<< 『ポケットに外国語を』 『運命... 雑記 >>

『古代ホメロス論集』 『シリーズ日本古代史①②』 『コーラン』

今、ようし、パパ通販しちゃうぞー!とサイトに行ったらば
既に同人誌売り切れてた…orz
わたしのバカ!バカ!!



ニュースで英国艦隊(の内の一部)が来日したてやってたけど、
関係者氏名のとこが「氏名 HMS艦名」てなってて、
このHMSにときめいた!
これ、「"His/Her Majesty's Ship"」の略で、英国海軍艦名の前につけるんですよね、
ナポレオン戦争時を舞台にした英国海軍小説でしょっちゅう見かける称号なんだけど、
実際に現在もついてるの見てなんかやたら興奮しました。
(そこまでディープな帆船フェチでないのでちょっとしたことではしゃいじゃってはしたないですね、
すみません。)


農耕社会の成立〈シリーズ 日本古代史 1〉 (岩波新書)

石川 日出志 / 岩波書店

スコア:


石川日出志著『シリーズ日本古代史①農耕社会の成立』
最初のうちは縄文時代の区分分けの変遷など、楽しく読んでいたのですが、
だんだん疲れてきたよママン…
いや、文章が下手なわけでも内容に興味がないわけでもないのですが、
各地の発掘状況などを踏まえながら、大真面目に当時の生活様式などを類推する叙述が
淡々と続くので
…ほら、報告書の類って、ずーっと読み続けると、なんかどれがどれだか
よくわかんなくなってくるじゃない。
あんな感じなの。
とりあえず、7割ほど読み進んだところで、ちょっと休憩。


コーラン―構造・教義・伝承 (文庫クセジュ)

フランソワ デロッシュ / 白水社

スコア:


フランソワ・デロッシュ著『コーラン』読み終わりました。
すみません、本の内容がどうこう言う以前に

訳がまずい!!

多分、忠実に訳そうと心掛けるあまりだと思うのですが、
もう、どこをどう見ても直訳です。
あのな。
もうちょっと、噛み砕くとか、せめて単語のチョイスを考えるとか、
頑張ってみようよ!分かりにくいよ!
一般読者に理解してもらおうという心遣いが感じられません…。
研究仲間宛てに訳したんかもしらんが。
いや、研究仲間なら自分で原書読むよな。
そもそも私は理解の遅いおばかさんなのですよ、
いちいち直訳の文章を頭の中で分かりやすい日本語に変換して
意味を理解するのが、手間なんです。馬鹿で済みません。
なのでこの訳者には、自分が読解力のないバカであることに関しては
申し訳ないとは思いつつも一言申し上げたい。この

へたくそ。

まあ、それはさておき、著者のフランス人のコーランに関する文献学的な考察は
面白かったですよ。
井筒先生のおかげで前知識があったので、大体話についていけましたし。
コーランの時代ごとのメディア展開とか、信者の間での位置づけとか、面白かったです。
読み終わって思い返すとあんまり覚えてないんですが。

…やっぱり、なにもかもわたしの頭が悪いのが最大の要因か。


ヤマト王権〈シリーズ 日本古代史 2〉 (岩波新書)

吉村 武彦 / 岩波書店

スコア:


吉村武彦著『シリーズ日本古代史②ヤマト王権』読了。
①の最後の方、しんどくなって適当に流しちゃったので、
その反省を踏まえ、今度は最初からきちんと読みこむことにしました。
前回が考古学の発掘成果から見た古代史だったのに対し、今回は、
主に文献学から見た古代史です。
一日1ミリくらいしか進まなくて、1週間余り本を持ち歩いちゃったけど、
総じて言えば面白かったですよ。
参考文献として、古事記とか日本書紀がよく出てくるんですが、
当然ながら神話ではなく
都の位置とか天皇の政治姿勢とかそんなものの参考のためでした。
人制度とか、氏姓制とか、臣連制とか、前よりちょっと分かった気がする。
後、物部氏や蘇我氏の動向が一緒に載ってたのも面白かったです。
当たり前ですが、朝鮮半島とは本当に昔から行き来があったのだなあ。


古代ホメロス論集 (西洋古典叢書)

プルタルコス / 京都大学学術出版会

スコア:


プルタルコス、ヘラクレイトス著『古代ホメロス論集』読了。
妹に誕生日プレゼントに何がいいか尋ねられて指定した一品。
ダメもとでこの本を申し出たところ、
本当に買ってくれたので、張り切って読み始めました。
(ちなみに、妹の誕生日には、ジャスミン系の香水を所望されたので、
おばあたまと連名でブルガリの香水を買ってやった。思ったより安くついたし
おばあたまが結構出して下さったので、ついでに他メーカーの
石鹸系のとグリーンティー系の人気作もおまけで付けてやりました。
メイドインアメリカの香水はいまいちわしら姉妹の好みには
合わんということがよく分かった。)


それはさておき、読み始めての一番の感想をあえて申してもよろしいでしょうか。
プルタルコスさんは

ヲタなかーま!

であると。
この論集、プルタルコスとヘラクレイトス(だったっけ。ウロ)の
ホメロス論が載せてあるんだけど、プルタルコスさんのやつが熱くってさ。
プルタルコスはホメロス論1の方は忘れたけど、2の方では、
文法や哲学や政治学など様々な分野の萌芽をホメロスに見つけたいみたいで。
諸分野を端から検証して、
「ほらな、ホメロスにすでにあるだろ?」
と言いまくってます。
以下、例によって心に残った無駄知識を箇条書きに。


・まずは、文法の話。
語の運用や、比喩表現、テクニカルな運用法などについて
ホメロスでの使用例を(だいぶ強引に)引用するという論文の流れなんですが、
そもそも、当時のギリシャ人(ていうかプルタルコス)が、
どういうところに語・文の運用の妙を見ていたのか、という方が面白かった。
比喩表現などは、日本語に当てはめて考えたら、
普段の文章で当たり前のように出てくるような、なんてことはないものなんですが、
結構それをめったに使用例のないサンプルとして不思議そうに書いてたりします。
まあ、動詞に態や時制が、名詞に性があるから、
それがずれてると違和感を感じやすいというのはあるかもしれんな。
(例文が当たり前だけどことごとく『イーリアス』&『オデュッセイア―』なので
もうそれだけで楽しいです。本当に、普段どれだけ自分がホメロスに飢えているかがよく分かりました。
ホメロスがどういった技法を駆使していたのかも分かって面白い。)
後、現代の言語学上は認められてても当時の語学的感覚だとイレギュラーな使い方だと思われた部分などは
あったかもしれん、とも思いました。

ていうか、プルタルコスの時代にすでに文法が出来上がってたってことに、地味に感動した。
そら、修辞学とかあるくらいだもんな!それにしても、すごいな!!

最初の4分の1くらいはそういった文法の話なので、
普通の読者にはまったく面白くないと思います。
それにしても、日本語訳の人は、たいへんだったろうなあ。語の用法とか、ギリシャ語の話なんだから、
元の単語まで日本語に訳したら何が何だか分かんなくなりそうなもんなのに。
(訳注が多いのは仕方ない)


しかし、古代の人(ていうか、プルタルコス)は、
ホメロスがそういった各種の語法を作り出したという視点でこの文法部分の論文を書いたわけだけど、
ホメロス以前に先人たちの色々な蓄積があったことは認知されてなかったのかな。
それに、ホメロスが純粋に文学上の効果を狙ってそういう語法を使ったってより、
詠唱中、ヘキサメトロンに当てはめるために同じ語句をリズムのいい語句に言い換えた結果、
そういった文法上のトリッキーな使用法になっちゃった
という結果論的なアレかもしらんぞ。


・次、物語の要素について。
歴史叙述的な要素がホメロスの作品の中に既に入ってることを確認する部分はいい。
ふつうに、ふーん、そう。と思って読みました。
けど、哲学的要素が含まれてることを見ていく部分はだいぶこじつけっぽかった。
ほれ、当時の、万物は水である、というタレスの意見を踏まえて
ホメロスはオケアノスを神々の祖としたんだとかさ。
ヘラは空気で、天空たるゼウスと交わったことがどうこうとか
(つまり、物理学的な事象を暗喩的にホメロスが描いているという主張)

いや、そんなつもりではなかったと思うぞ!

しかし、いろんな解釈を施せるものだな、とか、
当時の知識人としては、それが最先端の科学なんだろうし、
ホメロス擁護派のプルタルコスさんとしては、
ホメロスがそういった知識を踏まえていた、と思いたいのだな、とか
そういう感覚が垣間見えるのは面白い。


・理系・神学系の上述の学派の他に、
エピクロス派とかピタゴラス派とか、もうちょっと生き方考察っぽい哲学の学派にも
言及してあって、
この学派の説がホメロスのこの場面にすでに表れている、などとも
こじつけられています。
いや、こじつけだとは思うけど、プルタルコスさんのホメロス愛はよく伝わった!


・ことわざ、格言もしかり。


・某イタケ人は、途中ちょっと持ち上げられてた!!
そりゃホメロスではいい感じに描かれてますものね!GJプルタルコス!!
あなたとは良いお友達になれそうです。


・政治的な弁論術の観点からホメロスを見る段
叙事詩の作中でいろんな人の長ゼリフが入るけど、それの弁論法などを細かく見た段。
ディオメデスの部分が楽しかった。
彼って、最初にアガメムノンに罵られた時は黙ってて、数歌経ってから言い返すんだけど、
あれは、手柄を立てて実績を作ってから発言を通しているのだ、という指摘に納得した。
男らしい!
でもって、当時のカテゴリーわけとしては、
オデュッセウスは言葉豊かに力強い口調で、
ネストールはやわらかく、
メネラオスは短く分かりやすい技術が駆使されてんだって。へー。


プルタルコスの次の論文↓
・ヘラクレイオスのホメロス論
ホメロスに登場する神々の行動を全て(当時の)科学で説明しちゃうという力技。
プルタルコスさんの一部分のアレを、推し進めた感じです。

無粋やなあ…。

まあ、詩人に批判的なプラトンさんなどの哲学者の向こうを張って
一生懸命当時としては最先端の理論を使ってホメロスを擁護しようという心意気は買いました。
君の情熱は受け取った!


ボーンシェイカー ぜんまい仕掛けの都市 (ハヤカワ文庫SF)

シェリー・プリースト / 早川書房

スコア:


シェリー・プリース著『ボーンシェイカー』読了。
なんか、本屋で衝動買いしちゃった。
もともとハヤカワのポケミスシリーズで出てたSFで、
気になってたのが今回文庫で出直してたので。
なんか、ポケミスからの文庫化ものに弱いのですよ…。

時は19世紀、所はカリフォルニアはシアトル、
ゴールドラッシュに沸く当地で金脈を掘り当てるための掘削機械をとある科学者が発明し、
その機械が暴走してシアトルの地下に穴をあけまくってしまい、地盤が沈下し、
街は壊滅、その上地中から毒素が染み出て吸った人間は死に至ってしまう、
おまけにその中にはゾンビとなって蘇って生きた人間の生肉を貪るものまで出てくる、
という悲劇が前提にあり、
作品は、毒素が拡散しないようシアトルに高い壁がめぐらされ、
生き残った住民がその壁の外で細々と生きているところからスタートです。
主人公は子持ちの母親で、かつてハタ迷惑な機械を作り上げた科学者の妻だった女、
仕事はつらいし、今は亡き旦那のせいで村八分だし、息子は反抗期だし、
タフな主人公ですが、最近若干息切れ気味。
そんな時、息子が父の名誉を回復しようと、壁の中のかつての自宅へと潜り込んでしまうのです。
それを追いかける母親。壁の中には無数のゾンビたちの他、したたかに生きる犯罪者すれすれの
住民たち、飛行船乗り達などがいて、強烈な個性で母親に関わってきます。
果たして、母親は無事に息子を助け出すことが出来るのかー!

てな感じの話。
お分かりのように、SF文庫から出てますが、スチームパンク冒険ものです
あんまSF要素はないですが、わたしスチームパンク好きなんで全然OK。
設定とか謎とかより、主人公の冒険や出会った人間とのやり取りの方に力点が置かれてる感じ。
面白かったですよ。
でも、毒ガス避けのために常時マスクをつけてる描写と言い、
ゾンビを回避するために地下のトンネルを移動する描写と言い、
閉塞感は半端なかった…。
とりあえず、主人公は一人でも大丈夫な感じのパワフルかつ忍耐強い女性なので、
安心の安定感です。
[PR]
by mi-narai | 2013-12-04 00:49 | 2013年下半期の読書
<< 『ポケットに外国語を』 『運命... 雑記 >>