カテゴリ:2015年下半期の読書( 7 )

『人間・始皇帝』『ミス・エルズワースと不機嫌な隣人』

テレビ

「数学白熱教室」
2回目、3回目と4回目。
2回目…今日は数論の話でしたよ!
整数、分数、有理数、無理数の話から始まって、方程式の解のハナシまで。
ガロアさんの生涯に吃驚しました。
20才で重大な数学的証明を書き残した翌日に決闘で命を落とすとか、
衝撃的すぎるでしょ!!
で、一応理系だった父に「ガロアって知ってる?」と尋ねると
さも当たり前のように「うん、知ってる」と言われたのでこれにも吃驚しました。
そうか、そんなに有名人か。

3回目…調和解析と数論のつながりの話。
残念ながらチャイコフスキーは出てきませんでしたが、
先生の興奮につられてこっちまで
「えっ、すっげ、なんでそこでつながんの!?」とときめいてしまいました。
数論における解の個数が、調和解析においては美しい図形で表せるなんて!
これも、もっと研究が進むとどうしてなのかが分かってくるのかな。
再三言うように数学的素養のないわたしには、うすらぼんやりした輪郭追うだけで精一杯ですよ。
最後のあたり、ちょっと場を和ませるためか、先生は毎回数学的偉人の生き様とかを説明なさるんですが、
そこで一人の日本人研究者に言及なさってて、その最後に切なくなってしまった。
まさか自殺してたとは…
で、その自殺を言及した研究仲間の悔恨の言葉にやられた。

4回目…物理学と数学とのつながりの件。
最新物理学における素粒子の数と数学の群のつながりの話。
そもそもSU(3)とかSO(3)とか、もうそっから分からん。
(群の名前らしい)
でも、その群と素粒子の数に関係があると聞いて、やっぱり「マジかー!」と吃驚してしまいました。
なんやろう、数学って、概論の最たるものやねんから、こうイデア的なのかしら。
それがそれぞれの分野に投射されて色んな形で立ち現れるのかな。
なんにせよ、クォークの種類とか(アップとかダウンとか)、
聞く回数が増えるにつけだんだん耳に馴染んできたぞう!

わたしには難しい授業でしたが、最後まで聞き終えられたのは、やはり先生の顔が
ものすごい好みだったからかもしれません。眼福でした♪
(いや、もちろん講義内容も面白かったよ!!)

次回は行動経済学っぽいのでまた見てみようかと思います。


「アメリカン・プリンセス」
ダウントン・アビー枠でやってたので、単発ドラマかと思って見てみたら、ドキュメンタリーでした。
ダウントン・アビーの伯爵家のお母様、コーラさんのモデルにもなった、
破産し掛けたイギリス貴族たちの救いの女神、持参金付きのアメリカ娘たちの話。
いや、このネタ、ロマンス小説でよくあるので、ロマンスファンには今更なのですが
改めて、チャーチルの母ちゃんもそんなアメリカ娘だったらしいとか、
目新しい情報が面白かったですよ。
しかし、イギリスが作ってるドキュメンタリーだからだろうけど、
ちょっとイギリス貴族側に甘すぎないか?
ニューヨークのオランダ系上流階級の皆さん方も人でなしですが、
イギリスの世襲貴族どもときたら

クソ

ですよ!!とくに跡継ぎのバカぼんの醜態は耐え難い。
ほんま、後ろ頭ハリセンで思いっきりどつき回したい誘惑に狩られて止みませんでした。
アメリカ娘のお父さんは、割と叩き上げの商人が多いんだけど、
そのお父さんたちの娘婿に対するいらだちに一番共感しました。



ここから本

人間・始皇帝 (岩波新書)

鶴間 和幸 / 岩波書店

スコア:


鶴間 和幸著『人間・始皇帝』
読み終わりマシたー!
ちょっと前にアジア巨大遺跡で始皇帝陵を見たから読みたくなって。
中国史が苦手なわたしが興味を持つなんて滅多にないことなので
この機会を逃すまじ!と頑張りました。
で、読み始めて案の定、4ページ毎に訪れる睡魔のことですよ。
歴史は面白いんです。そのおもしろさを上回って

中国語の名前がつらい…

漢字がどれも同じに見えるねん…。
いや、それでいうならわたしは日本史も苦手ですけどね!!!
国名はすべからく漢字一文字、人の名前も二、三文字なので
余計に覚えづらい上に、読み方に馴染みがないからさ。
以下、思ったことを箇条書きに。

・とりあえず、戦国時代秦は一番西の端っこ、楚は南っかわ、
斉は東の海沿い、趙は真ん中辺、という大体の位置関係と、
呂不違、とか李斯とか、宰相の名前と、
趙正が13歳で即位したってことと、その政策なんかは分かった!

・でもって、つくづく、中国は広いなあ、と感心しました。
この時期、戦国7国くらいに分かれてるけど、地図で見たら小さいけど、
日本地図と比較すると吃驚するよね。

・で、国が分かれてた割に、結構他の国の優秀な人材を登用してたりするんだなとも。

・作中ちらっと中国の星座の話も出てきたけど、これまた興味深かったです。
始皇帝の崩御あたりの天変地異に絡めてなんですけどね。
28宿を4で割って、それぞれ方位を司る四神になるとか、ちょっと面白いですよね!
青竜の頭の星、目の星、胸の星、腰の星、とかあんの。
方角に神々が配されてるあたり、ちょっとエトルリアを思い出します。

・神といえば、斉の行ってた祭事も面白かった。
天神に始まる各種神を、国の方々で祭ってたんだって。
シユウは軍神ポジションですよ。
ジョフクが東方の蓬莱を探して旅立ったのもこの時期ですよ。

・妹に、このすぐ後に項羽と劉邦の時代がくるで、と聞いて、
いつもバラバラに考えてたこの二つの時代がこんな近かったんか、という自明の理にも
改めてびっくりしました。
やりだしたら、面白いんだろうな~中国史も!(やらんがな!)

とりあえず、読み終わる頃には始皇帝にほんのちょっぴり親近感が芽生えてますYo。
意外に楽しめた♪


こなもん屋うま子 大阪グルメ総選挙 (実業之日本社文庫)

田中 啓文 / 実業之日本社

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『こなもん屋うま子 大阪グルメ総選挙』
大阪市長であるあの人っぽい登場人物が出てきます。
この人だけは、毎回うま子の店を捜し当てることができる特別枠。
ちょっとあからさま過ぎるかな。
でも、あの人の印象としてはそんな感じよな。とも思いました。


カンナ 奥州の覇者 (講談社文庫)

高田崇史 / 講談社

スコア:


高田崇著『カンナ 奥州の覇者』
お借りした本。
いい加減、作者の恨み節がウザい。
主人公もそんなに悪くないし、仲間の一人が裏切り者というサスペンスも悪くないのに
著者の押しつけがましい歴史観がすべてを台無しに。
ほんと、これさえなけりゃなぁ…(※それがこの作者のウリです)


ミス・エルズワースと不機嫌な隣人 (ハヤカワ文庫 FT コ 4-1)

メアリ・ロビネット・コワル / 早川書房

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メアリ・ロビネット・コワル著『ミス・エルズワースと不機嫌な隣人』
一応ファンタジーに分類される本で、魔法が出てきますが、
別に魔法で人を殺すわけでも戦うわけでもありません。
舞台は19世紀イギリス、出てくるのは地方の中産階級の人々、魔法はそんなのどかな背景の中、
絵画やピアノといった女性のたしなみのひとつといった位置づけです。
主人公は、そこそこ良いお家の長女で、あんまり容姿に恵まれてないけど、
魔法の技に長けてて良識があって落ち着いたオールドミス、
下に美人だけど衝動的な妹がいて、最近性格の不一致から姉妹関係がぎくしゃくしてます。
で、お隣の常識人の領主にほのかな思いを寄せてたり、妹とはからずもライバルになっちゃったり、
妹とお互いに羨ましがってたのが判明したり、
細やかな情感の描写とともに、物語は展開していくわけですが、

うん、オースティンみたいでした。

上品なロマンス小説っていうか。
魔法は、ロマンスの割と大きなキーポイントなんだけど、やっぱり一貫して手業の一つでしかないというか、
すごい変化球な魔法の使い方でした。
主人公と相手役の人のくっつくくだりがちょっと唐突でしたが、
わたし、すごく楽しんで読みました!
その人とくっついて欲しかったんだ~!!
面白かったです。


落ちこぼれネクロマンサーと死せる美女 落ちこぼれネクロマンサー・シリーズ (創元推理文庫)

メラニー・カード / 東京創元社

スコア:


落ちこぼれネクロマンサーと黒魔術の館 落ちこぼれネクロマンサー・シリーズ (創元推理文庫)

メラニー・カード / 東京創元社

スコア:


メラニー・カード著『落ちこぼれネクロマンサーと死せる美女』
ちょっとした気の迷いで買っちゃった本。
普段、オカルトもグロいのも苦手で読まないのに(恐がりなので)
なんか、多分その時疲れてたんでしょうね、ふらふら買っちゃったの。
まあ、買ったので読んでみた。
異世界ファンタジー。19世紀の西洋程度の科学は発達してそうだけど、
魔法があるせいで、医学における外科手術が法律違反になっちゃってる世界。
主人公は高名なネクロマンサーの家系に生まれたけど、医者になりたくって、
医学の道を志すも、手術が公にできないから墓場を掘って死体を解剖しようとして
軽犯罪で捕まったことがあるという若干情けないたぐいの前科持ちです。
この気弱で善人の主人公が、金に困って
15分だけ死者を蘇らせるネクロマンサーの術を、死んだばかりの金持ちの娘に
掛けたところから話は始まります。
このお嬢様が実は裏社会のボスの娘で腕利きの殺し屋で、その裏社会の軋轢やら、
ブラックなネクロマンサーの呪術やら、町を牛耳る為の陰謀に、
お人好しの主人公が巻き込まれてえらい大変な目に遭う、という筋です。
まぁまぁ。
サスペンス度合いがハード過ぎてちょっとしんどいのと、
(血と死体と裏切りがいっぱい出てくるよー)
最初は主人公が美女にバカにされっぱなしでストレスがたまるのですが、
読後感は意外に悪くありません。主人公は一貫して良い奴だし。
なので、面白いか面白くないかと言われたら、割と面白かったです。
でも、先に読んだ炎と茨の王女とか、ミス・エルズワースとどっちが好きかと言われたら
王女とミス・エルズワースかなあ。この辺は個人の好みだと思います。
ちなみに2巻目の『落ちこぼれネクロマンサーと黒魔術の館』も読んだんだぜ!
(だって、買ってあったんだもの)
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by mi-narai | 2015-12-31 15:37 | 2015年下半期の読書

『やってみなはれ みとくんなはれ』『炎と茨の王女』『白金の王冠』『魔法使いの王国』

文化の日、出勤しておったんですが、
一人で部屋に居るときテンポの遅いノックの音がしたもんで、
誰や、思ってドアを開けたら、京都弁の例のチャーミングすぎる上司が向かいの印刷室に
入りかけてたんです。他に人影がなかったので(あと独特のスローノック)
「あれ、なんかご用でしたか」
と声をかけたら、振り向いて、びっくりした顔をして

「ほんまにおった」

と一言。
別に用はないねんけど、今日来たはんのやったら
ほな、顔みよか、おもて。用はないねん。
とにこにこ笑いながら印刷室の方へ去って行かれました。

部屋に戻って一人で悶えた。
(おおおおおちくしょおおおお可愛いなオイ!!!!)
70過ぎてこれだけ可愛いのって反則でしょうがッ!!!!!


大阪のプラネタリウムで「古代ギリシャの星座たち」みたいなプログラムをやってたので
ちょっくら見に行ってみました。
今回は気持ちよすぎる椅子の誘惑にも屈せず、最後まで起きてましたよ…!
(そこ、自慢するところか)
星空解説とともに、今現在使われている星座、星のまとめ方のうち、ギリシャ神話由来のものは、
実はメソポタミア文明の時代には大体ざっくりあのくくりができあがってて、
(とはいえ数は半分くらいだったらしいけど)
それを引き継いだギリシャ文明が自分とこの神話をそのくくりにかぶせました、
という説明を聞いて、長年の疑問がちょっと解けました。
一番の収穫は、クジラ座(ペルセウスに退治される海の怪物)が、メソポタミアの
文献ではどうやら「ティアマト」と呼ばれていたらしいということです。
マジか。確かに海水の怪物に近い女神ではあるけど。


アサヒビールの工場見学に行って、ビール苦手なのに3杯も飲んで来ました。
ちょっとアサヒに対する好感度アップしました。単純です。
酒関係の見学は楽しいな!


テレビ

コズミック・フロントNEXT 宇宙を大航海、の回
いかにして打ち上げた探査衛星が目的の星まで行くか、という話。
いつもの宇宙のしくみといった理論物理的なはなしでなく、純粋に技術系の話だったので

超燃えた!!!

技術屋の話はかっこいいよね!日本人技術者頑張ってる!!!
何か問題があっても投げ出さずにひたすら地道にねばり強く解決の糸口を探る姿に
わたくし大変に感動致しました!
後、スイングバイもよく分かった。
SFで出てくる宇宙船もスイングバイすればいいのに。
長距離の場合はその程度の加速じゃ間に合わんかもしらんけど…
ていうか、やっぱり航海長は大変なんだな、と思いました。
ヤマト2199で航海長だった島君、
惑星やらなんやらの重力の影響とか全部計算に入れて航路割り出してたんだよな。
すっげーな!
機関長も叩き上げで素敵ですけどね!
後、今更真田さんが副長だったんだと知りました。そうやったんか!!


「アジア巨大遺跡」
どこもすごかったけど、
その遺跡ごと、違う観点で撮ってて面白いな、と思いました。
各々、思ったこと
パガン…富の再分配について。なるほどな、と。
しかし、これ、サークルが小さい方が回りやすそう。

兵馬踊…キングダム読みたい…!!!
始皇帝て、13歳で即位したのですね!
古代中国における諸々のハイスペックっぷりはいつも通りなので、
ちょっと麻痺しちゃってますが、
よく考えれば紀元前にあれだけしっかりした官僚組織作って
全国も統一して、って、すごいことですね。
そこんとこは、中国はもっと誇っていいと思う!

三内丸山遺跡…定住狩猟採集民。字面がなんか不思議な感じ。
狩猟採集民なのに定住しちゃってますよ、みなさん。
それを可能としてたのは、日本の温暖で湿潤な気候なんだろうなあ。
弥生時代に入って、なんで稲作文化になっちゃったんでしょう。
ちょっと残念に感じました。
稲作るより、栗拾う方が楽やで奥さん。
でも、そこらへんでそろそろ統一国家作っとかないと
西からの圧力とか、もっと時代が下って開国の時とか困ったろうから
長い目で見ると良かった、のかな…?
ともかく。縄文文化について新たな見方を教えられた回でした。


「数学白熱教室」
また始まった白熱教室。またも理系だったので見てみました。
全4回の1回目。
なんか、のっけからすごいよ!
数学には、幾何学とか、代数とか、数論とか、色々分野があるじゃない、
この先生、その分野を一つにまとめよう、という壮大な研究「ラングランズ・プロジェクト」に
挑んでらっしゃいますよ!
物理学で言うところの統一理論ですよね!!おおおお!!!
これまた燃える!!!

いや、数学の難しいアレこれにはとんと無知なんですが。

勿論学生時代に数学はやりましたけども、そんなの覚えてないよ!
幾何学が図形のやつだって知ったのもこの番組見てだよ!!
(この程度の随分残念な数学能力しか有しておりません)
そんな無知蒙昧な一般市民にも分かるよう、先生は大層かみ砕いて説明してくださいます。
まずは数を数えると言うことと、「対称」についてじゃった。
確かに、数学の世界はプラトンのいうところのイデアの世界に近いのかもしれません。
図形の概念なんて、実世界には完全な円も四角形も球も存在しないもんな。
それを、球というのはこう言うものだ、と決めて、それがどういうものか理解出来るって、
すごいことかもしれん。宇宙人と会ったとして、同じ数学なのか、という疑問も気になるところです。
なので先生の、物理学の世界は新しい発見で次々とセオリーが塗り替えられていくけれど
数学の世界は一度発見されたものは永遠だ、という言葉もちょっと頷ける。
ピタゴラスの定理もピタゴラスがたまたま発見者として有名なだけであって
他にも自分で見つけた人いたろうしな。
…いや、それは物理法則も同じなんじゃ………まあ、いいか。
数学嫌いなわたしでも楽しく見れてるんで、たぶん、わたしよりは理数に強い
他の大多数のみなさんならもっと楽しく視聴できること請け合いです。
後、先生が好みの男前なんだ!(あくまで個人的に)
(ちなみに先生はロシア出身でいらっしゃるので、やたらロシア推し。
調和解析という音の波長を数学的に見る分野の話の時には、
きっとチャイコフスキーが引き合いに出されるに違いない。楽しみです)

そういえば、番組中背景にちらっと
「スーパーストリングスセオリー」ってカタカナが見えたけど、これって

超弦理論のことかーーー!!!!

(直訳かよ!)


「100分DE名著 サルトル」
別に実存主義にもサルトルにも興味はなかったんだけど、
鷲田清一先生の「哲学個人授業」でサルトルの実存主義を
「つまり、彼女が女であることとか彼女とはとかそういうことやない、
僕には彼女自身が問題なんや、てことでしょう」
という解説が印象的だったので、ためしにいきなり2回目を見てみた。
「個人授業」で読んだ時はサルトルの文章からの引用はさっぱり分からなかったんですが、
仏文学者の解説する「嘔吐」は、

どうしよう、めっちゃ分かる…

理屈として理解出来るのはいいとして、それ以上に、サルトルさんの言いたいことが
実感として心に迫りました。せやんなぁ…としみじみしてしまった。
そうやねん、ほんまはよって立つとこなんかなんもないねん。
せやからほんまは他人がどうこう言うても所詮他人の言葉やねん。
(それが正しいかどうかなんか誰に分かるねん)
でも、そう思うとよけいに足下が不安定になるもんやんなあ。
それを自由と言い切っちゃうサルトルさんが好きだ!
せめて他人の構築したとっかかりじゃなくて、自分が作ったものを支えにしよう、
という考えも好きだ!

流れで3回目も見た。
これも、うんうん、そうやねんよなぁ、と思いながらしみじみ見てしまいました。
結局、社会で暮らしてる以上、他人にこう思われているであろう自分に
引っ張られるよなあ。
そこを、相手を見つめかえす!という覚悟を決めたサルトルさんがやっぱり好きだ!
仏文学の先生にならって、わたしも「さらば、下種どもよ」を最終呪文として
覚えておこうと思いました。



ここから本

宇宙137億年の歴史 佐藤勝彦 最終講義 (角川選書)

佐藤 勝彦 / KADOKAWA / 角川学芸出版

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佐藤勝彦先生著『宇宙137億年の歴史』読了。
最後の5ページは、もう駅に着きそうだったので若干流し読みましたが、
それでも最後まで読み切りました!えっらい時間掛かった!
でも面白かったです。
最後の辺りは、この宇宙の外側の話で、
いろんな説が載っててこれが楽しかった。
ダークエネルギーが、その外っ側の他の宇宙からの重力じゃないかって説、
話が大きすぎてなかなか想像しづらいけど、面白いな!
後、アインシュタインが一度没にした宇宙項のアイディアが、
近年もう一度見直されたって話を聞くにつれ、
アインシュタインどんだけほど天才やねん、と驚きを新たにします。
すごいよな~!!


シェイクスピアを楽しむために (新潮文庫)

阿刀田 高 / 新潮社

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阿刀田高著『シェイクスピアを楽しむために』
有名な話がざっくり説明してあって、一冊読むとシェイクスピアを大体知った気になれます。
オセローって勝手にローマ時代の話だと思いこんでましたよ。
ルネサンス期のイタリアか!
後、劇のシナリオは文字で読むより実際に演じられているところを見る方が
10倍は面白い、というのは、わたしもつくづく思いました。
面白くなく舞台化しちゃうパターンもあるだろうけど
(劇団四季の「トロイア戦争」はイマイチだった…)
やりようによってはものすごく魅力的に膨らませることが出来るんだなあと。

シェイクスピアの「史劇」がイギリス中世を扱ったものだけを指すのも初めて知った。
ヘンリー4世、5世、6世、リチャード3世あたり
あの辺り、ランカスターだのヨークだのテューダーだのややこしいんだよな~。
ジョセフィン・テイの「時の娘」の影響でわたしはリチャード3世推しです。

マクベスもウィンザーの陽気な女房たちもジュリアス・シーザーも
初めてあらすじ知ったわ!

著者の阿刀田先生とはいまいち趣味が合わない気がしてきましたが、
解説は大変わかりやすかったです。


つれづれ、北野坂探偵舎 トロンプルイユの指先 (角川文庫)

河野 裕 / KADOKAWA/角川書店

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『北野坂』タイトルうろ覚え。
お借りした本。
貸してくれたお茶友が「今回全く推理ないっスよ!」と言ってましたが、

ほんとになかった…!!

北野もほとんど出てこないしな。登場人物も標準語だしもう舞台東京でいいんじゃね。
木曜8時の京都シリーズかっちゅうの(あれも全く舞台が京都である必然性がない)。
ただ、『137億年』の後に読んだから、ものっすごいすいすい読めました


やってみなはれみとくんなはれ (新潮文庫)

山口 瞳 / 新潮社

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山口瞳、開高健著『やってみなはれ みとくんなはれ』読了。
二つ前のあさどら「マッサン」の鴨井の大将の大ファンだったので
そのモデルとなったサントリーの創業者鳥井信治郎について読みたくなって。
それでまず何か伝記みたいのがないかをググって、結局、この本にたどり着いたと言うわけです。
ところで、この本、文庫なんですけど、まず驚いたことが二つ。

①そもそもサントリーの社史として書かれたものが余りに面白いので
紆余曲折を経て文庫化したものであるということ。
②山口瞳、開高健の両名は、直木賞、芥川賞作家なのであるが、
もともとサントリーの社員で、賞を取ってからも社員で居続けたということ。

どっちにもびっくりしたよ!
ビックリ気分のまま読み始めて、内容の社史からぬ小説っぽさ、熱気、
語り口の面白さにグイグイ読み進めてしまい、
最終的に泣き笑いのような顔でサントリーの熱気に当てられて読み終わりました。

面白かった!!

社史として書かれた以上、サントリー推しは当然としても、
両著者が会社を、その構成員たちを、創業者の鳥井さんを愛してるのが伝わってきてじんわりし、
その上かつてのサントリーのチャレンジ精神あふれる社風にワクワクしました。
鳥井信治郎さんは、良くも悪くもアクが強くて印象に残る人だったみたい。
冷静で大胆な商人だけど、神頼みが頗る激しいところも、情にもろいところもあって
清濁すべてを併せた上でたいそう魅力的な人だったようです。
著者がかつての鳥井さんの思い出を社の重役たちに聞いて回る場面があるんだけど
語り手の口調が一様に懐かしそうで、愛情に満ちててさ。
著者の力量もあるんでしょうけど、うっかり一緒に「大将はすごい人やったで…」
みたいな気分になっちゃいましたよ。胸熱。
「やってみなはれ」、という大将の口癖もすごい好き。
そもそもかつて『プロジェクトX』で見て個人的に壺った
南極観測隊副隊長西堀栄三郎さんの口癖も「やってみなはれ」やったらしいしな。
作中の、「つまり、やってみなはれ、というのは、起こり得る事態は全て想像し、
準備も万端に整えた上で、その時が来たら踏み切れ。やるとなったら迷わず賭けろ。
ということだ。」
という解説にもすごいうなずいた。
そうやな。
単に行き当たりばったりで手を着けるのはだれでも出来る。
準備は整えて、やるとなったら一心に打ち込まんとな。
ロスチャイルドの本を読んだときに痛感した、早くて正確な情報は商売に欠かせない、
という教訓とともに、商人の心得として心に刻みました。
別に商売人になるつもりはありませんが。

後、長男で若くで急死した吉太郎さんは、小林一三の娘さん春子さんと結婚してた
というプチ情報にも吃驚しました。
ちょうど某N○Kで小林一三の回を見たところなので!
世間は狭いな!!
さらに、サントリーが二代目佐治社長の時にビール方面に打って出ようとしたとき、
アサヒだけが味方になってくれたと聞いて、アサヒを見直しました。
こないだビール工場見学に行ってただ酒飲ましてもらったとこだしね!
(美味しかった!)


炎と茨の王女 (創元推理文庫)

レイ・カーソン / 東京創元社

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白金の王冠 (創元推理文庫)

レイ・カーソン / 東京創元社

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魔法使いの王国 (創元推理文庫)

レイ・カーソン / 東京創元社

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レイ・カーソン著『炎と茨の王女』『白金の冠』『魔法使いの王国』三部作読了。
面白かった~!
よう出来たエンタメです!!
この本のおかげで、帰りの電車が待ち遠しくて待ち遠しくて。
行きには「やってみなはれ、みとくんなはれ」を読んでてやっぱり楽しかったし、
読書中は通勤路が全く苦ではありませんでした。
読了して、「これから何を楽しみに生きて行けば…」
面白い本を読み終わったときには必ず思う寂しさをまたぞろ感じてしまいました。

まず全体的に。
ジャンルとしてはロマンス要素ありのファンタジー(どちらかというと女性向け)。です。
ファンタジーには珍しく、スペイン語っぽい人名や地名です。太陽熱そう。
で、個人的に大層楽しんで読んだことは上で述べましたが、その面白さを考えるに、
大河ドラマ的な、名作少女マンガを読んでるのと同種のものかな、という感じを受けました。
読みやすかった。読んでる間中ワクワクして、また、次々危機が起こるので肝を冷やしたり、
主人公の恋の行方にハラハラしたり、全く飽きなかったよ!
でも、人生哲学とか、緻密な推理とか、そういうのは薄いので、
そちらをお求めの向きにはご期待に添わないと思います。
後、難を言えば、歴史好きとしては、歴史の構築がちょっと弱かったかなと。
まあ、それが主眼の物語ではないんで、いいんですけど。

主人公は、小国の二番目の姫エリサ。ゴッドストーンを帯びた娘。
美人で有能な姉にコンプレックスがあっておまけに太ってて(ちょっとやそっとのぽっちゃりじゃありません。
完全にアウトな太り方です)、周囲からは全く軽んじられている体で登場します。
でもこの子、ものすごい頭はいい子なんです。戦術書「ベレサ・ゲッラ」や聖書
「スプリクトゥラ・サンクタ」を丸暗記するほど読み込み、その知識は学者並。
なので見た目や周囲の評価に反して、割と最初から出来る子です。
オマケに、意外にきかん気で頑固です。相手の侮りに負けてなんていません。
(なので、読者はそんなにいらいらしません。ストレスフリー)
そんな主人公が何の手違いか、隣の大国の王様に嫁ぐことになって、
姉を差し置いて結婚式挙げるんだけど、隣国への道筋で既にハプニングが。
いきなり山賊におそわれて乗ってた馬車が炎上、死にそうな目に遭うし、
旦那を助けるために山賊殺しちゃうし、
旦那の国に着いたら着いたで夫は難癖つけて結婚した事実を公にしようとしないし、
もう、どないやねんな!という目にこれでもかと会います。
が、もちろん、それで終わりではありません。

序の口です。

1巻に引き続き、2巻、3巻でも色んな目に遭いまくります。
そのたびに知恵を絞って対策を考え、心を鬼にして決断し、なんとか乗り越えて、
最終的に見違えるような成長を遂げます。

その主人公も好感がもてて良かったですが、愁眉はヘクトールです。
ヘクトールっていう名前の王の近衛隊長が出てくるんですが、
名前に負けぬいい男だったんですよ!終始!
もうわたしはそれだけでもこの本をお勧めする価値があると思っています。
スペインっぽい世界観のファンタジーにヘクトールの名前を見るのはなんだか
不思議な感じがしますが、南米のスペイン語圏の国々って今でも
ヘクトールとかネストールとかオレステスって名前多いですもんね。
著者がヘクトールという名前の登場人物を、素敵な役に配置してくれて嬉しい!
キャラクターの素敵さと、名前の響きから連想する素敵さが相乗効果で
出てくる度にときめきました!ごちそうさまでした!

後、ぜんぜん関係ないけど、ヘクトールの名前調べてて初めて知ったけど、
イタリア人男性の名前、「エットーレ」ってあれ、「ヘクトール」か!
クレシダがクリュセイスだったと分かった時以来の衝撃
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by mi-narai | 2015-11-20 22:47 | 2015年下半期の読書

『夜のフロスト』『宇宙137億年の歴史』『宰相の二番目の娘』

TVから

あさどら
意外に楽しく見てます。
商人好きなので、今週の話は楽しいなあ。
(そうなんですよ、武士目線だと蔑まれてばかりだけど
どっちかいうたら無体なんはあっちの方やんなぁ。
物理的な力を持つものは倫理観も持たんといかんという意味で
武士道は武士には必須だと改めて思った次第)

しかし、こんどうまさおみよう出るなあ(好きだから良いけど)


コズミック・フロントNEXT 反物質の回
下記の物理本を読んでるおかげで

すごい分かった!!!

や、普通の人レベルに達してるかはおいといて、
以前の自分と比べて、って意味ですよ。
対生成と対消滅とか、対象性の崩れとか、
素粒子がどうとか、本を読む前より格段に理解できてる、という手ごたえがありますよ!!!!
おおおお有難い、有難い(拝みつつ土下座)。
なにより、スーパーカミオカンデやCERNの映像見れただけで
テンション上がりました。


ここから本

夜のフロスト (創元推理文庫)

R・D・ウィングフィールド / 東京創元社

スコア:


R・D・ウィングフィールド著『夜のフロスト』読了。
この第3話の「夜のフロスト」までは、以前読んだことがある筈なんですが。

まったく覚えていませんでした。

面白かった!
今度の新人部下は(どうやら、毎回他の署からの新人がフロストの下に付くのがお約束らしい)
奥さんとラブラブの若いフランク・ギルモア部長刑事。
今度こそ定時で帰って、夫の不在を嫌う奥さんを安心させてあげたいのに
折しもデントン署は悪質な風邪で署員の半数が欠勤、ただでさえ手が足りない上に
ワーカホリックなフロストの下になんか付けられちゃったせいで自宅滞在時間が一日数時間、なんてことに。
どうなるギルモアの夫婦生活!?
(その裏で、女子高生殺人事件の捜査、悪質ポルノヴィデオの取り締まり、
連続老女殺人事件の犯人割だし。、脅迫文書の謎、脅される若夫婦の警護その他諸々が
同時進行で発生しててんやわんやに)

今回は、人手が足りないのも相まって、所長のマレットのお荷物っぷりが際だつこと!
ほんま腹立つわ、あのクソ上司!本人は有能なつもりやけど、部下の足引っ張ることしかしてへんし!
もうお前が風邪引いてやすめ!(でもバカだから風邪引かない)
と、読者はマレットへの怒りを募らせること請け合いです。
でも、フロストがめげないおっさんで、事件がコメディタッチで進むのでマレットの無体も笑い話で済むし、
事件自体は陰惨なのに、そんな印象はさほど受けないので安心して下さい。
ものすごいテンポよく話が進みます。
今回も、危ない綱渡りを繰り返したあげく、なんやかんやで最後には全ての事件は
解決するので、これまたお見事と言うほかありません。
読むのにものすごい時間かかるけど、読んでる間一度も退屈しなかった
コストパフォーマンスの見本のような本ざます!


妖奇庵夜話 魔女の鳥籠 (角川ホラー文庫)

榎田 ユウリ / KADOKAWA/角川書店

スコア:


榎田 ユウリ著『妖奇庵夜話 魔女の鳥籠』
お借りした本。犯人に関しては、
「またお前か」を、通り越して、
「うん、分かってた」という、
ある種悟りのような気持ちになる本です。
いい加減登場人物は最初からあいつの仕業だと気付け。
普通の小説だと思うと、会話が冗長だしツッコミどころも多々あるのですが、
ホモ本だと思うと気になりません。
とりあえず、脇坂君が今回も可愛かったからいいや。
(ずっと脇田だと思ってたら、今回ようやく自分の勘違いに気づきました)


宇宙137億年の歴史 佐藤勝彦 最終講義 (角川選書)

佐藤 勝彦 / KADOKAWA / 角川学芸出版

スコア:


佐藤勝彦先生著『宇宙137億年の歴史』
オススメされたので読んでみました。
(理系の本は自分では何がいいのか分からないので助かります!)
おおお、すごい、インフレーション理論を提唱した方なのか!!
先生がこれまで研究をどのように進めていらっしゃったのかと、
その研究内容が交互に語られるスタイルです。
結構踏み込んだ内容になっているので、相変わらず理系の素養のないわたしは
視線が上滑りしそうになりますが、
いや、ここできちんと理解しておかねば、後のページがさっぱり分からんことになってしまう!
と己を戒めて、なるべくゆっくり読んでます。
これ、この感じはどこかで…!と思っていたら、そうそう、
『エピジェネティクス』読んだときもこんな感じだったわ~!
とりあえず、宇宙の4つの力とか、聞き覚えのある辺りは最近馴染んできたのでいいとして、
これまで「そういうものなのか」と読み飛ばしてきた、
ミクロ→インフレーション→ビッグ・バンの流れがなぜこうなのかとか、
対象性のくずれの例えとか、細かいところが
「ああ、そうやったんか!」と膝を打つ感じで分かって、ちょっと気持ちよかったです。
カミオカンデとニュートリノの話も最初の方で説明してあって、
ニュートリノ振動の発見がいかにすごいかが分かった(気になった)よ!
後、ヒッグス粒子!この御本を著された時点では未発見だったけど、
今は発見されてるし!これもまたいかにすごいことか!!
(とはいえ、記述の7割ほどは、まだ理解できてないけど。わたしのバカ…)
純粋に宇宙論の記述より、先生の研究過程のアレコレはさすがに大分読みやすく、
やっぱ論文は先に発表したもん勝ちなんだな~、とか、
京大すげー!とか、
宇宙の歴史とはあんまり関係ないところでいろいろ思ったりもしました。

毎日1ミリくらいずつしか読み進みませんが、ようやく5分の4くらいまで読めた。
後ちょっと頑張ります!


宰相の二番目の娘 (創元SF文庫)

ロバート・F・ヤング / 東京創元社

スコア:


ロバート・F・ヤング 著『宰相の二番目の娘』
いつもの、アメリカ人男性と少女の話。
ほんまこの作者少女好きやな。
で、男性が少女に好かれるねん。
いや、別に性的なにおいはしないし(終始すごい清々しい関係で終わる)
ええんやけどな。ええんやけどな。

…などと若干冷めたことを思いつつ読み進んだのですが、
最後でやられました。
ハッピーエンド好きですまんな!
またこのパターンかと思いつつ、予定調和ににやにやしてしまいました。

こう、なんでしょう、オズの魔法使い、的な雰囲気の、古き良きアメリカのおとぎ話、
という位置づけで読むとそういうものだと思えるので、ストレスフリーかも。
これから読む人はそう思って読んで下さい。


映画
『第9軍団のワシ』
通りすがりの親切な人に映画化してますよ、と教えていただいて以来気にはしてましたが、
さすがに日本で上映はしてなくて臍をかんでました。
それを、某N○KさんがBSで放送してくれてたので!
ここぞとばかりに見てみました。
とはいえ、レビューを読むとイマイチの反応なんかもあったのであまり期待はしてなかったんです。
それが良かったのか、思ったよりも面白かったです…!
確かに、原作とは違う部分も多々見られましたが
(隣のお家の女の子との淡いラブとかやりとりとか端折られてたし、
ワシがローマの象徴であり、それを失うとほんま面目を失うことがいまいち伝わりづらかったし、
ギリシャ人の医者に化けて北に潜入ってネタも不採用だったし(ローマ人のまんまやったら即バレやんけ)
ようやくワシを見つけた局面は、ああくるか、と思ったし、逃避行は短かったし)
まあ、主人公のローマ青年と、ブリガンテス氏族の青年の友情に絞ったつくりになってて
良かったんじゃねーかと。
最後の、なんか、バディもののエンディングみたいな終わり方は、
賛否両論あろうがわたしはなんか好きでした。
今から彼らは諸々冒険するんだろうな~みたいな期待を臭わせててさ。
後、当時の砦の様子とか、食卓風景とか、お家のつくりとか、非常に参考になりました!
エスカ役の子、かわいかったしね!

しっかし、主人公役の役者さん、首太かった…
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by mi-narai | 2015-10-25 20:53 | 2015年下半期の読書

TV、『古代文明アンデスと西アジア』『アステカ王国の生贄の祭祀』『フロスト日和』

最近のテレビ

『経世済民の男 小林一三』
期待に応えてくれました。面白かった!
コミカルで、ダメなところもたくさんあるけどなんとも憎めないチャーミングな
一三に仕上がってました。脚本と演出と役者の力ですね!
後半駆け足だったのが心残りですが。
作中の、「豊かな社会とはなんだね」的なことを尋ねられた主人公が
「みんながこの国に生まれて良かった、と思えるような社会」
と答えたのが印象的でした。
全くな。金持ちや偉い人だけじゃなく、どんな状況で生まれても、
なるべく多くの人が「日本に生まれてよかったー!」と思えるのが良いよな。


「世界入りにくい居酒屋」
ファーストシーズンの総集編を見ました。
(弱いくせに)酒好きの身としては、毎回楽しみに見てたんですよね。
この番組、まさしくタイトル通り世界の色々な町の、地元民でなければ大変に入りづらい
居酒屋に取材したものなのですが、
映像を見ながら大久保さんやいとうさんといった飲兵衛のお姉さん方が
感想とつっこみをいれてくれるのも楽しいポイントです。
セカンドシーズンが始まるようなので、嬉しいな~!
見てるとみんな楽しそうでやたら酒を飲みたくなるのは困ったもんですが。


『山賊の娘ローニャ』
楽しく見てたんですが、山賊団がまとまったところで終わっちゃった。寂しい。
あの主人公の子供たちの友情は「探しに行こうよ」みたいで一貫して好きだったなあ。
大きくなって男女の仲になるのが楽しみなような惜しいような。
それにしても、最後の辺りの数回は、主人公の子供たちよりも
お父さんたち二人のやりとりに目が釘付けになってたなんて言えやしない、言えやしないよママン…
マッティスがあまりに可愛らしくてさ…。


ここから最近読んだ本

古代文明アンデスと西アジア 神殿と権力の生成 (朝日選書)

朝日新聞出版

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『古代文明アンデスと西アジア 神殿と権力の生成』
ちょっと前に、
エジプトとか恐竜とかインカ・マヤ・アステカはものすごい面白そうで誘惑されるけど、
これ以上手を広げると大変だから断固として屈さない!

…と言った舌の根も乾かぬ内に買っちゃいました。アンデスもの。
読み終わってだいぶ経つのでうろ覚えなんですが、
大まかに言えば、経済偏重の歴史観を反省しつつ、神殿形成時期の社会の動きを
違った目で考えてみよう!という趣旨の論文集ではないかと思います。
メソポタミアは若干少な目でしたよ。
で、トルコのBC9000年期辺りの宗教施設がどう考えても狩猟・採集時期のものだったり
(これまで、神殿というのは農耕に移行してから建てられたと思われてた)
内っ側やら、上からどんどん神殿が更新されて大きくなっていったり
新しくなっていったりする様が語られたり、面白かったです。
メソポタミアって、都市国家系なのね。
でも、面白かったのに、何回も寝落ちしちゃった…。
発掘現場の報告書、みたいな淡々と事実を述べる記述が続くと、つい、眠気がね…


アステカ王国の生贄の祭祀: 血・花・笑・戦 (刀水歴史全書)

岩崎 賢 / 刀水書房

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岩崎賢著『アステカ王国の生贄の祭祀: 血・花・笑・戦』
アメリカ大陸づいてる時に本屋で見つけて買ってしまったもの。
主にアステカの神話について述べてあります。
正直な感想をまず一言。


血生臭SEEEE----!!!


いや、前々からマヤやインカに比べて生け贄儀式の規模と回数が多いよな、とは思ってましたが、
一月に一回必ず生け贄儀式があるんかい!!!
比喩でなくマジで心臓捧げちゃってますよ!(神に!)
しかし、話を聞いてみると、どうやらアステカ文明は、ちょうど南アメリカ全体が
好戦的になっていた時代の国家だったんだそうな。まあ、それなら分からんでもない。
ずーっと血生臭いわけじゃなく、その時期が特に戦国時代だったから好戦的だったんだよね。
生まれた男子はすべからく良い戦士になるよう、厳しい訓練が課された、てあるし、
往事のスパルタやローマのようなものだと思えばいいのでしょうか。
歴史を見ても、アステカ帝国の母胎となった部族は、もともともっと北に暮らしてたのが、
寒冷化のせいでメキシコ盆地に南下してきた一派で、
すでにその辺りで栄えてた他の大帝国の周辺でいいように使われる辺境民族だったっぽいし。
良くありますよね、大帝国の周辺国が実力を付けて侵略してくるパターン。
マケドニアとか。ゲルマン民族とか、オスマン・トルコとか、モンゴルとか清とかさ。
まさしくアステカもあのパターンです。
なので、大帝国になってからも軍事色が強かったっぽいよ。


それにしてもこの本、アステカの神々がものすごいよく分かります。
さすがちゃんと研究なさっておられる方の本だぜ。神さまの名前の意味もちょこちょこ載ってて楽しい。
これまでは、アステカの世界は機械仕掛けの時計みたいなもんで、
人間の血液を定期的に与えないと動力が枯渇しちゃって動かなくなる、みたいな理解だったらしいんだけど、
筆者は、もっと循環型の世界観だったんじゃないかと思っているようです。
神々の血もまた生命力や作物として地上にもたらされるんです。
それによって人々も他の神々も潤い、巡りめぐって人間も神々に血を返すと。
神々の血をいただいて、人間の血をあげて、こう、生命力がぐるぐる世界を回ってるイメージ。
なんか、その方がいいですよね。
多分、欧米の研究者よりは地理の近い日本人の方が絶対古代アメリカ人の気持ちは分かるはずですよ…!
アメリカ大陸へ渡った人々は東北アジア出の筈だし!
桃太郎の出生に激似の神話とか、天の岩屋戸の話にくりそつな神話とかあって
大変にシンパシーを感じました。
ギリシャ神話と日本神話の類似はさすがに偶然かな、と思うけど、
南米だったら、ひょっとすると神話の源流は一緒かもしれませんよね。


田中啓文著『イルカは笑う』
ブラックなネタが多くて、買って読んだことを後悔した。
いや、そこまで嫌いでもないが、手元に残しておくほどのものでもないので
売ると思います。


フロスト日和 (創元推理文庫)

R・D・ウィングフィールド / 東京創元社

スコア:


ウィングフィールド著『フロスト日和』
面白かった!
1作目を読んでから大分間が空いたので、今回フロスト警部の相棒役になってる
若いウェブスター刑事、前回からの出演だとばかり思ってたら

初登場だった…!

相変わらず次々と起こってはどんどんと積み重なっていくフロスト担当の諸事件に
働いても働いても終わりの見えない一日のことですよ。
章のタイトルが最初の頃延々「火曜日―夜勤」で(「火曜日―夜勤」の次の章も
「火曜日―夜勤」その次も「火曜日―夜勤)
「あああ、夜勤が終わらねぇ~~!!」という気になりました。
こういう小さな事件が畳みかけるように同時に起こるのって、モジュラー型と言うそうで。
なので、フロストシリーズはモジュラー型警察小説。なのかしら。
で、作中上司やウェブスターさんからさんざん小汚いだのだらしないだの行き当たりばったりだの
下ネタ好きの親父だの、頭が悪いだのこき下ろされる主人公フロストですが、
この人、でも、すごい良い人なんですよ。人の痛みの分かる人というか。
決して奢ったり人を見下したりしないのよね。自分を過信しない。
なので、読み進む内このどうしようもないグダグダのおっさんにいつのまにか肩入れしてしまうという。
上司にいたらほんとうにたいへんだけど、わたしは好きだなあこの人。
おまけに、読み進むにつれ、あんなに錯綜していた事件の数々は、全て解決し、
全ての複線は回収されるんです。お見事!
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by mi-narai | 2015-10-04 01:56 | 2015年下半期の読書

雑記、『ヴァイオリン職人の探求と推理』『植物はすごい 七不思議編』『こなもん屋うま子』

「トロイラスとクレシダ」また見に行っちゃった。
演出上の変更とかは別になかったんだけど、より慣れて間の取り方とかが巧くなってた気がします。
前回はアガメムノンにハァハァしながら見ましたが、今回はアキレウスから目の離せませんでした。

かわいいわ、あの子…。抱き起こしてあげたくなっちゃう

という、マヤちゃん演じるヘレンケラーを目の当たりにしたお客さんのようなことを
胸に思いつつアキレウスを愛でてしまいました。
アガメムノンは相変わらずスマートかつジェントリーで素敵だったわよ!
終幕後、脚本家と役者数人によるアフタートーク(楽屋裏話)みたいなのが企画されてて、
思いがけずそれも聞けて(主役の子、役柄は好みじゃないけど、
役者さん本人は礼儀正しいいい子だったので好感度アップしました)
なんだかお得感いっぱいの2度目でした。楽しかったです、押忍!


神戸どうぶつ王国
新聞に夏休み期間の土日と盆の間だけ夜間も開けて夜の動物たちを満喫してもらう企画やってるって
書いてあったのでまったく気のすすまなそうなお茶友を無理矢理誘って突撃してみました。
だって!
ハシビロコウさんが来たんだもの!
これは行くしかッ!
夕方の6時過ぎに入園、すでに辺りは暗くなり掛けてます。
あんまり煌々と電気つけすぎると動物たちの体内時計が狂うからか、ライトは最小に押さえてある
…のはいいんですが、薄暗い上に放し飼いなのでうっかりするとその辺を歩いてるちびっちい動物を踏んづけそうに。
いや~、意外に楽しかった!
狭いし、動物園ほど数も種類も多くないけど、ほぼ放し飼いのフリーダムさはいいかも。
気をつけてないとオオハシに糞を落とされちゃったりするんだぞう!
花鳥園だったときは鳥オンリーだったのが、4つ足の動物も増えて、よりお子さま向けに。
夜だというのに、小さいお友達で案外にぎわってました。
放し飼いっていっても、ちゃんと飼育員のお兄さんお姉さんが付いててくれるので安心です。
(糞もこまめに掃除してくれる)
お茶友は実は動物苦手だったらしく
「ちょっとさわってみて、これ、もっふもふやで!」と進めても
「だが断る!」
と断固拒否されましたが。
急に突進してくるカピバラに3回も飛び上がってたしな…(なんか、すまん)。

わたし、犬と猫とウサギとモルモットとカピバラとなんやようわからんでかいネズミとカンガルーとリクガメさわったよ~!
思う存分モフってやりましたよ!
リクガメの足は、イグアナの背中と似ていました。
カピバラは案外毛が固くて、畳の表面撫でてる感じ。
カンガルーが一番気持ちよかった!!もっふもふよ!
しかし、カピバラは近くで見るとけっこうでかいですね。
お茶友ほどではないけど、走ってこられたときにはわたしも大概ビビりました。
ちなみに、さわりはしませんでしたが、ハシビロコウゾーンも放し飼いッス。
夜だったので流石に寝る準備に入っていらっしゃいましたが、昼でも動かんしなあの鳥。
誘導役のお兄さんにコアなハシビロコウファンの話とか聞けて楽しかったです。
今度は昼間に行こう!と心に決めました。
池の魚(NOT餌)を食べちゃうハシビロコウ先輩が見たい…!


ここからテレビ
放送90周年記念番組の「経世済民の男 高橋是清」、見ちゃった。
思ってたより軟派寄りの人に書かれてて、
これまでのイメージをぶちこわされました!良い意味で!
面白かった…!
ぜんぜん期待してなかったのに面白かった!
次は小林一三なのでこれまた楽しみです!
ちなみに、サイトに行ってよくよく見てみたら、
高橋是清が東京局、小林一三が大阪局、松永安左エ門が名古屋局制作みたい。
カラーの違いにも注目したいと思います。


「昔話裁判」白雪姫の回
これまた気になってたのをみちゃった。
15分なんですが、大まじめに弁護側と検事側に分かれて殺人未遂の罪でお后を裁いてますがな。
その上弁護人の主張によると、すべてはお后に恨みを抱く白雪姫と王子の陰謀だったりして、
それぞれそれっぽく証人尋問があって
確かに、最後まで見終わると、どっちが正しいのか全く分からん感じに。
結論を視聴者に投げて番組は終わるんだけど、確かにシュールでした。。


ヴァイオリン職人の探求と推理 (創元推理文庫)

ポール・アダム / 東京創元社

スコア:


ポール・アダム著『ヴァイオリン職人の探求と推理』『ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密』
前々から気になってたミステリー。
舞台はイタリアですが、書いてるのは多分イギリス人です。
主人公(探偵役)は、まさしくイタリアはクレモナに住むヴァイオリン職人のジョヴァンニさん(推定60歳)、
腕のいい職人で、ヴァイオリンを自作する傍ら、修理も手がけます。
趣味は近所の友人たちとの弦楽4重奏セッション。
その手足となるワトスン役は、4重奏でチェロ担当の地元警察の刑事さん。
(やたら長い名前の地元民で、ぐ、 グァスタフェステ ? なんか、こんな名前だった。)
『ヴァイオリン職人の探求と推理』では、のっけに、主人公の幼なじみにして親友のアントニオが殺されます。
名前の長い刑事と生前の彼の足取りを追う内、
幻のヴァイオリンの存在が浮上し、殺人事件の真相とヴァイオリンの謎が平行して進む筋。
以下、思ったことメモ。

・まず、殺された友人と主人公の友情が良かった。
50年来ずーっと友達、って良いよなあ…。
良いときも悪いときも同じ時間を共有してきたその蓄積に憧れます。羨ましい…。
彼のことを思い出すときの主人公の心情に過剰に感情移入しちゃったよ。
老いも若きも関係なくわたしはのべつまくなし友情に弱い。

・主人公が初老なので、落ち着いていて良い。
酸いも甘いもかぎ分けた良識ある大人ななので、各所での落ち着きが光ります。
こんな安定した常識的な探偵役も珍しい。

・やたらとヴァイオリンの知識に詳しくなります。
ストラディヴァリとグァルネリ、アマティの音色の違いなんか初めて知ったわ!

・かつてクレモナに天才ヴァイオリン職人が生まれたのは、たまたま天才が出現したのではなく、
職人としての積み重ねに加え、そう出来る環境のたまものだ、
つまり、若い頃からヴァイオリン作り一筋にひたすらいそしみ、
それをこつこつと何十年も続け、またそうして生きていける環境があったからだという指摘になんか納得した。

・音楽っていいよね、と随所で思う仕掛け。
主人公がセッションしてるのがすごい楽しそうなんだもん!

・ヴァイオリンの行方を追う辺りは歴史ミステリっぽくてそれも面白かった。
(しかし、イギリスのクダリは要ったか、あれ)

・ヴァイオリン・ディーラーが悪どすぎるw

・最近のミステリには定番、主人公のほのかなラブもあるぞ!
(もうお年なんで、おだやか~な友人づきあい、程度ですが)

全体的に見て、面白かったです!
たいてい洋ものミステリー読んでると、途中の微細な描写でダレるんですが、
意外にこの本それがなかった。ミレニアムとかアメリカのサスペンスものみたいに
力業でせかされるようにページをめくる、みたいな激しい切迫感はないけど、
普通に続きを楽しみに読み進めることが出来ました。
ようし、次!

ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密 (創元推理文庫)

ポール・アダム / 東京創元社

スコア:


『ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密』
こっちは、パガニーニの残したかもしれない楽譜の探求の話。殺人事件もあるぞ!
主人公は、弦楽器のことに関しては玄人だけど捜査に関しては一般人な素人ので
グァスタフェステ(多分)刑事の邪魔をしたり出しゃばったりしないのが好感度高いです。
今回は、シャイで感受性の強い青年演奏家とか、「大砲」と呼ばれる
グァルネリ・デル・ジェスの名器など、素敵なアイテムも山盛りだくさん!
読み終わる頃には、ミステリーを読んだ満足とともに、
やたらパガニーニの生涯に詳しくなってること請け合いです。
2作目も面白く、出来れば続きも出版してほしいけど、
必ずヴァイオリン関連の音楽的な探求が絡むからネタが続くか心配です。


望郷 (角川文庫)

森 瑤子 / KADOKAWA/角川書店

スコア:


森遙子著『望郷』
職場の同僚から貸してもらった本です。日本人作者の本なのでサクサク読み終わりました。
なかなか面白かった。
前半は、若草物語、みたいな感じで、欧米の女性作家の書いた小説っぽい内容で進み、
後半は竹鶴政孝と結婚してからの日本での苦難の話。
主人公と妹の軋轢も書かれていましたが、わたし、妹の気持ちも分かるわぁ…。


植物はすごい 七不思議篇 (中公新書)

田中 修 / 中央公論新社

スコア:


田中修先生著『植物はすごい 七不思議編』
またもチャーミングすぎる職場の上司にもらったもの。
今回は、7つのメジャー植物を選び、それについて7つの不思議に答える、という趣向のもの。
とはいえ、7つの不思議といっても、さすがに途中ネタがなかったんか、
力業で「これも不思議といえるでしょう」的にねじ込んでるのもありますが。
その辺りの田中先生の意外な強引さを楽しむのもまた一興です。
今回は、対象植物に対するまじめな疑問も小ネタも全部ひとところにぶっ込んでるのでまとまりが良く、
知識としてちゃんと記憶に定着しそうな感触。
意外に知らなかったネタとか混じってて、楽しく読めました。
田中先生のご本の読みやすさは、長年子ども電話相談室でちびっこ相手に分かりやすく伝えようと
心砕いてきた実績があるからなのだなあ、と今更実感。
簡単すぎるなんて思ってごめんなさい!


こなもん屋うま子 (実業之日本社文庫)

田中 啓文 / 実業之日本社

スコア:


田中啓文の『こなもん屋うま子』読了。
古本屋で200円ほどで売ってたので買ってみた、ネタ小説。
でもこの作者は真面目な推理ものより、このくらい色物の方が面白い。
蘇我野馬子っていうけったいな名前の強烈なおばはんが、
イルカっていう女の子と二人できったない粉モンの店やってるという設定がまず胡散臭い
そこへ客が訪れて、という毎回同じ形式の導入部が語られ、
簡単な日常系推理が繰り広げられるという筋なのですが、
なにより

料理がおいしそう…!

鍋奉行の時も美味しそうやなあ、と思ったけど、今回は現代物で料理が想像しやすいので余計に。
読んでて唾が沸きます。
毎回、舞台は天満だったり、天神橋筋だったり、梅田だったり
(大阪の地理が分からんのでそれがどこかはさっぱりですが)し、
出てくる粉モンも、お好み焼きからたこ焼き、おうどん、ラーメン、ピッツァまでさまざまですが
そのどれもがほんとに美味しそうなのです。
後謎のおばはん馬子ですが、これまたデリカシーないわぶよぶよだわきっついわ、
インパクト抜群、本当にこの作者はこういうダメ人間を魅力的に描くよなあ、
読み終わる頃にはすっかり馬子さんにも馴染んでます。
冗談で買ったのに、意外と楽しめた本でした。


ばけもの好む中将 参 天狗の神隠し (集英社文庫)

瀬川 貴次 / 集英社

スコア:


瀬川貴次著『ばけもの好む中将3 天狗の神隠し』
またもお借りしたので。
これもさらっと読めて面白かったですよ!
とうとう1番目のお姉ちゃんまで登場した。
主人公の12人いるお姉さんたちは、居すぎて誰が誰かよう分からんことになってます。
4の姉上が魔性の女で
10の姉上が謎の多い家出娘で
11の姉上が出仕中、
8の姉上は帝の嫁、
後学者の嫁と、尼と、こないだ浮気されてたのと
夫と一緒に地方転勤に行ってんのと、
伊勢神宮に行ってんのと、
強烈な1の姉上と、
…えーと、これで何人だ。

とりあえず、探偵役の中将が今回も素敵だったので何もかも良しとします。
こきでんの女御は琵琶盗人とくっつけばいいのになあ。
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by mi-narai | 2015-09-06 22:00 | 2015年下半期の読書

ラジオ、TV、『イオニアの風』

今更ではございますが

響也の声=浦島 マジでー!?(驚愕)

コルダ4 マジでーー!?(大喜び)

マジで2連発でした。
二つ目の驚きは嬉しい驚きですよ!嘘予告とかじゃないよね、コー○ーさん!?


それはさておき、最近のわたくしの娯楽、それは

夏休み子ども科学電話相談

でございます。
先日ようやく「パソコンでラジオを聴く」という技を会得したわたくし、
二ヶ月間、田中先生のラジオ講座を視聴したその流れで、
調子に乗って上記のN○Kラジオ第一も聞いてみることにしたのでございます。
(田中先生が植物担当の回答者として出演してらっしゃるから)
あ、でもやってる時間が時間やから、仕事始まるまでのわずかな間だけやけどね。

いやー、これが思いの外楽しくって!
小学生のイノセントな質問、
難しい単語が使えなくって四苦八苦する先生方
(なんとか分かるように簡単に答えようと頑張る姿に全視聴者感涙)、

説明に付いていけなくってだんだん声が小さくなっていく質問者…、
やりとり全てに癒されます。
それだけでも十分お釣りがくるほど楽しいのですが、
先日Togetterの「まとめ」見つけちゃったの!
こちら
子ども電話相談聞いてた諸先輩方のつぶやきを親切な人がまとめてくれてるんだけど、
それ読んで、腹が捩れるくらい大笑いしてしまいました
皆、うまいことツッコんでるなあ!!
(わたしも、田中先生は「言うてみて」と「覚えてね」が多すぎると思ってた!)
それに、わたしが聞けない時間の質問と回答もチェックできて二度おいしい仕様。
ちょっと!みなさん!カラスって黒くないんだよ!
鳥って人間より見える色が多い、って話は、なんかの雑誌で読んだけど、
カラスの目を通すとあの黒い羽、鮮やかな青に見えてるらしいよ!(マジかー!)

8/6から8/23までは高校野球中継でお休みなんだけど、
8/24、8/25は確かまた田中先生が植物の回答回なんで、
聞ける時間だけでも聞くぞー!
と決意を新たにした今週のわたしなのでした。


見たテレビの話

コズミック・フロント・NEXT
『月の発光現象』の回
月って、近いのに意外と知られていない天体なんだなとしみじみ実感する回でした。
そりゃ、地球のことさえまだちゃんと分かってないくらいだもんな。
とりあえず、コレ、と思ったポイントを手短に箇条書きに。

・月が発光してるって報告があることさえ知らんかったよ!
いや、月は毎晩光っちゃいるんだけど、それとは別に、月の一部がちかっと瞬くことがあるんだそうですよ。

・しかも何種類も発光の原因があるのにもびっくりした。

・そのうちのひとつ、レゴリスが原因の発光現象が幻想的で好き!
月の表面を覆っている細かい砂をレゴリスというらしんだけど、
その砂は光を浴びるとプラスの電荷を帯びるんだって。
月には大気がないから、直接光が当たるし、オマケに重力も弱いし、
日の出の時には、光の当たった部分のプラスになったレゴリス同士が反発しあって
空中にふわーっと浮かんで、それが光を反射して、遠くから見ると
その部分だけ帯のように光っているように見えると。
その映像がまたね!細かい光が宙を待っているのがとても煌きらしくて、
すごく美しかったのですよ!

・もひとつの、ラドン原因の方も、面白かった。
地下にウラン鉱脈がある場所が光る、って話なんですが、
ウランが分解するとラドンになるの?そのへん詳しくは知らんけど。
そのラドンが地面の割れ目を通って地表に出てきて、発光するんですよ!
割れ目が出来た経緯もすごかったけど(ちょうど反対側にえっらい勢いで隕石がぶつかったから)、
ウランが分解した経緯もスリリングでした。
潮汐力で月や地球は完全な円じゃなく、時々楕円になってるらしいんですが、
月はそのゆがみと引っ張られる力によって内部にマグマ層があるんじゃないかと、
考えられているらしい。意外に冷え切ってなかったんですよ!

・むかーし、月は地球に10倍近かった。てのも、ロマンだなあと。
夜空の月はものすごい大きかったのだな…。
(干満の差が大変そうですが)


『キトラ古墳』
この回も、すごく!すごーく面白かった回でした!
キトラ古墳の天井部分に天体図が描かれてるんですが、
それを解析するために、初めて天文学者と歴史学者が手を組むの!
ちょっと前に、この解析結果がニュースにもなってたと思うんですが、
結論としては、この天文図は古代中国の夜空なのではないかという事でした。
でも、それを解明するまでの紆余曲折が、このドラマの鍵なのですよ。
観測年代と天体図が作られた年代がずれてて、そのずれをまた微妙に修正とか
してるみたいで、なんかすごい複雑なことになってんの。
また、天体図が、当たり前ですが、みんながよく知るギリシャの天体図とは
全然違うんです。いや、もちろん、星の配置は一緒ですよ。
その星から作られる星座が全く違うの!
そう知って始めて、ちょっと天文学はギリシャ神話に毒されすぎだな、と
思いました。ギリシャ以外の星座も知ってみたいよな。
中国の星座は、以前大阪のプラネタリウムがやってた
「安倍晴明」のプログラムで見てざっとは知ってましたが、
北極星の天帝を中心に、天界の宮殿、町の様子、などが地図みたいに配置されてんの。
星座の名前が、あたりまえだけど、漢字名で、聞いたことあるなと思ったら
ちょっとだけ読んだことがあった「ふしぎ遊戯」でした。
28宿が特に重要な星座なのだそう。
カノープスの呼び名「老人星」も好きだなあ。

『コスモス』の回
アメリカの宇宙科学番組とのコラボ番組です。
さすがアメリカ!CGに金かけてますよ!
映像が詳細かつ美しい…。このCGだけでも見る価値はあります!

次回、クレオパトラの天体図の再放送ですよ!


「心と脳の白熱教室」
今回は、前半2回は楽観脳と悲観脳の話、後半2回はサイコパスの話っぽい。

前半2回まで見終わった時点で、
「自分は楽観的だな」、と思っちゃうあたりわたしは十分おめでたい人間です。
でも、根気と粘り強さには自信あるよ!
好奇心を持ち続けられるってのにも自信あるよ!
いや、楽観主義って、ポジティブ思考よりも、前述の根気・粘りと、行動力の方が大切らしいので。
それに、悲観脳、とか言われるとなんか暗いイメージですが、要するに慎重だってことですものね。
アフリカ人と日本人比べたら圧倒的に日本人悲観脳だって聞くし。
すんごい昔、人類が極東まで旅してくる間にいろいろな苦難を経たせいで、
ピンチにもあわてず対応し、先を読んで行動できるよう脳の慎重に行動する回路が発達した、
的な説明を聞いたことがあるので、慎重さは持ち合わせていないとむしろいかんと思います。
あれ?なんの話だ?
とりあえず、残り2回はまたがらっと講義の趣旨が変わりそうですが、
楽しみに視聴したいと思います。

アップしないうちに3回目も見た。
サイコパスの話だった。
いや、サイコパス性言うてもいろんな項目があって、
あった方が社会に貢献するような資質があることも分かってんですけどね、
それに、誰しも寛大な部分も無慈悲な部分も、他のどんな部分も持ってて、
要するに分布の問題っちゅうか、程度問題なんだろうけど、
でも、相手に対する同情心がないって項目は、
…それは、全くない人はちょっとやだなあ…。と思いました。



ここから本

殺人喜劇の13人 (創元推理文庫)

芦辺 拓 / 東京創元社

スコア:


芦辺拓著『殺人喜劇の13人』読了。
ばけもの好む中将と一緒に貸してもらったもの。
えっらい前に出た本らしく、まだ携帯電話もパソコンもなく、
同人誌は手書きが主だった時代の同志社大学の話です。
文章がやや読みづらく(いらん記述が多い気がする。特に前半は
学生の一人の手記の体裁をとっているのでよけいに)、
登場人物も多くて人物把握がしにくいのですが、それでもそれなりに面白く読めたかな。
一昔前の大学生っぽいノスタルジーがなかなか。
おんぼろの寮にみんなで住んでたりする、あの貧乏臭さが。

それにしても、のっけからハイスピードで人が死にますよ。
もちろん、わたしは推理ものを推理しながら読まないので、最後まで犯人は分かりませんでした。
(いや、途中で、この3人の中の誰かだったりして、とは思った)
最後の謎解きのあたりも、男子学生同士のやりとりが、いちいちよう分からんけど、
(なんで怒るのか分からん所でいきなり怒り出したりする。
なんか、外国のギャグ聞いてるみたいな感じ。どこがツボか分からん)
これがデビュー作だったらしいので、いろいろ未熟だったり詰め込み杉だったりするのは、ご愛敬かしら。


イオニアの風 (中公文庫)

光原 百合 / 中央公論新社

スコア:


『イオニアの風』
常々、自分はCPや物語における登場人物の好みが、一般よりもちょっとだけ
マニアックなのやもしれんなとは思っていましたが、
それでも、この広い世の中、まれに、ときめきポイントが極めて近しい人が存在するものなのです。
普段、孤独を感じている分、時々そういう同志をみつけると、本当に嬉しい…!
『アキレウスの歌』の時もおそらく作者が感じたのと同じであろう箇所でときめきましたが、
この『イオニアの風』にも同じ場所で同じようにときめいている確信(一方的に)があります。
何がいいたいのかというと、

楽しかったー!

いや、どっちかというと、児童文学とかラノベに近い、読みやすい話(文体も筋も)で、
あんまり深刻すぎるシーンとか、救いのなさすぎる展開などもなく、
あー、まあ、こんなもんかな、みたいな予定調和がないこともないし、
神話そのものというよりは、神話風ファンタジー、というのが一番近いとは思うんですが
でも!ですよ。わたしは最初から最後までワクワクしながらすごい楽しく読み終えたのよ。
すみません、わたしは利己的で自分勝手なエゴイスト(いずれもほぼ同じ意味)なので
原作との乖離具合がどうであろうと、改変があろうと
オデュッセウスとヘクトールとペネロペイアが良く描かれていれば
割とそれで満足です

(正直さだけは自らの長所リストに入れたいと思っています見習いです。)

あらすじとしては、神々と人間の決別、それに先立つ神々の賭、の話。
前半はプロローグ部分(長いな)で、
1回目と2回目の賭(パリスとヘレネーと、メネラオスとヘレネー)の話、
後半が物語の中心、3回目の賭とその中心人物であるテレマコスとナウシカアの話です。
(この後半部分が作者の創作で、この辺りが特にファンタジーっぽかったけど、
迫る危機に、勇気を持って立ち上がる若い男女とくれば、手に汗握らないはずが!)

以下、恒例の登場人物雑感

テレマコス 本編の主人公。
いいんじゃない!?このテレマコス。
年相応に不器用でぶっきらぼうですが、そこがまた青い感じで良い!
模範的なツンデレです。
(コルダ3の響也と下天の蘭丸を足して2で割った感じ、と申せばわかりやすいでしょうか)
でも、大事なところでは選択を間違えないの!
すごいいい子だった!良い若者だったよ!
成長を見守る大人目線で観ちゃったよ。

ナウシカア 本編の主人公その2。テレマコスの相棒です。テレマコスよりちょっと
大人びてるかと思いきや、妙なところで意地とか張っちゃって、
テレマコスとうまく行きそうで行かない、という、高橋留美子的恋愛模様が
全編に渡りお楽しみいただけます。
もう、あんたたち、最初からお互いのこと大事に思ってんのに、
さっさと素直になりなさいよー!
などと、お節介おばちゃん全開で読み進んじゃったよ。
ああ、あのモダモダ感、たまらんかった!楽しかったー!
まさかギリシャ神話ベースの小説できゅん死しそうになるとは思いませんでした。

テレゴノス 当て馬。いや、テレゴノスが出てくる話自体が珍しいよね。
学者肌のキルケーさんと並んで、意表を突く設定で、
いや、これはこれで良かった。意外に気に入っちゃいました。
テレゴノス本人に話を戻せば、体だけ成長しちゃった子ども、ですよね。
人格形成と育成環境の相関性について考えさせられます。

パラメデス うふふ。最初から正体が分かってたことが今回の見習いの自慢です。

アガメムノン アガメムノンは気の毒だった…。
いや、作中の彼はマジでひっどい男なんだけどね。
どうしても悪役が必要な場合、アガメムノンが振られがちなんだけどさ。
今回メネラオスが良い役配置だからよけいに、なのかな。

メネラオス よし!わたしはこういうメネラオスを待っていた!

ヘレネー 今回珍しくヘレネーに同情しました。
慈善事業に持って行くのはあざといとは思うけど、なんもせんよりマシ。

オデュッセウス 超男前!きれいなオデュッセウスですよ、これ。
いや、基本的にわたしもだいたいいい奴だとは思ってますが、
普段は、オデュッセウスに対しては、
「オデュッセウス先輩ならなんか面白いことやらかしてくれる」
「どんなピンチもどうにかして切り抜けてくれるに違いない」

というワクワク感が強いのです。
しかし、この本のオデュッセウスにはときめきました。

うわー、オデュッセウスにときめくなんてずいぶん久しぶり!(暴言)

(×十年ぶりくらいですよ。悪い人ではないんだけども、あかん部分が多すぎて、
他人に悪し様に言われても流石の私も肩を持ってあげられない、てかさ…。
まあ、いいか…)
高校生の時分、最初に「イーリアス」を読んだときの純粋な気持ちを思い出したよ。
だって、いちいち言動がパーフェクトなんですもの!
まあ、テレマコスのコンプレックスの原因だから、このくらい完璧に仕上げてきてるんだろうけども。
でも、素敵なイタケ王をありがとう、ありがとう!

ペネロペイア 安定のペネロペイアです。こうでなくてはな…!

ヘクトール これまた安定のヘクトール オデュッセウスとヘクトールの関係性、
アステュアナクスの措置については、ほとんど同じ事を妄想したと告白します。
自分で手を下した方が修正を加えやすいよね~という話。


贔屓の人々が皆素敵に描かれているのはいいのですが(唯一、アガメムノンはひどいけど)、
アキレウスは叙述3行くらいが出てくるだけだし、
他の英雄に関しては出てきもしないので、それをご期待のむきにはここで警告しときますよ。
しかし、アキレウスが出てこないトロイア戦争も珍しいよな。
(無双OROCHI2のせいで、今アキレウスさんが結構なお気に入り)


神々編
ゼウス、ポセイドン、ヘラ様あたりは、名前が出る程度。

アテナ いつものお姉さま。

アプロディーテ 全く悪意のない自然体な女性。このアプロディーテは好きかも。

ヘルメス 安定のヘルメスです。あまりにいつも通りなので毛ほどの違和感もなかったほどです。

いつもなら、このヘルメスにときめきを持ってかれるところですが、今回は更にわたしのハートを鷲掴みにしやがった神が在した。その名は↓

アレス! 

ちょう萌えた。
みそっ子のアレスに超萌えた!
(大事なことなので二度言いました)
うおおお、アレスーー!!!
最後の、自分の神殿の神官さんとのやりとりなんて、わたしを悶え苦しませるためのトラップかと思ったわこん畜生め!
いやー、いいね、いいですね、いつものダメっぷりに時々男臭さがまじると
破壊的に魅力度が増しますね!


あー、もう、ほんと、楽しませてもらいました!
しかし、毎回言ってるからまたか、と思うかもしれないけど、
この本こそ!まさにわたしが楽しいと言ってるのはマジでものすごい個人的に気に入ったせい、なので、
やはり一般向けには広く喧伝しづらいのです。
わたしの個人的な好みのツボとの合致度が高すぎて、もはや
これが一般的に見て面白いのかどうか、判断がまったくつかぬ!
なので、この本は、似たような萌えポインツをお持ちの方のみに
そっとお勧めさせていただきたいと思います。




ポール・アダムズ『ヴァイオリン職人』シリーズや森遙子『望郷』、田中修先生の『植物はすごい』、田中啓文の『こなもん屋うま子』も読んだけど、また次回。
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by mi-narai | 2015-08-09 17:03 | 2015年下半期の読書

『経済学に何が出来るか』 『極楽のあまり風』 『ばけもの好む中将』 『トロイラスとクレシダ』

最近のテレビ

「山賊の娘ローニャ」 「あわれな山賊たち」回。
もじゃ率の低さに衝撃を受ける。
いや、北欧だし、8割もじゃだろう!!
一人くらいは腕にも背中にも足にも腹にも毛が生えてて
「毛ガニ!」とか呼ばれててもいいじゃない!
そんな中アッティス親分だけつるっつるで気にしてて
ロビスに「シラミが沸かなくていいじゃないのさ」とか
言われてたらいいじゃない!

…などと思いながら見てました。
みんなのプリけつは美味しく鑑賞させていただいたわよ!ごち!


コズミック・フロント・NEXT 「ガガーリン」の回
これまた歴史の話っぽい回。

ソ連が、怖すぎる。

初の宇宙飛行生命体である、ライカ犬、
実は打ち上げて数時間後に死んでたらしいですよ。
ちょっと悲しくなりました。
しかし、最初の有人飛行は1時間ちょい、位だったのだなあ。
今なら一般人でも金を積めば出来ちゃう時間ですよ。
このまま科学が進歩し続けたら、この宇宙の外側にも行けるかな。


こっから読書

歴代首相の経済政策 全データ 増補版 (oneテーマ21)

草野 厚 / 角川書店(角川グループパブリッシング)

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草野 厚著『歴代首相の経済政策』読了。
日本の肖像を見た後だったので、それとシンクロしててちょっとわかりやすかったです。
日本の政治家はろくな事してないと思ってたけど、それでもそれなりに
頑張ってたんだなあ。

もっと頑張れ。給料分働いてくれ。

後、予算における近年の借金の割合の増えっぷりが恐ろしいよ…
(年毎の予算額と振り分けが載ってるんですよ)


経済学に何ができるか - 文明社会の制度的枠組み (中公新書)

猪木 武徳 / 中央公論新社

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猪木武徳著『経済学に何が出来るか』
大真面目に経済学に何が出来るかについて考えた本(タイトルまんまやがな)。
いや、一般的には経済学というと机上の空論で実際の役には立たんと思われてるけど、
それに対しての経済学者からの真摯な反論ともうしますか。
大真面目に経済学の方法を説明しながら、現代政治の瑕疵を論じてます。
読んでからだいぶ経ったからもうあんまり覚えてませんが(だめじゃん!)。
しかし、経済学で理論を論ずる時、どうしても単純化、普遍化するけど、
実際の社会ではもっとさまざまな要因があるわけじゃないですか、
そのせいで、理論と同じようには展開しないんですよね。
その辺りのズレが経済学が役に立たんと言われる所以なのだが、
だからといって理論自体が間違えているわけではない、
という著者の主張は、まあ、そらそうだなと思いました。


この辺りで、そろそろ政治・経済関係の本はいいかな~と思って
趣味の本を読み始めました。


ばけもの好む中将―平安不思議めぐり (集英社文庫)

瀬川 貴次 / 集英社

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瀬川貴次著『ばけもの好む中将』
お借りした本。軽い読み物なんだけど、意外と面白かった。
タイトルを見れば、
舞台が平安時代で、物の怪とか、妖怪が好きな中将が出てくるのだな
という大体のコンセプトは分かると思うのですが、
その中将が意外に好みの男前だったのですよ。
なので、それだけでわたくしの評価は跳ね上がっております。
ワトスン役の右兵衛佐が上にお姉ちゃんが12人も居て、
おまけに怪異が大嫌い(怖いから)というネタキャラで、
いちいち驚いたり怖がったりしてくれるのでまた楽しい。
続きも貸してくれるそうなので楽しみです。


京へ上った鍋奉行 (集英社文庫)

田中 啓文 / 集英社

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田中啓文著『鍋奉行犯科帳 京へ上った鍋奉行』
相変わらずのお奉行様の喰いっぷりのことよ。
主人公の同心の恋もほんのすこしだけ進んだかな。
4冊目にもなると、お奉行様が出てくるとほっとするというか、
あんなどうしようもない人なのに愛着がわきまくってます。
『ハナシがちがう!』シリーズの梅寿師匠もどうしようもない人なのに
そこがやっぱり良くて、たまらん感じに書いてありましたが、
この作者、こういう欠点たっぷりの人間を魅力的に描くことに関しては天才的ですね。
次の巻も楽しみです。


極楽のあまり風―ギリシア文学からの眺め

中務 哲郎 / ピナケス出版

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中務哲郎著『極楽のあまり風』
この本、ウッカリ2冊買っちゃって(マイナー出版社の本だったからさ…)
某方に無理矢理一冊押しつけたというアレな本(ほんと、その節はスミマセン!)。
さすがに、押しつけてから数ヶ月たつのに未読とか、ないよな、と思って
ようやく読んでみたんですが

面白いな!これ!

のっけの
「アイスキュロスは禿頭にカメ落とされて死んだ」ってネタに
悪いけどリアルに笑ってしまいましたよ。
ツルぴかの禿頭見て、飛んでた鷲が「岩はっけーん!」と思って
甲羅割るつもりで持ってたカメ落としたら、
アイスキュロスの頭蓋骨の方が割れちゃったっていう、ね。
ひとしきりニヤニヤしてから、そう言えば、他のなんかの本でも
同じネタ読んだな、と思い出しました。
しかし、あんなシリアス悲劇書いた詩人にしては
突飛なエピソードですね。
まあ、有名人は軒並み伝説級の死に様エピソードを後から創作されたらしいから
実際にこうやって死んだと信じ込むのは早計ですが。
オマケに、なんと、夏目漱石の小説にこの逸話が!載ってるらしいよ!!
漱石、博学だなあ!!
先生は、漱石が何をソースにそのエピソードを知ったかってとこまで
追跡してらっしゃるんだけど、そんなこぼれネタ知ってる先生の方が博学ですよね。

かように、この本は、
長年西洋古典文学に携わってこられた中務先生が、折々に思ったことなどを
チラシの裏にメモるみたいに綴られた雑学満載のエッセイ集、なのです。
ネタの宝庫ですよ!
先生はさすが長年生きてきただけあって、西洋古典だけでなく、
他の時代、他の地域のこぼれネタもたくさんご存知で、
(それをこの金額で教えていただくのが申し訳ないくらい)
西洋古典のエピソードと絡めて縦横無尽に空想なさる様を
こうして興味本位で気楽に読むのがまた楽しい!
ほんまに、極楽の余り風やなあ…。
(※極楽から漏れいでたような涼風、転じては良き品、良き事を指す)

以下、読みながら特に思ったことメモ。

・初潮の話と出産姿勢の話。
「初潮」が、色んな地域の色んな時代の文学の中でどのように表されているかを
西洋古典から、古事記から、アラブ文学にまで広げてピックアップ。
アラブの表現の美しさに瞠目したよ。
出産姿勢の方は、膝立ちとか、立ち姿勢が多かった件について。
確かに、その方が楽そう。

・牛の皮で囲える土地をくれ、と頼んで了承を得てから、
皮を細く裂いて広大な土地を囲う、というこすからい伝承について。
色んな民話に出てくるのは知ってましたが、そうや、ディードーも使ってたわ、この手!

・間男はビーツをケツにツッコまれて、毛を焼かれたてエピも載ってますよ!
わははは!なんやその刑罰!
まあ、女性だけが責められて、宗教裁判で処刑とかよりは
ぜんぜんいいですよ。もっとやれギリシャ人。
でも痔には気をつけて。

・喜劇詩人のメナンドロス、いつか読もう、読もうと思ってまた未読です。
いつか読もう。

・難しい漢字が沢山。
普段使わないような美しい言葉をさらっと普段使いで使ってあるのがかっこいい。
なんか、昭和期を生きた方って、下地でかなわない気がします。

・アイリアノスの『ギリシア奇談集』からの引用が多数でてくるんですが、
わたしこの本読んだはずなのに、全然覚えてないよー!

・最後の後書きが、京都の人っぽくて、ニヤニヤしました。


ばけもの好む中将 弐 姑獲鳥と牛鬼 (集英社文庫)

瀬川 貴次 / 集英社

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瀬川貴次著『ばけもの好む中将 弐 姑獲鳥と牛鬼』
短編、短編、中編で1冊の、ちょっと変わった編成の本。
でも全部バラバラのハナシなのかと思ったら、最後でちゃんと一つにまとまって
ちょっと感心してしまいました。
今回も中将のはじけっぷりがきらりと光る良い1冊。
中将のセレブなお友達たちや、主人公のお姉ちゃんたちにもスポットが
あたって、楽しかった。お姉さんたちの個性が強すぎる(笑


シェイクスピア全集 (〔24〕) (白水Uブックス (24))

ウィリアム・シェイクスピア / 白水社

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ウィリアム・シェイクスピア『トロイラスとクレシダ』
読み始めてすぐに思ったことは、

シェイクスピアやなあ!

ということ。
舞台がトロイア戦争なので、勿論なじみ深くて、登場人物もよく知ってる人
ばかりなのに、言い回しや筋立てがものすごいシェイクスピアっぽくて
なんか、不思議な感じです。
あんまりシェイクスピアに詳しくないわたしが言うのも何ですが、
シェイクスピアの喜劇って、道化が出てきて狂言回しをするイメージが強くって、
このトロイラスとクレシダにおいては、テルシテスがその役回りなのですね。
タイトルロールの二人の恋愛に関しては、マジでどーでもいいですが、
アキレウスがみんなにさんざん「あいつ高慢すぎる」てぶつぶつ言われたり、
アイアースがからかわれたりする件はちょっと面白いです。
しかし、英語読みだから、それが誰かをいちいち頭の中で変換するのは面倒。
 ・
 ・
 ・
翌日読了。
後書きで「カテゴリー分けに困る作品」とあったけど、確かに。
途中喜劇っぽいけど、全編喜劇ではないし、大団円ではない、
かといって、史劇ほどの重さはなく、
悲劇といっても、ロミオとジュリエットのような完璧な美しさにはほど遠く、
ハムレットのように最後全員死ぬわけでもなく、
「なんやこの話???」
と思ってる内に終わるという…
何がねらいなんだ???とそりゃ学者連中も頭をひねるわな、こりゃ。
とりあえず「問題劇」というカテゴリーに今は入れられてるらしいです。
でも面白くないかと言えばそうでもなく、さすがシェイクスピアというか、
舞台転換とか場面の見せ方とか秀逸で、飽きずに最後まで読めちゃいました。
(もともとシェイクスピア(の喜劇)が好きなので、だいぶ点が甘いかもしれん。)
もちろん、元ネタのイーリアスや他のトロイア関連叙事詩とは、だいぶ
筋立てを変えてきてるんだけど、
その辺りはシェイクスピアの構成手腕の見せ所ってやつで、
むしろどう組み立ててるかの方に剋目しました。
ちなみに、タイトルロールがトロイラスとクレシダなので、
一応その二人中心に話が回ってて、
他のアキレウスとヘクトールの因縁とか、
パリスのくだりとか、その辺はわりとさらっと流されてます。
ヘクトールの死はさすがに確定済みなんですが。
(シェイクスピアは、同時代のトロイア戦争に題材をとった劇脚本だけでなく、
一応イーリアスの翻訳も参考にしたらしい。)
かといって、別にトロイラスとクレシダがいうほど純愛な訳でもないし、
他の作家の作品みたいにクレシダに納得できる要素があるわけでもなく
ううむ、マジで、何を主眼に描きたかったのか悩むな。
ざっくり一回読んだくらいじゃ分からんのも当然かもしれません。
時代背景とか、シェイクスピアの劇作手法とかに無知なので、それがネックなのかもしれません。
手強いぜウィリアム!(わたしがアホなだけか?)
とりあえず、劇を見て、演出家がどういう風に結論づけてるか、
(それともシェイクスピアの原作通りなのか)、を
確認してこようと思います。

ていうか、新幹線、動くのか?(動いてくれよ)
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by mi-narai | 2015-07-17 00:03 | 2015年下半期の読書