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『やってみなはれ みとくんなはれ』『炎と茨の王女』『白金の王冠』『魔法使いの王国』

文化の日、出勤しておったんですが、
一人で部屋に居るときテンポの遅いノックの音がしたもんで、
誰や、思ってドアを開けたら、京都弁の例のチャーミングすぎる上司が向かいの印刷室に
入りかけてたんです。他に人影がなかったので(あと独特のスローノック)
「あれ、なんかご用でしたか」
と声をかけたら、振り向いて、びっくりした顔をして

「ほんまにおった」

と一言。
別に用はないねんけど、今日来たはんのやったら
ほな、顔みよか、おもて。用はないねん。
とにこにこ笑いながら印刷室の方へ去って行かれました。

部屋に戻って一人で悶えた。
(おおおおおちくしょおおおお可愛いなオイ!!!!)
70過ぎてこれだけ可愛いのって反則でしょうがッ!!!!!


大阪のプラネタリウムで「古代ギリシャの星座たち」みたいなプログラムをやってたので
ちょっくら見に行ってみました。
今回は気持ちよすぎる椅子の誘惑にも屈せず、最後まで起きてましたよ…!
(そこ、自慢するところか)
星空解説とともに、今現在使われている星座、星のまとめ方のうち、ギリシャ神話由来のものは、
実はメソポタミア文明の時代には大体ざっくりあのくくりができあがってて、
(とはいえ数は半分くらいだったらしいけど)
それを引き継いだギリシャ文明が自分とこの神話をそのくくりにかぶせました、
という説明を聞いて、長年の疑問がちょっと解けました。
一番の収穫は、クジラ座(ペルセウスに退治される海の怪物)が、メソポタミアの
文献ではどうやら「ティアマト」と呼ばれていたらしいということです。
マジか。確かに海水の怪物に近い女神ではあるけど。


アサヒビールの工場見学に行って、ビール苦手なのに3杯も飲んで来ました。
ちょっとアサヒに対する好感度アップしました。単純です。
酒関係の見学は楽しいな!


テレビ

コズミック・フロントNEXT 宇宙を大航海、の回
いかにして打ち上げた探査衛星が目的の星まで行くか、という話。
いつもの宇宙のしくみといった理論物理的なはなしでなく、純粋に技術系の話だったので

超燃えた!!!

技術屋の話はかっこいいよね!日本人技術者頑張ってる!!!
何か問題があっても投げ出さずにひたすら地道にねばり強く解決の糸口を探る姿に
わたくし大変に感動致しました!
後、スイングバイもよく分かった。
SFで出てくる宇宙船もスイングバイすればいいのに。
長距離の場合はその程度の加速じゃ間に合わんかもしらんけど…
ていうか、やっぱり航海長は大変なんだな、と思いました。
ヤマト2199で航海長だった島君、
惑星やらなんやらの重力の影響とか全部計算に入れて航路割り出してたんだよな。
すっげーな!
機関長も叩き上げで素敵ですけどね!
後、今更真田さんが副長だったんだと知りました。そうやったんか!!


「アジア巨大遺跡」
どこもすごかったけど、
その遺跡ごと、違う観点で撮ってて面白いな、と思いました。
各々、思ったこと
パガン…富の再分配について。なるほどな、と。
しかし、これ、サークルが小さい方が回りやすそう。

兵馬踊…キングダム読みたい…!!!
始皇帝て、13歳で即位したのですね!
古代中国における諸々のハイスペックっぷりはいつも通りなので、
ちょっと麻痺しちゃってますが、
よく考えれば紀元前にあれだけしっかりした官僚組織作って
全国も統一して、って、すごいことですね。
そこんとこは、中国はもっと誇っていいと思う!

三内丸山遺跡…定住狩猟採集民。字面がなんか不思議な感じ。
狩猟採集民なのに定住しちゃってますよ、みなさん。
それを可能としてたのは、日本の温暖で湿潤な気候なんだろうなあ。
弥生時代に入って、なんで稲作文化になっちゃったんでしょう。
ちょっと残念に感じました。
稲作るより、栗拾う方が楽やで奥さん。
でも、そこらへんでそろそろ統一国家作っとかないと
西からの圧力とか、もっと時代が下って開国の時とか困ったろうから
長い目で見ると良かった、のかな…?
ともかく。縄文文化について新たな見方を教えられた回でした。


「数学白熱教室」
また始まった白熱教室。またも理系だったので見てみました。
全4回の1回目。
なんか、のっけからすごいよ!
数学には、幾何学とか、代数とか、数論とか、色々分野があるじゃない、
この先生、その分野を一つにまとめよう、という壮大な研究「ラングランズ・プロジェクト」に
挑んでらっしゃいますよ!
物理学で言うところの統一理論ですよね!!おおおお!!!
これまた燃える!!!

いや、数学の難しいアレこれにはとんと無知なんですが。

勿論学生時代に数学はやりましたけども、そんなの覚えてないよ!
幾何学が図形のやつだって知ったのもこの番組見てだよ!!
(この程度の随分残念な数学能力しか有しておりません)
そんな無知蒙昧な一般市民にも分かるよう、先生は大層かみ砕いて説明してくださいます。
まずは数を数えると言うことと、「対称」についてじゃった。
確かに、数学の世界はプラトンのいうところのイデアの世界に近いのかもしれません。
図形の概念なんて、実世界には完全な円も四角形も球も存在しないもんな。
それを、球というのはこう言うものだ、と決めて、それがどういうものか理解出来るって、
すごいことかもしれん。宇宙人と会ったとして、同じ数学なのか、という疑問も気になるところです。
なので先生の、物理学の世界は新しい発見で次々とセオリーが塗り替えられていくけれど
数学の世界は一度発見されたものは永遠だ、という言葉もちょっと頷ける。
ピタゴラスの定理もピタゴラスがたまたま発見者として有名なだけであって
他にも自分で見つけた人いたろうしな。
…いや、それは物理法則も同じなんじゃ………まあ、いいか。
数学嫌いなわたしでも楽しく見れてるんで、たぶん、わたしよりは理数に強い
他の大多数のみなさんならもっと楽しく視聴できること請け合いです。
後、先生が好みの男前なんだ!(あくまで個人的に)
(ちなみに先生はロシア出身でいらっしゃるので、やたらロシア推し。
調和解析という音の波長を数学的に見る分野の話の時には、
きっとチャイコフスキーが引き合いに出されるに違いない。楽しみです)

そういえば、番組中背景にちらっと
「スーパーストリングスセオリー」ってカタカナが見えたけど、これって

超弦理論のことかーーー!!!!

(直訳かよ!)


「100分DE名著 サルトル」
別に実存主義にもサルトルにも興味はなかったんだけど、
鷲田清一先生の「哲学個人授業」でサルトルの実存主義を
「つまり、彼女が女であることとか彼女とはとかそういうことやない、
僕には彼女自身が問題なんや、てことでしょう」
という解説が印象的だったので、ためしにいきなり2回目を見てみた。
「個人授業」で読んだ時はサルトルの文章からの引用はさっぱり分からなかったんですが、
仏文学者の解説する「嘔吐」は、

どうしよう、めっちゃ分かる…

理屈として理解出来るのはいいとして、それ以上に、サルトルさんの言いたいことが
実感として心に迫りました。せやんなぁ…としみじみしてしまった。
そうやねん、ほんまはよって立つとこなんかなんもないねん。
せやからほんまは他人がどうこう言うても所詮他人の言葉やねん。
(それが正しいかどうかなんか誰に分かるねん)
でも、そう思うとよけいに足下が不安定になるもんやんなあ。
それを自由と言い切っちゃうサルトルさんが好きだ!
せめて他人の構築したとっかかりじゃなくて、自分が作ったものを支えにしよう、
という考えも好きだ!

流れで3回目も見た。
これも、うんうん、そうやねんよなぁ、と思いながらしみじみ見てしまいました。
結局、社会で暮らしてる以上、他人にこう思われているであろう自分に
引っ張られるよなあ。
そこを、相手を見つめかえす!という覚悟を決めたサルトルさんがやっぱり好きだ!
仏文学の先生にならって、わたしも「さらば、下種どもよ」を最終呪文として
覚えておこうと思いました。



ここから本

宇宙137億年の歴史 佐藤勝彦 最終講義 (角川選書)

佐藤 勝彦 / KADOKAWA / 角川学芸出版

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佐藤勝彦先生著『宇宙137億年の歴史』読了。
最後の5ページは、もう駅に着きそうだったので若干流し読みましたが、
それでも最後まで読み切りました!えっらい時間掛かった!
でも面白かったです。
最後の辺りは、この宇宙の外側の話で、
いろんな説が載っててこれが楽しかった。
ダークエネルギーが、その外っ側の他の宇宙からの重力じゃないかって説、
話が大きすぎてなかなか想像しづらいけど、面白いな!
後、アインシュタインが一度没にした宇宙項のアイディアが、
近年もう一度見直されたって話を聞くにつれ、
アインシュタインどんだけほど天才やねん、と驚きを新たにします。
すごいよな~!!


シェイクスピアを楽しむために (新潮文庫)

阿刀田 高 / 新潮社

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阿刀田高著『シェイクスピアを楽しむために』
有名な話がざっくり説明してあって、一冊読むとシェイクスピアを大体知った気になれます。
オセローって勝手にローマ時代の話だと思いこんでましたよ。
ルネサンス期のイタリアか!
後、劇のシナリオは文字で読むより実際に演じられているところを見る方が
10倍は面白い、というのは、わたしもつくづく思いました。
面白くなく舞台化しちゃうパターンもあるだろうけど
(劇団四季の「トロイア戦争」はイマイチだった…)
やりようによってはものすごく魅力的に膨らませることが出来るんだなあと。

シェイクスピアの「史劇」がイギリス中世を扱ったものだけを指すのも初めて知った。
ヘンリー4世、5世、6世、リチャード3世あたり
あの辺り、ランカスターだのヨークだのテューダーだのややこしいんだよな~。
ジョセフィン・テイの「時の娘」の影響でわたしはリチャード3世推しです。

マクベスもウィンザーの陽気な女房たちもジュリアス・シーザーも
初めてあらすじ知ったわ!

著者の阿刀田先生とはいまいち趣味が合わない気がしてきましたが、
解説は大変わかりやすかったです。


つれづれ、北野坂探偵舎 トロンプルイユの指先 (角川文庫)

河野 裕 / KADOKAWA/角川書店

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『北野坂』タイトルうろ覚え。
お借りした本。
貸してくれたお茶友が「今回全く推理ないっスよ!」と言ってましたが、

ほんとになかった…!!

北野もほとんど出てこないしな。登場人物も標準語だしもう舞台東京でいいんじゃね。
木曜8時の京都シリーズかっちゅうの(あれも全く舞台が京都である必然性がない)。
ただ、『137億年』の後に読んだから、ものっすごいすいすい読めました


やってみなはれみとくんなはれ (新潮文庫)

山口 瞳 / 新潮社

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山口瞳、開高健著『やってみなはれ みとくんなはれ』読了。
二つ前のあさどら「マッサン」の鴨井の大将の大ファンだったので
そのモデルとなったサントリーの創業者鳥井信治郎について読みたくなって。
それでまず何か伝記みたいのがないかをググって、結局、この本にたどり着いたと言うわけです。
ところで、この本、文庫なんですけど、まず驚いたことが二つ。

①そもそもサントリーの社史として書かれたものが余りに面白いので
紆余曲折を経て文庫化したものであるということ。
②山口瞳、開高健の両名は、直木賞、芥川賞作家なのであるが、
もともとサントリーの社員で、賞を取ってからも社員で居続けたということ。

どっちにもびっくりしたよ!
ビックリ気分のまま読み始めて、内容の社史からぬ小説っぽさ、熱気、
語り口の面白さにグイグイ読み進めてしまい、
最終的に泣き笑いのような顔でサントリーの熱気に当てられて読み終わりました。

面白かった!!

社史として書かれた以上、サントリー推しは当然としても、
両著者が会社を、その構成員たちを、創業者の鳥井さんを愛してるのが伝わってきてじんわりし、
その上かつてのサントリーのチャレンジ精神あふれる社風にワクワクしました。
鳥井信治郎さんは、良くも悪くもアクが強くて印象に残る人だったみたい。
冷静で大胆な商人だけど、神頼みが頗る激しいところも、情にもろいところもあって
清濁すべてを併せた上でたいそう魅力的な人だったようです。
著者がかつての鳥井さんの思い出を社の重役たちに聞いて回る場面があるんだけど
語り手の口調が一様に懐かしそうで、愛情に満ちててさ。
著者の力量もあるんでしょうけど、うっかり一緒に「大将はすごい人やったで…」
みたいな気分になっちゃいましたよ。胸熱。
「やってみなはれ」、という大将の口癖もすごい好き。
そもそもかつて『プロジェクトX』で見て個人的に壺った
南極観測隊副隊長西堀栄三郎さんの口癖も「やってみなはれ」やったらしいしな。
作中の、「つまり、やってみなはれ、というのは、起こり得る事態は全て想像し、
準備も万端に整えた上で、その時が来たら踏み切れ。やるとなったら迷わず賭けろ。
ということだ。」
という解説にもすごいうなずいた。
そうやな。
単に行き当たりばったりで手を着けるのはだれでも出来る。
準備は整えて、やるとなったら一心に打ち込まんとな。
ロスチャイルドの本を読んだときに痛感した、早くて正確な情報は商売に欠かせない、
という教訓とともに、商人の心得として心に刻みました。
別に商売人になるつもりはありませんが。

後、長男で若くで急死した吉太郎さんは、小林一三の娘さん春子さんと結婚してた
というプチ情報にも吃驚しました。
ちょうど某N○Kで小林一三の回を見たところなので!
世間は狭いな!!
さらに、サントリーが二代目佐治社長の時にビール方面に打って出ようとしたとき、
アサヒだけが味方になってくれたと聞いて、アサヒを見直しました。
こないだビール工場見学に行ってただ酒飲ましてもらったとこだしね!
(美味しかった!)


炎と茨の王女 (創元推理文庫)

レイ・カーソン / 東京創元社

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白金の王冠 (創元推理文庫)

レイ・カーソン / 東京創元社

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魔法使いの王国 (創元推理文庫)

レイ・カーソン / 東京創元社

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レイ・カーソン著『炎と茨の王女』『白金の冠』『魔法使いの王国』三部作読了。
面白かった~!
よう出来たエンタメです!!
この本のおかげで、帰りの電車が待ち遠しくて待ち遠しくて。
行きには「やってみなはれ、みとくんなはれ」を読んでてやっぱり楽しかったし、
読書中は通勤路が全く苦ではありませんでした。
読了して、「これから何を楽しみに生きて行けば…」
面白い本を読み終わったときには必ず思う寂しさをまたぞろ感じてしまいました。

まず全体的に。
ジャンルとしてはロマンス要素ありのファンタジー(どちらかというと女性向け)。です。
ファンタジーには珍しく、スペイン語っぽい人名や地名です。太陽熱そう。
で、個人的に大層楽しんで読んだことは上で述べましたが、その面白さを考えるに、
大河ドラマ的な、名作少女マンガを読んでるのと同種のものかな、という感じを受けました。
読みやすかった。読んでる間中ワクワクして、また、次々危機が起こるので肝を冷やしたり、
主人公の恋の行方にハラハラしたり、全く飽きなかったよ!
でも、人生哲学とか、緻密な推理とか、そういうのは薄いので、
そちらをお求めの向きにはご期待に添わないと思います。
後、難を言えば、歴史好きとしては、歴史の構築がちょっと弱かったかなと。
まあ、それが主眼の物語ではないんで、いいんですけど。

主人公は、小国の二番目の姫エリサ。ゴッドストーンを帯びた娘。
美人で有能な姉にコンプレックスがあっておまけに太ってて(ちょっとやそっとのぽっちゃりじゃありません。
完全にアウトな太り方です)、周囲からは全く軽んじられている体で登場します。
でもこの子、ものすごい頭はいい子なんです。戦術書「ベレサ・ゲッラ」や聖書
「スプリクトゥラ・サンクタ」を丸暗記するほど読み込み、その知識は学者並。
なので見た目や周囲の評価に反して、割と最初から出来る子です。
オマケに、意外にきかん気で頑固です。相手の侮りに負けてなんていません。
(なので、読者はそんなにいらいらしません。ストレスフリー)
そんな主人公が何の手違いか、隣の大国の王様に嫁ぐことになって、
姉を差し置いて結婚式挙げるんだけど、隣国への道筋で既にハプニングが。
いきなり山賊におそわれて乗ってた馬車が炎上、死にそうな目に遭うし、
旦那を助けるために山賊殺しちゃうし、
旦那の国に着いたら着いたで夫は難癖つけて結婚した事実を公にしようとしないし、
もう、どないやねんな!という目にこれでもかと会います。
が、もちろん、それで終わりではありません。

序の口です。

1巻に引き続き、2巻、3巻でも色んな目に遭いまくります。
そのたびに知恵を絞って対策を考え、心を鬼にして決断し、なんとか乗り越えて、
最終的に見違えるような成長を遂げます。

その主人公も好感がもてて良かったですが、愁眉はヘクトールです。
ヘクトールっていう名前の王の近衛隊長が出てくるんですが、
名前に負けぬいい男だったんですよ!終始!
もうわたしはそれだけでもこの本をお勧めする価値があると思っています。
スペインっぽい世界観のファンタジーにヘクトールの名前を見るのはなんだか
不思議な感じがしますが、南米のスペイン語圏の国々って今でも
ヘクトールとかネストールとかオレステスって名前多いですもんね。
著者がヘクトールという名前の登場人物を、素敵な役に配置してくれて嬉しい!
キャラクターの素敵さと、名前の響きから連想する素敵さが相乗効果で
出てくる度にときめきました!ごちそうさまでした!

後、ぜんぜん関係ないけど、ヘクトールの名前調べてて初めて知ったけど、
イタリア人男性の名前、「エットーレ」ってあれ、「ヘクトール」か!
クレシダがクリュセイスだったと分かった時以来の衝撃
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by mi-narai | 2015-11-20 22:47 | 2015年下半期の読書
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