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『ギリシア・ローマ神話物語』

仕事帰りに本屋に寄って本を買いつつふと思ったことには


「わたし、死ぬまでに買った本全部読めるんかしら…」


これは流石に大げさですが、積読本がとんでもないほど溜まってきたのも事実。
来週1週間は余暇を全て読書につぎ込む読書週間にしようかしらとも思いましたが
読書だけに時間をつぎ込むとその分他が溜まってしまいます。かといって満遍なく
片付けたらいつもとかわらんやないかああいったいどないしたらええねん


などと真面目に考えてる自分をほんとうにあほだと思いました。



久米さんという方の書いた本読了。
途中あの国(とあの国の人々)に対して本気で戦々恐々としましたが
(日本が到底適いそうに無いんだもん。適わないのはいいんだけど
うまくお付き合いできるかどうかのあたりから不安になってさ…)
最後は、やはりどの国にも良い人もいれば悪い人もいるのだから
思うほど違うわけではないのだなあ。とちょっと救われました。
面白かったです。



黄さんという方の編集した『ギリシア・ローマ神話物語』を読み始めました。
日本と同じようにギ・ロ神話が自国文化ではない中国、
その中国人が編集した本ではどんな風に神話が紹介されてんのかな~
という他愛無い興味です。
ビギナーのためのギリシア・ローマ神話なので、
天地開闢、ゼウスの支配確立あたりから順を追って書いてあるんですが
やっぱり一番興味のあるところから読まないとな!
てなわけで、トロイア戦争の部分から読み始めてます。
さすが史書の歴史の長い中国、
とりあえずトロイアが建国されたあたりからトロイア戦争に入ってますですよ。
で、次にラオメドンの時代にポセイドンによって城壁が築かれた話が来てます。
このあたりはまだ割りと原本であるポメロスやギリシアの伝承に忠実です。

が!ヘレネー誘拐あたりに入ると、原作のニュアンスとは若干の開きが出てきました!
まず、パリスが理知的で好意的に描かれてます!
でもって、スパルタに行ったのは、父親の命で伯母のヘシオネーを
テラモン(大アイアースとテウクロスの父)から奪回するために
サラミスに行く途中に寄ったことになってますよ。

⇒ちょうどその時スパルタではメネラオスが留守にしていて、
パリスを迎えたのはヘレネーだった。
そこで大々的に一目ぼれする二人。
彼女こそがアプロディーテが約束した美女だ、と直感し、
父親に命じられた使命など頭から吹っ飛んでしまうパリス。
やはり同じように恋に落ちたヘレネーはメネラオスへの罪悪感を抱きつつ
熱情に抗えず手に手をとって逃避行!
しかし、パリス、このときメネラオスの財宝を餌に同行の兵士たちに
自分たちの味方に付くよう買収することも忘れません。ちゃっかり。
その後、どこかの島で数年間(!)、ハネムーンを楽しむパリスとヘレネー。

その間、二人の出奔を知ったメネラオスあーんどアガメムノンは大激怒!
ギリシア中に援軍を募りつつもトロイアに平和的に返還要求を出しても見ます。
が、まだこの時若い二人はハネムーン中。トロイア人は誰も二人のいきさつなど知りません。
全く寝耳に水にそんなことを言われたプリアモスは
「そうか、パリスはサラミスでテラモンに大敗したのだな。
だからギリシア勢は図に乗ってこちらに示威行為を仕掛けてきているのだ」
と誤解してしまいます。深まる溝!戦争まで秒読み!

このあたり、最初は
おいおい一応初心者向けの入門書でこんな原作と違うこと
書いてていいのか?これじゃ創作だろうよ。

と思ってたのですが、段々つじつま合わせの見事さが快感になってきました。
うまい!

パリスとヘレネーの前になぜかネレウスが現れて今後のトロイアの滅亡を
予言したりする、意味がよく分からない箇所もあるのですが
(ひょっとしてほんとにそんな伝承がどこかに残ってるのか知らん)
おおむね面白いです。
続きは他の本と平行しつつぼちぼち読もうと思います。

DVD
『BONES シーズン1』6巻

『ローズマリー&タイム』5巻
母と娘の回は良かったな。ローラの旦那はカスざます!
by mi-narai | 2008-11-23 20:24 | 2008年11月の読書
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