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最近の事 『妖怪文化入門』 『100年前の日本語』

クシュラル (Feelコミックス オンブルー)

えすとえむ / 祥伝社

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えすとえむさんの『クシュラル』読みました。
『働け!ケンタウロス』以来好きなので、作者買いしたのですが、
買って吃驚。全部

トルコの話だった

のですよ……!!
日本でトルコが舞台の漫画(しかもBL)を読める日が来るなんてねぇ…。
最初の2編はしかもオスマン時代のトルコで、衣服とか小物とか、
涎ダラダラ垂れそうな気持ちで舐めまわすように見ましたとも!
最近ちょっとあの時代のイスラム世界、マイブームなもので。
この方、スペインもお好きだし、なんか、正道からちょっと離れたところを選ぶ
チョイスセンスが好きです。ノーモア金髪!
(話の内容は、時々重すぎてついてけないこともありますけども。
ああ、どうせアタシはシリアスになりきれない女さ…!)
話は戻ってタイトルのクシュラル。
トルコの話だと知る前は、語頭にアクセントを置いて、シュラルと読んでました。
でも、「クシュ(鳥)」というトルコ語名詞に、複数を表す接尾語「ラル」が付いてるんだから、
語の最後の母音にアクセントをつけるというトルコ語の法則に則って
クシュ
だよな。と思い至りました。「いちびり」と同じ抑揚で「クシュラル」…でファイナルアンサー?




三つほど前の日曜、隣の祖母がどうしても行きたいと言ってせがむので
二つ隣の駅前でやってた吹奏楽の演奏を一緒に聞きに行ってやりました。
楽しかった!
やっぱりいいよね、楽器の生の音は!
散々何度も書いてますが、あの沢山の種類の音が重なって一気に聞こえるのが気持ちいい!!
音が天井や床に反射して跳ね返って、全身に降り注ぐのが、
マッサージ受けてるみたいで!超癒されました。
場所も、ホールじゃなくて、商店街のアーケードの下というロケーション。
ちょっと風が冷たかったけど、格式張らなくてわくわくする雰囲気で却って良かった。
その演奏会は、
『かつて吹奏楽部にいたり、楽器を触ってたりした人、久々に楽器吹いてみたくないかい?
一般公募するからみんな集まれ!』

みたいな趣旨で催されたので、演奏者は中年の方が多かった。
さすが皆さん大人ですね。中学生などの演奏に比べ、音を揃えようという意思が見えるというか、
音楽の解釈が深いというか。指揮者の意図をちゃんと汲んでるというか。
とにかく安定感がありました。
皆さん社会人で練習時間があまりない、という理由からか、
今回のラインナップはマーチ10曲で(金管と打楽器はお疲れ様)、
吹きやすかったというのもあるかもしれないけど。
(司会の人が、アメリカのマーチとイギリス、ドイツ、日本のマーチの特徴とか
説明してくれたのも良かった。定番の海兵隊、士官候補生、カピタン、星条旗、双頭の鷲の他、
ナイルの守りや祝典行進曲があったのも嬉しかった。祝典、かっこいいよね~!)
聞いてる方も楽しかったけど、あれは絶対吹いている人が一番楽しんでたと思います。
いいじゃない。楽しそうに吹いてるのを見るのも良いものですよ。
わたしの住んでる地方は、大概田舎ですが、吹奏楽が盛んなのは素晴らしいです。
ああ、久々に気持ちの良い休日だった!
次はコンクールの課題曲特集とかやってほしいわ~!
「風紋」「カタロニアの栄光」「架空の伝説への」「ナジム・アラビー」とか。いい曲揃ってますよ!
今流行りの海男とかヴァンデルローストとかアッペルモンドとかも一押し。
でも、難しいと練習時間が取れないか・



こないだの土曜日日曜日、なんか屋外で太鼓の音がすると思ったら、正体は町を練り歩く神輿だった。
今年も秋祭りの季節でした。土曜日は宵宮で、日が落ちてから家の前まで神輿が来てましたよ。
しかし、こういう風習には慣れてるけど、いったいどういう意味があって何の神が
あの神輿に乗ってるかは知らないんだぜ…。
「あれ、なんの神さんなん?」
「住吉さんとちゃうの?」
くらいのアバウトさ。
正月の意味とかも大人になってから知ったし、
その辺もうちょっと布教した方がいいんじゃないのかね、神道は。
と思った次第であります。



先日の日曜、隣の祖母を誘って酒蔵巡り試飲ツアーに繰り出しました。
そしたらば、祖母の妹、わたしにとっての大叔母も加わり、
80過ぎのシルバー二人を引き連れての旅路になってしまった…。
お年寄りなんで歩くのを嫌がるのを、無理やり引っ張りまわしてしまった鬼か私はおばあたまとおおおばたまにはほんとすまんかった。
しかしいい天気だったし、とりあえず菊正宗と白鶴の二大酒蔵は抑えたし、
なかなか楽しかったですよ。秋を満喫致しました。



北森鴻著『深淵のガランス』読了。
なんか、あんまり覚えてない。


虚栄の肖像 (文春文庫)

北森 鴻 / 文藝春秋

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北森鴻著『虚栄の肖像』
幡師?というのが、他のシリーズの人なのかな?というのがぼんやり分かる。
相変わらず息のつまりそうなアレですが、だいぶ慣れてきて
読み進めるようになりました。
でも、一番心を動かされたのは、解説の友人による作者の訃報のくだりかも。
(この作者、若くしてお亡くなりになったんですってね。
その友人(解説の著者)、職場で号泣したらしい。もらい泣きしそうになったぜ…)


妖怪文化入門 (角川ソフィア文庫)

小松 和彦 / 角川学芸出版

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小松和彦著『妖怪文化入門』
日本の学問の世界における妖怪というものの定義の方法とも連動させつつ、
妖怪について、妖怪を作り出し今のような形にした人間のこころについて書いてある本。
妖怪って最近サブカルチャーの方ではもてはやされてる感じだけど、
研究の方は意外と歴史が浅いのね、と。
妖怪なんて「その時の科学では説明できない現象に一応の説明を与えたもの」かと思ってたけど、
確かになんでそうなったか分からない(とっかかりと過程の部分が失われた)妖怪は
最終形態をそれだけ取り出して見るとなんとも意味不明で不思議だよなあ。
まだ半分ほどなので、続きも読みます。

読了
ページ数が少なくても、ぎっしり字が書いてあったり、内容をじっくり読んでたらなかなか進まない。
結構読み終わるのに時間がかかってしまいました。
最後のあたりの、異人論とか境界論が面白かった!!
ネタがひとつ浮かびましたよ~(わー、不純な理由)


百年前の日本語――書きことばが揺れた時代 (岩波新書)

今野 真二 / 岩波書店

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『100年前の日本語』読了。
昔の文豪の書いた本て、まあ、滅多に読まないのですが、
読むとその日本語表現の美しさに目を見張るじゃないですか。
日本語を操るというスキルにおいて、感性においても、
なんか、どう考えても昔の人には勝てる気がしないな、と、
常々思っていたので、この本を気まぐれに手に取ってしまいました。
大筋をざっくり言うと、
100年ほど前、明治期を境に、日本語は表記において、なるべく分かりやすく、
漢字も一つの意味に一つの字を当てるように、収束の方向へ向かっている、
その理由は、メディアの拡大に伴う読書人口の増加による一般への浸透によって、
書かれる言葉を目にする人の数が爆発的に増えたことによる。

みたいな。
(要するに、書き言葉を読む人が増えたから、表記もより分かりやすい方向へ向かったと。)
明治期までの日本語って、例え音が違っても同じ意味なら、
どの漢字を当てても良かったみたいですね。
たとえば「はたらき」という和語ひとつ例に出してみると、
現代なら「働き」一択なのですが、明治期までなら意味が同じなら何を使うのも自由で
「才幹」「才能」「才覚」「労働」「動作」とか、漢字をあてた上に、
「はたらき」とルビをうってりゃ良かったみたい。
なんか、今の若い親の名づけ方にも通じます。
けったいな当て字名前つけた親に対してはこれまでは「お前は思春期の子供か!!」という
こっぱずかしさを覚えていたものですが(大きな世話です)、
意外とこれは伝統的な日本語の使い方だったのかもしれん。
他の本で、
日本人が日本語の書き文字を読むとき、仮名は表音文字として読み、
その中に散らばる漢字は絵のように理解していて、
漢字を見た瞬間意味と直結している、
漢字を混ぜて理解の手助けとして使ってる、
というような意見を読んだ気がしますが、
なんとなくそれを思い出しました。
途中、事例を出して細かく説明する記述続くので数度眠りかけましたが、
日本人の言葉の扱い方に関して興味深い一冊だったと思います。
by mi-narai | 2012-10-28 22:36 | 2012年10月の読書
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