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『ともしびをかかげて(下)』 『エリザベス朝の裏社会』 『トルコとは何か』

ともしびをかかげて 下 (3) (岩波少年文庫 582)
ローズマリ・サトクリフ / / 岩波書店
スコア選択: ★★★★★



ローズマリー・サトクリフの『ともしびをかかげて(下)』下巻に突入した。
アンブロシウスもアルトリウスも出てきましたよ!
主人公、サクソンに対抗するブリトン人側について、
アンブロシウスのもとで一生懸命戦ってるんですが、
上巻で済んだと思ってた試練はまだ続いてた…。
適齢期を迎えた主人公、対サクソン戦線を円滑に張るため、
ケルト人との絆をつなぐ目的もあって結婚するんですが
今度は家庭生活が薄ら寒いことに。頑張れ、アクイラ!!
でも、単なる不幸ネタかと思ってたこの家庭生活が
本の後半ちゃんと上巻の伏線につながってたのには、感嘆しました。

やっぱりこの本面白いですよ。
昨日3時間しか寝てないのに、電車の中で読んでて全然眠くならなかったもの!

攻め寄せるサクソン人に対抗して転戦するブリトン勢力のゲリラ戦の様子も
静かで賢明で粘り強い指導者アンブロシウスの魅力も、
不器用な主人公の生き様も
実に光を放っております。

この勢いのまま最後まで読みきってしまおうと思います!
とりあえず、しょっちゅう引用するリーダーのタイプについての著述をメモっとく。

「アンブロシウスは、その主人を愛する部下が、たとえ暗闇の中へであっても、
従いはいっていこうとするような型の男だった。それに対してアルトスは、
そのあとについていけば、闇のなかから光のなかに出られるという気もちを人にいだかせた。
笑いのあたたかさがこもり、ラッパの音がなりひびくような、はじけるような光のなかに。」


カリスマの二つのタイプですよね。
おかげで小説なんかでリーダーが出てくるたびにこの人はどうなんだろう、と考えてしまいます。
シーフォートやホーンブロワーはアンブロシウスタイプ、ジャックはアルトスタイプ。
オデュッセウスは、アルトスみたいな人をひきつける吸引力はないような気がするけど、
とりあえず、何とかしてくれそうな安心感はある気がします。
ヘクトールはアンブロシウスとアルトス7:3くらいかなあ。


エリザベス朝の裏社会 (刀水歴史全書)
G. サルガードー / / 刀水書房
スコア選択:



G・サルガードー著『エリザベス朝の裏社会』
エリザベス朝に裏社会、というわたしのそそられるキーワードがダブルでついてるんだから
これは読むしか!…と思って図書館で借りました。
最初にエリザベス一世の時代のロンドンの様子の簡単な説明があって、
次に詐欺師達の手口と活躍について読んでます。
もちろん騙された人は気の毒だと思います。それに、現代社会の弱者を狙った
詐欺まがいのインチキにはほんとに腹が立ちますが
この時代の社会的強者の貴族と金持ちが、底辺の悪人達が高いリスクを犯して挑む
詐欺やイカサマ賭博にころっと騙される様は結構気持ちいいです。
やはり詐欺は道具に頼るより、いかに相手の心理を読んで知恵をひねるかにあるのだなと。

でもってロンドンって不潔で危険だけど活気があるなあ!
と思いました。

翌日、本の5分の1ほどしか読んでない時点で、下記の本が読みたくて途中で返した。


トルコとは何か (別冊環 14)
/ 藤原書店
ISBN : 4894346265
スコア選択: ※※※※



『トルコとは何か』を読み始めました。
なんかの雑誌の増刊号
いろんな人がトルコについてのエッセイや論文を寄稿してます。
なんか、段々読んでるうちに
「西欧なんて今は大きな顔してるけど、ぽっと出の地方出身の新人さんなのね~」
…てな気分になってきて困ります。いかんいかん、洗脳されておる(単純です)。
ともかく、西欧諸国が生み出した新しい概念・民族主義を使って支配領域を確立・拡大していく様には
心底震撼させられました。

EUに関しても、これまでトルコは加入するために多大な努力をしてきたんだから、
それを無駄にしないためにも入ればいいと思うけど、
そんなに無条件にヨーロッパがいいとも思えなくなってきた…。
でも、キリスト教にもイスラム教にもいまいち馴染みのない一日本国民としては、
あんまりイスラム国家のほうへも邁進して欲しくない気がします…(なんとなくですが。)
とはいえ、今のトルコの与党(これがイスラム政党)って、政治手腕がはんぱなく高いらしくって。
日本の野党も見習えばいいのに。
いやまあ、そんな政治や歴史の固い話の中に、料理の話とか、モスクの建築様式とか
一風切り口の変わった軽い記事もあって、なかなか読み応えがあります。
まだ半分も読んでないので、続きを楽しみに読もうと思います。
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by mi-narai | 2008-07-30 22:47 | 2008年7月の読書

『カンナさん、大成功です』 『崖の上のポニョ』

カンナさん大成功です! 特別版(2枚組)
/ ワーナー・ホーム・ビデオ
スコア選択: ★★★



そういえば、『カンナさん、大成功です』というDVDを借りて見ていたのでした。
カンナさんは才能のある歌手なのですが、デブで不細工なため、いつも美人の吹き替えばかり。
ずっと思いを寄せていた優しいプロデューサーも、実はカンナさんの才能目当てで
本人に対しては「優しくしといて憐れんでおけばいい」と思っていたことが発覚。
大ショックのカンナさん、一念を発起して全身整形に踏み切ったが…!

…てな筋の韓国映画。深く考えずに借りてみたら、同名の日本の漫画が原作だとか。
とにかくハッピーエンドが見たくて借りたので、ハッピーエンドになってて良かったです。
しかし、主人公の相手役がイマイチ気に入らなかったの………。




『崖の上のポニョ』を見てきました。
金曜日、仕事帰りに携帯を見たら、妹からメールが入ってまして
「今日、ポニョどう?」

今日かい!

慌てて帰宅して、二人で行ってきました。
以下、かなりネタバレがあるので色を薄くしてかつ下げときます。
これから見に行く人は飛ばして下さいね。
















































鑑賞直後の姉妹の会話
「ポニョ、かわいかったな~」
「予想以上やったな!」
「転がしたい!」
「宗介はそうでもないのに」
「かわいかったな~。あの動きが溜まらん」
「しゃがんどる時のお尻が!」
(↑しばらくそんなことばかり言ってました)


「トトロ系やったな」
「せやな。筋も分かりやすかったし」
「でもって、人魚姫やったな」
「監督、よっぽどアンデルセンの人魚姫のラスト、悲しかったんやで」
「そんで、どうしてもハッピーエンドにしたろうと!」
「じゃあ宗介は王子か」
「王子は5歳、船乗りの息子。」
「え?じゃああの保育園の娘っこが当て馬の姫!?」
「でもこの王子は男前やったな。『今忙しいから後で』言うてやんわり姫を断りよった」
「人魚姫も強かったやん。泡になるん、待ってへんで。途中で眠ってもたポニョを王子が介抱するシーンはどこのジャイアンとしずかちゃんかと。ポニョ、ワイルドすぎ」
「人魚姫も下に敷いてあるやろけど、『ニーベルンゲン』も敷いてあんのかな」
「え?」
「ポニョの本名、ブリュンヒルデやったやん」
「ああ。そのすぐ後『ワルキューレの騎行』にめちゃメロディーライン似とる曲流れてたんも確信犯的やったな!」
「絶対あれ、わざとよな!」
「でも、裏になんか意味があるんかも知らんけど、それ以上はよう分からんかったわ」
「別にええんちゃうん」
「後な、最後、王子が男前過ぎて試練があんまりあっさりしすぎやったことない?」
「今回のスペクタクル予算は、ポニョ脱走シーンで使い果たしたんやろ」
「脱走シーンといえば、津波のシーンの表現、びっくりしたな。めっちゃ走っとるし。ポニョ」
「おかんが後ろ向いてすごい笑顔で流れてきた時もビックリしたわ」
「『ナルニア国』の時の河の神様は、いかにも万人が予想しそうな河神のCGやったやん?でも今回のあのおかんは想像外やった」
「予想の斜め上いっとったな。さすがやな。そらフランス人もアートやって持ち上げるわ」

こんな事言ってますが、おかんの登場シーン、シュールで大好き!
太古の大女神って感じで!

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by mi-narai | 2008-07-28 22:54 | 2008年7月の読書

『トルコの歴史』 『ともしびをかかげて(上)』

三橋冨治男著『トルコの歴史』読了。
スレイマン大帝が偉大すぎたんです。
なんだか、彼の箇所が終わった後は、オスマン帝国は放物線を辿るような衰退っぷりを見せてます。
一度頂点に達してしまったら後は落ちるだけなのね…。
これまたものすごくデジャヴを感じたと思ったら、滅亡直前のローマでした…。
続く皇帝たちは凡庸で、最盛期にはあんなにみんな真面目に働いてた官僚達の間には
汚職が蔓延し始め、地方で叛乱は起こるし、ハレムの力は増すしで、
どんどん国の内部が腐ってゆくのが読んでてものすごく歯がゆかったです。
スレイマン大帝に愛されたハレムの寵妃、ヨーロッパ人女性のロクサーヌも、
その箇所だけ聞いたらロマンチックだけど、権力持ってから色々政治に口出ししたり
人の暗殺しようとしたりしたらしい。
時々ソコルルとか、キュプリュリュといったサドラザム(=大宰相です)が
それこそもう身を削るような献身的な努力と頑張りで帝国を立て直そうとするんだけど
やっぱりこれがうまくいかないんだ…。
一度堕落・腐敗した政治って元にもどすの、大変ですよね…(と日本の政治を見てて思う)
その間周辺(特に西隣)では欧州諸国が産業革命やらなんやらで飛躍的に発展して、実力をつけて、
オスマン帝国は周辺部からどんどん支配地域を切り取られてゆきます。もうジリ貧状態です。
第1次世界大戦で負けた時点では、アナトリア分割して列強で山分け、てな計画まで出てたらしい…。
(スレイマン大帝の治世終了後の歴史には5分の1しか割かなかった作者の気持ちが良く分かる)
ささやかなの救いはやはりケマル=パシャの奮闘でしょう。

ところで、作者はよほどトルコ人が好きだったか、それとも当時のトルコ人によほど親切に
してもらったのでしょうか。
一貫してトルコに好意的で、トルコ人のことを敬意を持って著述してあったのが印象的な一冊でした。
(なので、すごい楽しく読めました)


ともしびをかかげて 上 (1) (岩波少年文庫 581)
ローズマリ・サトクリフ / / 岩波書店
スコア選択: ★★★★★






ローズマリー・サトクリフの『ともしびをかかげて(上)』読み始めました。
やはりこれも大好きな本。
主人公は、ローマの地方軍団の十人隊長アクイラ青年。物語の始まりの時点では18歳。
『第9軍団のワシ』の主人公マーカス・フラビウス・アクイラ(彼はおそらく、エトルリアに入植したローマ人の何代か後の子孫じゃないかと思う)や、
その数代後の『辺境の狼』のアレクシオス・フラビウス・アクイラの
さらに数代後の子孫だと思われます。
この頃にはアクイラ家、すっかりブリトンに土着してたみたいで、
ローマの伝統的な名前の法則は失われて、単一の固有名詞のみになってます。
(ちなみにお父さんの名前がフラビアン、妹がフラビア)
まだまだローマの力が強かった『ワシ』の時代や、
ちょっと陰りが出てきたとはいえまだ粘ってた『狼』の時代からさらに下って、
『ともしび』の時代はローマ帝国、瀕死です。
主人公の所属してるブリタニア駐屯の地方軍は、
東から次々とやってきては沿岸部を荒らすサクソン人にやられっぱなしの現地人の
助けの声を無視してローマ本国に呼び戻されちゃいます。

単にわたしがサトクリフと相性がいいだけの話なのかもしれませんが
この方の書かれた児童文学って、読んでる時ののめり込み度がすごいんですよ!
気がついたら周囲の物音一切シャットアウトして没頭してますもん。
今回も、いつサクソン人が襲ってきてもおかしくないという緊迫した時代の空気や
首都から離れた田舎の雰囲気がまるで自分がそこに居るみたいに感じられて
どきどきしました。
サトクリフの話は主人公が大変な境遇に放り出されることが多いんですが、
とりあえず、上巻の3分の2読み終えた現時点で、
主人公、ひととおりの修羅場は潜り抜けましたよ!
次はいよいよアーサー王のモデルになった(といわれる)アンブロシウスとアルトリウスの登場です。
楽しみ!


言語学者の大野晋先生が亡くなられたと知って、これまたショックでした。
タミル語説とかけっこうすきだったんだけどなあ…。


中山星花の『花冠の竜の姫君』1巻を買って読んでみた。
おお!『花冠の竜の国』の子供世代の話じゃありませんか!
でも、今回の主人公の女の子は、前作の主人公リゾレットさんほどはっちゃけてない気が。
某方も仰ってるように「はじけ方が足りない」のでは…(頑張れ!)

リゾレットさんの永遠のライバル、デジー姫が再登場してるのも嬉しかったです。
なにせ、リゾレットさんとエスター王子のラヴより、リゾレットさんとデジー姫の口げんかの方に
ときめいてたワタクシですもの!
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by mi-narai | 2008-07-23 22:00 | 2008年7月の読書

『トルコの歴史』

三橋冨治男著『トルコの歴史』
オスマン帝国の部分まで読み進みました。(この時点で本の5分の4を読み終わった)
あまりに楽しかったので今日の備忘メモは超冗長です。
後で見返して恥ずかしくなりそう…


オスマン帝国は最初の10人のスルタンたちがほんとに偉大だったらしい。
老練で、やる気にあふれてて、実力があって、読んでて気持ちがいいです。

今、ものすごくスレイマン大帝についてときめきを叫びたい気持ちで一杯なのですが、
その前に2,3、萌えを小出しにしておこうと思います。

・ハンガリー
初代のオスマン1世から、オルハン、ムラト1世、ティムールに負けて憤死したバヤズィット1世、
王朝の中絶期を挟んで、短期間に再統一したメフメット1世、
跡を継ぎコンスタンティノープル攻略の下準備をしたムラト2世、と来て、
21歳で即位したメフメット2世の時代にコンスタンティノープルが陥落するんですが、
この間、往々にして欧州側の敵として出てくるのがハンガリーなんですよ。
ハンガリーってこの頃力があったんだなあと…。(マジャール人、強いよ!)
ハンガリーの英雄ヤーノシュ・フニヤディとか、名前だけぼんやり知ってたけど
ちゃんと業績読んだことなかったし、ハンガリーの建国が意外と古いのも改めて思いだした。


・イタリア
ヴェネチアの傭兵隊長がビザンツ皇帝に招かれてコンスタンティノープルを守ってものすごく頑張ったとか、
オスマン海軍はイタリア諸都市の海軍をモデルにして整えられたから海軍用語にイタリア語が散見とか、
メディチ家の息のかかった教皇レオ10世とか、ときめくキーワードが随所にちらほら。
ルネサンス期のイタリアも好きです。これは多分に森川久美先生の漫画によるところが大きい…。


・諸レイスさんたち(ピリー・レイスを筆頭に)
レイスといえばピリー・レイスとハイレッディン。
どちらも『大航海時代』(もちろん光栄さんの例のゲーム)の常連さんです。
特にピリー・レイスといえば!

伝説の航海者!

『大航海時代Ⅱ』における、全航海士たちの憧れの的!
レベルが違いすぎて競おうなどという気も起こらないほどの大冒険者様でした。
いや、お懐かしい。まさか貴方のご尊名をこんなところで拝もうとは…!
ハイレッディン・レイスの方は、やはり『大航海時代』シリーズで散々強大な敵の海賊の頭として出てくるお方。
でも、あんまり所持金が少ないと見逃してくれたりするんだ…。
何度もお会いする方々なので、感慨もひとしおでした。
見知った名前が出てきてなんだか嬉しかったのでメモメモ。


よーし、では次スレイマンについて!
コンスタンティノープルを陥落したメフメット2世の次がバヤズィット2世、それを無理やり
退位させて即位したのがセリム1世、で、その次がとうとう10人目、スレイマン1世(大帝)です。
前代のセリム1世が厳しい人だったので彼との対比でスレイマン大帝の寛容さが引き立ってます。
(とはいえ、セリムは施策を実行する前に、大臣や官僚達、軍団幹部に意見を聞き、
長い時間をかけて調整してたんだって。だから余計に一旦決まったことを違える人には
容赦がなかった、という理由があったみたい。
長い間トルコ人の間では「セリムの大臣」といえば「割に合わない危険な仕事」という意味だったんだそうな)

スレイマン大帝の即位って1520年なんですが、その頃って

・ヘンリー8世即位直後(エリザベス1世の父ちゃんです。何度も離婚した人)
・1513年 レオ10世教皇に選出さる
・1515年 フランソワ1世フランス王に即位
・1516年 後の神聖ローマ皇帝カール5世、スペイン王に即位
     (エリザベス1世のライバルフェリペ2世の父ちゃんです)
・1517年 ルター、教会の扉にラテン語で『95ヶ条の論題』を貼り付ける(宗教改革の始まり)

など、世界史の重要事項が目白押し!
比較的有名な人が綺羅星のように一堂に会している時期なのですが

そんな中でもスレイマンはひときわ輝いてるぜ、コノヤロー!

治世の出来事を読んでると、もう、ほんときらきらしすぎて目が眩みそうです。
ハンガリーを征服して領土のほとんどを支配下に置き、ウィーンを包囲して
欧州諸国を震え上がらせたたのも彼の時代だし、
ロードス島を攻略したりバグダットを支配下に置いたのものこの時代。
なんたって治世下で行った遠征が前後13回もあったってんだから本人のやる気にも国力にも
びっくりでございます。
西欧人にとっちゃ嫌な相手だったろうけど、東南アジアやインドのイスラム教徒からすれば
大航海時代の幕開けとともにうんとこさやってくるキリスト教徒たちから守ってくれる
盾みたいな存在だったらしいから、やはり立場変われば見方も違うものです。
それに、帝国初期の頃とは違って、この頃のオスマン軍隊は組織も戦略もよく整えられてて、
遠征相手との間には明確な力の差があったようで、戦闘には8割の確立で勝利してます。
最盛期のローマを見るようで、ものすごい爽快感がありますョ!

 あと、フランス王フランソワ1世とのやり取りも必見!
 オスマン帝国はハンガリーを挟んで、ハプスブルグ家と睨みあってたんだけど、
ちょうどその頃やはり反ハプスブルグを標榜していたフランスと秘密裏に手を組むんですよ。
(この頃フランスはイタリア北部をハプスブルグと取り合ってたみたい。で、よく負けてた)
意外なつながりです。しかもフランス、ハンガリー国内の反ハプスブルグ決起を促したり
ハンガリー国内情報をオスマン側にリークしたりと、やることが結構えげつないです。
ステキ。やはり政治はこうでなくては。
かくいうスレイマンも、フランソワにたきつけられなくてもハンガリー内部の情報などとっくに
察知済みだったんですが。
(この結果、第三次遠征でハンガリー陥落、その後1世紀ちょっとオスマンの支配下に)

あかん、この調子で書いてると長くなりすぎる。
スレイマン大帝の時代って、ステキなことが多すぎます!
大宰相のイブラヒムと竹馬の友で義兄弟ってのも萌え要素だし、
海上でなんとかオスマンをへこましてやろうとカール5世が選んだジェノア艦隊とアンドレア=ドリア提督に
一時は水域を荒らされたものの、
上記の海賊バルバロッサ・ハイレッディンを招聘して指揮者に任命、
1538年にはプレヴェザの海戦でアンドレア=ドリア率いる167隻の艦隊を
130隻で打ち破ってるのもとてもイイと思う。
ハプスブルグの外交官としてイスタンブルに駐在したビュズベックさんなど、
スレイマン大帝をべた褒めですよ☆
イスラムのスルタンというと、兎に角残忍な人物だと思いがちですが、
残ってる伝承なんかを(この本に書いてある分だけに過ぎませんが)読んでると、
前代前前代あたりの気が短くて非道なこともためらわずにやったメフメット2世やセリム1世なんかと比べると、
スレイマン大帝は天晴れであれば敵にも同情したし、
ロードスの騎士達には信じられないくらい寛大な待遇であたったらしいし、
君主としての器の大きな人だったのだなあ、と思わせる記述が多いです。
ますます惚れそうです。

で、さんざん「オスマン=トルコいいよトルコーーー!!」とハァハァして、
そういえば高校生の時にも同じこと思ったよな、などとひとしきりデジャ・ヴを感じました。
そもそも。世界史の教科書って戦後の欧米寄りの教育方針もあろうけど、
あたかも西欧が主役であるかのような書き方してるじゃありません?
中国史は別枠で書いてあるけど、あからさまにイスラムや東南アジア、合衆国建国以前の
アメリカ南北大陸なんかに関しては記述が少ない気がする。
だから、却って脇役好きのセンサーが反応したのだと思うのですよ。
(※ワタクシの脇役好みの性癖は保育園児の頃からでございます。年季入ってますよー)
特に欧州が中世の頃のイスラムは、センサーに従って掘り下げて読んでみたら、
同時代の欧州に比べて文化の水準も高くって、余計に嬉しくなっちゃったんですよ。

ああ、スレイマンの箇所が終わってしまったら、オスマン帝国はあとは没落するだけですョ
読むのが辛いです。


しかし、これだけ「オスマン帝国ばんざーい」な感じに仕上がっちゃったら
塩野七●御大の『コンスタンティノープルの陥落』とか読んだら
ものすごく腹が立ちそうだな…(ヨーロッパ視点で書いてあるんじゃないかと予測)
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by mi-narai | 2008-07-18 22:02 | 2008年7月の読書

『トルコの歴史』 『太陽の戦士』

三橋冨治男著『トルコの歴史』
オスマン=トルコの興亡に入りました!
エルトゥールルの時代って、ちょうどアラー=エッディーン=カイクバード1世の治世だったのね…。
大セルジューク=トルコが栄えている時代に、他のオグズ族のように中央草原から西へ
やってきたオスマン部族(オスマンは、トルコのオグズ族の一派)。
カイクバード1世に敵対するタタール人を劣勢ながら見事撃退し、その功を認められて
アナトリア西部に領地をもらったオスマン族は、モンゴルの西進でルーム=セルジュークが
モンゴルに押さえられて汲々としてる間に力をつけて、
ルーム=セルジュークが滅びる頃にはとうとうボスポラスを越えてバルカン側へ領土拡大を始めましたよ!
(領土がヨーロッパに近かったし、同じ宗教・同族のアナトリア内部より、
異教徒を攻撃する方が名目立てやすかったって理由もあったようです)
なんというか、このころのアナトリアって戦国時代みたいです。
各地にオグズ=トルコの流れを汲むいろんな部族が戦国大名みたいに各自の領地に林立してるの。
いまんとこ、オスマンは、アナトリア内でもバルカンでも連戦連勝なので気持ちがいいです。
1453年のコンスタンティノープルの陥落まであとちょっと…!


太陽の戦士 (岩波少年文庫(570))
ローズマリ・サトクリフ / / 岩波書店
スコア選択: ★★★★



ローズマリー・サトクリフの『太陽の戦士』読了。
児童文学です。
いい加減ロマンス小説ばかり読むのもな、と思ってそろそろ健全路線に立ち戻ってみました。
大好きなサトクリフの岩波少年文庫版。
この小説、高校の時分に始めて読んだ時はさほど感銘を受けなかったのですが、
読み返して、印象を新たにしました。
確かに、他のサトクリフの話のように大きな事件が起こったり場所移動があったりするわけではないのですが、それでもやっぱり面白い!
多分、以前読んだときは、歴史の動きがなかったからつまらなく感じたんだろうなあと
今になってみれば思います。
『第9軍団のワシ』『辺境のおおかみ』がローマン・ブリテン時代のイングランド
『ともしびをかかげて』がローマ駐屯軍の撤退時のごたごたとイングランド
『運命の騎士』がノルマン人が来てからちょっと経った頃のイングランド
だけど、
『太陽の戦士』は先史時代のイングランドですもん。
ケルト人が各部族ごとに散らばってる頃です。クー・ホリンとかオシアンとかの時代。
当時は深く考えなかったけど、本作に出てくる被支配者の黒い小さな人々って
大地の女神を信奉する先住民族で
主人公の属する、太陽神を信仰する金色の人々ってのがケルトなんだろうなあ。
そう考えると、ケルト神話ともうまくかぶってるし、
信仰形態も時系列に沿っていて、実に見事でございます。
帰りの電車の中で、主人公のケルトの少年と一緒に、どっぷり一族の生活に浸かり、
狼殺しの通過儀礼にドキドキし、親友との友情に胸ふくらませましたとも!
ああ、面白かった!
この気分のまま、次は『ともしびをかかげて』文庫版だ!
(あの名作が文庫で読めるなんていい時代になったものです。
これも某メガネ魔法少年の話が大ヒットしたお陰ですね☆)
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by mi-narai | 2008-07-17 22:56 | 2008年7月の読書

『中東・北アフリカの音を聴く』 『トルコの歴史』

中東・北アフリカの音を聴く
水野 信男 / / スタイルノート
スコア選択: ★★★



水野信男著『中東・北アフリカの音を聴く』を読み始めました。
著者が長年のフィールドワークで各地の音を収集して回った際に体験した音楽体験を
随筆風に語ったもの。
これまた理念とか哲学とかに関係ない、個人的な見聞録なのでとても読みやすいです。
朝の通勤電車で半分まで進んだもん。
エジプトの水車の音から始まって、イスラムのアザーン(礼拝への呼びかけ)、コーランの
朗唱、スーフィーの舞踏、東方教会の聖歌のあたりまで読んだ。今、イスラエルの部分で
ユダヤ教のカンティレーションについて読んでます。
この本を読んでると、コーランの詠唱が聞いてみたくなってしまいます。
(でもCDは買わないぞ!)
あと、長調で威勢のいい国歌の多い中、確かイスラエルの国歌『ハティクバ』は
短調だったなあなどと思い出しました。

翌日、読了。
エッセイ調なので進む進む。
馴染みのない楽器の名前とか一杯出てきて楽しかったですよ~。
でもって、アフリカ北部の方にも5音しか使わない伝統音楽があると聞いてビックリしました。
※日本や中国の伝統音楽は、ハ長調で言うならドレミソラ、
沖縄はドミファソシの5音でメロディーラインが出来てる。
意外と5音の伝統って世界に広がってるのですね。
「蛍の光」も言われてみれば5音しか使ってないや…


トルコの歴史 (世界史研究双書)
三橋 冨治男 / / 近藤出版社
スコア選択: ★★★★



次、三橋冨治男著『トルコの歴史』を読み始めました。
多分この著者トルコ史の教授なんだと思う。

「専門分野の調査のため日夜小難しい古典トルコ語の文献と格闘した著者が
得た膨大な知識を元に気分の赴くままトルコの歴史について書き綴ったもの」

などと前書きに書いてあったので、がっちがちの正史を読むより読みやすいかな、と思って
図書館で借りてみました。ここんとこ中東づいているので、その気分の薄れないうちに。
しかし、これ初版が1964年ですよ。(さすがにわたしも生まれてないよ~)

今、トルコ族が東からやってきていかにしてアナトリアに定住し、その地が
「トルコ」と呼ばれるようになっていったか、というあたりの記述を読んでます。
まだまだ序盤。
セルジュークから分岐したルム・セルジューク朝が今モンゴルに滅ぼされてイル=ハン国の
属国になってますよ。この間、西からは厄介者十字軍なんかも何回か来てます。
(世界史でやったなあ、懐かしい…)
以下、へーっと思ったこと。

・周辺民族と混血しまくってて、今のトルコ人にはあんまり中央草原にいたときの面影がない、
というのは元々知ってたけど、アラビアよりもバルカン半島の住民の方に似てるそうですよ(へー)

・トルコ族はもともと中央草原の乾燥地帯の騎馬民族で、そこそこ過酷なところに住んでたから
小アジアの過酷具合なんてへでもなかったらしい。(騎馬民族、いいよな、騎馬民族…)

・トルコは勇猛さが信条です!(ガーズィ)

・赤地に月のマークってトルコ族の軍旗なんだって

・ルーム=セルジュークの最盛期を築いたアラー=エッディーン=カイクバード1世、
ちょうかっこいいですよ!著者いわく、「最も偉大な、いわば理想に近いスルターン」
賢明にして有能な政治家、すぐれた外交家、第一級の軍事指導者、これだけでもすごいのに
手先の器用な人でもあって、いろんな特殊技能を身につけてたんですって。
能書家で、デザイナーで、卓越した木工・工芸の達人で、素晴らしい武具まで作ったってんだから
(え?それって王様の仕事なの…?という疑問はひとまずおいておいて)
並大抵じゃありません。
某イタケ人をちらっと思い出した。

ところで、毎回十字軍のことを聞いたり読んだりするたび思いますが

ほんとこの人たちどうしようもないです。

今回も、ビザンツ帝国の
「東の異教徒は確かに嫌だし、小アジアの旧領を回復はしたいんだけど、
西の野蛮人もやだなあ…。ああ、でも、一応キリスト教国だし…」

というちぢに乱れる心が良く分かってなんかもうもらい泣きしそうになりました。

だって、十字軍、ビザンツ内通るときに略奪するもんね!
旧領回復して欲しかったのにシリアあたりの土地の接収に明け暮れちゃうし!


最終的にビザンツ皇帝が
「あー、もうルーム=セルジュークと手を組んで十字軍フルボッコにしちゃおっかな…」
などと思ってんのがおかしかったです。一体どれだけ嫌がられてんだ十字軍…!!
しかしこの辺りの東地中海情勢は面白いなあ…!各国のパワーバランスの揺れが溜まりません。
そろそろオスマン=トルコの始祖エルトゥールルの名前が出てきました。
早くオスマン帝国を読みたいです!
(でも、最期のあたりの西欧列強に端から切り取られるトルコは読むの辛そう…)


漫画
今市子さんの『百鬼夜行抄』10巻と、篠原烏童さんの『クォート&ハーフR』2巻と
波津彬子さんの『姫の恋わずらい』を読みました。
この3冊を一緒に一晩に読めるなんて、なんたる幸せ…!
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by mi-narai | 2008-07-14 22:52 | 2008年7月の読書

溜まった写真など

たまには、ここ一ヶ月ほどの間に携帯に溜まった写真など披露などしてみたいと思います。
(見直すとろくなもの撮ってません)

では、撮った順に
●帰り道に見かけたなにか。
(遠くからズームで取ったので画像が荒いです。こちら側のなにかはまだ子供のようです。
向こうのなにかは死んでるように見えますが、次の朝いなかったので生きていたようです)
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●酒その1
出来心でフラフラとかってしまいました。普通に美味しかった。
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●酒その2
これを飲んだ翌日、午前中一杯を酷い二日酔いに悩まされました。恐るべし濁り酒…
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●ジョンS
直接的名称で呼ぶと余りカワユらしくないので、「ジョン」と名づけてました。
もちあげるときゅっと指に巻きついてカワイイの♪
ジョンは毛虫と違って噛んだりしないんですよ~
(普段こんなもんと付き合ってるわけじゃないんですよ?たまたま珍しく近くで見る機会が
あったので、頼んで撮らせてもらいました)
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●ジョン達の華麗なる変身
アフタージョンは余り好きではない…
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●中国からの
おかあたまがお友達にもらってきた中国の伝統的なミルクキャンディー。
…不思議な味だったなあ…
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●トルコからの
トルコ旅行を控えた妹の友人が『トルコでわたしも考えた』を貸して欲しいというから
貸してあげたらお土産をくれました。これぞ有名なロクム菓子。
(ナルニア国でエドマンドも食べてました)
見づらいですが、真ん中に一つ残ってる四角いものがそうです。
蜂蜜っぽい甘さが強すぎて総じて周囲の人々には不評なんですが、
ラク酒と並んで忘れた頃に味わいたくなる味です。(←味音痴)
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by mi-narai | 2008-07-11 22:40 | その他

『神話・伝説の成立とその展開の比較研究』、他

神話・伝説の成立とその展開の比較研究
/ 高志書院
ISBN : 4906641644
スコア選択: ※※※



鈴木佳秀編『神話・伝説の成立とその展開の比較研究』読み始めました。
最初は聖書におけるカリスマ的指導者、と思われるモーゼについて。
モーゼのエピソードはざっと通り一遍しか知りませんでしたが、実はモーゼって
聖書の中で何度もダメ出しされてたのね…。
そんでもって、ちょっと前に読んだロマンス小説(確か11冊目)で
「エルサレムで発掘された古代の神殿にはヤハウェの祭壇の隣に女神の祭壇跡が発見された」
てな記述があったのを思い出しました。

次、アリストテレスの『アテナイ人の国政』において、
そこから史実を汲み取ろうとする場合にいかにして作者の創作や意図的でないにしろ事実を
曲げている部分を処理するか、というものすごいド・マイナーな主題について読んでます。
返却日来週です、頑張れ私!


次のホメーロスにおける神々と人間の違いがどうとかいう論文をさらっと読み飛ばし、
さらに次の楽しそうな「叙事詩ベオウルフと日本の妖怪」という論文を読んでいるところで
時間が切れました。返却した。



パトリック・オブライアン著
『新鋭艦長、戦乱の海へ―英国海軍の雄ジャック・オーブリー (下)』読了。
まあ、一度読んだことがあるので、最後のオチは心安らかに読めました。
ジャックの航海はまだまだ続きますよ~


ロマンス小説13冊目
これまたペラい本だったので、日曜トイレにこもってるときにほぼ読破。


ロマンス小説14冊目
これも古本屋で買った200円の本だったんだけど(ていうか、ロマンス小説はほぼ古本屋)
これが思ったより面白かったのです!
前にも一回似たようなの読んだけど、これもまた逆マイ・フェア・レディものでした。
時代はナポ公が失脚したくらいの英国海軍全盛期のころ、
ヒーローがなんと陸軍ライフル連隊あがりの軍曹でさ!(負傷して退役した)

陸軍ときたら!

アーサー・ウェルズリー将軍(=ウェリントンのことです)!!

ライフル旅団!!!(グリーンジャケット)

シャープ!!!!

(スミマセン、ワタクシ、この頃の英国は陸軍も海軍も美味しくいただけてしまうのです)
その上、今回は、ロマンス小説にごろごろしているえらそげで傲慢でわからずやでフェロモンダダ漏れの軽くむかつくヒーローでなく,ものすごい察しがいい上にお茶目で分をわきまえてるいい感じに男臭いおっさんが相手役だったので非常に楽しく読めました。
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by mi-narai | 2008-07-07 22:34 | 2008年7月の読書

『激動のトルコ』 『ナルニア国物語2』

『TROY』のDC版のDVDが発売されたそうですよ!
普段DC版なんて興味ないんですが、今回、ヘクトールシーンが若干ふえたっぽいのと

劇場版でカットされていたオデュッセウスの出番が一部復活している

かもしれないとの情報を得たために、ものすごく悩んでます。
オデュッセウスとヘクトールのために買うべきかしら…
(通常版はもう持ってんのよ…)
エリック・バナのヘクトールは絶品なのよね…。
ショーンのオデュッセウスも良かったけど、エリックのヘクトールはもうなんというか


別格。絶品。心臓鷲掴み。


…買おう!




内藤正典編集『激動のトルコ』読了。
今見直したら、PKK問題について書いてあるのは3章で、2章は移り行くトルコの世俗主義についてでした。
トルコはイスラム国家の中で唯一政教分離を果たし、アタテュルクの建国以来の
世俗主義を貫きとおし、西欧の民主主義とイスラムの融合を身をもって体現してる国なんですが
(おまけに親日国)、最近色々あって強硬な世俗主義からもうちょっとゆるやかな
信仰の自由を認める方向へ転換しつつあるらしいのですよね(この本を読むと)。
トルコは現在フランス型の徹底した政教分離(=公の場では宗教色の一切が省かれる制度)を採用してて、普通に考えるとそのあたりはもうちょっとゆるくてもいいかという気もするのですが
でも、ムスリムの多い地域だけに、そうやって公私をちゃんと線引きしておかないと、
かえって公の場でも宗教を反映した格好をしていないと白い目で見られることになるかも知れず、
建国以来の世俗主義を支持する層からは、与党のイスラム政党の推し進めるイスラム色の強い
政策に反発が出てるのですよ。軍部は自他共に認める世俗主義の僕だし。
(代々、政治が宗教に偏りすぎると、軍がソレを修正してきたらしい)
そういった宗教問題って現代日本ではあまり馴染みがないので興味深かったです。
(反対に新興宗教に騙されたりする人も少ないんだろうなあ)

4章は憧憬と蹉跌、5章は疎外と内向、どちらもEU加盟問題についての章でした。
東欧が大量に加盟して、その経済立て直しのために原加盟諸国が負担強いられてたり、
労働力流入の問題なんかで色々思うところがあるのは分からんでもないんですが。
でも、それでも今のEUの言い分はトルコに対して不誠実だと思う。
ドイツの前外相フィッシャーさんの次の言葉を今のEUのお偉いさん方はかみ締めるといいと思います。(てことで、備忘のためにフィッシャー語録メモ)

「ヨーロッパの安全保障は東地中海と中東によって決まるだろう。好むと好まざるにかかわらず、ヨーロッパはこれらの地域で重要な役割を担うことになっている。そしてそのためにはトルコの仲介が必要なのだ。
 トルコの近代化・民主化はイスラーム世界の変化と安定の模範となり、ヨーロッパの安全保障にも貢献する。しかし近年はヨーロッパがトルコに不誠実な態度を取り、関係を悪化させている。ヨーロッパはトルコを戦略的につなぎとめなければならないのだ。
 確かにトルコ加盟への道は長く、問題点も多い。しかしトルコを遠ざけ、自ら危険を招いているのはヨーロッパ自身なのだ。このような愚かなことは、政治の世界では何よりも行ってはならないことである。トルコも、そしてEUも、この大いなる挑戦が頓挫してしまったとき、取り返しのつかない代償を払うことになるだろう」

6章はドイツのトルコ人 
以前からドイツにはトルコ移民が多いとは知ってたけど、その現状について。
ドイツのトルコ人についても色々と考えさせられましたが、ドイツの国民性なんかも仄見えて
ちょっと面白かった。

7章はヨーロッパとイスラム
イスラム…というか、宗教に対する諸政策の違いというか。

8章は作られたイスラーム像
ちょっと前に話題になった、ムハンマドの風刺画に対する各国の反応の違いなど載ってます。


最後のあたりはトルコではなく、ムスリムとキリスト教徒との共存とか、多文化共生とか、そんな話になってました。
ところどころ切込みが浅いかな?(えらそう)と思うところもありましたが、おおむね興味深く楽しく読めました。
言葉遣いが簡単でものっすごい読み易かったしな!
よっしゃ、次!




パトリック・オブライアン著
『新鋭艦長、戦乱の海へ―英国海軍の雄ジャック・オーブリー (下)』
14門程度の小型船が、策を駆使して50数門搭載してるジーベック型フリゲートを撃破・拿捕
しましたよ!!!

すっげーーー!!!!!!!!!!



映画
『ナルニア国物語2 カスピアン王子の角笛』見に行きました。

以下、若干のネタバレが含まれますので、嫌な人は飛ばしてください。







































見終わった直後のワタクシと妹の会話。
「…面白かったけど、最後ちょっと寂しかったな」
「うん、大人になるには色々捨てなあかんて言われたみたいで、身につまされたわ」
「あ、でも、あたしらもう大人やん!捨て去った後やん!」
「そっか、そうやな」
「なんも怖いもんなしやで!」
「そっかー」
(二人、なんとなく安心)


「でも、これで年長の二人がリタイアしてまうんやろ?」
「あたしらのアイドルピーターがもう出てこえへんなんて!これから何を楽しみに見に行けばいいの!」
「でも、今回ピーター、いたたまれへんシーン多かったよな」
「反面、エドマンドがいい感じに育って!」
「あ、ソレわたしも思った。今回のエドは良かった」
「前回はエドマンドがいたたまれない担当やったけどな」
「ていっても、今回のエドマンドあんまり出番なかったやん」
「今回のピーターみたいに出番多くても大半いたたまれへんよりええやん」
「今回は、8割りスーザンのターンやったな。あれ、原作どおりなん?」
「大体原作どおりやったけど、カスピアンとのラブは原作にはなかったはずやで」
「そうやんなあ。ああ、もうピーターとスーザンが出ないなんて…(しつこい)」
「『馬と少年』で大人になった姿で出てくれたらええのに」
「イギリスの児童文学ってその辺厳しいよな…。もしこれがアメリカやったら違うで」
「絶対ハッピーエンドやで。力技で問答無用でハッピーエンドやで」
「スーザン、元の世界にかえらへんで。カスピアンと熱いベーゼの後ナルニアに留まってまうでw」

…なんというか、アホな姉妹ですね。
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by mi-narai | 2008-07-03 22:16 | 2008年7月の読書