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コズミック・フロントNEXT,『毒味師イレーナ』『世襲格差社会』『とりかえばや物語』

100分de名著

今月はレヴィ=ストロース大先生やないけ!!
おまけに、解説が中沢新一…だと…!?

これはもう、見るしか!!

ということで、毎週視聴してます。
難しいです、先生。
でも、構造主義のハナシは面白い。


コズミック・フロントNEXT

銀河鉄道の夜の回
「日本文学ふいんき語り」を読んで以来、宮澤先輩はちゅうにびょうの人というイメージが
勝手に付いちゃってるんですが、
銀河鉄道の夜は嫌いじゃないです。
初読の小学生の時は、よう分からんイメージがいっぱいあったけどな。
今回、天の川を白鳥座から順に下って行ってるんだよとか、
石炭袋はこれだよとか、宮澤先輩の生きてた頃に発表された物理学の発見とか、
いろいろ背景を知って、面白かったです。
昔読んだ話の内容もぼんやり思い出して、ついでに見た映画(猫のやつ)も
思い出して、あの映画、音楽が好きだったんだよな~とか、懐かしくなりました。
未だにちょっと切ない思い出なのは、あれ、男の子同士の友情の話だからなのね。
ジョバンニとカンパネルラの会話が可愛かったなあ、という薄ぼんやりした記憶がある。


ツングースカ大爆発の回
隕石衝突で決まりだと思ってたので、諸説あることにびっくりしました。
結構最近の事件なのに、分からないものなんだなあ…
いつもの物理っぽい説明よりかは、ミステリー寄りで
ちょっと面白かった!


生命のいそうな惑星を探す回
以前は太陽と同程度の恒星を重点的に調べてたんだけど、
最近は、赤色矮性を回る惑星も探索の範囲に入れているらしい。
この、赤色矮性のハビタブルゾーンにある惑星の説明がすごいおもしろかったの!!
赤色矮性というのは太陽よりもっと小さい熱量の少ない恒星なので、寿命も長いし
そんなに熱くないから、液体が液体のままでいられる範囲も、太陽系よりもっと恒星に近いの。
で、近すぎるあまり、主星による潮汐ロックがかかって、
同じ面しか恒星に向けない惑星ができあがるのよ!!
(この潮汐ロックに関しては、月もかかってて、月の同じ面しか地球に向いてない)
一日中昼の表面と、黄昏ゾーンと、裏っかわのずっと夜のエリアとがあるの!!
季節どころか朝昼晩の概念もない世界ですよ。
植物層も固定されるんじゃないかしら。
こんなの、ファンタジーの世界の話だと思ってたのに、おもしろい!!!
そんな環境で生まれた生命って、どういう進化をたどるのかなあ!
考え始めるとわくわくが止まりません。


獄門島
金田一がぶっとんでた。
ディオ様降臨やったで…
でもまあ、戦場でこれでもかという理不尽な目にあって、本心から
なんで人は人を殺すねん!と思ってた青年に、あんな理由突きつけられたら
そらまあ、切れるよな、と妙に納得させられてしまいました。


そして誰もいなくなった
さすがに放送規定にひっかかるのか、インディアンが、兵隊さんになってました。
獄門島と同じカテゴリーや。
わたし、これの原作が大好きなんですけども、
もう、ミステリー好きなら知らぬものはないっちゅうくらいの有名な古典で、
もちろんオチも衆人が知ってる有名なアレなんですが、
(オリエント急行、アクロイド、ABCと並んで)
それでもあの一連のスピード感とサスペンスはさすがです。
こわいこわい。まだミステリー黎明期なので、ミステリーという箱の中で
こねくり回された、推理のための推理、みたいな局面が少なくて、
ほんとにありそうな話っぽくかかれてるので、よけいにハラハラします。
ふつう、ああいう場面で、いきなり事件の推理に乗り出したりしないよな、一般人は。
全3話らしいので、クローズドサークルのミステリーの死亡フラグがいくつ出てくるか
数えながら楽しみにみようと思います。部屋に一人でこもった奴は死ぬとかさ。




ここから本

ばけもの好む中将 四 踊る大菩薩寺院 (集英社文庫)

瀬川 貴次 / 集英社

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瀬川貴次著『ばけもの好む中将4』
お借りしたもの。
さらっと読めて意外と楽しくて、結構好きなシリーズなので貸してもらうのが待ち遠しい。
今回は、とうとう一番下の12の姉上が出てきました。
その下の姉上へのわがまま東宮の淡い片思いの行方が気になって仕方ありません!
今回は絡繰り仕掛けとどたばた喜劇が盛りだくさんで、
んなあほな!
と突っ込みつつ、楽しく読み終わりました。


毒見師イレーナ (ハーパーBOOKS)

マリア・V スナイダー / ハーパーコリンズ・ ジャパン

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マリア・V スナイダー著『毒味師イレーナ』
各所で話題だったので中古で買い求めてみた。
法律の厳格な軍事政権下、極悪人相手とはいえ人を殺してしまった主人公が、
死刑の代わりに最高指導者の毒味役に任命されるところからスタートです。
のっけから、逃げられないように猛毒盛られてるし(毎朝解毒剤を飲む必要がある)、
なんというか、すんごいジェットコースタードラマでした。
割合おもしろかったですよ。未だに欧米系の魔法の表現に慣れませんが。
欧米の人の魔法の概念て、超能力とあんまり変わらないよね。
どうしてもわたしは陰陽道的な学問体系、みたいなのを想像しがちなので、翻訳物で
魔法が出てくると、使い方がアバウトだよなあ、と思ってしまいます。
それはさておき、じわじわ人間関係の輪を広げ、信頼も勝ち得、なんとか最初のどん底からは
這い上がった主人公が次に魔法の修行をしに故郷に赴くところで1巻は終わり。
原価で買うのはもったいないけど、中古で続きがでてたら買おうかなあ。


世襲格差社会 - 機会は不平等なのか (中公新書)

橘木 俊詔 / 中央公論新社

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橘木俊詔著『世襲格差社会』
いや、最近の格差の開きについてはいろいろ思うところがあるので!
新書で出ていたこの本を買い求めてみました。
格差というものを、世襲というポイントに絞って論じたまじめな一冊。
著者の言うには世襲も二分化してて、
まったく金にはならないけど伝統技術を守るために世襲をするパターン(無形文化財とかそういうの)と、
単純に親の地盤を引き継いだら儲かることがわかっているので跡を継ぐパターン(政治家とか医者とかな)
があるそうです。
賃金よりも、資産の方が増える率は高くて、しかも世襲で有利な人間のところには
どんどん富が蓄積されるんだから

まったく世の中不公平だぜ!!!

と激しく憤った次第。相続税で全部ぶんどってまえばええねん
後、政治家と医者は親の開業してた地域とは別地域から出馬とか開業せなあかんて
法律で定めたらええねん。
教育格差もそうですが、格差が世代間で固定されるのは許し難い!ふんとにもう!!


裏切りの月に抱かれて (ハヤカワ文庫FT)

パトリシア ブリッグズ / 早川書房

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パトリシア・ブリッグズ著『裏切りの月に抱かれて』
ずーっと前に100円くらいで買った早川ファンタジー。
なんとなく気が向いて読んでみました。
以外とおもしろかった。
ちょっと前、アメリカで狼男とか吸血鬼とか、そういう人外の妖怪と人間とのロマンスが
はやった時期があったそうなんだけど、まさにその時期にかかれた一冊で、
主人公は動物に変化する能力を持った女の人。
噛まれて感染して変化してしまう狼男や吸血鬼とは一線を画してて、
ネイティブ・アメリカン系の生まれつきそういう家系の人なの。
そんな彼女が、人狼社会のあれこれに巻きこまれ、故郷の初恋の人と、今すんでる地域の
アルファ狼の間で揺れちゃったりなんかして、ロマンス要素もちゃんとあり、
なんか、パラノーマル・ロマンスとしては、割合おもしろかったのです。
アメリカでは続きも結構出てるみたいなんだけど、日本では翻訳はされてません。
3巻で3角関係にも決着がつくみたいなのに、昨今の出版事情のシビアさよ。
(原書を読むしかないのか?)
ちなみにわたしは初恋の人サミュエルより、今の隣人のアルファ狼アダム推しです。


とりかえばや物語 (文春文庫 た 3-51)

田辺 聖子 / 文藝春秋

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田辺聖子著『とりかえばや物語』
前に『おちくぼ物語』の方を貸してもらったのですが、その流れでこの本も貸してもらいました。
これの知識といえば山内直子の『ざ・ちぇんじ』くらいですよ。
原作を読んで、さすがに「ちぇんじ」のほうは、少女マンガだけにだいぶマイルドに
してあったんだなあと改めて実感。
原作の方は、たぶん大幅に田辺聖子の手が入ってやはり抑えめにはなってると思うけど
もうちょっとえげつないというか。
宰相の息子もそうだけど(この物語では夏雲という名前を与えられていました)、
男に戻った主人公の兄も、ほんま、

どないしょうもないな!!

と男性陣にいらいらいたしました。その中でさすがに不敬に当たると思ったんか
御門に関しては、理想の男性として描かれていて、この理想の男性像が今でいうところの少女マンガの王子様的で
今も昔も女子の萌えポインツは一緒ね、とほのぼのいたしました。
主人公の、男として身を立てた女の子(春風という仮名が与えられてました)は、終始
男前で、理性的で潔く、気持ちよかったよ。
後、『おちくぼ』の方の解説は美内すずえ先生でしたが、この『とりかえばや』は
里中満智子先生だった。

まちこーー!!!!


昔ばなしの謎 あの世とこの世の神話学 (角川ソフィア文庫)

古川 のり子 / KADOKAWA

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古川 のり子著『昔ばなしの謎 あの世とこの世の神話』
角川らしく、さらっと読みやすい本でした。
昔話に出てくる登場人物を、さらに昔の文献に探し、掘り下げ、そういった登場人物が
かつての日本人にとってどういった印象と意味を持つものなのか、などを
桃太郎や浦島太郎、かちかち山といった有名昔話ひとつひとつについて考えていく感じ。
おもしろかったですよ。
桃太郎の連れてる犬、サル、キジ、がすべて境界をまたいだり、越えたりする動物だったりとか。
(鳥がそうであるのはギリシャ神話もなんだけど)
それから脱線して、日本における鳥の印象の捉えられ方とか。
ふつうは猛禽類が最強なんだけど、日本では小さいスズメ目の鳥がそれより強いことになってて、
このあたり、干支の最初になぜネズミがくるかというエピソードとも重なってて
ちょっとおもしろかった。
後、底辺に流れる世界観は一緒で、登場人物の性別、年齢、などによって結末が分かれる、という指摘とか。
異類婚のあたりは、前にも別の本で読んだことがあったのでさほど目新しさはなかったですが、
全体的に読みやすかったです(この一文に戻ってくる)。


ヒトはいかにして生まれたか 遺伝と進化の人類学 (講談社学術文庫)

尾本 恵市 / 講談社

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尾本恵市著『ヒトはいかにして生まれたか 遺伝と進化の人類学』
最近、ヒトの進化に関する本を読みあさっていたので、まだ知識を覚えているうちに、
と思ってこれも読んでおいた。
少し古くて、1995年の講演内容を文字化したもの。
今回は、日本の人類学に関する流れとかが、著者の体験にかぶせて説明してあって、
当時の雰囲気が嗅げたのは目新しかったです。
やはり、分子遺伝学の発展は、この分野を大きく変えたのだなあ!!
人類学の大まかな流れは、だいたいの本で一致してるんですが、
諸々のまだ解明されていない問題に対するその解釈はまちまちで、
この著者についていえば、人類に毛のない理由とか、独特でおもしろかったです。
後、ネオテニーについて、わたし、いまいちわかってなかったんですが、
ようやくすっきり理解できた気がします。


雑誌『EPTA』
超絶かわゆらしい上司にまたもやただでもらったので。
今回は種特集でした。
いいよね、植物は。いやされるよね。
種だけじゃなくて、和綿の記事なんかもあったんですが、
日本産のコットンって生産量ほとんど0%に近いんですって!!
マジか!
最近コットン100%の衣類の手触りの良さに目覚めたところなのでそれは残念だと思った次第。
日本産の綿の方がしっとりしてると聞いてはよけいに、ますます。
地域に根ざした野菜なんかも、育てやすい商業用苗に押されてどんどん失われて
いってるみたいだし、なんか、知らんとこで日本の植物層が消えてる、と思うと
なんか、悲しくなりました。自家農園すべきか!?
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by mi-narai | 2016-12-08 10:45 | 2016年下半期の読書