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『聖徳太子の密使』 『世界神話事典 世界の神々の誕生』 『イブン・ジュバイルの旅行記』

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こないだ生田神社で酒の試飲会があったので行って来ました。
小さなプラスチックコップ1杯100円。
まあ、大体一瓶2800円前後の酒を振舞ってくれてたので、
コップ1杯50mlだとして、180円ちょい…と思うと、割とお得かな。
(値段換算するのやめなさいよ、ほんと)
いろんな味が楽しめますし、楽しかったですよ。


聖徳太子の密使 (新潮文庫)

平岩 弓枝 / 新潮社

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平岩弓枝『聖徳太子の密使』読了。
軽い話が読みたかったのと、こないだ読んだ『平安妖異伝』が意外と面白かったので。
『平安』よりさらに御伽噺風です。
あんまり昔過ぎて詳しい風俗が残ってないせいかもしれませんが
記述がごくごくあっさり風味。
聖徳太子の娘が大和のために見聞を広げに旅に出、
行く先々で怪異にあってはそれを解決し、
とうとうエジプトまで行き着くという、
びっくりファンタジーです。
そんなに登場人物の感情描写もなく、クライマックスもさらっと流れるんだけど、
それが却って童話読んでるみたいで、けっこう楽しかったかな。
絶対主人公たちがひどい目にはあわないと予感させる
予定調和みたいなのもあって安心して読めましたし。
ものすごい感動とかはありませんが。


世界神話事典 世界の神々の誕生 (角川ソフィア文庫)

角川学芸出版

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『世界神話事典 世界の神々の誕生』読んでます。
なんと、事典なのに文庫というリーズナブルさ。
ありがとう、角川!普段めったに買わないけど!
よくあるなんちゃって神話本と違って、編者に
大林先生や、吉田先生、松村先生などが名を連ねるちゃんとした本。
とはいえ、網羅的に集めてあるので、さすがにひとつの地域に
そこまで詳細な記述は求められないんですが。
でも、普段めったに目にしない、中央アジア、北東アジア、オセアニア、
北アメリカ、アフリカ、なんかの神話も載せてあるのは嬉しいところです。
後、その地域の神話全体を概観した上での特色とか、その地域の神話学の
現状とか、ちょこちょこ入れてあるのも楽しい。

最初から順調に読み進んで、今メソアメリカの神話を読み中なんですが、
なんか、いろんな地域の神話を読みすぎてごっちゃになってきた(笑
でも、その地域の自然環境とやっぱり神話ってリンクしてるもんなのだな
とは思いました。面白いなあ。
今のところ、中央アジアの冥神エルリクがお気に入りかも。
あかん、言われてるのに、しつこくしつこく悪いことするの。この神様。
This is THE 悪神。

数日後、読了。
アフリカ神話で締め。
どこも大体大地が母神で天空は男性なので、エジプトは変わってるなあと思ってたんですが、
オシリスが植物神で大女神イシスの配偶神なのだとしたら
(⇒定型の大地母神はこっちなのかしら)
…まあ、そんなもんなのかもしれん、などと思い直しました。

次、英雄神話編をそのうち読む予定。


イブン・ジュバイルの旅行記 (講談社学術文庫)

イブン・ジュバイル / 講談社

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『イブン・ジュバイルの旅行記』を読み中。
12世紀のイベリア半島(今のスペインがあるとこ)はグラナダに住んでた
イスラム教徒イブン・ジュバイルが、
ひょんなことからメッカ巡礼に行くことになったんだけど、その日々の記述が本書。
こいつ、筆まめですよ。
もともと興味のある時代ではあったのですが、今回急遽読むことにしたのは
別件というかなんというか(ムニャムニャ)。

今、グラナダ
⇒セウタ
⇒カイロ
⇒ナイル川をさかのぼって、砂漠を突っ切り、紅海を横断し、メッカ(滞在8ヶ月)
⇒メディナ
⇒巡礼路をたどってそろそろバグダード、
という部分に差し掛かってます。
さすがに、メッカの微に入り細をうがった記述にはほとほと疲れて
大分飛ばしましたけども、道中のあれこれなんかはなかなか楽しいです。
読んでて思ったのですが、この時代のイスラム世界ってのは、ホント、先進国だったんだなあ。
当時のムスリムが、イスラム世界が先進地域過ぎて、
“イスラム世界とそれ以外(興味なし)”、と思ってたのも納得です。
個人がスペインからエジプトに入って紅海渡って、アラビア半島横切って、
チグリス遡って、ぐるっと回って地中海東岸南下して、
ジェノバ人の船でスペインに帰りつくなんて、
この時代、他の地域じゃ出来そうに無いよなあ…
(この頃ヨーロッパはまだまだ未開の地だしな。
当時の中国だったら出来たかもしれん。
日本は鎌倉時代が始まるか始まらんかくらいの頃なので、多分無理)
おまけにこの時代、あの!稀代の男前!サラーフ・アッディーン
エジプトを治めてた時代なんですよね。
イブン・ジュバイルもべた褒めですよ。
余程しっかりした人だったんだな。
この後モンゴルの襲来があって、一時混乱、その後オスマン帝国が席巻する予定であることを思うと、
なんか諸行無常を感じてしまいます。


数日後、読了。
日記の最後の辺りは、当時十字軍に占領されてた地中海東岸を通るので
フランク人(西ヨーロッパの人間をざっくりこう呼んでいた。
ちなみにビザンツなど東ヨーロッパの人間は“ルーム人”らしい)
に関する記述も多かったのですが、
定例句のようにフランク人の町は不潔で臭い、という叙述があれば
(当時イスラム世界にはどこの町にも沢山の風呂があったみたいだし、
そら一般キリスト教徒よりよっぽど清潔だったろうよ)
フランク人の領主の方が地元のムスリム領主より公平に土地を治めてる
という記述もあり、なかなか面白いです。
十字軍中なので上の方の騎士や兵士たちはどんぱちやってたけど、
一般ムスリム&キリスト教徒は意外にもさほど障害もなく行き来してたみたいだし。
(キリスト教徒圏ではムスリムが通行料を支払い、
イスラム圏ではキリスト教徒が通行料を支払ってそれで良かった)

後、よく知っている地名のアラビア語読みが思いのほか素敵で
それも楽しかったです。


椿姫 (新潮文庫)

デュマ・フィス / 新潮社

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デュマ・フィス『椿姫』
職場の同僚の人が貸してくれたので読み始めました。
あの有名な椿姫。

椿姫なんて、ガラかめ1巻で、マヤちゃんがどうしても行きたかった
舞台のチケットが椿姫だった、くらいの知識しかないですよ!!

読み始めると、いきなり椿姫、死んでた。
死んだ彼女の遺品の競売に、主人公が赴いたところから始まって、
そこから芋づる式に彼女の生前のことを知っていくという、
遡り形式です。なかなか面白そう。
舞台は1800年代後半で、なんか、なじみがある、と思ったら
よく読むロマンス小説と時代がかぶってるからでした。
要らん知識ばっかり増えていきますよ…
by mi-narai | 2012-07-01 13:50 | 2012年6月の読書
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