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『アンティキテラ』 『世界史の中のアラビアンナイト』 『落下する緑』他

トゥルグット・オザクマン著『トルコ狂乱』
2センチくらいまで読み進んだ(センチ換算すな)。
感想は読み終わってから纏めて書きます。


アンティキテラ 古代ギリシアのコンピュータ (文春文庫)

ジョー マーチャント / 文藝春秋

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ジョー・マーチャント著『アンティキテラ 古代ギリシアのコンピュータ』読み終わりました。
確か数年前に相互さんのshocacoさんも読んだと仰ってたようなないような…(ウロ)。

めっちゃ面白かった…!!

アンティキテラの謎が解明されていく過程に、それに関った人間たちのドラマが
重なって、二重に面白い出来に…!

第1次世界大戦前後、ギリシャのアンティキテラ島の近くで、
海底の海綿採集を生業とする漁師さんが沈没船を発見したところから物語りは語り始められます。
当時、トルコから独立したばかりで国民の民族意識を高めたかったギリシャ政府は
この発見に飛びつき、大掛かりな引き上げ調査を断行。
知らんかったけど、それまで沈没船が学術調査用に引き上げられた事とかなかったんだってね。
その過程で、当時の技術が未発達だったせいで引き上げに関った漁師さんが何人も潜水病に
掛かった件などを交えつつ、
話は引き上げられた一つの小さな箱に集約されていきます。

この箱、なんだか、なにかの機械に見えます。
内部には、当時の技術では考えられない歯車の組み合わせが。
一般向けにはさほど注目されず、最初は博物館の収蔵庫に超適当に放置されていたんだけど、
ごく一部の学者や技術者などの間では議論が巻き起こったみたい。
わたしなどは全くの文系で見ても良く分かりませんが、
多分、技術者が見たら、その機械の仕組みがもうちょっとで分かりそうに見えるんだろうなあ。
そのあたりの逆転裁判の仕様にも似た、丁度いい難易度が、
解明してやろうという意欲を掻き立てたんだろうなあ。
色んな人が『よっしゃ!ワシこそがこのからくりの仕組みを解き明かしてみせよう!』と
この謎にのめりこんで、それぞれ説を立てていくけど、正解には到達しえず、一生を終えます。
そうこうするうち、科学技術の発達によってもう少し内部構造なんかが分かるようになって

近年ようやく全貌が見えてきた…!

という、実はけっこうホットな話題なのでした。

アンティキテラ島の機械の謎に夢中になった人々の中には、高名な学者の他に
一介の学芸員さんもいて、わたしはすっかりその人びいきになってしまいました。
学者の人が特権としていろいろ優遇される中、その人は自分の出来る範囲の事を頑張ってこつこつやり、
時にはライバルの学者に研究成果を盗まれたりしつつもひとつひとつ機械の仕組みを解明していくの。
友人面して近づいてきてそ知らぬ顔でその学芸員の研究を盗んだ学者たちに憤り、
大学教授との待遇の差にも憤り、
アメリカのプロジェクトチームに負けるな!と心の中で応援しつつ読んだもんね!
最後、ほぼ全ての謎が解き明かされた暁には、なんだか読者にまで
「やったったで!」という達成感が。


世界史の中のアラビアンナイト (NHKブックス No.1186)

西尾 哲夫 / NHK出版

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西尾 哲夫著『世界史の中のアラビアンナイト』読了。
アラビアンナイトそれ自体の学術的な解説というよりは、
歴史の中でアラビアンナイトが現在のような形にどのようにしてなったのか、を丹念に追った本でした。
そもそも、この千夜一夜物語(原題はアルフ・ライラ・ワ・ライラ)、
ご存知のシェヘラザードが命をかけて王に物語を語る、という枠物語があるので、
その形式に則ってれば内容はどんなものも入り得るというアバウトな作り。
おそらく、アラブで、公式の場じゃなくて(内容がエロと魔法に溢れておるからな)
家の中とかで語られて楽しまれてたんじゃないかと推測されてます。
そんな物語が記された本を見つけたヨーロッパ人がヨーロッパで出版し、
タイトルが千夜一夜なもんだから、やはり物語り1000夜分ないといかん!などと
1000夜分のお話を内包する正典(そんなもんそもそも存在するのか?)をさがし、
欧米が産業革命を経た辺りからはそのアラビアンナイトに描かれる官能的な中東のイメージが
征服の対象としてのアラブという帝国主義の政策に利用されていく過程が説明されていました。
ちなみに、日本には西欧から伝わったので、アラビアンナイトイメージは
モロ西欧視点のものらしい。なんだか反省。

それにしても、最初のさわりの辺りで、日本のアラビアンナイトマンガとして
『月光条例』と『マギ』が取り上げられていてちょっとビックリしました。
どうせなら『遙か遠き国の物語』も付け加えといたらよかったのに。


現代政治学入門 (講談社学術文庫)

バーナード・クリック / 講談社

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クリック著『現代政治学入門』
お気に入りの

「政治と愛とは自由人の間で可能となる束縛の唯一の形式である」

というフレーズの載っている本。
結構ところどころで使ってるので、使っている以上原本も読んどくか、と。
薄くて字も大きいのになかなか進みません。これは訳が悪いからだ!(責任転嫁)
でも、おバカなりに、これ、という信念に固執せず、状況に応じたフレキシブルな
対応を心掛けるべきだという著者の意見には大きく頷いたりも。
この本、書かれたのが若干昔なため、作中にソ連とかゴルバチョフという単語が
何度か出てきて、時代を感じさせます。
ようやく半分過ぎた辺りまで読み進みました。
とりあえず、上のフレーズ目ざして頑張ります!


落下する緑―永見緋太郎の事件簿 (創元推理文庫)

田中 啓文 / 東京創元社

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辛い飴 (永見緋太郎の事件簿) (創元推理文庫)

田中 啓文 / 東京創元社

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田中啓文著『落下する緑』
『辛い飴』
娯楽本その1その2。
宣言どおり、田中本ミステリーを読んでみました。
とりあえず、ジャズミステリーです。
他の出版社から出ている落語本に引き続き、ミステリー要素はごくごくあっさり。
それより、ジャズに関する記述が大変に秀逸でございました。
ジャズなどほっとんど聞いたこともないこのわたしが
「聞いてみても良いかな」などと思ってしまう恐るべし田中マジック!
ミステリー要素はなくてもいい、という気持ちになる本です。
(ミステリー本としてそれはどうなのか)。

語りはワトスン君的な、穏やかな中年トランペット奏者。
探偵役は年若いサックス奏者。
この探偵キャラ、音楽と演奏にしか興味がない変人、という記述があったから
さぞかし気難しい眉間に皺寄ったタイプかと思ってたら
期待を裏切る天真爛漫な明るい子でした(でも音楽知識以外は大分欠けてる)。
この辺りが大分好感触。
だって、いい演奏聞いたら、素直に感動して滂沱するんよ、この子!
対人スキルに関しても、人見知りでもなく、常識ある反応を返せる子ですヨ!
ええ子やん(探偵役なのに!いいの、こんなに善人で!?)!!

さらっと読めました。


茶坊主漫遊記 (集英社文庫)

田中 啓文 / 集英社

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田中啓文著『茶坊主漫遊記』読了
新しく本屋で出てたのでなんとなく買ってみた、時代物。
ちっこいしわくちゃの坊さんと、御付のガタイのいいお侍と、口達者な商人のチン道中。
水戸黄門的なものを目ざしたようで、行く先で事件が起こり、
一行が解決する、という筋立てです。
これまたミステリー仕立てで、それに老僧の正体とか、商人の正体とか、
一行を追う(老僧の命を狙っている)柳生十兵衛の事情とか絡められてて
これまた、さらっと読めてそこそこ楽しめるエンタメでした。続きを望む。



多読
『The Wind in the Willows』レベル3くらいのやつ。
要するに、楽しい川辺。
ねずみくんともぐらくんはいい人です。
カエル君は、ほんっま、こいつ人の言う事聞かんどうしようもないやつやけど、
最後にいいカエルになっちゃうと、なんか、物足りなかった…。


ケイ・ヘザリの『Humberger』(レベル4かな)
日本に14年間住んで、今はテキサスに帰国したアメリカ人のエッセイ集。
分からない単語を読み飛ばしつつざっくりしか内容がわからないという
オノレの相変わらずの英語能力の低さを自覚しつつ
でも面白いです。
テキサスってロマンス小説で、マッチョな男の典型が良く出てくる舞台なんですよね。
THE西部、というか。南の方で、アメフトとかスポーツが人気で、兄ちゃんは
すべからくカウボーイハット被って、分厚いステーキ貪り食ってるイメージ。
(※超個人的な印象なのでみなさんは鵜呑みにしないように)
ロマンス小説のおかげで自分の中にたいへんに偏ったアメリカ地域イメージが定着しつつある
今日この頃です。
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by mi-narai | 2012-03-03 12:06 | 2012年2月の読書
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