カテゴリ:2012年8月の読書( 3 )

『女盗賊プーラン(上)(下)』 『オオカミと生きる』 『月光亭事件』その他

ほんとは9月の読書分なんですが、カテゴリ作るのめんどくさいので8月分に入れといてください。


女盗賊プーラン〈上巻〉

プーラン デヴィ / 草思社

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女盗賊プーラン〈下巻〉

プーラン デヴィ / 草思社

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プーラン・デヴィ著『女盗賊プーラン(上)(下)』
これまた職場の同僚に貸して貰ったもの。
大体のあらすじは知ってたので、途中の悲惨な目に遭ってる部分で
読んでるこっちまでつらくなるんじゃないだろうかと思って、
これまで読むのを敬遠していましたが、気にはなっていたのですよね。
貸してもらったのもなんかの縁かと思って観念して読みました。

1巻の前半は、もう、ものすごい勢いでフラストレーションが溜まります。
インドのカースト制って厳しいわ…。
日本社会も大概息苦しいところがあるよなと思ってましたが
(でも全体的には嫌いではないっスよ。母国だしな)、
ソレとは別種の息苦しさがここに。
小さな村の中で、ほとんど教育も受けず従ってその村の中のことしか知らないまま、
やりたい放題やる厚顔無恥で欲深なやからに虐げられて暮らすって、
考えただけでつらくなりそうです。
もともとそういう社会に住んでてそういうものだと思ったら
多少は慣れもするかもしれんが…いや、やっぱ嫌なものは嫌だよな。
普通に通りを歩いてただけの女の子が
カーストがちょびっと上なだけで生殺与奪権をまるまま握ってる若造どもに
白昼堂々レイプされて、でもどこにも言えず泣き寝入りし、
まともなおうちに嫁にいくあてもなくなり、
文句言いに行った両親が逆にそのお家の主人に殴り殺されてしまうんだけど、
それでもどうしようもない、法も助けてくれないって
どんだけ理不尽なのさ!!!
(しかもこの理不尽なしうち、主人公の知り合いの話で、
こんなエピソード珍しくも無く、主人公はもっと悲惨な目に何度も遭うんですよ)

で、そんな目を疑うような仕打ちがこれでもかと続いて
まあ、読んでるこっちまでモヤモヤするのはそうなんですが、
最初予想したほどでもなかったのは、
思うに主人公が一貫して怒りを持ち続けていたからだと思うんです。
くじけて絶望して自分を責めさいなむ方向へ進むと、読者もどんよりしますが、
この物語の主人公の場合はひどい目にあっても、嘆くけど、怒ることをやめない。
で、1巻最後辺りでどんでん返しがあって、何でか盗賊団にさらわれて
恋っぽいものも経験し、団員になって、今度は主人公が
虐げた奴らを虐げ返すだけの暴力を手に入れるわけ。
なわけで、上巻後半から下巻前半の復讐の辺りはたいへん気持ちよかったです文明人らしからぬ
感想でスマン。
しかし、女性をレイプしたアホどものあそこを叩き潰していくくだりは
本当にスッキリしました。ズボンの股が血に濡れて云々みたいな生々しい記述もあったけども。
わたくし、割とハムラビ法典の支持者ですもの。
女性たちが味わった苦痛をそっくりそのまま味わってもらったらいいと思います。
で、下巻では恋人が死んで、警察と司法取引をして刑務所に入ったくだりが
淡々と続いて、出所した辺りでラスト。
しかし、この主人公はものすごい運命の変遷で反撃する力を手に入れたけど
大体の人は泣き寝入りだもんな…。ソレを考えると気が重いです。
まあ、プーランの姉や妹みたいに、いい旦那さんにとついでそのまま幸せになる人もいるんだろうけど。

本自体は読みやすかったです。3日ほどで読み終えました。
貸してくださった同僚の方は主人公が強くて勇気を貰うと仰ってましたが、
ワタシは自分が頑張ろうというよりは、なんか社会について考えてしまいましたよ。
それに、強い、というのかなあ…あれは。単純さはある種の強さではあるとは思うのですが、
人の思慮深さとか折れない強さとかでなく、野生の生命力みたいなのを感じました。
なんというか、よく小説とか少女漫画で出てくる
「落ち込むよりは怒ってる方が生きる力が湧く」とかなんとかいうあの台詞が
ものすごい実感として感じられる本でした。


オオカミと生きる

ヴェルナー フロイント / 白水社

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ヴェルナー・フロイント著『オオカミと生きる』読了。
以前古本屋で購入して積んであったやつ。
読んでみました。
一番の感想を述べます。


おっさん、よっぽどオオカミ好きなんやな…!!!



このドイツ人のおじさん、研究の一環としてだけど、
ドイツ郊外に囲いつくってそこにオオカミの群れを離して、
そこでアルファオオカミとして暮らしてますよ…!!
これが動物行動学の方法なのか!!
イロイロ驚いたけど、まずは、人間がアルファオオカミとして君臨できるもんなんだな、
ということに素直に感心した。
軍隊に入ったこともある腕っ節のある人間なら大丈夫なんだな…
(仲間だと思われてる限り獲物に対するような致命的な攻撃は無いとは言え、
順位争いには容赦なく巻き込まれ、時々取って代わろうとする若手に攻撃されてますよ)
めちゃめちゃオオカミ目線で述べてあるので、へー、と目から鱗の落ちることが多かったです。
当たり前だけど、オオカミの世界もシビアだなあ…。
アルファの雄と雌しか番えないとか、知ってはいましたけど
これってつまり、アルファ以外の雄雌オオカミは
生涯純潔を守ったまま生きていくわけですヨ!!

聖 人 か (C・ローマじいちゃん)

後、順位争いが激しいとかさ。
その順位は体の強弱で無しに、生まれ持った強気さで決まるとか。
(人間もそういうとこあるよな)
描かれているいろんな事が大変興味を持って読めました。
このおっさん、ヨーロッパオオカミの他、シンリンオオカミとホッキョクオオカミの群れの囲いも
観察してるんだけど、野生では人とほとんど触れ合うことの無いホッキョクオオカミが
一番性格的に穏やかでのんびりしてるんですって。
(このことからもヨーロッパオオカミがどれほど人間に迫害されてきたかが知れる)
その部分のホッキョクオオカミの記述でちょっと和みました。
ああ、どうして日本オオカミは滅んでしまったのかしら…


歴史学の名著30 (ちくま新書)

山内 昌之 / 筑摩書房

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山内昌之『歴史学の名著30』読了。
ラインナップにヘロドトスとトゥキディデス(後『ガリア戦記』と『アルファフリー』)
があったから買い求めてみた。
この方のご専門って、イスラム関連じゃなかったかなと思うのですが、
その他の歴史本も沢山お読みになっていらっしゃるのだなあと感嘆いたしました。
(個人的にはもっとイスラミックな書物をバンバン紹介してほしかった、ぜ…)
1冊分を少ないページ数でさらっとまとめていらっしゃって分かりやすかったですよ。
正直言って日本史と中国史にはほかの地域ほどの情熱は湧かないけど、
それでもちょっと『漢書』とか読んでみたくなりました。読まないけど。
ああ、後、ブルクハルトのイタリア関連の本も読んでみたい。こっちはいつか。


月光亭事件 (創元推理文庫)

太田 忠司 / 東京創元社

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太田忠志著『月光亭事件』読了。
シリーズ5冊を古本屋で大人買いしてみました。
とりあえず、その1巻目。

語り手の職業探偵が40代のおっさんなのにちょっと忍耐が足りなくて若干苛々しましたが、
(ちょっと馬鹿にされたくらいでいちいち反応せずにスルーしてください)
探偵役(トリック解決役)が12歳くらいの小学生と目新しく、
これまた素直なやさしい子なので、その点はポイント高かったです。

全体的な雰囲気としては、ちょっと昔のオーソドックスな推理もの、といった感じ。
探偵、豪邸、密室殺人、と三拍子揃った古き良き時代の推理小説です。
最近の新本格とか期待して読んだらあかんよ。
でも様式に則った古き良き推理物が好きな人には良いかも。
今のところ可もなく不可もなく名感じなので、続きも読んでみるつもり。


幻竜苑事件 (創元推理文庫)

太田 忠司 / 東京創元社

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『幻竜苑事件』読了。
のっけに、語り手のおっさんが、小さい女の子相手に大人げない態度に出たので(またかよ!)、
おっさん!ええ加減にさらさんかい、ちいちゃい男やのう!
と思ってたんですが、後でその女の子にちゃんと謝ってたのでよしとする。
探偵役の俊介くんのかわいらしさは相変わらずです。
この子、清々しいわぁ…・


夜叉沼事件 (創元推理文庫)

太田 忠司 / 東京創元社

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『夜叉沼事件』読了。
登場人物にすっかり馴染んだ3冊目。
おっさんのお堅い性格にも慣れてきて、なんとなくこうでないと物足りなくなってきました。
三○先生みたいな人だと思えばいいのよね。
1日で読み終えてしまいました。
真相にはわりと早目に気づいたことだけが自慢です。


玄武塔事件 (創元推理文庫)

太田 忠司 / 東京創元社

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『玄武塔事件』読了。
これまた1日で読み終える。
今度はメンバーの一人、喫茶店ウェイトレスのアキちゃんが
友人二人と海辺の村へバカンスに行って巻き込まれた
旧家の確執と古びた屋敷と殺人事件。
嵐が起こって交通手段がたたれ、村が陸の孤島と化すのもテンプレートどおりです。
今回は、脇役たちの恋模様が気になって仕方ありませんでした。


天霧家事件 (創元推理文庫)

太田 忠司 / 東京創元社

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『天霧家事件』読了。
なんと、探偵役の俊介君が、夏休みのサマーキャンプに行っててほぼ出てきません。
なので、サポート役の野上さんが一人で事件を受けて、一人で解決する、という異色作。
野上さん、ひとりでも出来るやん!と思った一作でした。
ハードボイルドタッチで意外と面白かった。


深淵のガランス (文春文庫)

北森 鴻 / 文藝春秋

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北森鴻著『深淵のガランス』読み中。
友達に貸してもらったので。
語り口調が固すぎてかっこつけすぎてて息苦しくなりそうな感じです。
裏社会の人ばっかり出てくるしさ、
いや、ワタシが著者の美学の猛プッシュについていけないのよね
つまりそれは自分もその傾向があるからで、要するに同族嫌悪、
お前も(方向性は違えど)かっこつけすぎとるからじゃと。
自業自得なのであります。ほんと、気をつけよう。
これをさらっと読める友人は心のきれいな人なのですよ。
まあ、とにかく読んでてものすごいしんどい…。
でも、絵画修復の手順とか事件とかは面白いです。
今、短編3篇のうち2篇目が終わりそうな当たり。
たぶん、登場人物に慣れてきたら楽になると思うので、
ワタシ、がんばります!(後一冊借りてるのです)



以下、映画
ネタバレはしてないと思うけど、まだ放映中なので畳んでおきます。
 

『るろうに剣心』感想
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by mi-narai | 2012-09-30 15:19 | 2012年8月の読書

『ミレニアム3』 『はじめての民俗学』 『アーティスト』 『ヒューゴの不思議な発明』

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

スティーグ・ラーソン / 早川書房

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『ミレニアム3 狂卓の騎士(上)』読み始める。
とんでもない2巻のラストからの続き。
続き、といっても、やはり2巻のメインテーマだった事件は一応ケリが着いており、
3巻はまた目先を変えた展開になりそうな予感です。
最初の辺りはリスベットがほぼ動けなかったり、
新登場人物の紹介があったり、相変わらずのスロースタートですが、
今回は思いがけない展開が割と早目に起こって、ちょっとびっくりさせられます。
上巻の最後の辺りの今現在は、リスベットがいつもよりはひどい目に遭ってない感じなので、
このままあまり不幸に出会わずに下巻を乗り切って欲しいと、もう、願いはそれだけです。
ちなみに3巻上下はスパイ大作戦な感じ。
シリーズ通じて、出てくる男性は半分は普通の善人だけど、半分はろくでなしのカスです。
そんなアホは早急に滅ぶべき。
登場女性は大体が個性的で素敵な方ばかりなんですけどねえ。
アホどもが3巻の下巻の最後でちゃんとギャフンと言ってくれたらいいなあ。


ミレニアム3  眠れる女と狂卓の騎士(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

スティーグ・ラーソン / 早川書房

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『ミレニアム3 狂卓の騎士(下)』読了。
今回も一気読みしてしまいました。
今更言うまでもないことを言っても良いでしょうか。

面白かったです!

1巻が古典的本格ミステリー調だったのに対し、
2巻は警察小説、3巻はスパイ大作戦でもって法廷もの。
2巻はハラハラしながら読んで、
3巻はワクワクしながら読みました!

3巻で2巻からひっぱってきた事件はきれいに片がついたんだけど、
主人公二人の関係とか、リスベットの成長とか、
これからまだまだ発展しそうだったのに、
本当に、本気で、作者の急死が悔やまれます。
続き読みたかったよー!!


はじめての民俗学: 怖さはどこからくるのか (ちくま学芸文庫)

宮田 登 / 筑摩書房

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宮田登著『はじめての民俗学 怖さはどこからくるのか』読了。
まずは、日本の民俗学がどのように発展してきたかという、流れからスタート。
定石どおりです。
で、柳田國男が『遠野物語』を書いたのは明治時代だったと知ってちょっとびっくりしました。
よくよく考えたら、そのくらいの時期の方が民間伝承もたくさん残ってただろうし、
作者の生年月日から言っても全くおかしくは無いんだけども、
未だに『遠野物語』って各出版社が夏になったらやり始める
販売促進イベントの一環としての夏向けの読書用文庫100冊とかのラインナップに入ってるからさ。
そんなに古いイメージが無かったんですよね。

続いて、田舎の伝承から都市伝説まで、主に怖い話中心に語られてました。
口裂け女とか、久しぶりに聞いたわ~!

最後のあたりで、新来の神が伝播する時には、歌舞音曲が伴う事が多い、
みたいに書いてあって、もちろんそれは日本の明治ごろの流行神に関する叙述だったのですが、
それを聞いて真っ先に連想したのは

ディオニュソス

でした。
そういやローマ時代のキュベレーとかイシスとかも楽器かき鳴らして伝道してたんだっけか??
うろ覚え。
新しく入った神がそんな感じに派手派手しいのはいつの時代もどの土地でも
似たようなもんなのかしら、と思いました。



映画

見てない方にはネタバレになるかしら、とも思ったんですが、
結末が分かって駄目な類いの映画でもないし、一般上映も大分前だしで、
もう、畳まない事にしました。
でも、ちょっとだけ下げとくなー。














久々に映画に行ってきました。
『アーティスト』と『ヒューゴの不思議な発明』の二本立て。
この映画館に来たの、前回の『ジェイン・オースティン』と『ある晴れた日に』の二本立て以来です。
この映画館安いんだけど、必ず二本立てだからどちらも見たいってのに
なかなか当たんないんだよな~。
しかも、おじちゃん(多分経営者)の趣味でチョイス&カップリングされてるからしっとり系が多いしね。
(ちなみに次回のラインナップは『おとなのけんか』と『ヘルプ』。
これもちょっと面白そうではあるんだけど。)


『アーティスト』
結論から申しますと、

ジャン・デュジャルダンの笑顔にノックアウトされました。

この人、写真だけ見たら、別にさほどハンサムでもないし、
ふっつーーーーの顔なんです。
でも、笑顔が超好みだったの!
まず、ちょっと可笑しそうな顔になって、
その後、楽しくてたまらないみたいに、顔中に笑顔が広がるんだけど、
それが本心からだと観客に信じさせるような、
見てる方まで楽しくなりそうな笑顔なんですよ。
(例えば、K川景子さんとか、ああいう顔なんだろうけど笑顔が作り笑いにしか
見えない人っているじゃないですか。そういうのと真逆なんです。
スポーツ選手が、力を出し切って勝ったときの、
体の中から喜びがあふれ出た!!みたいな笑顔なの。)
役柄も、大御所のサイレント役者のはずなのに、茶目っ気があってカワユらしい。
後半に入ると大分落ちぶれるんですが、不遇な境遇にあってもどこかお育ちの良さを感じさせる
坊ちゃんキャラで、そのキャラクター設定も意外とツボでした。
相手役のぺピー(役名)がまた可愛いの!
元気で陽気で善良で、投げキッスは全速力!
二人のカワユらしさにハァハァしながら見たので個人的にはとても楽しかったんだけど、
他の人がどう思うかにはまったく確信が持てません(キッパリ)。

サイレントだからそんなに複雑な筋は立てられないし、色々と制約があるんだけど、
その制約があるからこそ為し得ている表現などが大変鮮やかで
おお、こういうのならサイレントもいいなあ、などと思いました。
しぐさとか、視線一つでその人物の感情がこうも表現できるものかと感心したヨ。
後、サイレント役者が落ちぶれる一方、彼が目をかけた若手女優が
トーキー役者として駆け上る、というあらすじから
ド・暗い展開を想像してたら、そこまででもなかった。
(確かに後半、これでもか、というくらい落ちぶれるけどね。)
キュートな映画でした。

しかし、見てる間はすっかり忘れてたけど、これってフランス映画なんだよな。
うむむ、そんなにフランス映画見慣れてるわけじゃないけど、
大体見た映画には毒があって、あるいはけっこうコテコテで、
好き嫌いが分かれそうな感じだったんだけど、
これはいい意味で古き良き時代のハリウッド映画って感じだった。
なんか、そのあたりもよくよく考えるとすごいなと思いました。



『ヒューゴと不思議な発明』
時計塔に住んでる少年がオートマータの秘密をめぐって冒険する、
みたいなあらすじを読んで、ファンタジーかと勝手に思っていたら
そうではなかった。
普通に古き良き時代の話だった。
時代的には、『アーティスト』のちょっと前のサイレント中興時代かな。
途中中だるみしたように感じたし、
このシーンはもっと巻いていかれへんもんかとも思ったし、
しかも予想と違う方向へどんどん突っ走っていき始めたので、
どうしようかと思ってましたが、

最後は老人が報われたので良かった(なにその結論)。

わたしは善良な老人の味方です。ええ。
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by mi-narai | 2012-09-08 23:27 | 2012年8月の読書

『世界神話事典 創世神話と英雄伝説』 『ミレニアム』 『イブン・バットゥータの世界大旅行』

世界神話事典 創世神話と英雄伝説 (角川ソフィア文庫)

角川学芸出版

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『世界神話事典 創世神話と英雄伝説』読了。
読み始めてから気づきましたが、『世界の神々の誕生』よりこっちの方が先なんですね。
序文が載ってた…。
『世界の神々』の方は、神話を地域別にまとめたもの、という感じでしたが、
こちらの『創世神話』の方は、神話をテーマ別にまとめたもの、といった体でした。
これまた色々と興味深かった。
異類婚とか、異界への旅とか、どうだ!面白そうだろう!!
でも、一番印象に残ったのが愛媛県の由来だったり…。
(『古事記』に伊予の国の別名はエヒメという女神だ、てなことが
書いてあるらしくて(ちなみに、四国それぞれに、女神と男神がいる。)
ああ、廃藩置県で愛媛って県名つける時ここから取ったのか!という驚きと、
『古事記』の昔から四国は四国だったのだな!!!という驚愕と
二重にびっくりしましたよ。すごい、歴史の古い土地なんだなあ…)

歴史が古いといえば、某N○Kの『大英博物館』のドキュメンタリーシリーズの3作目、日本の古墳の回、
エジプトとか、ギリシャとか、軒並み昔の建築物が、遺物扱いなのに、
日本の古墳は宮内庁のお達しで立ち入り禁止とか、

未だに墓扱い、だと…!?

と改めて驚愕しました。そりゃものはピラミッドほど古くはないけど、
その代わり、日本の場合断絶せずにずーーーーーーーっと歴史が繋がってんだなと、
震撼した。これまでなんとも思わなかったけど、ちょっとすごいな…!!


ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

スティーグ・ラーソン / 早川書房

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『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(上)』読了。
北欧、暴力がひどすぎる…!

いきなりすみません。
いや、前回読んだカミラ・レックバリの『氷姫』もDVとか性犯罪とか
出てきてた気がしたので…。
これだけ見たら北欧の男はみんなろくでなしみたいに思えてしまうけど
多分、多かれ少なかれアホたれはどこにでもいるんですよね。きっと。
あと、前回のスウェーデンミステリーでも思ったけれど、
北欧の人、激しいな(エロ方面が)と思いました。
いくつになっても女性が求められるのはある意味素晴らしいのかもしれんな。

シモい話はさておいて、内容の方ですが、
肝心の、横溝ばりの、“古い一族の確執、孤島の殺人、因習”みたいな本題に入るのが
1巻目の半分を過ぎた頃なので、そこに行き着くまでがなかなか大変ですが、
ミカエルとリスベットという主人公二人が出会ってからは加速度的に面白かった。
この勢いのまま下巻に突入したいと思います。


ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

スティーグ・ラーソン / 早川書房

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『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(下)』読了。
相も変わらず、ところどころに暴力描写が。
(こんどは男の人もひどい目に!!)
けど、読みながら、単純に北欧の暴力がひどいのかというとそうでもなく
(男女間の体格差は大きそうですが)、
それに触れてもいい社会的なバックボーンがあるからこそ
おおっぴらに問題として取り上げる、という側面もあるのかな、などと思ったり。

しかし、これだけ途中目を覆いたくなるような犯罪が挟まれるのに、
下巻を最後まで読むと、意外にも清清しい読後感だったり。びっくりです。

面白かった!

ワタシ、すっかりリスベットのファンになってしまいました。
彼女は泣き寝入りしませんよ!!やったれ!!!

とりあえず、1の最後で2に続いていきそうなネタは仕込まれてますが、
1巻の最大の謎であった事件はきれいに解決するので、
文庫6巻一気に読むのは辛いという方はとりあえず1巻上下を読んでみてください。
原題は『女を憎む男たち』らしいので、覚悟を決めて読むべし。
途中の描写にくじけずに、最後まで頑張れ!

ワタクシ自身はというと、口直しに軽めの他の本を読んで、
その後おもむろに2巻に取り掛かろうと思います。



高田崇著『カンナ』読了。
友達が貸してくれたので。
他シリーズの『QED』は、探偵役のたたるさんが鼻についてたので、
今回のちょっととぼけた感じの主人公は意外といいかも。
でも、相変わらず歴史部分は面白いけど、ファンタジーなので、
読んでもまるまま信じないようにね!


イブン・バットゥータの世界大旅行―14世紀イスラームの時空を生きる (平凡社新書)

家島 彦一 / 平凡社

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家島 彦一『イブン・バットゥータの世界大旅行―14世紀イスラームの時空を生きる』
こないだジュバイルの旅行記を読んだので、その流れて本書も読み進み中。
おおお、なかなか面白いですよ!!
イブン・バットゥータの『三大陸周遊記』を訳した方が、
紙面がなくて説明できなかったあれこれを、その時代背景からなにから丁寧に説明した副読本のようなもの。
当時の汎イスラム的な広域のネットワークがおぼろげに分かり、わくわくします。
ホント、この時代のイスラム世界って、かっこいいよなあ…。
とりあえず、続きを読みます!


数日後、読了。
面白かった。いやはや。
マルコ・ポーロの東方見聞録と同じで、本人が帰ってきてから思い出を頼りに
口述筆記で書かせたものなので、若干記憶のあやふやな部分(推定)とか、
話を膨らませて面白おかしく語ってるとことかあるけども
(特に、東南アジア以東が怪しい。ほら話的な様相を呈してる)、
逆に、記憶だけでようもここまで正確に覚えてたな、という部分もあり、
本気でイブン・バットゥータの『三大陸周遊記』(本編の方)が読みたくなりました。
ちなみに、前回読んだイブン・ジュバイルの旅行記の方は、
旅日記をつけてたから記述が細かで正確っぽい。
バットゥータさんも、最初は日記つけてたらしいんだけど、途中何度も
盗賊に襲われたり嵐にあって九死に一生をえたりしてるうちに、
手荷物も何もかも失っちゃったらしい。
その状態でも、旅が続けられるあたりが、当時のイスラム・旅行ネットワークのすごいところです。


イタリア使節の幕末見聞記 (講談社学術文庫)

V.F. アルミニヨン / 講談社

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V・F・アルミニヨン著『イタリア使節の幕末見聞記』読み進み中。
古本屋で100円ほどで売っていたもの。
ロシア人とか、イギリス人の幕末見聞記は良く名前を聞くけど

「えっ、イタリア人!?」

とびっくりしたので買ってみました。
幕末、めちゃくちゃ商業販路拡大目的で日本政府と条約結びに来たイタリア公使の旅日記。
当時のイタリアってヴィットーリオ・エマヌエーレの治世だったのね。
名前に聞き覚えあるよー!!確かこの頃ようやっと全国統一できたのよね、イタリアって。
そのせいか、他の植民地支配を目論む西洋諸国と比べて
日本&日本人に比較的同情的です。西欧至上主義思想には毒されてるけどな。
このアルミニヨンさん、公使である前に、エンデミオン号の艦長で、
艦長好きのわたしには二度美味しい仕様です。
上からの通達で作戦行動とったり、補給したり、上陸したがる船員たちを押し留めたり、
なんか、どこの艦長も似たようなシステムで似たような苦労もって動いてるんだなあと。
今、横浜から江戸に行ったとこ。
確か、フランスが幕府側に近くて、イギリス側は倒幕藩と連絡とってるんですよね。
ちょうどそんなわけでアルミニヨンさんが横浜に着いたとき、イギリス公使パークスは
長崎方面に行ってて留守でした。(そのことは幕府の不況を買ってる)
アルミニヨンさんはもっぱらフランス公使に頼ってますよ。
ちなみにこの時期日本にはアメリカ公使とオランダ公使も居たみたいですね。
この二国って幕末のドラマなどではあまりスポットが当たらないので、
ちょっと言及されてるのが新鮮でした。

日本人については、
アルミニヨンさんの対応に当たったお役人たちは、割と頑張ってる。
庶民については、勤勉で大多数の人は貧乏そうだけどお互いに助け合ってるから
なんか、他の国の貧困層みたいな悲惨な感じはせず、幸せそう、みたいに書いてある。
しかし、衣服をめったに洗わないから不潔、というのは、

イタリア人にはいわれたくねーよ。

後、外国人相手の商人が、値段ふっかけて、結局半額くらいい売り逃げる、みたいに
書いてあって、昔は日本もそんなんだったのか、と、ちょっと驚きました。



数日後、読了。
最後の辺りは西欧至上主義キリスト教絶対視丸出しの物言いが目立って若干腹が立ちましたが、
全体的に、日本見聞記と海軍日記を混ぜたみたいな感じで面白かったです。
日本が幕府による長州攻めとか色々やってた裏側で、
イタリアはイタリアで隣国のオーストリアVSプロイセンの戦争が勃発しそうな欧州情勢に
ハラハラしてたみたいですね。
極東で勢力が強いのはイギリスとフランスで、
オランダ、イタリア、アメリカの傍観っぷりがパねぇ…(ゴクリ)
当事者より、ちょっと脇から眺めてる、位のスタンスが好きなので、
そういう意味でも面白い読み物でした!


ミレニアム2 火と戯れる女 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

スティーグ・ラーソン / 早川書房

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『ミレニアム2 火と戯れる女(上)』読み始める。
序盤は、前作の1年後のそれぞれの状況なんかが語られて、スロースタートな感じなんですが、
1巻の真ん中過ぎた辺りで急展開があってハラハラして目が離せなくなり、
一気に読み終わってしまいました。
うう、読んでて悪い予感で胸が痛くなるなんて久しぶりです。
多分、読みながらものすごい形相してたろうなあ…。

次ィ!


ミレニアム2 火と戯れる女(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

スティーグ・ラーソン / 早川書房

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『ミレニアム2 火と戯れる女(下)』
あっという間に読了。
1巻から出てくる、ファステという刑事がもうウザくてたまらん。
このセクハラ親父めが、あー、もう、イーっっってなるわ!!!

それはさておき、上巻の真中辺りから始まったハラハラ展開が
そのまんまのイキオイでもって持続、ずーっとハラハラしどおしです。

読むのをやめられない…(ガクブル)

ものすごいスピードで謎は解け、話は超ド級で展開し、あれよあれよという間に驚愕のラストへ。

これで、すぐに『ミレニアム3』を読むこと確定です。
(つづきーー!!!!ってとこで終わってたの)

ところでこの作者自身にも色々逸話があるみたいですね。
そのうち最大のものが、5部まで考えてたけど、3部書いたところで急死したということ。
(当然、この本がこんなに売れた事も知らない)
続きがあったなんて!!
読みたかったなあ!!!!
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by mi-narai | 2012-08-15 20:18 | 2012年8月の読書