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『銀河の道虹の架け橋』 『ローマの祭』

大林太良著『銀河の道虹の架け橋』読了…。
長かったぜ…。
でも、面白かったー!

いやもう、世界の虹伝説にビックリですヨ!
普段虹なんて、「綺麗だな~」くらいにしか思ってなかったんですが(現代の日本人って大体そうですよね)
虹に対する印象って、世界的に見ると「不吉」な場合の方が多いんですね!!!
虹を見たら死ぬとか、悪い事が起きるとか、指差したら指が曲がるとか、腐れ落ちるとか、
千切れるとか。
虹はあの世への橋だとか。

後、虹が蛇で、水から出てきたり、天から首を伸ばして地上の水を飲んで、
空中で「うえ~」って吐いたら雨になるとか、

面白すぎだろお前ら!!(誰に向かって…)

勿論ヨーロッパの辺りでイリスについても書かれてたんだけど、
その他の伝説が強烈過ぎて大体忘れた。
でも、「イーリアス」では虹は橋であるという観念があったけど、
その後は虹=弓の表象も出てくる、という示唆はなるほどと思いました。
最後に、全体についてまとめてあって、
各伝承の分布について、どういう経緯で広がったのかの推測がなされてたんだけども
これが面白かったのです!
最後にちょろっと、太陽と月の話も載ってたんですが、
月息子が姉の太陽娘に懸想して近親相姦に及んで怒られる話には
ちょっと笑ってしまった。
(アポロンとアルテミスで考えちゃダメだめ!)


ローマの祭―夏と秋 (叢書・ウニベルシタス)

ジョルジュ デュメジル / 法政大学出版局

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ジョルジュ・デュメジル著『ローマの祭』読了。

ローマの祭暦に付いては、1年の前半部分はオウィディウスが『祭暦』に書いて残ってるんだけど
後半が分からん。
その後半部分を、色々残ってる資料をもとに、再現してみよう!
と、デュメジル先生が一念発起して書いた本です。
いや~、これがめっちゃおもろかってん!!
もともとローマの暦に興味があったってのもあるけども、
それより、デュメジル先生の推理がミステリー小説読んでるみたいで!

全体的な面白さは、読めば分かるので割愛して、以下、ところどころ特に心に残った点を箇条書きで。

・ギリシアのデメテルに当たるローマのケレス女神、
彼女が農作業(特に麦)の栽培の過程全てを守護する、という説明までは、これまでも聞いてて
知ってたことなんですが、
なんと、ローマには彼女を補佐する補助神たちも一緒にわんさか考えられていたらしい。
(でもって、ケレスの儀式で、「彼女を助ける神はこれこれ」、と補助神名を読み上げたらしい)。

まあ、ケレスはわからんでもない。


しかし、ギリシアのディオニュソスに当たる、ローマのリベルも負けず劣らず働き者ですヨ!!
葡萄酒による酩酊とか、そういった神がかった飲み物を司るという職能だけでなく!
葡萄酒つくりの全工程も、この神が見守り、手助け、成功を後押ししてくれてるらしい!!
(ケレスのように補助神群は持たないし、出来上がった葡萄酒はユピテルに捧げられたらしいけど)
もともと、ギリシアでもヘパイストスとかアテナは手工業や鍛冶業に携わってたし、
メルクリウスはローマで商業の振興に頑張ってるなとは思ってましたが、
今回知った農作業方面でのケレスとリベルの頑張りには頭が下がる思いが致しました。
見直したよー!


・『ローマの祭』後半部分。
ジョルジュはものすごいイキオイでマルス=農耕神説を否定してます。
わたしもなんかマルスは農耕神ではない気がするので概ねジョルジュの肩を持って読んでますが、
どっちでもいいと言ってしまえばそうなんですよね~。


・ホラティウスの書簡の一説が載ってて、不覚にも胸を衝かれてしまいました。
田舎にいるホラティウスが、町が好きで町で暮らす仲のいい友人のフスクスに宛てた手紙の一文

「わたしはこのことをウァクーナの荒れ果てた聖所の後ろで、君に語っていた。
君がここに共にいないのを除けば、後は幸せなのだが」


ウァクーナというのがどうも、一時的に居ない人を連れ戻してくれる女神みたいなんですよ。
つまり、ホラティウスは何重にもかけて、友を思ってるの!
なんか、こういう文章やらシチュエーションに弱いよなああああああ!!!
(『サファイアの書』の、絶体絶命の危機の中、数十年前に別れた親友に書き残した遺書の

友よ、君が恋しい。
友情が愛情の一つの形だとして、今ほどそれを実感した事はない。

の一文にも、やたら執着してしまったし。中二です)
あの人が今ここに居てくれたら!…と思える友達が居るというのは幸せな事ですヨ。
ホラティウスめ、羨ましい…!!

や、まあ、自分もどっちかというと人間関係には恵まれてる方だと思ってるんですけども。
それでもわたしの愛が相手に伝わってナイということもありうるしな。
精進しよう(何をだ)。


今は『近代大阪経済史』を読み中。


多読
『Five famous fairy tales』(レベル2)
グリムとアンデルセンとアラビアンナイトからちょっとづつ妖精譚。
昔に読みすぎて、忘れた。

『SAMURAI』(レベル2)
これは、上記のペンギンブックスとは違う出版社のもの。
レベル1で読んだ「ロビン・フッド」と同じ出版社のもので、
挿絵がいっぱいあるんだけども、
矢張りアレと一緒で、内容は簡単なのにわからない単語がいっぱいあって
読みづらい…
で、出版元がどこの国か見たらアメリカだった。

ちっ(心の中で舌打ち)

や、まあ侍が題材で、大体わが国の歴史を語っているので、
単語が分からなくても内容は大体わかるんですが。
(でも、英語が分からない人の立場がまるきり分かってない、というかそもそも分かる気がない感じなのです。
英語習得のための教材なんじゃないの?きちんと察しろとはいわんがその努力は見せてくれよ~)

後、挿絵が大分残念な仕様になってました。

(妹と二人で突っ込みながら大笑いしました。
ええと、左前、ですよ、着物…。
でもまあ、わたしも大分ギリシャの衣服には適当な自覚があるので、あんまり笑うと悪いかな)
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by mi-narai | 2010-09-26 12:40 | 2010年9月の読書
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