カテゴリ:2011年6月の読書( 2 )

『ロシアの神話』 『ポンペイ・奇跡の町』 『猫mix幻奇譚とらじ』他

ロシアの神話 (丸善ブックス)

エリザベス ワーナー / 丸善

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エリザベス・ワーナー著『ロシアの神話』読了。
全世界の神話制覇を目論んで。
丸善ブックスのぺらいアレなので、ざっくりしか載ってなく、
興味本位で軽く読んだため、ほっとんど記憶に残っていないという情けなさ。

しかし、戦いと雷の神の名前が ペ ル ー ン て…(カワイイ…)


ポンペイ・奇跡の町―甦る古代ローマ文明 (「知の再発見」双書)

ロベール エティエンヌ / 創元社

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ロベール・エティエンヌ著『ポンペイ・奇跡の町―甦る古代ローマ』さらっと読了。
知の再発見双書シリーズなので、写真、イラストが多くてこれまたあっさり読み終わりました。
ポンペイの町中の復元模写図、線が繊細で見てて楽しかったですヨ~。

で、とりあえず知りたかったのは以下の来歴。ポンペイを支配したのは

オスク人→ギリシア人→エトルリア人→ギリシア人→サムニウム人(オスク語)→ローマ

の順らしい。エトルリアが途中入ったけど、思ってたより影響は少なかったみたいですね。
オスク系の町。
でもって植物系の神々が力もってたっぽい。


海のフェニキア人 (1977年) (ライフ人類100万年)

メートランド・A.エディー / タイムライフブックス

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メートランド・A.エディー著『海のフェニキア人』
よんでもよんでもあたまにはいらない…
フェニキア、と銘打ってある割に、古代地中海の民族史が書いてある感じの本。
フェニキア部分は少なかったような気が。
ていうか、他の民族の記述に現れるフェニキアを丹念に追ってある感じの本。でした。


『ノスタルジアの考古学』
ちくしょう、また返却期限がきちまったぜ!!
当時のギリシア人が信仰や神話をどう考えていたのかを考察する面白い内容なのに
どうしていつもいつも途中で返す羽目に…(※早く読まないからです。)
マンモスの骨を人間ぽく並べたら巨人に見えるよね~、と著者に言われて、
確かにそうだな、と思いました。
後、アキレウスと黒海のあたりになんか繋がりがあったっぽい。


多読
『The African Queen』(レベル4)
2月ほどかけてたらったら読みました。
ホーンブロワーの作者、セシル・スコット・フォレスターさん原作の異色の海洋(?)冒険小説、
一部ロマンスあり。
だらだら読んだけど、話の内容はものすごく面白かったのです!
第2次世界大戦時のアフリカ、宣教師の兄についてとある村で暮らしてたイギリス女性が主人公です。
大戦が勃発して、村がドイツに占領され、村人がドイツ人に徴兵され、それがショックで兄が死に、
かよわい女性のみでぽんとアフリカに取り残されたところからスタート。
気の毒に思って「そこまで船で乗せていこうか?」と申し出た気のいい運搬業者のおっさんを巻き込んで
この女性がその船をなかば乗っ取って、川を下ってドイツ軍の戦艦の浮かぶ湖に辿り付き、
お手製の魚雷をおっさんに作らせ、一矢報いてやる、と奮闘する話でした。途中ヒルも出ます。

いやー、この女がすごいの何の。
巻き込まれ型のおっさんが好対照に気が弱くて、なんかいい感じのカップルでした。
(途中でガッツリ、メイクラブもありましたよ☆)
でもって、わたしが一番燃えたのは物語終盤のイギリス人海軍将校が出てくるくだり。
それまでの冒険活劇からいきなり雰囲気が軍隊モノに。
やっぱこの人は英国海軍書かせたらぴか一ですヨ!アイ、サー!


……しかし、主人公のドイツ嫌いが半端なくてビビりました。
当時のイギリス人てみんなこんなんだったんかしら。


漫画

猫mix幻奇譚とらじ 1 (フラワーコミックス)

田村 由美 / 小学館

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『猫mix幻奇譚とらじ』1~4巻まで。
古本屋で衝動買いしたんですが、思いのほか面白くて!
主人公のパイ・ヤンがお堅いのがまずイイ。
(普段主人公には目が向かないけど、彼は面白い)
奥さんに逃げられ、子供は攫われ、という結構深刻な状況なのに、
猫のとらじとコンビニなると、ほんわかコメディチックになるのもいい。
(真面目なパイ・ヤンは、猫のとらじの習性にいちいち本気でビックリするのです)
ねずみが人を食べるとか、人化した動物『mix』とか、設定が面白い。
その中で展開する人間ドラマも意外と深い。
教授や伯爵(犬)、シャルル(猫)やペロ(犬)など脇役がいい。
…などなど色んな理由で、ワタクシの心のお気に入り入りした作品です。
とりあえず、続きを待ちます(1年に1冊くらいしか出ないの)。


ドラマ

ライ・トゥ・ミー 嘘の瞬間 DVDコレクターズBOX

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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『Lie to me』
主演のティム・ロスが好きなので見てます。
人の浮かべる微表情を目ざとく拾い、嘘を見抜く、心理捜査のプロ達のチームが、
色々な事件時に召集されて現場に行って、相手の嘘を見抜くことで事件を解決に導くドラマ。アメリカ産。
面白いよ!
でもって、ティム・ロスは相変わらず芸達者だなあ…。


映画

オーケストラ! スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]

Happinet(SB)(D)

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『オーケストラ!』
前からちょっと気になってた映画がTSUTA●Aにあったので。
あらすじ(めんどうなので密林さんから抜粋)
劇場清掃員として働くさえない中年男アンドレイ・フィリポフ(アレクセイ・グシュコブ)は、かつてはロシア・ボリショイ交響楽団で主席を務めた天才指揮者だった。彼は、共産主義時代、“ユダヤ主義者と人民の敵”と称されたユダヤ系の演奏家たち全員の排斥を拒絶し、名声の絶頂期に解雇されたのだった。
ある日、清掃中にアンドレイは、1枚のFAXを目にする。それは、演奏を取りやめたサンフランシスコ交響楽団の代わりに、パリのプレイエルに出演するオーケストラを2週間以内に見つけたいという内容だった。その瞬間、彼は、かつての仲間を集めて偽のオーケストラを結成、ボリショイ交響楽団代表としてパリに乗り込むことを思いつく。

結論から言うと、面白かった。
いや~、しかし、ロシア人、すげえな。
相手先をだまくらかして、かつての劇団員総揃えでパリに行ったまではいいものの、
いきなりそこで思い思い勝手にパリの町に散る劇団員。
ある者は商売を始め、ある者はかつての知り合いを尋ね…
その日の夕食にも、翌日のリハーサルにも誰一人として戻ってこない劇団員。

マイペースっぷりにビックリした。日本人ならありえない…。(多分、半分くらいは戻ってくる)

物語はこんな力技を加えつつも、人間ドラマあり、最後は音楽の素晴らしさとそれの起こす奇跡で感動のうちに締め。
ロシアの世情やフランスとロシアの関係、色々背景に盛り込まれてますが、
やはり中心は音楽、でしょうか。ロシア人とチャイコフスキー。
ビックリしたことばかり言いましたが(ユダヤ人の逞しさも凄かった)、概ね好きです、この映画。
これって、基本フランス映画なのね(フランス、ロシア、ベルギー、ルーマニアの合作らしい)。
最近フランス映画が好きになってきました。


そうそう、『パイレーツ・オブ・カリビアン』も見に行ったのでした。
いつもの職場のアホ映画友達と。
もともと感動する気も映画を見て社会に付いて真面目に考える気もなかったので
アレはアレで面白かったっスよ。結構楽しめました。ザッツエンタメ。
ストレートに宝探しで、海で、船で、バルボッサだもん。

しかし、『オーケストラ!』ではロシア人にびっくりしたけど、
この海賊映画では何にびっくりしたかって、
スペインのかっ飛びっぷり(to斜め上)でした。
いやまさかあれだけ手際よく組織だってやりたかった事って

そ れ な の ! ? 

みたいな。ミラクルエスパニョーラ(意味不明)!
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by mi-narai | 2011-07-03 14:56 | 2011年6月の読書

『歴史家の羅針盤』 『日露戦争を世界はどう報じたか』 『それでも日本は戦争を選んだ』、他

歴史家の羅針盤

山内 昌之 / みすず書房

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山内 昌之著『歴史家の羅針盤』読了。
これまた図書館の新刊の棚に並んでいたので手にとったもの。
実は前作があるらしいのですが、そっちは未読です。
歴史に興味のある方が読むと楽しい、もしくはためになる歴史本の、著者によるレビュー集。
歴史小説から堅めの本まで取り揃えてあって、なかなか手広いです。
もともと人のレビュー好きのワタクシ(アマゾンさんのレビュー読むの、大好き!)
ウハウハしながら読みました!
これまでワタクシ、どっちかというと、自分と関係なくて気軽に眺めてられる古代史の方が
好きだったんだけど(そういう理由!?)
この方のレビューを読んで、なんか近現代史の本も読んでみたくなりましたヨ!
単純ですね。はい。

以下、読みながらつれつれと思ったことメモ。

・外交に関する本のくだりで「アメリカは相手に良い印象を持ってもらうのが苦手」
というか、ぶっちゃけ、下手、と書いてある部分があったのですが、
最近のアメリカ外交などをぼんやり思い出し「あー、まあ、そうだなあ」などと思うと同時に、
この間読んだ『町場のアメリカ論』の「一生けんめい人のために働いて戦って傷ついても理解してもらえず、
孤独なアメコミのヒーロー像はアメリカ人の考えるアメリカ像に他ならない」てな記述をも、思い出しました。
なんか、ちょっと、カワイイな。アメリカ。

・日独関係は後発資本主義国同士
ドイツと共通点などない、と思っていたので、そう言われて目から鱗。

・英国女王とベルギー王室の国王の葬儀の時のいざこざ(以降のアレコレ)を知って、
「英国王室大人げねえ!!!」と思いました。
いやしかし、アレはベルギーの方に分がある(事情があるから仕方ない)だろうと思うんだけども…
まあ、英国王室も、面子があるだろうからなあ…

・エマニュエルトッドの『イスラムvs西洋』でトッドはトルコに対する評価を随分低く見積もってるんですが、
その低さが不当である事を著者がきちんと批難している点は好感度大でした。
分かってらっしゃる…!

・ずーっと前に買ったまま読んでない『トルコ狂乱』面白そうです。よっしゃ!


日露戦争を世界はどう報じたか

平間 洋一 / 芙蓉書房出版

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平間 洋一著『日露戦争を世界はどう報じたか』読了。
単純に上記の『歴史家の羅針盤』を読んで、近現代史の本が読みたくなったのと、
後、最近幕末関連のドラマやゲームを見てたおかげで(後『坂の上●雲』な)

「…今ならあの辺りの雰囲気が分かる…!ていうか、ぶっちゃけ今以外わたしの人生のうちで
近現代を読みたくなる機会なんて二度と来ない」


と強烈に思い立ち、借りてみました。
日露戦争時の周辺諸国での報道のされ方を追っていった本(まんまやんけ)。

最初に断っておきますが、私、近現代史、特に日本史は、もうほんと素人以下なんです。
ほとんど何も知らない状態なんです。そんなところからスタートです。
日露戦争時、アメリカとイギリスはに日本に同情的、
仏独は親露路線だったって、今初めて知ったほど(大丈夫か、こいつ…!)。

当時の新聞報道を読んで、各国の反応をざっくり分析したらば

イギリス…ロシア嫌いと、パターナリズム(=保護者的立場から来る親近感。
日本に西洋文明を教えてやったのは英国だぞ、的な)
ロシアと敵対していたイギリス、政府の方針として、なるべくロシアと敵対する日本を
応援するような世論を形成すべく、親近感を作り出す方向にメディア戦略を推進していた模様。

アメリカ…アメリカも、戦争前は判官ビイキで日本に同情的だったようです。
戦争終結辺りには、日比谷公会堂事件なんかのせいで、一気に反日気分になるんだけども。

フランス…日英同盟を結んでいたイギリスと対照的に、フランスは露仏同盟を結んでいたので、
当然親露路線。
…ていうか、本当に、フランスっていつもイギリスを叩く側に回ってますよね…

ドイツ…ドイツ皇帝がロシア皇帝の親戚だったし、ロシアに西に来てほしくなかったので、
しきりに日本を攻撃するよう発破をかける。黄禍論を唱えたのもドイツ。
でも、国策としてはロシアを後押しするけど一般庶民はロシア嫌いでもあったそうで、
いろいろ複雑だったらしい。

ちょっと話は逸れますが、
これまでなんとも思ってなかったけど、なんか、ここ数冊本やらニュースやら見て、
ドイツに対する見方が変わりましたヨ。
ドイツのメディア、日本になにげに厳しいっスよ!
日本に対する報道しか読んでないから、どこにでも厳しいのか日本限定なのかまでは分からないのですが、
どうも日本限定な気がするんですヨ。ていうか、黄色人種に厳しい、の、か?
所詮アジア人は欧米人にはなれないんだから、みたいな蔑視の目線をものすごく感じるんです。
(そもそもアジア人なんだから欧米人になる必要などないんだけど、その視点は全く無い。西欧が至上なの)
う~ん……。

中国&韓国…当時あまりまだ新聞社が無く、どの資本が出資したかによってカラーが随分違ったようです。
親日的なものから、抗日的なものまで。

欧米の反応を読んだ後でアジア(&イスラム)の反応を読むとチョッピリ肩の力を抜いてほのぼのできます。
(その後日本は慢心して傲慢な振る舞いに出るので、あんまり日本の勝利を賞賛しているのを読むと
複雑ですが)

最後に各国の現代の教科書で日露戦争がどう叙述されているかの一覧も乗ってて、なかなか興味深かったです。
中国&韓国 想像どおりだった。
イギリスはわりと客観的。
アメリカは自国の歴史が第一で、外国の戦争はさらっと流す。
ロシアは、ソ連時代とそれ以降で叙述が180度違う。
ドイツは日本にひややか。
フランスも露仏同盟の流れで当時の日本にはひややかですが、日本の事を書く時も必ず自国との関連を
絡めてあります。ここまで徹底してるとむしろ天晴れです。

いやしかし、こうして見ると、確かに日本の教科書の日露戦争の叙述は偏りがち、なのかもなあ…



それでも、日本人は「戦争」を選んだ

加藤 陽子 / 朝日出版社

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加藤陽子著『それでも日本は戦争を選んだ』読了。
近現代史の流れで、チョイスしてみた。
この本、前々から気にはなっていたのですが、これまではさほど食指を動かされなかったので
スルーしていたのです。

だが!今なら!読める……!!

などという無駄な自信を持って今回挑んでみました。

面白かった……!!!!

著者の加藤先生が、冬休みを利用して中高生に特別授業として教えた5日間の講義が元になってて、
本の構成も、生徒と先生のやりとりから成っているので、
わたしのような近現代史の素人にも大変読みやすいつくりになっております。
ありがたい…。

でもって、
これまで出版されていた数多の先の大戦に関する本って
どうしても著者の主観的な感情が滲み出てしまってるような気がして
なんとなく敬遠してしまってたのですが、
(立場によって意見が全く違うし。
死んだ祖父やまだ死んでない祖母からいろいろ戦時中の話など聞くと、ものすごく生々しいのです。
じいちゃんズはあの時はアメリカが悪かったからだと戦後も思ってたし、
かつての中国語の先生からは日本人を責められたし、
色んなとこで日本人の残虐非道な行いなんかも読んじゃうし、
かと思えば、一般庶民の皆さんの苦労なんかも聞くし、
一体どう位置付ければいいのよと。
まだ記憶に新しいからそれはどうしようもないことなのでしょうが、
誰かの主観から見た戦争のことを読むより先に、もうちょっと客観的に流れを掴んでおきたいなと
思うじゃないですか!)
この本は、そりゃまあやはりもちろん少しくらいは主観が入ってますが
最新の研究結果を惜しげも無く披露しながら、なるべく客観視して、大局から日本が
戦争へと至った道筋を説明していて、そこのところが大変にワタクシに優しかった…。
(そこのところが、素人にも分かりやすい所以なのだと思います。)

この本は文句無く面白いのでそのオモシロさはそれぞれ手にとって読んでいただくとして、
例によって読みながら心に残った事メモ。


・朝鮮半島
なんか、日清、日露の両戦争って、こうして外から眺めてみると、朝鮮半島を巡る戦いなのだなあ…と
しみじみ思いました。
西欧列強の植民地政策と日本のソレが違う部分といえば、日本の場合は植民地主義と国土の防衛が
表裏一体になっていることなのだそうで、
そう考えると妙に納得します。

日本はよっぽどロシアが怖かったのだなと…!

もし朝鮮半島までロシアに占領されたら次は日本だと、その恐怖は実に真に迫ったものだったのだなあと。
なんとか半東は日本が確保してロシアを防ぎたかったんだなあ…。
(だからといって日本がええ気になって余所様の土地を蹂躙していいって事にはならんけども。)
なんか、そんな見方をコレまでしてなかったのでちょっと目から鱗でした。


しかし、これまで身近すぎて生々しくて敬遠してたけど、やっぱり近代史面白いなあ…!!
各国の思惑が交錯してていろんなパワーバランスが複雑に絡み合ってるのとか見ると
ものすごい興奮します。
でも反面戦時中の人的被害やひどい出来事を読むとものすごい落ち込むんですが。

結論:近現代史は面白いけどしんどい…。

後、ドイツはほんまに日本に厳しいな!
反面、意外とイギリス政府が外交的には日本に親身(というか、冷静)で、ちょっとビックリしました。
戦争後半のアメリカと日本の潜在力の差にも今更愕然としました。こりゃかなわんて。当たり前ですが。


千畝―一万人の命を救った外交官 杉原千畝の謎

ヒレル レビン / 清水書院

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ヒレル・レビン著『千畝』読了。
ユダヤ人の方の描いた杉原千畝。
6000人の命のビザの人なんですが、これまた近現代史つながりで読んでみた。
幕末から始まって、とうとう第2次世界大戦まできてしまいました。
なんか、日本人が書いた本だとどうしても人道視点で情緒的になりがちな主題じゃないですか。
それを、外からの目で書くとこうなるのだなあ、と新鮮な感じ。
(『我々には理解しがたいかもしれないが、日本人の価値観からてらすとこうなのである。』みたいに
書かれてるのを見るのがなんとも不思議な感じなのです)
全部著者の調査を元に書いてあるのですが、
千畝の生い立ちから始まって、当時の世界情勢、ユダヤ人を取り巻く状況、ポーランドとリトアニアと
ソ連の関係など、近現代史的に面白かったです。
ユダヤ人に迫る悲惨な運命のくだりは心臓に悪かったですが…
(危機が迫った時の人間の心理などが克明で。いきなりの状況の悪化から人は目を逸らすものなのですね…
パニックになるのも怖いけど、都合の悪い事に蓋をして結局むざむざ命を失うのも怖い)
千畝さんのあのヴィザ発行のおおもとには、人道的なものがあったとしても、
ただそれだけでもなくて、日本とソ連、日本とドイツの関係や、諜報活動や、
上層部の思惑や、千畝の行動をスルーしてくれた色々な人たちの善意や、
まあ、色々な状況ときっかけが重なってたんだなと。
衝動的に善行を行ったというよりは、用意周到に根回しして、深慮遠謀を駆使した様子も伺え
なんか、杉原千畝観が大分変わりました(良い方にな!深慮遠謀、いい言葉ですヨ!)
しかし、生き延びた人々のその後の証言が食い違ってる事や、分からない事が多すぎます。
わたしも著者の方と一緒に
「くそーー!!千畝が生きてる時に会っとけば良かった!(真相を知りたかった!!!)」
…という気になりました。

しかし、千畝がスパイ活動をしてて、ユダヤ人を助けたのも、気の毒に思ったからでは全く無くて
事務的な、任務上のことだった、とする説もあるんだけど、
それだけではないと思いたいなあ。それもあったろうけどさ。
大体当時の外交官なんて、そりゃ任務として諜報活動もしてましたよ。

後、千畝さんの最初の奥さんがロシア人だったのがビックリした。
著者が千畝の奥さんの書いた本を疑ってる(→奥さんは自分を良く書きすぎ)のも
面白かった。
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by mi-narai | 2011-06-06 23:39 | 2011年6月の読書