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ミステリー、『外国語をはじめる前に』 『開国の使者 ペリー遠征記』 『日本の統治構造』

本を隠すなら本の中に (創元推理文庫)

ローナ・バレット / 東京創元社

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ローナ・バレット著『本を隠すなら本の中へ』
本屋コージーミステリー第3弾。
今度は部屋に泊りに来てた旧友を「ちょっと、いつまでいる気よ、いい加減帰ってくれない?」
って追い出したその日にその旧友が死体で発見されて、またもや犯罪に巻き込まれるという筋。
前回仲が深まってた事件記者と今回はぎくしゃくし、相手が原因で一度は別れます。
それと同時進行で、今回天敵保安官の代わりに事件の捜査についたイケメン副保安官と
お互いに意識し始めました。
この辺りは少女マンガのノリに近い。
(いかにもコージーミステリーですよ。大体イケメンとくっつく主人公)
後、フリーガンについての叙述が興味深かった。
動物保護の時も思ったけど、アメリカ人、極端だよな…。



田中啓文著『ウィンディガール』
日本人の娯楽本はあっという間に読み終えますね。この本もしかり。
主人公は高1で吹奏楽部でサックスを吹いてる女の子。
でも、吹奏楽部の描写があまりにも中学生っぽいよな~と思ってたら、
案の定あとがきで著者の中学生の娘の部活動の話を参考にした、と書いてありました。
せやんなあ。高校生にもなったらもっと大人やんなあ。
おまけに、あまりにもジャズ>>吹奏楽的に書いてあるので若干腹が立ちます。
大編成の欠点ばかり書いてあるけど、大人数ゆえの喜びや感動だってあるんだぞー!
まあ、作者はこれまで数多く書かれた青春小説としての吹奏楽ものではなく
音楽を通して主人公が成長する話を書きたかったようなのでいいんだけどさ。
でも2巻は買わない。


呪いの時代 (新潮文庫)

内田 樹 / 新潮社

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内田樹著『呪いの時代』読了。
古本屋で100円の本がさらに半額になるというので50円で買いたたいた本。
これもさっくさく読み終えました。
なんか、毎回そうやねんよな~て思う個所と、いや、それはどうかと思うぞ内田さん、と思う個所
半々くらいなのですが、今回は若干それはどうやねんと思うことの方が多かったかな。
草食男子については厳しいと思ったけど、近年の若年層全体に対する目線は優しいな、この人。


ポアロとグリーンショアの阿房宮 名探偵ポアロ

アガサ クリスティー / 早川書房

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アガサ・クリスティー著『グリーンショアの阿房宮』
これまで未出版だった中編の初翻訳という触れ込みだったので買ってみました。
もともと、教会のチャリティーの為にポアロものの舞台設定とトリックを考えてたところ、
話の長さが中途半端すぎてお蔵入りになった一作。
でもこのタイトルで書くって雑誌に予告入れちゃってたもんだから
タイトルだけ同じのミス・マープル物のまったく違う筋の短編を書きなおしたらしい。
ちなみにトリックと話の筋は、ポアロ物の『死者のあやまち』という長編に描きなおされたらしいです。
こっちは舞台は違えど話の筋はくりそつだそうで。

そんな紆余曲折を経た今作。
最後まで犯人はわからんかったけど、
トリックがトリッキー過ぎる気がしました。それに手がかりが薄すぎる気がする。
なんか、途中で4回くらい寝落ちしてしまいましたよ。
後、ポアロが敬語じゃなくてそこが不満!


外国語をはじめる前に (ちくまプリマー新書)

黒田 龍之助 / 筑摩書房

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黒田龍之介『外国語をはじめる前に』読了。
また買ってしまいました…この方の語学エッセイ。
そしてまたおおむね楽しく読み終えてしまった……。
タイトルの通り、外国語を始める前にしておいた方がいい心構えの本。
著者は外国語習得には忍耐も努力も時間も必要だとご自身の経験から実感していらっしゃるので、
昨今の“すぐ身につく英語”、みたいなキャッチフレーズに違和感を覚えているわけですよ。
なので、生半可な気持ちで初めても続かんよ、という警告も込めて書いてるはずなのに
読み終えるとやっぱり語学がしたくて仕方なくなっちゃう罠。
知らない言語を学ぶのって楽しいよね~
(楽しいのはかじりかけの頃だけなんだけどね。じわじわ難しく、辛くなってきます)
各章、「基本」「発音」「単語」「文法」「意味」「系統」「歴史」「方言」など、語学をやってると
まあ、毎日のように目にする項目に分けられてて、
大変読みやすく、外国語学習の実際の風景が想像しやすいつくりになっています。
各章末に、著者が講師として働いてた頃に講義で出した質問と、
それに対する学生の回答が書いてあるんですが、これが面白いんですよ!
外国語学習中の悩みとか、自分の学んでる言語の難しい所とか、
感じたことが生き生きと書いてあって、時々声に出して笑ってしまいました。
ただ、「方言」の項目では著者の物言いにはところどころカチンと来ましたが。
(ちっ、共通語話者め)
それ以外は面白かった。


その女アレックス (文春文庫)

ピエール・ルメートル / 文藝春秋

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ピエール・ルメートル著『その女、アレックス』
話題の本です。買っちゃった。
読んだ感想としては

なんか、いろいろ、すごかった…

最初から謎とサスペンスの連続でぐいぐい引き込まれ、また叙述も詳細だけどくど過ぎない
ちょうど良い塩梅で(当社比)、最後までだれずに読み切れました。
最初は、アレックスという女性が誘拐されて大変な目に合ってるところからスタートで、
その誘拐の目撃情報をもとに、カミーユという警部を中心としたチームが捜査を開始するんですが、
これが誘拐事件のまま全然終わらん。
ちゅうか予想外のところに着地するんですよ。
あんまり言っちゃうとこれから読む人の邪魔だから事件についてはこれ以上はやめときます。

ところでこの探偵役のカミーユさん、推理小説史上最も背の低いキャラクターなんじゃないかと。
145センチくらいしかないの。なのに、性格は、2時間推理サスペンスで出てくるような
たたき上げのベテラン刑事なのよ。ギャップが面白い。
この小さい警部さんと、彼の部下
①ハンサムでセレブで洗練されてて優しいルイ
②めちゃめちゃケチで癖のあるアルマン
の掛け合いがまたいい感じです。
なにより白眉がタイトルロールのアレックス。
読むうちにこれほど印象の変わった女性も初めてです。
最後の最後、カミーユのセリフにはにやっとしました!
面白かった。

でも、手放しに称賛ばかりしづらい、矛盾点なんかもあります。
定期的に繰り返される残虐描写もダメな人にはだめだろうなあ…。
(わたしも「ひー」と思いながら読みましたもの)
最近の推理小説の流行りなんですかねぇ。ショッキングな場面を挿入してそれのショックで読者をひっぱるの。
オチもありきたりだし。(すまん、「またソレか!」とは正直思った。あと「なんでやねん!」)
でもまあ、フランス人作家だから、こんなもんかな、とも思いました。
けっこうえぐい&感情的に振れ幅の大きい&こってこて、の作品が多いよな、という印象があるので。
理性に感情が克つ感じが、イギリスとかドイツとかのアングロ・サクソン系の小説にはない印象で
面白いなと思うんですけど、理性的かつトリック重視のミステリーが好きな人がいきなり読むと
拒絶反応起こすかもしれないなあ…


大阪商人 (講談社学術文庫)

宮本 又次 / 講談社

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宮本 又次著『大阪商人』
もともと経済畑の著者らしいんですが、経済は人間が動かしているものであるから
人間に焦点を据えて経済史を書きたくなったそうで。
なので、著名な商人個人を描きつつ当時の経済活動を説明する流れになっております。
大阪の地理には疎いので、地名が出てもさっぱりわからないのですが、
商人好きゆえ、商人の話は楽しいな~!
まずは江戸時代の貿易商人について説明してあります。
江戸に幕府が移ってしばらくした頃、なんか2年ほど生糸が売れなくて困ってた外国人に頼まれて
幕府が大商人数人に打診して買い取らせたんだけど、
なんとそれが外国貿易の独占契約の始まりだったらしい。
最初は長崎、堺、京都の商人が外国商品を専売してたんだけど、そのうち大阪と江戸が加わり
この5か所の選ばれた商人たちにのみ外国品の取り扱いが許されてたんだって。
で、鎖国中なんで外国との貿易って長崎が中心に行われたのかと思ってたら、
輸出品も輸入品も一度大阪に集積されてたそうですよ。(堺港が土砂で寄港が困難になってからは特に)

大阪が中心だったのか…!!(天下の台所ー!)

なんかそれがすごいびっくりした。
後、外国人と直接取引する大店に(現地駐在員に地元の取締役とか役がちゃんとついてる)、
仲買商、小売商と綺麗に役割分担が出来てて見事なもんだなあとも思いました。

まだ途中なんですが、ちょっと休憩して他の本を読み始める。


開国の使者 ペリー遠征記 (角川文庫)

佐藤 賢一 / KADOKAWA/角川書店

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佐藤賢一著『開国の使者 ペリー遠征記』読了。
作者買いしてみた一冊。上記の『大阪商人』からの江戸繋がりで、同時に読み始めてみました。
徹頭徹尾ペリーさんの目から見た、日本遠征記。
ペリーさんは、海軍の軍人さんなので、海軍好きのわたしはウハウハです。
超楽しい!いや、流石に海戦シーンはありませんが。
何度もペリーさんのフルネームが出てくるから、彼の名前は
マシュー・カルブレイス・ペリー
って覚えちゃいましたよ。夭折したお兄さんはオリバー・ハザード・ペリー。
途中で、アメリカが中国の利権を手に入れようと思ったら日本の位置が重要になって来る、
(それまではイギリスやオランダと同じく、まずは大西洋を渡って、アフリカ西岸を南下、
喜望峰を回ってインド洋へ、マレー半島をぐるっと北上してマカオ、香港、上海へ、と
こういう航路を取ってたらしいんだけど、日本に寄港地が出来たら
インド洋航路じゃなくて、太平洋を渡って直接中国に行ける)
という著述があったのですが、
それにものすごい納得しました!
そりゃそうやで。なんでアメリカから中国に行くのにわざわざぐるっとアフリカ方面から回らなあかんねん。
後、日本人作者なのに(だからか?)、ものすごいアメリカ人目線なのが面白い。
毎回アメリカ人である主人公がヨーロッパ人(特にイギリス)に馬鹿にされて
イライラする感じがよくわかります。
日本人に対しては、割と好意的なのですが、日本人に好意的な外国人を日本人が書くという
遠まわしな自画自賛になっとります、わはは!
最後、ペリーさんが任務完了後、自分で日本遠征記を執筆しよう!と心決めたところで話は終わるのですが、
調べてみたらホントにこの人、遠征記著してるのね。
ちょっと読んでみたくなりました!


日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ (中公新書)

飯尾 潤 / 中央公論新社

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『日本の統治構造』読了。
定期的に、商人本及び政治関連の話は買いたい気分になって買うものの
なかなか読む気にならず積んで置かれているのですが、
今回某●HKの白熱教室で今話題のぴけてぃさんの回見たし、
(こっちはこっちでものすごい面白かった!やっぱり講義方式で話してるの聞くのは分かりやすいしね!)

「今ならイケんじゃね?」

などという根拠のない自信に押されてひも解いてみました。
読み終えた。

面白かった…!!!!

いや、わたし、理数もそうだけど、政治・経済・法律に関する知識もザルなんですよ。
ほっとんど知らないの。
そんな一般人以下の知識しか持たぬ私が読んでもちゃんと理解でき、
なおかつ「なるほどー!」と膝を打つ感じの分かり易さ!
大変に親切な作りでございます。
内容は、もう本当にタイトル通り、いったい現在(この本の出版が2007年なのでその当時の現在ですが)
日本がどのような形態で統治されてて、どんなシステムで国家が運営されているかを
説明・検証し、問題点を洗い出したもの。
色々目から鱗でした!
アホ故に上手に説明出来ないので目から鱗ポイントを箇条書きで行きますよ!

・大統領制の方が分権的だった!
 いや、わたし、首相(総理大臣)より大統領の方が権限が大きいと思ってたけど
 本来は、大統領は立法府と行政府両方の長を兼ねる首相のように
 権力が集中しないよう分権を重ねた役職らしい!
 アメリカはイギリスから独立した経緯があるし、やはり権力が一人に集中する事に抵抗があったのだな。
 日本はなぜかあまり首相が権限を持ってるように見えないんだけど、
 イギリスはその力の集中がうまく働いてる例で、立法府と行政府が半一体化していることが
 スムーズな国家運営に生かされているらしい。
 フランスは議会が割れすぎて国家運営がままならんところを
 半大統領制にしたことでまとまりができてうまく行った例らしい。
 この辺りは国によってカラーが大分違う…

・官僚内閣制。
 日本の首相があんまり権力なさげに見えるのは、議院内閣制じゃなくて官僚内閣制になっとるせいじゃないか。
 というのが著者の指摘。最近は徐々に変わりつつあるらしいけど、著者の指摘がいちいちもっともで
 なるほどなあ、と思いました。
 もちろん官僚の権限が大きい(日本の場合は立法計画の立案までやっちゃうとかそういうあたり)ことには
 利点もあるらしいけども。

・族議員がなにかようやく分かったー!
 うむ。癒着はいかんよ。

・あと、小選挙区制と大選挙区制、比例代表制の違い、効果の違いもようやく分かったー!
 小選挙区制だと小さな政党に入れた票が生きなくていまいち有権者の意向が反映されにくい面はあるけど
 与党の次に強い党の勢力を伸ばす効果はあるわけなのだな。2大政党制を目指す向きには最適。
 比例代表制は逆に有権者の意見はきっちり吸い上げられるけど、第一党が議会で過半数を占めるのは
 まあ無理なので、連立内閣になりがち。

・各国の制度も載ってて、これも面白かったです。やっぱ国が違えば大分違ってくるんですね。
 規模が小さいとはいえ、「金の無駄やし」と1院制+比例代表制を選択したスウェーデン(ノルウェーだっけ)は
 ある意味清々しいな…!

・官僚の出世コースについての説明もあったけど、過酷だなあ。
 国家公務員も大変ですね…。

・一党優位の功罪について。
 確かに、ずーっと同じ党が優位に立つと、有権者の希望が通りにくいよな、と思いました。
 もう高度成長期も終わったし、国の予算も限りがあるから、無制限に政策立てられんし、
 要るもの要らないもの取捨選択して、その選択は国民の大意を勿論見つつ、
 なるべく大多数が(金持ちや国会議員だけじゃなくな)納得できる政策を
 きちんと実行するとこまでやらんといかんのに、一党優位で縦割り行政だとなかなか
 迅速に行かなくって、それってどうなのよ、という指摘も分かる。

・選挙公約ちゅうか、マニフェストちゅうか、やっとそれの存在意義も分かりましたよ!
 どうせそんなん立てても、選挙の前に口で言うだけやろ何のために毎回出来もせん約束してんねんと
 これまで話半分に聞いてましたが、
 本来は、有権者は議員個人じゃなくて、政党のそういった選挙公約を見て、
 それを元に選挙先を選んで、もしその党が政権を取ったらちゃんと公約が果たされるか見て、
 果たされなかったら次に選挙で落とすものなのだな。と分かりました。
 そんなシンプルなことだったんだなあ…。
 なんで口先公約がまかり通ってるんだろう。次回有権者が落とさないからかな。
 やっぱりちゃんと選挙に行かないとだめですよね。
 いや、投票に行くの、個人的には面白いと思うんですけどね~。
 
・しかし、この本読んでつくづく思ったんですが、こう言った国の仕組みとか、選挙の意義とか、
 義務教育でもっとしっかりやっとくべきなんじゃないだろうか…
 実はみんなちゃんと知ってんのか?
 わたしが無知過ぎただけっスか?
 いやしかし、学校の政経の授業の時に通りいっぺん説明されただけじゃ
 いまいち実感湧きにくいというか、もうちょっと踏み込んで教えておいて欲しかったという願望も含め…
 
で、読み終わって、今投票率低いけど、残りが全員投票したらすごい力になるんじゃないかな、
たとえば、女性候補に入れて、女性議員が3分の1ほどに増えたら、
国会でアホなヤジ飛ばすおじさまとか、もっと居づらくなるんちゃうかな、
とか、おバカな妄想を繰り広げました。
いや~、ほんとにすごい面白かった!この本おススメです!


浪花の太公望 (集英社文庫)

田中 啓文 / 集英社

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『浪花の太公望 鍋奉行犯科帳』
大阪西町奉行所シリーズ第3段。
なんか、がっちがちの東町との対比で西町奉行所がゆるーい感じで好きです。
毎回食にからめて事件が起こるので、お腹が空きます…。
今回はやたら鱧料理が食べたくなりました。
主人公をめぐる二人の娘さんも微笑ましくて良かったです。
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by mi-narai | 2015-03-22 23:37 | 2015年上半期の読書
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