カテゴリ:2008年9月の読書( 4 )

『ギリシア・ローマ世界における他者』 『ぶどう酒色の海』

地中海文化を語る会編『ギリシア・ローマ世界における他者』5の『ロゴスと他者』
6の『ある銀行家の妻の一生』
まで読み進んだところで図書館の返却期日が来てしまったので只今一旦返却中。
それぞれ、『ロゴス』は哲学の話、
『ある銀行家の』は、古典期アテナイの女性の地位についての話でした。
古典期ギリシアの民主制は民主制といっても限られた一部男性のためのものとは
分かってたけど、やっぱりねえ。
ある銀行家の妻の一生を読んでて、なんか、江戸時代の女性を思い出しました。


ぶどう酒色の海 (西洋古典小論集)
岡 道男 / / 岩波書店
ISBN : 4000246305
スコア選択: ※※※※



上記の本返却中につき、息抜きに岡道男先生の
『ぶどう酒色の海 西洋古典小論集』を読み始めました。
小論集、とあるけど、西洋古典を長年研究してこられた先生のエッセイ集みたいなもんです。
いろんな小話が載ってて、とても楽しく読み進んでます。
今日読んだ部分から、「ふーん」と思ったことをメモ。

・ホメロスにおける、「言葉」と「矢」に対する動詞や形容詞の一致。
(「翼をもつ」とか、「逃げる」「飛んでいく」といった鳥に擬したものから
「射損じる」「大地に落ちる」「狙いを定める」のように、言葉を矢に見立てたものまで)
 →矢の射程はギリシアでは「道」である。
  そして、物語そのものや、詩歌に対しても、道をたどるのと同じ動詞を使う。
 →だから、遠矢の神であるアポロンが詩歌も司ってんじゃない?

・~ントスというのは非ギリシア語系でおそらく先住民の語彙(これは知ってた)。

・アキレウス、オデュッセウス、パリスが非ギリシア語源ってのは知ってたけど
ペネロペイアもそうだったことを思い出した、そういえば。
二人そろって非ギリシア語系の名前を持つ夫婦なんですね。
ギリシア人が来る前はこの夫婦、いったいどんなエピソードを持ってたのかしらん。
やっぱり頭のいい二人だといいな。

・時代が黄金→銀→青銅→鉄と劣化していくことについて。
昔を美化している、という説のほかに、当時実際使われていた金属に由来する、という
説は聞いたことあったけど、
オリエントの、王権の交代と、その王権を守護していた神(その神の司る星と金属)の交代が、
反映されているのでは、という説は初めて見た。
(いろいろ面白いこと考える先生だなあ…)

これまた『ギ・ロ世界における他者』と同じでさっくさく読めます、たのし~い☆
続きをモリモリ読もうと思います!


これと平行してまたもロマンス小説月間。今3,4冊目に突入。
だんだんシリーズ物とか、ロマンス小説出版社の種類にちょっとは詳しくなってきましたヨ。
(自慢できーん!)


ゲームメモの方でバトン一件回答。
[PR]
by mi-narai | 2008-09-25 23:21 | 2008年9月の読書

『ロロ・キドゥルの箱』 『花と緑のふしぎ』 『ギリシア・ローマ世界における他者』

中島 成久著『ロロ・キドゥルの箱―ジャワの性・神話・政治』読了。
4章の日・月食の話の次は、5章は「スケルト」の話。
スケルトというのは、厄払いをしてもらわないといけないカテゴリーに入っている人の総称です。
二人姉妹とか、二人兄弟とか、すり鉢を壊した人とか、色々条件があって、
その条件に当てはまる人は、人食いの神様ブトロ・コロに食べられちゃうんだって。
そうならないように、ルワタンという厄払い劇をプロの人に演じてもらって、
「真の知識」に開眼しないといけないんだって。

外からこういう風習を除き見るのはとても好きですが、
自分が暮らしていたら、ちょっと大変だろうなあ、と思いました。
わたし、めちゃめちゃスケルトに当てはまってるやん。
ルワタン上映中は寝てはならぬという約束事さえ守れそうにないですし。

それはさておき、面白かった。
ギリシア神話では既に「神話」として整えられてるような伝承が
泥臭いまま残ってたりするのが特に面白かったです。


花と緑のふしぎ―おどろき?と発見!の
/ 神戸新聞総合出版センター
ISBN : 4343004791
スコア選択: ※※※



『おどろき?と発見!の花と緑のふしぎ 田中修×道上洋三』読了。
またも職場の上司がただでくれたので。
田中先生とラジオの司会者「おはようパーソナリティ」の道上洋三の
対談形式で書かれてます。同上のラジオ番組での対話の採録のようです。
内容に関しては、他の本で読んだネタが重複していた部分もあって
まあ、読みやすかった。
なんか、だんだん植物関連のトリビアが増えていきますよ…。
(トマトの種は、ぬるぬる部分をきれいに洗って乾かしてから植えたら
芽が出るそうですよ!!
あと、イチゴの種は、あのつぶつぶの中にさらに小さなのが入ってんだって!!
マツタケ菌はナガイモが好きらしいよ!!)


ギリシア・ローマ世界における他者
/ 彩流社
ISBN : 4882028271
スコア選択: ※※※※



次のまじめな本として、
地中海文化を語る会編『ギリシア・ローマ世界における他者』を読み始めました。
タイトルにもなっている大きなテーマをめぐって、各著者が自分のフィールドで
展開する論文を集めたもの。
最近、ギリシアとは関係ない本ばかり読んでたので、
なんとなく古巣に戻ってきたような気持ちです。
1の『<ダイモーン>の顕現』
2の『「オデュッセイア」におけるフェニキア人』
3の『ギリシア悲劇にみるギリシア的なものと非ギリシア的なもの』
4の『「バッカイ」における<他者>』
まで読み進んだ。
いやあ、自分のわかる話題を読むのって楽ですね!
苦もなくスイスイ読めますよ~。

いろんな研究者が集められてる一冊なので、
悲劇や叙事詩についての解釈が、各人まちまちなんですが
わたしは専門家でもなんでもないので、ものすごく人事で面白くその解釈の違いを読んでます。
オイディプスの目をつぶす行為ひとつにしろまあ千差万別なこと。

後、改めてアイスキュロスの時代はアテナイの民主主義の夜明けだったんだなあと。
社会的背景を踏まえた上で悲劇を読むと面白さ倍増です。

続きも楽しみに読もうと思いますが、
惜しむらくは、もうちょっとローマ関連の論文が多かったら良かったのにな…。


『デイ・アフター』
こないだテレビでやってたイギリス映画。
ロバート・カーライルが好きなので何の気なしに見てましたが、面白かった。
どえらい嵐のせいでロンドンが水没する話でした。
あまり災害ものやパニックものは怖くて見ないのですが
一度見始めると、ちゃんと災害が納まるところまで見ないと気持ち悪くって
つい最後まで鑑賞。
しかしロバート・カーライルはなんで出る役出る役で離婚してたり
家族とうまくいってなかったりするんかしら…
(あの普通に悲しそうな顔が悪いんか?)
ポワロ役をしていたデビッド・スーシェがちょっと慎重だけど、
良心的な副首相役をしていて、これもまた嬉しかったです。
[PR]
by mi-narai | 2008-09-17 22:56 | 2008年9月の読書

『ロロ・キドゥルの箱』 『銀の枝』

中島 成久著『ロロ・キドゥルの箱―ジャワの性・神話・政治』4章まで読みました。
4章の日食と月食の神話が目的でこの本を借りたので
今スゴイ楽しい!



ローズマリー・サトクリフの『銀の枝』読了。
ローマ時代、ブリタニアが属州だったのは知ってたけど
一時期ローマの支配を離れて独自の皇帝が立ち、
その後すぐにローマの支配下に戻った事件は
知りませんでした。
解説を読むと、3世紀のことらしい。
第9ヒスパニア軍団がヒベルニア(今のスコットランド)で
行方不明になった事件もサトクリフで知ったし、勉強になります。
わたしがイギリス史を面白いと思ったのはサトクリフのおかげといっても過言ではありません。

それはさておき。

とても面白かったです。
…と書くと、なんだか書き足りない気持ちがします。
普段軽く「あー、面白かった!」と書く時の数割り増しで心に残りました。
サトクリフ作品だから、多分そうなるだろうとあらかじめ覚悟(期待)していたのですが、
やはり終盤はドキドキしながら一気に読み進めてしまいました。
左遷されてからの展開が息もつかせぬジェットコースター(意味不明)。
でも、今回はサトクリフ作品には珍しく、親友と二人して試練に立ち向かう筋なので
いつもと目線が違って目新しくてよかったです。

いや、友情っていいものですね☆

どうしてわたしは読んだはずのこの本の筋を忘れてられたんかしら…
(10年位前に一度ハードカバーの方で読んでいるはずなのです)
お陰でもう一度最初から新鮮な気持ちで楽しめたのでいいといえばいいのですが。



『光車よ、まわれ!』が再販されるらしい。
なんか、わたしの中で『クラバート』と同じカテゴリーに分類される本。
こういう土臭い、闇の匂いの濃厚なお話って、普段好んで読むわけではないのですが、
一度読んでしまうと、心のどこかに独特の雰囲気が引っかかって
なかなか忘れられないのです。
今度の再販はハードカバーなのでさすがに買うつもりはありませんが、
図書館で探してもう一度読もうかしら


以下、雑記
・次あたり、またアホいネタをアップするつもりなので、途中に真面目な記事を挟んでみました。
妄想過多な人間なのでやりたいことやネタだけが鬼のようにどんどんたまってしまうという悲劇…。

・某Yさんとこで公開していた「ギリシア神話ソート」やってみました。
この日記、折りたためないので「更新履歴」の方にでもこっそり乗っけときます。

…うん、なんというか、予想どおり…(視線そらし)
[PR]
by mi-narai | 2008-09-09 22:23 | 2008年9月の読書

『ロロ・キドゥルの箱』 『銀の枝』 『大阪人、地球に迷う』

中島 成久著『ロロ・キドゥルの箱―ジャワの性・神話・政治』3章に突入。
2章のジャワの王権神話も面白かったけど、
3章のジャワ神話の世界観も面白そうです。
ところで、ジャワとは関係ないのですが、
作中で日本語の「鼠」の語源が「根棲み=根の国に棲む者」ではないかと
書いてあって、ちょっと面白いなと思いました。
確か、狼の語源として有力なのは「大噛み」だっけ。
(うまいこと言ってるなあ)

動物名詞の成り立ちはそれでいいとしても、
根とか、大とか、カム、スムといった基本的な語彙はどうやって
出来たのかなあ…などと考え出すと止まりません。
世の中分からないことがまだまだいっぱいです!


ローズマリー・サトクリフの『銀の枝』
親戚かつ親友になったジャスティンとフラビウスの二人の若者が、
皇帝に対する謀反を察し、告発するものの、謀反人に先手を打たれて
無念の左遷をされてしまったところ。
いや、でも、皇帝はどうも謀反人の真意も分かってそうなんだよな…。
どうなるのかしら…

わかぎゑふ著『大阪人、地球に迷う』読み始めました。
もっとはっちゃけてるかと思ってたら、
意外と普通の旅エッセイでした。
同じ著者の大阪弁エッセイの方を買えばよかった…。

数日後さらっと読了。
上にも書きましたがわざわざ「大阪人」とする必要は全くないと思う。
でも、エッセイとしては普通にさらっと面白かったです。


『のだめカンタービレ』21巻

つづき、つづきををおおおおお

…というところで終わってた。早く続きを読みたいです。
[PR]
by mi-narai | 2008-09-05 22:07 | 2008年9月の読書