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『母権論解読』 『勅任艦長への航海』、他

『母権論解読』読了。
母権論を読んだので補強で。
最初のあたりの“母権論が女権運動にどう使われたか”の部分はすんません、
どうでもいいです。
一番最後の論文『梟の女神アテーナー』は文句なしに面白かった。

最近似たような女系継承の本ばっか読んで、ほんとにこの本だったか忘れたけど
一連の『オレステス』関連伝承における、ネメシス側の古い社会制度にてらして見た
クリュタイムネストラーの行動が説明してあるのを読んだんです。
それでいくと、クリュタイムネストラー、全く悪くないんですよ…。
なんか、初めて、新旧対立の深刻さを実感できた気がする…。
(アポロンもネメシスもどちらも自分の正しさを主張するわけだよ…)
とはいえ、オレステス自身は新体制側のコマとして利用されただけじゃない?
あまり彼に罪を帰すのは気の毒だなあという気がします。
どうもオレステスに同情的な見習いですが、ベースがホメロスだから仕方ないんですよ。
そもそも『オデュッセイア』では姉のことは一切出てこず、母殺しは言及されず、
ただ父の敵を取ったあっぱれな息子としてしか出てこないんじゃなかったかしら
まあアレはテレマコスを激励する文面で出てくるのでホメロスが
あえて母殺しの一面を無視した可能性もあるんですが、それはそうとしても、
オレステスの母殺しってどのあたりで発生したエピソードなのかなあ…


閑話休題
前からいろんなとこでチョコチョコ色んな説を読んで
アテナはもともと古い女神だったんかもしらんが、社会が変化した結果父権的な世相に迎合するように
その性格を変化さえていったんだろうなあとは思ってたんですが、
再びなんか、自分のアテナ解釈を反省したくなりました。
いや、
「原型は古代の大女神の系譜なのかもしれんし、女神の皮をかぶってはいるけどその実中味ほぼ男神」
ってのはあながち外れてはいないと思う。
ただ、それって、要するに男性が権力を持つ社会に都合良い性格付けなわけだから、
そのアテナ様をかっちょ良く描くことが女性への裏切りのように思えて…


    や、まあ、いいか。


どうせそっからさらに脚色してて中味男でもその上ガチで総攻めだしな!
(マジで腐っとる。スンマセン)


次、古典つながりでフレイザーの『金枝篇』(上)を読み始める。
原価じゃとても手が出ませんが(文庫のクセに…)、古本屋で出てたので
買い求めたもの。グッジョブ、古本屋!
まだまだ序盤なのでゆっくり読みます。


『人狼伝説』も並行して読み始めました。
これまた図書館で新書の棚に並んでたので焦燥感に駆られて。
詳細はもうちょっと読み進んでから。


勅任艦長への航海〈上〉―英国海軍の雄ジャック・オーブリー (ハヤカワ文庫NV)

パトリック オブライアン / 早川書房

スコア:


パトリック・オブライエン著『勅任艦長への航海(上)』読了。
職場の知人Yさんが、オブライエンが読みたいから貸してくれ、と
若い女の子には珍しいことを言ってきたので、
おばちゃん嬉しくて1も2もなく貸し出す約束をしたのですが、
貸し出す前に、まず自分で読まなきゃね!
(※3作目以降は未読で積読本の山に埋もれてます)

…ってことで、既読部分から再読中。
しばらくは海軍月間になりそうです。

読み直すと、意外と西洋古典に対する言及がチョコチョコはいります。
西洋古典が当時(ナポレオン時代のイギリス)の一般教養だったのだなあ、と
さりげなく察せられ、嬉しくなったり、作者自身の教養の深さにビックリしたり。

最初のほうに出てくる記述にも、
「父親の若い後妻に悩まされるギリシア神話の登場人物ってなんだっけ??」
と主人公のジャックがぐるぐるするシーンがあるんだけど、
それが、その時代の雰囲気と、主人公の大雑把な性格のどちらもを
読者に分からせる上手い道具立てになってて!

ちなみに、そこでジャックが思い浮かべた名前は

アクタイオン、アイアス、アリステイデス


全部違うよ?

最後の名前はギリシア神話でもないよ?

(ナイスボケ、ジャック!)

しかものっけから落馬するジャック。
飛ばしてるなあ…。


勅任艦長への航海〈下〉―英国海軍の雄ジャック・オーブリー (ハヤカワ文庫NV)

パトリック オブライアン / 早川書房

スコア:


『勅任艦長への航海(下)』
日記をアップしないでいるうち、下巻も読了。

面白かったー!

同じ面白くてもサトクリフはもっとずっしりと感動するような面白さなのですが
このオーブリー&マチュリンシリーズは、爽快感と高揚感がウリ、
ワクワクするような面白さなんですよ!
とはいえ、最後に盛り上がってフィナーレを飾るため、途中には
主人公と読者の忍耐期間も盛り込まれてます。
(でもこれがないと最後の大団円が輝かないので、これはこれで仕方ない)

海軍冒険ものの定石として、このシリーズも時代はナポレオン戦争真っ只中、
しかも、この回では一時英国とフランスが停戦し
→職にあぶれたジャック、親友のスティーブンと半給で陸暮らし、
→二人のお嬢さん方との出会い、展開される四角関係
(まるでジェーン・オースティンの世界)
→自分のせいじゃない多額の借金が発生し、逃亡生活開始
→戦争の再開と敵国横断逃避行
→やっと英国に帰り着いたと思ったら変な船を押し付けられ、
しかも上司は無能な上嫌なやつ

この辺りまでは、女を取り合って親友とギクシャクするし、仕事もなかなかうまくいかず、
艦上でも、昔馴染みのプリングスが有能で意欲があるのはプラス点としても
副長や乗組員には問題があるし、
いくら能天気でからっと明るいジャックとはいえ落ち込んだりもするんです。
が、ご安心を!上に書いたとおり下巻中盤でどんでん返しが!

あー、スッキリしたー!

訳が微妙なんで若干読みづらいんだけど、
(自分は気にしなくても人には薦めづらい)
やっぱりこのシリーズ大好きです!


『じゃじゃ馬グルーミンUP』全巻読破!
主人公カップルはわりとどうでもいい。
セイジさんがイーグルを勝たせてくれたのが嬉しかったのと、
悟さんとあぶみさんがうまくいったのでそれで満足です。
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by mi-narai | 2009-07-18 10:27 | 2009年7月の読書
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