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『琥珀の望遠鏡』 『歴史1』

フィリップ・プルマン著『ライラの冒険3 琥珀の望遠鏡』
至る所で嘘つきと評され、密林なんかのレビューでも「嘘つきでわがままだから嫌い」などと好悪の評価がきっぱり分かれる本作の主人公ライラ。(でも、ワタシは好きですよ、この子)
しょっちゅう嘘を繰り返すライラを見ながら、
「なんか、前にもこんな場面を見た気がするなあ…」
と思っていたら、……『オデュッセイア』だった………。
あの叙事詩で例のイタケ人がことある毎に法螺を吹くのと感じがものすごく似てます。
危機を切り抜けるために自分の出自を偽る、とか、なんとか有利に事を運ぶために大胆な話をでっちあげる、とか、そういった背景が。
これって、意図してそうしてるのかなあ。
ネキュイアも入るし(とはいえ、その部分の持つ意味は全然違う)。
作者の教養が深そうなので、そうだとしてもおかしくはないのですが多分偶然でしょう。
それはさておき。

そう気づいて、ライラがウィルを好きなのを妙に納得してしまいました。

正直で(=嘘をつくのが苦手。裏表がない)、良識的で、冷静で、自分の力をわきまえてて愛情深い人間ときたら。アテナ様と例のイタケ人のストレートゾーンど真ん中やん!


などとアホなことを考えている間にモリモリ読み進んで数日後読了。

面白かった…。

読み終わって「色々あったなあ…」などとしみじみ思い返してしまうほど
①内容が盛りだくさんで、
②ストーリーに引き込まれました。
終わっちゃうのがもったいないけど、続きが読みたくて止められなかった。
随分宗教色(反宗教色?)の強い作品でしたけど。
あまり書くとネタバレになってしまうのでかけないのが辛い…!
(誰か、誰か既読された方、このときめきを吐露させて…!!)
あの結末は、わたしは必然だと思います。
あの終わり方がやはり一番効果的だと思う。
後書きで、訳者の大久保さんが「プルマンはストーリーテラーだ」と書いておられましたが
まさしく!
すべての脇役達も皆が皆きらりと光ってましたもの!メアリー・マローン博士とアタルの友情が好き。

困ったな、明日から何を楽しみに電車に乗ればいいの…


ポリュビオスの『歴史1』とりあえず、今日のチェックポイントを二つメモ。
・シラクサのヒエロン王、やり手だなあ…。外交バランスを上手に取りながら90近くまで王位について頑張ったって、すげえよ!!ファンになりそうです。
・BC3世紀半ばに、ローマに連敗していたカルタゴに、戦術指南をしたラケダイモン人クサンティッポスもいい感じです。とりあえず、勝たせといて、速攻国に帰る保身感覚も素晴らしいです!

ああ、なんだか、ローマが負けるとすかっとする………


数日後、もうちょっと読み進みました。
おおお~~!ハンニバルの父、ハミルカル・バルカが出てきましたですよ!
バルカってフェニキア語で「雷」の意味からきてるらしい。
「バルカの異名を持つハミルカル」という記述が出てくるたびにときめきます…(きゃっ)
だって、このハミルカルって将軍、すごいですよ!
軍事第一のローマ人どもを敵に回して渡り合ってますよ!!
戦争初期の頃のローマ人は操船に未熟でしょっちゅう海戦で負けてたのに、
ハミルカルの時にはすっかり習熟しちゃって(早すぎるだろ!)、
なかなかカルタゴ軍は勝てなくなってたんです。
そんな中、ハミルカルは着実にローマにダメージを与え、
猛将としてローマに恐れられてます。ステキ!

とりあえず、名将だったハミルカルは、負け時も心得てて、ちょうどいいときに上手に
ローマと講和を締結。
やれやれ、これで一息つける、と思った矢先にカルタゴ本国でリビュア人の叛乱勃発!
祖国防衛軍の指揮を任されたハミルカルの政敵ハンノが失策したせいでカルタゴ、滅亡の危機に!
というところまで読み進んだ。


ところで、ファレリイ陥落って、このポエニ戦争直後だったらしいです。
ローマ・カルタゴ間の戦争が終わったと思いきや、両国はそれぞれ叛乱に
悩まされたらしい。妙に仲良し。
カルタゴが叛乱に悩まされているちょうどその時、ローマではファリスキ人が
叛乱を起こしてたんだって。ちなみにローマはあっというまに叛乱を押さえ込んで
ファレリイを破壊、ファリスキ人を西の地に強制移住させちゃったらしい…(メモメモ


DVD
プロヴァンスの贈りもの
/ 角川エンタテインメント
スコア選択: ★★★



『プロヴァンスの贈り物』ラッセル・クロウの声を聞くためだけに借りました。
しかし、役作りなのかも知れんがおっさんすぎるわよ、ラッセル…
出腹の傲慢なおっさんラッセルを見た瞬間に涙が出そうになりました。
でもまあ、それでもなんだか憎めないんですけどね。
映画自体は、取り立ててすごく好きなわけではないけど、
悪くはなかったです。
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by mi-narai | 2008-03-24 20:50 | 2008年3月の読書
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