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『トルコの歴史』 『太陽の戦士』

三橋冨治男著『トルコの歴史』
オスマン=トルコの興亡に入りました!
エルトゥールルの時代って、ちょうどアラー=エッディーン=カイクバード1世の治世だったのね…。
大セルジューク=トルコが栄えている時代に、他のオグズ族のように中央草原から西へ
やってきたオスマン部族(オスマンは、トルコのオグズ族の一派)。
カイクバード1世に敵対するタタール人を劣勢ながら見事撃退し、その功を認められて
アナトリア西部に領地をもらったオスマン族は、モンゴルの西進でルーム=セルジュークが
モンゴルに押さえられて汲々としてる間に力をつけて、
ルーム=セルジュークが滅びる頃にはとうとうボスポラスを越えてバルカン側へ領土拡大を始めましたよ!
(領土がヨーロッパに近かったし、同じ宗教・同族のアナトリア内部より、
異教徒を攻撃する方が名目立てやすかったって理由もあったようです)
なんというか、このころのアナトリアって戦国時代みたいです。
各地にオグズ=トルコの流れを汲むいろんな部族が戦国大名みたいに各自の領地に林立してるの。
いまんとこ、オスマンは、アナトリア内でもバルカンでも連戦連勝なので気持ちがいいです。
1453年のコンスタンティノープルの陥落まであとちょっと…!


太陽の戦士 (岩波少年文庫(570))
ローズマリ・サトクリフ / / 岩波書店
スコア選択: ★★★★



ローズマリー・サトクリフの『太陽の戦士』読了。
児童文学です。
いい加減ロマンス小説ばかり読むのもな、と思ってそろそろ健全路線に立ち戻ってみました。
大好きなサトクリフの岩波少年文庫版。
この小説、高校の時分に始めて読んだ時はさほど感銘を受けなかったのですが、
読み返して、印象を新たにしました。
確かに、他のサトクリフの話のように大きな事件が起こったり場所移動があったりするわけではないのですが、それでもやっぱり面白い!
多分、以前読んだときは、歴史の動きがなかったからつまらなく感じたんだろうなあと
今になってみれば思います。
『第9軍団のワシ』『辺境のおおかみ』がローマン・ブリテン時代のイングランド
『ともしびをかかげて』がローマ駐屯軍の撤退時のごたごたとイングランド
『運命の騎士』がノルマン人が来てからちょっと経った頃のイングランド
だけど、
『太陽の戦士』は先史時代のイングランドですもん。
ケルト人が各部族ごとに散らばってる頃です。クー・ホリンとかオシアンとかの時代。
当時は深く考えなかったけど、本作に出てくる被支配者の黒い小さな人々って
大地の女神を信奉する先住民族で
主人公の属する、太陽神を信仰する金色の人々ってのがケルトなんだろうなあ。
そう考えると、ケルト神話ともうまくかぶってるし、
信仰形態も時系列に沿っていて、実に見事でございます。
帰りの電車の中で、主人公のケルトの少年と一緒に、どっぷり一族の生活に浸かり、
狼殺しの通過儀礼にドキドキし、親友との友情に胸ふくらませましたとも!
ああ、面白かった!
この気分のまま、次は『ともしびをかかげて』文庫版だ!
(あの名作が文庫で読めるなんていい時代になったものです。
これも某メガネ魔法少年の話が大ヒットしたお陰ですね☆)
by mi-narai | 2008-07-17 22:56 | 2008年7月の読書
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