カテゴリ:2010年8月の読書( 2 )

『異界が口を開けるとき』 『銀河の道虹の架け橋』

『よく分かる文化人類学』読了。
いろいろためになりましたが、8割方もう脳みそから抜けた気がする…(嗚呼)。
ものすごい読み応えのある本でした。
なかなか読み終わらんかった…


異界が口を開けるとき―来訪神のコスモロジー (関西大学東西学術研究所研究叢刊)

浜本 隆志 / 関西大学出版部

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浜本隆志編著『異界が口を開けるとき』読了。
関大だか関学の本。(今確認したら関大の方だった)。
図書館の新刊書のコーナーにあったので。いや~、幅色いっスね、この図書館!
各地の来訪神についての論文が集めてある本です。
来訪神といえば、正月、クリスマス、ハロウィーン。
そのあたりはまあ載ってるだろうと予想してましたが、
意外と予想以外の部分が楽しかった。
ハーメルンの笛吹き男伝説の、核となる史実に付加された伝説成分の詳細な解明とか、
フィリピンの日常とすれすれの異界とか
(人間の魂って、鶏と豚と人間の魂3つで一組になってて、
鶏と豚の部分がどこかへ行って帰ってこないと病気になって、
魂の人間部分が行方不明になると死んじゃうんだって!ちょっと面白い)
ワクワクしながら読みました。
クック船長は豊穣儀礼に巻き込まれて死ぬべくして死んだのでは、という推測も面白かったー!
とりあえず、まだ本を借りてるので、急いで次を読もうと思います。
次ィ!


銀河の道 虹の架け橋

大林 太良 / 小学館

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大林太良著『銀河の道虹の架け橋』読み始めました。
ぶっとい本。
こないだ読んだ北方民族の本が意外と面白かったのでそのつながりで図書館で探して借りてみました。
世界中の虹と銀河に関する神話を出来うる限り網羅し、地域ごとに特色をまとめてある本です。
ああ、大林先生が既にお亡くなりになったのが悔やまれる…
(どうも太陽と月などに付いても同じような本を著されるおつもりだったらしいので。
あれ?もう出てるんだっけ)

虹と銀河を一まとめにしたのは、どうも地域によっては、昼に虹として現れるものが
夜になると銀河になると考えられていて、表裏一体の関係にあるので、
これはまとめといた方が分かりやすかろう、という心だそうです。
先に虹の伝承、続いて銀河の伝承がまとめてあるんだけども、
まだ虹編の、南アメリカ部分までしか読み進んでませんが、
とりあえず、そこまで読みながら思った事メモ。

・虹ですが、どうも「オズの魔法使い」とか、メルヘンチックな「架け橋」のイメージが
強かったのですが、東洋では龍、西洋では弓にたとえられる事が多いらしい。
(確かに、日本では、月を弓にたとえる事はあっても虹にはその例えを用いない)

いや、ここまで読んでも「ふーん、あ、そう」としか思わなかったんだけど


虹⇒英語でrainbow⇒雨の弓


この説明には目から鱗が落ちました。
そうか!レイン+ボウか!

漢字の「虹」の字も言われてみれば虫偏だしな。(長虫=蛇の意味が含まれてるんだろう。
つまり、やっぱり龍なんだなあ…)

・銀河といえば、東洋では七夕伝説と一緒くたに語られる事が多いらしいのですが
中国では、女が簪で天を引き裂いて、その裂け目が銀河になる話が多いんだけど、
日本では、男が女を追う時に、瓜を割って、その瓜から水が溢れて銀河になる話が多いのだそうな。
うん、瓜の話、読んだ記憶がある。確かに。

・後、天上の銀河と、実際の川が繋がってるという感覚が面白いなと。これは中国の話。

・東南アジア辺りにも、裂けちゃった天を修復する話が出てくるんですが、
天を縫い縫いするの、なんかカワイイナ…などと思ってしまいました。

・東アジアが銀河を河(つまり、河が流れてるってことは銀河以外の部分は平原)としたのに対して
ポリネシアなんかでは、夜空は海なんだって!
それで、銀河を大きな魚に見立てる神話がちらほら見えるらしい。
確かに、小さい島で周り全部が海ばっかりだったら、銀河だって海の続きですよね~。
なんか想像してほのぼのしてしまいました。

・これが北方のアルタイやウラルあたりになると、
銀河は熊が獲物を狩った時のスキーの後だと言われてたりするから、これまたカワイイ。

・ウラル系の伝承で、足が6本の鹿なんかが出てきて、足が多い分走る速度が速いと思われてた
らしいので、北欧のスレイプニルあたりはこの辺の伝承から引いてきてんのかなあなどとも思ったり。

・テュルク系になると、鳥の道とか、霊のとおる道になるんだって。





多読

『Tales from Arabian Nights』(レベル2)
前に読んだのと趣が変えてあって、これはシャハリヤール王が奥さんに浮気された事がきっかけで
女性不審になったそもそもの初めから語り始めてあります。
抜粋的に挿入される小話も、笑い話的な短いものからロマンチックなものまであって
色々楽しかった。
後、「開けゴマ」が「Open,SESAME」になってたのには大笑いしました。(直訳やんかー!!)


『Persuasion』(レベル2)
ジェイン・オースティン原作の小説をものすごい縮めたもの。

…うん、ああいうしっとりした恋愛物は縮めると趣が台無し、ということがよく分かった。
まあ、あっさり言っちゃえば、すれ違ってた二人が最後まとまってハッピーエンド、ってだけの
話だもんなあ…
途中の心の機微が肝だというのを本当に実感しました。
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by mi-narai | 2010-09-06 17:28 | 2010年8月の読書

阿弥陀堂だより』 『海賊と刺繍女』

司馬遼太郎の『燃えよ剣』下巻読了。
あんまり昔に読み終わりすぎて朧ですが、最後の海戦のあたりはちょっと面白かった。
白兵戦ですよ~。
でも、最後までわりと土方さんがどうでも良かったなあ…。
他の媒体の土方さんはともかく、司馬遼土方はあまり好みじゃなかったっス!以上。


阿弥陀堂だより (文春文庫)

南木 佳士 / 文藝春秋

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南木 佳士著『阿弥陀堂だより』読了。
貸された本なので頑張って読みました。
主人公夫婦は割とどうでも良かったんですが、阿弥陀堂のばあさんとか、
村のラブホで働くおばさんとかがものすごい素敵でした!
いやあ、方言が可愛かったわあ…


海賊と刺繍女 (集英社文庫)

ジェイン・ジョンソン / 集英社

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ジェイン・ジョンソン著『海賊と刺繍女』読了。
新刊案内で見て「なんじゃこのタイトル…!」と思って買ってみた一冊。
タイトルから、てっきりロマンス小説かと思っていたら集英社から出ていてビックリです。
思い切ったな、集英社…。
現代のイギリス人女性が、不倫相手に分かれる手数料代わりに中世の刺繍関連古書を手渡されるところから
話はスタート、その古書の行間に、小さい字で日記を書き入れた中世のこの本の持ち主、
刺繍の上手な女性キャサリンと、
現代のその古書を手にした女性ジェインの話が交互に語られて、最後に一つにまとまるという趣向。

キャサリンは、日曜に教会で礼拝中モロッコの海賊に拉致られ、売り飛ばされるという衝撃の告白を
本の行間に記録していくんですが、
なんとこれ、史実らしいですね!
大航海時代、意外と西欧人がイスラムの海賊に攫われては奴隷として売られていたらしい。
ちょうど『大航海時代4』をプレイ中なので(あれはどんぴしゃり16世紀の話)
「あー、たしかにアフリカ北岸は海賊の巣窟やもんなあ」などと妙に納得してしまいました。
コーエー様様です。文部科学省はこのゲームを教育に使えばいい。
(海岸線と、海に面した町の名前にものすごく詳しくなりますヨ!)

とりあえず、お話は思ったとおりロマンス小説寄り(具体的なエロシーンはありませんが)で、
綺麗にハッピーエンドで終わってました。

作中で、エリザベス1世の時代に無敵艦隊を破られたスペインですが、
それでしおしおなったわけでもなく、その後も報復としてイギリスの南の海岸を襲ったりしていたとあって、
スペインもやられっ放しじゃなかったんだなあとにんまりしてしまいました。
最近自分の中でスペイン株があがりつつあります。WC効果?


プレステップ宗教学 (PRE-STEP 8)

石井 研士 / 弘文堂

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『プレステップ宗教学』読了。
宗教学について分かりやすくまとめられたテキスト。
通過儀礼とか、神話の位置付けについて書かれてたので、一度ちゃんと俯瞰しておくのも悪くないかと
思って借りてみました。
いや、司馬遼太郎先生も、何事も簡単なところからはじめなさいと仰っておられるので…。
しかし、あまりにあっさりまとめられすぎてて大体知ってることばかりでした。
物足りなかった…
その分野を掘り下げたいならこれがいいですヨ、と本を紹介してくれてるのは親切だと思いましたが。


よくわかる文化人類学 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)

ミネルヴァ書房

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『よく分かる文化人類学』途中。
同じような理由で借りてみた一冊。
こっちの方はもうちょっと掘り下げて書いてあるのでなかなか読み応えがあります。
ずっと、民俗学と民族学と文化人類学はどう違うのだろうと思ってたので、
違いが分かってすっきり!
多分、読み終わったら内容を忘れそうな気がするけど、とりあえず全部読もうと思います。


マンガ
『鞄図書館』
『阿弥陀堂』を貸してくれた友達が貸してくれたもの。
鞄君がちょうかわいい。
泣かせたくなる感じでした。
でもわたしならあんな危険な図書館からは本を借りたくない…



多読

『The Secret Garden』(レベル2)
どこをどう切っても「秘密の花園」
しかしつくづくこの話の主人公の設定が凄いな。


『Dragonheart』(レベル2)
映画のノベライズ。を大部端折ったもの。
大昔に映画を見たので、懐かしいなあと思いながら読みました。
相変わらずツッコミどころ満載でしたが。


『Around the World in Eighty Days』(レベル2)
これまではオクスフォードの多読本だったのですが、ここからペンギンブックス。
この話、昔から大好きで、映画も見たのですが、

わたくし、初めて作者がジュール・ベルヌだと知りました(遅ッ!)

オマケに、作者がフランス人だというのも今回初めて知った。
フランス人作者だと納得して読むと、主人公のイギリス人が
あくまでフェアプレイ精神で紳士然として慌てず動じず女性に口説き文句一つ言わない姿に
描かれてるのも納得。
(very English Englishmanの形容には大笑いしてしまいました)
対して、従者のパスパルトゥーはフランス人。
こっちは身軽で口も達者なら多芸多才、感情豊かでユカイな男に描かれてて、
いやもう、筋と関係ないところでニマニマしてしまいました。
多読本なので、横浜シーンがあっという間に終わってしまったのは残念でした。
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by mi-narai | 2010-08-15 00:29 | 2010年8月の読書