カテゴリ:2012年6月の読書( 3 )

『聖徳太子の密使』 『世界神話事典 世界の神々の誕生』 『イブン・ジュバイルの旅行記』

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こないだ生田神社で酒の試飲会があったので行って来ました。
小さなプラスチックコップ1杯100円。
まあ、大体一瓶2800円前後の酒を振舞ってくれてたので、
コップ1杯50mlだとして、180円ちょい…と思うと、割とお得かな。
(値段換算するのやめなさいよ、ほんと)
いろんな味が楽しめますし、楽しかったですよ。


聖徳太子の密使 (新潮文庫)

平岩 弓枝 / 新潮社

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平岩弓枝『聖徳太子の密使』読了。
軽い話が読みたかったのと、こないだ読んだ『平安妖異伝』が意外と面白かったので。
『平安』よりさらに御伽噺風です。
あんまり昔過ぎて詳しい風俗が残ってないせいかもしれませんが
記述がごくごくあっさり風味。
聖徳太子の娘が大和のために見聞を広げに旅に出、
行く先々で怪異にあってはそれを解決し、
とうとうエジプトまで行き着くという、
びっくりファンタジーです。
そんなに登場人物の感情描写もなく、クライマックスもさらっと流れるんだけど、
それが却って童話読んでるみたいで、けっこう楽しかったかな。
絶対主人公たちがひどい目にはあわないと予感させる
予定調和みたいなのもあって安心して読めましたし。
ものすごい感動とかはありませんが。


世界神話事典 世界の神々の誕生 (角川ソフィア文庫)

角川学芸出版

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『世界神話事典 世界の神々の誕生』読んでます。
なんと、事典なのに文庫というリーズナブルさ。
ありがとう、角川!普段めったに買わないけど!
よくあるなんちゃって神話本と違って、編者に
大林先生や、吉田先生、松村先生などが名を連ねるちゃんとした本。
とはいえ、網羅的に集めてあるので、さすがにひとつの地域に
そこまで詳細な記述は求められないんですが。
でも、普段めったに目にしない、中央アジア、北東アジア、オセアニア、
北アメリカ、アフリカ、なんかの神話も載せてあるのは嬉しいところです。
後、その地域の神話全体を概観した上での特色とか、その地域の神話学の
現状とか、ちょこちょこ入れてあるのも楽しい。

最初から順調に読み進んで、今メソアメリカの神話を読み中なんですが、
なんか、いろんな地域の神話を読みすぎてごっちゃになってきた(笑
でも、その地域の自然環境とやっぱり神話ってリンクしてるもんなのだな
とは思いました。面白いなあ。
今のところ、中央アジアの冥神エルリクがお気に入りかも。
あかん、言われてるのに、しつこくしつこく悪いことするの。この神様。
This is THE 悪神。

数日後、読了。
アフリカ神話で締め。
どこも大体大地が母神で天空は男性なので、エジプトは変わってるなあと思ってたんですが、
オシリスが植物神で大女神イシスの配偶神なのだとしたら
(⇒定型の大地母神はこっちなのかしら)
…まあ、そんなもんなのかもしれん、などと思い直しました。

次、英雄神話編をそのうち読む予定。


イブン・ジュバイルの旅行記 (講談社学術文庫)

イブン・ジュバイル / 講談社

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『イブン・ジュバイルの旅行記』を読み中。
12世紀のイベリア半島(今のスペインがあるとこ)はグラナダに住んでた
イスラム教徒イブン・ジュバイルが、
ひょんなことからメッカ巡礼に行くことになったんだけど、その日々の記述が本書。
こいつ、筆まめですよ。
もともと興味のある時代ではあったのですが、今回急遽読むことにしたのは
別件というかなんというか(ムニャムニャ)。

今、グラナダ
⇒セウタ
⇒カイロ
⇒ナイル川をさかのぼって、砂漠を突っ切り、紅海を横断し、メッカ(滞在8ヶ月)
⇒メディナ
⇒巡礼路をたどってそろそろバグダード、
という部分に差し掛かってます。
さすがに、メッカの微に入り細をうがった記述にはほとほと疲れて
大分飛ばしましたけども、道中のあれこれなんかはなかなか楽しいです。
読んでて思ったのですが、この時代のイスラム世界ってのは、ホント、先進国だったんだなあ。
当時のムスリムが、イスラム世界が先進地域過ぎて、
“イスラム世界とそれ以外(興味なし)”、と思ってたのも納得です。
個人がスペインからエジプトに入って紅海渡って、アラビア半島横切って、
チグリス遡って、ぐるっと回って地中海東岸南下して、
ジェノバ人の船でスペインに帰りつくなんて、
この時代、他の地域じゃ出来そうに無いよなあ…
(この頃ヨーロッパはまだまだ未開の地だしな。
当時の中国だったら出来たかもしれん。
日本は鎌倉時代が始まるか始まらんかくらいの頃なので、多分無理)
おまけにこの時代、あの!稀代の男前!サラーフ・アッディーン
エジプトを治めてた時代なんですよね。
イブン・ジュバイルもべた褒めですよ。
余程しっかりした人だったんだな。
この後モンゴルの襲来があって、一時混乱、その後オスマン帝国が席巻する予定であることを思うと、
なんか諸行無常を感じてしまいます。


数日後、読了。
日記の最後の辺りは、当時十字軍に占領されてた地中海東岸を通るので
フランク人(西ヨーロッパの人間をざっくりこう呼んでいた。
ちなみにビザンツなど東ヨーロッパの人間は“ルーム人”らしい)
に関する記述も多かったのですが、
定例句のようにフランク人の町は不潔で臭い、という叙述があれば
(当時イスラム世界にはどこの町にも沢山の風呂があったみたいだし、
そら一般キリスト教徒よりよっぽど清潔だったろうよ)
フランク人の領主の方が地元のムスリム領主より公平に土地を治めてる
という記述もあり、なかなか面白いです。
十字軍中なので上の方の騎士や兵士たちはどんぱちやってたけど、
一般ムスリム&キリスト教徒は意外にもさほど障害もなく行き来してたみたいだし。
(キリスト教徒圏ではムスリムが通行料を支払い、
イスラム圏ではキリスト教徒が通行料を支払ってそれで良かった)

後、よく知っている地名のアラビア語読みが思いのほか素敵で
それも楽しかったです。


椿姫 (新潮文庫)

デュマ・フィス / 新潮社

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デュマ・フィス『椿姫』
職場の同僚の人が貸してくれたので読み始めました。
あの有名な椿姫。

椿姫なんて、ガラかめ1巻で、マヤちゃんがどうしても行きたかった
舞台のチケットが椿姫だった、くらいの知識しかないですよ!!

読み始めると、いきなり椿姫、死んでた。
死んだ彼女の遺品の競売に、主人公が赴いたところから始まって、
そこから芋づる式に彼女の生前のことを知っていくという、
遡り形式です。なかなか面白そう。
舞台は1800年代後半で、なんか、なじみがある、と思ったら
よく読むロマンス小説と時代がかぶってるからでした。
要らん知識ばっかり増えていきますよ…
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by mi-narai | 2012-07-01 13:50 | 2012年6月の読書

『マヤ文明』 『だれのための仕事』

マヤ文明――密林に栄えた石器文化 (岩波新書)

青山 和夫 / 岩波書店

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『マヤ文明』
最近岩波から出た本なので最新情報に近いものが載っているのではないかと
期待して読み進んでます。
新書なので網羅的には書いてませんが(そこまでの紙面が無い)
興味のあるような部分を拾いつつマヤのざっくりした歴史も分かるという
なかなかおいしいつくりになってます。
最近はマヤ文字も大分解読されて、各都市の王朝史なんかもかなり詳しく分かるんですってね。
パカル王とか、カウィール王とか、アステカと微妙に音が違うけどマヤ諸語の音も面白いなあ。
後、マヤでは言うほど生贄儀式は無かったみたいで、ちょっとほっとしました。
王族の放血儀礼はあるけどな。
今、当時の庶民の生活についてのページを読み進み中です。
とうもろこし料理ってなかなか美味しそうですヨ!


翌日読了。
面白かったですよ。
マヤ文明の、他と同じ部分より違う部分の方がクローズアップされてる感はありますけども。
農業革命はなく、大型獣もおらず、車輪の原理はあるものの実用化は無く、
全ての仕事は人力で行われ、
交通の便が悪いから食料なんかの重いものの長距離交易もなく、
戦士の下に商人・職人集団がいたわけじゃなくて
貴族や王族が手工業も学者業もこなし、
…どうです。これだけ羅列しただけでも興味を惹かれるでしょう!?
わくわくしながら読み終えた一冊でした。
これは全く血なまぐさくなかったですよ!


だれのための仕事――労働vs余暇を超えて (講談社学術文庫)

鷲田 清一 / 講談社

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鷲田清一『だれのための仕事』
積読本の一番上にあったので、何の気なしに読み始めました。
一応言い訳いたしますとですね、
自分の立ち位置や世間で常識と思われているものについて、
疑ってみるのって、わたし、個人的に好きなんです。
そうすることによって世界が広がるとか、哲学的な深遠なる興味とか

そんな立派な理由では 全 く な く 、

単に違った目で日常を眺めた時のこれまでと違って見える感じが
ファンタジーっぽくてなんか面白いとか、
そんなくっだらない理由なんですけども。
でも、まだまだワタシは甘かった!甘っちょろい若造でした!!
現代消費社会の枠組みに毒されておったのです!
普段、大体の日本人て、きっちり仕事するのが良いことだと思ってるじゃないですか。
もちろん私も思ってますよ。
余暇にもぼんやり無駄にすごすと罪悪感を感じるとか。
そういった、ごくごく普通の倫理観と思われている諸々を
いっぺん根底から疑ってみよう、と。
そういう今回のキヨちゃんの主旨ですよ。
今回は、読み進みながら、そうやなあ、言われてみればそうやけど、
思いつかなんだー!と、目から鱗だったり敗北感感じたり。
相変わらず、あほなワタシの頭では、一つ一つの文章を理解しながら
読むのは若干骨が折れますが、面白いです。

こういう「資本主義がうまく動くように設定された『常識』」みたいなものを
一体どういうことなのかと突き詰めて考えた人は、これまでにもけっこう
居たみたい。世の中には偉い人がいっぱいです。

欲望に関しても、欲望の対象ではなく、それを欲望する他人がいるからこそ
欲望を感じる、というのは、分かるわあ。
その品物それ自体も欲しいけど、他の人が欲しがってるともっと欲しくなるってことよね。

今、仕事の項を終えて、「遊び」の部分に入りました。
後半分くらいなので、頑張って理解しつつゆっくり読みたいと思います。

翌日、読了。
文章の言いたいことを理解しながら読むのがワタシの残念な頭では甚だ難しく、
数回眠りかけましたが、面白かったですよ!
いつも思うけど、清ちゃんは身の回り・生きてる自分と近いところに着眼点を見つけるよなあ…。


多読

『kidnapped』を返却期限が来て途中で返したので、
今、『Wedding Trap』読み始めました。

…すみません、ロマンス小説です(目をそらし)

いや、ね。読み続けるモチベーションが欲しいと思って、ね…。
2冊既に日本語訳が出てるシリーズの、まだ邦訳されてないスピンオフ。
のっけから良く分からない単語続出で不安も続出ですが、
ちょっと頑張ってみます。



最近「フランス番長」というブログに嵌ってます!
副題が「さらば幻想のフランス」。
もともとフランスにはさして夢など見てなかったのですが、

(おばちゃんの若い頃はな、日本全体が猫も杓子もアメリカ至上主義な感じやったんや…。
せやから、天邪鬼に世間さまと逆向きに欧州プッシュで来てたんやけどな。
途中、古代やらトルコやら東南アジアやらに本気で惚れつつ、
あ、メソアメリカの古代文明については別格やで。
今は、自分の好きな地域以外に目を向けてこなさ過ぎたという反省と、
英国>米国と判定し続けた揺り返しが来て、
『アメリカも言うほど悪くないか』と思ってる最中なんやな。

結論:結局、どこにもいい人も悪い人もいるよな)


その幻想などなきに等しかったわたしをして、
思った以上の衝撃ですよ。

フランス人…!!!(犬の糞は拾ってくれ!!!)

学生時代、中国のことを『怖い!』、と思った時以来のショックでした。
面白かったー!
ちなみに一番ウケタ記事はこれでした。
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by mi-narai | 2012-06-05 23:30 | 2012年6月の読書

『わたしの名は赤』 『王妃マリー・アントワネット』

カテゴリが6月の読書になっていますが、気にしないで下さい。
や、どうせ今月この記事だけだろうと思うから、6月にまた新しいの作るのめんどくさくって(お前…)。


わたしの名は赤〔新訳版〕 (下) (ハヤカワepi文庫)

オルハン パムク / 早川書房

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オルハン・パムク著『わたしの名は赤』読了。
面白かった…。
最後の最後まで犯人が分からなかったよー!
(わたしがアホナダケカ?)
いやしかし、大きな歴史の流れの中での無常観というか、
市井の人々のリアルな生とか生々しい感情も描きつつ
なんだか壮大なものも感じさせるという、
…説明しづらいなあ。
読み終わった後ちょっとぼんやりしてしまうような、世界に引き込まれる話でした。
とはいえ、

トルコ人、濃ゆいけどな!

痛そうな場面もいっぱいあるけどな!!


普通の人って、一貫してずっと同じ感情でいるのかなあ。
どちらかというと、自分は移り気(?)な傾向が強く、すぐにコロコロと気分が変わる方で、
さっきこいつ気に食わんと思ってても、ちょっとした拍子にそうでもないなと思ったり、
かわいそうに思ったすぐ後にいちびっとんのかこいつと腹が立ったり。
絶望した次の瞬間希望を持ったり、悲しくて泣きそうになった次にそんな自分に冷めたり、
…時々自分は大分アホなんじゃろか、どうして一貫した意見をもてんのじゃろう。
情けなく思ってたけど、
パムクの本に出てくる登場人物もそんな感じですよ。
(アホがわたしだけでないと分かってほっとしたよ!)
たぶんこの作者、そういう赤裸々な理想化されてない感情を描くのが上手なんだろうなあ。
なので、余計に登場人物にリアリティがあります。
何人かは実在の人物らしいけど、そんな人々でさえ、
自分が実際に会って人柄も良く知ってる人みたいに思えてきますよ。
最後のお茶目な仕掛けにも注目!
(そういえば、作者、ファーストネームオルハンだったな)


いやしかし。
トルコ、男女のやりとりは制限されてるけど、性に関しては意外とフリーダムだな!
(歴史的にゆるかった日本人の分際で言えることでもないが)


王妃マリー・アントワネット〈上〉 (新潮文庫)

遠藤 周作 / 新潮社

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王妃マリー・アントワネット〈下〉 (新潮文庫)

遠藤 周作 / 新潮社

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井上靖著『王妃マリー・アントワネット』(上)(下)
職場の人が貸してくれたので読み始めました。
日本人が書いたものなのでさすがに読みやすいなあ…。
まだマリーが嫁いだばかりのところ。


数日後、読了。
最初は、マリーがアホ過ぎて、いい加減にしときやと
思いながら読んでましたが、革命が起こって、描写が血腥くなり、
マリーの境遇もどんどん悲惨になり、それにつれ多少は成長もしたので、
さすがに断首のあたりは、ちょっとそこまでしなくても、と思いました。
なかなか面白かったです。


しかし、フェルセンは思ってたよりしぶとい奴だったんだナ…


次、『マヤ文明』を読み始めました。


多読
ケイ・ヘザリの『Kitshen table talk』(レベル4)途中まで読んで返却期限がきて返した。


ブライアン・ポールの『My Humorous Japan』(レベル4)
今度はイギリス人。
ケイさんが、物事の良い面を見てくれる人の良い控えめなテキサス人だったのに比べ、
今度はわりかし辛口のおっさんです。
皮肉たっぷりにユーモア交えて書いてあるエッセイ。
まじめな顔でホントか嘘か分からんようなことをいうスタンスが
なんとなく京t(げっふごふ)…なんでもありません。
しかしまあイギリス人てのは一度はアメリカをくささんと気がすまんのですね。
癇に障らんでもないが、ものすごいシンパシーも感じたりなんかして、
ニヤニヤと、苦笑どっち浮かべればいのやら悩んでしまいました。
(アメリカ人のほうが大してイギリス人を気にかけてなさそうな辺りも、な)
…人の振り見て我が振り直せ、だよね。気をつけよう。ほんと。


スティーブンソンの『Kidnapped』
まったく前知識無いところからスタート。
前書き読むと、スティーブンソンはスコットランド人で、
イギリスへ出てきたもののホームシックを感じてる時に書いた話らしい。
カロデンの戦い(有名な大虐殺ですぜ)なんかもちらっと混じるらしく、
でも大筋は男の子のビルドゥングス・ロマンと、男の友情っぽいので楽しみです。

今、主人公のデビーが、両親に死に別れ、唯一の親戚らしい金持ちの家に
たどり着いたはいいものの、偏屈そうなおっさんしかおらず、
ひょんなきっかけから
「ひょっとして、おっさん、お父さんの財産横取りしてるんじゃ?」
という疑念が主人公の心に芽生えたあたりまで読みました。
おっさんはさすがにあくどく、主人公が疑念を持ったと感じるや、
主人公殺害計画を実行に移そうとしてますよ。
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by mi-narai | 2012-05-26 22:32 | 2012年6月の読書