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『100分de名著 アラビアンナイト』 『ゴッサムの神々』 『鍋奉行犯科帳』

朝ドラ、まだ見てます。
ここ一月ほどのまっさんの安定のダメっぷり。
それはさておき、かもいのたいしょうです!
相変わらずでてくると漏れなくときめきます。
中の人は別段好きでも嫌いでもないんだけど、たいしょうは好きだ!


フーケ
小さい頃からずっと身近にあったのにこのたび倒産しちゃったのよ!!
悲しい…
ふつうに美味しいケーキ屋さんだったのですが。
甘さ控えめでお値段も控えめでけっこう好きだったのになあ…


エジプト展行きました。
相変わらず、最寄りの博物館はエジプト展が多いな!(喜
女王と女神を特集してあったけど、あれ、メトロポリタンが発掘したんが
ハトシェプスト女王関連の施設だったからなのね。
しかし、エジプトとか中国とか、メソポタミアなんかの展示を見に行くと時間感覚狂いますね!
前500年がまだ最近とか思っちゃうってどうよ。
日本じゃまだ歴史時代にもなってねえよ!
一緒に行ったお茶友達と、「ちょ、カバ!カバ女神…!!」
と、やたらカバに興奮してしまいました。


ヘルメスソース
大阪でヘルメスソースというソースを作っていることを発見してびっくりしました。
ホームページで製品をみたら、マジでラベルがケーリュケイオン!


『アラビアンナイト』 2013年11月 (100分 de 名著)

NHK出版

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薄い本シリーズで、『100分de名著 アラビアンナイト』西尾哲夫著
読了。
いや、アラビアンナイト回、テレビでも見たんですけど、解説をちゃんと読みたくって
テキストも買ったんですよ。N○Kさんに踊らされています。

面白いですよ。
アラビアンナイトの変遷の歴史から、内容から見る当時のイスラム世界の国際性とか、
ぺらい冊子なのに大事なところはきちんと抑えてある感じです。
作中の料理とか女性像とか全ての項目が楽しかった~!
中でも強く「そうだなあ」と思った事が三つあって、
一つ目は、アラビアンナイトと日本の読者についての指摘。
日本人、というかわたしにとってアラビアンナイトは
日常から最もかけ離れたエキゾチックなおとぎ話なんですが
地理的にも遠いし実際のアラブ世界を熟知しているわけでもないし、
その上日本に入ってきたアラビアンナイトはいったん西欧人の手で編集されたものなので
アラビアンナイトに対する理解が表層的なものにとどまっているんですよね。
そのことが後書きで指摘してあって、「そうなんだよなあ…」と思いました。
アラビアンナイトで創作する場合、個々のパーツだけ借りて
神髄は無視、みたいなことになっちゃうよなあ。別に面白けりゃそれでいいんだけどさ、
なんとなく、ごめんねアルフ・ライラ・ワ・ライラ、という気になってしまったもので。

二つ目は、アラビアンナイトにおいて良心とか、勧善懲悪とかは大して重要視されておらず、
相手との丁々発止の化かしあいなんかが拍手喝采を浴びる、て段が
いかにも民間説話の流れで良いよなあ、と思ったこと。
個人的に、清廉さとか、忠心といった武士的価値観より、どれだけ機転を利かせるかとか、
とんちが回るかとか、賢さと気っぷのよさで乗り切る商人的価値観の方が好きなもので。

三つ目は、物語の効用について。
物語には作者の意志とか意見とか伝えたいこととかなくていいねん。
読んでる人が勝手に好きなように解釈して勝手に開眼するから、という作者の意見に共感した。
つねづね、文学作品を読まない理由として、作者に対して
「なんかえらそうやな、お前に教えてもらわんでも大事なことは自分で考えるからええわい」、
と思ってしまっていたからという、ものごっつアホいあれなんですけどね。
哲学の場合は、誰かが「これはこうじゃないかな!!」と思ったことをストレートに言ってるのを
横で聞かせてもらってる感じで面白いんですけども。
いや、まあ、いわゆる食わず嫌い、なんだろうなあ。
文学を読む為のリテラシーをいつか身につけたいものです。
いやほんとに。


ゴッサムの神々<上> (ニューヨーク最初の警官) (創元推理文庫)

リンジー・フェイ / 東京創元社

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ゴッサムの神々<下> (ニューヨーク最初の警官) (創元推理文庫)

リンジー・フェイ / 東京創元社

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リンジー・フェイ著『ゴッサムの神々』(前)(後)
表紙の絵が気になってたところ、ちょうど古本屋でみつけたので買ってみた2冊(前後篇)。
「ニューヨーク最初の刑事の話」と帯とあらすじに乗ってたので、
ロンドンのボウ・ストリートの取り手とか、ヤードの話っぽいのを想像してたら

ニューヨークの刑事生活は遥かにサバイバルだった…!

ニューヨークって、他のアメリカの都市より、警察の設置が遅かったんですってね。
この頃、東海岸にはどんどんアイルランドから移民が雪崩れ込んでる時期で、
どこでも移民は安い労働力として搾り取られて極貧生活なんだけど、そのせいで
そのアイルランド人と黒人は先に住んでた白人たちにものすごい蔑まれてたりして、
アイルランド人と黒人の居住区は鬼のように治安も悪く、
その上、カトリックのアイルランド人たちとプロテスタントの他の白人たちの間に
誤解と偏見に基づく深い憎悪の応酬があったり、

いやー、この都市で生き抜くのって、大変だな~

と読者にしみじみ思わせるカオスっぷりですよ。
で、主人公は郊外で育ったアメリカ人なんだけど、
幼いころ火事で両親を亡くし、若干道を踏み外しかけてる豪快な兄ちゃんと家族二人
けなげに生き抜いてきて、好きな女の子もいたりして、
バーテンとして働きながら結婚資金溜めてたら、
今度は自分のアパート一帯が火事で焼けちゃって、タンス預金も全部パーで、
プロポーズどころか明日の生活の糧にも事欠く感じになっちゃって、
そんな時に放蕩兄貴の口利きで、新たに新設されたニューヨーク市警の巡査に採用される、
という、のっけから怒涛の前振りです。
最初は、思い出と現在とが混ざり合ったような書き口だったり、兄貴の描写が
とんでもなかったりで「しまった、これ、失敗したかな」と心配しましたが、
その巡査になった主人公が、血まみれの少女を拾った辺りから面白くなってきた!
そこから明るみに出る連続猟奇殺人、
その傍ら、主人公の片思いの娘さんとのあれこれや、
ダメ兄貴だとばかり思ってた兄貴との兄弟ならではのやりとりが挟まれたりし、
結局最後まで飽きずに読んでしまいました☆
いや、意外と面白かった。
バーテンダー時代に培った主人公の観察眼が遺憾なく発揮されるのは気持ち良かったし、
推理の行きついた先の犯人あての部分も、スピード感があって引き込まれました。
治安が悪くてごちゃごちゃしてるけど生命力に充ち溢れたこゆい世界とか、
アウトローな感じとか、ゴシックホラー的な猟奇殺人とか、
兄と弟の葛藤&和解といった人間ドラマがお好きな方にはおススメです。
主人公も理性的で素敵ですが、わたし、強烈な兄貴が結構好きかも。


禁欲のヨーロッパ - 修道院の起源 (中公新書)

佐藤 彰一 / 中央公論新社

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佐藤彰一著『禁欲のヨーロッパ - 修道院の起源』
これも修道士の生活が知りたくて読み始めたんだけど、そう言った事はまったく出てきませんでした…(どーん)
しかし、起源、と銘打ってあるだけあって、キリスト教が始まる前のギリシア・ローマ時代の結婚観とか、倫理観とか、
異教徒の信仰形態とか、ローマが崩壊していく様子とか、民族・歴史的な背景部分の説明が
ものすごく面白かった!!
ゲルマン人とか、今のフランスあたりにいたケルト人とかって、
キリスト教に改宗して聖人崇拝が始まる前は、
場所、とくに水場に対する信仰があったんだって!
ギリシャやエトルリアでも神殿に直してほしい患部奉納して怪我・病気の治癒を祈願したり、
完治祝いにまた神殿詣で行ったりしてたけど、
ゲルマン人かケルト人かどっちか忘れたけど、ローマの周辺部族は、そう言った奉納物を
泉とか池とか、水場に捧げたんだそうな。あと、硬貨を放り投げたり。

トレドの泉はここからか…!!

と目から鱗でした。
後、修道士たちの煩悩を切り捨てようと四苦八苦する様子が、なんちゅうか笑いを誘う…
(いや、本人たちものすごい真面目にやってるんですけどね)
極端すぎるだろ、とは思いますが、確かに性犯罪を考えると極端に走りたくなる気持ちは分かる。


鍋奉行犯科帳 (集英社文庫)

田中 啓文 / 集英社

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『鍋奉行犯科帳』
最初はたるいなぁと思いながら読んでましたが、登場人物に慣れてきたあたりから
面白くなってきました。
語り手は、若い兄ちゃんなんだけど、探偵役はその上司の型破りなお奉行様。
大食漢でデブでワガママ放題で困った人なんだけど、
食に関してはものすごい真摯なんですよ。(いや、奉行としてそれはどうか、とは思うけど)
そのほかにも、主人公周りの人々、芸者上がりの美人の母上とか、目端の利く手下とか、
主人公にやたら迫ってくる三味線の師匠とか、
逆に主人公が淡い思いを寄せている道場の娘さんとか、
レギュラーメンバーになじめばこちらのもの。
後、滅多になく江戸時代の大阪が舞台なので、そのあたりの風俗も面白い。
江戸は北町奉行所と南町奉行所があって、それとは別に火付け盗賊改めがいるけど、
大阪は西町奉行所と東町奉行所なんですね。
町人が強いから武士が割とないがしろにされがちな感じが、よく出てますよ。
あ、いつものダジャレなノリは健在ですが、エロとグロはないので安心してください。
思いの外ふつうに時代小説なので、こっちが拍子抜けするくらい。


道頓堀の大ダコ (集英社文庫)

田中 啓文 / 集英社

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『大鍋奉行犯科帳 道頓堀の大ダコ』
1巻目でメンバーになじんだ読者には、安定の続編。
お奉行様の個性が段々愛おしくなってきます。しかし良く食うな、この親父。
2巻目は、若干トリッキーな仕掛けとか、ネタで大幅にファンタジー感が倍増してますが
それでもそこそこ面白かったです。
明るい時代物を読みたい方におすすめ。
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by mi-narai | 2014-11-30 16:40 | 2014年下半期の読書