カテゴリ:2010年11月の読書( 3 )

『古代ローマ人の24時間』 『おせっかい教育論』 『QED』シリーズ 『大阪ことば学』 『クラバート』

アルベルト・アンジェラ著『古代ローマ人の24時間』読了。
最後まで面白かったです、押忍。
全体的な面白さは、前回の日記でも申しましたが、
時代をハドリアヌス帝あたりのローマに絞って、
きちんと考証された現時点で正しいと思われてるその当時のローマの生活について
(貴族から一般ローマ人まで幅広い層を対象に)
現代のローマ人の視点から、ローマ一日ガイド風に紹介している、という
とっつきやすさと臨場感、これに尽きると思います。

以下、例によってところどころ心に残ったポイントをば。

・禿について
 当時のローマ人もやはり気にしていたようで、カエサルさんなどは後ろの髪の毛を
頭頂の薄くなった部分に向けて撫で付けて誤魔化していたとか。
もっと薄くなった人は頭全体をなにかで黒く塗っていたらしい。
遠目にはとりあえず禿げて無いように見えていたらしい(でも近づいたらバレバレだからなー!)

・ちょうどトラヤヌスの時代のローマ紹介なので、浴場を作ったアポロドロス(だっけ?)も出てきてました!
おお、テルマエ・ロマエー。
しかし漫画では頑固だけどいいおじいちゃんとして出てきてたあの方、次の皇帝とは馬が合わずに
なんか不遇な死に方をなさったらしい…。

・庶民の住宅事情には深く同情した…でも現代日本の一般庶民の住宅事情も似たようなものっスよ…

・彫刻に彩色してあったってのはちょっと目から鱗でした。あれか?プラモデルと同じ感覚か?色を塗って完成なのね…。


他にも色々と思うところはあった気がするのですが、以下略。
いやほんと読みやすかったし面白かったから一般の人にも自信を持ってオススメできる一冊!
暇な時にでも読んでみてください。


おせっかい教育論

鷲田清一 / 140B

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鷲田清一他、共著『おせっかい教育論』読了。
キヨちゃん(妹と私の間ではこれで通じる)が対談の数に入ってたのでそれだけが理由で買ってみた。
けして内田目当てじゃありませんよ!
阪大総長と神戸の私立大学の教授、坊さん、大阪市長の対談なんで、
若干大阪礼賛的な面は無きにしも非ずなんですが、そのあたりはご愛嬌。
教育については、確かにそうだなあと思わせられるところもあってタイヘンためになりました。
(理想はそうですよね~。)
それを具体的にどうするかとか、予算の面とかになると、行政との折衝とかいろいろ
難しい話になってくるんだろうなあ。

しかし、これ、平松市長も対談に加わってる関係上(?)
話が府VS市になると、どうも、きな臭い方向に話が行っちゃって
関西地域に住まうものとしてはもにょってしまう…
(他地域の方に取っちゃどうでもいいことでしょうが)
なんか、知事に対する批難に政治的なものがあるんじゃないのかと勘ぐってしまうのですヨ。
まあ、知事は若干極端な面はあるんですけどもね。でも頑張ってると思うよ~。
(関西広域連合うまくいって欲しいな!)

とりあえず、本はそのまま妹に貸してみました。


QED 百人一首の呪 (講談社文庫)

高田 崇史 / 講談社

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高田 崇史著『QED 百人一首の呪』読了。
前からちょっと気になってたミステリーなんですが、
貸してもらえることになったので読んでみた。
探偵役が薬剤師なら、ワトスン役も薬剤師という、
薬剤師まみれの推理小説(国家試験お疲れさん!)。
このシリーズ、これまで何作か出てるんですが、
一作目は、大富豪の死、家族の因縁、錯綜するアリバイ、など様式美のサスペンスです。
でも、その殺人そっちのけで、百人一首をどう並べるかが延々つづくという…

主人公の言うことは、ちょっとこじつけっぽいかなと思うし、
理系っぽいのは面白いけど若干かっこつけすぎカナと思うし、
ワトスン役の女の子は、男性作家が書いてるから仕方ないけど
「普通の女の子はそんな反応しねえよ!」という反応が少々目立つけど、
割と面白かったです!
いやあ、ミステリーは良いねえ…!

QED 六歌仙の暗号 (講談社文庫)

高田 崇史 / 講談社

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高田 崇史著『QED 六歌仙の暗号』読了・
2冊一緒に貸してもらったので、2冊一気に読みました。
こっちは、探偵役、ワトスン役に続けて、被害者まで薬剤師、というまさに薬剤師まみれの一作。
舞台が前半は大学、後半は京都で、前作に引き続き、和歌もバンバン出てきて、
でもって、六歌仙なのに、何故か七福神の話なので、
民俗学っぽいぶん、面白かったですよ~
相変わらず最後のまとめはこじつけっぽいのですが、
この作者の描き出す平安時代の貴族社会の陰謀と呪術にまみれた雰囲気がものすごく楽しかった!
当時の日本人のことばに対する感性を再認識させられました。いいよねえ、言霊信仰!


大阪ことば学 (岩波現代文庫)

尾上 圭介 / 岩波書店

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尾上 圭介著『大阪ことば学』読了。
かるーく読める一冊。
大阪出身で、東京で10年ほど過ごし、後に神戸大学に教授として赴任していた著者が
「これ以上、他地方の人間が大阪弁に妙ちきりんな解釈をつけるのは我慢ならん!
大阪のことばについてわたしが書かずになんとする!」

と一念発起して書いた本です(まあ大体は)。
これまで、大阪弁の文法の本とか、単語の辞書とかは読んだ事あったのですが、
これは、よく使われる大阪弁を説明しながら、その背後にその言葉を使う大阪人の
気風や性質がどう関っているかを論じた、まれに見る一冊でした。
面白かった。
(でも、著者もあとがきで述べておられるように、これは日本人論なんかと一緒で、
人が居ればその人の分だけ解釈があるわけであって、この本に書いてある事は著者の個人的な
解釈であることを承知しておかねばならないのだなあ)
これの各方言バージョンが欲しいと本気で思いました。

しかし、わたしんちは代々大体農民だし、大阪に先祖なんてひとりもいないのに、
概ね書いてあることには共感を持って頷いてしまうんですよね。
当たり前の事を当たり前に言うのは芸が無いと思うし、
くっさい事を大真面目に言うのは、ものすごい恥ずかしい事だと思うし。
(良い悪いではなく、これはもう本当に好みの問題なの…!)

恐るべし、大阪の影響力…!!

いやでもあそこまでワタシは言葉を駆使できません。
大体、口下手だから字や絵で表現する方向に傾いちゃったんじゃない…!
(話し上手だったら書いてないやい!)
話し上手な人には心底憧れます…。
(人間な、努力してもどうしようもないことってのはあるもんやねん…)


クラバート (上) (偕成社文庫 (4059))

プロイスラー / 偕成社

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オトフリート・プロスラー著『クラバート』(上)(下)ともに読了。
また読んでしまいました…。
アタシ、この本何回読んでるの…!!!

でも、何回読んでも面白いものは面白いのです。

一応、魔法学校もの、に分類されるであろう本作ですが、
「魔法学校」という字面をみると、みんなハリポタみたいなカッコいいのを想像するのでよろしくない、
あえて「魔法寺子屋」ものと括らせてもらいましょう!
親方の下で粉屋の職人として働く主人公の3年間を追ったもの。
重くて暗くて怖い話なのに、青春あり、友情あり、恋ありで、
なんか、毎回ぐいぐい引き込まれて結局最後まで一気読みしてしまうんですよね…。
もうどう説明しても言葉が足りなくなるので、

皆さんも是非読んでください(解説放棄)!



多読
『crown of the Violet』(レベル3)読了。
レベル3になって、レベル2の1,5倍から2倍近く語数が増えたのでなかなか進みません。
でもこの話は面白かったんだ!
紀元前5世紀、全盛期のアテナイが舞台、
主人公は15歳くらいの男の子、
この男の子が、シュラクサイから来た女の子と知り合ったことを皮切りに、
喜劇作家を目指しつつ、アテナイの民主制に対して考察し、ソクラテスに共感し、
裏でスパルタが糸をひくアテナイ民主制転覆の陰謀を
フェスティバルの自分の喜劇の演目を利用して未然に防ぐ、という
短い中に盛り沢山の、ジェットコースター多読でした。
いやいや、楽しんで読めてしまいました。
ソクラテスの名前を作中に見るだけでもテンション上がるしね~♪
作者はイギリス人。

読みやすかった…!!(ありがとう、イギリス人!!)
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by mi-narai | 2010-11-29 23:05 | 2010年11月の読書

ちら見

図書館で、今月の新着図書の棚をあさってたら、なんか、日本語和名語源辞典、的なものがあって、その中に


ひよこ→ぴよぴよ、という鳴き声から

と書いてあったんです。
図書館で爆笑しそうになりました。
日本人、サイコーっス!

ちなみにからすは

鳴き声(KAR)+鳥をあらわす語尾「ス」らしい。

語源なんてそんなもんなのね~。
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by mi-narai | 2010-11-18 22:18 | 2010年11月の読書

『和製英語と日本人』 『古代ローマ人の24時間』他

なんですと!?

あの!見習いイチオシイギリス児童文学の大傑作
『第九軍団のワシ』が

映画化ですと!!!

いや、通りすがりの親切な方がメールで教えてくださった情報なんですけどね。
めっちゃ楽しみやん!!!
児童文学といってもこれまで映画化されてきたファンタジーと違って
歴史モノだし、チャラくないずっしり骨太な物語だし、監督さんスコットランドの人らしいし
なかなか期待大です。
まだまだ情報が少ないので、これから入ってくる情報待ち☆


以下はいつもどおりの読書メモ

脳のなかの万華鏡---「共感覚」のめくるめく世界

リチャード・E・サイトウィック / 河出書房新社

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『脳の中の万華鏡』パラ見。
図書館の新刊のところに並んでいたので(借りるほどでもないかと思い)
30分くらいでざっと流し読み。
共感覚について書かれた本です。
前にギリシア神話の人名について、ちらっと書いたと思うんですが、
ワタシの場合名前によって髪の色が大体決まっちゃうのです。
というのも、カタカナを見るとなんとなく色を想像してしまうからです。
詳しくはこちら
その後、それって共感覚って言うんですヨって教えてもらって、
色んな種類があって(文字素だけじゃなく、音を聞いて色を想像する人とか、
味に対してなにがしか固いとか丸いとか思う人とか)、
勿論、同じように文字素に色を感じる人でも、人によって何色になるかは違う、などと知ったんですが
まあ、気になってたわけです。で、ざっと読んでみた。

…世の中には、アルファベットを擬人化してしまう人までいるんだなあ…(感心)。

どうして共感覚になるのか、というのは、まだ研究中らしいけど、
どうも成長の途中で、普通なら不要な脳の回路は色々遮断して作業効率を上げるんだけど
若干切り残しがあると共感覚になるんじゃないか、と考えられてるらしい(すごいざっくりした説明)。

途中で、アルファベットに共感覚があるアメリカ人が
『人の名前が覚えやすい』と証言してる場面があってそれには、確かに思い当たるふしが。
高校生の時、ワタシ、世界史大好きだったんですが、中国史だけは苦手だったんですよね。
それは、ものすごく漢字の名前が覚えにくかったからなんです。
ずっと漢字が苦手なんだなあと思ってたんですが、
裏返せば、カタカナだと色が付いてるから覚えやすかったと、そういうことだったのか…!
(ピピンは明るい黄色だし、ルイは軽いオレンジ、
カールは黄緑にちょっとオレンジが混ざった色合いなんだぜ!)

とりあえず、共感覚があっても日常生活に支障はないようなのでほっとしました。


和製英語と日本人―言語・文化接触のダイナミズム

ジェームズ スタンロー / 新泉社

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ジェームズ スタンロー著『和製英語と日本人』読了。
これまた図書館の新刊本のコーナーに並んでた本です。
外国人が日本語について書いた本だ、というのと、ここんとこ、『街場のマンガ論』やなんかで
日本語の持つハイブリッド機能について読んだとこだったので、
興味を惹かれて、図書館で借りてみました。
和製英語は日本語を圧迫してる!とか、このままでは日本語が滅ぶ、とかいう本なら
別に読む気は無かったんですが、どうも目次とかパラ見するに、
和製英語の日本語における成り立ちとか、どういう機能を持ってるかとか、
もうちょっと日本語論に踏み込んだ話っぽかったので。
読んでみての感想は

これが面白かったの!

まさに先に読んだ内田本ともリンクする内容で、日本語には、
文法体系や口語は地元の言葉を使うけども、文字は中国から輸入したという経緯があるから、

(中略)、

漢字と平仮名とカタカナを長い事併用してきたという歴史があるんだけども、
その経験があるからアルファベットも第4の文字としてあっさり日本語に取り入れることが出来て、
和製英語がこんなに蔓延してるんじゃないか、という流れの説明に。
わたしたち、普段ものすごく何も考えずに、各種の文字を混ぜて使ってますが、
こんな文字の使い方してる国って意外と少ないんですってネ。
内田本の『街場のマンガ論』の方では、
最近の研究で、平仮名・カタカナと漢字では、理解するのに脳の別の部分を使っているというのが
分かってきたらしい。どうも漢字の方は絵として判断しているのではないか。
実は、マンガという媒体もこの日本語と同じような理解の仕方で読んでいて
(日本人には非常に読みやすい媒体である。英語圏の人は、絵と吹きだしの文字を一緒に読み下すのが
難しいらしい)だから漫画がこんなに発達しちゃったんじゃね?
という方向に話がすすむんですが、
この本でも同じような説明がなされており、その上で、
数種類の文字を組み合わせて使いこなし、おまけに当意即妙に語呂合わせまで
してしまう日本人に、著者が「わー、すごーい」ってなってんのが書かれてて

なんか、日本語愛に目覚めそうになりました。

同じ事を言う時にも、文字によって微妙なニュアンスを使い分けてるんです。
(例えば時間なら、時間、とき、TIME、タイム、それぞれ微妙な使用上の差異がある)
考えてみれば、難しい事を日々やってんだなあ…

著者の主張では、和製英語はもとの英語とは別物で、
英語からとったものだけど、一度噛み砕いて組み立てなおした日本語であって、
それが日本語に蔓延することは英語が日本語を駆逐することにはならず、
むしろ日本語の表現の幅を広げているのではないだろうか、ということなんですが。
目から鱗でした。

最後の辺りは英語と出会ってから日本語が辿ってきた歩み(その中での英語の扱われ方)を
ざっと俯瞰するものだったんですが、
日本の英語教育はあんまり実用会話には役立たんが、和製英語をこれほど上手に作れる日本人を生み出す
ことには貢献してるよな、との指摘にも、目から鱗でした。
やっぱりやってる勉強は無駄にはなってませんよー!


古代ローマ人の24時間---よみがえる帝都ローマの民衆生活

アルベルト・アンジェラ / 河出書房新社

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アルベルト・アンジェラ著『古代ローマ人の24時間』読み始めました。
これまた図書館で借りた本。

いや、これ、面白いよ!

ローマ在住のテレビキャスターが書いた本らしいんですが、
さすがメディア関連の人!
固い学術書にはない臨場感!
それでいて、考証がしっかりしてるからなんちゃって歴史書じゃなくて
文章もしっかりしてて(きちんと調べた上で読み物としても面白いように書かれてる)
ホントにローマを見物してるおのぼりさん気分にひたれますよ!
ローマ人が書いてるから、現代のローマについても詳しくて、
地理なんかも手にとるようだし!
所々に出てくる現代との対比も、「へー、現代イタリアじゃそうなんだなー」という部分が
仄見えて、2度美味しい!
今やっと11時半を回ったところまで読みました。
返却期限今日なんですが、…すまん図書館、延滞するぜ!




多読

『Long-ago stories of Japan2』(レベル2)
引き続き、講談社の本。読みやすかった。


『American folk talesアメリカの昔話』(レベル3)
同じく講談社の本なので読みやすかろうと思って、1レベル上げてみたんだけども

読みにくい…(何で!?)

…と思ったら、著者がアメリカ人でした。うぬう…!!!
最初の辺りのインディアンの昔話(スカーフェイスの話とか、いたずらウサギの話とか)は
面白かったけど、白人系のアメリカ人の小話はつまらなくて(あの程度では笑えぬわ!)
3分の2読み終わったところで返してしまいました。
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by mi-narai | 2010-11-13 07:42 | 2010年11月の読書