カテゴリ:2008年3月の読書( 7 )

『歴史1』 『哲学個人授業』

ポリュビオスの『歴史1』

「ヒエロン、カルタゴとローマのバランスを取る。
ローマとカルタゴ、ライバル!?
でも、サルディニアは掠め取るんだぜ!」


上記の3行は、一体何かというと、読んでて思ったことを忘れないために慌てて打ったメモです。
では、詳しく解説してみましょう。

ヒエロン…カルタゴとローマの中間に位置するシチリア島はシラクサの領主ヒエロン。
バランス感覚のいい政治家である彼は、カルタゴとローマのどちらが台頭してもシラクサは飲み込まれる、と予想し、両者の力がなるべく拮抗するように立ち動いたのです。
しびれるぜ、じじい!

ローマとカルタゴ…第1次ポエニ戦争終了後にカルタゴで起こった叛乱についてポリュビオスは幾分多めにページを割いているのですが、それを読んでいて思ったことです。
周辺の都市たちは自分の利害の赴くまま、反カルタゴを標榜するのです。そんな中、かつては
敵だったローマだけが、カルタゴとの講和条約をきっちり守って、反カルタゴ勢力には手を貸さないのです。
ちょうど当時ローマとカルタゴは国力も余勢も同じくらいで、戦争中は全力出してぶつかって勝ったり負けたりしてたんですが、一旦約束を交わしたら遵守するんだなあ、と。
エトルリアがローマの若干気まぐれな先輩だとしたら、カルタゴはタメ年のライバルなのだなあ、と思ったりしました。好敵手と書いて「とも」とルビを振るアレ。

でも、そんなローマですが、カルタゴが叛乱勢力を制圧する直前にサルディニアを掠め取ってんの。ほんと、あんたたちいい関係ですよ。

とりあえず、今は第2章、第2時ポエニ戦争の発端に入りました。
最初、いきなりギリシア北部の地域間紛争から始まったんでちょっとびっくりした。
イリュリアVSアカイア&アイトリア
当時イリュリアは行け行けの拡大政策中だったらしく、国外の都市に手を伸ばしたんさ。
その都市はアカイアとアイトリアの連邦に助けを求めたために上記の図が発生。
ローマはといえば、当時のイリュリアの摂政だったテウタ王妃に使者が殺害される事件があったためにイリュリアに対して可也怒ってたんだけども、イリュリアに包囲されてる都市の指揮官から助けを求められるにいたって派兵。
あっというまにイリュリア軍を蹴散らして、アカイアとアイトリアの連邦とは文明人らしく友好にやりとりして、まあ、いざこざは収まったのですよ。
一方その頃、カルタゴ首脳部にイベリア半島に派遣されたハミルカル・バルカはそこに一代帝国を築こうと奮闘。途中で落命して、指揮権は娘婿のハスドルバルに引き継がれたんだけど、植民地建設は引き続き続行。
ローマがあっと気づいたときには随分カルタゴの勢力が盛り返してた、というわけ。
危機感を募らせるローマ人。

おお、次は、続きはどうなる!?…とワクワクしてたら、ポリュビオス先生
「とりあえず、ハンニバルがどういった地域を抜け、どういった人々を味方に引き入れたかを分かってた方がいいじゃろ」という理由でケルト人の詳細説明など始めてしまいました。
んもう、焦らさないでよ~~!!




翌日、思ってたより多くのページを割いてあったケルト人とローマ人のいざこざをようやく読み終わり、よっしゃ、次はようやくハンニバル!

……と思ったら、なぜかギリシア方面での戦争関連の記述が再び始まってしまいました。

どれだけ焦らせば気が済むのよ、ポリュビオス~~!!!!

いやまあ、「一方その頃別の場所では」というのがやたら気になるワタクシとしては
(こんなとこでまで脇役好き。主題の他が気になって仕方ないのです。業が深い…)
嬉しいんですけどね!
アカイア連邦成立のアレコレとか、アイトリア連邦との対立とか、スパルタに攻められつつ
マケドニアと裏で取引したりとか、小国同士の微妙なパワーバランスが面白い!
政治の細かい動きとか大好きです。オマケにアラトス、男前だぜ!
ポリュビオスのアカイアに対する郷土愛も微笑ましいし、たのしーい!
(読んでる最中は楽しくても、読み終わったら忘れるんだけどな。ダメ人間)


哲学個人授業-<殺し文句>から入る哲学入門 (木星叢書)
鷲田清一 / / バジリコ
スコア選択:



鷲田清一×永江朗 『てつがくこじんじゅぎょう <殺し文句>からはいる哲学入門』タイトルに惹かれて、そんでもって、二人の対談だからそんなに難しくないかな、と
軽い気持ちで購入、『ライラの冒険』から次の本に入るまでの息抜きと思って
読み始めたんですが、早くも最初のキルケゴールで挫折しそうになりました。

「(前略)それで自己とは単なる関係ではなしに、
関係が自己自身に関係するというそのことである」


なんっじゃ、そりゃ!何が言いたいんじゃ!

とりあえず、その後に続く二人の対談を読むとなんとなく分かった様な気にはなるのですが
それでも最初に読んだときに分からなかったときのこの敗北感…(くっ)!!

それを思えば、プラトン先生は分かりやすいよな…などと涙がちょちょぎれました。
とりあえず頑張って読み進んでみます。次のサルトルがもうちょっとわかりやすい事を祈りつつ…。
[PR]
by mi-narai | 2008-03-31 21:59 | 2008年3月の読書

『琥珀の望遠鏡』 『歴史1』

フィリップ・プルマン著『ライラの冒険3 琥珀の望遠鏡』
至る所で嘘つきと評され、密林なんかのレビューでも「嘘つきでわがままだから嫌い」などと好悪の評価がきっぱり分かれる本作の主人公ライラ。(でも、ワタシは好きですよ、この子)
しょっちゅう嘘を繰り返すライラを見ながら、
「なんか、前にもこんな場面を見た気がするなあ…」
と思っていたら、……『オデュッセイア』だった………。
あの叙事詩で例のイタケ人がことある毎に法螺を吹くのと感じがものすごく似てます。
危機を切り抜けるために自分の出自を偽る、とか、なんとか有利に事を運ぶために大胆な話をでっちあげる、とか、そういった背景が。
これって、意図してそうしてるのかなあ。
ネキュイアも入るし(とはいえ、その部分の持つ意味は全然違う)。
作者の教養が深そうなので、そうだとしてもおかしくはないのですが多分偶然でしょう。
それはさておき。

そう気づいて、ライラがウィルを好きなのを妙に納得してしまいました。

正直で(=嘘をつくのが苦手。裏表がない)、良識的で、冷静で、自分の力をわきまえてて愛情深い人間ときたら。アテナ様と例のイタケ人のストレートゾーンど真ん中やん!


などとアホなことを考えている間にモリモリ読み進んで数日後読了。

面白かった…。

読み終わって「色々あったなあ…」などとしみじみ思い返してしまうほど
①内容が盛りだくさんで、
②ストーリーに引き込まれました。
終わっちゃうのがもったいないけど、続きが読みたくて止められなかった。
随分宗教色(反宗教色?)の強い作品でしたけど。
あまり書くとネタバレになってしまうのでかけないのが辛い…!
(誰か、誰か既読された方、このときめきを吐露させて…!!)
あの結末は、わたしは必然だと思います。
あの終わり方がやはり一番効果的だと思う。
後書きで、訳者の大久保さんが「プルマンはストーリーテラーだ」と書いておられましたが
まさしく!
すべての脇役達も皆が皆きらりと光ってましたもの!メアリー・マローン博士とアタルの友情が好き。

困ったな、明日から何を楽しみに電車に乗ればいいの…


ポリュビオスの『歴史1』とりあえず、今日のチェックポイントを二つメモ。
・シラクサのヒエロン王、やり手だなあ…。外交バランスを上手に取りながら90近くまで王位について頑張ったって、すげえよ!!ファンになりそうです。
・BC3世紀半ばに、ローマに連敗していたカルタゴに、戦術指南をしたラケダイモン人クサンティッポスもいい感じです。とりあえず、勝たせといて、速攻国に帰る保身感覚も素晴らしいです!

ああ、なんだか、ローマが負けるとすかっとする………


数日後、もうちょっと読み進みました。
おおお~~!ハンニバルの父、ハミルカル・バルカが出てきましたですよ!
バルカってフェニキア語で「雷」の意味からきてるらしい。
「バルカの異名を持つハミルカル」という記述が出てくるたびにときめきます…(きゃっ)
だって、このハミルカルって将軍、すごいですよ!
軍事第一のローマ人どもを敵に回して渡り合ってますよ!!
戦争初期の頃のローマ人は操船に未熟でしょっちゅう海戦で負けてたのに、
ハミルカルの時にはすっかり習熟しちゃって(早すぎるだろ!)、
なかなかカルタゴ軍は勝てなくなってたんです。
そんな中、ハミルカルは着実にローマにダメージを与え、
猛将としてローマに恐れられてます。ステキ!

とりあえず、名将だったハミルカルは、負け時も心得てて、ちょうどいいときに上手に
ローマと講和を締結。
やれやれ、これで一息つける、と思った矢先にカルタゴ本国でリビュア人の叛乱勃発!
祖国防衛軍の指揮を任されたハミルカルの政敵ハンノが失策したせいでカルタゴ、滅亡の危機に!
というところまで読み進んだ。


ところで、ファレリイ陥落って、このポエニ戦争直後だったらしいです。
ローマ・カルタゴ間の戦争が終わったと思いきや、両国はそれぞれ叛乱に
悩まされたらしい。妙に仲良し。
カルタゴが叛乱に悩まされているちょうどその時、ローマではファリスキ人が
叛乱を起こしてたんだって。ちなみにローマはあっというまに叛乱を押さえ込んで
ファレリイを破壊、ファリスキ人を西の地に強制移住させちゃったらしい…(メモメモ


DVD
プロヴァンスの贈りもの
/ 角川エンタテインメント
スコア選択: ★★★



『プロヴァンスの贈り物』ラッセル・クロウの声を聞くためだけに借りました。
しかし、役作りなのかも知れんがおっさんすぎるわよ、ラッセル…
出腹の傲慢なおっさんラッセルを見た瞬間に涙が出そうになりました。
でもまあ、それでもなんだか憎めないんですけどね。
映画自体は、取り立ててすごく好きなわけではないけど、
悪くはなかったです。
[PR]
by mi-narai | 2008-03-24 20:50 | 2008年3月の読書

『琥珀の望遠鏡』 『歴史1』

琥珀の望遠鏡―ライラの冒険シリーズ〈3〉 (ライラの冒険シリーズ (3))
フィリップ プルマン / / 新潮社
スコア選択: ★★★★



フィリップ・プルマン著『ライラの冒険3 琥珀の望遠鏡』
なんだか、1巻から遠いところに来てしまったなあ、という趣の3巻。
読みながら、なぜか『スター・ウォーズ』など思い出しましたですよ。
最初の頃は真面目で控えめな男の子だったウィルも色々あってすっかりやさぐr…(げほごほ)。
いや、それでもウィルのことはこれからも温かい目で見守っていく所存です。
男前な主人公ライラの、ウィルに対する信頼も美しい。
ほのかに恋心もあるんだけど、まだはっきり恋になってない程度の淡さがこれまた
ワタクシ好みでございます。

あと、ナチュラルにどうみてもホモ天使が出てきてびっくりした。
これはアリなんだ…(感心)。
(天使だから性別がないというオチなのかしら…)
いや、こうかくと御幣を招きそうですが、この二人の天使、お互いに互いを尊敬して
大事にし合っていて、見ていて切なくなりそうな美しい愛情なのです。
この天使カップルと対照的なのが、アスリエル卿とコールター夫人。
この二人のやり取り、ごく事務的なものでさえ、なぜかアダルティーな雰囲気を
醸し出していて、毎回ドキドキしてしまいます。
アスリエル卿、善悪を通り越して、なんと強烈なお人よ…
コールター夫人も、読むたびに印象が変わって、読者がなかなかつかみきれない。
二人とも決して善人じゃないけどなんとも魅力的です。

続きを楽しみに読みます!この巻で終わっちゃうのがもったいない。


ポリュビオスの『歴史1』
半島を大体平定したローマが、シチリアの一都市と、その都市と海峡を挟んで向かい合う
イタリア側の一都市のいざこざから、シチリア島に軍を派遣することを決定し、
そのままずるずるとカルタゴとの小競り合いに突入するところまで読みました。
今、カルタゴ側にハンニバル、ハミルカル、ハンノという将軍が出てきたんだけど
(ハで統一か?カルタゴ人…)
上記のハンニバルはあきらかにあのハンニバルとは別人なのです。
ひょっとして「ハンニバル」ってカルタゴではよくある名前だったのか知らん。

後、ポリュビオスさんって、スキピオ家の小アフリカヌスの友達だったんだってね!
アカイア生まれの彼、ギリシアがローマに攻められた時あくまで故国の独立に拘って活動し、
結局それがもとで当局に反抗分子と受け取られて、
捕虜としてローマに連れてこられた1000人のギリシア人のうちの一人だったのだそうな。
一方、小アフリカヌスはスキピオ家に養子に貰われてきた男の子で、この子の養父の
父が、ハンニバルと戦ってザマの戦いで打ち破ったスキピオ=大アフリカヌスらしいことも
初めて知りました。ふーん、そうなんだ。
ポリュビオスがポエニ戦争を歴史として書いたのって、
今の感覚で言えば、自分の世代よりひとつ前の戦争(たとえば太平洋戦争とか)を
リアルタイムで書いたようなもんなんだなあ…
使える資料が多い分確かに信憑性はあるかも。
それって、トゥキディデス以来のギリシアの歴史書の伝統なのですって。メモメモ。


DVD
『パイレーツオブカリビアン ワールズエンド』
今回もおかあたまが見たいと仰ったので。
なんというか、可もなく不可もなく…。
おかあたまと二人
「よう分からんことになってるねえ」
「ほんまにねえ」
「せやけど、ジャック・スパロウはなんであんなに動きが
カマっぽいんやろねえ」
「知らんわ」

などといいながら結局最後まで見た。
その場その場はノリで見ちゃうんだけど、全体的に見て説明下手というか、
破綻してるんじゃ…(げふごふ)。
とりあえず、この作品におけるワタシの心のアイドルは
キャプテンバルボッサに決定☆
でもって、『エリザベス』に続きコレでも海戦シーンがちらっとあって
もっと見たくなったので、近々『マスコマ』を再度鑑賞しようと心に決めました。


『スーパーナチュラル』シーズンⅡ 10巻11巻
セカンドシーズンの最後までを見た。
10巻の前半は「バトロワ」、後半と11巻は、シーズンシメの2時間スペシャル、でした!

なんでウィンチェスター兄はあんなにかわいいんだろう…

(毎回こんなことばっかり言ってるな…)
出来が良くて冷静でクールでおまけに自分より背の高い弟がそれでも可愛い兄。
ほんと、こんないい人だとは思わなかったですよ、最初見始めたときは。
またも「おいおい、ここで終わられちゃ困る」というところで終わってるので
早くサードシーズンのDVDが出てくれることを祈ってます。
[PR]
by mi-narai | 2008-03-19 17:34 | 2008年3月の読書

『神秘の短剣』 『歴史1』

フィリップ・プルマン著『ライラの冒険2 神秘の短剣』読了。
今度もまた「以下次号!」てな感じのところで終わってましたが、
ワタクシも今度は学習しました。そうくるだろうと思ってましたとも!なんと見事なヒキよ。
物語の方は、徐々に背景にある神学的なアレコレが明らかになってきた感じです。
1巻のあとがきにもあった様に、どうもこの作者、
キリスト教の教義(正当でない物も含めて)とか、
ミルトンの『失楽園』とかに造詣が深いようなのですが、
どっちにも詳しくなく、ましてやキリスト教徒でさえない日本人のワタシには
「きっとコレの裏にも、この台詞の裏にも意味があるんだろうなあ」という
薄ぼんやりとした予感はあるのにそれがはっきりと分からない。
モヤモヤしますよ~。
登場人物の名前にしても、アスリエル、なんて、意味ありげだと思うけど、
どう意味があるのかが分からない!
でも、つねづね不肖ワタクシが感じていたキリスト教のやり方のまずさについて
作者が正面から取り組んでる(ように感じる)のはちょっと痛快です。
(特に中世から近世にかけての歴史上のアレコレを読んだりする時に「おのれ…」と
思うことが多いので…。近視眼的過ぎてこわい。独善的だし。
あー、でも日本人も色々やってんだろうなあ。アタシに批判する資格があるのかしら…)
イエスの教義は(そんな詳しくないけど)もっと下々・個々人に優しいものだったと
思うのですが、体系化して権力構造になったときに色々弊害が出てきたんだろうなあ。
かといってアスリエル卿のやり方もどうなんだろう…(早く3巻を読んで確かめなきゃ!)


多分、子供は表層的な冒険部分を読んで楽しむし、大人は裏にこめられたもう一つの意味に
思いを馳せつつキリスト教と教権とは、とか、知識と純潔とは、とか、色々考えて楽しむ
物語なのだろうと思います。深く考えようと思えばいくらでも考えられそう。
ちなみに、映画公開にあたって『ダ・ヴィンチ・コード』のときと同じく
キリスト教のいずこかから反発があったらしいですよ。


とりあえず、2巻で出てきたウィルをものすごく気に入ったので、
個人的にはたいへん楽しかった巻でした!
慎重で、冷静で、粘り強く、良識と勇気がある少年って、稀ですよ。
そのくせ、時々母親のことを思って泣いちゃったりするのですよ(カワイイ)。
久々に本を読んでてときめきました。
友人Tなどは「2巻は動きがなくてイマイチだった」などという感想を述べてましたが。
そうよね。アンタとは昔から面白いと思うポイントがずれてたわよね…。


ただ、容赦なく人が死ぬときは死ぬ話なので注意が必要です。
物語上この死は必要、もしくは、ここで、このタイミングで死なせることが
最も読者の心に残る、という、狙い済ました構成ではあるのですが、
そう分かっててもやはりすっかり馴染み深くなった登場人物が死ぬと
悲しくなってしまいます。
2巻ではアタシの悲しいポイントが2回もあったのですよ…。

ひとまず、意気込んで次へ!

ポリュビオス 歴史〈1〉 (西洋古典叢書)
ポリュビオス / / 京都大学学術出版会
スコア選択:



平行してポリュビオスの『歴史1』を読み始めました。
以前貸して頂いたハンニバル布教番組の録画DVDに
「ポリュビオスという歴史家がハンニバルのことをたんねんに調べて本を書いた」
とあったのです。
というわけで、丸ごと一冊ハンニバルファンブックだと思って借りてみた。
最初の折込冊子のポリュビオス紹介と、ポリュビオス自身による
本を書くに当たっての決意表明のとこだけ読みました。
それによると、ポリュビオス氏はギリシャ人らしい。
で、ギリシャを征服したローマについて、なぜそこまで強くなることが出来たのか、という
理由を探索した結果、ポエニ戦争に答えを見つけたらしい。

それはいいとして、ポリュビオス先生、どうも自分の文章力に自信がなかったみたいです。
「いいじゃん!歴史書は文章の上手さじゃなくって中身の面白さジャン!」と
開き直った言い訳をしてて、それがちょっとカワユらしかった(笑)。


映画
『ライラの冒険 黄金の羅針盤』
見てきました。
やはり直前に原作を読んでしまうと、はしょり部分が気になってしかたありません。

良かった所
・本を読んで、おぼろげに想像していたアレコレ(次々と姿を変えるダイモンやコンパス、
飛行船、クマなど)を実際にビジュアルで見ると、インパクトがあって面白かった。
・ライラと、コールター夫人はイメージどおりだった。
・クマ~♪

残念だった所
・仕方ないことなんだけどやっぱり深みが足りません…頑張って短くしようという
涙ぐましい努力は感じるんだけど、でも、まだ説明不足な部分がある気がしました。
・良くも悪くも子供向け映画だなあ…
・わたしは原作の結末の方が好き!どうも、興行いかんによっては今作で打ち切りになるかも
しれないらしくって、映画にはそんなにあからさまなヒキがなかったんですよね。
でも、あの衝撃のラストを持ってこないと、次に続かないですよ?
それに、ラストの語りはいらんじゃろ。綺麗にまとめなくっていいから。
[PR]
by mi-narai | 2008-03-13 17:51 | 2008年3月の読書

『エトルリア』 『神秘の短剣』 『プレステージ』

ヴェルナー・ケラー著
『エトルリア ローマ帝国に栄光を奪われた民族』
エトルリアがとうとうローマに併合されてしまいました。
併合される直前に周辺諸国と手を組んで対ローマ戦線を張るんだけどさ。
あの栄えあるエトルリアが周辺氏族と手を組むだなんて(落涙)。
その上、エトルリア人の畑は何度も何度も焼き討ちに会うし何万も殺されるし
ホント心の痛む記述が続いて辛い。
唯一スカッとしたのが、ギリシアのピュロス王がローマに勝った戦争と、
ハンニバルのくだりくらいかしら。
でも、併合してからの、エトルリア人のローマに対する経済的な嫌がらせには
にやっとしてしまいました。
武力よりもこういうやり方の方が得意そうですよ、エトルリア人。もっとやるといい。
残り後30ページほどなので今日中に読みきってしまうつもりです。

週をまたいで読了。
最後の章、「エトルリアの遺産」でシメでした。
ルネサンスの担い手はエトルリア人の子孫だ、…というのはファンタジーだと思うけど、
そうだといいなあ、としみじみと思いました。夢を見たいですよ。
純粋な学術書じゃなくて、この著者、多分、ドイツにおける塩○七●みたいな
感じの人なんだと思うんだけど、その分さすがに文章は読みやい。
そして、作者の情感がこもってる分、読んでて楽しかったです。
(もしワタシがアンチエトルリア、親ローマ派だったら、全編イライラしたろうがな)


神秘の短剣―ライラの冒険シリーズ〈2〉 (ライラの冒険シリーズ (2))
フィリップ プルマン / / 新潮社
スコア選択: ★★★★



フィリップ・プルマン著『ライラの冒険2 神秘の短剣』読み始めました。
今度はライラはこの世界の少年ウィルと出会ってます。
ライラがかなりきっつい性格の少女であるのに対して
(ワタクシの想像するヘラ様のご幼少のみぎりはきっとこんなの)
ウィル少年は、お母さん思いのしっかりものの真面目な子です。
ふたりの性格の違いがはっきりしてるのが、殺人に対する考え方でしょう。
冒頭でウィル少年は正当防衛で男を突き飛ばした弾みに、
打ち所が悪くてその男が死んじゃうんですが
ウィル少年は「どうしよう、僕は人殺しだ、もうここには帰れない」と思うのです。
対してウィル少年が「人殺し」だと真理計を使って知ったライラ、真っ先に思ったのが

「人殺しは仲間にするに値する」

すげえ!!
なんか、この肝のすわり具合に妙に感動してしまいました。
早く続きを読まなきゃ!



DVD
プレステージ コレクターズ・エディション
/ ギャガ・コミュニケーションズ
スコア選択: ★★★



『プレステージ』
二人のマジシャンが互いのライバル心で蹴落としあう話(身も蓋もねえ)。
この紹介ではアレなので以下、Ama○onに載ってたストーリー紹介
<ストーリー>
2人の天才マジシャン、アンジャー(ヒュー・ジャックマン)とボーデン(クリスチャン・ベール)はライバルとしてしのぎを削りあう2人だったが、ある舞台でのマジック中、アンジャーが水槽からの脱出に失敗し、ボーデンの目の前で溺死する。翌日、ボーデンは殺人の罪で逮捕され、死刑を宣告される。ボーデンはそこに恐るべきトリックの存在を感じる。これはアンジャーが仕掛けた史上最大のイリュージョンではないのか-。やがて明らかになる驚愕の真実とは?

舞台はヴィクトリア朝ロンドンで、原作はなぜかファンタジー系の文庫から
出てたりするのです。コレは見るしか。と思って借りました。
ヒュー・ジャックマンびいきなので見終わった後は2時間ほどは憤慨してたんですが、
一晩空けて落ち着いて考えるにつけ、まあ、あの結末でいいかと。
(二人のマジシャンの瞬間移動トリック、素人の私でさえ途中でどっちも
推測できるくらい、分かりやすすぎじゃい!でもおかげで、話もすんなり理解できたし)
また、レビューなど読むとあの装置はなかろう、という批判も多いのですが、
トリックでなくて装置に頼った時点でアンジャーは負けだったのよ、マジシャンとしては。
でも、ライバルのボーデンに勝ちたい、という嫉妬心と、
観客の驚く顔が見たい、という麻薬のような欲望に負けたのよね、
ととりあえずは理解
してます。
どこかのレビューで読んで、あの装置自体じゃなくて、使用による弊害に対する処置に
トリックがある、という意見にもナルホドなと思ったし。
でも、もう一度見るとまた憤慨しそうなので、今度は原作を読んでみようと思います。
[PR]
by mi-narai | 2008-03-10 21:27 | 2008年3月の読書

『エトルリア』 『黄金の羅針盤』 『エリザベス ザ・ゴールデンエイジ』

ヴェルナー・ケラー著
『エトルリア ローマ帝国に栄光を奪われた民族』
ウェイイもタルクィニアも破れ、ようやく全エトルリアで対ローマ戦線を張るも
あまりに遅きに失し、もはやエトルリアの栄光ははるか過去の産物に…

…てな記述が延々続くのでほんとうに切ないです。
この頃になると、ファレリイも何度も出てきますよ!
ウェイイに近いファレリイはウェイイと組んでローマに対して戦いを挑んだり
していたみたいです。ファリスキ人の国だけどエトルリア化してたからなあ。

やはりこの本でも、衰退期のエトルリアの墓の壁画には異形の魔人や地獄の風景が多く、
エトルリア人たちの感じていた終末観や厭世観がにじみ出ている、という記述があり、
北はガリア人、南はローマ人、制海権もギリシア人に奪われて、閉じ込められたエトルリア人が
真綿で首を絞められるような圧迫感を感じていただろうなあと容易に想像できてホント辛いです。
でも、あともうちょっとなので、頑張って読みます!

そうそう、ヴォルトゥムナ神殿の釘打ち神事に関する言及もありましたよ。
1年が過ぎるごとに1本釘を神殿の壁に打ち付けるんだけどさ。
壁が全部釘で埋まったら、世界は終わっちゃうの。
エトルリア人は毎年徐々に狭まっていく空間を眺めて何事か考えるわけですよ。
メソアメリカの文明を連想しました。
ところで、ワタシ、ずっとウォルスキー人て、イタリック系かと思ってました。
ひょっとして、ウォルシニーに住んでたエトルリア人か!?(気づくの遅すぎ)


フィリップ・プルマン著『ライラの冒険1 黄金の羅針盤』読了。
面白かった。
面白かった、けど、

ええーー!!!ここで終わりかよー!!

というところで終わってました。いや、終わりというより「以下次号」。
それにちょっとびっくりした。

しかしつくづくライラの両親みたいな人たちは親に持ちたくないなあと思いましたです。
(読み終わって一番の感想がそれって…)
某方の仰るとおり、ほんと、とんでもないです。
他の血のつながりのない大人たちのほうがよっぽど良識的でライラに対する愛情に満ちてますよ。
ひきかえ、ライラの両親は(特に父親)……こわい。
パワフルすぎて、ワタシ、もしあのような人たちが実在するとしたら近寄りたくありません(小心者)。

両親話はこの辺にして、お話自体は、基本的に冒険活劇で、神学的解釈もあり、友情あり、
舞台が北の国なのでちょっと「雪の女王」の趣もあったりなんかして、飽きずに読みきれました。
今のところ、変に大人向けじゃなくて、かといって低学年向きってわけでもなく、
高学年の少年少女を対象に描かれた良質な物語、という感じです。
かなり荒々しいシーンはあるけどね。それも一昔前の児童文学みたいで良し!

続けて『神秘の短剣』を読むつもり。



映画
『エリザベス ザ・ゴールデンエイジ』
見に行ってきました。レディース・デーを狙って、母、祖母、大叔母、ワタシの4人で。
資本はハリウッドかもしれんが(よう知らん)、前作同様イギリス映画っぽい。
しかし、前作からもう9年も経ってるんですね~。
前作『エリザベス』で一躍有名になったケイト・ブランシェットも今やおしもおされぬ演技派
ベテラン女優に…。
映画の中の時間で言えば、前作『エリザベス』が
知的ではあるものの若々しく世間知らずなエリザベスが、姉の死によって女王の座に着き、色々あって女王としての自覚に至るまでの期間を描いていたのに対し、
今作『ゴールデンエイジ』では、まさにエリザベス1世の黄金時代。アルマダの海戦の勝利までです。
多分年齢にしてエリザベス、50代。
(でも、その前のエリザベス暗殺やらサー・ローリーとの出会いやら、史実なら何年にも渡るはずの
出来ことを効率よく短期間につめこんでんので、映画としての年齢設定はイマイチ読めん)
すっかり老練で知的な政治家になってます。
でも、(若さからくる未熟さじゃなくて)人間としての弱さなんかもやはり持っていて、
時々それが表に出てしまったりもするあたりがリアル。
なんだか、時に折れそうに弱く、時に神々しいほど強く、常に知性的で、印象に残るエリザベスに
しあがっとりました。ケイト・ブランシェットいい役者だなあ…。
(とはいえ、初回なのでかじりついて画面に映像の流れるまま物語に身を任せて見てたので
そんなに深く映画の意味を考えるまでには至ってません。)
ワタシは歴史好きの帆船好きの密偵好きなので、この映画には点が甘すぎな自覚があります。
他の方はこの映画を見てどう思うんだろう…
(でもまあ、歴史好きでなけりゃ見ようと思わないか)

○ウォルター・ローリーについて
クライヴ・オーウェンはこういう風来坊っぽい野性味のある役のほうが魅力的に見えるということを
発見しました。これまで『キング・アーサー』や『グリーンフィンガー』の生真面目な役しか
見たことが無かったのです。
でも、スペイン船を襲ってスペイン大使に非難されるのってドレイクの役目じゃないのか?
…まあ、配役を絞るためにローリーにその役割を振ったんだろうなあ…

○今回ドレイクは最後のアルマダの海戦のときに提督としてちらっと出るだけでした。
忠臣のセシル兄弟の名前が出てこなかったのも寂しかったなあ…。

○ウォルシンガム
ウォルシンガムは、最初から最後までエリザベスに影のようにつき従ってました。
よって、出番多数!大満足です!
調べたら、ウォルシンガムとエリザベスって同年代なのですね。
前回の『エリザベス』では、頼りないエリザベスに政治の何たるかを教える師の役目も
負ってたウォルシンガムでしたが、今回はすっかり対等な同僚(いや、女王と臣下だけど)として
出てきます。ていうか、エリザベスが羽目をはずしそうになるたび「お待ちください」とウォルシンガムが
止めに入って、エリザベスがそのたんびに嫌そうな顔になるのが可笑しかった(笑)。
お目付けウォルシンガム。
でも、拷問してみたり、敵の暗殺計画を察知してみたり、裏をかかれたりと諜報活動も頑張ってますよ!
そんで、奥さんに「あなた、働きすぎですよ」とか言われちゃってますよ。
なんか、今回もウォルシンガムの周辺は色々と楽しかったなあ…。
[PR]
by mi-narai | 2008-03-07 20:25 | 2008年3月の読書

『エトルリア』 『黄金の羅針盤』

こないだ、帰り道、住宅街の暗い歩道を歩んでおったらば、前方になにやら小さな影が。
最初は「?犬かな?」と思ったのですが、それにしては、胴体が丸っこい割りに足が細い。そんで柔軟性がない。
あと5メートルというところでようやくわかりました。
「ウリ坊!!」
いや、ウリ坊だけなら別に怖くないのですが、「ウリ坊の影に親イノシシあり!」
とりあえず車道を横切って向こう側の歩道へ避難しました。
(アタシの他に、誰も歩いてなくて、もし親におっかけられても助けを期待できなかったので)
その後見守ってると、ウリはチョコチョコと山の方へと消えていきました。
イノシシ見たの、久しぶりだなあ…てことでメモ。
(毎回なぜか歩道で遭遇する)


『エトルリア文明展 最新の発掘と研究による全体像』読了。
そうそう、書き忘れていましたが、読み終わったのでした。
やはり、ビジュアルがあるのとないのでは随分違うなあ、と実感した一冊でした。
今の『エトルリア』を読んでるときも、
「アッティカから陶器を輸入し」という記述を見ればぱっと思い浮かべることが出来ますもん。
読み終わって、どの文物が一番印象に残っているかと考えると、
アルカイックスマイルの、シュメール人のようなアポロン像(ウェイイ産。おそらく天才造形作家ウルカの作)もなかなかインパクトが強いですが、
やっぱ、造粒細工のアクセサリーかな…


ヴェルナー・ケラー著
『エトルリア ローマ帝国に栄光を奪われた民族』
真ん中を過ぎたあたりから、エトルリアの衰退期に入ってしまいました。
本半分も衰退する様子を読まないといけないなんて…(涙)!
少し前にリーウィウスを読んだところなので、共和制初期のローマとエトルリアの戦いには聞き覚えがあったりしてなんとなく懐かしくはあるのですが。
でも、こうして読むと、本当にエトルリアの各市って独立独歩で統一されなかったのだなあ。
ローマに最近のウェイイが攻撃されてる時、ウェイイ人は再三援軍要請かけたのに、エトルリアのどこも応えてくれなかったんです。ひでえよ!
同じような都市国家群だったギリシアでさえペルシアの前に手を結んだってのに。
(明確に力の差が歴然としてるペルシャとぽっと出のローマじゃ危機感が違うから仕方ないのかしら)
この時に一致団結してローマをボコってりゃなあ…などとエトルリア視点で考えてしまいます。
(とりあえず、女性の参政権は確実に数世紀早く確立されてたと思う)
しかし、ケルト人に対しては一致団結するローマ人とエトルリア人。
話に聞いてはいたけど、エトルリア人はローマ人を優遇しすぎです。

本の残りは、ますますエトルリアが衰退してとうとう民族としての独立性を失ってしまうまでなんですが
気力を振り絞って最後まで読もうと思います。


フィリップ・プルマン著『ライラの冒険1 黄金の羅針盤』3分の1ほどまで読み進んだ。
面白くなってきました!

これ、最近もてはやされてるし、もっと今風の奇をてらったようなハリウッド~的な派手なファンタジーかと思っていたら、
意外と古風なオーソドックスな『児童文学』である気がします。
ナルニアシリーズとか、小公女とか思い出しました。
主人公は子供で、謎の結社など出てきて、味方の大人も出てきたりして、
でも、描かれてるのは子供(視点)の世界なのですよね。
こういう雰囲気の話、割と好きかも。
ボキャ貧故によう説明せんけど、こういった古式ゆかしい雰囲気の物語って、
ちょっと昔の英国産児童文学に多いのよね…
と思って調べたらやっぱりプルマンさんはばりばりのイギリス人でした!
(鼻高々)

それと、やっぱり飛んでるのは飛行機じゃなくて飛行船でしたよ!


数日後4分の3ほどまで読み進みました。
ハラハラしますよ~!
いつもなら途中で寝てしまう帰宅電車でも下車駅まで眠気など一切感じずに過ごせてしまいます。
早く続きを読もう!


木原敏子『ふるふる』他
普通に面白かった。なんとなく好きかも。
[PR]
by mi-narai | 2008-03-04 20:18 | 2008年3月の読書