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『大人のいない国』 『メタモルフォーシス』

大人のいない国―成熟社会の未熟なあなた (ピンポイント選書)
鷲田 清一 / / プレジデント社
スコア選択: ★★★



鷲田清一、内田樹共著『大人のいない国』読了。
鷲田先生目当てで買い求めてみました。
いい紙使ってる上に(=一枚が分厚い)字が大きいのであっという間に読了。

ここで言う大人とは、精神的に成熟しているということ、とはいえ、
心の中に子供っぽい部分がない事を指すわけではなく、
子供の部分を保ちつつも、各年齢それぞれ年相応の自分をも
その上から積み重ねている多層的な人を指すようです。
大体、普段自分がぼんやり思っていたことを改めて言葉で読んだ感じ。
(とはいえ、理解っちゅうのは自分の分かる範囲でしか当然できないもんなので
わたしが著者の意図を誤解している可能性もありますが)
反面、耳に痛い部分もあり、

ウス、身を改めてもっと、もっと大人になるべく精進しまっす!

内田先生の方が一見きついんだけど、実はあたりがソフトな鷲田先生の方が
本質的には厳しいことを言ってる気もする。



メタモルフォーシス―ギリシア変身物語集 (講談社文芸文庫)
アントーニーヌス・リーベラーリス / / 講談社
スコア選択: ★★★



アントニーヌス・リーベラーリス著『メタモルフォーシス』読み始めました。
アントニーヌスさんは2~3世紀ローマ時代の人で、
名前から類推するに解放されたギリシア人奴隷じゃないかといわれてるそうです。
メタモルフォーシスとあるからには、当然変身物語なわけですが、
オウィ先生のが完全に文学作品であるのに対して、アントニーヌスさんのは
「こんな伝承があります」とはしから丁寧にレポートしてるような、
もうちょっと学問的な雰囲気の読み物です。
タイトルの後に
「この物語をニーカンドロスは『変身物語』の第3巻に記している」と
参考文献(笑)を明記してくれてるのもとても親切だと思います。
それに、他の文献では聞いた事ないような人名などが出てくるのも嬉しいところ。

まだまだ序盤なので、楽しみに読もうと思います。


並行してロマンス小説も読んでたりしますが、今回久しぶりに
クレイパスの『恋の香りは秋風に乗って』と『冬空に舞う堕天使と』を
読み返しました。(このタイトル、こうして字で書くとほんと恥ずかしい…)
以前ににクレイパスを読んでから、数多のロマンス小説を読み倒し、
気づけば読破量はいつのまにか40冊を超してましたが
あらためて、やっぱりクレイパスのこの2冊が格段に面白かったなあと。
でも、BLとロマンス小説を面白いと思う基準は
全く個人のCPの好みに左右されるから
同じ好みの人にしか薦められない…


DVD
『ガキの使いやあらへんで』3巻
罰ゲーム1泊二日廃旅館に宿泊編。
おびえるまっちゃんになにかいけない気持ちを喚起されそうになりました。

『BONES シーズン1』3巻
普通に面白いです。里子の回には思わずウルっとしてしまった。

『ローズマリー&タイム』3巻
ますます冴え渡るおばさんたちの推理&トーク。
この二人、どっちが探偵役ということもなく、二人で試行錯誤しながら
(片方が嘘推理立てては相手がそれを打ち崩し、ということを繰り返して)
最後には事件の真相にたどり着くのですが、これって、漫才で言うところの
ダブルボケ…?

『いたずらなKISS』2巻
入江直樹が江直樹になってたりして、台湾ナイズされてんのが面白いです。
内容は、まあラブコメなんで、こんなもんなんだろうなあ。
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by mi-narai | 2008-10-31 22:57 | 2008年10月の読書

雑記

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昨日の酒。左はよく買う日本酒パック。右は、菊水から新発売されてたから。
飲んだのは、右側の新発売の缶1本に、左の酒をお猪口2杯分くらいだったのに
翌日、昼まで鈍く頭が痛かったです。この程度で二日酔いとは、年取ったよなあ…


『ショコラ レパブリック』というケーキ屋さんのHPを探していたらたまたま内田樹さんのコメントを見つけて、面白かったのでメモ。

それはともかく、このお店、これまであんまり名前を聞いたことなかったと思ってたら、つい6年前に創業したばかりのお店だったのね。

先週、仕事帰りに寄ってフィナンシェとチーズケーキを買い求めてみたんだけど、どちらも美味しかったですョ。
でもって、菓子折り詰め合わせに「ヴィーナス」「マルス」のほか、「サタン」まであることを発見。
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by mi-narai | 2008-10-29 20:42

『天下無賊』 、ほか

『天下無賊』読了。
なんか、読み始めていた時に全く期待してなかったのに反して思いがけず面白かった!
読後感O・ヘンリーの短編みたいです。
詐欺師カップルも、顔に傷のある男もいい味出してました。
主人公のケンちゃんは終始純真なお馬鹿さんなのですが、
そのおバカさんに周囲が翻弄されるあたり、
タロットカードの「FOOL」みたい。
天の下は悪党だらけだけど、それでも捨てたもんじゃないなあとほのぼのと心温まりました。
麗姐さんは薄兄さんとお幸せに!
もう二人結婚すればいいじゃない!


今週の「そこまで言って委●会」
トップの議題が最近の日米関係についてだったのですが、
それを説明するVTRが

「腕っ節と押出しばかり強い年下の夫(某Aさん)の理不尽に
とうとう耐えられなくなった専業主婦(某Jさん)の訴え」


という形式で再現されてたもんだからもうおかしくて!

「強引に押し倒されて結婚することになった夫とわたしですが、
夫は確かに腕っ節は強く、商才にも長け、この人なら大丈夫と
これまで一身に尽くしてきました。」
てな感じで、
テレビ番組への悩み相談みたいに始まって、
途中北の変な男にストーカーされて困ってて夫に守ってもらってたけど
最近夫がそのストーカーを大目に見ることにしだした話とか
夫が儲け話に手を出して商店街の皆を巻き込んで融資を募ったのの失敗して大損、
妻である自分が長年コツコツためたへそくりにまで目をつけているとか
「CHANGE」、これからは変わる!と言い張っているけどあまり期待できそうにないとか
(わはは、うまいこと言うなあ)日常の夫婦関係に日米関係を投影して説明してて、
最後は「わたしはどうすればいいのでしょうか。独立すべきかとも思うのですが、
これまで専業主婦で通してきたので手に職もなく不安です。
皆様、是非夫に一言ガツンと言ってやってください」
と締めくくられるのです。

なんの べ い に ち フラグかと

次の質問が「日本が再婚するとしたらどこと?」というものでまた笑っちゃいました。
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by mi-narai | 2008-10-28 00:08 | 2008年10月の読書

『天下無賊』


『天下無賊』

主人公のケンちゃんが、
5年間で溜めた金を自分の手で全額故郷へ持って帰るといって聞かず、
周囲の人たちが親切心から「何が起こるかわからないし、危ないからよしときなよ
せめて郵便為替とかにしたら?」と薦めるのに、
「この世に悪い人なんていないから大丈夫だよ。俺の村でもそんな人いなかったし」と
全部スルーして大金持ったまま汽車に乗ったとこまで読んだ。
あからさまに金を狙ってそうな男女のカップルとか、顔に傷のある男とかが出てきましたよ。
ケンちゃんかたくな過ぎ。もう、こいつ金盗まれても自業自得です。
(タイトルがタイトルだけに、無事に故郷にたどり着きそうな気がするけど)


もうちょっと読み進んだ。
ケンちゃんが大金を持ってることを知ってる乗客たちが
何か起こらないかとわくわくして見守る中、
ケンちゃんと同じボックス席に座る男女のカップルといわくありげな傷の男。
この男女のカップルが、旅行好きの詐欺師だと判明したあたりから面白くなってきました。
この詐欺師たち、汚職官僚から金を巻き上げては好きな旅行に費やしてたんだけど、
女の方がケンちゃんの純朴さにいたく感動しちゃって、
自分は悪いことしてる人間だけど、ケンちゃんにはこの世には悪い人はいないと
思っていて欲しいと願っちゃうわけ。
で、車両スリなんかの小悪党どもがケンちゃんの現金を狙うのを、裏で阻止し始めましたよ。
男の方は、そんな女の行動を面白がってて、まあここは付き合ってやるか、という構え。
この男女詐欺師カップル、いい感じです。
実在したら通報しますが、物語に出てくる分に関しては、
詐欺師、イカサマ師、ギャンブラーには確実にひっかかってる気がします。

おまけに商人にも弱いから、ヘルメスの属性はまさに好みにどストライクなのだなあ。



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時々自分の絵や文章を読み返してあまりの拙さに悲しくなることってないですか。
ワタクシ、まさについ昨日、1年ほど前に書いた文章を読み返してがっかりしました。
我ながら、自分の書く文章はひどいと思う。読みづらく分かりづらい。
でも、日記の文章でさえ、実は最低3回は推敲してるんですよ。
(そもそもWEB上に直接なんて書かない。まずメモ帳に書いて一旦保存するの)

推敲してコレかよー(ガックシ)!
何回推敲してもおかしな箇所が無くならないよママン…

いや、絵を描く時にも主線を一発で描く人がいる一方で
アタリを慎重にとる人もいるじゃないですか、
文章を書くときにはみんなあんな上手な文を一発で書いてんのかしら、と思ってさ。
もしそうなら羨ましい!(才能を分けてくれ!)
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by mi-narai | 2008-10-24 22:37 | 2008年10月の読書

『天下無賊』 他DVD

『天下無賊』
あらすじも何も読まずに読み始めたので、
いったいどういう話でどう転ぶのかさっぱりです。
今、主人公が5年ぶりに故郷に帰ろうと思い立ったところ(超序盤)。


DVD
『ガキの使いやあらへんで』2巻
1巻の罰ゲームの思い出話と、トークをちょこっと。
おお、まっちゃんにまだ髪がある!


『ローズマリー&タイム』2巻
ローズマリーとローラはどうやら造園業者として生計を立てることにしたようです。
仕事柄、二人で出張先の民宿に泊まったりするんですが、そのたんびに仕事先のお屋敷で殺人事件が(笑)。
で、刑事に事情聴取されるたんびに
「…で、ふたりは恋人なの?」
とか聞かれるのもお約束。
SPNの時も兄弟でモーテルに泊まるときにゲイカポーに間違われてたし
海外ではそういうものなのかしら…。


『いたずらなKISS』1巻
某有名な日本の少女マンガが原作の台湾ドラマ。
どうかなと思ったけど、台湾ドラマって韓国ドラマと同じようにかわいい。
で、台湾方言で喋るから、役者の芝居の上手下手が良く分からない分ストレスなく見れます。
役者だけ見ると日本のドラマと変わらないのに(髪の毛黒いけど)
町の風景や家の中のつくりがやっぱり異国情緒漂っててなんだか不思議な感じ。
かえってファンタジーとして気軽に楽しめてる気がします。
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by mi-narai | 2008-10-22 22:22 | 2008年10月の読書

『復讐はお好き?』 『大阪弁の秘密』 他DVD等

カール・ハイアセン『復讐はお好き?』読了。
乗ってきたらあっという間に読み終えてしまった。
ほんとに、どうして主人公はこんな男と結婚したの?というくらい
元旦那がどうしようもないアホで下半身馬鹿で情けない自惚れ屋なの。
そのどうしようもない旦那に思いっきりイライラした分
最後の復讐にはたいへんスカッといたしました。
主人公が最終的に20も年上の男性とくっついたのは
「作者の願望か?」と勘繰ってしまいましたが
いい味の脇役達が、すべからくいい感じに幸せになってたのは良かったです。


大阪弁の秘密 (集英社文庫)
わかぎ えふ / / 集英社
ISBN : 4087478823
スコア選択: ※※※※



わかぎゑふの『大阪弁の秘密』読了。
秘密、とタイトルにありますが、別に大阪弁の秘密を暴く本じゃありません。
大阪弁で多用される個々の表現について
「これってこんな時に使うよねー」とゆるーく紹介したエッセイ本です。
軽く読める一冊。
ワタクシ、大阪弁話者ではございませんので、いちいちの表現に
「ああ、大阪じゃこんな言い方するんや。この辺じゃせえへんなあ」
「それは言えとる!」
などと首をひねったり膝を打ったり、楽しく読ませていただきました。
読み終わってから、「自分は同じ関西圏に居住してるし共感できる部分が
多いから面白かったけど、他地域の人たちには需要があるのかしらこの本」
と心配しましたが、実際のところどうなんでしょう。
たとえば鹿児島弁の秘密とか、名古屋弁の秘密とか出てたら
アタシなら買うけど、方言萌え属性保持者だしな…


DVD
ツ○ヤから、お客様感謝企画、半額チケットが送られてきたので、
チケットの有効期限まで、DVDをしゃかりきに借りることにしたワタクシ、早速
『ガキの使いやあらへんで』①を借りてみました。
DVDの一番最初の巻。罰ゲーム「24時間耐久鬼ごっこ」の回。
面白かった(笑)。
やってることはアホきわまりないんですが、
鬼の出現に本気で怯えるいい年こいた男どもがとってもかわいらしかったですよ。


『BONES シーズン1』1巻、2巻借りました。
法医学に携わる主人公が、FBIの捜査官と組んで死体から犯罪の骨格を割り出していく、
一話完結のミステリードラマ。アメリカ版『科捜研の女』。
アメリカのドラマらしくスタイリッシュなつくりで、
トリックよりも科学による推理重視、人間関係もダイレクトに変化します。

これはこれで面白かったんですが、次にイギリス産ミステリー
『ローズマリー&タイム』を見て、両国のカラーの違いを思い知ったというか何というか。
こちらは、大学をクビになった植物病理学者ローズマリーと、
元警官・今は夫を若い女に取られた肝っ玉母さんローラが
イギリスの片田舎で知り合い、事件に巻き込まれてわいわいと捜査する
2時間サスペンス風ミステリー。

見た瞬間「…ん?なに、この懐かしい感じは…」と思ったんです。
よくよく考えると、『名探偵ポワロ』や『シャーロック・ホームズの冒険』と
同じ雰囲気がどこかに流れているからなのですよね。
イギリスの家、庭、ハーブ、入り乱れる人間関係、二転三転する推理、誰もが
ほんとのことを隠してるあの感じ!
アメリカドラマはかっこよくて好きだけど、思いがけずこのドラマを見てほっとしてしまった。
おばさん二人がいろいろ問題抱えつつもにぎやかに事件を解決する話なので、
庶民的で親しみやすいし、これはこれで燻し銀のような渋さがあります。

どっちのドラマも続きをモリモリ借りるつもりです。
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by mi-narai | 2008-10-17 23:34 | 2008年10月の読書

岩●激ラブ!

下の記事を書いてから、Amaz●nの「おすすめ商品」を見ておったワタクシ、おすすめナンバー125番目くらいに『辺境のオオカミ』のタイトルをみつけたのです。

「ああ、『辺境のオオカミ』ね。持ってる持ってる」

と、読み飛ばそうとしたその時、ハードカバーにはありえないほど安い値段と、「近日発売」の4文字が目に飛び込んできたのです!

なに!?岩波少年文庫で2008年10月16日発売だと!!??

あさってやん!!!(いや、もう明日やん)

ありがとう!ありがとう、●波さん!!!
この辺境のオオカミ、早く文庫化しないかと思ってたの!
仕事終わったら一番に買いに行くよひゃほー☆
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by mi-narai | 2008-10-15 01:10 | その他

英雄が語るトロイア戦争

英雄が語るトロイア戦争 (平凡社ライブラリー ひ 8-1)
ピロストラトス / / 平凡社
ISBN : 4582766528
スコア選択: ※



今日仕事帰りに本屋で見つけた一冊。
(ホモ漫画目当てで本屋に寄ったなんて言えやしない、言えやしないわ…)
著者が2世紀の人で、比較的新しい時代の作品だし(前8世紀の作と伝えられるホメロスに比べたらな)、
読んでけったくそ悪なりそうな予感がプンプンしたんですが
「わたしももう大人、都合の悪い真実から眼を背けてはいけないわ。それに、とりあえずトロイア本だし。買っとけ!」
と自分を叱咤激励して買ってみました。
(ほんとうは、ホモ漫画だけ買うのもアレだったので真面目な本もフェイクで混ぜた)
で。真面目に読むのもしんどかったので帰りの電車でざっと飛ばし読んだ。


えー。
この頃大流行だった、ホメロスとは違う視点からトロイア戦争を捉(えようと足掻)いたなんちゃってトロイア本です。
本の中の語り手である農夫(2世紀当時の一般人)が、生き返ったプロテシラオス(トロイアの浜辺に真っ先に飛び降りて死んだ人)から聞いた話を、旅人のフェニキア人(大体旅人はフェニキア人と決まっておる)に話すという趣向です。

物語が別段あるわけではなく、農夫と旅人が、
「プロテシラオスが生き返ったって事は他の英雄も行きかえっとんの?」
「生き返りはしてへんけど、各地で力をふるっとるらしいよ」
「あー、色々祀られてるもんな」
「ある地方では、ヘクトールが祀られてて、彼に敬意をはらわなかった愚かな若者にひどい罰をくだしたってねー」

「トロイア戦争に出てくるあの人物は、プロテシラオスによれば実際はこんなだったんだってさー」
「へー」
などと会話する形式なので、どっちかというと、会話の形をとった作者の評論みたいな感じ。
プロテシラオスが生き返って語るという設定こそファンタジーですが、トロイア戦争の出来事に関しては、当時の常識に照らし合わせてなるべく現実的に分析してみる、という視点に貫かれています。
(なので、なぜかアキレウスのアガメムノンに対する怒りのわけは、親友のパラメデスが殺されたせいになってる。女がらみじゃいかんらしい。他にも色々チン解説があったけど、忘れた。
ちなみに、『オデュッセイア』における放浪譚は全て与太話ってことになっておる。
『オデュッセイア』に関しては、現代でこそ、アレには民話の筋が混ざってるんじゃないかとか、他のオデュッセウス関連の伝承がこれだけ入っているとか、歴史が神話に反映されているのでなくて神話が歴史の如く語られているとか、そういった捉え方も出きるけど、当時にしたらあれが限度なんだろうなあ…)

ホメロスの作品のそれぞれの主人公、アキレウスとオデュッセウス以外の登場人物にスポットを当てる、というのが作者のコンセプトのひとつらしいので、ホメロスには語られておらず、かつ2世紀の作者の時代にまで伝承の残っている他の英雄たちのエピソードがちょっとだけ語られてるのと、2世紀のこの頃、ホメロスの英雄たちはキリスト教の聖人たちみたいに各地で崇拝を受けてたらしくて、そんな英雄崇拝の様子が垣間見える点は、興味深かったです。

後、パラメデスとアンティロコスとプロテシラオスがやたらきらきらしく書いてあるから、このあたりの若手だけど目立たないトロイア戦争の英雄たちが好きな人にはたまらん一冊かも。
とりあえず、パラメデスファンの君は買っとけ!

で、いつものことですが、予想通りオデュッセウスとメネラオスは酷い描かれようでした。
毎回メネラオスは本当に気の毒だと思います。
なんでいつもあんな悪し様なの!?スパルタ王だから!?
そうよね、この作者もアテナイで学んだらしいもの、あからさまなスパルタバッシングなのよね………。入り婿なのに~~
反面、オデュッセウスは、こんなもんかなと思います。ホメロスがむしろ例外なのですよね。数ある伝承の中で、ホメロスはオデュッセウスのいいところだけを拾ってる感じがする。なので、他の伝承も知ってる人から見ると、ホメロスはオデュッセウスを贔屓しすぎ、こいつはホントはもっと悪人だ、という流れになる。
時代が下るにつれ、それがどんどんエスカレートもし、倫理観も変わったろう。
オデュッセウスをこき下ろすことは知識人の一種のステータスなのですよ。(多分な)
いやあ、もう、貶されっぷりたるや、すごいよ!でも、この時代の作品で持ち上げられてる方が気持ち悪いので、いっそ悪し様に言われてる方が落ち着く。













……と、頭で思っちゃいるものの、やっぱり贔屓の人たちが悪し様に言われているとそれなりに悲しかったですよ。という話。慣れたけどなッ(虚勢)!
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by mi-narai | 2008-10-15 00:36 | 2008年10月の読書

『ギリシア・ローマ世界における他者』 『変身物語(下)』 『復讐はお好き?』

地中海文化を語る会編『ギリシア・ローマ世界における他者』読了。
ローマ帝国とキリスト教徒の関係を追った章も面白かったのですが、
(帝政初期の頃はあんだけ弾圧されてたのに、なんでのちに国教にまで
なったのか、ちょっと謎が解けた気がします。意外と親ローマ的だったのね…)
最後の、「数学における他者 先輩エジプト・バビロニアからインド・アラビアまで」
がものすごく面白かったのです。
作者が「数学、いいよ、ステキだよ…。柔軟でおおらかなオリエントの数学もいいけど、
厳格に普遍的なものを証明したギリシアもステキだよ…
そしてそれはアラビアによって集大成されたんだよ…」などと
うっとり数学語りするのも微笑ましかったのですが
単純に、インドやアラビアの掛け算計算法が面白かったからなのです。
2桁や3桁の掛け算が嘘のように簡単に解けるので、
ただただ感動してさっそく帰宅して母と妹に話したわけです。
そしたら、妹に
「…待ってよ。この計算は、つまり、日本の筆算じゃこうするところを
こうしてやってるわけやな…。へえ、興味深いな」
などと、公式を使ってきっちり説明されてしまった。
なんか悔しかった…。
(いい加減頭のいい妹に負けることに慣れたと思ってたのに
思わず悔しく思ってしまった自分にもちょっと敗北感…)


オウィディウスの『変身物語(下)』
下巻はトロイア戦争関係者が目白押しで楽しいなあ。
ちょうど13巻のアキレウスの鎧を巡ってのオデュッセウスと大アイアースの
言い争いの箇所で電車が駅に着いたので、そこで止まってます。
毎回大この箇所ではアイアースはオデュッセウスのことを良く見ているなあ
感心するのですが今回は、それに加え、
相手の誹謗中傷を思いつく限り無作為に並べ立ててる様子が
なんか、小さい子が口喧嘩で相手の悪口を一生懸命言ってるみたいで
かわいく思えてしまいました。
考えがなくって単純なのは大アイアースの欠点でもあるんだけど、そこが良いところでもあるのです。
それに引き換えオデュッセウスってば悪い大人です☆
このあたりの対比や論理の組み立てに関しては、さすがオウィ先生は弁論命のローマ人だなあと。

もひとつ、オデュッセウスと大アイアースの対立の構図は、
武力と知力という両極の力をそれぞれ持ってきてるってことだろうから
この二人以外にありえないのかもしれないのですが、
それでも、他の面々がどうして名乗りを上げなかったのかを考えてみた。

アガメムノン…アキレウスの時に、ブリセイスを巡ってえらい目にあったので今回は表立って権力をかさに着るのはやめておいた。

ディオメデス…別にアキレウスの鎧なんか欲しくなかった。
もしくは、『イーリアス』でグラウコスと交換した鎧があったからその鎧を律儀に着用し続けなければならないと心決めていた。

イドメネウス…自分の年を自覚していたので大人らしく控えた。もともと淡白だし。


翌日読了。
『ぶどう酒色の海』で中村先生の翻訳時の苦労など読んでいたので
余計に感慨深く読み終えました。
後、前に読んだ時はほとんどローマ神話を知らなかったので、
後半のアイネイアスの放浪からローマ建国、カエサル神化の
くだりはよく分からんかったのですが、今回はそれなりに「ああ、あの話か」と理解できました。
うむ、わしもちっとは賢くなったようじゃな…(悦に入り)
エトルリアの畑から生えて未来を予言し、宗教規範を伝えた人(なんちゅう説明)
タゲスのこともチラッと載ってて嬉しかったですよ。


復讐はお好き? (文春文庫 ハ 24-2)
カール・ハイアセン / / 文藝春秋
ISBN : 4167705494
スコア選択:



カール・ハイアセン『復讐はお好き?』を読み始めました。
あらすじを読むと、2年目の結婚記念日のカリブ海クルーズ中に夫に海に突き落とされた妻が
復讐する爽快な話らしいので買ってみたのですが、読み始めて、ちょっとだけ後悔してます。

だって、シモいんだもん…。

でも、アホでシモい旦那を、殺されかけた奥さんがぎゃふんと言わすところは
とても見たいので、とりあえず読み進もうと思います。
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by mi-narai | 2008-10-10 22:18 | 2008年10月の読書

雑記

何!?『トロイ』のDISK2に隠しボタンですって!?

言われて見返せば、DVD販売ページの、チャプターの項目に実に堂々と

「隠しボタン」1分

て書いてあるじゃないの!!
今の今まで気づきませんでした!(気づくの遅ッ!)
早速どこに隠されているのか探しにネットの海に乗り出すワタクシ(他力本願)。
「トロイのバトル」で右をクリックらしい。
内容はお笑い映像なのか。
こんな楽しそうなものを見逃していたなんて、何か大事なものに乗り遅れた気持ちです!


よーし、確認してみます!
お得意の物真似で皆を和ませるコメディアンのバナ兄さんとかあるといいなあ。
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by mi-narai | 2008-10-08 22:45