カテゴリ:2009年4月の読書( 3 )

『歴史(上)』 灘の酒蔵探訪 友ヶ島

ヘロドトスの『歴史(上)』
毎朝爆睡しているせいで遅々として進まないヘロドトス。
そんなわけで、まだまだエジプトです。
今ラムセス2世(推定)の業績のくだりで、ラムセス2世ファンのわたしとしては嬉しい限り!

以下、朝読みながら携帯にメモしたこと。

・エトルリア人がリュディアから移住した話が載ってた

・グラウコスの子孫だと主張するイオニア人もいた。

・ピュロスのネレウス王家の子孫がドーリス人の侵入でピュロスを追われ、アテナイの庇護で小アジアに移住したという伝承があった。

・リュキア人はどう見ても女系相続。しかもペルシアが攻めてきた時、偶々市内に居なかった者を除いて全員戦死て凄まじいな

・小亜細亜をペルシアに追い出されたポカイアの町のギリシア人がキュルノス近くで略奪を働き過ぎてエトルリアとカルタゴに反撃を喰らったって記述にときめいた。この頃エトルリア全盛期。

・エトルリアの栄えた都市カエレがアギュラという名前で出てくる。

・メソポタミアの土地の豊かさがめちゃくちゃ強調されておる。
その繁栄のキモは優れた灌漑にあった。
デジャブを感じると思ったらエトルリアでした。
エトルリアも、優れた灌漑で得た肥沃な農地から豊かな穀物を収穫してたけど、ローマ時代を過ぎて中世に入るとその技術が失われて、農地は元の沼地に戻ってしまい、伝染病の発生源になった、ってあったもんな。

・延々地史が続くよ。ポリュドロスはヘロドトスを模範にしたのかしら…

・ミュリッタの原語はベリトでバールの妃なんだそうな

・エジプトの初代王ミン(メネス)って、世界史の教科書に載ってた!
あの世界史の記述ってヘロドトスが原典 なのか?すごいすごい!


4月の初旬に「2009 灘の酒蔵探訪」企画に乗って酒蔵めぐりに行って来ました。
今回は酒蔵見学にも予約入れてみたんだぜ!
この道46年のベテランのおっちゃんの熱い酒作りトークを聞き、
うまい新酒を飲ましてもらい、ウハウハな一日でした。

おっちゃんの話によると日本酒は並行複発酵なんだって。
まず麹菌ででん粉を糖分に変え、
次に更なる酵母で糖分をアルコール分に変えるんだけど、
この二つの発酵をほぼ同時に行ってるのが日本酒作りなんだってさ。
ビールも穀物酒なので、勿論麦のでん粉を糖分に変えてからアルコールに発酵させるんだけど、
ビールの場合は、糖化を完全に終えてから発酵させるんだって。
並行して二つの発酵を行うのは世界でも珍しいんだそうですよ。
なので、日本酒の酵母は企業秘密なんだそうです。
とある酒造メーカーに、一度失われたけど近年復活を果たした第一号酵母から作った
「協会一号酵母」などという名前の酒があるのが笑ってしまいました。
後、白鶴で1杯100円、お一人様1杯限定で試し飲みさせてくれてた大吟醸が
ものすごい喉越しさわやかで美味かったのを強烈に覚えてます!
味音痴のわたしでさえ分かる味の違いなのだから、きっと分かる人が飲めばもっと顕著なのだろうなぁ。
…でもあの値段、自分用にはとても買えない…


風情のあるスポットを愛してやまない酔狂な友人に、連れて行かれました、和歌山県沖の友ヶ島。
なんでも、旧日本軍の砲台跡のある無人島で、古びて苔生した軍事施設が
さながらラピュタのようなのだとか。
以前何かの雑誌か番組で見て気にはなっていたのですが、それでも県外出張、
朝も早よから起き出して電車を乗り継いで行かねばならぬとなれば
正直めんどくさいなあと思っていたのです。
なので、行く前はすこぶる気分が盛り下がっていたのですが、

いざ行ってみるととても楽しかった!

面倒だなんて思ってごめん、友よ、誘ってくれてありがとう!
初めて乗った南海電鉄も、島と本土をつなぐフェリーも楽しかったですよ~。
(船は良いよ、船は…)

しかし!
なんといっても何より楽しかったのは3号砲台の地下の弾薬支庫に潜った時!
地面から建物沿いに地下に向かって作られた短い階段の先にトンネルがあって
そのトンネル内に更に降りる階段があるんですが
その先は日の光が射さないために真っ暗なんですよ!何も見えません!
言い出しっぺの友達が準備のいいことに懐中電灯を持ってきていたのですが
まさかそれを実際に使うことになろうとは!
真っ暗な通路を懐中電灯の明かりを頼りに進みつつ、横道を覗いたりがらんとした倉庫を覗いたり。
ものすごいワクワクした!
リアル『ワンダと巨像』ですよ!
久しぶりに小学生に戻ったような気持ちになりました!
せやせや、こんなん好きやったわー!
ちびっこの頃わざわざ近所でほっそい裏道探して友達と「秘密の抜け道」作ったりしたした!

やはり探検と秘密基地は子供のロマンですよね!
戻ってくる頃にはくたくたに疲れ果て、友人たちともども電車の中で爆睡しましたが
それでも大変楽しかったです!
(そのうち自分の満足のためだけに写真をどっかにアップする予定)

後、電車の中でちびっこの集団を引きつれたお兄さんが
「座れやん人は立っとこなー」と言うのを聞いてニヤニヤしてしまいました(キモッ)。
ちなみに共通語だと「座れない人は立っとこうな」
関西弁だと「座られへん人は立っとこなー」となるはず。)

最後に、夕食に寄った三宮のギリシャ料理の店も、美味しかったです!


『レッド・クリフ』2も見に行ったんですが今日も長くなってしまったので、次の日記で!
これまた期待してなかったのに面白かったです!
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by mi-narai | 2009-04-29 16:34 | 2009年4月の読書

『歴史(上)』、ほか

4月の合言葉は「無理をしない」
自分にとことん甘い見習いです。

てなわけで心に思ったよしなしごとが随分と溜まってしまいました。
忘れないうちにメモっておきます。(今日こそは簡潔に)

ヘロドトスの『歴史(上)』
やっと真中あたりまで進みました。
最近朝の読書タイムには電車の中で爆睡してるからなあ…。
その上、面白いので、ネタを見つけては携帯にメモってたりするから余計に進みません。

面白いですよ!

おまけにめっちゃ読み易い(笑)。
(ヘロドトスの語り口が講義調なのに加え読みなれてる松平先生訳なので余計に。)

今エジプトの地誌をヘロドトスに教えてもらってるとこ。
ナイル川が氾濫することについて珍説を次々と披露してくれるもんだから、
ホントのとこはどうだったか気になって思わずWikiってしまいました。
ヘロドトスってギリシア人だけど素直に他の文明を誉めてて
なんか、中華文明の恩恵を蒙った日本人としてシンパシーを感じます☆


『ヴィンランド・サガ』6巻
(7巻まで出てるのは知ってるんですよ。)
今回古本で出てたのでよっしゃ!と思って買いました。
クヌート王子覚醒!(そうこなくちゃね!)
あの修道士のキリスト観には全くもって共感できませんが王子が心を決めた瞬間急上昇した男前度にはときめきました。
そんな王子にアシェラッドさんも大喜びです。
いやー、楽しくなってきたわ~。
これから王子がモリモリ北欧世界を席捲するのかと思うと続きが気になって仕方ありません!


『戦争の世界史』
自分で買うのが憚られるでかくて高い本が図書館にあったので古代の戦争の辺りだけ拾い読み。
…なんか、数ページしか読んでないのに既に数個誤字を見つけてしまいました。
監修の人、しっかり!


ロバート・グレイブスのギリシア神話辞典
ギ・ロ神研究会の方々の間で噂になっていたものが図書館にあったのでパラ見。
いろんなエピソードが丁寧に拾ってあるのは良いけど確かに、出典が細かく載ってないと不便ですね。
後期の作家の創作部分はまるっとスルーする心積もりなので!(不敬なことを宣言すな)
でも、オリオンの項目で、オウィ先生の「祭暦」に載ってた
「ゼウス・ポセイドン・ヘルメス立ちション事件」に触れてあったのには笑いました。
ここは拾っとくんだ…。


『ヨーロッパ人名語源辞典』
これまた図書館でちら見。
名前を列挙してあってその名前について軽く説明してあるのかと思ってひも解いてみれば
もうちょっと語源についてツッコんで書いてある本でした。
最初の「ヘブライ語の名前」について書いてある部分までしか読んでませんが、面白い。
安ければ買うのになあ。
大体、Jが語頭に来る西洋の名前ってヤハウェ関連の名前が多いんですね。
これまた、ハンニバル、とか、ミカエルと同構造ですよ。
(同じアラム語だもんね、名前の構造が似ててもおかしくない)
考えてみれば、印欧語族にヘブライ語起源の名前がたくさんついているって面白いなあ。


いつも行く散髪屋さんはわたしがあまり女性向の雑誌を読まないことをよく知っていて
最近では行くと「関西・ウォーカー」か「PEN」を出されます。
こないだ行った時差し出されたPEN4月号はアール・ヌーヴォー特集でした。

ヴィクトール・オルタのデザインしたタッセル邸の階段室を見てどかんと衝撃を受けました。
恋に落ちたかと思うくらいときめいた。アタシ、これ、好きかも!
なんか、これまで美術館に行っても美術品そのものより、展示室の前室にオマケで掲示されてる美術館の設計図なんかに釘付けになってる自分を単なる美術音痴なんだと思ってたけど、実はそれプラス建物フェチだったんかしら…(なんかショック…)
確かに美術品より博物・遺物のほうが好きだけど…

…などとつらつらと考えている時、ふと、ヘパイストスの偉大さを実感しました!
ヘパイストスこそそういった洗練された実用品を見事に作り上げる匠じゃないの!
マジで弟子入りしてぇ!


『レッド・クリフ』パート1
テレビでやってたので見ました。
見るつもりはなかったんだけど、かかってるのを見始めたら止まらなかった…(いつもこのパターンです)
妹と、「やっぱりかねしろくんはカワイイねえ」などと目を細めつつ。

流石に赤壁だけをピックアップしてるので端折り方がパネェ!
いっそ清清しいほどです。
その上、赤壁だけに特化しながらも、
・劉備のわらじ編み
・上司の赤ん坊を背負って戦場を掛ける趙雲(&馬)
・力技張飛
・関羽の髭
・関羽を好きすぎる曹操たま

など、大して詳しくないわたしでさえそれとわかるお約束がきちんと織り込んであって感心してしまいました。
同じ古典が原作ということで『トロイ』を思い出してしまいましたよ。
アレも、視聴者サービス的にお約束がちゃんと織り込んであったもんナ!

さて、ワタクシ三国志には色々と思い出があります。
一番古い思い出は某NH●の人形劇でしょうか。
思えば、諸葛亮氏がワタクシの軍師イメージのベースになってます。
(沈着冷静でクールビューチー、あまり取り乱さない。自分は戦わない。等。
だから『イーリアス』でオデュッセウスが軍師だといわれた時は衝撃を受けました。
ベテラン兵士には多そうな性格だけど、アレで軍師でいいのか!?)

とはいえ、ワタクシ、もともと三国志はあまり好きじゃありませんでした。
ていうか、再三言ってるとおり中国史が苦手なの!
中国のあの高い文明や文物は素直にすごいし素敵だなーと思うんだけど、
最初にがーんと高い文明を築いてからは
全土統一→群雄割拠→全土統一→群雄割拠の繰り返しに見えてさ。
他地域ほど変化に富んでないような気がしちゃって勉強すんのがしんどくて。
国の名前は大体漢字一文字だし。
人の名前は漢字2文字か3文字だし。
覚えづらいことこの上ない…
(唯一モンゴル襲来の時期は好きです。異色な感じで。人の名前もカタカナだしな!)

なのに何をまかり間違ったか大学の時授業でやることになって
仕方がないから子供向けの『三国志演義』泣く泣く読みましたヨ。
(子供向けなのに3冊もあった…。岩波少年文庫の、小川先生が訳してる奴)
それで知識を仕入れた上で吉川英治の三国志にも取り掛かったんだけど
2巻で力尽きたのも今ではいい思い出です。
そんなわけで、いやいや手をつけた三国志でしたが
おかげさまで無双やっても大体分かるし、今回の映画もすんなり分かったし
今思えばもうちょっと真面目に授業受けておくのでした。

映画の話に戻りますが、
そんなわけで三国志が苦手なワタクシですが、思い入れがなかったのが良かったのか

意外と楽しかった☆

三国志好きの友達の間では大不評のトニー・レオン周瑜もなかなか良かったですよ。
正直原作の周瑜をあまり覚えてないんですが、
トニー周瑜は理知的でバランスのいい知将に仕上がっててこれはこれでいい。
ていうか、原作の周瑜より好きかも。

原作読んだ時にはお高く止まりっぷりが大層鼻についた(ファンの人ごめんなさい!!)諸葛孔明も、
かねしろくんがやると、途端に苦労性のいい人に。
劉備の後始末に翻弄される姿が涙を誘いました。
なので、原作を読んでる時は大敗する曹操たまが気の毒で見てられなかった赤壁の戦いも、
この周瑜と孔明ならワクワクしながら見れそうな気がします。
やっと一般の人たちの赤壁観が分かった気がする…!

曹操たまは、あんな感じだろうなという想定内の出来上がりに感じました。
(わたなべけんで曹操を、という意見もあったのだそうで、
…うわー、見たかった!見たかったな!)
でも夏侯兄弟をまとめて架空の一人にしちゃったのは残念!
男前で曹操たま命の惇兄さんが見たかったです。
反対に、なんたる美形…!と思ったのが孫権様。
妹ともども素敵でした。


後、どうでもいい話ですが軍船がたくさん出てきて嬉しかった。


船といえば、某N●Kの『世界遺産への招待状』という番組がギリシア特集だったので見ました。
やはり某●HKのドキュメンタリーは質が良いです。安心設計です。。
ところで、『イーリアス』を読んでると、ギリシアとトロイアは遠い気がするけど
よく考えたら大航海時代やってる時はアテナイからイスタンブルまで帆船で一週間かからなかった気がするんですよ。
思った以上に近いことを番組を見つつ今更実感しました。
後、現存する神殿のうちでヘラ神殿が最大だというのを聞いてときめいた。


結局長くなってしまった。酒蔵めぐりと友が島メモは日を改めて。
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by mi-narai | 2009-04-21 20:52 | 2009年4月の読書

『ギリシァ思想の素地』 『歴史(上)』

今日「そこまで言っ●委員会」を見ようとテレビをつけたら、ちょうどその前番組のみのさんの県民番組の
再放送をやっていて、「ちくわぶ」の話になってました。


…わたし、ちくわぶ食べたことない。


(実ははんぺんも働き出して一時一人暮らしした時に初めて食べた。しかもほぼ生食だった)
なので、わたしは今日生まれて初めてちくわぶなるものの姿を見ることが出来ましたー!
そうか、名前だけは聞いたことがあったけど、アレはおでんに入れるものなのか…!!

インタビュー受けてた府民の皆さんには残念なことに不評でしたが、
わたしはんぺん好きですし美味しくいただけそうな気がします。


久保正彰著『ギリシァ思想の素地―ヘシオドスと叙事詩』読了。
ヘシオドスが農作業の暦から地域的なものを排除し、普遍的なものを表現しようとした手法が……

読んでから時間たちすぎてあんまり詳しく覚えてません(激白)

いや、でも、

・やはり叙事詩人のくだりでは『オデュッセイア』が引き合いに出されてて嬉しかったな!
・オルコメノス(ボイオティアの古都)はカリスの故郷なのか…。
・久保先生もガイアについては吉田先生と同じような意見を持っていらっしゃる。
(=神々の世代交代の裏にガイアの影がある。他の、ギリシアに先行した世代交代の神話には
そんな影があまりないことから、このことはギリシアの特徴ではないかと考えられる。…てな感じの意見)

ほどのぼんやりした記憶はあります。
後、ヘシオドスはエリスが悪い意味だけでなくよい意味ももつと捉えていたことや、
新たな時代に適応する新たな秩序としてディケーを設定していたことなども印象的でした。
ヘシオドスの当時の社会に対する懸念が、現在の日本に対する警鐘にも
思えてなんか人事じゃありませんでした。

ごめんよ、ヘシオドス、早く『仕事と日々』も読みまっす!


歴史 上 岩波文庫 青 405-1

ヘロドトス / 岩波書店

スコア:


…などというその口も渇かぬうちから次の本として
ヘロドトスの『歴史(上)』を読み始める。訳は松平先生です。
ごめんヘシオドス!
前に『地中海世界を彩る人々』で柳沼先生の語るヘロドトスについて読んでから
もう、読みたくて読みたくて!
ヘロドトスとトゥキディデスの違いについて、よりトゥキディデスのほうが情報を厳密に吟味した上、
正確な記述をしている、…とはよく言われていることですが、
そのヘロドトスを、柳沼先生たらものすごく温かい目で眺めてらっしゃったんだもん。

そんなわけで、楽しみに読み始めたヘロドトス、
ペルシア戦争の話を語るのに、とりあえずペルシアがいかにして栄えるに到ったか、から語り始めてます。
一番最初のお話は(イオやメディア、トロイア戦争に関する小アジア側の
ギリシアへの言い分をざっと説明した上で)
リュディアのクロイソス王へ至るカンダウレス王の話ですよ。(例の有名な嫁自慢の話)

真偽には関らず自分の聞き知った情報を端から全て記述しているヘロドトスって
ある意味ものすごく親切な気がします。
今では「ヒストリエ」って「歴史」の意味だけど、
もともとヘロドトスの時代には「研究」ほどの意味だったらしいですし。

早くサラミスの海戦まで行き着きたいけど、それまでの、ペルシャの話や
エジプトの神話・生活といったわき道もとても楽しそうです。
もったいないのでこれまたじっくり読みたいと思います!
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by mi-narai | 2009-04-05 17:12 | 2009年4月の読書