カテゴリ:2012年11月・12月の読書( 3 )

『トルコ狂乱』 『月読』 『古事記の起源』 『甘栗とエルムと金貨』その他

まず、ゴーゴーカレーが超絶美味かった件。
送っていただいたご当地カレーなんですけどね。
何の気なしに休みの日の昼間に食べて

これがまたなんともいえないこくで!
美味かったのよー!!!

E川件は美味いもの王国ですね…!



レンタルチャットという簡易かつ便利なものがこの世にはある、
と初めて知った見習い●○才の冬。
毎年年賀状は12月25日を過ぎてからやっつけ仕事で書き上げるのですが、
毎回酷い出来だと嘆いているものの

今回は本当に酷い仕上がりになりました。

自分で自分にガッカリです。
んもう!

後数時間で今年が終わってしまうので、その前に
読んだ本の一言感想だけでもアップしてしまいます!急げ!!


トルコ狂乱 オスマン帝国崩壊とアタテュルクの戦争

トゥルグット・オザクマン / 三一書房

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トゥルグット・オザクマン著『トルコ狂乱』
読み終わりましたーー!!!!
アタシ、何ヵ月掛って読んだんだろ…。
いやね、面白くないわけじゃなかったんですよ。むしろ、面白かったですよ!!
けど、こんなに長く掛ったのは
①本が分厚すぎて通勤時間に読めなかったから(最も大きな理由)
 →文庫に直したら7冊くらいにはなるのではないかと思う。
②短いエピソードを無数に重ねて大きな歴史の流れを書いてあるので、
どこでもいつでも読み止められる。という安心感から、
少し読んでは止め、を繰り返してしまったから
(一つのエピソードにつき、長くて2ページ、短くて数行)

第1次世界大戦後、セーブル条約の結ばれた後のトルコを舞台に、
トルコの国土を三分割してやろうとする英・仏・伊、
英の後押しでいにしえの大ギリシャの復活をもくろむギリシャに対して、
(→希「イズミル、エフェソスはわしのもんじゃー!」)
かつかつの財政を押して、拠点を置いた内陸部のアンカラ中心に
抵抗するトルコ人たちの姿をえがいた大作でした。
長くなるのでざっくり感想は箇条書きに。

・トルコ人作家なので、なんらかのバイアスがかかっているかもしれませんが、

ケマル・パシャ超かっこいいよ…!

・イギリス、悪者だよ…!
・フランスとイタリアは通常運転だよ…!
(イタリア=時流に乗っかってみたけどあんまりやる気なし
フランス=折を見てイギリスの敵に回る)
・意外とトルコとロシアはお行儀よくお付き合いしてるな。
・日本の戦争ものってあんまり読んだことないけど、暗いイメージじゃないですか。
トルコは、どこか明るいよ。
みんなで一丸となってわーっとやってる感じです。
残虐行為は割と行われてたみたいですが。(トルコ人もギリシャ人もお互いにな)
・一応トルコの直接戦っている相手はギリシャなんだけど、本当の敵はその後ろにいるイギリスで、
実際のところ、トルコもギリシャもどっちも貧乏チックで後進国で立場はとんとんなんですよ。
なので、途中ギリシャがちょっと気の毒になってきました。
・最後は、全くの大団円で、絵に描いたような『弱者が頑張って強者を打ち負かす』、という結末なので、
すっかりトルコ人目線で本書を読んでいたワタクシ、
「ざまあみやがれってんでぃ!
見たか、帝国主義がいつまでもまかり通るとおもうなよ!」
などと、鼻息荒く思いました。乙女らしくない感想で相済みません。
ついでに、全国の大英帝国好きのお嬢さんお姉さん方にもすみません。
いや、ああいう悪役っぽいところが当時の大英帝国のお素敵なところじゃないですか、ね!


月読 (文春文庫)

太田 忠司 / 文藝春秋

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落下する花―“月読” (文春文庫)

太田 忠司 / 文藝春秋

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太田忠司著『月読』『落下する花』読了。
パラレル世界での推理物。
人が死ぬと、何かメルヘンな印がその近くにあらわれる、という並行世界での話。
その変な印(月しらべ)から、死者の最後の心の声を読み取ることのできる
能力者(月読)が今回の探偵役です。
まあ、最後の声と言っても、ほんとに単に最後に思ってた事にすぎないので、
立った一言「壁が汚れてる」だったりするわけ。
なので、結局、殺人事件を解決するのは探偵の推理力なのだった…。
ならそんな不思議設定いらんじゃないかと思わんでもないですが、
なかなか静謐な世界観が心地よく、思ったより面白かったですよ。


古事記の起源―新しい古代像をもとめて (中公新書)

工藤 隆 / 中央公論新社

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工藤隆著『古事記の起源』読了。
前述の『古事記誕生』があまりに好みだったので、遡って前著も買い求めてみました。
読み終わってからだいぶ時間がたってしまい、当時の雑感が抜け落ちてしまったので、
ぼんやり覚えていることを箇条書きに。

歌うということについて。
なんか開眼した。
「歌う→語る」が
「非日常&ハレの日→日常&ケの日」
と対応してんだな。
なんとなく、『神話が歌われるのは当然である』、と読み終わると
思い込まされているというマジックです。
確かに、普通に喋るより、歌ったり特別なリズムに乗せたりした方がより特別って感じがする。
神に捧げるなら日常と同じではいかんよな。
面白かった!!
『古事記誕生』の方で取り上げられていたエピソードと
違う部分が取り上げられてたのも嬉しいところです。
太古、神話の原型ってこんなのだったのかもなあ、と想像が膨らみました。
ギリシャ神話とかイーリアスとかは、残ってるものはもう大分
ていうかほぼ、文学作品だったり、変質したりしてるものだもんなあ。
まあ、わたしはイーリアスの文学作品としてのエンタメ完成度合いをこよなく愛しているわけですけども。


甘栗と金貨とエルム (角川文庫)

太田 忠司 / 角川書店(角川グループパブリッシング)

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甘栗と戦車とシロノワール (角川文庫)

太田 忠司 / 角川書店(角川グループパブリッシング)

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太田忠司著『甘栗とエルムと金貨』『甘栗と戦車とシロノワール』読了。
今回はハードボイルド。
主人公が高校生で、でも、寡黙ないい子で、なんだか清清しかった。
なかなか面白かったですヨ。
無愛想な依頼人との奇妙な友情が生まれる二作目『シロノワール』の方が
なんとなく好きです。
後、舞台が名古屋なので、名古屋の町並みや美味しそうなものがたくさんでてきてそれも面白い。
まあ、主人公が時々「これを食べられないなんて他地方の人は可哀想」と
作中でいうのは大きなお世話だと思いましたけども。
こういうご当地愛は微笑ましですけどね~。



……主人公の友達の直哉は絶対主人公のことが好きだと思うナ。
ひそかにホモ認定。



王妃の離婚 (集英社文庫)

佐藤 賢一 / 集英社

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佐藤賢一『王妃の離婚』読了。
何度も読んだ本なのですが、人に貸す前に再読しました。
読んでていかにこいつの文章が癖があるかを思い出した。
エロシーンが、妙に下品、ちゅうか、全体的にシモいっス。
わたしはわりと平気ですが、女の子には貸しづらい…。
でも途中、ちょうど読者が「こうなってほしい」、と期待する箇所でそれを裏切らない展開があったり、
最後がとても清清しかったりして、
下品な箇所を読んで感じた不快感とか、
こいつの女性観は一方的すぎると思って苛立った記憶が、
帳消しになるという不思議。読後感は爽やかでした。
結局、最後まで読むと、面白かった、と思うのだよなあ…。


オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

アガサ クリスティー / 早川書房

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アガサ・クリスティー『オリエント急行の殺人』読了。
これまた人に貸す前に再読。古典中の古典です。
山本やよいさんの新訳で読んだらまあ、読みやすいのなんの。
面白かったよー!
これと、誰もいなくなった、と、エヴァンズ、と、abcはほんと
推理小説のトリックの元祖だよなあ…
クリスティは偉大ですね。


二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

デイヴィッド・ゴードン / 早川書房

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『二流小説家』読了。
普通に面白かったですが、そこまで絶賛されるほどかと言われると…。
でも、ミステリー部分より、ちょっと気弱だけど善人な主人公の小説家の
その性格付けとか、売れない小説家としての立ち位置とか、
楽しみとか、悲哀とか、そういうものの方にものすごい心揺さぶられました。
わたしのような大して対人が得意でないものっそいふっつーの一般人が
本を読むって、ほんとにこの小説家自身が思ってるような動機だよなあ
などと、頷いてしまった。


最後の刑事 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ピーター ラヴゼイ / 早川書房

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ピーター・ラヴゼイ著『最後の刑事』読了。
山本やよい訳つながりで。
これも大好きな本で、友達に貸す前に再読しました。
主人公のピーター・ダイヤモンドは
禿・デブ・頑固と三つ揃えの押し出しの強いおっさんなんだけど、
芯の部分がいい奴で、刑事魂持ってて、なんとも憎めないキャラなのです。
この作者、うまいんだよなあ。
他の推理物も高い評価を得てますが、わたしはこのダイヤモンド警視シリーズが好きかな。
イギリスの温泉地バースが舞台なのも目新しくていいです。
ダイヤモンドと奥さんのステファニーが仲良しなのもいい感じ。


単独捜査 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ピーター ラヴゼイ / 早川書房

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続けて『単独捜査』も読了。
今度は日本人の女の子が出てきて、アメリカ人と共同捜査したり
相撲取りがスポンサーになったり、なにかと国際的な一冊。
日本人としては、いろいろツッコミどころ満載なんだけど、
(関取より上の人気力士の名前で「山形」とかありえんて…。シンプルすぎるやろ)
なかなか面白かったですヨ。
でっかくて威圧的なダイヤモンドと、幼い少女ナオミとのふれあいが見所。

次、続けて『バースへの帰還』を読むつもり。
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by mi-narai | 2012-12-31 16:06 | 2012年11月・12月の読書

雑記 『古事記誕生』 『タネのふしぎ』

先週末相互のKさまのグループ展へお邪魔してきました。

ふ…。生絵を拝んできたぜ…!(皆の者、羨むがいい)

長い間お会いしていなかった方々にも久しぶりに会えて本当にうれしかったです。
会う予定だった方に会えたのも嬉しかったし、会えないと思ってた方にお会いできたのも超嬉しかった!
年甲斐もなくはしゃぎ過ぎて後で振り返って自分の浮かれっぷりにドン引きしたほどです。
(お会いした皆様にはご迷惑でしたでしょうが、私自身はとても楽しかった―
余韻でしばらくウキウキしたままでしたもの)
翌日はT様に付き合ってもらってU野動物園にハシビロコウさんを見に行きましたよ!
これがその証拠写真だ!↓

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なに?このぼやけた写真ではどこにいるか分からない…?
バカ者!愛が足りぬ!!

ハシビロコウさんは言われるほど全く動かないわけでもなかったけど、
さすがに3羽目は置物かと思った。

遊んでくださってありがとうございましたー!
まだまだ喋り足りませぬ、あの時申しましたわたくしの好むところのBL漫画家様が若干偏り過ぎておるように感じ、どうしてもうちょっと一般受けするあたりを口にしなかったのかとあの後深く後悔した次第でございます。て、一番の後悔がソレかい!



納豆の衝撃
こないだ、3週間ほどほったらかしにしておいた納豆を食べようとしたのです。
賞味期限はとっくに過ぎてたわけですが、
封の開いた豆腐の匂いが変わってたり牛乳がコーヒーに混ぜた時モロモロしたりするならまだしも
パックジュースやヨーグルトとかなら大幅に古くなっても平気で食べるわたくしのこと(自慢出来ん…)
納豆も大丈夫だろうと思ってたんですよ。
しかし、冷蔵庫の温度調節が若干甘かったのが悪かった、
納豆を混ぜているあたりからほのかな異臭が。
まあ、納豆なんてもともと匂うものですが、普通の納豆臭とは違う、なにやら刺激臭めいたものが
鼻を刺したわけ、この時は。
でも、深く考えずに一口食べた。

ん?

味は変わらんが、とにかく匂いが凄い。なんだろう、この嗅ぎ覚えのある匂い、キッチンハイター…?
…とか悩んでるうちに惰性で飲み込んでしまいました。
途端に感じる喉の異変。
ハッカ舐めた時みたいにヒリヒリするんですよ。
さすがに、こりゃやべぇと思った。
なんなのこれ、毒物混入…?

後でネットで調べたところによると、納豆を室温で放置すると発酵が進んで
アンモニアなどの成分が生成されるらしい。
アンモニアと聞いて、納得しました。
どこかで嗅いだ事があると思ってたのは、

サルミアッキ

の匂いだったのですよ。
言われてみれば、塩辛いし、アンモニア臭いし、うん、あれによく似てます。
サルミアッキってどんな味、と聞かれたら今度から発酵させすぎた納豆を食えと言うことにします。

本日の結論:
納豆は常温で放置しない。
(※当たり前です)



お歳暮
諸事情あって今年はお歳暮をお送りするのを見送ることにしました。
義理を欠いて相済みません。
いや、何軒か、お礼のつもりで送ってたけど、最近は却って返させるのが申し訳なくなってしまって…。
なんか、わたしが勝手に送ってただけなのに、これまで気を遣わせてごめんなさいーーーー!

相手はこんなとこ読まないのは分かってますがちょっと自分の心の安定のために叫んでみた。 



古事記誕生 (中公新書)

工藤 隆 / 中央公論新社

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工藤隆著『古事記誕生 「日本像」の源流をさぐる』読了。
先に読んだ古事記本より、さらに背景をえぐった本。
前の本は主に描かれた当時の事情なんかを考えて読み解いていた感じでしたが、
今度の本は、もっと、民族学寄りというか。
伝承をひもといて、部分部分の古さの深度を真面目に検証し、
・時代の流れ
・社会形態
・伝承の形式
・他地域とのつながり
など、さまざまなフェイズから光を当てて立体的に古事記を見直してみよう、という意欲作。
面白かった!!
これこれ、常にこういうのを求めているのよ、わたしは!

もともとの形がこんな風でこれがこういう感じで伝わってこう変化してこうなった、みたいな
途中経過・過程がすんごく気になって仕方がないのですよ!!
紙面の関係で、主に取り上げているのはアメノイワヤト伝承部分だけだったのですが、
他の伝承も全部やってほしいです超希望。
できればギリシア神話もやってほしい…。

本の最後のあたりに、日本のアイデンティティーについて考察する章がもうけてあったのですが、
それも興味深く読みました。
確かに、ギリシアの場合は神殿はすでに遺跡だけど、日本の神社は今でも信仰の対象で
古事記の時代からの伝統を脈々と受け継いでいるのだものなあ、
これはなかなか無いことですよ。
海外のもう今は信仰が途絶えた多神教の神話とか伝承とか勉強する日本人は、
実はかなり有利なのかもしれませんよ!頑張れ!


タネのふしぎ タネは光の色を見分けるか? 「不老長寿の秘薬」と呼ばれるタネは? (サイエンス・アイ新書)

田中 修 / ソフトバンククリエイティブ

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田中修著『タネのふしぎ』読了。
職場の上司にただでもらったので読みました。
その上司、前に一度だけ日記に書いたことがあるかもしれませんが、
京都生まれの京都育ちのシルバー紳士で、ものすごいゆっくりした京都弁で
お話しされるんです。
萌を吐露していいですか。

かわいいのよーーーー!!!

わたくし、筋金入りのじじいスキーでしてよ!
特にかわゆい系のおじいたまには目がなくってよ!!
その方、不意打ちでものすごい普通の顔で冗談とか言ってくるのでとっさの対応に困りますが
でもかわいいからいい。なにもかもかわいさの前には吹き飛ぶ。
お目にかかれた日はウキウキしますよ!
(でも、フロアが遠いのでなかなか見かけないの、だ…)

で、問題の本ですが、
タネの発芽状況から何から科学的なアレコレを大変わかりやすく書いた本です。
全く理系の素養のないわたしでも分かるので、
全国の文系の皆さんは自信を持って読み進んでください。
途中お米のうまみの正体とか、穀類の栄養分とか、雑学ネタも織り交ざってるので
一般人でも読みやすい。
しかし、生き物でもなんでもこの世に存在する全ての物は、うまいこと出来てると常々思ってたけど、
こうして細かく説明されると、本当に、あらためてしみじみそう思います。
些細なところまできれいに、上手に、歯車がかみ合ってるような快感というか。
遠赤外線を当てると種から芽が出ない理由とか、根が地中に向かって伸びるしくみとか、
知ると本当に驚嘆しますよ!


太田忠司著『月読』『落下する花』も読み終えて、今は『古事記の起源』読み進んでます。
けど,長くなったので次回。
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by mi-narai | 2012-12-02 22:23 | 2012年11月・12月の読書

『「古事記」神話の謎を解く』 『アラブ飲酒詩選』

『古事記』神話の謎を解く―かくされた裏面 (中公新書)

西條 勉 / 中央公論新社

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西條勉著『「古事記」神話の謎を解く』読了。
ちょうどゲームの『九龍』やってて古事記の固有名詞に聞き覚えがある時だから、
今のうちに読んでおくか、くらいの気持ちで読み始めました。
最初は古事記の書いてある文体の説明が合って、次に内容に関する考察です。
『古事記』は稗田のアレ(漢字忘れた)の口承を太安万侶が書き取った、みたいな体裁で書いてあるけど、
結局新政府が編纂した政治的な色合いの濃い書物だからな、というのが作者の考え。
(確かに、
アマテラス→ニニギの権力の移譲は
持統天皇→孫
とかぶるし、地方を平定して中央集権的な国家をまとめたばかりの日本のために
各地の伝承を上手に編集したんだろうな、というのはよく分かる)
同じ神話でも伝承をひたすらエンタメ方向に突き進めたイーリアスとは趣が
違うよなあ、などと思った次第であります。
作者は、日本書紀と読み比べつつ、編集される前の形や、どういった意図をもっての
伝承の配置なのかについて、順を追って書いてます。
作者の説に裏付けがあるかどうかはわからんし、
文中で同じことを何度も何度も繰り返すのでやや煩いのですが、
読み物としてはそれなりに面白かったですよ。丸飲みは出来んとは思いましたが。


QED ~flumen~ 九段坂の春 (講談社文庫)

高田 崇史 / 講談社

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高田崇史著『QED 九段坂の春』読了。
友達に借りて。
シリーズの登場人物たちの若い頃の話がオムニバス形式で。
読みやすかったです。
でも、結局解決しなかったり、関係ないうんちくが語られてたり
作者の押し付けがましい歴史観をごり押しされたりもします。
(いつもよりごり押しはソフト目ですが)

でもって、作中一番かわゆらしいゴリマッチョキャラ小松崎が
だいぶ不憫な目にあっててちょっと萌えました。


アラブ飲酒詩選 (岩波文庫)

アブー ヌワース / 岩波書店

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アブー・ヌワース『アラブ飲酒詩選』塙治夫編訳 読了。
古本屋で100円だったので買ってみた。
さほどアラブに造詣が深くないのでこの詩人の名前は初耳だったのですが、
アラブ世界では有名な人らしい。
ちなみに名前のアブーは「~の父」ほどの意味。本名は確かアル・ハサンだっけな。
なかなか面白かったですよ。
アラビア語で読めばもっと韻を踏んでて語彙も豊富で謡うような抑揚で
素敵さ倍増なのだろうけど、日本語でも雰囲気は味わえます。
都会で放蕩の限りを尽くす遊蕩児の自堕落ライフ、みたいな歌が多くて、
これが読まれたのが8~9世紀だということにまず吃驚します。
詩の内容が現代っぽくてしかも作者の人間臭さがにじみ出てるので、
もっと現代に近いような気持ちになっちゃうのですよね。
でも、このアブー・ヌワース、有名な、かのアッバース朝のハールーン・アッラシードの
治世の末期~彼の子のアル・アミーン、アル・マアムーンの治世に生きた人なんです。
日本で言うならちょうど平安京が始まった頃…坂上田村麻呂が東に向かった頃ッス。
西洋諸国ならイギリスはまだヘプターキー時代か?アルフレッド大王はまだ生まれてない頃。
フランスはカロリング朝かな。カール大帝とか出てきてる頃。
そうそうアルフレッドって若いころフランスに遊学してたんですよね。
カール大帝の宮廷に学びに。カロリング・ルネサンス!ローランの歌ですよ!
どうです、急に「昔!」って感じになったでしょ。
そんな大昔の時代に中東ではムスリムが酒礼賛の詩を書いて
「遊牧生活なんて古いライフスタイルさ、都会サイコー!」とか言ってたと思うと、
いろいろ感慨深いものがあります。

それはそうと、酒も男色もイスラムでは禁じられてるはずなのに、
アブー・ヌワースはどっちもおおっぴらに詩に書いちゃってますよ。
凄い詩を書いて偉い人に賞金もらっては使いきるまで飲み、それで愛想をつかされて
貧困になって他のパトロンを探す、を繰り返してたみたいですね、この人。
しかし、根底に若いころ、熱烈に愛した娘に完膚なきまでに振られたという苦い経験があって、
そのせいで女性に対するコンプレックスと不信感があったっぽいので、気の毒っちゃ気の毒です。
当意即妙で軽妙洒脱で皮肉屋でとびきり頭がきれて、その実シャイな人だったらしい。
なんか、オウィ先生をちょっと連想しました。
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by mi-narai | 2012-11-11 12:50 | 2012年11月・12月の読書