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『古代ローマ人の24時間』 『おせっかい教育論』 『QED』シリーズ 『大阪ことば学』 『クラバート』

アルベルト・アンジェラ著『古代ローマ人の24時間』読了。
最後まで面白かったです、押忍。
全体的な面白さは、前回の日記でも申しましたが、
時代をハドリアヌス帝あたりのローマに絞って、
きちんと考証された現時点で正しいと思われてるその当時のローマの生活について
(貴族から一般ローマ人まで幅広い層を対象に)
現代のローマ人の視点から、ローマ一日ガイド風に紹介している、という
とっつきやすさと臨場感、これに尽きると思います。

以下、例によってところどころ心に残ったポイントをば。

・禿について
 当時のローマ人もやはり気にしていたようで、カエサルさんなどは後ろの髪の毛を
頭頂の薄くなった部分に向けて撫で付けて誤魔化していたとか。
もっと薄くなった人は頭全体をなにかで黒く塗っていたらしい。
遠目にはとりあえず禿げて無いように見えていたらしい(でも近づいたらバレバレだからなー!)

・ちょうどトラヤヌスの時代のローマ紹介なので、浴場を作ったアポロドロス(だっけ?)も出てきてました!
おお、テルマエ・ロマエー。
しかし漫画では頑固だけどいいおじいちゃんとして出てきてたあの方、次の皇帝とは馬が合わずに
なんか不遇な死に方をなさったらしい…。

・庶民の住宅事情には深く同情した…でも現代日本の一般庶民の住宅事情も似たようなものっスよ…

・彫刻に彩色してあったってのはちょっと目から鱗でした。あれか?プラモデルと同じ感覚か?色を塗って完成なのね…。


他にも色々と思うところはあった気がするのですが、以下略。
いやほんと読みやすかったし面白かったから一般の人にも自信を持ってオススメできる一冊!
暇な時にでも読んでみてください。


おせっかい教育論

鷲田清一 / 140B

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鷲田清一他、共著『おせっかい教育論』読了。
キヨちゃん(妹と私の間ではこれで通じる)が対談の数に入ってたのでそれだけが理由で買ってみた。
けして内田目当てじゃありませんよ!
阪大総長と神戸の私立大学の教授、坊さん、大阪市長の対談なんで、
若干大阪礼賛的な面は無きにしも非ずなんですが、そのあたりはご愛嬌。
教育については、確かにそうだなあと思わせられるところもあってタイヘンためになりました。
(理想はそうですよね~。)
それを具体的にどうするかとか、予算の面とかになると、行政との折衝とかいろいろ
難しい話になってくるんだろうなあ。

しかし、これ、平松市長も対談に加わってる関係上(?)
話が府VS市になると、どうも、きな臭い方向に話が行っちゃって
関西地域に住まうものとしてはもにょってしまう…
(他地域の方に取っちゃどうでもいいことでしょうが)
なんか、知事に対する批難に政治的なものがあるんじゃないのかと勘ぐってしまうのですヨ。
まあ、知事は若干極端な面はあるんですけどもね。でも頑張ってると思うよ~。
(関西広域連合うまくいって欲しいな!)

とりあえず、本はそのまま妹に貸してみました。


QED 百人一首の呪 (講談社文庫)

高田 崇史 / 講談社

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高田 崇史著『QED 百人一首の呪』読了。
前からちょっと気になってたミステリーなんですが、
貸してもらえることになったので読んでみた。
探偵役が薬剤師なら、ワトスン役も薬剤師という、
薬剤師まみれの推理小説(国家試験お疲れさん!)。
このシリーズ、これまで何作か出てるんですが、
一作目は、大富豪の死、家族の因縁、錯綜するアリバイ、など様式美のサスペンスです。
でも、その殺人そっちのけで、百人一首をどう並べるかが延々つづくという…

主人公の言うことは、ちょっとこじつけっぽいかなと思うし、
理系っぽいのは面白いけど若干かっこつけすぎカナと思うし、
ワトスン役の女の子は、男性作家が書いてるから仕方ないけど
「普通の女の子はそんな反応しねえよ!」という反応が少々目立つけど、
割と面白かったです!
いやあ、ミステリーは良いねえ…!

QED 六歌仙の暗号 (講談社文庫)

高田 崇史 / 講談社

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高田 崇史著『QED 六歌仙の暗号』読了・
2冊一緒に貸してもらったので、2冊一気に読みました。
こっちは、探偵役、ワトスン役に続けて、被害者まで薬剤師、というまさに薬剤師まみれの一作。
舞台が前半は大学、後半は京都で、前作に引き続き、和歌もバンバン出てきて、
でもって、六歌仙なのに、何故か七福神の話なので、
民俗学っぽいぶん、面白かったですよ~
相変わらず最後のまとめはこじつけっぽいのですが、
この作者の描き出す平安時代の貴族社会の陰謀と呪術にまみれた雰囲気がものすごく楽しかった!
当時の日本人のことばに対する感性を再認識させられました。いいよねえ、言霊信仰!


大阪ことば学 (岩波現代文庫)

尾上 圭介 / 岩波書店

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尾上 圭介著『大阪ことば学』読了。
かるーく読める一冊。
大阪出身で、東京で10年ほど過ごし、後に神戸大学に教授として赴任していた著者が
「これ以上、他地方の人間が大阪弁に妙ちきりんな解釈をつけるのは我慢ならん!
大阪のことばについてわたしが書かずになんとする!」

と一念発起して書いた本です(まあ大体は)。
これまで、大阪弁の文法の本とか、単語の辞書とかは読んだ事あったのですが、
これは、よく使われる大阪弁を説明しながら、その背後にその言葉を使う大阪人の
気風や性質がどう関っているかを論じた、まれに見る一冊でした。
面白かった。
(でも、著者もあとがきで述べておられるように、これは日本人論なんかと一緒で、
人が居ればその人の分だけ解釈があるわけであって、この本に書いてある事は著者の個人的な
解釈であることを承知しておかねばならないのだなあ)
これの各方言バージョンが欲しいと本気で思いました。

しかし、わたしんちは代々大体農民だし、大阪に先祖なんてひとりもいないのに、
概ね書いてあることには共感を持って頷いてしまうんですよね。
当たり前の事を当たり前に言うのは芸が無いと思うし、
くっさい事を大真面目に言うのは、ものすごい恥ずかしい事だと思うし。
(良い悪いではなく、これはもう本当に好みの問題なの…!)

恐るべし、大阪の影響力…!!

いやでもあそこまでワタシは言葉を駆使できません。
大体、口下手だから字や絵で表現する方向に傾いちゃったんじゃない…!
(話し上手だったら書いてないやい!)
話し上手な人には心底憧れます…。
(人間な、努力してもどうしようもないことってのはあるもんやねん…)


クラバート (上) (偕成社文庫 (4059))

プロイスラー / 偕成社

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オトフリート・プロスラー著『クラバート』(上)(下)ともに読了。
また読んでしまいました…。
アタシ、この本何回読んでるの…!!!

でも、何回読んでも面白いものは面白いのです。

一応、魔法学校もの、に分類されるであろう本作ですが、
「魔法学校」という字面をみると、みんなハリポタみたいなカッコいいのを想像するのでよろしくない、
あえて「魔法寺子屋」ものと括らせてもらいましょう!
親方の下で粉屋の職人として働く主人公の3年間を追ったもの。
重くて暗くて怖い話なのに、青春あり、友情あり、恋ありで、
なんか、毎回ぐいぐい引き込まれて結局最後まで一気読みしてしまうんですよね…。
もうどう説明しても言葉が足りなくなるので、

皆さんも是非読んでください(解説放棄)!



多読
『crown of the Violet』(レベル3)読了。
レベル3になって、レベル2の1,5倍から2倍近く語数が増えたのでなかなか進みません。
でもこの話は面白かったんだ!
紀元前5世紀、全盛期のアテナイが舞台、
主人公は15歳くらいの男の子、
この男の子が、シュラクサイから来た女の子と知り合ったことを皮切りに、
喜劇作家を目指しつつ、アテナイの民主制に対して考察し、ソクラテスに共感し、
裏でスパルタが糸をひくアテナイ民主制転覆の陰謀を
フェスティバルの自分の喜劇の演目を利用して未然に防ぐ、という
短い中に盛り沢山の、ジェットコースター多読でした。
いやいや、楽しんで読めてしまいました。
ソクラテスの名前を作中に見るだけでもテンション上がるしね~♪
作者はイギリス人。

読みやすかった…!!(ありがとう、イギリス人!!)
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by mi-narai | 2010-11-29 23:05 | 2010年11月の読書
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