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『エピジェネティクス』 『民話の世界』 『昔話のフォークロア』

好きだった某NH・Kの『妄想日本料理』って番組がまた始まったので先週から
楽しく見てるんですが、

…ちくしょう、こんな時間に放送するなよ、腹減った…


エピジェネティクス――新しい生命像をえがく (岩波新書)

仲野 徹 / 岩波書店

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仲野徹著『エピジェネティクス』読了。
大した理由もなく、なんとなく本屋で表紙買いしましたが、
その後各所(新聞の日曜の書評とか)で薦められてて、
ちょっと自分の先見の明を褒めたくなった一冊。

結論から言えば、大変面白かった!

物語的な面白さではなく、。
去年重力の話を理解できたときみたいな

そうやったんか!!!

という驚きが、大変に心地よかったです。

えー、しかし、もう5回くらい言ってるような気がしますが、本当にわたくし文系脳でして
しかも高校の時生物取ってなかったし、第2章の「エビジェネティクスの分子基礎」の部分は
進みが超絶のろかった…。毎日それこそ30ページずつ位しか読めませんでした。
(著者は一般の読者向けにきわめて簡略化して書いてくださってるというのに!)
でも、ここを読みとばすと後々分からんようになるし、絶対理解せねば!!と決意して
頑張って読んだよ!久しぶりに理科の教科書開いてテスト前に詰め込んでる気になりました。
…ちょっと面白かった…(マゾか)。

おかげ様で、これまで聞いても何のことかさっぱり分からず、
ちんぷんかんぷんだった単語、
ヒストンテールとかコアクチベータとか
クロマチン繊維とか、リボゾームとか、メッセンジャーRNAとか、
プロモーター領域とか、メチル化がなんでそんなに頻繁に出てくるかとか、
そんなことが

やっと、やっと分かりました(ハレルヤ―)!!!

まさに「そうやったんか」。これで次からはもうちょっと理解しながら発生学分野のアレコレが
聞けます(その時までに忘れてなければな)。

とりあえず、ざっくり言えば、遺伝情報として受け継がれるのはDNAに書かれてるもののみで、
その遺伝子情報についての学問が、ジェネティクス(遺伝学)。
遺伝子情報そのものじゃなくて、その発現の仕方(どの部分をプッシュして、どの部分をスルーするか)に
関わる研究がエピジェネティクスの領域みたい。
著者の説明によると、とりあえず紙媒体の本があるとするじゃない、内容は今更書き変わらないんだけど
付箋を貼ったり、下線引いたり、上から塗りつぶしたりして読み手の印象を操作することは出来る。
本の内容が遺伝子だとすると、付箋を貼ったり塗りつぶしたりするのがエピジェネティクスなんだって。
付箋を取ったり、塗りつぶしを消したりできるのと一緒で、
変更不可能な遺伝子と違ってエピジェネティックな状態は変更可能なのだそう。
(具体的には、遺伝子が転写される時にヒストンや塩基の中のシトシンがアセチルやメチルで修飾されて
転写を抑制したり逆に活性化したりするのよ)
たとえば、妊娠中に母親が飢餓状態に陥ると、胎児は飢餓状態に備えて燃費のいい身体になるよう
プログラムされるらしいんだけど、このしくみもエピジェネティクスで説明できるらしい。
面白いなあ。
遺伝子が分かれば生命活動はほぼ全部分かると思われてたのに、
さらにその情報の発現の仕方、濃淡によって実際の状態は随分変わってくると分かって来て
(エピジェネティクスの発展は1990年代に大幅に伸びたそうなんで分かりだしたんつい最近です)
ますます複雑な迷路に迷い込んだ心地です。
けど、遺伝子の突然変異で発症した病気は直すのが困難だけど、
エピジェネティクス状態を改善すれば治る病気は、それより希望がもてそうじゃない?
更なる発展を望む!ていうか、今ものすごい熱い分野らしいから、わたしが望まなくても
勝手に発展するでしょうけども!

以下、雑感。

・実験で遺伝子の不活性化とか、ちょっとした変化を調べる時に使ってる方法が
今までもうさっぱりわかんなかったんだけど、
今回説明してもらってこれまたほんのちょっとだけ理解に近付きましたよ…!
シーケンサーが何かも分かった…!!

…ということを嬉しそうにお茶友達に言ったら、
「ああ、シーケンスって塩基配列のことですもんね(それを読むからシーケンサー)」
とあっさり言われ、
そうか、やっぱ理系の人には(お茶友達は生物化学畑出身の人)常識なんか、と
目から鱗が落ちる思いがしました。

・「ゲノム」という単語について。
本の最後のあたり、179ページにさらっと
「オーム(ome)とは、「すべて」とか「完全」を表すギリシャ語の接尾辞である。女王バチの発生に
関して、DNAメチル化の総体であるメチロームを例にとって紹介したように(以下略)」とあったんですが
ようやくここで鈍いわたしも気づきました。
ちょっとまって、メチル化の総体がメチロームってことは、じゃあ、ゲノムは……
遺伝子(gene)と上述のギリシャ語接尾辞omeで「genome」か!!!
鈍くて済みません。

・ラットの実験で、生まれてすぐ適切な世話をされた赤ん坊は、ストレス受容体のエピジェネティックな状態が
色々変化して(中略)、成体になってもストレスに強いままなんだそうな。
これって人間にも適応可なのかしら。
まあ、こんなのなくても赤ちゃんは可愛がられるべきですけども。


民話の世界 (講談社学術文庫)

松谷 みよ子 / 講談社

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松谷みよ子著『民話の世界』
半自叙伝的な、著者による民話についての話。
子供時代の思い出から民話との出会いなどを、各地の民話など織り交ぜながら書いていらっさいます。

すごいよー!!
すいすい読めるよーーー!!!


あー、楽。
それに、わたし、龍の子太郎もまえがみ太郎も大好きだったんですよ、
その二つの童話が出来た当時の話など読んでて燃えたぎりました。
著者は東京の生まれで(御両親は石川の方だったようですが)、小さい頃昔話を
してもらったことがなかったそう。ハイカラなお家の子だったようです。
それを読んで、「わたし、ハニーに昔話してもろたで!!」とちょっと得意になりました。いえー。
その後、戦時中に疎開した話とかあって、その時滞在した信州の風景が根っこにあって、
長じて民話収集の道へ進むことになったらしいのですが、
また松谷みよ子さんの語り口が巧みなものだから、
著者が感じた民話への興味とか興奮とかがこちらにも伝わってきて、
あの、『日常のすぐ隣りに異界があったことに今やっと気づいた!うっわ、すっごい!』みたいな
ときめきに感染し、思わず民話全集とか借りて読みそうになりました。読みませんが。
こういった民話って、日本だともちろん日本特有の諸々の素材で成り立ってるんだけど、これがギリシャだと
ギリシャ神話関連の逸話がきっといっぱいあるんだろうなあ(今は正教会関連の方が多いか?)。
きちんと系統だって考えるには、あまりにも玉石混交すぎて
どれをどうより分けるとか、比較研究とか鬼のようにしまくらないといけないだろうけどな。
萌えに到達するまでが長すぎて到底自らチャレンジしようとは思えませんが、
きっとバイタリティあふれる全国の同志たちが頑張ってくれるだろうから
わたしはその成果を待ちます(他力本願)
しかし、大変さを少しでも想像すると、
それをマジでやってたレヴィ=ストロース先生の偉大さを痛感するなあ。

閑話休題。みよ子先生はまず信州の民話を収集なさったわけですが、信州の辺りって
洪水の記憶が物語に散見されるんですってね。昔から川の氾濫や山崩れの多い土地だったようで、
そうすると竜とか蛇とか、水と関係する登場人物がたくさん出てくるハナシが多くなるみたい。
自分の住まっておる地域はむしろ雨が降らなくて鬼のようにため池がある土地なので
そうするとどんな民話が多いのかな、と、郷土に対する興味も湧いてきました。


空襲警報 (ザ・ベスト・オブ・コニー・ウィリス)

コニー・ウィリス / 早川書房

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コニー・ウィリス著『空襲警報』
この人の前回読んだ、史学科の学生が過去に実習としてタイムスリップする話
(『ドゥームズデイ・ブック』)が好きで買ったんだけど、
この一冊にはところどころあんまり好みじゃない話が交じってました。
後、ちょっと読みづらい。訳か?訳があかんのか??
本人がホラーのつもりで書いた短編が後味悪いだけでまったく怖くなかったりね。
日本人の描写があんまりなげやりだったりね(まぁ、これはしゃーないけど。
ていうか、あんなどうでもいいような小道具として出すくらいなら日本人を出さんといてくれ。
後東京の地下鉄をdisるのはやめろ。)

あとがきを読むと、初期のシリアスな短編を集めたものらしく、
長編でコメディSFもあるらしいので、そっちに期待することにしました。


昔話のコスモロジー―ひとと動物との婚姻譚 (講談社学術文庫)

小沢 俊夫 / 講談社

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小澤俊夫著『昔話のコスモロジー』
これまた、「あれ?読んだっけ?読んでなかったっけ?」と訝りながら読み始めましたが、
大丈夫!読んだことないやつでした。良かったー!
グリム兄弟とか、マックス・リュティとか、アールネ・トムソンとか聞くと落ち着く。

この本では主に、昔話の中でも、異類婚姻譚について比較考察されており、
それがなかなか面白かった。
常々日本の昔話の場合動物の正体は動物だよなと思ってましたが
(西欧の場合は、魔法を掛けられて人間が動物になってるのであって、
正体はあくまで人間だったりするじゃない)
そんなようなことがもっと踏み込んで書いてありました。
広くアジア(それも中国のような高文明社会でなく、もっと辺境地)やオセアニアでは、
人間と動物の垣根が低いというか、動物VS人間というより、人間も動物の中の一種と見ているというか。
日本は、動物は動物主体であるのは他のアジア諸国と変わらないけど、
人間との婚姻となると拒否反応が激しいのだそうで。
確かに、正体がばれたら、去るんだよな。動物の嫁さんは。
信仰形態の変化もあろうけど(もともと信仰の対象であった動物が、仏教の伝来やら他の要素もあって
時代が下ってそうでもなくなった。
結婚は自分と同等もしくは格上のもの(たとえば神)とかとだと出来るけど、格下とは出来んってことよね。世知辛い)
人口密度の問題とか、日本人の大多数が牧畜や狩猟民ではなく、農耕民族だったというところも理由の一つじゃないかなあ。
周りが人間ばっかりで、人間社会にどっぷりつかっとったら、
いくら昔話でも「動物と結婚?いやいや待て待てないやろそりゃ」と土壇場で我に返るかもしらん。
これが荒野の一軒家にぽつんと住んでたりしたらまた変わるかも知れないじゃない。
ワタリガラスファンの私としては、北東アジアの、動物と人間の行き来が可能というか、
ほぼ等価値の世界観が好きだなあ。
西欧はキリスト教の影響が激しすぎますが、結婚してハッピーエンドとか、素朴な勧善懲悪系が多くて
あれはあれで好きです。
(後、キリスト教の影響を被る前は、他の地域と似たような、もっと動物と人間の位置が近い世界観を
持ってたんかもしれんな、とも思った)
日本のは、別れの余韻を味わうような、奥さんが去って行っちゃって終わり、みたいな話が多くて
そんなん寂しいやん…。
いやまあ、どこにドラマの主題を置くかの問題なんだけどさ。
著者の、日本の昔話における異類婚姻譚は、自然界と人間との関わり方に主眼を置いてて、
西洋のそれは人間同士のドラマに主眼を置いてる、西欧において自然界と人間との関わりを語るのは
昔話でなく伝説の役目、という考察も興味深かったです。
日本の場合島国だし、その昔は村社会だったし、
他所からの侵入に、昔話の担い手たちは大変に敏感だったのだそうで。
来訪神とかまれびととかその辺りとも関わってきそうな話ですね。


アンドレ・ヨレス著
『メールヒェンの起源』
聖人伝のあたり(まだ1章です)で挫折しかけ。
だいぶ昔の人だし構造主義蔓延より前の話だし仕方ないっちゃ仕方ないけど
著者がキリスト教が好き過ぎて読んでてつらい…・
ちょっと、他に読みたい本が出てきたので一時棚上げを決意。また後でな~。


修道院にみるヨーロッパの心 (世界史リブレット)

朝倉 文市 / 山川出版社

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朝倉文市著『修道院に見るヨーロッパの心』
山川世界史リブレットのぺらいやつ。
具体的な修道士の生活が知りたかったんだけども、
修道院の成り立ちの方に主眼が置かれてて肩すかし…。
でもまあ、シトー派の日課と修道院平面図なんかが載ってたのは嬉しかったです。
後、やっぱどこも組織になると上の方は腐るもんやなと。
そういう腐敗に対抗して内部から清貧に立ち戻ろうとする動きが出てくるのは面白い。
せやけど、櫛も持ち込み厳禁て、髪くらい梳かそうよ…(不潔に見えるやん…)。





映画
『るろうに剣心 京都大火篇』
第1作を見に行ったので、同じ人とネタとして見にいきました。
相変わらず、アクションはすばらしい…!
後、伊勢谷ゆうすけがかっこいい。
かみきりゅうのすけくんがそれっぽい。
しかし、話をいろいろ端折ったりしたせいで、しのもりあおしがただのおかしな人になってるな。
前回、全視聴者を脱力させた江口斉藤の牙突が今回はでてなくて、そこに一番ほっとしました。
斉藤さんは美しいイメージのままそっとして置いて欲しい…
(なんでえぐち…)

『るろうに剣心 伝説の最後編』
だいたい楽しみましたが、ところどころツッコミ所が。
伊勢谷はかっこ良かったです…けど、…。
アクションは相変わらず素晴らしかったです。
[PR]
by mi-narai | 2014-10-19 00:06 | 2014年下半期の読書
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