<   2013年 06月 ( 2 )   > この月の画像一覧

『ブラウン神父の無心』『果てしなく美しい日本』『妖精の女王』『闇の妖精王』『永遠の女王』

ネサフしてて今話題の『進撃の巨/人』の二次創作というか、パロディで


進撃の阪神


というタイトルを見つけて、吹いた。



ブラウン神父の無心 (ちくま文庫)

G.K. チェスタトン / 筑摩書房

スコア:


G・K・チェスタトン著『ブラウン神父の無心』読了。
カトリックの司祭である見た目がものすごい地味なブラウン神父が
その冴えわたる推理を披露する短編をまとめた一冊。
とりあえず、古典なので読んでみました。
無茶なトリックとか、幾つかある可能性のうちの一つでしかないのに
それが当然の帰結、みたいな顔で推理を話したりとか、
若干ツッコミどころもあるのですが、
古き良き時代の推理小説、という感じで、面白かったですよ。
あんまり犯罪が今ほど無機質で残虐じゃなかったんだな、みたいに思わせるノスタルジーが。
(まあ、実際はそうでもなかったんだろうけど)
最初の数編で、ブラウン神父の最大の宿敵、フランス人怪盗フランボーが登場するんですが、
彼、途中で神父に魂の救済を説かれ、改心するんですよ。
(犯罪者を法の裁きにゆだねなくても、キリスト者的に救われたらそれでいいや、という
態度は大変神父っぽい。わたしはアリだと思うんだけど、日本のミステリーを読み慣れてる人は、
「ええんかい、ソレ!?」と思うかもしれん。)

で、このフランボー、のち、神父の親友として再登場とかしちゃったりするという…!
この設定が、なんか妙にツボって、ブラウン神父単体をというよりもフランボーとセットで
愛でてたんですが、
そのことを、既にこのシリーズを読んだらしい妹に言ったところ
(※わたしの妹もミステリー好きである)

「読んだとき、わたしも全く同じこと思った」

との答えが。
姉妹の血を色濃く感じた瞬間でした。
あたしたち、メディア媒体での、好みのタイプとかシチュがものすごくかぶるよねー!


果てしなく美しい日本 (講談社学術文庫)

ドナルド・キーン / 講談社

スコア:


ドナルド・キーン著『果てしなく美しい日本』読了。
ちょうど、震災後、キーンさんが日本国籍を取って永住してくれるという話を有り難いと思い、
印税の足しにしてくれとお布施のつもりで本屋で購入した一冊。
タイトルはえらいキラキラしいですが、本の内容は、今から40年ほども前に
キーンさんがアメリカ人向けに書いた日本ガイドの翻訳です。
日本版が出たのが確か1975年くらいなんだけど、後書きに「15年ほども前にこの本を書いた時には」
とか書いてあるので、英語で書かれた当時はおそらく1950年代だったと思われます。
キーンさんもまだ日本歴が浅い頃。
なので、日本に対する視線は「まあ、日本に数年滞在した外国人ならこんなもんかな」ほどのもんです。
あれから60年も経ち、ご本人の日本観も色々変わっただろうし、
「なんだ、大したことないじゃないか」などと思わずに、
若いアメリカ人の当時としては格段に日本に好意的な意見をほほえましく読んでください。
それよりも、当時の日本の雰囲気や風俗が色々と読めることの方が楽しいです!
ほんとに、ものすごい時代の流れを感じますよ!
50年しか経ってないのに!!
でも、すでにそのころ結構工業化してたという記述もあり、逆にびっくりもしました。
この本を読んでて気づいたのですが、日本は文化を強制された事って、あんまりないのだなあ…。
自国がさほど進んでないのを自覚しつつ、大国のいいところを都合のいい部分だけ輸入してるというか…。
日本文化のミックス具合とか、新しいものを取り入れつつもそれ一色にならずに
古いものも駆逐せず放置したりだとか
そういう特色って、文化を取り入れる際の日本の昔からの方法によるところも大きいのかなと
(幸運にも、先方の文化を好きに取捨選択できる自由度の高さがあること)そんな風に思いました。



妖精の女王 (創元推理文庫)

メリッサ・マール / 東京創元社

スコア:



闇の妖精王 (創元推理文庫)

メリッサ・マール / 東京創元社

スコア:



永遠の女王 (フェアリー・コート・シリーズ3) (創元推理文庫)

メリッサ・マール / 東京創元社

スコア:


メリッサ・マール著『妖精の女王』
『闇の妖精王』
『永遠の女王』
一気に読了。
ものすごい娯楽目的で読みました。以下、雑感。

文学だと思って読んではいけません。小学館か白泉社の少女マンガだと思って読むべし…!
これまた前回読んだ『ラメント』『バラッド』と同じく妖精界と人間界のあれこれの話で
主人公の女の子が妖精と人間から求婚され(もちろんどちらも男前)二人の間で揺れるとか、
特別な立場に選ばれ、当初恐怖を感じていたあれこれが、特権的なものに変わるとか、
まあ少女マンガの王道をいくような話なんですが、
まず言いたい。

世の中にはケルト系の神話体系しかないと思っているのか、と!

大体前の「ラメント」もそうだったけど、
どっちも舞台はアメリカなんですよ!?
ケルトの妖精たちがいるというなら、ネイティブの神話とか(雷の精とか兎男とかは?)
キリスト教関連のあれこれとか(天使とか聖人とか)、
中華街由来の道教とか、その他の色々な神話はどうなっとるんじゃい!
ていうか、ケルト系の妖精のごたごたごときで地球全体がどないかなったりするか!
(事件はハンツデイルというどっかの町周辺でしか起こらず、
物語の舞台は終始その周辺のみに限定されてるんです。
それなのにその局地的出来事が全世界的に影響を与えるなどと
ところどころ言及しようとするから片腹痛いというか。
むりに風呂敷広げなくていいから!
影響があるのはハンツデイル周辺だけにしとけ!)

…まあ、そう言った瑣末なアレコレにはさんざ脳内ツッコミを入れましたけども、
わたくし、おおむねは楽しく読めました…!
というのも、2巻目『闇の妖精王』で出てきたダークキングのイリアル(タイトルロール!)と、
3巻目『永遠の女王』でその後を継いだニールがたいへん好みだったからです…!
もちろん、どちらも脇役です。
イリアルは、名前が某叙事詩の語感と似てるので当初から気にはなっていたのですが、
登場場面が増えるにつれ、
暴力と欲望に支配されるダークコート(まあ、妖精の勢力の一派だと思ってください)を治めるのに
うんざりしてたりとか、その諦観とか、でも、それでもコートのために頑張っちゃうとことか、
あんまり他の人には理解してもらえないけど彼なりにヒロインやニールのことを愛してたりとか
そういった人物設定が分かってきて、
それがまたたいそう魅力的だったのですよ!
最初敵対する立場にいるとか、過去色々あって現在いろいろ諦めてるとか、
どこかでこのタイプ見たと思ったら、「ベルガリアード」のザカーズでした!
ものうげな態度とか、たぶん眠たそうな二重なんだろうなと想像させるとことか。
最近直情直球のおばかさんとか、明るくて前向きな男前にばかり目を向けてましたが、
そうそう、わたし、こういうタイプも大好物よ!と思い出した次第。

次の『永遠の女王』では、イリアルは念願の引退をはたし、ニールがコートを継いでるんですが、
最初、他のコートの相談役、程度の端役で出てきたニールがここへ来て大変身!
これまたセクシーアピール満点のダークキングとして登場します。
イリアルと立場は同じだけど、前任者が割と物静かで冷静だったのに対し、
ニールはもっと気性が激しい感じ。感情表現も豊かな感じ。
もしもヘルメスが裏社会の親分を引き受けたら、こんな風になるんじゃないかな?みたいな
老練で、狡猾で、鮮やかなダークサイドヒーローです。素敵です。

あー、久しぶりにときめいた♪
とりあえず、ヒロイン役は今のところ3人、
ヒーロー役は上述の悪役ボジの二人以外に更に二人、
女の子はどの子も可愛いです。
ヒーロー役の方は、セス(ヒロインの一人アッシュリンの恋人で人間)は、
ものすごい出来た人で、年は若いのに大人です。好感度高いです。
もひとりのキーナン(サマーキング。あて馬)は、いろんな人からボロクソ言われてますが、
妖精なんだからこんなもんだと思う。むしろ、中途半端に感情がありすぎる、もっと酷薄でいい。



とんでもなく個人的な理由で楽しかったので、
他の人が読んで楽しいかどうかは責任持ちません(毎回言ってるな、コレ)。
とりあえず、本国では5巻で完結してるっぽいので、早く訳してほしいところ。
でもアマゾンレビュー読んだら残りの二巻にはイリアルとニールはあんまり出てこなさそうなので
ここで終わりでもいいや、という気もします。

ベニオフの『卵をめぐる祖父の戦争』も読み終えましたが、
感想が長くなってしまったので今度に回します。
以下、落書き(恥ずかしいのでたたむ)

More
[PR]
by mi-narai | 2013-06-27 23:35 | 2013年上半期の読書

『イスラーム文化』『アラビアの医術』『バラッド』『雪の女』『古事記のコスモス』『グリムスペース』

インカ展
去年だか一昨年だか、マチュ・ピチュに行ってきた旅行好きの母を宥めすかして
はるばる行ってきましたとも、京都の博物館まで!
超観光気分♪
もともとあの時代のあの地域好きなので、楽しかったですよ。
これまで、アンデス文明とりまぜた展示とか、マヤ・アステカ混ぜての展示とかは
あったのですが、インカ限定のものはなかったと記憶してるので
そういう意味では目新しかったです。
インカ帝国が帝国になってから滅びるまでの経緯は本などで読んで
あらかじめざっくりは知ってるので、驚いたりびっくりしたというよりは、
「へー、これかー」と納得しながら見る感じでしたけど。
でも、帝国が滅びてからも、インカ貴族は重用されたりしてたらしいのは
ちょっと驚いた。よく考えたら旧支配層を傀儡として配置するのは
植民地支配としてはごく初歩的な手なんだけどなんだか、思いつかなかったのです。
それにつけても、インカ・アステカ関連の事物は見終わった後必ず

スペイン人の馬鹿ーーーーー!!!!!

って思いますね。今回も思いました。
後、大スクリーンの3D映像で往時のマチュ・ピチュの再現映像なんかを
見せてくれるんですけど、それがたいそう楽しかったです。
これよ!こういうのをもっと作ってほしいのよ!
とりあえず、エジプト(新王国時代のテーベと、イスラム時代のカイロ)と
ギリシャ(コリントスを!!!)とエトルリア(フフルナかな。ウェイイでもいいな)と
フェニキア(ティルス!ティルス!)希望!
後、オスマン帝国時代のイスタンブル。
別に物語にしなくていいねん、当時の建物とか生活の再現でええねん!!頼みますよ!!!


イスラーム文化−その根柢にあるもの (岩波文庫)

井筒 俊彦 / 岩波書店

スコア:


井筒俊彦著『イスラーム文化』読了。
いや、先日読み終わった『「コーラン」を読む』の中で先生が何べんも
「このことは「イスラーム文化」の中で語ったから今回は省きます」って
仰るから、気になっちゃってさ。
心の赴くまま読んでみました。
『コーランを(略)』の方を読んだ直後だから世界観がかぶってて
ものすごい読みやすかったですよ。
これまた講義録で、
先生が経済界関係の人々に向けて3回に分けて授業をしたその時の記録を
ちょっと加筆修正したものらしい。分かりやすいです。
で、本の構成も3パートに分かれてるんだけど、
1つ目のパートは、「ああ、前の本でもそんなことおっしゃってたな」
みたいな感じ。
2つ目、3つ目で、イスラム共同体についてとか、
シーア派とスンニー派についてとか、スーフィズムとかについて書いてあって、
そっちがこれまたものすごい面白かった!
シーア派とスンニー派の違いがよく分かりました…!
イラン人とアラブ人の差とか。
大分前の本だけどもおススメ!


アラビアの医術 (平凡社ライブラリー)

前嶋 信次 / 平凡社

スコア:


前嶋信次著『アラビアの医術』読了。
今更。
個人的に今更アラビアの医術を学んだところで後の祭りなんだけども、
マイ・ブームが去らないうちに読んでおくことにしました。
これはこれで面白いですよ!
アラビアの医術の進展とか、医者列伝とか書かれてます。
最初はやっぱギリシアの医術を基本にしてたから、
ネストリウス派キリスト教徒とかユダヤ人とかが医者になることが多かったみたいです。
初期のウマイヤ朝とか、アッバース朝のカリフもちょいちょい出てきて面白いな。
しかし、カリフの侍医ともなると、心付けが半端なくてものすごい金持ちになれる反面、
ちょっとしたカリフの不機嫌で殺されちゃったりするのですよ。危険な世界です。
後、書物のギリシア語からアラビア語やシリア語への翻訳が盛んにおこなわれてたみたいなんですが、
ひょっとして、原本が残ってないギリシア古典でも、アラビア語で残ってて、
アラビア語だからまだ学会とか一般に発表されてない断片なんかがあるかもしれんなと。
ふと想像してしまいました。
そんなんあったらウハウハなんですけどね~!
ギリシア古典に堪能な方、だれかアラビア語勉強して、漁ってみてくれないかしらん。

ところで。
後ろの解説読んで、作者の前嶋信次先生が実はだいぶ古い人だと知りました。
戦時中南満州鉄道東亜経済調査局とかに勤めてるよ…!!
結構この方の書いたアラビアンナイト関連の本読んだりしたんですが、
まったく文体が古臭くなく、存命の現役の先生だと思い込んでた…!
『「コーラン」を読む』の井筒先生の教え子的な。

井筒先生の10歳あまり年上やん…!!!

これが一番の衝撃でした。


ラメント (妖精の騎士に捧げる哀歌) (創元推理文庫)

マギー・スティーフベーター / 東京創元社

スコア:


マギー・スティーフベーター著『ラメント』読了。
音楽的才能はあるけどあんまりぱっとしない主人公が
才能ゆえに妖精に狙われ、
ある日突然異界の存在に気付かされ、
敵の男前と恋に落ちたり殺されかけたり色々する話。
あらすじを読んで、ロマンス小説っぽいかなと思っていたのですが、
実際に読んでみたらもうちょっと若い子向けでした。
主人公も16歳だし。
ヤングアダルト恋愛小説ファンタジー風味。
若い子同士の一途な恋愛とか、三角関係とか、
うん、少女マンガっぽいです。
講談社じゃなくて小学館あたりの。
いや、だからといって、つまらないわけではなく、楽しく読み終えましたよ。
次巻では、今回主人公に振られた男の子が主役になってるらしいので、超気になります。
この、『脇役が次の巻で主役に抜擢されるスピンオフ戦略』に、
脇役好きの私がどれほど散財させられたか!!
(『オデュッセイア』始めな。)


雪の女 (創元推理文庫)

レーナ・レヘトライネン / 東京創元社

スコア:


レーナ・レヘトライネン著『雪の女』

あらすじに、小柄な女刑事マリア・カッリオがパワフルに活躍する話、
みたいに書いてあったから、まあ普通に小柄な人を想像してたら、


主人公、160センチちょい、だと…?



フィンランドの小柄、パネェーー!


とりあえず、それが一番びっくりしました。
男の人でも、170センチで小柄て言われてるしな。
どんだけ皆背が高いのか。
(北欧の中ではフィンランドは平均身長は低めとか聞いたけど…(ゴクリ))

どうも、シリーズ3作目をいきなり日本語訳したみたいで、
ところどころに「あれ?この話どっから出てきた?」みたいな箇所はあるものの
面白かったです。
推理とかトリックを重視する様式美ミステリーというよりは、
読者が捜査する主人公と同じ目線で謎を追い、日常を追体験する、みたいな
ミステリーでした。起こった事件がそもそも謎だらけで、
捜査する過程がけっこうワクワクしましたよ。
主人公は、ガッツがあるものの、大人で、同僚のいやがらせも、
(内心むかっとしつつも)さらっと受け流せる度量のある女性です。安心して読めます。
それに、今回の嫌な同僚は、『ミレニアム』の女性蔑視クソ刑事ファスキほど
ダメ男でもないです。
読んでて感じたのですが、この人、単に不器用なだけじゃないかな。
わたしは今回のペルツァに関しては許容範囲内。

外国の娯楽本を読んでいて楽しい点には、話の筋以外に暮らしっぷりが覗き見れて楽しい、
というのもありますが、とりあえず、今回読んで思った事を書きます。
・フィンランドは働き方が自由でうらやましい。
働きたいという意欲がある人は、働けて、正当に賃金をもらえているっぽいことや、
学んだり、資格を取ったりすることに年齢制限が設けられていないことが。
いいなあ。
いいなあ、というだけではなんもならんので、
やっぱりちゃんと考えて、選挙も行かねばならんな!(いや、投票は毎回行ってるけども)

・けど、フィンランドの社会でも、女性は家に入ってパン作って子供育ててろ、みたいな圧力が
あるんだなあ、と知ってちょっとびっくりしました。どこも大変だよな…。


バラッド (妖精のミューズに捧げる物語詩) (創元推理文庫)

マギー・スティーフベーター / 東京創元社

スコア:


マギー・スティーフベーター著『バラッド』
「ラメント」のスピンオフ。なんと、自分、既に購入済みでした☆
大体振られる人に過剰に感情移入してしまうわたしのこと、
今回のスピンオフ、ものすごく楽しく読めました。
前回は、女の子と妖精の狩人の夢(ちうか、悪夢)みたいな恋の話だったので、
そう主人公の女の子に抵抗もなく何も考えずに読んでたんですが、
今回その女の子に振られた側の男の子の話なんですよね。
振られた側に同情しながら読むと、

振った女が超いけすかねぇ…!!

いい加減あの女を吹っ切れよ、ジェームズ(今回の主人公の名)!!と思いながら
読んでしまいました。
しかしまあ、この人間二人はいいのです。
出てくるリャナン・シーのヌアラ(仮名)がものすごく良かった!
好みだったの!
ジェームズに出来た新たな友達ポールがいい味出してたり、
担任のサリヴァン先生が絵にかいたようないい大人だったり、
『ラメント』より楽しく読み終えちゃったかも。
読後感も良かったですよ!


古事記の宇宙(コスモス)―神と自然 (中公新書)

千田 稔 / 中央公論新社

スコア:


千田 稔著『古事記のコスモス』
読了。
タイトルの通り、古事記に出てくる自然環境について文脈から読み解いている話。
これまでの古事記研究を踏まえつつつい最近書かれたっぽいので
割と楽しく読めました。
自然環境に特に注目して書いてあるのも読みやすい。
この著者の目新しい点は、古事記は大海皇子系の勢力が書き上げたもので、
中国の道教思想が各所にちりばめられている、としているところでしょうか。
以下、雑感を箇条書きにメモっておきます。

・太陽とカラス、月とカエルはセットなのね。
そういや、アスクレピオス誕生譚あたりのコロニスのエピソードにもカラスが
絡んでたな。まあ、古事記とは関係ないでしょうけども。

・彦と姫はそれぞれ日子、日女、で、太陽の子ってことらしい。
へー!

・そういや、古事記の中の海洋民系の神話についても割と熱く語る作者だったな。
いろんな他の研究者の説を紹介してくれるので、それを辿るのも結構楽しかったですよ。


グリムスペース (ハヤカワ文庫SF)

アン・アギアレイ / 早川書房

スコア:


アン・アギアレイ著『グリムスペース』読了。
SFです。
宇宙の遠距離間を航行するときに、時間短縮のためにワープする、
それはSFのお約束です。
そのワープの仕方は、作品によって千差万別です。
前回読んだ『異星人の郷』は航行なんて不要で、ピンポイントに狙いの場所に出現する
なんかどこでもドアみたいな感じの移動方法でしたし、
シーフォート・シリーズは(主人公にも理解できない)N波に乗ってワープしてました。
で、この作品の場合は、グリムスペース、というところを通り抜けてワープするの。
主人公は、特殊な遺伝子を持っているためグリムスペースの内部を
案内することができるナビゲーター。

大筋を言うと毛色の変わったロマンス小説です。

や、まあ、わたしはそのつもりで読んだということで。
もんのすごい楽しかったよ!!
ナビゲーターはグリムスペースに潜ってる間身動き取れないので、
ナビに従って艦を操縦するパイロットが必要なんだけど、
このナビゲーターとパイロットは二人でひと組なんですよ。
で、グリムスペースにジャックインしてる間は
精神を共有してしまうというか、相手の思考が駄々漏れになってしまうというか、
どうです、もうこてこてのロマンス設定でしょうがッ!
で、物語は、主人公が相棒を事故で失った直後からスタートなのです。
成り行きで、パイロットとしての腕は確かだけど無愛想な兄ちゃんと
仕方なく組んで艦を運行するはめになってしまい、そこから
壮大なごたごたに巻き込まれ、死にそうな目にあったり、一旦リタイアしたり、
爬虫類の赤ん坊拾っちゃったり色々するわけです。
ヒロインが世慣れてタフで短気で、でも繊細なところもある大人の女の人なので、
少女マンガのいかにも女の子っぽい主人公に対するようなイラっと感もなく、
大層楽しく読めました。
いや、だいぶ大雑把な感じの主人公なので好き嫌いは分かれるとは思うのですが
わたしは好きかな。
ヒーロー役の新パイロットもむっつりしてるけど別に嫌いなタイプではないし、
最初の辺りの徐々に二人が近づいていく場面などにはきゅんきゅんしました。
恋愛一本道よりも、こういう別の話が中心にあるものに恋愛が織り込まれてる方が
なんか燃えるよなあ。
本国では5冊までシリーズが出ているので続きを早く翻訳してほしいところです。
ハヤカワさん、がんばって!!
[PR]
by mi-narai | 2013-06-11 23:34 | 2013年上半期の読書