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『ブラウン神父の無心』『果てしなく美しい日本』『妖精の女王』『闇の妖精王』『永遠の女王』

ネサフしてて今話題の『進撃の巨/人』の二次創作というか、パロディで


進撃の阪神


というタイトルを見つけて、吹いた。



ブラウン神父の無心 (ちくま文庫)

G.K. チェスタトン / 筑摩書房

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G・K・チェスタトン著『ブラウン神父の無心』読了。
カトリックの司祭である見た目がものすごい地味なブラウン神父が
その冴えわたる推理を披露する短編をまとめた一冊。
とりあえず、古典なので読んでみました。
無茶なトリックとか、幾つかある可能性のうちの一つでしかないのに
それが当然の帰結、みたいな顔で推理を話したりとか、
若干ツッコミどころもあるのですが、
古き良き時代の推理小説、という感じで、面白かったですよ。
あんまり犯罪が今ほど無機質で残虐じゃなかったんだな、みたいに思わせるノスタルジーが。
(まあ、実際はそうでもなかったんだろうけど)
最初の数編で、ブラウン神父の最大の宿敵、フランス人怪盗フランボーが登場するんですが、
彼、途中で神父に魂の救済を説かれ、改心するんですよ。
(犯罪者を法の裁きにゆだねなくても、キリスト者的に救われたらそれでいいや、という
態度は大変神父っぽい。わたしはアリだと思うんだけど、日本のミステリーを読み慣れてる人は、
「ええんかい、ソレ!?」と思うかもしれん。)

で、このフランボー、のち、神父の親友として再登場とかしちゃったりするという…!
この設定が、なんか妙にツボって、ブラウン神父単体をというよりもフランボーとセットで
愛でてたんですが、
そのことを、既にこのシリーズを読んだらしい妹に言ったところ
(※わたしの妹もミステリー好きである)

「読んだとき、わたしも全く同じこと思った」

との答えが。
姉妹の血を色濃く感じた瞬間でした。
あたしたち、メディア媒体での、好みのタイプとかシチュがものすごくかぶるよねー!


果てしなく美しい日本 (講談社学術文庫)

ドナルド・キーン / 講談社

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ドナルド・キーン著『果てしなく美しい日本』読了。
ちょうど、震災後、キーンさんが日本国籍を取って永住してくれるという話を有り難いと思い、
印税の足しにしてくれとお布施のつもりで本屋で購入した一冊。
タイトルはえらいキラキラしいですが、本の内容は、今から40年ほども前に
キーンさんがアメリカ人向けに書いた日本ガイドの翻訳です。
日本版が出たのが確か1975年くらいなんだけど、後書きに「15年ほども前にこの本を書いた時には」
とか書いてあるので、英語で書かれた当時はおそらく1950年代だったと思われます。
キーンさんもまだ日本歴が浅い頃。
なので、日本に対する視線は「まあ、日本に数年滞在した外国人ならこんなもんかな」ほどのもんです。
あれから60年も経ち、ご本人の日本観も色々変わっただろうし、
「なんだ、大したことないじゃないか」などと思わずに、
若いアメリカ人の当時としては格段に日本に好意的な意見をほほえましく読んでください。
それよりも、当時の日本の雰囲気や風俗が色々と読めることの方が楽しいです!
ほんとに、ものすごい時代の流れを感じますよ!
50年しか経ってないのに!!
でも、すでにそのころ結構工業化してたという記述もあり、逆にびっくりもしました。
この本を読んでて気づいたのですが、日本は文化を強制された事って、あんまりないのだなあ…。
自国がさほど進んでないのを自覚しつつ、大国のいいところを都合のいい部分だけ輸入してるというか…。
日本文化のミックス具合とか、新しいものを取り入れつつもそれ一色にならずに
古いものも駆逐せず放置したりだとか
そういう特色って、文化を取り入れる際の日本の昔からの方法によるところも大きいのかなと
(幸運にも、先方の文化を好きに取捨選択できる自由度の高さがあること)そんな風に思いました。



妖精の女王 (創元推理文庫)

メリッサ・マール / 東京創元社

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闇の妖精王 (創元推理文庫)

メリッサ・マール / 東京創元社

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永遠の女王 (フェアリー・コート・シリーズ3) (創元推理文庫)

メリッサ・マール / 東京創元社

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メリッサ・マール著『妖精の女王』
『闇の妖精王』
『永遠の女王』
一気に読了。
ものすごい娯楽目的で読みました。以下、雑感。

文学だと思って読んではいけません。小学館か白泉社の少女マンガだと思って読むべし…!
これまた前回読んだ『ラメント』『バラッド』と同じく妖精界と人間界のあれこれの話で
主人公の女の子が妖精と人間から求婚され(もちろんどちらも男前)二人の間で揺れるとか、
特別な立場に選ばれ、当初恐怖を感じていたあれこれが、特権的なものに変わるとか、
まあ少女マンガの王道をいくような話なんですが、
まず言いたい。

世の中にはケルト系の神話体系しかないと思っているのか、と!

大体前の「ラメント」もそうだったけど、
どっちも舞台はアメリカなんですよ!?
ケルトの妖精たちがいるというなら、ネイティブの神話とか(雷の精とか兎男とかは?)
キリスト教関連のあれこれとか(天使とか聖人とか)、
中華街由来の道教とか、その他の色々な神話はどうなっとるんじゃい!
ていうか、ケルト系の妖精のごたごたごときで地球全体がどないかなったりするか!
(事件はハンツデイルというどっかの町周辺でしか起こらず、
物語の舞台は終始その周辺のみに限定されてるんです。
それなのにその局地的出来事が全世界的に影響を与えるなどと
ところどころ言及しようとするから片腹痛いというか。
むりに風呂敷広げなくていいから!
影響があるのはハンツデイル周辺だけにしとけ!)

…まあ、そう言った瑣末なアレコレにはさんざ脳内ツッコミを入れましたけども、
わたくし、おおむねは楽しく読めました…!
というのも、2巻目『闇の妖精王』で出てきたダークキングのイリアル(タイトルロール!)と、
3巻目『永遠の女王』でその後を継いだニールがたいへん好みだったからです…!
もちろん、どちらも脇役です。
イリアルは、名前が某叙事詩の語感と似てるので当初から気にはなっていたのですが、
登場場面が増えるにつれ、
暴力と欲望に支配されるダークコート(まあ、妖精の勢力の一派だと思ってください)を治めるのに
うんざりしてたりとか、その諦観とか、でも、それでもコートのために頑張っちゃうとことか、
あんまり他の人には理解してもらえないけど彼なりにヒロインやニールのことを愛してたりとか
そういった人物設定が分かってきて、
それがまたたいそう魅力的だったのですよ!
最初敵対する立場にいるとか、過去色々あって現在いろいろ諦めてるとか、
どこかでこのタイプ見たと思ったら、「ベルガリアード」のザカーズでした!
ものうげな態度とか、たぶん眠たそうな二重なんだろうなと想像させるとことか。
最近直情直球のおばかさんとか、明るくて前向きな男前にばかり目を向けてましたが、
そうそう、わたし、こういうタイプも大好物よ!と思い出した次第。

次の『永遠の女王』では、イリアルは念願の引退をはたし、ニールがコートを継いでるんですが、
最初、他のコートの相談役、程度の端役で出てきたニールがここへ来て大変身!
これまたセクシーアピール満点のダークキングとして登場します。
イリアルと立場は同じだけど、前任者が割と物静かで冷静だったのに対し、
ニールはもっと気性が激しい感じ。感情表現も豊かな感じ。
もしもヘルメスが裏社会の親分を引き受けたら、こんな風になるんじゃないかな?みたいな
老練で、狡猾で、鮮やかなダークサイドヒーローです。素敵です。

あー、久しぶりにときめいた♪
とりあえず、ヒロイン役は今のところ3人、
ヒーロー役は上述の悪役ボジの二人以外に更に二人、
女の子はどの子も可愛いです。
ヒーロー役の方は、セス(ヒロインの一人アッシュリンの恋人で人間)は、
ものすごい出来た人で、年は若いのに大人です。好感度高いです。
もひとりのキーナン(サマーキング。あて馬)は、いろんな人からボロクソ言われてますが、
妖精なんだからこんなもんだと思う。むしろ、中途半端に感情がありすぎる、もっと酷薄でいい。



とんでもなく個人的な理由で楽しかったので、
他の人が読んで楽しいかどうかは責任持ちません(毎回言ってるな、コレ)。
とりあえず、本国では5巻で完結してるっぽいので、早く訳してほしいところ。
でもアマゾンレビュー読んだら残りの二巻にはイリアルとニールはあんまり出てこなさそうなので
ここで終わりでもいいや、という気もします。

ベニオフの『卵をめぐる祖父の戦争』も読み終えましたが、
感想が長くなってしまったので今度に回します。
以下、落書き(恥ずかしいのでたたむ)



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by mi-narai | 2013-06-27 23:35 | 2013年上半期の読書
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