあえず、エジプト(新王国時代のテーベと、イスラム時代のカイロ)と
ギリシャ(コリントスを!!!)とエトルリア(フフルナかな。ウェイイでもいいな)と
フェニキア(ティルス!ティルス!)希望!
後、オスマン帝国時代のイスタンブル。
別に物語にしなくていいねん、当時の建物とか生活の再現でええねん!!頼みますよ!!!


イスラーム文化−その根柢にあるもの (岩波文庫)

井筒 俊彦 / 岩波書店

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井筒俊彦著『イスラーム文化』読了。
いや、先日読み終わった『「コーラン」を読む』の中で先生が何べんも
「このことは「イスラーム文化」の中で語ったから今回は省きます」って
仰るから、気になっちゃってさ。
心の赴くまま読んでみました。
『コーランを(略)』の方を読んだ直後だから世界観がかぶってて
ものすごい読みやすかったですよ。
これまた講義録で、
先生が経済界関係の人々に向けて3回に分けて授業をしたその時の記録を
ちょっと加筆修正したものらしい。分かりやすいです。
で、本の構成も3パートに分かれてるんだけど、
1つ目のパートは、「ああ、前の本でもそんなことおっしゃってたな」
みたいな感じ。
2つ目、3つ目で、イスラム共同体についてとか、
シーア派とスンニー派についてとか、スーフィズムとかについて書いてあって、
そっちがこれまたものすごい面白かった!
シーア派とスンニー派の違いがよく分かりました…!
イラン人とアラブ人の差とか。
大分前の本だけどもおススメ!


アラビアの医術 (平凡社ライブラリー)

前嶋 信次 / 平凡社

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前嶋信次著『アラビアの医術』読了。
今更。
個人的に今更アラビアの医術を学んだところで後の祭りなんだけども、
マイ・ブームが去らないうちに読んでおくことにしました。
これはこれで面白いですよ!
アラビアの医術の進展とか、医者列伝とか書かれてます。
最初はやっぱギリシアの医術を基本にしてたから、
ネストリウス派キリスト教徒とかユダヤ人とかが医者になることが多かったみたいです。
初期のウマイヤ朝とか、アッバース朝のカリフもちょいちょい出てきて面白いな。
しかし、カリフの侍医ともなると、心付けが半端なくてものすごい金持ちになれる反面、
ちょっとしたカリフの不機嫌で殺されちゃったりするのですよ。危険な世界です。
後、書物のギリシア語からアラビア語やシリア語への翻訳が盛んにおこなわれてたみたいなんですが、
ひょっとして、原本が残ってないギリシア古典でも、アラビア語で残ってて、
アラビア語だからまだ学会とか一般に発表されてない断片なんかがあるかもしれんなと。
ふと想像してしまいました。
そんなんあったらウハウハなんですけどね~!
ギリシア古典に堪能な方、だれかアラビア語勉強して、漁ってみてくれないかしらん。

ところで。
後ろの解説読んで、作者の前嶋信次先生が実はだいぶ古い人だと知りました。
戦時中南満州鉄道東亜経済調査局とかに勤めてるよ…!!
結構この方の書いたアラビアンナイト関連の本読んだりしたんですが、
まったく文体が古臭くなく、存命の現役の先生だと思い込んでた…!
『「コーラン」を読む』の井筒先生の教え子的な。

井筒先生の10歳あまり年上やん…!!!

これが一番の衝撃でした。


ラメント (妖精の騎士に捧げる哀歌) (創元推理文庫)

マギー・スティーフベーター / 東京創元社

スコア:


マギー・スティーフベーター著『ラメント』読了。
音楽的才能はあるけどあんまりぱっとしない主人公が
才能ゆえに妖精に狙われ、
ある日突然異界の存在に気付かされ、
敵の男前と恋に落ちたり殺されかけたり色々する話。
あらすじを読んで、ロマンス小説っぽいかなと思っていたのですが、
実際に読んでみたらもうちょっと若い子向けでした。
主人公も16歳だし。
ヤングアダルト恋愛小説ファンタジー風味。
若い子同士の一途な恋愛とか、三角関係とか、
うん、少女マンガっぽいです。
講談社じゃなくて小学館あたりの。
いや、だからといって、つまらないわけではなく、楽しく読み終えましたよ。
次巻では、今回主人公に振られた男の子が主役になってるらしいので、超気になります。
この、『脇役が次の巻で主役に抜擢されるスピンオフ戦略』に、
脇役好きの私がどれほど散財させられたか!!
(『オデュッセイア』始めな。)


雪の女 (創元推理文庫)

レーナ・レヘトライネン / 東京創元社

スコア:


レーナ・レヘトライネン著『雪の女』

あらすじに、小柄な女刑事マリア・カッリオがパワフルに活躍する話、
みたいに書いてあったから、まあ普通に小柄な人を想像してたら、


主人公、160センチちょい、だと…?



フィンランドの小柄、パネェーー!


とりあえず、それが一番びっくりしました。
男の人でも、170センチで小柄て言われてるしな。
どんだけ皆背が高いのか。
(北欧の中ではフィンランドは平均身長は低めとか聞いたけど…(ゴクリ))

どうも、シリーズ3作目をいきなり日本語訳したみたいで、
ところどころに「あれ?この話どっから出てきた?」みたいな箇所はあるものの
面白かったです。
推理とかトリックを重視する様式美ミステリーというよりは、
読者が捜査する主人公と同じ目線で謎を追い、日常を追体験する、みたいな
ミステリーでした。起こった事件がそもそも謎だらけで、
捜査する過程がけっこうワクワクしましたよ。
主人公は、ガッツがあるものの、大人で、同僚のいやがらせも、
(内心むかっとしつつも)さらっと受け流せる度量のある女性です。安心して読めます。
それに、今回の嫌な同僚は、『ミレニアム』の女性蔑視クソ刑事ファスキほど
ダメ男でもないです。
読んでて感じたのですが、この人、単に不器用なだけじゃないかな。
わたしは今回のペルツァに関しては許容範囲内。

外国の娯楽本を読んでいて楽しい点には、話の筋以外に暮らしっぷりが覗き見れて楽しい、
というのもありますが、とりあえず、今回読んで思った事を書きます。
・フィンランドは働き方が自由でうらやましい。
働きたいという意欲がある人は、働けて、正当に賃金をもらえているっぽいことや、
学んだり、資格を取ったりすることに年齢制限が設けられていないことが。
いいなあ。
いいなあ、というだけではなんもならんので、
やっぱりちゃんと考えて、選挙も行かねばならんな!(いや、投票は毎回行ってるけども)

・けど、フィンランドの社会でも、女性は家に入ってパン作って子供育ててろ、みたいな圧力が
あるんだなあ、と知ってちょっとびっくりしました。どこも大変だよな…。


バラッド (妖精のミューズに捧げる物語詩) (創元推理文庫)

マギー・スティーフベーター / 東京創元社

スコア:


マギー・スティーフベーター著『バラッド』
「ラメント」のスピンオフ。なんと、自分、既に購入済みでした☆
大体振られる人に過剰に感情移入してしまうわたしのこと、
今回のスピンオフ、ものすごく楽しく読めました。
前回は、女の子と妖精の狩人の夢(ちうか、悪夢)みたいな恋の話だったので、
そう主人公の女の子に抵抗もなく何も考えずに読んでたんですが、
今回その女の子に振られた側の男の子の話なんですよね。
振られた側に同情しながら読むと、

振った女が超いけすかねぇ…!!

いい加減あの女を吹っ切れよ、ジェームズ(今回の主人公の名)!!と思いながら
読んでしまいました。
しかしまあ、この人間二人はいいのです。
出てくるリャナン・シーのヌアラ(仮名)がものすごく良かった!
好みだったの!
ジェームズに出来た新たな友達ポールがいい味出してたり、
担任のサリヴァン先生が絵にかいたようないい大人だったり、
『ラメント』より楽しく読み終えちゃったかも。
読後感も良かったですよ!


古事記の宇宙(コスモス)―神と自然 (中公新書)

千田 稔 / 中央公論新社

スコア:


千田 稔著『古事記のコスモス』
読了。
タイトルの通り、古事記に出てくる自然環境について文脈から読み解いている話。
これまでの古事記研究を踏まえつつつい最近書かれたっぽいので
割と楽しく読めました。
自然環境に特に注目して書いてあるのも読みやすい。
この著者の目新しい点は、古事記は大海皇子系の勢力が書き上げたもので、
中国の道教思想が各所にちりばめられている、としているところでしょうか。
以下、雑感を箇条書きにメモっておきます。

・太陽とカラス、月とカエルはセットなのね。
そういや、アスクレピオス誕生譚あたりのコロニスのエピソードにもカラスが
絡んでたな。まあ、古事記とは関係ないでしょうけども。

・彦と姫はそれぞれ日子、日女、で、太陽の子ってことらしい。
へー!

・そういや、古事記の中の海洋民系の神話についても割と熱く語る作者だったな。
いろんな他の研究者の説を紹介してくれるので、それを辿るのも結構楽しかったですよ。


グリムスペース (ハヤカワ文庫SF)

アン・アギアレイ / 早川書房

スコア:


アン・アギアレイ著『グリムスペース』読了。
SFです。
宇宙の遠距離間を航行するときに、時間短縮のためにワープする、
それはSFのお約束です。
そのワープの仕方は、作品によって千差万別です。
前回読んだ『異星人の郷』は航行なんて不要で、ピンポイントに狙いの場所に出現する
なんかどこでもドアみたいな感じの移動方法でしたし、
シーフォート・シリーズは(主人公にも理解できない)N波に乗ってワープしてました。
で、この作品の場合は、グリムスペース、というところを通り抜けてワープするの。
主人公は、特殊な遺伝子を持っているためグリムスペースの内部を
案内することができるナビゲーター。

大筋を言うと毛色の変わったロマンス小説です。

や、まあ、わたしはそのつもりで読んだということで。
もんのすごい楽しかったよ!!
ナビゲーターはグリムスペースに潜ってる間身動き取れないので、
ナビに従って艦を操縦するパイロットが必要なんだけど、
このナビゲーターとパイロットは二人でひと組なんですよ。
で、グリムスペースにジャックインしてる間は
精神を共有してしまうというか、相手の思考が駄々漏れになってしまうというか、
どうです、もうこてこてのロマンス設定でしょうがッ!
で、物語は、主人公が相棒を事故で失った直後からスタートなのです。
成り行きで、パイロットとしての腕は確かだけど無愛想な兄ちゃんと
仕方なく組んで艦を運行するはめになってしまい、そこから
壮大なごたごたに巻き込まれ、死にそうな目にあったり、一旦リタイアしたり、
爬虫類の赤ん坊拾っちゃったり色々するわけです。
ヒロインが世慣れてタフで短気で、でも繊細なところもある大人の女の人なので、
少女マンガのいかにも女の子っぽい主人公に対するようなイラっと感もなく、
大層楽しく読めました。
いや、だいぶ大雑把な感じの主人公なので好き嫌いは分かれるとは思うのですが
わたしは好きかな。
ヒーロー役の新パイロットもむっつりしてるけど別に嫌いなタイプではないし、
最初の辺りの徐々に二人が近づいていく場面などにはきゅんきゅんしました。
恋愛一本道よりも、こういう別の話が中心にあるものに恋愛が織り込まれてる方が
なんか燃えるよなあ。
本国では5冊までシリーズが出ているので続きを早く翻訳してほしいところです。
ハヤカワさん、がんばって!!
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by mi-narai | 2013-06-11 23:34 | 2013年上半期の読書